JP2005198605A - 乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子 - Google Patents

乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子 Download PDF

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Abstract

【課題】冷凍による乳製品の長期間の保存を可能とし、かつ、冷凍による不都合の発生を十分に防止することが可能な乳製品の処理方法を提供すること、前記処理方法により処理された乳製品を提供すること、また、前記乳製品を含む洋菓子を提供すること。
【解決手段】冷凍装置10は、乳製品5に磁場を与え、かつその磁場強度を経時的に変化させる磁場発生装置2と、磁場発生装置2からの磁場の発生および磁場強度を制御する磁場制御装置3とを有する。磁場発生装置2は、冷凍装置本体101内に投入された乳製品5に対し、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与え、その後、磁場発生装置2からの磁場が停止または減弱するように制御されている。前記所定時間Tは、乳製品5の重量、厚さ等の条件に基づいて決定されるものである。また、前記所定時間Tは、冷凍装置10の冷却速度を考慮して決定されるものであるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子に関する。
食品の腐敗等を防止し長期間保存することを目的として、食品等を冷凍する方法は、広く用いられている。
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍方法(従来の冷凍庫)を用いた場合、食品の品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を生じる場合があった。また、食品の種類によっては、冷凍することによる品質の劣化が著しく、実質的に冷凍保存が不可能なものもあった。特に、ホイップ(起泡)前の生クリーム等の乳製品を冷凍した場合、冷凍することによる品質の劣化が著しく、実質的に冷凍処理が不可能なものもあった。より具体的には、ホイップ(起泡)前の生クリームを冷凍した場合、解凍後に、ホイップ(起泡処理)しようとしても、流動性の高い液体状態を保持したままで、ホイップすることができなかった。
一方、近年、食品の鮮度や風味を損なわずに冷凍する方法を提供する目的で、核磁気共鳴現象(NMR)を利用した冷凍方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1では、食品一般について説明されており、食品として生鮮食料品が挙げられているのみで、具体的な個々の食品については言及されておらず、特に、乳製品については何らの検証もなされていない。
また、特許文献1に記載された方法を生クリーム等の乳製品の冷凍に適用した場合、十分な効果が得られず、例えば、特許文献1に記載された方法を適用して、生クリームを冷凍した後、解凍し、ホイップ(起泡処理)しようとしても、解凍後の生クリームは、流動性の高い液体状態を保持したままで、ホイップすることができなかった。
すなわち、特許文献1では、乳製品の特殊性については考慮されておらず、生鮮食品のような食品を対象としているのみである。
特開2000−325062号公報
本発明の目的は、冷凍による乳製品の長期間の保存を可能とし、かつ、冷凍による不都合の発生を十分に防止することが可能な乳製品の処理方法を提供すること、前記処理方法により処理された乳製品を提供すること、また、前記乳製品を含む洋菓子を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
(1) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(2) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(3) 前記所定時間Tは、前記乳製品の各部位における温度が実質的に均一になるのに十分な時間である上記(1)または(2)に記載の乳製品の処理方法。
(4) 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記所定時間Tを決定する上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(5) 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記所定時間Tを決定する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(6) 前記条件は、前記乳製品の重量である上記(5)に記載の乳製品の処理方法。
(7) 前記条件は、前記乳製品の形状である上記(5)または(6)に記載の乳製品の処理方法。
(8) 前記条件は、前記乳製品の種類である上記(5)ないし(7)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(9) 前記所定時間Tは、10〜120分である上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(10) 前記所定時間T[分]が経過するまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(11) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記冷凍工程において、前記乳製品の表面付近の温度が所定値Ts[℃]となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(12) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記冷凍工程において、前記乳製品の表面付近の温度が所定値Ts[℃]となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(13) 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記Tsを決定する上記(11)または(12)に記載の乳製品の処理方法。
(14) 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記Tsを決定する上記(11)ないし(13)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(15) 前記条件は、前記乳製品の重量である上記(14)に記載の乳製品の処理方法。
(16) 前記条件は、前記乳製品の形状である上記(14)または(15)に記載の乳製品の処理方法。
(17) 前記条件は、前記乳製品の種類である上記(14)ないし(16)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(18) 前記Tsは、−20〜−60℃である上記(11)ないし(17)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(19) 前記乳製品の表面付近の温度が前記Ts[℃]となるまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである上記(11)ないし(18)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(20) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記乳製品の表面付近の温度をTs[℃]、前記乳製品の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、
前記冷凍工程において、Tc−Tsが所定値以下となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(21) Tc−Tsが30℃以下となった時点で、前記磁場発生装置からの磁場の発生を停止するように制御する上記(20)に記載の乳製品の処理方法。
(22) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記乳製品の表面付近の温度をTs[℃]、前記乳製品の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、
前記冷凍工程において、Tc−Tsが所定値以下となるまで前記乳製品に対して所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
(23) Tc−Tsが30℃以下となった時点で、前記磁場発生装置が発生する磁場の強度を減弱させるように制御する上記(22)に記載の乳製品の処理方法。
(24) 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記Tcを推定する上記(20)ないし(23)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(25) 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記Tcを推定する上記(20)ないし(24)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(26) 前記条件は、前記乳製品の重量である上記(25)に記載の乳製品の処理方法。
(27) 前記条件は、前記乳製品の形状である上記(25)または(26)に記載の乳製品の処理方法。
(28) 前記条件は、前記乳製品の種類である上記(25)ないし(27)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(29) Tc−Tsが所定値以下となるまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである上記(20)ないし(28)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(30) 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
前記冷凍工程において、前記乳製品に対し、その強度が経時的に変化する磁場を与えつつ冷凍することを特徴とする乳製品の処理方法。
(31) 前記冷凍工程における冷凍装置内の温度が−20℃以下である上記(1)ないし(30)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(32) 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置は、前記乳製品を載置する載置部と、冷凍機と、冷気を循環させるファンとを有するものである上記(1)ないし(31)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(33) 前記ファンからの送風速度は、0.5〜10m/sである上記(32)に記載の乳製品の処理方法。
(34) 複数個の磁場発生装置から発生した磁場を前記乳製品に付与する上記(1)ないし(33)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(35) 前記乳製品に交番磁場を付与する上記(1)ないし(34)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(36) 前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射する上記(1)ないし(35)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(37) 前記乳製品は生クリームである上記(1)ないし(36)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(38) 前記乳製品は牛乳である上記(1)ないし(37)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(39) 前記冷凍工程の後に、何らかの処理を施す工程を有する上記(1)ないし(38)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(40) 前記冷凍工程の後に、冷凍された前記乳製品を加熱する加熱工程を有する上記(1)ないし(39)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(41) 前記冷凍工程の後に、冷凍された前記乳製品を解凍する工程を有する上記(1)ないし(40)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(42) 前記解凍工程は、マイクロ波の照射により行う上記(1)ないし(41)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(43) 前記乳製品は、解凍した後に食されるものである上記(41)または(42)に記載の乳製品の処理方法。
(44) 前記解凍工程の後に、解凍された前記乳製品を起泡させる起泡工程を有する上記(41)ないし(43)のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
(45) 上記(1)ないし(44)のいずれかに記載の処理方法により処理されたことを特徴とする乳製品。
(46) 上記(45)に記載の乳製品を含むことを特徴とする洋菓子。
本発明によれば、冷凍による乳製品の長期間の保存を可能とし、かつ、冷凍による不都合の発生を十分に防止することが可能な乳製品の処理方法を提供することができ、また、前記処理方法により処理された、品質の劣化の少ない乳製品、洋菓子を提供することができる。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の方法で用いる冷凍装置の実施形態を示す概略図であり、図2は、図1に示す冷凍装置が有する磁場処理装置の構成を示す概略図である。
冷凍装置10は、乳製品5に対して用いるものである。すなわち、乳製品5は、冷凍装置10による冷凍工程に供されるものである。冷凍装置10は、冷凍による乳製品5の長期間の保存を可能とし、かつ、冷凍による不都合の発生を十分に防止することができる。
本明細書中では、「乳製品」とは、動物乳または原料として動物乳を用いて得られたもののことを指す。より具体的には、乳製品としては、例えば、牛乳(ただし、生乳を含む)、脱脂乳、部分脱脂乳、加工乳、乳飲料、生クリーム(ホイップ用クリーム)、ホイップクリーム(whipped cream)、コーヒー用クリーム、サワークリーム、練乳(コンデンスミルク)、粉乳、フォローアップミルク、チーズ、バター、アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス、ヨーグルト、ムース等が挙げられる。ここで、牛乳は、無脂肪固形分8.0%以上、乳脂肪分3.0%以上であり、部分脱脂乳は、無脂肪固形分8.0%以上、乳脂肪分0.5%以上3.0%未満であり、脱脂乳は、無脂肪固形分8.0%以上、乳脂肪分0.5%未満であり、加工乳は、無脂肪固形分8.0%以上であり、乳飲料は、乳固形分3.0%以上である。なお、乳製品中には、動物乳由来成分以外の成分(例えば、植物性脂肪、カルシウム、鉄分等のミネラル分、各種ビタミン類、コーヒー、ココア、果汁、塩、酸化防止剤、pH調整剤、乳化剤等の各種添加剤等)が含まれていてもよいが、これらの成分が実質的に含まれていないのが好ましい。これにより、本発明の効果はさらに顕著なものとなる。また、本明細書中での「乳製品」は、例えば、包装、梱包された状態のものも含む。
図1に示すように、本実施形態の冷凍装置10は、冷凍装置本体101と、乳製品5に磁場を照射するための磁場処理装置1と、乳製品5を載置する載置部7と、冷凍機8と、冷気を循環させるファン9とを有する。
冷凍装置本体101は、その内部に、乳製品5を収納するための空間(冷凍室)を有している。
載置部7は、冷凍装置本体101の内部に配されている。
図示の構成では、載置部7は、複数のトレイ71を有するラックである。載置部7がこのようなラックであることにより、例えば、冷凍装置本体101内を循環する冷気と、乳製品5との接触面積が大きくなるように、乳製品5を配することが可能となる。このため、例えば、乳製品5の総量が比較的多い場合であっても(乳製品5が複数個ある場合であっても)、乳製品5の冷凍処理(凍結処理)を効率良く行うことができる。
ラックは、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、主として、アルミニウム、銅等の非磁性金属や、各種プラスチック等の非磁性材料で構成されたものであるのが好ましく、主としてアルミニウムで構成されたものであるのがより好ましい。
冷凍機8は、蒸発器81と、圧縮機82と、凝縮器83とを有し、蒸発器81−圧縮機82間および蒸発器81−凝縮器83間は、それぞれ、冷媒配管84、85で接続されている。また、冷凍機8内には、冷媒が充填されている。
このような冷凍機8は、冷凍装置本体101の内部と外部との間で熱交換を行うことにより、冷凍装置本体101の内部を冷温に保つ作用を有する。
すなわち、冷凍機8は、その内部に充填された冷媒が、蒸発器81において冷凍装置本体101内部の熱を奪い、圧縮機82において圧縮され、凝縮器83において外気に熱を排出することにより、冷凍装置本体101の内部を冷温に保つ。
ファン9は、冷凍装置本体101の内部の冷気を循環させる機能を有する。これにより、冷凍装置本体101の内部の各部位における温度のばらつきが小さくなり、より安定した冷却速度で乳製品5を冷却、凍結させることが可能となる。
ファン9からの送風速度は、特に限定されないが、例えば、0.5〜10m/sであるのが好ましく、2〜8m/sであるのがより好ましい。
ファン9からの送風速度が前記下限値未満であると、冷凍装置本体101の容積等によっては、冷凍装置本体101の内部の各部位における温度のばらつきを十分に小さくすることができない可能性がある。一方、ファン9からの送風速度が前記上限値を超えると、例えば、乳製品5の総量が比較的少ない場合等に、後に詳述する磁場処理装置1の機能が十分に発揮されない状態で、乳製品5が凍結する可能性がある。その結果、乳製品5の冷凍による不都合(例えば、品質の低下等)の発生を十分に防止、抑制するのが困難となる可能性がある。
冷凍装置10を使用する際における冷凍装置本体101の内部の温度は、乳製品5の少なくとも一部を冷凍することが可能な温度であれば、特に限定されないが、例えば、−80〜−20℃であるのが好ましく、−70〜−30℃であるのがより好ましい。冷凍装置本体101の内部の温度をこのような範囲の値とすることにより、乳製品5の冷凍による不都合の発生をより確実に防止しつつ、乳製品5を好適に冷凍することができる。また、乳製品5の品質を十分に保持しつつ、より長期間にわたって冷凍保存することができる。
これに対し、冷凍装置本体101の内部の温度が前記下限値未満であると、乳製品5の冷却速度が速くなりすぎ、後に詳述する磁場処理装置1の機能が十分に発揮されない状態で、乳製品5が凍結し、本発明の効果が十分に得られない可能性がある。また、冷凍装置本体101の内部の温度が前記上限値を超えると、乳製品5の冷凍状態での保存性が低下する傾向を示す。
冷凍装置本体101の内部に配された乳製品5は、磁場処理装置1の作用により、その強度が経時的に変化する磁場を与えられつつ冷凍される。以下、磁場処理装置1について詳細に説明する。
図1、図2に示すように、磁場処理装置1は、乳製品5に磁場を与え、かつその磁場強度を経時的に変化させる磁場発生装置2と、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を制御する磁場制御装置3とを有している。
まず、磁場発生装置2について説明する。
磁場発生装置2は、コイル21と、非磁性体カバー22とを有する。
コイル21は、電流が流れることにより、その周辺に磁場を発生する。そして、例えば、コイル21に流れる電流の方向や量を変化させることにより、発生する磁場の強度を変化させることができる。その結果、磁場発生装置2の近傍に置かれた乳製品5における磁場強度(乳製品5が受ける磁力)を経時的に変化させることが可能となる。
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍庫、冷凍方法を用いた場合、食品の品質の低下を生じる場合があった。このような問題を解決する目的で幾つかの冷凍方法等が提案されているが、これらの方法を適用した場合であっても、乳製品については、十分な効果が得られず、様々な不都合を生じていた。より具体的には、例えば、乳製品としての生クリームを冷凍した場合、解凍後に、ホイップ(起泡処理)しようとしても、解凍後の生クリームは、流動性の高い液体状態を保持したままで、ホイップすることができなかった。また、例えば、乳製品としての牛乳を冷凍した場合、解凍後に、乳脂肪分の含有率の少ない相(層)と、乳脂肪分の含有率の高い相(層)とに分離してしまうという問題点があった。そして、上記のような不都合の発生は、乳製品の特殊性(例えば、牛乳等の動物乳等においては、乳脂肪分、タンパク質等の成分の多くが、脂肪球、脂肪球膜等のミクロ的な構造を形成するとともに、水を主とする媒体中に複雑な形態で分散、溶解しているという特殊性)によるものであると考えられる。また、乳製品は、一般に、一旦冷凍すると、風味、香り、食感等の低下が他の食品に比べて著しかった。また、一般に、乳製品は、保存性が低いため、賞味期限が短く、生産された食品(生乳を含む)の内、廃棄されるものの割合が各種食品の中でも特に高かった。また、例えば、生産(採取)された牛乳等の動物乳については、日数が経過したものを、粉乳等に加工することにより、廃棄量を低減し、有効利用する試みもあるが、安全性の面での危惧を払拭することはできない。
そこで、本発明者は、各種食品の中でも特に乳製品について、長期間の保存を可能とし、かつ、冷凍による不都合(例えば、上記のような不都合)の発生を十分に防止することが可能な処理方法を提供する目的で、乳製品が有する特殊性に着目し鋭意研究を行った。その結果、乳製品に対して、強度が経時的に変化する磁場を与えつつ、冷凍(冷却)することにより、冷凍による不都合の発生を十分に防止しつつ、乳製品を好適に冷凍することができることを本発明者は見出した。
コイル21を流れる電流は、直流であっても、交流であってもよい。特に、コイル21を流れる電流が交流であると、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を比較的容易に変化させることができる。
図示の構成では、コイル21は円形コイルであるが、コイル21の形状は、特に限定されない。コイル21は、例えば、ベースボールコイル、角形コイル等、いかなる形状のものであってもよい。
非磁性体カバー22は、コイル21を保護、固定する機能を有する。
非磁性体カバー22の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられる。
磁場発生装置2が発生する磁場は、特に限定されないが、例えば、交番磁場であるのが好ましい。これにより、乳製品5における磁場強度を容易に変化させることができ、また、上述したような効果をより顕著なものとすることができる。
交番磁場における周波数は、特に限定されないが、例えば、20〜25000Hzであるのが好ましく、40〜1200Hzであるのがより好ましい。交番磁場における周波数が前記範囲内の値であると、上述したような効果をより顕著なものとすることができる。
磁場発生装置2が発生する磁場の最大強度(絶対値)は、特に限定されないが、例えば、乳製品5における磁場が、100〜12000Gsであるのが好ましく、300〜7000Gsであるのがより好ましい。磁場発生装置2が発生する磁場の強度が前記下限値未満であると、乳製品5における磁場強度の変化量を十分に大きくすることが困難となり、乳製品5の種類、組成等によっては、上述したような効果を十分に発揮するのが困難になる可能性がある。一方、磁場発生装置2が発生する磁場の強度が前記上限値を超えると、装置の大型化を招く。
また、磁場発生装置2が発生する磁場は、上述したような交番磁場に限定されない。例えば、磁場発生装置2が発生する磁場は、間欠的なものであってもよい。この場合、発生する磁場の周波数、最大強度等の好ましい範囲は、前記と同様である。
冷凍装置は少なくとも1個の磁場発生装置を有するものであればよいが、複数個有するものであるのが好ましい。複数個の磁場発生装置を有することにより、乳製品の各部位に対しより均一に磁場を与えることができるとともに、後に詳述するように、磁場制御装置3で、各磁場発生装置が発生する磁場の発生パターンを、個別に制御することができる。これにより、磁場処理装置1全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)を、容易に、所望の形状、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、上述したような効果をさらに顕著に発揮することができる。
磁場処理装置1が複数の磁場発生装置2を有する場合、これらのうち少なくとも2個が対面するように配置されたものであるのが好ましい。これにより、上述したような効果をさらに顕著に発揮することができる。
また、磁場処理装置1が複数の磁場発生装置2を有する場合、例えば、それぞれの磁場発生装置2で、コイル21の形状、大きさは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、各磁場発生装置2が発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相等は、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。各磁場発生装置2について、コイル21の形状や大きさ、発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相等を適宜選択し、これらを組み合わせることにより、磁場処理装置1全体として発生する磁場を、容易に、所望の形、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、上述したような効果をさらに顕著に発揮することができる。
このような磁場発生装置2は、載置部7またはその近傍に配置されているのが好ましい。これにより、磁場発生装置2(磁場処理装置1)の機能をより効果的に発揮することができ、結果として、上述したような効果をより顕著なものとすることができる。図1に示す構成では、磁場発生装置2は、冷凍装置本体101の内壁に設置されているが、例えば、載置部7(ラック)と一体的に形成されていてもよい。
磁場発生装置2と乳製品5との距離(最短距離)は、磁場発生装置が発生する磁場強度等により異なるが、例えば、150cm以下であるのが好ましく、50cm以下であるのがより好ましく、20cm以下であるのがさらに好ましい。磁場発生装置2と乳製品5との距離(最短距離)が150cmを超えると、磁場発生装置が発生する磁場強度等によっては、磁場発生装置2(磁場処理装置1)の機能を十分に発揮させることが困難となる可能性がある。
また、磁場発生装置2は、冷凍装置本体101の内部の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、磁場発生装置2の耐久性が向上するため、冷凍装置10は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、磁場発生装置2の交換を行わなくてもよいので(または、磁場発生装置2の交換回数を少なくできるので)、冷凍装置10のメンテナンスも容易となる。
次に、磁場制御装置3について説明する。
磁場制御装置3は、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を制御する機能を有する。
磁場制御装置3は、例えば、磁場発生装置2のコイル21を流れる電流の方向、周波数や電流量等を変化させる可変機能を有するものであってもよい。これにより、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を、より正確に制御することが可能となる。
特に、本実施形態(第1実施形態)では、冷凍装置本体内に投入された乳製品に対し、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与え(第1の処理)、その後、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させる(第2の処理)ように制御する。
このようにして、磁場発生装置2からの磁場を制御することにより、前述したような効果はさらに顕著なものとなり、より長期間にわたって乳製品の品質を確実に保持することができる。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
乳製品5の冷凍(冷却)時に、磁場発生装置2から経時的に強度が変化する磁場を発生することにより、乳製品5は、凍結(冷凍)による、ミクロ構造の変化が起こり難い状態、すなわち、凍結(冷凍)による不都合が生じ難い状態になる。また、冷凍装置10の使用時において、冷凍装置本体101内は、十分に低い温度になっているため、冷凍装置本体101内に投入された乳製品5は、凍結に至る。
しかしながら、磁場発生装置2からの磁場の発生が不十分であると、上記のようなミクロ構造の変化を十分に防止、抑制するのが困難となる。
一方、磁場発生装置2から経時的に強度が変化する磁場(特に、強度の大きい磁場)を発生し続けた状態では、乳製品5中の分子等が微視的な振動をし続け、乳製品5は凍結し難い状態となる。このため、前述したような磁場を与えることにより、磁場を与えない状態では凍結するような温度まで乳製品5を冷却しても乳製品5が凍結に至らない、いわゆる過冷却の状態になることがある。過冷却状態では、乳製品5は、(冷凍温度以上の環境に比べ、ミクロ的な構造の変化が生じ難くいなるものの、)凍結には至っていないため、このような状態(過冷却状態)が長時間にわたって保持されると、乳製品5中の分子等の運動(例えば、振動運動)等により、ミクロ的な構造の変化を生じ易くなる。すなわち、必要以上に乳製品を過冷却状態に保持するのは好ましくない。
したがって、冷凍装置本体内に投入された乳製品5に対し、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与え、その後、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させるように制御することにより、乳製品5の品質の低下をより効果的に防止しつつ、乳製品5を凍結することができる。
このような凍結時において、乳製品5の各部位での温度は十分均一になっているのが好ましい。これにより、乳製品5の各部位での凍結速度のばらつきは極めて小さくなり、乳製品5の各部位におけるミクロ構造がより均一な状態で、乳製品5を凍結に至らしめることができる。その結果、乳製品5全体としての長期安定性を特に優れたものとすることができる。
所定時間Tは、乳製品5の温度が、乳製品5に磁場を与えない状態では乳製品5が凍結に至る温度となるように、設定するのが好ましい。
所定時間Tの具体的な範囲は、乳製品5の種類、寸法、投入前の温度等により異なるが、通常、10〜120分であるのが好ましい。
所定時間Tが短すぎると、例えば、乳製品5の温度が十分に低下しておらず、その時点から乳製品5が凍結するまでの時間が長くなる場合があり、乳製品5の各部位におけるミクロ構造が十分に安定化した状態で、乳製品5を凍結させるのが困難となる可能性がある。また、所定時間Tが短すぎると、例えば、乳製品5の各部位における温度が十分均一になっていない可能性がある。このような理由から、所定時間Tが短すぎると、乳製品5の長期安定性を十分に高めるのが困難となる場合がある。
一方、所定時間Tが長すぎると、コイル21にかかる消費電力が無駄になるだけであり、上記のような効果のさらなる向上はほとんど得られない。また、所定時間Tが長すぎると、上記のような過冷却状態が、必要以上の長時間にわたって維持され、乳製品5が凍結に至ることができないため、乳製品5の長期安定性を十分に高めるのが困難となる場合がある。
所定時間Tが経過した後に磁場強度を減弱させる場合、減弱させた後の磁場の最大強度は、例えば、減弱させる前の磁場の最大強度の60%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましい。減弱させた後の磁場の最大強度が大きすぎると、乳製品5の種類によっては、乳製品5の冷凍速度が遅くなったり、消費電力が無駄になる可能性がある。なお、磁場発生装置2から発生する磁場は、磁場強度の減弱前と減弱後とで、同じであっても異なっていてもよいが、同じ周波数とした方が磁場の制御が簡易である。
また、所定時間Tが経過した後に磁場強度を減弱させる場合、磁場発生装置2からの磁場は、停止に向かって減弱していくものであってもよいし、所定の強度(最大強度)を維持するものであってもよい。
図1に示すように、本発明の冷凍装置10は、温度センサ13を有している。これにより、例えば、冷凍装置本体101内への投入時における乳製品5の温度を検出することができ、所定時間Tをより適正な値として正確に決定することができる。特に、図示のような温度センサ13を有することにより、乳製品5の温度を非接触で測定することができる。
所定時間Tは、いかなる方法で決定するものであってもよいが、例えば、乳製品5に関する少なくとも1つの条件に基づいて決定されるものであるのが好ましい。このような条件としては、例えば、乳製品5の重量、寸法(特に、厚さ)、乳製品5の特徴(例えば、乳製品5の種類、乳製品5中の乳脂肪分、含水量、熱伝導率等)、冷凍装置本体101への投入時における乳製品5の温度等が挙げられる。
上述したように、所定時間Tは、乳製品5に関する少なくとも1つの条件に基づいて決定されるものであるのが好ましいが、2種以上の条件に基づいて決定されるものであるのがより好ましい。これにより、所定時間Tをより適正な値として正確に決定することができる。
また、所定時間Tの決定には、冷凍装置10の冷凍速度が考慮されるのが好ましい。これにより、所定時間Tをより適正な値として正確に決定することができる。
図1に示すように、本実施形態では、乳製品5の重量を、載置部7と一体的に形成された重量計11により測定する構成となっている。
また、冷凍装置10には、乳製品5の厚さを測定する測量計12も設けられている。乳製品5の中心部付近での冷却速度は、乳製品5の寸法のうちでも特に厚さに依存するので、所定時間Tを決定するための前記条件として乳製品5の厚さを用いるのが好ましい。測量計12としては、例えば、光の照射により乳製品5の厚さを測定するものを用いることができる。この場合、測量計12は、例えば、乳製品5の上面側をスキャニング(走査)するものであるのが好ましい。これにより、乳製品5の各部位での厚さを検出し、これらの情報から、乳製品5の最大厚さ、平均厚さ等をより正確に求めることが可能となり、結果として、所定時間Tをより適正な値として正確に決定することができる。
また、例えば、重量計11、測量計12等が乳製品を検出しなかった場合、磁場発生装置2が作動しないように制御してもよい。
また、冷凍装置10は、例えば、上記のような所定時間Tの決定に必要な条件を、使用者が手動入力するための入力ボタン14を有するものであってもよい。これにより、上記のような条件を測定するための部材を省略または簡略化することができる。
なお、上記の説明では、冷凍装置本体101の内部の温度が比較的高く(ただし、乳製品5に磁場を与えない状態では乳製品5が凍結に至る温度)、磁場を停止または減弱させた後に乳製品5の凍結が開始するものとして説明したが、磁場を停止または減弱させる前に乳製品5の少なくとも一部が凍結していてもよい。このような場合であっても、本発明の効果を十分に得ることができる。
また、上記の説明では、所定時間Tの決定に必要な条件を手動入力するための入力部として、入力ボタンを有する構成について説明したが、このような入力部は、例えば、タッチパネル等、他の形態を有するものであってもよい。
また、冷凍装置10は、さらに、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射するエネルギー付与手段4を有するものであるのが好ましい。冷凍装置10が、エネルギー付与手段4を有するものであると、乳製品5のミクロ構造(冷凍工程に供する前のミクロ構造)をより効果的に保持しつつ、乳製品5を冷凍(凍結)させることができる。エネルギー付与手段4がマイクロ波を照射するものである場合、当該マイクロ波は、断続的(非連続的)に照射されるものであるのが好ましい。具体的には、0.1〜10秒間のマイクロ波の照射と、1〜20秒間のマイクロ波の照射の停止とを繰り返し行うのが好ましい。これにより、乳製品5のミクロ構造(冷凍工程に供する前のミクロ構造)をより効果的に保持することができる。
図示の構成では、磁場発生装置2(磁場処理装置1)と、エネルギー付与手段4とが一体的に形成されている。これにより、冷凍装置10の小型化、冷凍室の有効利用を図ることができる。
エネルギー付与手段4が遠赤外線を照射するものである場合、エネルギー付与手段4の構成材料としては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、二酸化珪素(SiO)、酸化クロム(Cr)、フェライト(FeO・Fe)、スピネル(MgO・Al)、セリア(CeO)、ベリリア(BeO)、Na、SnO、SiC、ZrC、TaC、ZrB等のセラミックス、トルマリン等の鉱石等を用いることができる。この中でも、特に優れた効率で遠赤外線を照射することが可能であると言う点で、エネルギー付与手段4の構成材料としてセラミックスを用いるのが好ましい。
また、エネルギー付与手段4が超音波を照射するものである場合、エネルギー付与手段4としては、例えば、超音波振動子等を用いることができる。
また、エネルギー付与手段4がマイナスイオンを照射するものである場合、エネルギー付与手段4の構成材料としては、例えば、トルマリン、デービド鉱、ブランネル石、センウラン鉱、ニンギョウ石、リンカイウラン石、カルノー石、ツャムン石、メタチャムン石、フランセビル石、トール石、コフィン石、サマルスキー石、トリウム石、トロゴム石、モズナ石等の鉱石、BaTiO、PbTiO、PbZrO、Pb(Zr,Ti)O、KNbO、KTaO、K(Ta,Nb)O、LiNbOやロッシェル塩、硫酸グリシン、リン酸カリウム、プロピオン酸カルシウムストロンチウム等を用いることができる。エネルギー付与手段4がマイナスイオンを照射するものであると、上記のような効果に加え、乳製品5の酸化等をより確実に防止・抑制することができ、これらの相乗効果により、乳製品5の品質をより長期間にわたって好ましい状態に保持することができる。
また、エネルギー付与手段4は、冷凍装置本体101の内部の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、エネルギー付与手段4の耐久性が向上するため、冷凍装置10は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、エネルギー付与手段4の交換を行わなくてもよいので(または、エネルギー付与手段4の交換回数を少なくできるので)、冷凍装置10のメンテナンスも容易となる。
上記のような冷凍装置10を用いて冷凍された(冷凍工程に供された)乳製品5は、その後、必要に応じて、何らかの処理が施されてもよい。すなわち、本発明の処理方法では、上記のような冷凍工程の後に、乳製品に対し、何らかの処理を施す工程を有していてもよい。
このような工程(処理)としては、例えば、冷凍後の乳製品5を加熱する加熱工程(加熱処理)、冷凍された乳製品5を解凍する解凍工程(解凍処理)、起泡工程(起泡処理)、混合工程(混合処理)、解砕工程(解砕処理)等が挙げられ、これらから選択される1つまたは2つ以上を組み合わせて行うことができる。
加熱工程(加熱処理)は、例えば、殺菌、解凍等の目的で行うことができる。また、加熱工程(加熱処理)は、例えば、各種ヒーターを用いる方法、マイクロ波の照射による方法等を適用することができる。
解凍工程(解凍処理)は、例えば、乳製品5を冷凍前の状態に戻すこと等を目的に行うことができる。解凍工程(解凍処理)は、例えば、自然解凍(例えば、冷凍された乳製品5を室温付近の環境下に放置することによる解凍)、流水解凍、各種ヒーター等を用いた加熱による解凍、マイクロ波の照射による解凍等により行うことができる。この中でも、マイクロ波の照射による解凍が好ましい。これにより、乳製品5の品質の低下をより確実に防止しつつ、比較的短時間で乳製品を解凍することができる。
起泡工程(起泡処理)は、通常、解凍工程の後に行うものであり、例えば、乳製品5が生クリーム等で構成されたものである場合等に適用することができる。前述したような処理(特に、冷凍処理)が施された乳製品5は、冷凍前の状態の乳製品と同様、またはそれ以上の起泡性(ホイップのし易さ、ホイップの優れた安定性)で起泡させることができる。
以上、説明したような本発明の方法により処理された乳製品は、例えば、洋菓子等の製造(加工)に好適に利用することができる。すなわち、本発明の方法により処理された乳製品は、当該処理が施されていない乳製品と同等、または、それ以上のミクロ構造の安定性を有している。したがって、本発明の方法により処理された乳製品を用いて製造される洋菓子は、特に優れた特徴(味、風味、食感、香り等)を有している。
乳製品を含む洋菓子としては、例えば、ケーキ、プリン、ババロア等が挙げられる。
次に、本発明の他の実施形態(第2実施形態)について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1実施形態)との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態においても、前述した実施形態で用いたのと同様の冷凍装置(図1、図2参照)を用いて、乳製品を冷凍する。
特に、本実施形態(第2実施形態)では、冷凍装置本体内に投入された乳製品に対し、その表面付近の温度が所定値Ts[℃]となるまで所定強度の磁場を与え(第1の処理)、その後、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させる(第2の処理)ように制御する。すなわち、磁場発生の制御の方法が前述した実施形態とは異なる。
このようにして、磁場発生装置2からの磁場を制御することにより、前述した実施形態(第1実施形態)と同様な効果が得られる。
また、本実施形態では、乳製品5の表面付近の温度を、温度センサ13で検出する構成になっている。これにより、乳製品5の温度を非接触で測定することができる。また、このような構成であることにより、容易かつ確実に乳製品5の表面付近の温度を、連続的または所定時間毎に検出することができ、磁場の発生の制御をより適切に行うことができる。また、このような構成であることにより、乳製品5を冷凍装置10内に投入した時点における、乳製品5と冷凍装置本体101内との温度差が比較的大きい場合であっても、乳製品5の表面付近の温度をより正確に測定(検出)することができる。
また、本実施形態では、乳製品5の温度変化の検出結果に基づいて、磁場の制御を直接的に行うため、磁場発生装置からの磁場の発生の停止または減弱を、より適切なタイミングで(すなわち、乳製品5が必要以上に過冷却状態に保持されないように)、確実に行うことができる。
Tsは、乳製品5の中心部付近の温度が、乳製品5に磁場を与えない状態では乳製品5が凍結に至る温度となるように、設定されるのが好ましい。これにより、乳製品5の各部位での凍結速度のばらつきは極めて小さくなり、乳製品5の各部位におけるミクロ構造がより均一な状態で、乳製品5を凍結に至らしめることができる。その結果、乳製品5全体としての長期安定性を特に優れたものとすることができる。
また、Tsは、いかなる方法で設定されるものであってもよいが、例えば、乳製品5に関する少なくとも1つの条件を用いて設定されるものであるのが好ましい。このような条件としては、例えば、乳製品5の重量、寸法(特に、厚さ)、乳製品5の特徴(例えば、乳製品5の種類、乳製品5中の乳脂肪分、含水量、熱伝導率等)、冷凍装置本体101への投入時における乳製品5の温度等が挙げられる。
上記のような条件を用いる場合、例えば、予め、当該条件と、乳製品5の表面付近の温度と、乳製品5の中心部付近の温度との相関関係を実験的に求めておき、この相関関係を用いることにより、Tsを設定するような構成とするのが好ましい。このようにしてTsを設定する場合、冷凍装置10は、例えば、前記条件(例えば、前記条件の値等)に基づいて、前記相関関係によりTsを算出する演算部(図示せず)を有するような構成にすることができる。
上述したように、Tsは、乳製品5に関する少なくとも1つの条件を用いて設定されるものであるのが好ましいが、2種以上の条件を組み合わせて用いるのがより好ましい。これにより、Tsをより適正な値として設定することが可能となる。
また、Tsの設定には、冷凍装置10の冷凍速度が考慮されるのが好ましい。これにより、Tsをより適正な値として設定することが可能となる。
Tsの具体的な値は、上記条件等の諸条件により異なるが、通常、−20〜−60℃であるのが好ましく、−25〜−55℃であるのがより好ましく、−30〜−50℃であるのがさらに好ましい。
Tsが前記下限値未満であると、上記のような過冷却状態が、必要以上の長時間にわたって維持され、乳製品5が凍結に至ることができないため、乳製品5の長期安定性を十分に高めるのが困難となる場合がある。
一方、Tsが前記上限値を超えると、磁場発生装置2からの磁場を停止または減弱してから、乳製品5(特に、乳製品5の中心部付近)が凍結に至るまでの時間が長くなる場合があり、乳製品5の各部位におけるミクロ構造が十分に安定化した状態で、乳製品5を凍結させるのが困難となる可能性がある。
乳製品5の表面付近の温度がTs[℃]となった時点で、磁場強度を減弱させる場合、減弱させた後の磁場の最大強度は、例えば、減弱させる前の磁場の最大強度の60%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましい。減弱させた後の磁場の最大強度が大きすぎると、乳製品5の種類によっては、乳製品5の冷凍速度が遅くなったり、消費電力が無駄になる可能性がある。なお、磁場発生装置2から発生する磁場は、磁場強度の減弱前と減弱後とで、同じであっても異なっていてもよいが、同じ周波数とした方が磁場の制御が簡易である。
また、乳製品5の表面付近の温度がTs[℃]となった時点で磁場強度を減弱させる場合、磁場発生装置2からの磁場は、停止に向かって減弱していくものであってもよいし、所定の強度(最大強度)を維持するものであってもよい。
また、冷凍装置10には、乳製品5の厚さを測定する測量計12も設けられている。乳製品5の中心部付近での冷却速度は、乳製品5の寸法のうちでも特に厚さに依存するので、Tsを設定するための前記条件として乳製品5の厚さを用いるのが好ましい。測量計12としては、例えば、光の照射により乳製品5の厚さを測定するものを用いることができる。この場合、測量計12は、例えば、乳製品5の上面側をスキャニング(走査)するものであるのが好ましい。これにより、乳製品5の各部位での厚さを検出し、これらの情報から、乳製品5の最大厚さ、平均厚さ等をより正確に求めることが可能となり、結果として、Tsをより適正な値として設定することが可能となる。
また、冷凍装置10は、例えば、上記のようなTsの設定に必要な条件を、使用者が手動入力するための入力ボタン14を有するものであってもよい。これにより、上記のような条件を測定するための部材を省略または簡略化することができる。
なお、上記の説明では、乳製品5の表面付近の温度がTs[℃]となった時点で、すなわち、乳製品5の表面付近の温度がTs[℃]となった直後に、磁場発生装置2からの磁場を停止または減弱させる構成について説明したが、乳製品5の表面付近の温度がTs[℃]となってから、所定時間経過した後に、磁場発生装置2からの磁場を停止または減弱させるようにしてもよい。
また、上記の説明では、Tsの設定に必要な条件を手動入力するための入力部として、入力ボタンを有する構成について説明したが、このような入力部は、例えば、タッチパネル等、他の形態を有するものであってもよい。
また、例えば、乳製品5が包装、梱包された状態のものであり、乳製品自体(包装、梱包された内容物)の表面付近の温度を検出するのが困難である場合、「表面付近の温度」としては、包装品、梱包品(包装部材、梱包部材)の表面付近の温度を用いてもよいし、包装部材、梱包部材の厚さ、熱伝導率等から求められる内容物の表面付近の温度を用いてもよい。
次に、本発明の他の実施形態(第3実施形態)について説明する。以下の説明では、前述した実施形態(第1、第2実施形態)との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
図3は、冷凍装置に投入した乳製品の表面付近における温度Ts[℃]と、中心部付近における温度Tc[℃]との関係を模式的に示すグラフである。
本実施形態においても、前述した実施形態で用いたのと同様の冷凍装置(図1、図2参照)を用いて、乳製品を冷凍する。
特に、本実施形態(第3実施形態)では、乳製品の表面付近の温度をTs[℃]、乳製品の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、冷凍装置本体内に投入された乳製品に対し、Tc−Tsが所定値以下となるまで所定強度の磁場を与え(第1の処理)、その後、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させる(第2の処理)ように制御する。すなわち、本実施形態においては、乳製品5の表面付近の温度をTs[℃]、乳製品5の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、Tc−Tsが所定値以下となった時点で、磁場発生装置2からの磁場を停止または減弱させるように制御する(図3参照)。このように、本実施形態は、磁場発生の制御の方法が前述した実施形態とは異なる。
このようにして、磁場発生装置2からの磁場を制御することにより、前述した実施形態(第1および第2実施形態)と同様な効果が得られる。
また、上記のように、本実施形態では、乳製品の各部位の温度が十分に均一になった状態で、前述したような磁場を停止または減弱させるため、乳製品5の各部位におけるミクロ構造がより均一な状態で、乳製品5を凍結に至らしめることができる。その結果、乳製品5全体としての長期安定性を特に優れたものとすることができる。
Tc−Tsは、十分に小さい値であれば特に限定されないが、30℃以下であるのが好ましく、20℃以下であるのがより好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとなる。
また、Tc−Tsが十分に小さい値になった後、さらに、同様の磁場を与え続けても、上記のような効果のさらなる向上はほとんど得られず、コイル21にかかる消費電力が無駄になるだけである。したがって、Tc−Tsが十分に小さくなった時点で磁場発生装置2からの磁場を停止または減弱させることによって、このような消費電力の無駄も省くことができる。
Tc−Tsが十分に小さい値になった後に磁場強度を減弱させる場合、減弱させた後の磁場の最大強度は、例えば、減弱させる前の磁場の最大強度の60%以下であるのが好ましく、40%以下であるのがより好ましい。減弱させた後の磁場の最大強度が大きすぎると、乳製品5の種類によっては、乳製品5の冷凍速度が遅くなったり、消費電力が無駄になる可能性がある。なお、磁場発生装置2から発生する磁場は、磁場強度の減弱前と減弱後とで、同じであっても異なっていてもよいが、同じ周波数とした方が磁場の制御が簡易である。
また、Tc−Tsが十分に小さい値になった後に磁場強度を減弱させる場合、磁場発生装置2からの磁場は、停止に向かって減弱していくものであってもよいし、所定の強度(最大強度)を維持するものであってもよい。
乳製品5の中心部付近の温度の推定値Tcは、いかなる方法で推定するものであってもよいが、例えば、乳製品5に関する少なくとも1つの条件を用いて推定するものであるのが好ましい。このような条件としては、例えば、乳製品5の重量、寸法(特に、厚さ)、乳製品5の特徴(例えば、乳製品5の種類、乳製品5中の乳脂肪分、含水量、熱伝導率等)、冷凍装置本体101への投入時における乳製品5の温度等が挙げられる。
上記のような条件を用いてTcを推定する場合、例えば、予め、当該条件と、乳製品の表面付近の温度と、乳製品5の中心部付近の温度との相関関係を実験的に求めておき、この相関関係を用いることにより推定することができる。このようにしてTcを推定する場合、冷凍装置10は、例えば、前記条件(例えば、前記条件の値等)と、温度センサ13で測定された値とに基づいて、前記相関関係によりTcを算出する演算部(図示せず)を有するような構成にすることができる。
上述したように、乳製品5の中心部付近の温度Tcは、乳製品5に関する少なくとも1つの条件を用いて推定するものであるのが好ましいが、2種以上の条件を組み合わせて用いるのがより好ましい。これにより、Tcをさらに正確に推定することが可能となる。
また、Tcの推定には、冷凍装置10の冷凍速度が考慮されるのが好ましい。これにより、Tcをさらに正確に推定することが可能となる。
また、冷凍装置10には、乳製品5の厚さを測定する測量計12も設けられている。乳製品5の中心部付近での冷却速度は、乳製品5の寸法のうちでも特に厚さに依存するので、Tcを推定するための前記条件として乳製品5の厚さを用いるのが好ましい。測量計12としては、例えば、光の照射により乳製品5の厚さを測定するものを用いることができる。この場合、測量計12は、例えば、乳製品5の上面側をスキャニング(走査)するものであるのが好ましい。これにより、乳製品5の各部位での厚さを検出し、これらの情報から、乳製品5の最大厚さ、平均厚さ等をより正確に求めることが可能となり、結果として、Tcをさらに正確に推定することが可能となる。
また、冷凍装置10は、例えば、上記のようなTcの推定に必要な条件を、使用者が手動入力するための入力ボタン14を有するものであってもよい。これにより、上記のような条件を測定するための部材を省略または簡略化することができる。
なお、上記の説明では、冷凍装置本体101の内部の温度が比較的高く(ただし、乳製品5に磁場を与えない状態では乳製品5が凍結に至る温度)、磁場を停止または減弱させた後に乳製品5の凍結が開始するものとして説明したが、磁場を停止または減弱させる前に乳製品5の少なくとも一部が凍結していてもよい。このような場合であっても、本発明の効果を十分に得ることができる。
また、上記の説明では、乳製品の温度Tsを温度センサにより測定する構成について説明したが、Tsとしては、例えば、冷凍装置本体の内部の温度を代用してもよい。
また、上記の説明では、Tcの推定に必要な条件を手動入力するための入力部として、入力ボタンを有する構成について説明したが、このような入力部は、例えば、タッチパネル等、他の形態を有するものであってもよい。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述の実施形態では、乳製品を冷凍工程に供した後に、解凍等の処理を施し、さらに洋菓子に加工するものとして説明したが、例えば、冷凍工程に供された乳製品は、必要に応じて解凍等の処理が施された後に、洋菓子等に加工されることなく、そのまま食されるものであってもよい。また、本発明の方法に供される乳製品は、予め、洋菓子等に加工されたものであってもよい。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置を3つ有する構成について説明したが、磁場発生装置の数は、1つまたは2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置が固定され、乳製品を静置した状態で冷凍する構成の冷凍装置について説明したが、磁場発生装置と乳製品が相対的に移動する構成であってもよい。すなわち、磁場発生装置、乳製品のうち少なくとも一方が移動する構成のものであってもよい。これにより、乳製品における磁場をより複雑に変化させることができ、冷凍による乳製品のミクロ構造の変化をより確実に防止することが可能となる。このような構成の冷凍装置としては、例えば、ベルトコンベア式のトンネル型冷凍装置等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、冷凍工程において、乳製品を冷凍装置内に投入して所定時間経過した後(「所定時間T[分]が経過した後」、「乳製品の表面付近の温度が所定値Ts[℃]となった後」、または、「乳製品の中心部付近の温度の推定値Tc[℃]と乳製品の表面付近の温度Ts[℃]との差(Tc−Ts)が所定値以下となった後」)に、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させるものとして説明したが、磁場発生装置から発生する磁場が前述したように、その強度が経時的に変化するもの(例えば、交番磁場等)であれば、冷凍工程の途中で、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させなくてもよい。このような場合であっても、上記と同様な効果が得られる。また、一旦、磁場発生装置からの磁場を停止または減弱させた後、再び、磁場発生装置からの磁場を開始または増強してもよい。
また、前述した実施形態では、磁場処理装置の磁場発生装置と、エネルギー付与手段とが一体的に形成された構成について説明したが、本発明においては、磁場発生装置と、エネルギー付与手段とは、それぞれ別々に設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置としては、平板状の形状を有するものについて説明したが、磁場発生装置の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、筒状、湾曲板状、棒状等、いかなるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ファン、冷凍機を、それぞれ1つずつ有する構成のものについて説明したが、ファンや冷凍機を複数個有する構成のものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[乳製品の冷凍]
(実施例1)
まず、図2に示すような磁場処理装置を作製した。
エネルギー付与手段の構成材料としては、トルマリンを用いた。
なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成した。
次に、この磁場処理装置を用いて、図1に示すような冷凍装置を作製した。
作製した冷凍装置は、載置部に乳製品の重量を測定する重量計と、厚さを測定する測量計と、冷凍装置本体内への投入時における乳製品の表面付近の温度を測定する温度センサとを有し、さらに、これらの値から、乳製品に所定強度の磁場を与える所定時間Tを算出する演算部を有するものとした。この冷凍装置では、載置部に載置された乳製品の重量と、厚さと、冷凍装置本体内への投入時における乳製品の表面付近の温度とが自動的に測定され、これらの測定値が演算部に入力され、所定時間Tが算出されるものとした。
本実施例の冷凍装置では、乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から所定強度の交番磁場を発生させておき、所定時間Tが経過した時点で磁場の発生を停止するように磁場発生装置を制御するようにした。
このようにして得られた冷凍装置を、以下に示すような条件で作動させた。
まず、冷凍機、ファン、磁場処理装置を作動させることにより冷凍装置本体内の温度を−50℃とした。このとき、各磁場発生装置が発生する磁場はいずれも60Hzの交番磁場であり、磁場処理装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の最大強度(絶対値)が2000Gsとなるようにした。
冷凍装置本体内の温度が、−50℃で安定したのを確認した後、載置部の各トレイ上に、5℃の乳製品を載置し、乳製品を凍結させた。このとき、磁場発生装置と、乳製品との距離(最短距離)は、5cmであった。
乳製品としては、パック詰めした生クリームを用いた。
磁場発生装置からの磁場の発生は、乳製品を冷凍装置本体内部に投入してから、20分(所定時間T)経過した後に停止した。
(実施例2)
重量計と測量計と温度センサとを有さず、乳製品の重量、厚さ、乳製品の種類(生クリーム)、冷凍装置本体内への投入時における乳製品の温度を入力ボタンから手動入力する構成とした以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例1と同様の条件で、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例3)
冷凍装置本体内に投入された乳製品に対し、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を与え、所定時間T[分]を経過した後、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように、磁場発生装置を制御した以外は、前記実施例1と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。なお、所定時間Tは、20分であった。
(実施例4)
冷凍装置本体内に投入された乳製品に対し、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を、所定時間T[分]与え、その後、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように、磁場発生装置を制御した以外は、前記実施例2と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。なお、所定時間Tは、20分であった。
(実施例5)
まず、図2に示すような磁場処理装置を作製した。
エネルギー付与手段の構成材料としては、KTaOを用いた。
なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成した。
次に、この磁場処理装置を用いて、図1に示すような冷凍装置を作製した。
作製した冷凍装置は、載置部に乳製品の重量を測定する重量計と、厚さを測定する測量計と、表面付近の温度を測定する温度センサとを有するものとした。また、当該冷凍装置は、重量計、測量計での測定値から、所定値Tsを算出する演算部を有するものとした。この冷凍装置では、載置部に載置された乳製品の重量と、厚さと、表面付近の温度とが自動的に測定され、これらの測定値が演算部に入力され、所定値Tsが算出されるものとした。
本実施例の冷凍装置では、乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から所定強度の交番磁場を発生させておき、乳製品の表面付近の温度が−40℃(所定値Tc)となった時点で磁場の発生を停止するように磁場発生装置を制御するようにした。
このようにして得られた冷凍装置を、以下に示すような条件で作動させた。
まず、冷凍機、ファン、磁場処理装置を作動させることにより冷凍装置本体内の温度を−50℃とした。このとき、各磁場発生装置が発生する磁場はいずれも60Hzの交番磁場であり、磁場処理装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の最大強度(絶対値)が2000Gsとなるようにした。
冷凍装置本体内の温度が、−50℃で安定したのを確認した後、載置部の各トレイ上に、5℃の乳製品を載置し、乳製品を凍結させた。このとき、磁場発生装置と、乳製品との距離(最短距離)は、5cmであった。
乳製品としては、パック詰めした生クリームを用いた。
(実施例6)
重量計と測量計とを有さず、乳製品の重量、厚さ、乳製品の種類(生クリーム)を入力ボタンから手動入力する構成とした以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例5と同様の条件で、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例7)
乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を発生させておき、乳製品の表面付近の温度が−40℃(所定値Tc)となった時点で、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように制御した以外は、前記実施例5と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例8)
乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を発生させておき、乳製品の表面付近の温度が−40℃(所定値Tc)となった時点で、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように制御した以外は、前記実施例6と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例9)
まず、図2に示すような磁場処理装置を作製した。
エネルギー付与手段の構成材料としては、トリウム石を用いた。
なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成した。
次に、この磁場処理装置を用いて、図1に示すような冷凍装置を作製した。
作製した冷凍装置は、載置部に乳製品の重量を測定する重量計と、厚さを測定する測量計と、表面付近の温度を測定する温度センサとを有し、さらに、これらの値から推定される乳製品の中心部付近の温度Tcを算出する演算部を有するものとした。この冷凍装置では、載置部に載置された乳製品の重量と、厚さと、表面付近の温度とが自動的に測定され、これらの測定値が演算部に入力され、乳製品の中心部付近の温度Tcが算出されるものとした。
本実施例の冷凍装置では、乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から所定強度の交番磁場を発生させておき、乳製品の中心部付近の温度の推定値Tcと、表面付近の温度Tsとの差(Tc−Ts)が20℃となった時点で磁場の発生を停止するように磁場発生装置を制御するようにした。
このようにして得られた冷凍装置を、以下に示すような条件で作動させた。
まず、冷凍機、ファン、磁場処理装置を作動させることにより冷凍装置本体内の温度を−50℃とした。このとき、各磁場発生装置が発生する磁場はいずれも60Hzの交番磁場であり、磁場処理装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の最大強度(絶対値)が2000Gsとなるようにした。
冷凍装置本体内の温度が、−50℃で安定したのを確認した後、載置部の各トレイ上に、5℃の乳製品を載置し、乳製品を凍結させた。このとき、磁場発生装置と、乳製品との距離(最短距離)は、5cmであった。
乳製品としては、パック詰めした生クリームを用いた。
(実施例10)
重量計と測量計とを有さず、乳製品の重量、厚さ、乳製品の種類(生クリーム)を入力ボタンから手動入力する構成とした以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例9と同様の条件で、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例11)
乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を発生させておき、乳製品の中心部付近の温度の推定値Tcと、表面付近の温度Tsとの差(Tc−Ts)が20℃となった時点で、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように制御した以外は、前記実施例9と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(実施例12)
乳製品を冷凍装置本体内に投入する際には、磁場発生装置から、最大強度(絶対値)2000Gs、周波数60Hzの交番磁場を発生させておき、乳製品の中心部付近の温度の推定値Tcと、表面付近の温度Tsとの差(Tc−Ts)が20℃となった時点で、交番磁場の最大強度が800Gsとなるように制御した以外は、前記実施例10と同様の冷凍装置を用いて、パック詰めした生クリーム(乳製品)を冷凍した。
(比較例1)
磁場処理装置を有していない以外は、前記実施例1と同様の冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、乳製品を冷凍した。
(比較例2)
磁場処理装置を有していない以外は、前記実施例5と同様の冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、乳製品を冷凍した。
(比較例3)
磁場処理装置を有していない以外は、前記実施例9と同様の冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、乳製品を冷凍した。
(比較例4)
乳製品が冷凍装置本体内に存在する間、常時、各磁場発生装置に直流の電流を流し、磁場処理装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の強度(絶対値)が2000Gsとなるようにした以外は、前記実施例1と同様にして、乳製品を冷凍した。
[評価]
前記各実施例および各比較例で冷凍した生クリーム(乳製品)を、そのまま冷凍装置内で3ヵ月保存した。その後、これらの生クリームを冷凍装置内から取り出し、同一の条件で流水解凍した(解凍工程、水温:約5℃)。その後、解凍された生クリームについて、起泡(ホイップ)させるための起泡処理を同一条件で施した(起泡工程)。
起泡処理が施された生クリーム(ホイップクリーム)の品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果を、生クリームの冷凍の進行状況、起泡処理時の様子とともに表1、表2に示す。
Figure 2005198605
Figure 2005198605
表1、表2から明らかなように、本発明の方法により処理された乳製品は、解凍後においても、優れた品質が保持されていた。これに対し、比較例の方法により処理された乳製品は、品質の低下が認められた。特に、比較例1〜3の方法により処理された乳製品は、品質の低下が顕著であり、解凍後において起泡(ホイップ)が不可能であった。
また、冷凍処理を施していない生クリーム(前記各実施例および各比較例の方法により処理された生クリームの製造日の30日後に、同様の条件で製造したもの)を前記と同様の条件でホイップ(起泡)させた。このようにホイップされた生クリーム(ホイップクリーム)について、前記と同様にして、品質(風味、外観、香り等)を評価した。
その結果、本発明の方法により処理された乳製品は、冷凍処理を施さなかった乳製品に比べて、優れた品質を有していた。
また、実施例1〜12では磁場発生装置からの磁場を停止または減弱した時点から冷凍が急速に進行し、速やかに冷凍を行うことができたのに対し、比較例4では乳製品の冷凍が円滑に進まず、冷凍に長時間を要した。これは、比較例4では、同じ強度で磁場を連続的に与えながら冷却されることによって乳製品が、長期間にわたって過冷却状態になっていたためであると考えられる。
また、実施例1〜12では、途中で磁場発生装置からの磁場を停止または減弱しているので、連続して磁場を与えた比較例4に比べて冷凍装置の消費電力も抑えることができた。
また、流水解凍の代わりに、マイクロ波の照射により解凍を行った以外は、前記と同様にして、ホイップクリームを得た。その結果、流水解凍に比べて、短時間で生クリームを解凍することができた。また、マイクロ波の照射により解凍された前記各実施例および各比較例の乳製品(ホイップクリーム)について、前記と同様にして、品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果、実施例1〜12の生クリームは、流水解凍をした場合に比べて、さらに優れた品質を有していた。これに対し、比較例1〜4の乳製品(ホイップクリーム)は、前記と同様、品質に劣っていた。
また、上記のようにしてホイップされた実施例1〜12および比較例4の生クリーム(ホイップクリーム)、市販のスポンジケーキ、苺等を用いて、同様の条件で、ショートケーキを製造した。その結果、本発明の乳製品を用いて製造されたショートケーキは、いずれも、優れた品質(風味、外観、香り等)を有していた。これに対し、比較例4の乳製品を用いて製造されたショートケーキは、品質(風味、外観、香り等)に劣っていた。
(実施例13〜24)
乳製品としてパック詰めした牛乳を用いた以外は、前記実施例1〜12と同様にして乳製品を冷凍した。
(比較例5〜8)
乳製品としてパック詰めした牛乳を用いた以外は、前記比較例1〜4と同様にして乳製品を冷凍した。
[評価]
前記各実施例および各比較例で冷凍した牛乳(乳製品)を、そのまま冷凍装置内で3ヵ月保存した。その後、これらの牛乳を冷凍装置内から取り出し、同一の条件で流水解凍した(解凍工程、水温:約5℃)。その後、解凍された牛乳の品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果を、牛乳の冷凍の進行状況とともに表3に示す。
Figure 2005198605
表3から明らかなように、本発明の方法により処理された乳製品は、解凍後においても、優れた品質が保持されていた。これに対し、比較例の方法により処理された乳製品は、品質の低下が認められた。特に、比較例5〜7の方法により処理された乳製品は、品質の低下(例えば、層分離等)が顕著であった。
また、冷凍処理を施していない牛乳(前記各実施例および各比較例の方法により処理された牛乳の製造日の30日後に、同様の条件で製造したもの)を用意した。用意された牛乳(冷凍処理を施していない牛乳)について、前記と同様にして、品質(風味、外観、香り等)を評価した。
その結果、本発明の方法により処理された乳製品は、冷凍処理を施さなかった乳製品に比べて、優れた品質を有していた。
また、実施例13〜24では磁場発生装置からの磁場を停止または減弱した時点から冷凍が急速に進行し、速やかに冷凍を行うことができたのに対し、比較例8では乳製品の冷凍が円滑に進まず、冷凍に長時間を要した。これは、比較例8では、同じ強度で磁場を連続的に与えながら冷却されることによって乳製品が、長期間にわたって過冷却状態になっていたためであると考えられる。
また、実施例13〜24では、途中で磁場発生装置からの磁場を停止または減弱しているので、連続して磁場を与えた比較例8に比べて冷凍装置の消費電力も抑えることができた。
また、流水解凍の代わりに、マイクロ波の照射により解凍を行った以外は、前記と同様にして、牛乳を解凍した。その結果、流水解凍に比べて、短時間で牛乳を解凍することができた。また、マイクロ波の照射により解凍された前記各実施例および各比較例の乳製品について、前記と同様にして、品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果、実施例13〜24の牛乳は、流水解凍をした場合に比べて、さらに優れた品質を有していた。これに対し、比較例5〜8の乳製品は、前記と同様、品質に劣っていた。
本発明の方法で用いる冷凍装置の実施形態を示す概略図である。 図1に示す冷凍装置が有する磁場処理装置の構成を示す概略図である。 冷凍装置に投入した乳製品の表面付近における温度Ts[℃]と、中心部付近における温度Tc[℃]との関係を模式的に示すグラフである。
符号の説明
1 磁場処理装置
2 磁場発生装置
21 コイル
22 非磁性体カバー
3 磁場制御装置
4 エネルギー付与手段
5 乳製品
7 載置部
71 トレイ
8 冷凍機
81 蒸発器
82 圧縮機
83 凝縮機
84 冷媒配管
85 冷媒配管
9 ファン
10 冷凍装置
101 冷凍装置本体
11 重量計
12 測量計
13 温度センサ
14 入力ボタン

Claims (46)

  1. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  2. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、所定時間T[分]、所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  3. 前記所定時間Tは、前記乳製品の各部位における温度が実質的に均一になるのに十分な時間である請求項1または2に記載の乳製品の処理方法。
  4. 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記所定時間Tを決定する請求項1ないし3のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  5. 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記所定時間Tを決定する請求項1ないし4のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  6. 前記条件は、前記乳製品の重量である請求項5に記載の乳製品の処理方法。
  7. 前記条件は、前記乳製品の形状である請求項5または6に記載の乳製品の処理方法。
  8. 前記条件は、前記乳製品の種類である請求項5ないし7のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  9. 前記所定時間Tは、10〜120分である請求項1ないし8のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  10. 前記所定時間T[分]が経過するまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである請求項1ないし9のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  11. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記冷凍工程において、前記乳製品の表面付近の温度が所定値Ts[℃]となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  12. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記冷凍工程において、前記乳製品の表面付近の温度が所定値Ts[℃]となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  13. 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記Tsを決定する請求項11または12に記載の乳製品の処理方法。
  14. 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記Tsを決定する請求項11ないし13のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  15. 前記条件は、前記乳製品の重量である請求項14に記載の乳製品の処理方法。
  16. 前記条件は、前記乳製品の形状である請求項14または15に記載の乳製品の処理方法。
  17. 前記条件は、前記乳製品の種類である請求項14ないし16のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  18. 前記Tsは、−20〜−60℃である請求項11ないし17のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  19. 前記乳製品の表面付近の温度が前記Ts[℃]となるまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである請求項11ないし18のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  20. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記乳製品の表面付近の温度をTs[℃]、前記乳製品の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、
    前記冷凍工程において、Tc−Tsが所定値以下となるまで前記乳製品に対して磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、磁場の印加を停止した状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  21. Tc−Tsが30℃以下となった時点で、前記磁場発生装置からの磁場の発生を停止するように制御する請求項20に記載の乳製品の処理方法。
  22. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記乳製品の表面付近の温度をTs[℃]、前記乳製品の中心部付近の温度の推定値をTc[℃]としたとき、
    前記冷凍工程において、Tc−Tsが所定値以下となるまで前記乳製品に対して所定強度の磁場を与える第1の処理と、当該第1の処理の後に、与える磁場の強度を低下させた状態で前記乳製品を冷凍する第2の処理を行うことを特徴とする乳製品の処理方法。
  23. Tc−Tsが30℃以下となった時点で、前記磁場発生装置が発生する磁場の強度を減弱させるように制御する請求項22に記載の乳製品の処理方法。
  24. 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置の冷却速度を考慮して、前記Tcを推定する請求項20ないし23のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  25. 前記乳製品に関する少なくとも1つの条件に基づいて、前記Tcを推定する請求項20ないし24のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  26. 前記条件は、前記乳製品の重量である請求項25に記載の乳製品の処理方法。
  27. 前記条件は、前記乳製品の形状である請求項25または26に記載の乳製品の処理方法。
  28. 前記条件は、前記乳製品の種類である請求項25ないし27のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  29. Tc−Tsが所定値以下となるまでに、前記乳製品に与える磁場の最大強度は、1000〜12000Gsである請求項20ないし28のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  30. 乳製品を冷凍する冷凍工程を有する処理方法であって、
    前記冷凍工程において、前記乳製品に対し、その強度が経時的に変化する磁場を与えつつ冷凍することを特徴とする乳製品の処理方法。
  31. 前記冷凍工程における冷凍装置内の温度が−20℃以下である請求項1ないし30のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  32. 前記乳製品の冷凍に用いる冷凍装置は、前記乳製品を載置する載置部と、冷凍機と、冷気を循環させるファンとを有するものである請求項1ないし31のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  33. 前記ファンからの送風速度は、0.5〜10m/sである請求項32に記載の乳製品の処理方法。
  34. 複数個の磁場発生装置から発生した磁場を前記乳製品に付与する請求項1ないし33のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  35. 前記乳製品に交番磁場を付与する請求項1ないし34のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  36. 前記冷凍工程において、前記乳製品に対して、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射する請求項1ないし35のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  37. 前記乳製品は生クリームである請求項1ないし36のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  38. 前記乳製品は牛乳である請求項1ないし37のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  39. 前記冷凍工程の後に、何らかの処理を施す工程を有する請求項1ないし38のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  40. 前記冷凍工程の後に、冷凍された前記乳製品を加熱する加熱工程を有する請求項1ないし39のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  41. 前記冷凍工程の後に、冷凍された前記乳製品を解凍する工程を有する請求項1ないし40のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  42. 前記解凍工程は、マイクロ波の照射により行う請求項1ないし41のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  43. 前記乳製品は、解凍した後に食されるものである請求項41または42に記載の乳製品の処理方法。
  44. 前記解凍工程の後に、解凍された前記乳製品を起泡させる起泡工程を有する請求項41ないし43のいずれかに記載の乳製品の処理方法。
  45. 請求項1ないし44のいずれかに記載の処理方法により処理されたことを特徴とする乳製品。
  46. 請求項45に記載の乳製品を含むことを特徴とする洋菓子。
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