JP4303996B2 - 冷凍装置 - Google Patents

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JP4303996B2
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、冷凍装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
氷点下以下の温度で、食品等を冷凍し、保存する冷凍庫が広く用いられている。このような冷凍庫は、主として、食品の腐敗等を防止することにより長期間保存することを目的とするものであった。
【0003】
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍庫を用いた場合、冷凍時における食品のミクロ的な構造の変化(例えば、食品を構成する細胞の破壊等)が原因と考えられる、食品の品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を生じる場合があった。また、食品の種類によっては、冷凍することによる品質の劣化が著しく、実質的に冷凍保存が不可能なものもあった。
【0004】
また、冷凍された食品は、通常、解凍して食されるが、食品の種類によっては、解凍時に、ドリップを発生するという問題点も有していた。
【0005】
また、中華麺等の麺類は、冷凍後、解凍して調理した場合、著しく風味・外観が損なわれ易かった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、食品の品質の低下を防止、抑制することが可能な冷凍装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(25)の本発明により達成される。
【0008】
(1) 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
前記冷凍対象物を冷凍する冷凍室と、
前記冷凍室内を通過する搬送ベルトを備え、前記搬送ベルトを駆動することにより前記搬送ベルト上の前記冷凍対象物を搬送する搬送手段と、
前記冷凍室に配設され、前記搬送手段により前記冷凍室に搬送された前記冷凍対象物との相対的位置関係を経時的に変化させながら、前記冷凍対象物に磁場を与える第1の磁場発生装置と、
前記搬送手段による前記冷凍対象物の搬送に伴って移動し、前記搬送手段により搬送される前記冷凍対象物との相対的位置関係を不動に保ちつつ、前記冷凍対象物に磁場を与える第2の磁場発生装置とを有し、
前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置から発生する磁場の最大強度の絶対値は、前記冷凍対象物において、100〜12000Gsであり、
前記搬送手段により前記冷凍室内に搬送された前記冷凍対象物に対して、前記第1の磁場発生装置から発生した磁場と、前記第2の磁場発生装置から発生した磁場とを与えることにより、前記冷凍対象物に対して与えられる磁場の強度を経時的に変化させながら前記冷凍対象物を冷凍することを特徴とする冷凍装置。
【0009】
(2) 前記第2の磁場発生装置は、前記搬送手段の可動部に設置されたものである上記(1)に記載の冷凍装置。
【0010】
(3) 前記第2の磁場発生装置は、閉じた搬送経路に沿って、循環している上記(1)または(2)に記載の冷凍装置。
【0011】
(4) 前記搬送手段がベルトコンベアである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0012】
(5) 前記ベルトコンベアのベルトの内部または裏側に、前記第2の磁場発生装置が設置されている上記(4)に記載の冷凍装置。
【0013】
(6) 前記第2の磁場発生装置が前記冷凍室内を通過する際に、前記第1の磁場発生装置と、前記第2の磁場発生装置とが対面するよう構成されている上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0014】
(7) 前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置が発生する磁場により、前記冷凍対象物中の水のクラスターが細分化した状態で、前記冷凍対象物を冷凍させる上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0015】
(8) 使用時における前記冷凍室内の温度が−20℃以下である上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0016】
(9) 前記冷凍室に、冷凍機と、冷気を循環させるファンとが設置されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0017】
(10) 前記ファンからの送風速度は、0.5〜10m/sである上記(9)に記載の冷凍装置。
【0018】
(11) 前記冷凍室は、トンネル形状を有するものである上記(1)ないし(10)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0019】
(12) 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置が発生する磁場の強度を制御する制御手段を有する上記(1)ないし(11)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0020】
(13) 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置が発生する磁場の強度を経時的に変化させることにより、前記冷凍対象物における前記磁場強度を変化させるものである上記(1)ないし(12)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0021】
(14) 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置は、交番磁場を発生させるものである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0022】
(15) 前記第1の磁場発生装置は、磁場強度が一定の定常磁場を発生させるものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0023】
(16) 前記冷凍室の入口近傍に、搬送されてきた前記冷凍対象物を検知するセンサが設置されている上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0024】
(17) 前記センサによる検知情報に基づいて、前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置の作動を制御する上記(16)に記載の冷凍装置。
【0025】
(18) 前記冷凍対象物の搬送経路に沿って、複数個の前記第1の磁場発生装置が設けられている上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0026】
(19) 前記冷凍対象物の搬送経路に沿って、複数個の前記第2の磁場発生装置が設けられている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0027】
(20) 前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置は、耐低温性を有するものである上記(1)ないし(19)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0028】
(21) 前記冷凍室内において、前記第1の磁場発生装置に対して、前記第2の磁場発生装置が接近、離間するのに伴い、前記冷凍対象物における磁場強度が経時的に変化する上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0029】
(22) 前記第2の磁場発生装置が交番磁場を発生するものであり、
当該交番磁場により生じる、前記冷凍対象物における磁場強度の変化が、前記第1の磁場発生装置と前記第2の磁場発生装置とが接近、離間することに伴う磁場強度の変化に加えられる上記(21)に記載の冷凍装置。
【0030】
(23) 前記冷凍対象物に対して、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくともひとつを照射するエネルギー付与手段を有する上記(1)ないし(22)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0031】
(24) 前記冷凍対象物に対して、波長500nm以下の光を照射する光照射手段を有する上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0032】
(25) 前記冷凍対象物が食品である上記(1)ないし(24)のいずれかに記載の冷凍装置。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の冷凍装置の好適な実施形態を示す概略斜視図、図2は、図1に示す冷凍装置を側面からみた模式図、図3は、図1に示す冷凍装置が有する磁場発生装置の概略斜視図、図4は、図1に示す冷凍装置に設置された各磁場発生装置によって冷凍対象物に与えられる磁場強度を示す模式図である。
【0034】
本発明の冷凍装置1は、水を含む冷凍対象物10に対して用いるものであり、冷凍対象物10中の水のクラスターを細分化した状態で冷凍する機能を有する。言い換えると、本発明の冷凍装置10は、冷凍対象物10中の水分子等が形成する水素結合を部分的に切断した状態で冷凍する機能を有する。
【0035】
本明細書中では、「水のクラスター」とは、主として水分子で構成されたクラスター(Cluster)のことを指すものとして説明する。「水のクラスター」としては、例えば、実質的に水分子のみで構成されたクラスターや、主として水分子で構成され、かつ水以外の成分(水分子以外の分子、イオン等)を含むもの等が挙げられる。
【0036】
本発明の冷凍装置1に適用される冷凍対象物10は、水を含むものであれば、いかなるものであってもよい。このような冷凍対象物10としては、例えば、食品(飲料を含む)、飼料、生体組織(例えば、血液(血液成分)、臓器、皮膚組織、筋組織、神経組織、骨組織、軟骨組織等の各種組織や、生殖細胞等の各種細胞等)、生花、薬品(医薬品、試薬等を含む)や、これらのうち少なくとも一つを含むもの等が挙げられ、これらをそのまま用いてもよいし、例えば、梱包、包装した状態で用いてもよい。この中でも、冷凍対象物10としては、食品が好ましい。食品は、従来の冷凍装置を用いた場合に、品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を特に生じ易く、実質的に冷凍保存が不可能なものもある。食品の中でも特に、中華麺等の麺類は、冷凍後、解凍して調理した場合、著しく風味が損なわれ易かった。以下の説明では、食品を冷凍対象物10の代表として説明する。
【0037】
図1、図2に示すように、本実施形態の冷凍装置1は、トンネル形状を有するトンネル部(冷凍室)2と、ベルトコンベア(搬送手段)9とを有している。
【0038】
ベルトコンベア9は、後に詳述するように、回転可能な、一対のローラ91、92と、ローラ91、92に掛け回された搬送ベルト(可動部)93と、第2の磁場発生装置3Bとを有している。使用時において、搬送ベルト93には、その上面側に冷凍対象物10が載置される。
【0039】
一方、トンネル部2は、断面半楕円状のトンネル形状を有しており、その中空部内を、搬送ベルト93に載置された冷凍対象物10が通過するようになっている。
【0040】
このように、冷凍対象物10が通過する冷凍室がトンネル形状を有するものであると、冷凍対象物10を、効率良く搬送しつつ冷凍することができ、例えば、冷凍品(例えば、冷凍食品)の生産効率を高めることができる。
【0041】
トンネル部2の長さ(搬送ベルトが移動する方向の長さ)は、特に限定されず、冷凍対象物10の大きさ、種類等により適宜定められるが、3〜70mであるのが好ましく、5〜60mであるのがより好ましく、7〜40mであるのがさらに好ましい。
【0042】
トンネル部2の長さが前記下限値未満であると、冷凍対象物10の大きさ等によっては、冷凍対象物10を十分に冷凍するのが困難になる場合がある。
【0043】
一方、トンネル部2の長さが前記上限値を超えると、冷凍装置1が大型化する。
【0044】
また、トンネル部2の入り口付近、出口付近には、気流カーテン(エアカーテン)を形成する気体噴射口や、各種プラスチック材料、ゴム材料等で構成されたカーテンや、シャッター等の部材が設けられていてもよいし、冷凍対象物10を予備冷却する予備冷却室等が設けられていてもよい。これにより、冷気の漏れを防ぎ、トンネル部2内の低温状態を効率良く維持することができ、冷凍装置1のエネルギー効率が向上する。
【0045】
このトンネル部2には、第1の磁場発生装置3Aと、冷凍機5と、冷気を循環させるファン6と、搬送されてきた冷凍対象物10を検知するセンサ7A、7Bとが設置されている。
【0046】
冷凍機5は、蒸発器51と、圧縮機52と、凝縮器53とを有し、蒸発器51−圧縮機52間および蒸発器51−凝縮器53間は、それぞれ、冷媒配管54、55で接続されている。また、冷凍機5内には、冷媒が充填されている。
【0047】
このような冷凍機5は、トンネル部(冷凍室)2の内部と外部との間で熱交換を行うことにより、トンネル部2の内部を冷温に保つ作用を有する。
【0048】
すなわち、冷凍機5は、その内部に充填された冷媒が、蒸発器51においてトンネル部2内部の熱を奪い、圧縮機52において圧縮され、凝縮器53において外気に熱を排出することにより、トンネル部2を冷温に保つ。
【0049】
ファン6は、トンネル部2内の冷気を循環させる機能を有する。これにより、トンネル部2内部の各部位における温度のバラツキが小さくなり、より安定した冷却速度で冷凍対象物10を冷却、凍結させることが可能となる。
【0050】
ファン6からの送風量は、特に限定されないが、例えば、0.5〜10m/sであるのが好ましく、2〜8m/sであるのがより好ましい。
【0051】
ファン6からの送風量が前記下限値未満であると、トンネル部2の容積(中空部の容積)等によっては、トンネル部2の内部の各部位における温度のバラツキを十分に小さくすることができない可能性がある。
【0052】
一方、ファン6からの送風量が前記上限値を超えると、後述する磁場発生装置(第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3B)の機能が十分に発揮されず、冷凍対象物10中の水のクラスターが十分に細分化されない状態で、冷凍対象物10が凍結する可能性がある。その結果、冷凍対象物10(食品)の品質の低下を十分に防止、抑制するのが困難となる可能性がある。
【0053】
冷凍装置1を使用する際におけるトンネル部2内の温度(トンネル部2内の長手方向の中心部付近における温度)は、冷凍対象物10の少なくとも一部が冷凍される温度であれば、特に限定されないが、例えば、−20℃以下であるのが好ましく、−30〜−70℃であるのがより好ましい。トンネル部2内の温度を−20℃以下とすることにより、冷凍対象物10中に含まれる水のクラスターを十分に微細化した状態(水素結合を効率良く切断した状態)で、冷凍対象物10を凍結させることができ、冷凍対象物10の品質を十分長期間にわたって、維持することができる。
【0054】
トンネル部2内に搬送された冷凍対象物10は冷凍されるが、このとき、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場の作用により、冷凍対象物10中に含まれる水のクラスターが細分化される(水分子間の水素結合が部分的に切断される)。また、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bは、それぞれ、磁場制御装置(磁場制御手段)4A、4Bに接続されている。以下、第1の磁場発生装置3A、磁場制御装置4Aについて詳細に説明する。
【0055】
まず、第1の磁場発生装置3Aについて説明する。
第1の磁場発生装置3Aは、水を含む冷凍対象物10に磁場を与える機能を有する。
【0056】
第1の磁場発生装置3Aは、図3に示すように、コイル31と、非磁性体カバー32とを有する。
【0057】
コイル31は、電流が流れることにより、その周辺に磁場を発生する。このような通電により第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度は、各部位で異なる。すなわち、第1の磁場発生装置3Aによる磁場の強度は、一般に、コイル31からの距離により異なる。
【0058】
ところで、冷凍対象物10は、後に詳述するように、ベルトコンベア9により、トンネル部2内を通過する。このとき、冷凍対象物10と、第1の磁場発生装置3Aとの相対的な位置関係が経時的に変化する。したがって、冷凍対象物10が第1の磁場発生装置3Aから与えられる磁場の強度は、経時的に変化する。
【0059】
このように、冷凍対象物10に対して、経時的に強度が変化する磁場を与えることにより、冷凍対象物10中において、主として水分子−水分子間で形成されている水素結合が効率良く切断され、水のクラスターが細分化される。
【0060】
このようにして水のクラスターが細分化されることにより、冷凍対象物10(食品)は、例えば、風味、外観、香り等の品質の劣化がし難いものとなる。
また、冷凍対象物10における磁場強度(冷凍対象物10が受ける磁力)が経時的に変化することにより、水分子間で、水素結合が再形成したり、水中に含まれる水素イオン(H)と、水酸化物イオン(OH)とが結合するのを効果的に防止することができる。その結果、水のクラスターが細分化された状態を効率良く維持することができる。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0061】
また、前述したように、冷凍装置1の使用時において、トンネル部2の内部は、冷凍対象物10の少なくとも一部を冷凍する温度となっている。このため、冷凍対象物10中に含まれる水のクラスターは、細分化した状態で固化する。これにより、冷凍対象物10中に形成される氷の結晶も微細化された(結晶粒径の小さい)ものとなる。
【0062】
ところで、食品の冷凍に従来の冷凍庫を用いた場合、食品の品質(例えば、風味、外観、香り等)の低下を生じる場合があった。このような食品の品質の低下は、冷凍時における食品のミクロ的な構造の変化(例えば、食品を構成する細胞の破壊等)が原因と考えられる。そして、本発明者は、このようなミクロ的な構造の変化が、主として、冷凍時に形成される、粗大化した氷によるものであることを見出した。
【0063】
上述したように、本発明の冷凍装置1を用いた場合、冷凍対象物10中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。このため、本発明では、冷凍により、冷凍対象物10中でのミクロ的な構造が冷凍前の構造から変化するのを、効果的に防止・抑制することができる(冷凍対象物10を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止することができる)。その結果、冷凍対象物10の品質を十分に保持しつつ、極めて長期間にわたって保存することが可能となる。また、冷凍時における前記細胞の破壊を、効果的に防止、抑制することができるため、冷凍対象物10の解凍時におけるドリップの発生も効果的に防止することができる。
【0064】
また、本発明者は、冷凍対象物に対して磁場を与えつつ、冷却することにより、通常の冷凍装置を用いた場合に比べて、冷凍対象物の凍結時における潜熱が小さくなり、冷凍対象物の冷却を効率よく行えることを見出した。すなわち、ほぼ一定の冷却速度で冷凍対象物を冷却した場合、冷凍対象物中の水が凝固する際においては、通常、冷凍対象物の温度が所定時間ほぼ一定になるが、本発明の冷凍装置を用いることにより、図9に示すように、水の凝固が開始してから終了するまでに要する時間を短くすることができ、より短時間で冷凍対象物の温度を低下させることができる。このような傾向は、冷凍対象物の素材や、冷凍装置の運転条件等を適宜選択することにより、さらに顕著なものとすることができ、極端な場合、図10に示すように、冷凍対象物の凍結時における潜熱が実質的に観測されない場合もある。これにより、冷凍による、冷凍対象物の品質の低下をさらに効果的に防止することができる。
【0065】
また、例えば、コイル31に流れる電流の方向や量を変化させることにより、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度を変化させることができる。その結果、ベルトコンベア9によってトンネル部2内に搬送されてきた冷凍対象物10に与える磁場強度(冷凍対象物10が受ける磁力)を、さらに効果的に変化させたり、さらに複雑に変化させることができる。その結果、冷凍対象物10中における、水素結合をさらに効率良く切断し、水のクラスターを効率良く細分化することができる。したがって、冷凍対象物10(食品)は、風味、外観、香り等の品質の劣化を特に生じ難いものとなる。
【0066】
コイル31を流れる電流は、直流であっても、交流であってもよい。特に、コイル31を流れる電流が交流であると、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度を比較的容易に変化させることができる。
【0067】
図示の構成では、コイル31は円形コイルであるが、コイル31の形状は、特に限定されない。コイル31は、例えば、ベースボールコイル、角形コイル等、いかなる形状のものであってもよい。
【0068】
非磁性体カバー32は、コイル31を保護、固定する機能を有する。
非磁性体カバー32の構成材料としては、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂等の各種樹脂材料や、後述するエネルギー付与手段の構成材料等が挙げられる。
【0069】
第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場は、特に限定されず、磁場強度が一定の定常磁場であってもよく、磁場強度が経時的に変化する磁場であってもよい。磁場強度が経時的に変化する磁場としては、例えば、交番磁場であるのが好ましい。これにより、冷凍対象物10における磁場強度を容易に変化させることができ、また、冷凍対象物10中の水のクラスターをより効率良く細分化することが可能となる。交番磁場における周波数は、特に限定されないが、例えば、20〜25000Hzであるのが好ましく、40〜1200Hzであるのがより好ましい。交番磁場における周波数が前記範囲内の値であると、冷凍対象物10中の水のクラスターを、より効果的に細分化することができる。
【0070】
第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の最大強度(絶対値)は、特に限定されないが、例えば、冷凍対象物10において、100〜12000Gsであるのが好ましく、300〜7000Gsであるのがより好ましい。
【0071】
第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度が前記下限値未満であると、冷凍対象物10における磁場強度の変化量を十分に大きくすることが困難となり、冷凍対象物10の種類等によっては、冷凍対象物10中の水のクラスターを十分に小さくすることが困難となる可能性がある。
【0072】
一方、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度が前記上限値を超えると、装置の大型化を招く。また、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度が前記上限値を超えると、磁場の発生に要する電圧が高くなり、それに伴い、コイルからの発熱量が大きくなり、冷却効率が低下する傾向を示す。
【0073】
また、第1の磁場発生装置3Aの磁場発生強度が経時的に変化する場合、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場は、上述したような交番磁場に限定されない。例えば、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場は、間欠的なものであってもよい。この場合、発生する磁場の周波数、最大強度、磁場強度の変化量等の好ましい範囲は、前記と同様である。
【0074】
トンネル部2には、少なくとも1つの第1の磁場発生装置3Aが設置されていればよいが、図2に示すように、複数個の第1の磁場発生装置3Aが設置されているのが好ましい。これにより、冷凍対象物10中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
【0075】
複数の第1の磁場発生装置3Aを用いる場合、冷凍対象物10の搬送経路に沿って、設置されているのが好ましい。これにより、冷凍対象物10中の水のクラスターをさらに効果的に細分化することができる。また、この場合、複数個の第1の磁場発生装置3Aは、ほぼ等間隔に設置されているのが好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0076】
また、図示の構成では、第1の磁場発生装置3Aは、トンネル部2の天井部(内面上部)に設置されているが、トンネル部2内の少なくとも一部において、冷凍対象物に所定の強度の磁場を与えることが可能であるならば、その設置部位は、特に限定されず、例えば、トンネル部2の外表面側、トンネル部2内側の側面等であってもよい。また、第1の磁場発生装置3Aは、トンネル部2に埋め込まれていてもよい。
【0077】
ここで、複数個の第1の磁場発生装置3Aでは、それぞれコイル31の形状、大きさが、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。また、複数個の第1の磁場発生装置3Aにおいて、発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相等は、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。複数個の第1の磁場発生装置3Aについて、それぞれ、コイル31の形状や大きさ、発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相等を適宜選択し、これらを組み合わせることにより、これら複数個の第1の磁場発生装置3Aが全体として発生する磁場を、容易に、所望の形、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、冷凍対象物10中の水のクラスターをさらに効率良く細分化することが可能となる。
【0078】
第1の磁場発生装置3Aと冷凍対象物10との距離(最短距離)は、特に限定されないが、例えば、150cm以下であるのが好ましく、20cm以下であるのがより好ましい。第1の磁場発生装置3Aと冷凍対象物10との距離(最短距離)が150cmを超えると、冷凍対象物10の種類等によっては、冷凍対象物10中の水のクラスターを十分に小さくすることが困難となる可能性がある。
【0079】
また、第1の磁場発生装置3Aは、トンネル部2内(中空部内)の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、第1の磁場発生装置3Aの耐久性が向上するため、トンネル部2は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、第1の磁場発生装置3Aの交換を行わなくてもよいので(または、第1の磁場発生装置3Aの交換回数を少なくできるので)、冷凍装置1のメンテナンスも容易となる。
【0080】
次に、磁場制御装置4Aについて説明する。
磁場制御装置4Aは、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度、パターンを制御する機能を有する。
【0081】
磁場制御装置4Aは、例えば、第1の磁場発生装置3Aのコイル31を流れる電流の方向、周波数や電流量等を変化させる可変機能を有するものであってもよい。これにより、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場の強度を、より正確に制御することが可能となる。
【0082】
また、冷凍装置1は、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波、紫外線およびマイナスイオンのうち少なくとも一つを照射するエネルギー付与手段8を有していてもよい。エネルギー付与手段8を有することにより、冷凍対象物10中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。エネルギー付与手段8がマイクロ波を照射するものである場合、当該マイクロ波は、断続的(非連続的)に照射されるものであるのが好ましい。具体的には、0.1〜10秒間のマイクロ波の照射と、0.1〜20秒間のマイクロ波の照射の停止とを繰り返し行うのが好ましい。これにより、冷凍対象物10中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
【0083】
エネルギー付与手段8は、いかなる部位に設置されたものであってもよいが、トンネル部2内に設置されているのが好ましい。これにより、上述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0084】
図示の構成では、第1の磁場発生装置3Aと、エネルギー付与手段8とが一体的に形成されている。
【0085】
エネルギー付与手段8が遠赤外線を照射するものである場合、エネルギー付与手段8の構成材料としては、例えば、アルミナ(Al)、マグネシア(MgO)、ジルコニア(ZrO)、チタニア(TiO)、二酸化珪素(SiO)、酸化クロム(Cr)、フェライト(FeO・Fe)、スピネル(MgO・Al)、セリア(CeO)、ベリリア(BeO)、Na、SnO、SiC、ZrC、TaC、ZrB等のセラミックス、トルマリン等の鉱石等を用いることができる。この中でも、特に優れた効率で遠赤外線を照射することが可能であると言う点で、エネルギー付与手段8の構成材料としてセラミックスを用いるのが好ましい。
【0086】
また、エネルギー付与手段8が超音波を照射するものである場合、エネルギー付与手段8としては、例えば、超音波振動子等を用いることができる。
【0087】
また、エネルギー付与手段8がマイナスイオンを照射するものである場合、エネルギー付与手段8の構成材料としては、例えば、トルマリン、デービド鉱、ブランネル石、センウラン鉱、ニンギョウ石、リンカイウラン石、カルノー石、チャムン石、メタチャムン石、フランセビル石、トール石、コフィン石、サマルスキー石、トリウム石、トロゴム石、モズナ石等の鉱石、BaTiO、PbTiO、PbZrO、Pb(Zr,Ti)O、KNbO、KTaO、K(Ta,Nb)O、LiNbOやロッシェル塩、硫酸グリシン、りん酸カリウム、プロピオン酸カルシウムストロンチウム等を用いることができる。エネルギー付与手段8がマイナスイオンを照射するものであると、冷凍対象物10の酸化等を防止・抑制することができ、品質を保持することができる。このため、例えば、冷凍対象物10が食品である場合、より長期間保存した場合であっても、優れた風味等を保持することができる。
【0088】
また、エネルギー付与手段8は、トンネル部2内の温度に耐え得る耐低温性を有するものであるのが好ましい。これにより、エネルギー付与手段8の耐久性が向上するため、冷凍装置1は、長期間にわたって安定した効果を発揮するものとなる。また、エネルギー付与手段8の交換を行わなくてもよいので(または、エネルギー付与手段8の交換回数を少なくできるので)、冷凍装置1のメンテナンスも容易となる。
【0089】
さらに、冷凍装置1は、冷凍対象物10に対して波長500nm以下の光を照射する光照射手段11を有していてもよい。このような比較的短波長の光を照射する光照射手段11を設置することにより、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bによる磁場の印加と相まって、冷凍対象物10の品質を長期間良好に維持することができる。
【0090】
図示の構成では、1または2以上の光源111と、各光源111を所定の条件で駆動する光源駆動制御手段112とを有する。
【0091】
光源111の具体例としては、青色光ランプ、紫色光ランプ、紫外線ランプ、ハロゲンランプ、ネオンランプ、キセノンランプ、半導体レーザー、発光ダイオード等の各種光源や、X線源(以下これらを総称して「光源」と言う)が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。このような比較的短波長の光を照射することにより、磁場発生装置(第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3B)による磁場の印加と相まって、冷凍対象物10の品質を長期間良好に維持することができる。
【0092】
上記のように、光照射手段11は、波長500nm以下の光を照射するものであるが、光照射手段11が照射する光の波長(発光ピーク値)は、260〜500nmであるのが好ましく、270〜470nmであるのがより好ましく、290〜430nmであるのがさらに好ましい。これにより、光照射による効果がさらに顕著なものとなるとともに、その光源として、比較的簡易なもの、安価なものを用いることができる。これに対し、照射光の波長が長すぎると、光照射による効果が十分に発揮されない。
【0093】
また、光照射手段11が紫外線領域の光を発生するものであると、トンネル部2内に、適度な量(濃度)のオゾンを発生させることができる。これにより、トンネル部2内に供給されるオゾンの殺菌作用等により、冷凍対象物10(冷凍物)をより長期間にわたって安定的に保存することができ、冷凍対象物10(冷凍物)の腐敗、変性等をより効果的に防止することができる。
【0094】
なお、図示の構成では、光源111は、トンネル部2の天井部(内面上部)に設置されているが、光源111の設置位置や配置は、図示のものに限定されない。例えば、光源111は、トンネル部2内側の側面、トンネル部2の外部や、搬送ベルト93等に設置されたものであってもよい。
【0095】
また、光源111から発せられた光を冷凍対象物10に直接照射する場合に限らず、例えば、ミラー、反射板、集光板、レンズ、プリズム、光学フィルター、拡散板、光ファイバー等の各種光学素子(図示せず)を介して照射してもよい。特に、これらの光学素子を用いて、冷凍対象物10に対しより広範囲に、あるいは多方向から光を照射することは、冷凍対象物10の全体に対しより均一に光が照射されるので、有効である。
【0096】
光照射手段11は、冷凍対象物10に対する照射光の光量(強度)を連続的または段階的に変化(増減)するものとしてもよい。これにより、冷凍対象物10への照射光の強度を経時的に変化させることができ、冷凍対象物10に含まれる水のクラスターをより効率的に細分化することができる。冷凍対象物10に対する照射光の光量(強度)を変化させる方法の例としては、光源への印加電圧を増減する方法、光源の稼動本数(面積)を変化させる方法、冷凍対象物10と光源111との距離を変化させる方法、遮光手段による遮光を行なう方法、照射光の波長を500nm以下と500nm超とに切り替える方法等が挙げられる。
【0097】
また、短波長光(波長が500nm以下の光)の照射は、いずれかの磁場発生装置(第1の磁場発生装置3Aおよび/または第2の磁場発生装置3B)により磁場が印加されている間常時行なわれても、断続的(間欠的)に行なわれてもよい。後者の場合、例えば、第1の磁場発生装置3Aからの磁場の発生に同期して短波長光の照射(光照射手段11の作動)を行なうことができる。このようにすることにより、より一層効率的に、冷凍対象物10に含まれる水のクラスターを細分化することができる。
【0098】
また、光照射手段11は、冷凍対象物10に対し照射する光の方向(または照射位置)を変えることができるよう構成されていてもよい。この場合、例えば、光源111を冷凍対象物10に対し相対的に変位(移動、回転等)可能とする構成が挙げられる。なお、この場合、光源111を相対的に変位させる変位手段(図示せず)は、光照射手段11の構成要素に含まれる。さらには、ミラー等の前述した光学素子を用いる場合、その光学素子を冷凍対象物10に対し相対的に変位(移動、回転等)させてもよい。このような構成とすることにより、冷凍対象物10に対する照射光の照射位置を変えたり、照射光の強度を変えたりすることができ、より均一に、より効率的に、冷凍対象物10に含まれる水のクラスターを細分化することができる。
【0099】
また、このトンネル部2の入口近傍には、搬送されてきた冷凍対象物10を検知するセンサ7Aが設置されている。このようなセンサが設けられた場合、センサ7Aによる冷凍対象物10の検知情報に基づいて、第1の磁場発生装置3Aおよび/または第2の磁場発生装置3Bの作動を制御することができる。これにより、冷凍対象物10の冷凍時間や冷凍対象物10に与える磁場のパターン等を精確に調整することが可能となる。
【0100】
また、センサ7Aの検知情報により、例えば、冷凍対象物10が低温環境下に存在しないとき(トンネル部2の内部(中空部)に存在しないとき)には、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bからの磁場の発生を停止すること等が可能となる。例えば、ベルトコンベア起動時には、第1の磁場発生装置3Aおよび第2の磁場発生装置3Bからの磁場の発生を停止した状態にしておき、搬送されてきた冷凍対象物10がトンネル部2内に入るタイミングにあわせて磁場の発生を開始し、その後、センサ7Aによる冷凍対象物10の検知(最後の検知)から所定時間、センサ7Aが冷凍対象物10を検知しなかった場合には、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bからの磁場の発生を停止する構成にすることが可能となる。このように、センサ7Aを設置することにより、冷凍対象物10を冷凍する際のエネルギー効率が向上する。
【0101】
また、図2に示す構成では、トンネル部2の出口近傍にも、搬送されてきた冷凍対象物10を検知するセンサ7Bが設置されている。このように、トンネル部2の出口近傍にセンサ7Bを設置することにより、上述したような磁場発生装置(第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3B)の作動の制御を、さらに効率良く行うことができる。
【0102】
また、上述したようなセンサによる検知情報と、ローラ91、92の回転速度(冷凍対象物10の搬送速度)等のパラメータとを組み合わせて、磁場発生装置(第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3B)の作動の制御を行うことにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。
【0103】
また、冷凍装置1は、トンネル部2内にオゾンを供給するオゾン供給手段(図示せず)を備えていてもよい。これにより、トンネル部2内に供給されるオゾンの殺菌作用等により、冷凍対象物10(冷凍物)をより長期間にわたって安定的に保存することができ、冷凍対象物10(冷凍物)の腐敗、変性等をより効果的に防止することができる。オゾン供給手段としては、特に限定されないが、例えば、光化学反応、電解反応、放電反応、放射線反応等の各種反応によりオゾンを発生するオゾン発生装置(例えば、紫外線ランプ等)や、オゾンを収納したボンベ等を用いることができる。
【0104】
冷凍対象物10は、上述したようなトンネル部2の内部に、ベルトコンベア(搬送手段)9の搬送ベルト93に載置された状態で搬送される。
【0105】
このように、本発明では、冷凍対象物を搬送しつつ、冷凍することができる構成を有しているため、連続的に冷凍対象物を冷凍することができ、例えば、冷凍品(例えば、冷凍食品)の生産効率を高めることができる。また、本発明では、冷凍対象物が搬送手段により搬送されるため、トンネル部の前および/または後で、梱包等の工程を行うことができ、冷凍品の生産性をさらに高めることができる。
【0106】
ベルトコンベア9は、一対のローラ91、92に搬送ベルト93が掛け回されて構成され、前記ローラ91、92が、図示しない駆動源により回転駆動することによって前記搬送ベルト93が図中矢印で示す方向に回転する。これにより、搬送ベルト93の上面側に載置された冷凍対象物10は、搬送ベルト93の回転に伴い、トンネル部2内を通過する。
【0107】
なお、図示の構成では、一対のローラ91、92に搬送ベルト93が掛け回されているが、両端のローラ91、92の間に、同様のローラが1つ以上設置されていてもよいのは言うまでもない。
【0108】
冷凍対象物10の搬送速度(トンネル部2との相対的な移動速度)は、特に限定されないが、0.1〜60m/分であるのが好ましく、0.3〜10m/分であるのがより好ましく、0.5〜6m/分であるのがさらに好ましい。
【0109】
冷凍対象物10の移動速度が前記下限値未満であると、単位時間あたりに冷凍することができる冷凍対象物10の量を十分に多くすることができない可能性がある。
【0110】
一方、冷凍対象物10の移動速度が前記上限値を超えると、トンネル部2の長さ等によっては、冷凍対象物10を十分に冷凍することができない可能性がある。
【0111】
冷凍対象物10の搬送速度は、前記ローラ91、92の回転速度を適宜調整することにより、変化させることができる。これにより、例えば、トンネル部2内の温度や、冷凍対象物10の諸条件(例えば、種類、形状、体積、重量、密度、含水率等)に応じて、冷凍対象物10を所望の速度で搬送する(例えば、冷凍対象物10の重量が比較的大きい場合には、搬送速度を低下させる)ことができる。その結果、条件の異なる冷凍対象物10であっても、均等な条件で確実に冷凍することができ、安定した品質の冷凍品を提供することができる。
【0112】
そして、ベルトコンベア9の搬送ベルト93には、冷凍対象物10の搬送に伴い移動する第2の磁場発生装置3Bが設置されている。すなわち、第2の磁場発生装置3Bは、冷凍対象物10の搬送経路に沿って、循環する構成となっている。これにより、冷凍対象物10が多数個ある場合でも、これらを連続的に冷凍することができ、例えば、冷凍品(例えば、冷凍食品)の生産効率をさらに高めることができる。
【0113】
このような第2の磁場発生装置3Bは、前述した第1の磁場発生装置3Aと同様の構成を有するものである。第2の磁場発生装置3Bには、磁場制御装置4Bが接続されている。この磁場制御装置4Bは、前述した磁場制御装置4Aと同様の構成を有するものである。
【0114】
第2の磁場発生装置3Bは、搬送ベルト93の内部または裏側(内周側)に設置されているのが好ましい。なお、第2の磁場発生装置3Bの設置部位は、特に限定されず、例えば、搬送ベルト93の外周側等であってもよい。すなわち、第2の磁場発生装置3Bは載置部として機能するものであってもよい。また、第2の磁場発生装置3Bは、搬送ベルト93の表面に直接設置されたものであってもよいし、例えば、別部材を介して搬送ベルト93上に設置されたものであってもよい。
【0115】
また、図示の構成では、トンネル部2内において、第1の磁場発生装置3Aと、第2の磁場発生装置3Bとが、冷凍対象物10の搬送経路を介して対面するように構成されている。このような構成にすることにより、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場の影響を、冷凍対象物10に効果的に与えることができる。その結果、冷凍対象物10中における、水素結合をさらに効率良く切断し、水のクラスターを効率良く細分化することができる。したがって、冷凍対象物10(食品)は、風味、外観、香り等の品質の劣化を特に生じ難いものとなる。
【0116】
第2の磁場発生装置3Bのコイル31に直流あるいは交流の電流を供給することによって、磁場強度が一定の定常磁場や磁場強度が経時的に変化する磁場を発生する。このうち冷凍対象物10中の水のクラスターを効果的に細分化する点からは、磁場強度が経時的に変化する磁場を用いるのが好ましく、例えば交番磁場や間欠的に変化するパルス状の磁場を用いるのが好ましい。第2の磁場発生装置3Bに使用されるコイルの形状や発生する磁場の周波数、発生磁場の強度等の好ましい範囲は前記と同様である。
【0117】
第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場は、前述した第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場と、強度、周期、出力時間、位相等が同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0118】
搬送ベルト93には、少なくとも1つの第2の磁場発生装置3Bが設置されていればよいが、図1、図2に示すように、複数個の第2の磁場発生装置3Bが設置されているのが好ましい。これにより、冷凍対象物10中の水のクラスターを、さらに効率良く細分化することが可能となる。
【0119】
複数の第2の磁場発生装置3Bを用いる場合、これらは、ほぼ等間隔に設置されているのが好ましい。これにより、前述した効果はさらに顕著なものとなる。また、複数個の第2の磁場発生装置3Bにおいて、発生する磁場の強度、周期、出力時間、位相等は、同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0120】
また、この搬送ベルト93に設置する第2の磁場発生装置3Bは、トンネル部2に設置する第1の磁場発生装置3Aと同じ構成のものであってもよく、異なる構成のものであってもよい。
【0121】
以上のような冷凍装置1では、冷凍対象物10は、搬送ベルト93上に載置され、第1の磁場発生装置3Aおよび第2の磁場発生装置3Bからの磁場を受けながらトンネル部2内を搬送される。このとき、搬送ベルト93上の冷凍対象物10はトンネル部2の第1の磁場発生装置3Aに対して相対的に移動する。
【0122】
したがって、例えば、トンネル部2内の第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場の強度が一定である場合でも、冷凍対象物10に与えられる磁場強度が経時的に変化する。
【0123】
図4(a)は、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bから一定の強度で磁場を発生させた場合に、冷凍対象物10に与えられる磁場強度の一例を示すものである。なお、横軸は冷凍対象物の移動距離、縦軸は冷凍対象物における磁場強度である。
【0124】
このように、トンネル部2内において、第2の磁場発生装置3Bが、第1の磁場発生装置3Aに接近、離間するのに伴い、冷凍対象物10における磁場強度が経時的に変化する。すなわち、冷凍対象物10における磁場強度は、冷凍対象物10が第1の磁場発生装置3Aに近づくのに伴って増大し、冷凍対象物10と第1の磁場発生装置3Aとの距離が最短になったときに、冷凍対象物10における磁場強度は最大となる。そして、冷凍対象物10が第1の磁場発生装置3Aから遠ざかるのに伴い、冷凍対象物10における磁場強度は減少する。この経時的に変化するトンネル部2からの磁場と、搬送ベルト93に設置された第2の磁場発生装置3Bからの磁場によって冷凍対象物10中の水のクラスターが細分化される。
【0125】
また、図4(b)は、第1の磁場発生装置3Aからの発生磁場の強度を一定とし、第2の磁場発生装置3Bから交番磁場を発生させた場合に、冷凍対象物10に与えられる磁場強度の一例を示すものである。なお、横軸は冷凍対象物の移動距離、縦軸は冷凍対象物における磁場強度である。
【0126】
このように、搬送ベルト93に設置された第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場が交番磁場である場合には、トンネル部2内の第1の磁場発生装置3Aと冷凍対象物10とが相対的に移動することによる磁場強度の経時的変化の上に、第2の磁場発生装置3Bからの交番磁場による微少な磁場の経時的変化が重畳する。すなわち、第1の磁場発生装置3Aと、第2の磁場発生装置3Bとが接近、離間することに伴う磁場強度の変化と、第2の磁場発生装置3Bからの交番磁場による微少な磁場強度の変化とが重畳する。このように、第1の磁場発生装置3Aによる磁場パターンと、第2の磁場発生装置3Bによる磁場パターンとが重畳した磁場を、冷凍対象物10に与えることにより、冷凍対象物10中の水のクラスターをさらに効率よく細分化することができる。なお、第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場がパルス状の磁場である場合にも、磁場の周期的変化がパルス状であること以外は図4(b)と同様の波形が得られ、冷凍対象物10中の水のクラスターが効率よく細分化される。
【0127】
また、図4(c)は、第2の磁場発生装置3Bからの発生磁場の強度を一定とし、第1の磁場発生装置3Aから交番磁場を発生させた場合に、冷凍対象物10に与えられる磁場強度の一例を示すものである。なお、横軸は冷凍対象物の移動距離、縦軸は冷凍対象物における磁場強度である。
【0128】
また、第1の磁場発生装置3Aおよび第2の磁場発生装置3Bから、いずれも交番磁場を発生させた場合には、冷凍対象物10に与えられる磁場強度の変化パターンは、さらに複雑な形状のものとなり、上述した効果を、さらに顕著なものとすることができる。
【0129】
また、磁場発生装置(第1の磁場発生装置3Aおよび/または第2の磁場発生装置3B)が発生する磁場の周波数、強度等は、例えば、冷凍対象物10の搬送速度等に応じて、制御するような構成であってもよい。これにより、あらゆるパターンの磁場の波(磁場発生パターン)を形成することができ、例えば、トンネル部2内の温度や、冷凍対象物10の種類、形状、体積、重量、密度、含水率等の諸条件に応じて、冷凍対象物10が受ける磁場を、所望の形状、強度に調整することが可能となる。その結果、冷凍対象物10に含まれる水のクラスターを、より効率的に細分化することができる。
【0130】
以上説明したように、本発明では、冷凍室(トンネル部)に設置された第1の磁場発生装置と、搬送手段(ベルトコンベア)の搬送に伴って移動する第2の磁場発生装置とを有することにより、各磁場発生装置(第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置)が、発生する磁場のパターンを、それぞれについて、適宜選択することが可能であり、冷凍対象物に対して、所望のパターンの磁場を与えることができる。
【0131】
特に、本発明の冷凍装置1では、前記の如く冷凍対象物10がトンネル部2に設置された第1の磁場発生装置3Aに対して相対的に移動しながら磁場を受けるように構成されていることにより、以下のような効果も得られる。
【0132】
すなわち、トンネル部2の第1の磁場発生装置3Aの磁場強度が一定であっても冷凍対象物10に与えられる磁場が経時的に変化するので、第1の磁場発生装置3Aの発生する磁場は、強度が経時的に変化する磁場に限らず、強度が一定の定常磁場であっても冷凍対象物中の水のクラスターを効率良く細分化することができる。したがって、選択し得る磁場の幅が広く、装置構成の自由度が高いというメリットがある。
【0133】
また、特に、第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場が交番磁場やパルス状の磁場のように経時的に変化するものである場合には、前述の如く冷凍対象物10が相対移動することによる磁場強度の経時的変化の上に、交番磁場による微少な磁場の周期的変化が重畳されるので、冷凍対象物10中の水のクラスターが効率的に細分化される。したがって、前述したような冷凍対象物10のミクロ的な構造の変化を、より確実に防止・抑制することができ、冷凍対象物10の保存性を大きく高めることができる。
【0134】
次に、本発明の冷凍装置の他の実施形態について説明する。以下、本実施形態の冷凍装置について、前述した実施形態の冷凍装置との違いを中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。
【0135】
本実施形態の冷凍装置1’は、第1の磁場発生装置および第2の磁場発生装置の設置部位が前述した実施形態のものと異なる以外は、前記実施形態と同様の構成を有する。
【0136】
図5は、本実施形態の冷凍装置のトンネル部の長手方向に垂直な方向の断面図である。
【0137】
図5に示すように、本実施形態では、トンネル部2の内面の上方には第1の磁場発生装置3Aが設置されており、さらに、トンネル部2の内面の側方には第1の磁場発生装置3A’が設置されている。また、搬送ベルト93の裏側(内周側)に第2の磁場発生装置3Bが設置されており、さらに、第2の磁場発生装置3Bの端部付近に、平板状の第2の磁場発生装置3B’が鉛直方向に設置されている。すなわち、本実施形態の冷凍装置1’では、トンネル部2内において、第1の磁場発生装置3Aと第2の磁場発生装置3Bとが、冷凍対象物10の搬送経路を介して対面するように配置され、さらに、第1の磁場発生装置3A’と第2の磁場発生装置3B’とが、冷凍対象物10の搬送経路を介して対面するように配置されている。このように、本発明においては、第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置は、2方向以上に設置されるものであってもよい。
【0138】
第1の磁場発生装置3A、第1の磁場発生装置3A’、第2の磁場発生装置3B、第2の磁場発生装置3B’を上記のように配置することにより、トンネル部2内において、これらの磁場発生装置が冷凍対象物10の四方を取り囲むようにすることができる。これにより、これらの磁場発生装置(第1の磁場発生装置3A、第1の磁場発生装置3A’、第2の磁場発生装置3B、第2の磁場発生装置3B’)が発生する磁場の発生パターンを個別に制御することができる。その結果、冷凍装置全体として発生する磁場(各磁場発生装置が発生する磁場の総和)を、容易に、所望の形状、大きさ、強度を有するものとすることができる。その結果、冷凍対象物10における磁場を確実に調整することができ、冷凍対象物10中の水のクラスターをさらに効率良く細分化することが可能となる。
【0139】
各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、例えば、図6に示すように制御することができる。
【0140】
すなわち、まず、第1の磁場発生装置3Aおよび第1の磁場発生装置3A’のコイル31に交流電圧を印加し、これら2つの磁場発生装置から磁場を発生させる。このとき、第2の磁場発生装置3Bおよび第2の磁場発生装置3B’のコイル31には、電圧を印加しない。また、第1の磁場発生装置3Aからの磁場の発生タイミングと、第1の磁場発生装置3A’からの磁場の発生タイミングとが同期するようにする。
【0141】
所定時間、第1の磁場発生装置3Aおよび第1の磁場発生装置3A’のコイル31に通電した後、第1の磁場発生装置3Aのコイル31への通電を中止し、第2の磁場発生装置3Bのコイル31への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第1の磁場発生装置3Aのコイル31から、第2の磁場発生装置3Bのコイル31に切り替える。
【0142】
その後、前記と同様に、所定時間、第1の磁場発生装置3A’および第2の磁場発生装置3Bのコイル31に通電する。
【0143】
その後、第1の磁場発生装置3A’のコイル31への通電を中止し、第2の磁場発生装置3B’のコイル31への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第1の磁場発生装置3A’のコイル31から、第2の磁場発生装置3B’のコイル31に切り替える。
【0144】
その後、前記と同様に、所定時間、第2の磁場発生装置3Bおよび第2の磁場発生装置3B’のコイル31に通電する。これにより、冷凍対象物10中のクラスターの細分化がさらに進行する。
【0145】
その後、第2の磁場発生装置3Bのコイル31への通電を中止し、第1の磁場発生装置3Aのコイル31への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第2の磁場発生装置3Bのコイル31から、第1の磁場発生装置3Aのコイル31に切り替える。
【0146】
その後、前記と同様に、所定時間、第2の磁場発生装置3B’および第1の磁場発生装置3Aのコイル31に通電する。
【0147】
その後、第2の磁場発生装置3B’のコイル31への通電を中止し、第1の磁場発生装置3A’のコイル31への通電を開始する。すなわち、交流電圧の印加を、第2の磁場発生装置3B’のコイル31から、第1の磁場発生装置3A’のコイル31に切り替える。
【0148】
その後、上記と同様に、交流電圧を印加する磁場発生装置のコイルを、繰り返し、切り替える。
【0149】
なお、図6に示すタイミングチャートでは、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相が常に一致しているが、必ずしも位相は一致しなくてもよい。例えば、同期する2つの磁場発生装置において、発生する磁場の位相は、2分の1波長分ずれたもの等であってもよい。
【0150】
また、各磁場発生装置が発生する磁場の最大強度は、ほぼ等しいものであってもよいし、各磁場発生装置で異なるものであってもよい。
【0151】
また、図6に示すタイミングチャートでは、2つの磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを同期させ、かつ、同期する磁場発生装置の組み合わせを経時的に変化させているが、発生タイミングを同期させる磁場発生装置は3つであってもよい。
【0152】
また、図6に示すタイミングチャートでは、各磁場発生装置が発生する磁場は、いずれも交番磁場であるが、少なくとも1つの磁場発生装置から発生する磁場を定常磁場やパルス状の磁場にしてもよい。
【0153】
また、各磁場発生装置からの磁場の発生タイミング(発生パターン)は、図6に示すようなものに限定されず、例えば、図7に示すようなものであってもよい。
【0154】
以上、本発明を好適な実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0155】
例えば、前述の実施形態では、冷凍対象物として食品を用いたものについて説明したが、冷凍対象物は、水を含むものであればいかなるものであってもよい。冷凍対象物として、例えば、移植等に用いられる臓器等の生体組織を用いた場合、前記生体組織内の水のクラスターが細分化した状態で冷凍することにより、前記生体組織を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止、抑制することができる。したがって、生体組織の機能低下を十分に防止、抑制しつつ、前記生体組織を長期間にわたって保存することが可能となる。結果として、移植後においても、前記生体組織は、本来有する機能を、十分に発揮することができる。
【0156】
また、冷凍対象物として、例えば、薬品を用いた場合、当該薬品の品質の低下を防止、抑制することができる。
【0157】
また、前述した実施形態では、磁場発生装置(第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置)と、エネルギー付与手段とが一体的に形成された構成について説明したが、本発明においては、磁場発生装置と、エネルギー付与手段とは、それぞれ別々に設けられていてもよい。
【0158】
また、前述した実施形態では、磁場発生装置としては、板状の形状を有するものについて説明したが、磁場発生装置の形状は、特に限定されるものではなく、例えば、筒状、湾曲板状、棒状等、いかなるものであってもよい。
【0159】
また、前述した実施形態では、ファン、冷凍機を、それぞれ1個ずつ有する構成のものについて説明したが、ファンや冷凍機を複数個有する構成のものであってもよい。
【0160】
また、前述した実施形態では、トンネル部に配設された第1の磁場発生装置がトンネル部に固定された構成のものについて説明したが、例えば、トンネル部に配設された第1の磁場発生装置は、冷凍対象物の搬送方向に対して垂直方向に、トンネル部内を移動可能なものであってもよい。
【0161】
また、前述した実施形態では、トンネル状の冷凍室(トンネル部)を有する構成について説明したが、冷凍室は、搬送手段により冷凍対象物を搬送することが可能な構成であれば、いかなる形状を有するものであってもよい。
【0162】
また、前述した実施形態では、第2の磁場発生装置が搬送手段の可動部(搬送ベルト)に設置された構成について説明したが、第2の磁場発生装置は、搬送手段による冷凍対象物の搬送に伴って移動するものであればいかなるものであってもよい。すなわち、第2の磁場発生装置は、搬送手段に設置されていなくてもよい。
【0163】
また、前述した実施形態では、搬送手段としてベルトコンベアを有する構成について説明したが、搬送手段はこれに限定されない。冷凍対象物を搬送する搬送手段は、例えば、回転すし店で用いられているような構成のコンベアであってもよいし、図8に示すように、冷凍対象物10を搬送手段12のフック121にひっかけた状態で、搬送経路上を搬送する構成のものであってもよい。
【0164】
【実施例】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
【0165】
[冷凍対象物の冷凍]
(実施例)
まず、図1〜図3に示すような冷凍装置1を作製した。
トンネル部2の長さは、15mとした。
【0166】
また、本実施例では、第1の磁場発生装置3Aの外表面側に、エネルギー付与手段8を被覆することにより、第1の磁場発生装置3Aと、エネルギー付与手段8とを一体的に形成した。非磁性体カバー32の構成材料としては、アクリル系樹脂を用いた。また、エネルギー付与手段8は、第1の磁場発生装置3Aの外表面に、溶融したアクリル系樹脂に分散させたトルマリンを吹きつけ塗装することにより、形成した。
【0167】
同様に、第2の磁場発生装置3Bの外表面側に、エネルギー付与手段8を被覆することにより、第2の磁場発生装置3Bと、エネルギー付与手段8とを一体的に形成した。
【0168】
第1の磁場発生装置3Aは、トンネル部2の内面上部に複数個設置した。また、これらの第1の磁場発生装置3Aは、トンネル部2の長手方向に、50cm間隔で設置した。
【0169】
また、第2の磁場発生装置3Bは、搬送ベルト93の内周面に複数個設置した。また、これらの第2の磁場発生装置3Bは、搬送ベルト93の長手方向に、50cm間隔で設置した。
【0170】
また、光照射手段11としては、ピーク波長が420nmの青紫光ランプを用いた。
このような冷凍装置1を、以下に示すような条件で作動させた。
【0171】
まず、冷却器を稼動させ、トンネル部2内の温度(長手方向の中央部付近での温度)を、−50℃とした。
【0172】
その後、搬送ベルト上に、複数個の冷凍対象物(パック詰めした中華麺:各200g)を載置した。このとき、各冷凍対象物は、搬送ベルトを介して、第2の磁場発生装置に対面する箇所に載置した。すなわち、各冷凍対象物は、搬送ベルトの外周側(表側)に、約50cmの間隔で載置した。
【0173】
この状態で、ベルトコンベアを稼動させた。このとき、冷凍対象物(搬送ベルト)の移動速度は、1m/秒であった。
【0174】
冷凍対象物がトンネル部2の入り口付近に到達したとき、センサ7Aが検知し、その検知情報により、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bが稼動するようにした。
【0175】
第1の磁場発生装置3Aが発生する磁場は、周波数:60Hz、発生磁場強度(最大強度):2000Gsの交番磁場とした。
【0176】
また、第2の磁場発生装置3Bが発生する磁場は、周波数:100Hz、発生磁場強度(最大強度):3000Gsの交番磁場とした。
【0177】
センサ7A、7Bの検知情報に基づいて、第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3Bからの磁場の発生を停止するようにした。
【0178】
(比較例)
第1の磁場発生装置3A、第2の磁場発生装置3B、磁場制御装置4A、4B、センサ7A、7B、エネルギー付与手段8および光照射手段11が設置されていない以外は前記実施例と同様の冷凍装置を用い、冷凍対象物である中華麺を冷凍した。
【0179】
[評価]
前記実施例および比較例の冷凍装置を用いて冷凍した中華麺を、市販の業務用冷凍庫内(庫内温度:−20℃)にて3ヵ月保存した後、これらの中華麺を解凍した。その後、解凍された中華麺を、同一の条件で調理した。
【0180】
調理された中華麺の品質(風味、外観、香り等)を評価した。その結果を表1に示す。
【0181】
【表1】
Figure 0004303996
【0182】
表1から明らかなように、本発明の冷凍装置を用いて冷凍した中華麺は、解凍後においても、優れた品質が保持されていた。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
【0183】
すなわち、冷凍対象物は、冷凍装置(冷凍庫)内という低温環境下に置かれ、凍結に至るが、このとき、磁場発生装置(第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置)が発生する磁場の影響により、冷凍対象物中の水のクラスターが細分化される。
【0184】
したがって、冷凍対象物は、水のクラスターが細分化された状態で、凍結に至る。その結果、冷凍対象物中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。
【0185】
このように、氷の結晶が微細化されることにより、粗大化した氷の形成が、効果的に防止、抑制される。このため、粗大化した氷によって、前記冷凍対象物のミクロ的な構造が冷凍前の構造から変化するのを、効果的に防止・抑制することができる(冷凍対象物を構成する細胞が破壊されるのを効果的に防止することができる)。その結果、食品の品質の低下を効果的に防止、抑制することができるものと考えられる。
【0186】
これに対し、比較例で冷凍した冷凍対象物は、表1に示すように解凍後における品質の低下が著しかった。このような品質の低下は、凍結により形成された、粗大化した氷によるものであり、このような氷によって、前記冷凍対象物のミクロ的な構造が冷凍前の構造から著しく変化したためであると考えられる(冷凍対象物を構成する細胞が破壊されたためであると考えられる)。
【0187】
また、冷凍処理を施していない中華麺(前記各実施例および各比較例の冷凍装置で凍結させた中華麺の製造日の30日後に、同様の条件で製造したもの)を前記と同様にして調理した。このように調理された中華麺を、前記実施例および比較例による中華麺とともに、室温下で1時間静置し、その後の風味、外観を評価した。
【0188】
その結果、本発明の冷凍装置で冷凍した中華麺は、調理後直後と比べて、風味、外観の低下をほとんど生じていなかった。これに対し、各比較例の冷凍装置で冷凍した中華麺および冷凍処理を施さなかった中華麺は、風味、外観が著しく低下し、いわゆる「麺がのびた」状態になっていた。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
【0189】
すなわち、本発明の冷凍装置を用いた場合、冷凍対象物である麺は、水のクラスターが細分化された状態で凍結に至り、冷凍対象物中に形成される氷の結晶は、微細化されたものとなる。このため、冷凍対象物のミクロ的な構造は、冷凍後においても、冷凍前の状態を十分に保持することができる(冷凍対象物を構成する細胞の破壊が防止・抑制される)。また、解凍後においても、冷凍対象物中に含まれる水のクラスターは、微細化した状態が保持される。このため、調理時、調理後において、比較的クラスターの大きい水と接触した場合であっても、麺中に含まれるクラスターサイズの小さい水と、外部のクラスターサイズの大きい水とが置換したり、外部の水分を過剰に吸収したりする現象が起こり難い。したがって、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された麺は、調理後、長時間放置した場合であっても、水分含有量が、調理前に比べて大きく増加するのを抑制される。
【0190】
これに対し、比較例の冷凍装置を用いて冷凍された麺や冷凍処理を施さなかった麺では、含まれる水のクラスターサイズが大きいため、外部の水分を吸収しやすく、調理時、調理後等において、水分含有量が増加しやすい。したがって、調理後、長時間放置した場合、いわゆる「麺がのびた」状態になりやすい。
【0191】
また、前記実施例および比較例の冷凍装置を用いて、パック詰めしたパスタ(アルデンテに茹で上げたもの)を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存した。その後、パックから取り出したパスタを熱湯(100℃)で解凍し、解凍されたパスタの品質(食感、風味、外観等)を評価した。その結果、実施例の冷凍装置を用いて冷凍されたパスタは、解凍後においても、アルデンテの状態を保持しており、優れた食感、風味、外観を保持していた。これに対し、比較例の冷凍装置を用いて冷凍されたパスタは、全体的に麺のこしがなくなり、食感が著しく低下していた。
【0192】
また、トンネル部2の長さを40mとした以外は、前記実施例(本発明)および比較例と同様の冷凍装置を用意した。これらの冷凍装置を用いて、冷凍対象物の搬送速度が0.5m/分となるようにし、冷凍対象物として、塊状の豚肉(100g)を用いた以外は、前記と同様にして冷凍対象物を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存した。その後、電子レンジを用いて解凍し、解凍された豚肉を調理した。その結果、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された豚肉(冷凍対象物)は、解凍後においても、優れた品質(風味、外観、香り等)を保持していた。これに対し、比較例の冷凍装置を用いて冷凍した豚肉(冷凍対象物)は、解凍時に多量のドリップを生じ、明らかな品質(風味、外観、香り等)の低下が認められた。また、冷凍時における冷凍対象物(豚肉)の中心部付近の経時的な温度変化を測定したところ、図11に示すように、本発明の冷凍装置では、比較例の冷凍装置に比べ、水の凝固点付近における潜熱が小さくなっていることが確認された。
【0193】
また、トンネル部2の長さを40mとした以外は、前記実施例(本発明)および比較例と同様の冷凍装置を用意した。これらの冷凍装置を用いて、冷凍対象物の搬送速度が0.5m/分となるようにし、冷凍対象物として、塊状の木綿豆腐(100g)を用いた以外は、前記と同様にして冷凍対象物を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存した。その後、電子レンジを用いて解凍した。その結果、本発明の冷凍装置を用いて冷凍された木綿豆腐(冷凍対象物)が、解凍後においても、優れた品質(風味、外観、香り等)を保持していた。これに対し、比較例の冷凍装置を用いて冷凍した木綿豆腐(冷凍対象物)では、明らかな品質(風味、外観、香り等)の低下が認められた。また、冷凍時における冷凍対象物(木綿豆腐)の中心部付近の経時的な温度変化を測定したところ、図12に示すように、本発明の冷凍装置では、比較例の冷凍装置に比べ、冷凍対象物の冷却速度が速く、水の凝固点付近における潜熱が極端に小さくなっており、実質的に観測されなかった。
【0194】
また、第1の磁場発生装置3Aおよび/または第2の磁場発生装置3Bからの発生磁場を定常磁場とし、冷凍対象物における磁場強度を図4(a)、(b)、(c)に示すように調整した以外は、前記と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存、調理し、その後前記と同様の評価を行った。その結果、前記と同様な結果が得られた。
【0195】
また、第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置から発生する磁場の強度、周波数を適宜変更した以外は、前記と同様にして、冷凍対象物を冷凍した。その後、前記と同様にして、保存、調理し、その後前記と同様の評価を行った。その結果、前記と同様な結果が得られた。
【0196】
また、上記のような冷凍装置の稼動を行った後の、トンネル部内部の様子を観察したところ、本発明の冷凍装置では、トンネル部の内壁面への霜の付着がほとんど発生していなかったのに対し、比較例の冷凍装置では、霜の付着が著しかった。
【0197】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、冷凍対象物中の水のクラスターを効率よく細分化することができ、食品の品質の低下を防止、抑制することが可能な冷凍装置を得ることができる。
特に、本発明によれば、多量の冷凍対象物を、連続的に効率良く冷凍することができる。
【0198】
また、冷凍された食品を長期間にわたって保存した場合であっても、優れた品質が保持される。
【0199】
また、第1の磁場発生装置、第2の磁場発生装置を制御することにより、様々なパターンの磁場を冷凍対象物に与えることができ、さらに、マイクロ波、α線、遠赤外線、超音波、紫外線、マイナスイオン、短波長光(波長500nm以下の光)等のエネルギーを、磁場と組み合わせて用いることもできる。これにより、冷凍対象物の諸条件(例えば、種類、形状、体積、重量、密度、含水率等)に応じて、冷凍対象物を最適な条件で冷凍することができる。したがって、冷凍対象物がどのような食品であっても、それぞれの食品について最適な条件で冷凍することができる。
【0200】
特に、冷凍対象物として麺類を用いた場合、調理後に、いわゆる「麺がのびる」現象を発生し難くすることができる。
【0201】
また、凍結された食品を解凍する際におけるドリップの発生を効果的に防止することができる。
【0202】
また、冷凍室内の温度が特に低い場合(例えば、−30℃以下)であっても、冷凍室内部に霜が付きにくいため、冷却効率の低下等を防止・抑制しつつ、長時間にわたっての連続稼動が可能となる。また、霜の付着が防止されることにより、冷凍のエネルギー効率も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の冷凍装置の好適な実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1に示す冷凍装置を側面から見た模式図である。
【図3】図1に示す冷凍装置が有する磁場発生装置を示す概略斜視図である。
【図4】図1に示す冷凍装置に設置された各磁場発生装置によって冷凍対象物に与えられる磁場強度を示す模式図である。
【図5】他の実施形態の冷凍装置のトンネル部の長手方向に垂直な方向の断面図である。
【図6】図5に示す冷凍装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。
【図7】図5に示す冷凍装置の各磁場発生装置からの磁場の発生タイミングを示すタイミングチャートの一例である。
【図8】他の実施形態の冷凍装置が有する搬送手段の構成を示す概略斜視図である。
【図9】冷凍対象物(豚肉)を冷凍する際の、冷凍対象物の経時的な温度変化を示すグラフである。
【図10】冷凍対象物(木綿豆腐)を冷凍する際の、冷凍対象物の経時的な温度変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1、1’ 冷凍装置
2 トンネル部
3A、3A’ 第1の磁場発生装置
3B、3B’ 第2の磁場発生装置
31 コイル
32 非磁性体カバー
4A、4B 磁場制御装置
5 冷凍機
51 蒸発器
52 圧縮機
53 凝縮器
54 冷媒配管
55 冷媒配管
6 ファン
7A、7B センサ
8 エネルギー付与手段
9 ベルトコンベア
91、92 ローラ
93 搬送ベルト
10 冷凍対象物
11 光照射手段
111 光源
112 光源駆動制御手段
12 搬送手段
121 フック

Claims (25)

  1. 水を含む冷凍対象物を冷凍する冷凍装置であって、
    前記冷凍対象物を冷凍する冷凍室と、
    前記冷凍室内を通過する搬送ベルトを備え、前記搬送ベルトを駆動することにより前記搬送ベルト上の前記冷凍対象物を搬送する搬送手段と、
    前記冷凍室に配設され、前記搬送手段により前記冷凍室に搬送された前記冷凍対象物との相対的位置関係を経時的に変化させながら、前記冷凍対象物に磁場を与える第1の磁場発生装置と、
    前記搬送手段による前記冷凍対象物の搬送に伴って移動し、前記搬送手段により搬送される前記冷凍対象物との相対的位置関係を不動に保ちつつ、前記冷凍対象物に磁場を与える第2の磁場発生装置とを有し、
    前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置から発生する磁場の最大強度の絶対値は、前記冷凍対象物において、100〜12000Gsであり、
    前記搬送手段により前記冷凍室内に搬送された前記冷凍対象物に対して、前記第1の磁場発生装置から発生した磁場と、前記第2の磁場発生装置から発生した磁場とを与えることにより、前記冷凍対象物に対して与えられる磁場の強度を経時的に変化させながら前記冷凍対象物を冷凍することを特徴とする冷凍装置。
  2. 前記第2の磁場発生装置は、前記搬送手段の可動部に設置されたものである請求項1に記載の冷凍装置。
  3. 前記第2の磁場発生装置は、閉じた搬送経路に沿って、循環している請求項1または2に記載の冷凍装置。
  4. 前記搬送手段がベルトコンベアである請求項1ないし3のいずれかに記載の冷凍装置。
  5. 前記ベルトコンベアのベルトの内部または裏側に、前記第2の磁場発生装置が設置されている請求項4に記載の冷凍装置。
  6. 前記第2の磁場発生装置が前記冷凍室内を通過する際に、前記第1の磁場発生装置と、前記第2の磁場発生装置とが対面するよう構成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の冷凍装置。
  7. 前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置が発生する磁場により、前記冷凍対象物中の水のクラスターが細分化した状態で、前記冷凍対象物を冷凍させる請求項1ないし6のいずれかに記載の冷凍装置。
  8. 使用時における前記冷凍室内の温度が−20℃以下である請求項1ないし7のいずれかに記載の冷凍装置。
  9. 前記冷凍室に、冷凍機と、冷気を循環させるファンとが設置されている請求項1ないし8のいずれかに記載の冷凍装置。
  10. 前記ファンからの送風速度は、0.5〜10m/sである請求項9に記載の冷凍装置。
  11. 前記冷凍室は、トンネル形状を有するものである請求項1ないし10のいずれかに記載の冷凍装置。
  12. 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置が発生する磁場の強度を制御する制御手段を有する請求項1ないし11のいずれかに記載の冷凍装置。
  13. 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置が発生する磁場の強度を経時的に変化させることにより、前記冷凍対象物における前記磁場強度を変化させるものである請求項1ないし12のいずれかに記載の冷凍装置。
  14. 前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置は、交番磁場を発生させるものである請求項1ないし13のいずれかに記載の冷凍装置。
  15. 前記第1の磁場発生装置は、磁場強度が一定の定常磁場を発生させるものである請求項1ないし14のいずれかに記載の冷凍装置。
  16. 前記冷凍室の入口近傍に、搬送されてきた前記冷凍対象物を検知するセンサが設置されている請求項1ないし15のいずれかに記載の冷凍装置。
  17. 前記センサによる検知情報に基づいて、前記第1の磁場発生装置および/または前記第2の磁場発生装置の作動を制御する請求項16に記載の冷凍装置。
  18. 前記冷凍対象物の搬送経路に沿って、複数個の前記第1の磁場発生装置が設けられている請求項1ないし17のいずれかに記載の冷凍装置。
  19. 前記冷凍対象物の搬送経路に沿って、複数個の前記第2の磁場発生装置が設けられている請求項1ないし18のいずれかに記載の冷凍装置。
  20. 前記第1の磁場発生装置および前記第2の磁場発生装置は、耐低温性を有するものである請求項1ないし19のいずれかに記載の冷凍装置。
  21. 前記冷凍室内において、前記第1の磁場発生装置に対して、前記第2の磁場発生装置が接近、離間するのに伴い、前記冷凍対象物における磁場強度が経時的に変化する請求項1ないし20のいずれかに記載の冷凍装置。
  22. 前記第2の磁場発生装置が交番磁場を発生するものであり、
    当該交番磁場により生じる、前記冷凍対象物における磁場強度の変化が、前記第1の磁場発生装置と前記第2の磁場発生装置とが接近、離間することに伴う磁場強度の変化に加えられる請求項21に記載の冷凍装置。
  23. 前記冷凍対象物に対して、遠赤外線、超音波およびマイナスイオンのうち少なくともひとつを照射するエネルギー付与手段を有する請求項1ないし22のいずれかに記載の冷凍装置。
  24. 前記冷凍対象物に対して、波長500nm以下の光を照射する光照射手段を有する請求項1ないし23のいずれかに記載の冷凍装置。
  25. 前記冷凍対象物が食品である請求項1ないし24のいずれかに記載の冷凍装置。
    載いたします。
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