JP2002355018A - クラスター細分化装置 - Google Patents

クラスター細分化装置

Info

Publication number
JP2002355018A
JP2002355018A JP2001165556A JP2001165556A JP2002355018A JP 2002355018 A JP2002355018 A JP 2002355018A JP 2001165556 A JP2001165556 A JP 2001165556A JP 2001165556 A JP2001165556 A JP 2001165556A JP 2002355018 A JP2002355018 A JP 2002355018A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
cluster
intensity
field generator
segmentation apparatus
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001165556A
Other languages
English (en)
Inventor
Tadao Izutsu
忠雄 井筒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2001165556A priority Critical patent/JP2002355018A/ja
Publication of JP2002355018A publication Critical patent/JP2002355018A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】食品の品質の低下を防止、抑制することが可能
なクラスター細分化装置を提供すること。 【解決手段】本発明のクラスター細分化装置1Aは、水
を含む対象物5に磁場を与え、かつその磁場強度を経時
的に変化させる磁場発生装置2と、磁場発生装置2が発
生する磁場の強度を制御する制御装置3とを有する。磁
場発生装置2は、交番磁場を発生する。磁場発生装置2
は、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少な
くとも一つを照射するエネルギー付与手段4と一体的に
形成されている。クラスター細分化装置1Aは、対象物
5を冷蔵または冷凍しつつ、低温環境下で用いられるも
のであるのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、クラスター細分化
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】氷点下以下の温度で、食品等を凍結さ
せ、保存する冷凍庫が広く用いられている。このような
冷凍庫は、主として、食品の腐敗等を防止することによ
り長期間保存することを目的とするものであった。
【0003】ところで、食品は、一般に、動物、植物ま
たはこれらを加工したものであり、動物、植物の細胞を
含むものである。このような食品の凍結に従来の冷凍庫
を用いた場合、凍結時における前記細胞の破壊等が原因
と考えられる、食品の品質(例えば、風味、外観、香り
等)の低下を生じる場合があった。また、食品の種類に
よっては、冷凍することによる品質の劣化が著しく、実
質的に冷凍保存が不可能なものもあった。
【0004】また、冷凍された食品は、通常、解凍して
食されるが、食品の種類によっては、解凍時に、ドリッ
プを発生するという問題点も有していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、食品
の品質の低下を防止、抑制することが可能なクラスター
細分化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(12)の本発明により達成される。
【0007】(1) 水のクラスターを細分化するクラ
スター細分化装置であって、水を含む対象物に磁場を与
え、かつその磁場強度を経時的に変化させる磁場発生装
置を有することを特徴とするクラスター細分化装置。
【0008】(2) 前記磁場発生装置を複数個有する
上記(1)に記載のクラスター細分化装置。
【0009】(3) 少なくとも2個の前記磁場発生装
置が対面するように配置された上記(2)に記載のクラ
スター細分化装置。
【0010】(4) 前記磁場発生装置が発生する磁場
の強度を制御する制御装置を有する上記(1)ないし
(3)のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
【0011】(5) 前記磁場発生装置が発生する磁場
の強度を経時的に変化させることにより、前記対象物に
おける前記磁場強度を変化させるものである上記(1)
ないし(4)のいずれかに記載のクラスター細分化装
置。
【0012】(6) 前記磁場発生装置は、交番磁場を
発生させるものである上記(1)ないし(5)のいずれ
かに記載のクラスター細分化装置。
【0013】(7) 前記対象物と前記磁場発生装置と
を相対的に移動させることにより、前記対象物における
前記磁場強度を変化させるものである上記(1)ないし
(6)のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
【0014】(8) 前記対象物に対して、遠赤外線、
超音波およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照
射するエネルギー付与手段を有する上記(1)ないし
(7)のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
【0015】(9) 前記遠赤外線は、セラミックスに
より照射されるものである上記(8)に記載のクラスタ
ー細分化装置。
【0016】(10) 前記対象物が食品である上記
(1)ないし(9)のいずれかに記載のクラスター細分
化装置。
【0017】(11) 低温環境下で用いられる上記
(1)ないし(10)のいずれかに記載のクラスター細
分化装置。
【0018】(12) 前記対象物を冷蔵または冷凍す
る温度で用いられる上記(11)に記載のクラスター細
分化装置。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を好適実施形態に基
づいて詳細に説明する。
【0020】図1は、本発明のクラスター細分化装置の
第1実施形態を示す概略図である。図1に示すように、
クラスター細分化装置1Aは、水を含む対象物5に磁場
を与え、かつその磁場強度を経時的に変化させる磁場発
生装置2と、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を制
御する磁場制御装置3とを有している。
【0021】クラスター細分化装置1Aは、水を含む対
象物5に対して用いるものであり、対象物5中の水のク
ラスターを細分化する機能を有する。
【0022】本明細書中では、「水のクラスター」と
は、主として水分子で構成されたクラスター(Cluste
r)のことを指すものとして説明する。「水のクラスタ
ー」としては、例えば、実質的に水分子のみで構成され
たクラスターや、主として水分子で構成され、かつ水以
外の成分(水分子以外の分子、イオン等)を含むもの等
が挙げられる。
【0023】本発明のクラスター細分化装置1Aが適用
される対象物5は、水を含むものであれば、いかなるも
のであってもよい。このような対象物5としては、例え
ば、食品(飲料を含む)、飼料、生体組織(例えば、血
液(血液成分)、臓器、皮膚組織、筋組織、神経組織、
骨組織、軟骨組織等の各種組織や、生殖細胞等の各種細
胞等)、生花、薬品(医薬品、試薬等を含む)や、これ
らのうち少なくとも一つを含むもの等が挙げられ、これ
らをそのまま用いてもよいし、例えば、梱包、包装した
状態で用いてもよい。以下の説明では、食品を対象物5
の代表として説明する。
【0024】まず、磁場発生装置2について説明する。
磁場発生装置2は、コイル21と、非磁性体カバー22
とを有する。
【0025】コイル21は、電流が流れることにより、
その周辺に磁場を発生する。そして、例えば、コイル2
1に流れる電流の方向や量を変化させることにより、発
生する磁場の強度を変化させることができる。その結
果、磁場発生装置2の近傍に置かれた対象物5における
磁場強度(対象物5が受ける磁力)を経時的に変化させ
ることが可能となる。
【0026】このように、対象物5に対して、強度が経
時的に変化する磁場を与えることにより、対象物5中に
おいて、主として水分子−水分子間で形成されている水
素結合が効率良く切断され、水のクラスターが細分化さ
れる。
【0027】このようにして水のクラスターが細分化さ
れることにより、対象物(食品)5は、例えば、風味、
外観、香り等の品質の劣化がし難いものとなる。
【0028】コイル21を流れる電流は、直流であって
も、交流であってもよい。特に、コイル21を流れる電
流が交流であると、磁場発生装置2が発生する磁場の強
度を比較的容易に変化させることができる。
【0029】図示の構成では、コイル21は円形コイル
であるが、コイル21の形状は、特に限定されない。コ
イル21は、例えば、ベースボールコイル、角形コイル
等、いかなる形状のものであってもよい。
【0030】非磁性体カバー22は、コイル21を保
護、固定する機能を有する。非磁性体カバー22の構成
材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系
樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられる。
【0031】磁場発生装置2が発生する磁場は、特に限
定されないが、例えば、交番磁場であるのが好ましい。
これにより、対象物5における磁場強度を容易に変化さ
せることができ、また、対象物5中の水のクラスターを
より効率良く細分化することが可能となる。交番磁場に
おける周波数は、特に限定されないが、例えば、1〜2
0000Hzであるのが好ましく、10〜1000Hz
であるのがより好ましい。交番磁場における周波数が前
記範囲内の値であると、対象物5中の水のクラスター
を、より効果的に細分化することができる。
【0032】磁場発生装置2が発生する磁場の最大強度
(絶対値)は、特に限定されないが、例えば、対象物5
における磁場が、1〜10000Gsであるのが好まし
く、1000〜5000Gsであるのが好ましい。
【0033】磁場発生装置2が発生する磁場の強度が前
記下限値未満であると、対象物5における磁場強度の変
化量を十分に大きくすることが困難となり、対象物5の
種類等によっては、対象物5中の水のクラスターを十分
に小さくすることが困難となる可能性がある。一方、磁
場発生装置2が発生する磁場の強度が前記上限値を超え
ると、装置の大型化を招く。
【0034】対象物5における磁場強度の変化量は、特
に限定されないが、例えば、2〜40000Gsである
のが好ましく、20〜2000Gsであるのが好まし
い。
【0035】対象物5における磁場強度の変化量が前記
下限値未満であると、対象物5の種類等によっては、対
象物5中の水のクラスターを十分に小さくすることが困
難となる可能性がある。一方、対象物5における磁場強
度の変化量が前記上限値を超えると、装置の大型化を招
く。
【0036】また、磁場発生装置2が発生する磁場は、
上述したような交番磁場に限定されない。例えば、磁場
発生装置2が発生する磁場は、間欠的なものであっても
よい。この場合、発生する磁場の周波数、最大強度、磁
場強度の変化量等の好ましい範囲は、前記と同様であ
る。
【0037】本発明のクラスター細分化装置1Aは、磁
場発生装置2を少なくとも1個有するものであればよい
が、複数個有するものであるのが好ましい。これによ
り、対象物5中の水のクラスターを、さらに効率良く細
分化することが可能となる。
【0038】クラスター細分化装置1Aが複数の磁場発
生装置2を有する場合、これらのうち少なくとも2個が
対面するように配置されたものであるのが好ましい。こ
れにより、対象物5中の水のクラスターを、さらに効率
良く細分化することが可能となる。
【0039】また、クラスター細分化装置1Aが複数の
磁場発生装置2を有する場合、例えば、それぞれの磁場
発生装置2で、コイル21の形状、大きさは、同じであ
ってもよいし、異なるものであってもよい。また、各磁
場発生装置2が発生する磁場の強度、周期、出力時間、
位相等は、同じであってもよいし、異なるものであって
もよい。各磁場発生装置2について、コイル21の形状
や大きさ、発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相
等を適宜選択し、これらを組み合わせることにより、ク
ラスター細分化装置1A全体として発生する磁場を、容
易に、所望の形、大きさ、強度を有するものとすること
ができる。その結果、対象物5中の水のクラスターをさ
らに効率良く細分化することが可能となる。
【0040】磁場発生装置2と対象物5との距離(最短
距離)は、特に限定されないが、例えば、100cm以
下であるのが好ましく、10cm以下であるのがより好
ましい。磁場発生装置2と対象物5との距離(最短距
離)が100cmを超えると、対象物5の種類等によっ
ては、対象物5中の水のクラスターを十分に小さくする
ことが困難となる可能性がある。
【0041】次に、磁場制御装置3について説明する。
磁場制御装置3は、磁場発生装置2が発生する磁場の強
度を制御する機能を有する。
【0042】磁場制御装置3は、例えば、磁場発生装置
2のコイル21を流れる電流の方向、周波数や電流量等
を変化させる可変機能を有するものであってもよい。こ
れにより、磁場発生装置2が発生する磁場の強度を、よ
り正確に制御することが可能となる。
【0043】クラスター細分化装置1Aは、さらに、遠
赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくとも
一つを照射するエネルギー付与手段4を有するものであ
るのが好ましい。クラスター細分化装置1Aが、エネル
ギー付与手段4を有するものであると、対象物5中の水
のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能
となる。
【0044】図示の構成では、磁場発生装置2と、エネ
ルギー付与手段4とが一体的に形成されている。
【0045】エネルギー付与手段4が遠赤外線を照射す
るものである場合、エネルギー付与手段4の構成材料と
しては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア
(MgO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(Ti
)、二酸化珪素(SiO )、酸化クロム(Cr
)、フェライト(FeO・Fe)、スピネル
(MgO・Al)、セリア(CeO)、ベリリ
ア(BeO)、Na、SnO、SiC、Zr
C、TaC、ZrB等のセラミックス、トルマリン等
の鉱石等を用いることができる。この中でも、特に優れ
た効率で遠赤外線を照射することが可能であると言う点
で、エネルギー付与手段4の構成材料としてセラミック
スを用いるのが好ましい。
【0046】また、エネルギー付与手段4が超音波を照
射するものである場合、エネルギー付与手段4として
は、例えば、超音波振動子等を用いることができる。
【0047】また、エネルギー付与手段4がマイナスイ
オンを照射するものである場合、エネルギー付与手段4
の構成材料としては、例えば、トルマリン、デービド
鉱、ブランネル石、センウラン鉱、ニンギョウ石、リン
カイウラン石、カルノー石、ツャムン石、メタチャムン
石、フランセビル石、トール石、コフィン石、サマルス
キー石、トリウム石、トロゴム石、モズナ石等の鉱石、
BaTiO、PbTiO、PbZrO、Pb(Z
r,Ti)O、KNbO、KTaO、K(Ta,
Nb)O、LiNbOやロッシェル塩、硫酸グリシ
ン、りん酸カリウム、プロピオン酸カルシウムストロン
チウム等を用いることができる。
【0048】クラスター細分化装置1Aは、いかなる環
境下で用いてもよいが、例えば、低温環境下で用いるも
のであるのが好ましく、特に、対象物5を冷蔵または冷
凍する温度で用いられるものであるのが好ましい。この
ような環境下でクラスター細分化装置1Aを用いること
により、対象物5の品質の劣化をより効果的に防止、抑
制することができる。
【0049】対象物5を冷蔵する場合、クラスター細分
化装置1Aは、例えば、対象物5の周辺の温度が15℃
以下となる環境下で用いられるのが好ましい。また、対
象物5を冷凍する場合、クラスター細分化装置1Aは、
例えば、対象物5の周辺の温度が−3℃以下となる環境
下で用いられるのが好ましい。
【0050】特に、対象物5を冷凍する環境下で、クラ
スター細分化装置1Aを用いた場合、対象物5中の水の
クラスターが細分化され、細分化された水のクラスター
が凝固する。このため、形成される氷の結晶も微細化さ
れた(結晶粒径の小さい)ものとなる。
【0051】ところで、食品は、通常、動物、植物また
はこれらを加工したものであり、動物、植物等の細胞を
含むものである。したがって、対象物5として食品を用
い、これを凍結した場合、対象物5内部に形成される氷
の結晶は、微細化されたものとなる。このため、凍結時
に、氷の結晶が粗大化し、前記細胞が破壊されるのを効
果的に防止、抑制することができ、結果として、対象物
(食品)5の品質の低下を効果的に防止、抑制すること
ができる。このため、対象物5の品質を十分に保持しつ
つ、極めて長期間にわたって保存することが可能とな
る。また、凍結時における前記細胞の破壊を、効果的に
防止、抑制することができるため、対象物5の解凍時に
おけるドリップの発生も効果的に防止することができ
る。
【0052】クラスター細分化装置1Aは、例えば、冷
蔵装置、凍結装置(冷凍庫)等に設置して用いてもよ
い。
【0053】図2は、本発明のクラスター細分化装置の
第2実施形態を示す該略図である。以下、第2実施形態
のクラター細分化装置について、前述した第1実施形態
との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説
明を省略する。
【0054】図2に示すように、本実施形態のクラスタ
ー細分化装置1Bは、筒状の管体6を有しており、管体
6の外周には、筒状の磁場発生装置2が設けられてい
る。また、管体6は、その全長にわたって、対象物5を
収納する中空部61を有している。
【0055】クラスター細分化装置1Bが管体6を有す
ることにより、例えば、図示しない移動手段により、管
体6の中空部61内の対象物5を図中矢印で示す方向に
移動させることが可能となる。
【0056】このように、磁場発生装置2と対象物5と
が相対的に移動することにより、磁場発生装置2が発生
する磁場の強度を一定とした場合であっても、対象物5
における磁場強度(対象物5が受ける磁力)を経時的に
変化させることが可能となる。
【0057】すなわち、磁場発生装置2が発生する磁場
の強度を一定とした場合、中空部61内の対象物が磁場
発生装置2に近づくのに伴い、対象物5における磁場強
度が増大し、対象物5と磁場発生装置2との距離が最短
になったときに、対象物5における磁場強度は最大とな
る。そして、対象物5が磁場発生装置2から遠ざかるの
に伴い、対象物5における磁場強度は減少する。このよ
うにして、対象物5における磁場強度を経時的に変化さ
せることにより、対象物5中の水のクラスターを細分化
することができる。
【0058】また、磁場発生装置2が発生する磁場の強
度は、経時的に変化させてもよい。本実施形態において
は、対象物5と磁場発生装置2とが相対的に移動するこ
とができるため、磁場発生装置2が発生する磁場の強度
の変化量が比較的小さいものであっても、対象物5にお
ける磁場強度の変化量を十分に大きくすることができ
る。その結果、対象物5中の水のクラスターを十分に細
分化することができる。
【0059】管体6はいかなる材料で構成されたもので
あってもよいが、管体6の構成材料としては、例えば、
樹脂材料、非磁性材料等が挙げられる。また、管体6
は、セラミックス、鉱石等を含むものであってもよい。
【0060】また、管体6は、エネルギー付与手段4と
一体的に形成されたものであってもよい。
【0061】また、例えば、クラスター細分化装置1B
は、中空部61が循環路を形成しており、対象物5が管
体6の中空部61内を複数回通過するような構成のもの
であってもよい。
【0062】図示の構成では、対象物5が移動すること
により、対象物5と磁場発生装置2との相対的な位置関
係を変化させているが、磁場発生装置2が移動する構成
のものであってもよい。また、磁場発生手段2と対象物
5とが、共に移動する構成のものであってもよい。
【0063】以上、本発明を好適な実施形態に基づいて
説明したが、本発明は、これらに限定されるものではな
い。
【0064】例えば、前述の実施形態では、対象物とし
て食品を用いたものについて説明したが、対象物は、水
を含むものであればいかなるものであってもよい。対象
物として、例えば、移植等に用いられる臓器等の生体組
織を用いた場合、前記生体組織内の水のクラスターを細
分化することにより、生体組織の機能低下を十分に防
止、抑制することができる。その結果、移植後において
も、前記生体組織は、本来有する機能を、十分に発揮す
ることができる。
【0065】また、対象物として、例えば、薬品を用い
た場合、当該薬品の品質の低下を防止、抑制することが
できる。
【0066】また、前述した実施形態では、磁場発生装
置と、エネルギー付与手段とが一体的に形成された構成
について説明したが、本発明のクラスター細分化装置で
は、磁場発生装置と、エネルギー付与手段とは、それぞ
れ別々に設けられたものであってもよい。
【0067】また、前述した実施形態では、磁場発生装
置としては、板状、筒状の形状を有するものについて説
明したが、磁場発生装置の形状は、特に限定されるもの
ではなく、例えば、棒状等、いかなるものであってもよ
い。
【0068】
【実施例】次に、本発明の具体的実施例について説明す
る。
【0069】[対象物の凍結] (実施例1)まず、図1に示すようなクラスター細分化
装置を作製した。エネルギー付与手段の構成材料として
は、アルミナを用いた。
【0070】なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁
性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成
した。
【0071】このクラスター細分化装置を凍結装置(冷
凍庫)内に設置し、対面する磁場発生装置の間に対象物
を配置した。磁場発生装置と、対象物との距離(最短距
離)は、5cmであった。
【0072】対象物としては、表1に示す各種食品を用
いた。表1に示す食品のうち、リゾット(サンプル
J)、野菜スープ(サンプルM)は、レトルト容器内に
封入した状態のものを用いた。
【0073】
【表1】
【0074】クラスター細分化装置を、以下に示すよう
な条件で作動しつつ、対象物を凍結させた。磁場発生装
置が発生する磁場は、40Hzの交番磁場とした。
【0075】また、磁場発生装置が発生する磁場の最大
強度(絶対値)は、2000Gsとした。
【0076】なお、凍結装置(冷凍庫)は、対象物の周
辺の温度が−50℃となるような条件で作動させた。
【0077】(比較例)凍結装置(冷凍庫)内に、クラ
スター細分化装置を設置しなかった以外は、前記実施例
と同様にして、対象物を凍結した。
【0078】[評価]前記実施例1および比較例で凍結
した対象物を冷凍庫内で3ヵ月保存した後、これらの対
象物を解凍した。
【0079】サンプルA、B、C、D、E、F、G、
H、N、OおよびPについては、自然解凍(常温解凍)
した。
【0080】また、サンプルI、J、K、LおよびMに
ついては、解凍後におけるサンプルの温度が約80℃と
なるように、冷凍状態(−18℃)から電子レンジ加熱
した。
【0081】解凍した対象物の品質(風味、外観、香り
等)を評価した。その結果を表2、表3に示す。
【0082】
【表2】
【0083】
【表3】
【0084】表2から明らかなように、実施例1で凍結
した対象物は、解凍後においても、優れた品質が保持さ
れていた。これは、以下のような理由によるものである
と考えられる。
【0085】すなわち、対象物は、凍結装置(冷凍庫)
内という低温環境下に置かれたため、凍結する。また、
対象物は、本発明のクラスター細分化装置の作用を受け
るため、対象物中の水のクラスターが細分化される。
【0086】したがって、対象物は、水のクラスターが
細分化された状態で、凍結に至る。その結果、対象物中
に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。
【0087】このように、氷の結晶が微細化されること
により、粗大化した氷の形成が、効果的に防止、抑制さ
れる。このため、粗大化した氷によって、前記対象物を
構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止することが
できる。その結果、食品の品質の低下を効果的に防止、
抑制することができるものと考えられる。
【0088】これに対し、比較例で凍結した対象物は、
表3に示すように解凍後における品質の低下が著しかっ
た。これは、凍結により形成された氷が粗大化したもの
であり、このような氷によって、前記対象物を構成する
細胞が破壊されたためであると考えられる。このこと
は、サンプルA、B、F、GおよびHで、ドリップを発
生していることからも分かる。
【0089】(実施例2)エネルギー付与手段の構成材
料が、トルマリンである以外は、前記実施例1と同様な
クラスター細分化装置を作製し、該クラスター細分化装
置を、前記実施例1と同様に作動させつつ、対象物を凍
結させた。
【0090】(実施例3)まず、図2に示すようなクラ
スター細分化装置を作製した。エネルギー付与手段の構
成材料としては、トルマリンを用いた。
【0091】また、管体の構成材料としては、ポリエチ
レンを用いた。また、本実施例では、管体が循環路を形
成しており、対象物が中空部内を複数回通過することが
できるような構成のものとした。
【0092】なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁
性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成
した。
【0093】このクラスター細分化装置を、以下に示す
ような条件で作動させた。常温環境下に設置したクラス
ター細分化装置の管体の中空部内に、対象物を入れ、該
対象物を、図2中矢印で示す方向に、ほぼ一定の速度で
移動させた。
【0094】対象物としては、表1に示す食品のうち、
野菜スープ(サンプルM)および純生クリーム(サンプ
ルN)を用いた。磁場発生装置が発生する磁場は、70
Hzの交番磁場とした。
【0095】また、磁場発生装置が発生する磁場の最大
強度(絶対値)は、2500Gsとした。
【0096】以上のような条件でクラスター細分化装置
を15分間作動させた後、中空部内の対象物を取り出
し、ステンレス製の容器に収納した。対象物を入れた各
容器を凍結装置(冷凍庫)内に入れ、対象物を凍結させ
た。
【0097】なお、凍結装置(冷凍庫)は、対象物の周
辺の温度が−50℃となるような条件で作動させた。
【0098】実施例2、実施例3で凍結した対象物につ
いて、前記実施例1および比較例と同様の評価を行っ
た。その結果、前記実施例1と同様の結果が得られた。
【0099】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、食
品の品質の低下を防止、抑制することが可能なクラスタ
ー細分化装置を得ることができる。
【0100】特に、食品を冷蔵または冷凍する、低温環
境下で用いることにより、食品の品質を十分に保持しつ
つ、極めて長期間にわたって保存することが可能とな
る。
【0101】また、凍結された食品を解凍する際におけ
るドリップの発生を効果的に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のクラスター細分化装置の第1実施形態
を示す概略図である。
【図2】本発明のクラスター細分化装置の第2実施形態
を示す概略図である。
【符号の説明】
1A、1B クラスター細分化装置 2 磁場発生装置 21 コイル 22 非磁性体カバー 3 磁場制御装置 4 エネルギー付与手段 5 対象物 6 管体 61 中空部

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水のクラスターを細分化するクラスター
    細分化装置であって、 水を含む対象物に磁場を与え、かつその磁場強度を経時
    的に変化させる磁場発生装置を有することを特徴とする
    クラスター細分化装置。
  2. 【請求項2】 前記磁場発生装置を複数個有する請求項
    1に記載のクラスター細分化装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも2個の前記磁場発生装置が対
    面するように配置された請求項2に記載のクラスター細
    分化装置。
  4. 【請求項4】 前記磁場発生装置が発生する磁場の強度
    を制御する制御装置を有する請求項1ないし3のいずれ
    かに記載のクラスター細分化装置。
  5. 【請求項5】 前記磁場発生装置が発生する磁場の強度
    を経時的に変化させることにより、前記対象物における
    前記磁場強度を変化させるものである請求項1ないし4
    のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
  6. 【請求項6】 前記磁場発生装置は、交番磁場を発生さ
    せるものである請求項1ないし5のいずれかに記載のク
    ラスター細分化装置。
  7. 【請求項7】 前記対象物と前記磁場発生装置とを相対
    的に移動させることにより、前記対象物における前記磁
    場強度を変化させるものである請求項1ないし6のいず
    れかに記載のクラスター細分化装置。
  8. 【請求項8】 前記対象物に対して、遠赤外線、超音波
    およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射する
    エネルギー付与手段を有する請求項1ないし7のいずれ
    かに記載のクラスター細分化装置。
  9. 【請求項9】 前記遠赤外線は、セラミックスにより照
    射されるものである請求項8に記載のクラスター細分化
    装置。
  10. 【請求項10】 前記対象物が食品である請求項1ない
    し9のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
  11. 【請求項11】 低温環境下で用いられる請求項1ない
    し10のいずれかに記載のクラスター細分化装置。
  12. 【請求項12】 前記対象物を冷蔵または冷凍する温度
    で用いられる請求項11に記載のクラスター細分化装
    置。
JP2001165556A 2001-05-31 2001-05-31 クラスター細分化装置 Pending JP2002355018A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001165556A JP2002355018A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 クラスター細分化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001165556A JP2002355018A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 クラスター細分化装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002355018A true JP2002355018A (ja) 2002-12-10

Family

ID=19008210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001165556A Pending JP2002355018A (ja) 2001-05-31 2001-05-31 クラスター細分化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002355018A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009047422A (ja) * 2002-05-10 2009-03-05 Shonan Jitsugyo:Kk 冷凍装置
CN107965960A (zh) * 2017-12-12 2018-04-27 江南大学 基于多磁极可控的周期性变化磁场辅助冷冻装置及应用
CN113318739A (zh) * 2021-06-22 2021-08-31 哈尔滨工业大学 一种磁性芬顿催化剂及其制备方法和应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009047422A (ja) * 2002-05-10 2009-03-05 Shonan Jitsugyo:Kk 冷凍装置
CN107965960A (zh) * 2017-12-12 2018-04-27 江南大学 基于多磁极可控的周期性变化磁场辅助冷冻装置及应用
CN113318739A (zh) * 2021-06-22 2021-08-31 哈尔滨工业大学 一种磁性芬顿催化剂及其制备方法和应用
CN113318739B (zh) * 2021-06-22 2023-04-25 哈尔滨工业大学 一种磁性芬顿催化剂及其制备方法和应用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10588336B2 (en) Method of supercooling perishable materials
KR101172104B1 (ko) 급속 냉동장치
CA2353471C (en) Super-quick freezing method and apparatus therefor
JP4640990B2 (ja) 冷凍庫
Ernst et al. Subcutaneous bone flap storage after emergency craniectomy: cost-effectiveness and rate of resorption
Islam et al. Ultrasound-assisted freezing of fruits and vegetables: design, development, and applications
JP2002355018A (ja) クラスター細分化装置
Dai et al. Influence of ultrasound-assisted nucleation on freeze-drying of carrots
JP4920669B2 (ja) 冷凍装置
JP4450567B2 (ja) 冷凍装置
JP2004044891A (ja) 冷凍装置
JP7218483B2 (ja) 飲料水、調整水ないし機能水の製造方法、及び、飲料水、調整水ないし機能水の製造装置。
JP2004069131A (ja) 冷凍方法
JP2004044889A (ja) 冷凍装置
CN210832688U (zh) 一种过冷却冷冻冰箱
JP2010263884A (ja) 食品及び生体物の保存方法
JP2004044890A (ja) 冷凍装置
JP2005198605A (ja) 乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子
RU2246879C2 (ru) Способ производства консервов из печени рыб
JP4303996B2 (ja) 冷凍装置
CN105526759A (zh) 一种冰箱及其的冷藏方法
JPH11346735A (ja) 静電場処理装置
JPH02309169A (ja) 熟成機能付き冷蔵庫
JP6832585B2 (ja) 乳又は乳製品の冷凍方法
JP2003343964A (ja) 冷凍装置