JP5392629B2 - 凍結クリームの処理方法及びその処理方法で処理されたクリーム - Google Patents

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本発明は、冷凍保存したクリーム(以下、凍結クリームともいう)を用いて、冷凍保存しないチルドクリーム(以下、未凍結クリームという)を用いた場合と同等品質のホイップクリームを製造するための凍結クリームの処理方法に関するものである。
なお、本発明において、クリームとは、乳及び乳製品の成分規格等に関する省令(昭和26年12月27日厚生省令第52号)にて定義される「生乳、牛乳又は特別牛乳から乳脂肪分以外の成分を除去したもの」に限定されず、「乳又は乳製品を主要原料とする食品」を含むものである。
従来、クリームを保存するときには冷蔵庫などの冷蔵室に保存することが一般的である。仮に冷凍保存すると、クリームには冷凍障害が生じ、解凍されたとしても元のクリームの滑らかな液状の物性とは大きく異なり、油脂分と水分が分離するか、または、油脂分が水分を抱き込み流動性が著しく低下した物性を示す。そのため、そのような解凍後のクリームを用いてホイップを行っても、未凍結クリームを用いた場合とは異なり、滑らかな食感や同等の品質を得ることはできないことが広く知られている。
冷凍保存した後であっても未凍結クリームと同等品質のクリームを製造するために、クリームの製造の段階で各種添加物を加えて品質を変更したもの、又はクリームを予めホイップし、冷凍保存したものが市場に流通されている。
例えば、特許文献1では、クリームに添加剤としてペクチン溶液を配合することにより、凍結解凍後における離水を防止する発明が記載されている。
また、特許文献2では、凍結した粉体状乳製品を−40〜−24℃で保存した後、加温された液状乳製品又はその液状食品原料に粉体状乳製品を混合して粉体乳製品を解凍する処理を行うことにより、解凍処理によりクリームの風味及び食感が損なわれることを防ぐ発明が記載されている。
特開2003−180280号公報 特開2006−138133号公報
特許文献1に記載の発明において、需要者は購入時に包装容器に記載される成分表示を必ずしも見るとは限らない。また、成分表示を見たとしてもそのような添加剤が解凍後の品質の改善に役立つことの知見がなければその発明に係る商品を選ばないのであるから、需要者にとって汎用的なものでなかった。
また、特許文献2に記載の発明において、需要者が乳製品を−40〜−24℃で保存して凍結した粉体状乳製品を作製できる冷凍装置を有するとは限らず、やはり需要者にとって汎用的なものではなかった。
そこで、本発明では、特に解凍後の安定性を付与する目的で各種添加剤をクリームに加えることなく、家庭等で使用される冷凍装置を使用したとしても、凍結クリームを解凍し、その解凍されたクリームを用いて、未凍結クリームを用いた場合と同等品質のホイップクリームを製造するための凍結クリームの処理方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、澱粉を含有せず、脂肪分を30〜50重量%含有するクリームが解凍された後の攪拌工程において、30〜43℃の初期温度範囲から、その初期温度範囲を超えて60〜60.5℃の終期温度範囲まで9分22秒〜59分30秒かけて昇温されること、攪拌機の回転数12000〜20000rpmで攪拌されること、さらにその後の冷却工程において、15℃以下の凍結されない温度に冷却されることを特徴とするクリームの処理方法である。
そして、冷却時のクリームの温度が0〜10℃であっても良い。
そして、上記のいずれか一の手段によって得られたクリームであっても良い。
クリームが解凍された後の攪拌工程において、30〜43℃の初期温度範囲から、その初期温度範囲を超えて70℃以下の終期温度範囲まで昇温されること、攪拌機の回転数12000〜20000rpmで攪拌されること、さらにその後の冷却工程において、15℃以下の凍結されない温度に冷却されれば、得られたクリームが、凍結クリームであっても未凍結クリームと同様にホイップすることができ、また同等品質のホイップクリームを製造することができる。
そして、冷却時のクリームの温度が0〜10℃であれば、安定した品質のホイップクリームを製造することができる。
そして、クリームに含有される脂肪分が、30〜50重量%であれば、デコレーションケーキ、ムース、パフェ、クレープなどの洋菓子に使用することができる空気を充分に含んだホイップクリームを製造することができる。
そして、上記のいずれか一の手段によって得られたクリームであれば、未凍結クリームと同等品質のホイップクリームを製造することができ、安定した品質のホイップクリームを製造することができ、又は洋菓子に使用することができる空気を充分に含んだホイップクリームを製造することができる。
以下、本発明に関する実施形態について説明する。
本発明に係る処理方法を実施するために使用される原料としては、特別な添加剤を混合され、又は特別な処理方法を行われたクリームではなく、通常、需要者が市場で容易に入手できる食品エマルジョンの液状乳製品である。
前述した乳及び乳製品の成分規格等に関する省令では、クリームは乳脂肪分が18.0%以上にしたものと定義されており、需要者が市販品として入手しうる商品の容器に、「種類別:クリーム」と表示されているクリームが一般に生クリームと呼ばれている。一方、乳脂肪に植物油脂を加えた商品、乳脂肪に乳化剤又は安定剤などの添加剤を混合した商品、乳脂肪に植物油脂を加え、さらに添加剤を混合した商品などは、商品の容器に「種類別:乳又は乳製品を主要原料とする食品」と表示されているが、これらの商品も本発明においてはクリームに含まれる。このうち、植物油脂を含有するクリームについては、一般的にコンパウンドクリームと呼ばれている。
これらクリームに含有される脂肪分は、特に限定されるものでないが、乳脂肪及び植物油脂の総量として、30〜50重量%含有することが好ましい。デコレーションケーキなどの洋菓子に使用する場合、30重量%未満であるとホイップしても充分に空気を含むことができないため、出来上がったホイップクリームは十分な品質及び物性が得られない。また、50重量%を超えるとホイップクリームにしたときに食味として油脂感を強く感じ食味が低下するとともに品質及び物性が低下する。
クリームは、需要者が一般市場で入手しうる家庭用又は業務用の冷蔵庫又は冷凍庫において凍結される。クリームを液体の状態から流動性のない固体又は少し流動性のある半固体の状態にすることができれば、特に凍結する温度は限定されるものではない。例えば、家庭用冷蔵庫の冷凍室では−18℃以下で冷やされることが多いが、この程度の温度で凍結されても良い。クリームを凍結すれば、クリームの劣化を防ぎ長期に保存ができるために、未開封の使用しきれないクリームを次回の使用時まで保存することができ、また、国内のクリームを海外に船便など時間を要する輸送手段であっても賞味期限に拘らずに輸出し得る。
そして、凍結クリームを解凍する。解凍する方法としては、冷凍室から0℃以上に設定されている冷蔵室に静置し時間をかけて徐々に解凍する方法、冷凍室から取り出して室温でゆっくり解凍する方法、若しくは冷凍室から取り出して凍結した容器ごと、又は他の容器に移し替えて湯煎などの間接的な加温で早く解凍する方法、さらにはこれらの方法を併用して解凍することができる。
そして、凍結クリームを解凍した後に、又は解凍しているときに、クリーム中の固化した脂肪分を液状にするために、クリームを加温する。解凍するときに冷凍した容器を冷蔵室に移し替えて解凍した場合、又は冷凍した容器を室温で解凍した場合には、その後に容器ごと又は他の容器に移し替えて湯煎などの間接的な方法でクリームを加温することができる。また、解凍しているときに、クリームの品温が30〜43℃の初期温度範囲より低い温度であれば解凍した後に30〜43℃の初期温度範囲になるように加温する必要があるが、解凍しているときに30〜43℃の初期温度範囲になるように加温していれば、その解凍後に加温しなくても良い。
攪拌工程において、クリームを30〜43℃の初期温度範囲に加温された状態で、攪拌機とクリームによる摩擦熱又はクリーム自体の摩擦により発生する熱が過剰にならないように調整しながら、攪拌機によって高速攪拌される。一般的に、凍結時には、脂肪分及びリン脂質、タンパク質などから構成される脂肪球膜が成長する氷の結晶により破壊され、又は脂肪球の凝集、合一などの要因によって、そのO/Wエマルジョンが不安定となり、解凍時には、水分中の脂肪球は安定に分散できなくなるため、水分と脂肪分に分離するといわれている。実際に、冷凍したクリームを室温で解凍しても、脂肪分が凝集しているためクリーム本来の滑らかな流動性は失われ、加温しても脂肪分が液面に浮き上がってくる。
しかし、本発明の攪拌工程を経ることより凍結解凍後のクリームであっても、再度水分中に脂肪球を安定して分散させることができる。当該攪拌工程で使用される攪拌機は、ホモミキサー、ディスパーミキサー、ウルトラミキサーなどの高速高せん断攪拌機であることが好ましい。
当該攪拌工程におけるクリームの品温、すなわちクリームの温度は、30〜43℃の初期温度範囲から、その初期温度範囲を超えて70℃以下の終期温度範囲まで昇温されることが好ましい。そして、初期温度範囲は33〜40℃であること、終期温度範囲は50〜65℃であることがさらに好ましい。初期温度範囲が30℃よりも低い温度から攪拌すると、充分に脂肪分が融けていない、すなわち液状化しておらず均一安定なO/Wエマルジョンを形成することができない。また、初期温度範囲が43℃を超える温度から攪拌しても、充分に均一安定なO/Wエマルジョンを形成することができない。さらに、終期温度範囲が70℃を超える温度まで昇温すると、クリームに含まれるたんぱく質が変性しクリームの食味が低下し、またホイップしても液状化し易く外観上も好ましくない。なお、クリームを高速にせん断しながら攪拌するため、クリームの品温は、攪拌機とクリームによる摩擦熱又はクリーム自体の摩擦熱により攪拌開始時のクリームの品温よりも上昇するが、終期温度範囲が70℃を超える温度にならないよう容器の周囲を冷やす又は温めるなど所定の方法で温度を制御することができる。
また、当該攪拌工程における攪拌機の回転数は、12000〜20000rpmであることが好ましく、14000〜18000rpmであることがさらに好ましい。12000rpmより少ない回転数であると、安定なO/Wエマルジョンを形成する脂肪球を再生することが困難であるか、再生できたとしても非常に時間を要するために作業効率が著しく悪い。また、20000rpmより大きい回転数であると、攪拌機とクリームによる摩擦熱又はクリーム自体の摩擦熱による温度上昇を制御することが困難であり、また、そのような性能を有する機器は市販にはほとんどなく別途製作する必要もある。なお、回転数の単位であるrpmは、1分当たりの回転数を意味する。
そして、攪拌工程後に、クリームを冷却する冷却工程が設けられる。攪拌工程で終期温度範囲が70℃までの温度にあるクリームを流水中または氷水中に浸漬することにより15℃以下の凍結されない温度に急冷することで再生された脂肪球の温度がその中の脂肪分の融点よりも下がり、脂肪球の衝突、凝集、合一から生じるO/Wエマルジョンの破壊を大幅に減少することができる。冷却するときのクリームの温度は、脂肪分が固化する程度の温度以下に冷却されれば良く、15℃以下の凍結されない温度が好ましく、0〜10℃がさらに好ましく、0〜7℃が最も好ましい。15℃を超える温度までしか冷却しないと、ホイップしたときに泡立たずに最終的に脂肪分が分離するので好ましくない。また、凍結する温度まで冷却すると再び解凍する作業が必要なため手間がかかり好ましくない。そして、当該冷却工程における冷却方法は、素早く冷却できることから流水中または氷水中に浸漬することが好ましいが、これらの方法に限定されない。なお、O/Wエマルジョンの破壊を極力抑制する意味で、攪拌工程終了後すみやかに冷蔵することが好ましい。
次に、本発明に係る実施例、比較例及び参考例について、さらに具体的に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明を実施するに好ましい具体例であるから、技術的に種々の限定がなされているが、本発明は、以下の説明において特に発明を限定する旨明記されていない限り、これらの形態に限定されるものではない。
(実施例1)
汎用冷蔵庫の−18℃以下に調整された冷凍室で容器ごと冷凍された乳脂肪含有率が47重量%のクリーム(以下、クリームA)1kgを、7℃に調整された冷蔵室で半日以上かけて解凍した後、70℃の温水に容器ごと浸してクリームAを湯煎により加温した。この加温したクリームAを容器から2L容量のステンレス製のビーカーに移し、湯煎によりクリームAの品温を37℃まで加温した。
そして、クリームAに浸漬させたホモミキサーのシャフトの先端部分であるジェネレーターの内部の内刃の回転数が16000rpmとなるように攪拌機の設定を行い、クリームAの品温が37℃であること(初期温度)を確認し、攪拌を行った。攪拌開始後から攪拌機とクリームA又はクリームA自体の摩擦により発生する熱により、クリームAの品温は徐々に上昇し、クリームAが60℃に到達したこと(終期温度)を確認し攪拌を終了させた。攪拌工程に要した時間は15分程度であった。
そして、クリームAの攪拌が終了した後すみやかに、クリームAが入ったビーカーを氷水中に浸漬し急冷させて5℃とした。
(実施例2)
原料を乳脂肪含有率が40重量%のクリーム(以下、クリームB)1kg用いた以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例3)
原料を乳脂肪含有率が35重量%のクリーム(以下、クリームC)1kg用いた以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例4)
実施例3の再現性を確認するために実施例3と同じ方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例5)
実施例3及び4における攪拌後の冷却においてクリームCの品温が3℃とするようにした以外は、実施例3及び4と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例6)
実施例3及び4における攪拌後の冷却においてクリームCの品温が0℃とするようにした以外は、実施例3及び4と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例7)
原料を乳脂肪含有率が45重量%のクリーム(以下、クリームD)1kg用いたこと、攪拌後の冷却においてクリームDの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例8)
原料を乳脂肪含有率が38重量%のクリーム(以下、クリームE)1kg用いたこと、攪拌後の冷却においてクリームEの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例9)
原料を乳脂肪含有率が35重量%と植物油脂含有率が12重量%を含有するコンパウンドクリーム(以下、クリームF)1kg用いたこと、攪拌後の冷却においてクリームFの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例10)
原料を乳脂肪含有率が24重量%と植物油脂含有率が23重量%を含有するコンパウンドクリーム(以下、クリームG)1kg用いたこと、攪拌後の冷却においてクリームGの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例11)
原料を乳脂肪含有率が20重量%と植物油脂含有率が27重量%を含有するコンパウンドクリーム(以下、クリームH)1kg用いたこと、攪拌後の冷却においてクリームHの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例12)
原料を乳脂肪含有率が10重量%と植物油脂含有率が35重量%を含有するコンパウンドクリーム(以下、クリームI)1kg用いたこと、攪拌時に60.5℃まで上昇したこと、攪拌後の冷却においてクリームIの品温が0℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例13)
原料を、均等量のクリームA、クリームC、クリームIを合計1kg用いたこと、攪拌後の冷却において上記混合クリームの品温が7℃とするようにしたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(実施例14)
原料を、クリームB1kg用いたこと、攪拌時に12000回転で攪拌したこと、以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例1)
攪拌時に78℃まで上昇させたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例2)
解凍後に湯煎でクリームAの品温を20℃となるよう加温し攪拌を行ったところ、攪拌中にクリームAが固化し、それ以上の攪拌をすることができなくなった。
(比較例3)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度を45℃としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例4)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度から終期温度まで60℃で一定としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例5)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度を37℃、終期温度を40℃としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例6)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度を37℃、終期温度を40℃としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例7)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度から終期温度まで37℃で一定としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例8)
原料をクリームC1kg用いたこと、攪拌時における初期温度から終期温度まで37℃で一定としたこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
(比較例9)
原料をクリームB1kg用いたこと、攪拌が終了した後に流水で17℃まで冷却したこと以外は実施例1と同様な方法により、解凍、攪拌、冷却を行った。
<性能評価>
上記の実施例1〜14、比較例1、比較例3〜9によって得られたクリームを用い、性能評価するためにホイップクリームを製造した。ホイップする条件は品温が概ね10℃前後となるように冷却しながら、ホイッパーの回転数を500rpmとし、クリームを持ち上げた時にクリームの先(以下、角という)が立つようになるいわゆる8分立てまで泡立てた。具体的な性能評価としては、食味、外観、オーバーランを評価又は測定した。
<官能検査>
各種クリームより得られたホイップクリームを、○:舌触りが滑らかで油脂感がない、△:多少ざらつき感があるが油脂感ない、又は滑らかだが油脂感がある、×:舌に残るざらつき感があり、油脂感がある、として食味を官能検査により三段階で評価した。
<外観>
各種クリームより得られたホイップクリームを、○:表面が滑らかで角立ちも良く保型性が良い、△:保型性が悪い、×:柔らかく液化し易い、として三段階で評価した。
上記の官能検査、外観において少なくとも×評価を含まない実験例を良好と判断した。
<オーバーラン>
オーバーランとは、ホイップしたクリーム中にどの程度の空気が含まれているかを示す指標である。一般にオーバーランは、[{(ホイップ後の体積)−(ホイップ前の体積)}/(ホイップ前の体積)]×100(%)として算出される。
上記の原料の種類及び量等、攪拌、冷却の条件、そして、ホイップの条件、性能評価の結果を一覧できるように表1〜3にまとめた。
(参考例)
上記の実施例1〜14、比較例1、比較例3〜6に対応する参考例として、各原料に対して凍結、解凍を行わず、また、所定の攪拌、冷却を行わず、冷蔵庫の冷蔵室に冷蔵保存していた各原料を参考例とした。これら冷蔵保存しかしていない未凍結クリームを用いてホイップを行い、得られたホイップクリームのオーバーランを測定した。それらの結果を、表1〜3においてコントロールオーバーランとして表記し、冷凍解凍後に攪拌、冷却した各種クリームのオーバーランの指標とした。
Figure 0005392629
Figure 0005392629
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これらの結果から、本発明において、クリームを冷凍しても、解凍後に、所定の条件で攪拌を行い、その後に冷却することによって、それら未凍結クリームと同様にホイップすることができ、食味においてざらつきが残らず滑らかで油脂感がなく、外観において表面が滑らかで角立ちも良いという同等のホイップクリームを製造することができる。また、オーバーランにおいても、未凍結クリームと比べて少なくとも65%以上のオーバーランを示し(表1〜3中のオーバーラン/コントロールオーバーラン)、それら未凍結クリームと同等のオーバーランを示す例も多数確認された。一方、比較例においては、いずれも食味において、ざらつき感や油脂感が残るものであり、外観において角が立つまでホイップできるもののその角を保持することができずに液状化してしまうなど、実施例より劣るものであった。

Claims (3)

  1. 澱粉を含有せず、脂肪分を30〜50重量%含有するクリームが解凍された後の攪拌工程において、30〜43℃の初期温度範囲から、60〜60.5℃の終期温度範囲まで9分22秒〜59分30秒かけて昇温されること、攪拌機の回転数12000〜20000rpmで攪拌されること、さらにその後の冷却工程において、15℃以下の凍結されない温度に冷却されることを特徴とするクリームの処理方法。
  2. 冷却時のクリームの温度が0〜10℃であることを特徴とする請求項1に記載のクリームの処理方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された発明により処理されたクリーム。
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