JP4920669B2 - 冷凍装置 - Google Patents

冷凍装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4920669B2
JP4920669B2 JP2008311218A JP2008311218A JP4920669B2 JP 4920669 B2 JP4920669 B2 JP 4920669B2 JP 2008311218 A JP2008311218 A JP 2008311218A JP 2008311218 A JP2008311218 A JP 2008311218A JP 4920669 B2 JP4920669 B2 JP 4920669B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
frozen
refrigeration apparatus
field generator
field generators
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008311218A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009047422A (ja
Inventor
元彦 佐藤
和彦 藤田
Original Assignee
有限会社 湘南実業
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 有限会社 湘南実業 filed Critical 有限会社 湘南実業
Priority to JP2008311218A priority Critical patent/JP4920669B2/ja
Publication of JP2009047422A publication Critical patent/JP2009047422A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4920669B2 publication Critical patent/JP4920669B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]

Landscapes

  • Freezing, Cooling And Drying Of Foods (AREA)

Description

本発明は、冷凍装置に関するものである。
氷点下以下の温度で、食品等を冷凍させ、保存する冷凍庫が広く用いられている。このような冷凍庫は、主として、食品の腐敗等を防止することにより長期間保存することを目的とするものであった。
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍庫を用いた場合、冷凍時における食品のミクロ的な構造の変化(例えば、食品を構成する細胞の破壊等)が原因と考えられる、食品の品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を生じる場合があった。また、食品の種類によっては、冷凍することによる品質の劣化が著しく、実質的に冷凍保存が不可能なものもあった。
また、冷凍された食品は、通常、解凍して食されるが、食品の種類によっては、解凍時に、ドリップを発生するという問題点も有していた。
また、中華麺等の麺類は、冷凍後、解凍して調理した場合、著しく風味・外観が損なわれ易かった。
本発明の目的は、食品の品質の低下を防止、抑制することが可能な冷凍装置を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(12)の本発明により達成される。
(1) 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を3つ以上有し、
3つ以上の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
3つ以上の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
冷凍を行うに際し、3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、稼働、休止を繰り返すように運転され
稼働状態にある前記磁場発生装置の組み合わせが、経時的に変化することを特徴とする冷凍装置。
(2) 冷凍を行うに際し、3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つの前記磁場発生装置が前記稼働状態にある上記(1)に記載の冷凍装置。
(3) 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を複数有し、
複数の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
複数の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
冷凍を行うに際し、複数の前記磁場発生装置の各々が、稼働、休止を繰り返すように運転されることを特徴とする冷凍装置。
(4) 複数の前記磁場発生装置のうちの1つが停止している間は、他の少なくとも1つの前記磁場発生装置が稼働している上記(3)に記載の冷凍装置。
(5) 冷凍を行うに際し、前記稼働状態の前記磁場発生装置の総和は、経時的に一定である上記(3)または(4)に記載の冷凍装置。
(6) 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を複数有し、
複数の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
複数の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
冷凍を行うに際し、複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、稼働、休止を繰り返すように運転され、複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、連続的に稼働するように運転されることを特徴とする冷凍装置。
(7) 冷凍を行うに際し、前記稼働状態の前記磁場発生装置の総和は、経時的に変化する上記(6)に記載の冷凍装置。
(8) 前記冷凍対象物における磁力線の方向が2次元的または3次元的に変化するように、複数の前記磁場発生装置からの磁場の発生を制御する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の冷凍装置。
(9) 各前記磁場発生装置が前記冷凍対象物に与える磁場の最大強度(絶対値)は、100〜12000Gsである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の冷凍装置。
(10) 各前記磁場発生装置が発生する磁場の総和の絶対値は、2000Gs以下である上記(1)ないし(9)のいずれかに記載の冷凍装置。
(11) 前記冷凍対象物中の水のクラスターが細分化した状態で前記冷凍対象物を凍結させる上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の冷凍装置。
(12) 前記冷凍対象物が食品である上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の冷凍装置。
本発明によれば、食品の品質の低下を防止、抑制することが可能な冷凍装置を得ることができる。
また、冷凍された食品を長期間にわたって保存した場合であっても、優れた品質が保持される。
また、冷凍対象物として麺類を用いた場合、調理後に、いわゆる「麺がのびる」現象を発生し難くすることができる。
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の冷凍装置の第1実施形態を示す概略図であり、図2は、図1に示す冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図であり、図3、図4は、クラスター細分化装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの例である。なお、図1、図2(後述する図5、図6、図7および図10も同様)は、一部を誇張して示したものであり、実際の大きさを反映するものではない。
本発明の冷凍装置10は、水を含む冷凍対象物5に対して用いるものであり、冷凍対象物5中の水のクラスターを細分化した状態で冷凍する機能を有する。言い換えると、本発明の冷凍装置10は、冷凍対象物5中の水分子等が形成する水素結合を部分的に切断した状態で冷凍する機能を有する。
本明細書中では、「水のクラスター」とは、主として水分子で構成されたクラスター(Cluster)のことを指すものとして説明する。「水のクラスター」としては、例えば、実質的に水分子のみで構成されたクラスターや、主として水分子で構成され、かつ水以外の成分(水分子以外の分子、イオン等)を含むもの等が挙げられる。
本発明の冷凍装置10に適用される冷凍対象物5は、水を含むものであれば、いかなるものであってもよい。このような冷凍対象物5としては、例えば、食品(飲料を含む)、飼料、生体組織(例えば、血液(血液成分)、臓器、皮膚組織、筋組織、神経組織、骨組織、軟骨組織等の各種組織や、生殖細胞等の各種細胞等)、生花、薬品(医薬品、試薬等を含む)や、これらのうち少なくとも一つを含むもの等が挙げられ、これらをそのまま用いてもよいし、例えば、梱包、包装した状態で用いてもよい。この中でも、冷凍対象物5としては、食品が好ましい。食品は、従来の冷凍装置を用いた場合に、品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を特に生じ易く、実質的に冷凍保存が不可能なものもある。食品の中でも特に、中華麺等の麺類は、冷凍後、解凍して調理した場合、著しく風味が損なわれ易かった。以下の説明では、食品を冷凍対象物5の代表として説明する。
図1に示すように、本実施形態の冷凍装置10は、冷凍装置本体101と、冷凍対象物5中に含まれる水のクラスターを細分化するためのクラスター細分化装置1Aと、冷凍対象物5を載置する載置部7と、冷凍機8と、冷気を循環させるファン9とを有する。
冷凍装置本体101は、その内部に、冷凍対象物5を収納するための空間を有している。
載置部7は、冷凍装置本体101の内部に配されている。
図示の構成では、載置部7は、複数のトレイ71を有するラックである。載置部7がこのようなラックであることにより、例えば、冷凍装置本体101内を循環する冷気と、冷凍対象物5との接触面積が大きくなるように、冷凍対象物5を配することが可能となる。このため、例えば、冷凍対象物5の総量が比較的多い場合であっても(冷凍対象物5が複数個ある場合であっても)、冷凍対象物5の冷凍処理を効率良く行うことができる。
ラックは、いかなる材料で構成されたものであってもよいが、主として、アルミニウム、銅等の非磁性金属や、各種プラスチック等の非磁性材料で構成されたものであるのが好ましく、主としてアルミニウムで構成されたものであるのがより好ましい。
冷凍機8は、蒸発器81と、圧縮機82と、凝縮器83とを有し、蒸発器81−圧縮機82間および蒸発器81−凝縮器83間は、それぞれ、冷媒配管84、85で接続されている。また、冷凍機8内には、冷媒が充填されている。
このような冷凍機8は、冷凍装置本体101の内部と外部との間で熱交換を行うことにより、冷凍装置本体101の内部を冷温に保つ作用を有する。
すなわち、冷凍機8は、その内部に充填された冷媒が、蒸発器81において冷凍装置本体101内部の熱を奪い、圧縮機82において圧縮され、凝縮器83において外気に熱を排出することにより、冷凍装置本体101の内部を冷温に保つ。
ファン9は、冷凍装置本体101の内部の冷気を循環させる機能を有する。これにより、冷凍装置本体101の内部の各部位における温度のバラツキが小さくなり、より安定した冷却速度で冷凍対象物5を冷却、冷凍させることが可能となる。
冷凍装置10を使用する際における冷凍装置本体101の内部の温度は、冷凍対象物5の少なくとも一部が冷凍される温度であれば、特に限定されないが、例えば、−20℃以下であるのが好ましく、−30〜−70℃であるのがより好ましい。冷凍装置本体101の内部の温度を−20℃以下とすることにより、冷凍対象物5中に含まれる水のクラスターを十分に微細化した状態(水素結合を効率良く切断した状態)で、冷凍対象物5を凍結させることができ、その後、クラスター細分化装置1Aの運転を停止させたり、凍結した冷凍対象物5を、本発明の冷凍装置10から取り出し、公知の冷凍装置(クラスター細分化装置を有していない冷凍装置)内に移した場合であっても、冷凍対象物5の品質を十分長期間にわたって、維持することができる。
冷凍装置本体101の内部に配された冷凍対象物5は、クラスター細分化装置1Aの作用により、冷凍対象物5中に含まれる水のクラスターが細分化される。以下、クラスター細分化装置1Aについて詳細に説明する。
図1、図2に示すように、クラスター細分化装置1Aは、水を含む冷凍対象物5に磁場を与え、かつその磁場強度を経時的に変化させる、複数個の磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2C)と、各磁場発生装置が発生する磁場の強度を制御する磁場制御装置3とを有している。
まず、磁場発生装置について説明する。
第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2Bおよび第3の磁場発生装置2Cは、同様の構成であるので、第1の磁場発生装置2Aについて代表的に説明する。
第1の磁場発生装置2Aは、コイル21と、非磁性体カバー22とを有する。
コイル21は、電流が流れることにより、その周辺に磁場を発生する。そして、例えば、コイル21に流れる電流の方向や量を変化させることにより、発生する磁場の強度を変化させることができる。その結果、第1の磁場発生装置2Aの近傍に置かれた冷凍対象物5に与える磁場強度(冷凍対象物5が受ける磁力)を経時的に変化させることが可能となる。
このように、冷凍対象物5に対して、強度が経時的に変化する磁場を与えることにより、冷凍対象物5中において、主として水分子−水分子間で形成されている水素結合が効率良く切断され、水のクラスターが細分化される。
このようにして水のクラスターが細分化されることにより、冷凍対象物5(食品)は、例えば、風味、外観、香り等の品質の劣化がし難いものとなる。
また、冷凍対象物5における磁場強度(冷凍対象物5が受ける磁力)が経時的に変化することにより、水分子間で、水素結合が再形成したり、水中に含まれる水素イオン(H)と、水酸化物イオン(OH)とが結合するのを効果的に防止することができる。その結果、水のクラスターが細分化された状態を効率良く維持することができる。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
また、前述したように、冷凍装置10の使用時における冷凍装置本体101の内部は、冷凍対象物5の少なくとも一部を冷凍する温度となっている。このため、冷凍対象物5中に含まれる水のクラスターは、細分化した状態で固化する。これにより、冷凍対象物5中に形成される氷の結晶も微細化された(結晶粒径の小さい)ものとなる。
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍庫を用いた場合、食品の品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を生じる場合があった。このような食品の品質の低下は、冷凍時における食品のミクロ的な構造の変化(例えば、食品を構成する細胞の破壊等)が原因と考えられる。そして、本発明者は、このようなミクロ的な構造の変化が、主として、冷凍時に形成される、粗大化した氷によるものであることを見出した。
上述したように、本発明の冷凍装置10を用いた場合、冷凍対象物5中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。このため、本発明では、冷凍により、冷凍対象物5中でのミクロ的な構造が冷凍前の構造から変化するのを、効果的に防止・抑制することができる(冷凍対象物を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止することができる)。その結果、冷凍対象物5の品質を十分に保持しつつ、極めて長期間にわたって保存することが可能となる。また、冷凍時における前記細胞の破壊を、効果的に防止、抑制することができるため、冷凍対象物5の解凍時におけるドリップの発生も効果的に防止することができる。
また、本発明者は、冷凍対象物に対して磁場を与えつつ、冷却することにより、通常の冷凍装置を用いた場合に比べて、冷凍対象物の凍結時における潜熱が小さくなり、冷凍対象物の冷却を効率よく行えることを見出した。すなわち、ほぼ一定の冷却速度で冷凍対象物を冷却した場合、冷凍対象物中の水が凝固する際においては、通常、冷凍対象物の温度が所定時間ほぼ一定になるが、本発明の冷凍装置を用いることにより、図11に示すように、水の凝固が開始してから終了するまでに要する時間を短くすることができ、より短時間で冷凍対象物の温度を低下させることができる。このような傾向は、冷凍対象物の素材や、冷凍装置の運転条件等を適宜選択することにより、さらに顕著なものとすることができ、極端な場合、図12に示すように、冷凍対象物の凍結時における潜熱が実質的に観測されない場合もある。これにより、冷凍による、冷凍対象物の品質の低下をさらに効果的に防止することができる。
コイル21を流れる電流は、直流であっても、交流であってもよい。特に、コイル21を流れる電流が交流であると、第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場の強度を比較的容易に変化させることができる。
図示の構成では、コイル21は円形コイルであるが、コイル21の形状は、特に限定されない。コイル21は、例えば、ベースボールコイル、角形コイル等、いかなる形状のものであってもよい。
非磁性体カバー22は、コイル21を保護、固定する機能を有する。
非磁性体カバー22の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられる。
第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場は、特に限定されないが、例えば、交番磁場であるのが好ましい。これにより、冷凍対象物5における磁場強度を容易に変化させることができ、また、冷凍対象物5中の水のクラスターをより効率良く細分化することが可能となる。
交番磁場における周波数は、特に限定されないが、例えば、20〜25000Hzであるのが好ましく、40〜1200Hzであるのがより好ましい。交番磁場における周波数が前記範囲内の値であると、冷凍対象物5中の水のクラスターを、より効果的に細分化することができる。
第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場の最大強度(絶対値)は、特に限定されないが、例えば、冷凍対象物5における磁場が、100〜12000Gsであるのが好ましく、300〜7000Gsであるのがより好ましい。第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場の強度が前記下限値未満であると、冷凍対象物5における磁場強度の変化量を十分に大きくすることが困難となり、冷凍対象物5の種類等によっては、冷凍対象物5中の水のクラスターを十分に小さくすることが困難となる可能性がある。一方、第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場の強度が前記上限値を超えると、装置の大型化を招く。また、第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場の強度が前記上限値を超えると、磁場の発生に要する電圧が高くなり、それに伴い、コイルからの発熱量が大きくなり、冷却効率が低下する傾向を示す。
また、第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場は、上述したような交番磁場に限定されない。例えば、第1の磁場発生装置2Aが発生する磁場は、間欠的なものであってもよい。この場合、発生する磁場の周波数、最大強度等の好ましい範囲は、前記と同様である。
以上、第1の磁場発生装置2Aについて説明したが、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2Cについても、第1の磁場発生装置2Aと同様の構成、機能を有している。
本発明は、複数個の磁場発生装置を有する点に特徴を有する。複数個の磁場発生装置を有することにより、後に詳述するように、磁場制御装置3で、各磁場発生装置が発生する磁場の発生パターンを、個別に制御することができる。これにより、クラスター細分化装置1A全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)を、容易に、所望の形状、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、冷凍対象物5中の水のクラスターをより効率良く細分化することができる。
上述したように、本発明の冷凍装置は、複数個の磁場発生装置、すなわち、2つ以上の磁場発生装置を有するものであれば良いが、3つ以上の磁場発生装置を有するものであるのが好ましい。これにより、冷凍対象物5中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
また、クラスター細分化装置1Aを構成する磁場発生装置のうち、少なくとも2つが対面するように配置されたものであるのが好ましい。これにより、冷凍対象物5中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
また、例えば、それぞれの磁場発生装置で、コイル21の形状、大きさは、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
このような磁場発生装置は、載置部7またはその近傍に配置されているのが好ましい。これにより、冷凍対象物5中の水のクラスターをより効果的に細分化することが可能となる。
磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2Bまたは第3の磁場発生装置2C)と冷凍対象物5との距離(最短距離)は、磁場発生装置が発生する磁場強度等により異なるが、例えば、150cm以下であるのが好ましく、20cm以下であるのがより好ましい。磁場発生装置と冷凍対象物5との距離(最短距離)が150cmを超えると、磁場発生装置が発生する磁場強度等によっては、冷凍対象物5中の水のクラスターを十分に小さくすることが困難となる可能性がある。
図示のように、本実施形態では、第3の磁場発生装置2Cと、載置部7とが一体的に形成されている。これにより、冷凍対象物5と、磁場発生装置との距離を、常に短くすることができる。その結果、クラスター細分化の効果をさらに高めることができる。また、別部材として設置する磁場発生装置の数を減らすことができるため、冷凍装置の大容量化、省スペース化に有利である。
また、磁場発生装置は、冷凍装置本体101の内部の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、磁場発生装置の耐久性が向上するため、冷凍装置10は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、磁場発生装置の交換を行わなくてもよいので(または、磁場発生装置の交換回数を少なくできるので)、冷凍装置10のメンテナンスも容易となる。
次に、磁場制御装置3について説明する。
磁場制御装置3は、各磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2C)が発生する磁場の強度を、個別に制御する機能を有する。これにより、磁場発生装置のうち少なくとも1つからの磁場の発生のタイミング(磁場の発生パターン)を、他の磁場発生装置からの磁場の発生タイミングと異なるように制御することができる。このように、複数個の磁場発生装置で、磁場の発生タイミングを異なるものとすることにより、冷凍対象物5中の水のクラスターをより効率良く細分化することができる。すなわち、冷凍対象物5中の水分子等が形成する水素結合を効率良く切断することができる。その結果、品質の低下を十分に防止・抑制しつつ、冷凍対象物5を冷凍することができる。
磁場制御装置3は、例えば、各磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2C)のコイル21を流れる電流の方向、周波数や電流量等を変化させる可変機能を有するものであってもよい。これにより、各磁場発生装置が発生する磁場の強度を、より正確に制御することができ、クラスター細分化装置1A全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)を、容易に、所望の形状、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、冷凍対象物5中の水のクラスターをより効率良く細分化することができる。
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、図3に示すように制御することができる。
すなわち、まず、第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bのコイル21に交流電圧を印加し、これら2つの磁場発生装置から磁場を発生させる。このとき、第3の磁場発生装置2Cのコイル21には、電圧を印加しない。また、第1の磁場発生装置2Aからの磁場の発生タイミングと、第2の磁場発生装置2Bからの磁場の発生タイミングとが同期するようにする。第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bが発生する磁場の変化に伴い、冷凍対象物5における磁場が変化し、冷凍対象物5中の水のクラスターが細分化する。
所定時間、第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bのコイル21に通電した後、第1の磁場発生装置2Aのコイル21への通電を中止し、第3の磁場発生装置2Cのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第1の磁場発生装置2Aのコイル21から、第3の磁場発生装置2Cのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1A全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5の各部位における磁場をまんべんなく変化させることが可能となり、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、前記と同様に、所定時間、第2の磁場発生装置2Bおよび第3の磁場発生装置2Cのコイル21に通電する。これにより、冷凍対象物5中のクラスターの細分化がさらに進行する。
その後、第2の磁場発生装置2Bのコイル21への通電を中止し、第1の磁場発生装置2Aのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第2の磁場発生装置2Bのコイル21から、第1の磁場発生装置2Aのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1A全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、上記と同様に、交流電圧を印加する磁場発生装置のコイルを、繰り返し、切り替える。これにより、冷凍対象物5における磁力線の方向、磁場強度が、経時的に変化する。このように、冷凍対象物5における磁力線の方向、磁場強度を、経時的に変化させることにより、冷凍対象物5中の各部位において、均等に、水のクラスターを微細化することができる。
以上説明したように、本実施形態の冷凍装置10は、各磁場発生装置について、稼動−休止を繰り返し行うように運転する。そして、本発明者は、冷凍装置本体101内部の温度がほぼ一定に保たれているにも関わらず、冷凍対象物5中の水分の氷結が、稼動していた磁場発生装置を休止する際に(すなわち、磁場を発生する磁場発生装置を切り替える際に)、優先的に進行することを見出した。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、磁場発生装置から磁場が発生している状態では、与えられた磁場により、冷凍対象物5中の水分子等が振動しているため、その温度が氷結温度以下になっても、冷凍対象物5は氷結に至らず、過冷却の状態になる。このような状態で、磁場を発生していた磁場発生装置の運転を休止することにより、冷凍対象物5中の水分は一気に氷結に至る。そして、本実施形態では、上記のような磁場の発生−停止を繰り返し行うため、冷凍対象物の冷凍を速やかに進行させることができる。また、上記のような磁場の発生−停止を、各磁場発生装置について、順次繰り返し行うため、冷凍対象物5の氷結が各部位で均等に進行する。このため、冷凍対象物5は、その品質を十分に維持した状態で凍結に至る。
また、上記のように、本実施形態では、2つの磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを同期させ、かつ、同期する磁場発生装置の組み合わせを経時的に変化させることにより、冷凍対象物5付近において、磁力線が回転するように、磁場の発生を制御する。これにより、冷凍対象物5中の各部位において、より均等に、水のクラスターを微細化することができる。
図3に示すように、上記の場合には、冷凍対象物5を冷凍するに際し、稼働状態となっている磁場発生装置の総和が経時的に一定となっている。
なお、図3に示すタイミングチャートでは、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相が常に一致しているが、必ずしも位相は一致しなくてもよい。例えば、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相は、2分の1波長分ずれたもの等であってもよい。
また、各磁場発生装置が発生する磁場の最大強度は、ほぼ等しいものであってもよいし、各磁場発生装置で異なるものであってもよい。
また、クラスター細分化装置1Aは、常に稼動させる必要はない。例えば、冷凍対象物5が凍結した後、クラスター細分化装置の稼動を終了してもよい。
また、各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、図4に示すように制御してもよい。
すなわち、第1の磁場発生装置2Aおよび第3の磁場発生装置2Cから、所定の周波数の交番磁場を連続的に発生しつつ、第2の磁場発生装置2Bから非連続的に(断続的に)所定の周波数の交番磁場を発生してもよい。
図4に示すように、上記の場合には、冷凍対象物5を冷凍するに際し、稼働状態となっている磁場発生装置の総和が経時的に変化する。
この場合、各磁場発生装置から発生する交番磁場の周波数は、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
クラスター細分化装置1Aは、さらに、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波、紫外線およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射するエネルギー付与手段4を有するものであるのが好ましい。クラスター細分化装置1Aが、エネルギー付与手段4を有するものであると、冷凍対象物5中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。エネルギー付与手段4がマイクロ波を照射するものである場合、当該マイクロ波は、断続的(非連続的)に照射されるものであるのが好ましい。具体的には、0.1〜10秒間のマイクロ波の照射と、0.1〜20秒間のマイクロ波の照射の停止とを繰り返し行うのが好ましい。これにより、冷凍対象物5中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
図示の構成では、磁場発生装置と、エネルギー付与手段4とが一体的に形成されている。
エネルギー付与手段4が遠赤外線を照射するものである場合、エネルギー付与手段4の構成材料としては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、二酸化珪素(SiO)、酸化クロム(Cr)、フェライト(FeO・Fe)、スピネル(MgO・Al)、セリア(CeO)、ベリリア(BeO)、Na、SnO、SiC、ZrC、TaC、ZrB等のセラミックス、トルマリン等の鉱石等を用いることができる。この中でも、特に優れた効率で遠赤外線を照射することが可能であると言う点で、エネルギー付与手段4の構成材料としてセラミックスを用いるのが好ましい。
また、エネルギー付与手段4が超音波を照射するものである場合、エネルギー付与手段4としては、例えば、超音波振動子等を用いることができる。
また、エネルギー付与手段4がマイナスイオンを照射するものである場合、エネルギー付与手段4の構成材料としては、例えば、トルマリン、デービド鉱、ブランネル石、センウラン鉱、ニンギョウ石、リンカイウラン石、カルノー石、ツャムン石、メタチャムン石、フランセビル石、トール石、コフィン石、サマルスキー石、トリウム石、トロゴム石、モズナ石等の鉱石、BaTiO、PbTiO、PbZrO、Pb(Zr,Ti)O、KNbO、KTaO、K(Ta,Nb)O、LiNbOやロッシェル塩、硫酸グリシン、りん酸カリウム、プロピオン酸カルシウムストロンチウム等を用いることができる。エネルギー付与手段4がマイナスイオンを照射するものであると、冷凍対象物5の酸化等を防止・抑制することができ、品質を保持することができる。このため、例えば、冷凍対象物5が食品である場合、より長期間保存した場合であっても、優れた風味等を保持することができる。
また、エネルギー付与手段4は、冷凍装置本体101の内部の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、エネルギー付与手段4の耐久性が向上するため、冷凍装置10は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、エネルギー付与手段4の交換を行わなくてもよいので(または、エネルギー付与手段4の交換回数を少なくできるので)、冷凍装置10のメンテナンスも容易となる。
また、冷凍装置10は、冷凍装置本体101内部にオゾンを供給するオゾン供給手段(図示せず)を備えていてもよい。これにより、冷凍装置本体101内部に供給されるオゾンの殺菌作用等により、冷凍対象物5(冷凍物)をより長期間にわたって安定的に保存することができ、冷凍対象物5(冷凍物)の腐敗、変性等をより効果的に防止することができる。オゾン供給手段としては、特に限定されないが、例えば、光化学反応、電解反応、放電反応、放射線反応等の各種反応によりオゾンを発生するオゾン発生装置(例えば、紫外線ランプ等)や、オゾンを収納したボンベ等を用いることができる。
次に、本発明の冷凍装置の第2実施形態について説明する。以下、第2実施形態の冷凍装置について、前述した第1実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態の冷凍装置10は、クラスター細分化装置1Bの構成が前記第1実施形態で用いたものとは異なる以外は前記第1実施形態と同様の構成を有する。
図5は、本実施形態の冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。
図5に示すように、クラスター細分化装置1Bは、複数個の磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2C)を有しており、これらの冷凍対象物5に対向する面が、互いに直交するように、各磁場発生装置が設置されている。
複数個の磁場発生装置がこのように配置されることにより、クラスター細分化装置1B全体として、冷凍対象物5に与える磁場の形状、冷凍対象物5付近における磁力線の方向を、三次元的に効率良く変化させることができる。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化を、均等かつ効率良く進行させることができる。
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、前記実施形態で説明した図3のように制御することができる。これにより、冷凍対象物5付近において、磁力線が三次元的に回転するように、磁場の発生が制御される。その結果、冷凍対象物5が複雑な形状を有するものであっても、冷凍対象物5中の各部位において、より均等に、水のクラスターを微細化することができる。
次に、本発明の冷凍装置の第3実施形態について説明する。以下、第3実施形態の冷凍装置について、前述した第1、第2実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態の冷凍装置10は、クラスター細分化装置1Cの構成が前記第1、第2実施形態で用いたものとは異なる以外は前記実施形態と同様の構成を有する。
図6は、本実施形態の冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。
図6に示すように、クラスター細分化装置1Cは、4つの磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2C、第4の磁場発生装置2D)を有している。また、クラスター細分化装置1Cにおいては、第1の磁場発生装置2Aと、第3の磁場発生装置2Cとが対面しており、同様に、第2の磁場発生装置2Bと、第4の磁場発生装置2Dとが対面している。そして、第1の磁場発生装置2Aおよび第3の磁場発生装置2Cの冷凍対象物5に対向する面が、第2の磁場発生装置2Bおよび第4の磁場発生装置2Dの冷凍対象物5に対向する面に直交するように、各磁場発生装置が設置されている。すなわち、第4の磁場発生装置2Dは、図1中の左側に示された冷凍装置10の扉の内面側に形成されている。
このように、冷凍対象物の四方を包囲するように、複数の磁場発生装置を配置することにより、冷凍対象物5中におけるクラスターをより効率良く細分化することが可能となる。
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、図7に示すように制御することができる。
すなわち、まず、第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bのコイル21に交流電圧を印加し、これら2つの磁場発生装置から磁場を発生させる。このとき、第3の磁場発生装置2Cおよび第4の磁場発生装置2Dのコイル21には、電圧を印加しない。また、第1の磁場発生装置2Aからの磁場の発生タイミングと、第2の磁場発生装置2Bからの磁場の発生タイミングとが同期するようにする。第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bが発生する磁場の変化に伴い、冷凍対象物5における磁場が変化し、冷凍対象物5中の水のクラスターが細分化する。
所定時間、第1の磁場発生装置2Aおよび第2の磁場発生装置2Bのコイル21に通電した後、第1の磁場発生装置2Aのコイル21への通電を中止し、第3の磁場発生装置2Cのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第1の磁場発生装置2Aのコイル21から、第3の磁場発生装置2Cのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1C全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、前記と同様に、所定時間、第2の磁場発生装置2Bおよび第3の磁場発生装置2Cのコイル21に通電する。これにより、冷凍対象物5中のクラスターの細分化がさらに進行する。
その後、第2の磁場発生装置2Bのコイル21への通電を中止し、第4の磁場発生装置2Dのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第2の磁場発生装置2Bのコイル21から、第4の磁場発生装置2Dのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1C全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、前記と同様に、所定時間、第3の磁場発生装置2Cおよび第4の磁場発生装置2Dのコイル21に通電する。これにより、冷凍対象物5中のクラスターの細分化がさらに進行する。
その後、第3の磁場発生装置2Cのコイル21への通電を中止し、第1の磁場発生装置2Aのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第3の磁場発生装置2Cのコイル21から、第1の磁場発生装置2Aのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1C全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、前記と同様に、所定時間、第4の磁場発生装置2Dおよび第1の磁場発生装置2Aのコイル21に通電する。これにより、冷凍対象物5中のクラスターの細分化がさらに進行する。
その後、第4の磁場発生装置2Dのコイル21への通電を中止し、第2の磁場発生装置2Bのコイル21への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第4の磁場発生装置2Dのコイル21から、第2の磁場発生装置2Bのコイル21に切り替える。これにより、クラスター細分化装置1C全体として、冷凍対象物5に与える磁場の方向が切り替わり、冷凍対象物5付近での磁力線の方向が変化する。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化が効率良く進行する。
その後、上記と同様に、交流電圧を印加する磁場発生装置のコイルを、繰り返し、切り替える。これにより、冷凍対象物5における磁力線の方向、磁場強度が、経時的に変化する。このように、冷凍対象物5における磁力線の方向、磁場強度を、経時的に変化させることにより、冷凍対象物5中の各部位において、均等に、水のクラスターを微細化することができる。
このように、本実施形態では、2つの磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを同期させ、かつ、同期する磁場発生装置の組み合わせを経時的に変化させることにより、冷凍対象物5付近において、磁力線が回転するように、磁場の発生を制御する。これにより、冷凍対象物5中の各部位において、より均等に、水のクラスターを微細化することができる。
なお、図7に示すタイミングチャートでは、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相が常に一致しているが、必ずしも位相は一致しなくてもよい。例えば、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相は、2分の1波長分ずれたもの等であってもよい。
また、各磁場発生装置が発生する磁場の最大強度は、ほぼ等しいものであってもよいし、各磁場発生装置で異なるものであってもよい。
また、クラスター細分化装置は、常に稼動させる必要はない。例えば、冷凍対象物5が凍結した後、クラスター細分化装置の稼動を終了してもよい。
また、図7に示すタイミングチャートでは、2つの磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを同期させ、かつ、同期する磁場発生装置の組み合わせを経時的に変化させているが、発生タイミングを同期させる磁場発生装置は3つであってもよい。
また、各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、図8に示すように制御してもよい。
すなわち、第1の磁場発生装置2Aおよび第3の磁場発生装置2Cから、所定の周波数の交番磁場を連続的に発生しつつ、第2の磁場発生装置2Bおよび第4の磁場発生装置2Dから非連続的に(断続的に)所定の周波数の交番磁場を発生してもよい。
この場合、第2の磁場発生装置2Bからの磁場の発生タイミングと、第4の磁場発生装置2Dからの磁場の発生タイミングとは、同期していてもしていなくてもよい。
また、各磁場発生装置から発生する交番磁場の周波数は、同一のものであってもよいし、互いに異なるものであってもよい。
次に、本発明の冷凍装置の第4実施形態について説明する。以下、第4実施形態の冷凍装置について、前述した第1〜第3実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態の冷凍装置10は、クラスター細分化装置1Dの構成が前記第1〜第3実施形態で用いたものとは異なる以外は前記実施形態と同様の構成を有する。
図9は、本実施形態の冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。
図9に示すように、クラスター細分化装置1Dは、前記第3実施形態でのクラスター細分化装置1Cと同様に、4つの磁場発生装置(第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2B、第3の磁場発生装置2Cおよび第4の磁場発生装置2D)を有しているが、これらの配置がクラスター細分化装置1Cと異なる。すなわち、クラスター細分化装置1Dでは、第1の磁場発生装置2Aの冷凍対象物5に対向する面と、第2の磁場発生装置2Bの冷凍対象物5に対向する面とが、同一面上に位置し、かつ、第3の磁場発生装置2Cの冷凍対象物5に対向する面と、第4の磁場発生装置2Dの冷凍対象物5に対向する面とが、同一面上に位置するように配置されている。また、第1の磁場発生装置2Aと、第4の磁場発生装置2Dとは、対面するように配置されており、かつ、第2の磁場発生装置2Bと、第3の磁場発生装置2Cとは、対面するように配置されている。
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、前記第3実施形態で説明した図7のように制御することができる。
次に、本発明の冷凍装置の第5実施形態について説明する。以下、第5実施形態の冷凍装置について、前述した第1〜第4実施形態との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
本実施形態の冷凍装置10は、クラスター細分化装置1Eの構成が前記第1〜第4実施形態で用いたものとは異なる以外は前記実施形態と同様の構成を有する。
図10は、本実施形態の冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。
図10に示すように、クラスター細分化装置1Eでは、第4の磁場発生装置2Dが、載置部7と一体的に形成されている。これにより、冷凍対象物5と、磁場発生装置との距離を、常に短くすることができる。その結果、クラスター細分化の効果をさらに高めることができる。また、別部材として設置する磁場発生装置の数を減らすことができるため、冷凍装置の大容量化、省スペース化に有利である。
また、各磁場発生装置を、図10に示すように配置することにより、第4の磁場発生装置2Dの冷凍対象物5に対向する面は、第1の磁場発生装置2A、第2の磁場発生装置2Bおよび第3の磁場発生装置2Cの冷凍対象物5に対向する面と、直交する。これにより、クラスター細分化装置1E全体として、冷凍対象物5に与える磁場の形状、冷凍対象物5付近における磁力線の方向を、三次元的に効率良く変化させることができる。これにより、冷凍対象物5中におけるクラスターの細分化を、均等かつ効率良く進行させることができる。
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、前記第3実施形態で説明した図7のように制御することができる。これにより、冷凍対象物5付近において、磁力線が三次元的に回転するように、磁場の発生が制御される。その結果、冷凍対象物5中の各部位において、より均等に、水のクラスターを微細化することができる。
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
例えば、前述の実施形態では、冷凍対象物として食品を用いたものについて説明したが、冷凍対象物は、水を含むものであればいかなるものであってもよい。冷凍対象物として、例えば、移植等に用いられる臓器等の生体組織を用いた場合、前記生体組織内の水のクラスターが細分化した状態で冷凍することにより、前記生体組織を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止、抑制することができる。したがって、生体組織の機能低下を十分に防止、抑制しつつ、前記生体組織を長期間にわたって保存することが可能となる。結果として、移植後においても、前記生体組織は、本来有する機能を、十分に発揮することができる。
また、冷凍対象物として、例えば、薬品を用いた場合、当該薬品の品質の低下を防止、抑制することができる。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置を3つまたは4つ有する構成について説明したが、磁場発生装置の数は、2つであってもよいし、5つ以上であってもよい。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置が固定され、冷凍対象物を静置した状態で冷凍する構成の冷凍装置について説明したが、磁場発生装置と冷凍対象物が相対的に移動する構成であってもよい。すなわち、磁場発生装置、冷凍対象物のうち少なくとも一方が移動する構成のものであってもよい。これにより、冷凍対象物における磁場をより複雑に変化させることができ、冷凍対象物5中におけるクラスターを、より効率良く細分化することが可能となる。このような構成の冷凍装置としては、例えば、ベルトコンベア式のトンネル型冷凍装置等が挙げられる。
また、前述した実施形態では、クラスター細分化装置の磁場発生装置と、エネルギー付与手段とが一体的に形成された構成について説明したが、本発明においては、磁場発生装置と、エネルギー付与手段とは、それぞれ別々に設けられていてもよい。
また、前述した実施形態では、磁場発生装置としては、平板状の形状を有するものについて説明したが、磁場発生装置の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、筒状、湾曲版状、棒状等、いかなるものであってもよい。
また、前述した実施形態では、ファン、冷凍機を、それぞれ1つずつ有する構成のものについて説明したが、ファンや冷凍機を複数個有する構成のものであってもよい。
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
[冷凍対象物の冷凍]
(実施例1)
まず、図2に示すようなクラスター細分化装置を作製した。
エネルギー付与手段の構成材料としては、トルマリンを用いた。
なお、本実施例では、磁場発生装置(非磁性体カバー)と、エネルギー付与手段とを一体的に形成した。
次に、このクラスター細分化装置を用いて、図1に示すような冷凍装置を作製した。
このようにして得られた冷凍装置を、以下に示すような条件で作動させた。
各磁場発生装置が発生する磁場の発生パターンを図3に示すように制御した。各磁場発生装置が発生する磁場は、いずれも60Hzの交番磁場とした。
また、クラスター細分化装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の最大強度(絶対値)は、2000Gsとした。
以上のような条件で、冷凍装置を作動させ、冷凍装置本体の内部の温度を−50℃とした後、載置部の各トレイ上に冷凍対象物を載置し、冷凍対象物を凍結させた。このとき、磁場発生装置と、冷凍対象物との距離(最短距離)は、5cmであった。
冷凍対象物としては、パック詰めした中華麺を用いた。
(実施例2)
クラスター細分化装置として、図5に示すような構成のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例1と同様の条件で、パック詰めした中華麺(冷凍対象物)を冷凍した。
(実施例3)
クラスター細分化装置として、図6に示すような構成のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例1と同様の条件で、パック詰めした中華麺(冷凍対象物)を冷凍した。
(実施例4)
クラスター細分化装置として、図9に示すような構成のものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして冷凍装置を作製した。
得られた冷凍装置を、以下に示すような条件で作動させた。
各磁場発生装置が発生する磁場の発生パターンを図8に示すように制御した。各磁場発生装置が発生する磁場は、いずれも60Hzの交番磁場とした。
また、クラスター細分化装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)の最大強度(絶対値)は、2000Gsとした。
以上のような条件で、冷凍装置を作動させ、冷凍装置本体の内部の温度を−50℃とした後、載置部の各トレイ上に冷凍対象物を載置し、冷凍対象物を凍結させた。このとき、磁場発生装置と、冷凍対象物との距離(最短距離)は、5cmであった。
冷凍対象物としては、パック詰めした中華麺を用いた。
(実施例5)
クラスター細分化装置として、図10に示すような構成のものを用いた以外は、前記実施例4と同様にして冷凍装置を作製し、該冷凍装置を用いて、前記実施例4と同様の条件で、パック詰めした中華麺(冷凍対象物)を冷凍した。
(比較例1)
冷凍装置として、クラスター細分化装置を有していないものを用いた以外は、前記実施例1と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
(比較例2)
磁場制御装置を有していない点以外は前記実施例1と同様な構成の冷凍装置を用い、各磁場発生装置から、連続的に交番磁場を発生した以外は、前記実施例1と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
(比較例3)
磁場制御装置を有していない点以外は前記実施例2と同様な構成の冷凍装置を用い、各磁場発生装置から、連続的に交番磁場を発生した以外は、前記実施例2と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
(比較例4)
磁場制御装置を有していない点以外は前記実施例3と同様な構成の冷凍装置を用い、各磁場発生装置から、連続的に交番磁場を発生した以外は、前記実施例3と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
(比較例5)
磁場制御装置を有していない点以外は前記実施例4と同様な構成の冷凍装置を用い、各磁場発生装置から、連続的に交番磁場を発生した以外は、前記実施例4と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
(比較例6)
磁場制御装置を有していない点以外は前記実施例5と同様な構成の冷凍装置を用い、各磁場発生装置から、連続的に交番磁場を発生した以外は、前記実施例5と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。
[評価]
前記各実施例および各比較例の冷凍装置を用いて冷凍した中華麺を冷凍装置内で3ヵ月保存した後、これらの中華麺を解凍した。その後、解凍された中華麺を、同一の条件で調理した。
調理された中華麺の品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果を表1に示す。
Figure 0004920669
表1から明らかなように、本発明の冷凍装置を用いて冷凍した中華麺は、解凍後においても、優れた品質が保持されていた。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、冷凍対象物は、冷凍装置(冷凍庫)内という低温環境下に置かれ、凍結に至るが、このとき、クラスター細分化装置の作用を受け、冷凍対象物中の水のクラスターが細分化される。
したがって、冷凍対象物は、水のクラスターが細分化された状態で、凍結に至る。その結果、冷凍対象物中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。
このように、氷の結晶が微細化されることにより、粗大化した氷の形成が、効果的に防止、抑制される。このため、粗大化した氷によって、前記冷凍対象物のミクロ的な構造が冷凍前の構造から変化するのを、効果的に防止・抑制することができる(冷凍対象物を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止することができる)。その結果、食品の品質の低下を効果的に防止、抑制することができるものと考えられる。
これに対し、各比較例で冷凍した冷凍対象物は、表3に示すように解凍後における品質の低下が著しかった。中でも、比較例1の冷凍装置を用いて冷凍した冷凍対象物は、解凍後における品質の低下が極めて顕著であった。これは、凍結により形成された氷が粗大化したものであり、このような氷によって、前記冷凍対象物のミクロ的な構造が冷凍前の構造から著しく変化したためであると考えられる(冷凍対象物を構成する細胞が破壊されたためであると考えられる)。
また、冷凍処理を施していない中華麺(前記各実施例および各比較例の冷凍装置で凍結させた中華麺の製造日の30日後に、同様の条件で製造したもの)を前記と同様にして調理した。このように調理された中華麺を、前記各実施例および各比較例による中華麺とともに、室温下で1時間静置し、その後の風味、外観を評価した。
その結果、本発明の冷凍装置で冷凍した中華麺は、調理後直後と比べて、風味、外観の低下をほとんど生じていなかった。これに対し、各比較例の冷凍装置で冷凍した中華麺および冷凍処理を施さなかった中華麺は、風味、外観が著しく低下し、いわゆる「麺がのびた」状態になっていた。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
すなわち、本発明の冷凍装置を用いた場合、冷凍対象物である麺は、水のクラスターが細分化された状態で凍結に至り、冷凍対象物中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。このため、冷凍対象物のミクロ的な構造は、冷凍後においても、冷凍前の状態を十分に保持することができる(冷凍対象物を構成する細胞の破壊が防止・抑制される)。また、解凍後においても、冷凍対象物中に含まれる水のクラスターは、微細化した状態が保持される。このため、調理時、調理後において、比較的クラスターの大きい水と接触した場合であっても、麺中に含まれるクラスターサイズの小さい水と、外部のクラスターサイズの大きい水とが置換したり、外部の水分を過剰に吸収したりする現象が起こり難い。したがって、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された麺は、調理後、長時間放置した場合であっても、水分含有量が、調理前に比べて大きく増加するのを抑制される。
これに対し、各比較例の冷凍装置を用いて冷凍された麺や冷凍処理を施さなかった麺では、含まれる水のクラスターサイズが大きいため、外部の水分を吸収しやすく、調理時、調理後等において、水分含有量が増加しやすい。したがって、調理後、長時間放置した場合、いわゆる「麺がのびた」状態になりやすい。
また、前記各実施例および比較例1の冷凍装置を用いて、塊状の豚肉(100g)を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存した。その後、電子レンジを用いて解凍し、解凍された豚肉を調理した。その結果、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された豚肉(冷凍対象物)は、解凍後においても、優れた品質(風味、外観、香り等)を保持していた。これに対し、比較例1の冷凍装置を用いて冷凍した豚肉(冷凍対象物)は、解凍時に多量のドリップを生じ、明らかな品質(風味、外観、香り等)の低下が認められた。また、冷凍時における冷凍対象物(豚肉)の中心部付近の経時的な温度変化を測定したところ、図11に示すように、本発明の冷凍装置では、比較例1の冷凍装置に比べ、水の凝固点付近における潜熱が小さくなっていることが確認された。図11には、本発明の冷凍装置として、実施例2の冷凍装置を用いた場合の冷凍対象物の経時的な温度変化を示したが、実施例1および実施例3〜5の冷凍装置を用いた場合についても、ほぼ同様な結果が得られた。
また、前記各実施例および比較例1の冷凍装置を用いて、塊状の木綿豆腐(100g)を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存した。その後、電子レンジを用いて解凍した。その結果、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された木綿豆腐(冷凍対象物)は、解凍後においても、優れた品質(風味、外観、香り等)を保持していた。これに対し、比較例1の冷凍装置を用いて冷凍した木綿豆腐(冷凍対象物)では、明らかな品質(風味、外観、香り等)の低下が認められた。また、冷凍時における冷凍対象物(木綿豆腐)の中心部付近の経時的な温度変化を測定したところ、図12に示すように、本発明の冷凍装置では、比較例1の冷凍装置に比べ、冷凍対象物の冷却速度が速く、水の凝固点付近における潜熱が極端に小さくなっており、実質的に観測されなかった。図12には、本発明の冷凍装置として、実施例1の冷凍装置を用いた場合の冷凍対象物の経時的な温度変化を示したが、実施例2〜5の冷凍装置を用いた場合についても、ほぼ同様な結果が得られた。
また、オゾン供給手段として紫外線ランプを有する以外は、前記各実施例と同様に冷凍装置を作製し、これらの冷凍装置を用いて前記と同様に中華麺(冷凍対象物)を冷凍した。その後、冷凍された中華麺を冷凍装置内で6ヵ月保存した後、これらの中華麺を解凍した。その後、解凍された中華麺を、前記と同一の条件で調理した。
調理された中華麺の品質(風味、外観、香り等)を評価したところ、保存期間が長くなっているにも関わらず、前記と同様(表1に示す評価と同様)の結果が得られた。
本発明の冷凍装置の第1実施形態を示す概略図である。 図1に示す冷凍装置が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。 クラスター細分化装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。 クラスター細分化装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。 本発明の冷凍装置の第2実施形態が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。 本発明の冷凍装置の第3実施形態が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。 クラスター細分化装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。 クラスター細分化装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。 本発明の冷凍装置の第4実施形態が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。 本発明の冷凍装置の第5実施形態が有するクラスター細分化装置の構成を示す概略図である。 冷凍対象物(豚肉)を冷凍する際の、冷凍対象物の経時的な温度変化を示すグラフである。 冷凍対象物(木綿豆腐)を冷凍する際の、冷凍対象物の経時的な温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1A、1B、1C、1D、1E クラスター細分化装置
2A、2B、2C、2D 磁場発生装置
21 コイル
22 非磁性体カバー
3 磁場制御装置
4 エネルギー付与手段
5 冷凍対象物
7 載置部
71 トレイ
8 冷凍機
81 蒸発器
82 圧縮機
83 凝縮器
84 冷媒配管
85 冷媒配管
9 ファン
10 冷凍装置
101 冷凍装置本体

Claims (12)

  1. 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
    前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を3つ以上有し、
    3つ以上の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
    3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
    3つ以上の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
    冷凍を行うに際し、3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、稼働、休止を繰り返すように運転され
    稼働状態にある前記磁場発生装置の組み合わせが、経時的に変化することを特徴とする冷凍装置。
  2. 冷凍を行うに際し、3つ以上の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つの前記磁場発生装置が前記稼働状態にある請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
    前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を複数有し、
    複数の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
    複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
    複数の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
    冷凍を行うに際し、複数の前記磁場発生装置の各々が、稼働、休止を繰り返すように運転されることを特徴とする冷凍装置。
  4. 複数の前記磁場発生装置のうちの1つが停止している間は、他の少なくとも1つの前記磁場発生装置が稼働している請求項3に記載の冷凍装置。
  5. 冷凍を行うに際し、前記稼働状態の前記磁場発生装置の総和は、経時的に一定である請求項3または4に記載の冷凍装置。
  6. 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
    前記冷凍対象物に交番磁場を与え、かつその強度を経時的に変化させる磁場発生装置を複数有し、
    複数の前記磁場発生装置は、それぞれ、コイルと、前記コイルを固定する非磁性体カバーとを有しており、
    複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも2つは、それらが有する前記非磁性体カバーの前記冷凍対象物に対向する面が対面または直交するように配置されており、
    複数の前記磁場発生装置は、それぞれ個別に駆動が制御され、
    冷凍を行うに際し、複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、稼働、休止を繰り返すように運転され、複数の前記磁場発生装置のうちの少なくとも1つが、連続的に稼働するように運転されることを特徴とする冷凍装置。
  7. 冷凍を行うに際し、前記稼働状態の前記磁場発生装置の総和は、経時的に変化する請求項6に記載の冷凍装置。
  8. 前記冷凍対象物における磁力線の方向が2次元的または3次元的に変化するように、複数の前記磁場発生装置からの磁場の発生を制御する請求項1ないし7のいずれかに記載の冷凍装置。
  9. 各前記磁場発生装置が前記冷凍対象物に与える磁場の最大強度(絶対値)は、100〜12000Gsである請求項1ないし8のいずれかに記載の冷凍装置。
  10. 各前記磁場発生装置が発生する磁場の総和の絶対値は、2000Gs以下である請求項1ないし9のいずれかに記載の冷凍装置。
  11. 前記冷凍対象物中の水のクラスターが細分化した状態で前記冷凍対象物を凍結させる請求項1ないし10のいずれかに記載の冷凍装置。
  12. 前記冷凍対象物が食品である請求項1ないし11のいずれかに記載の冷凍装置。
JP2008311218A 2002-05-10 2008-12-05 冷凍装置 Expired - Fee Related JP4920669B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008311218A JP4920669B2 (ja) 2002-05-10 2008-12-05 冷凍装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002135684 2002-05-10
JP2002135684 2002-05-10
JP2008311218A JP4920669B2 (ja) 2002-05-10 2008-12-05 冷凍装置

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003121255A Division JP4450567B2 (ja) 2002-05-10 2003-04-25 冷凍装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009047422A JP2009047422A (ja) 2009-03-05
JP4920669B2 true JP4920669B2 (ja) 2012-04-18

Family

ID=40499796

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008311218A Expired - Fee Related JP4920669B2 (ja) 2002-05-10 2008-12-05 冷凍装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4920669B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011103775A (ja) * 2009-11-12 2011-06-02 Abi:Kk 試料長期保存装置
JP5679596B2 (ja) * 2013-04-25 2015-03-04 神戸合成株式会社 外装面用の表面撥水保護剤

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07194574A (ja) * 1993-12-29 1995-08-01 Toshiba Corp 磁気共鳴診断装置
JP3698776B2 (ja) * 1995-11-15 2005-09-21 松下冷機株式会社 冷蔵庫
JP3725339B2 (ja) * 1998-06-30 2005-12-07 株式会社東芝 反応装置および反応方法および火力発電システム
JP3074565B1 (ja) * 1999-05-21 2000-08-07 日本エアーテック株式会社 核磁気共鳴現象を利用した冷凍方法及び冷凍庫
JP2001086967A (ja) * 1999-09-22 2001-04-03 Airtech Japan Ltd 磁場,電場の変動を利用した冷凍方法及び冷凍庫
US6250087B1 (en) * 1999-10-01 2001-06-26 Abi Limited Super-quick freezing method and apparatus therefor
JP2002355018A (ja) * 2001-05-31 2002-12-10 Tadao Izutsu クラスター細分化装置
JP2003139460A (ja) * 2001-11-01 2003-05-14 Abi:Kk 変動磁場発生装置、冷凍装置および均一な変動磁場の発生方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009047422A (ja) 2009-03-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1867938B1 (en) Quick refrigeration apparatus and quick refrigerating method
JP4041673B2 (ja) 超急速冷凍方法およびその装置
US7418823B2 (en) Freezer, freezing method and frozen objects
KR20050005473A (ko) 냉동 장치, 냉동 방법 및 냉동물
JP4640990B2 (ja) 冷凍庫
CN110671876A (zh) 一种过冷却冷冻方法及冰箱和冰箱控制方法
JP4920669B2 (ja) 冷凍装置
JP4450567B2 (ja) 冷凍装置
JP2003343961A (ja) 冷凍装置
JP2004044891A (ja) 冷凍装置
JP2005291525A (ja) 食品冷凍装置及び食品解凍装置
JP2004069131A (ja) 冷凍方法
JP4637459B2 (ja) 保冷庫
JP2002355018A (ja) クラスター細分化装置
JP4303996B2 (ja) 冷凍装置
JP2011103775A (ja) 試料長期保存装置
JP2003343960A (ja) 冷凍装置
JP2004044889A (ja) 冷凍装置
JP2004044890A (ja) 冷凍装置
JP2003336952A (ja) 冷凍装置
JP2004012044A (ja) 冷凍装置
JP2003343964A (ja) 冷凍装置
JP2003343963A (ja) 冷凍装置
JP2004053243A (ja) 冷凍装置、冷凍方法および冷凍物
JP2005198605A (ja) 乳製品の処理方法、乳製品および洋菓子

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101215

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110111

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111004

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111202

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4920669

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150210

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees