JPH07194574A - 磁気共鳴診断装置 - Google Patents
磁気共鳴診断装置Info
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- JPH07194574A JPH07194574A JP5353255A JP35325593A JPH07194574A JP H07194574 A JPH07194574 A JP H07194574A JP 5353255 A JP5353255 A JP 5353255A JP 35325593 A JP35325593 A JP 35325593A JP H07194574 A JPH07194574 A JP H07194574A
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- magnetic resonance
- coil
- gradient magnetic
- gradient
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 スライス特性、静磁場均一性、渦電流磁場の
抑制精度等を改善し、画質の向上を図る事を目的とす
る。 【構成】 勾配磁場として互いに直行する空間的に線形
の傾斜磁場分布以外の空間分布を有する磁場成分を発生
させ、かつ高速な磁場制御を行う事により、スライス特
性、静磁場均一性、渦電流磁場の抑制精度の改善を図
り、これによって、良好な画質の画像を提供することが
できる。
抑制精度等を改善し、画質の向上を図る事を目的とす
る。 【構成】 勾配磁場として互いに直行する空間的に線形
の傾斜磁場分布以外の空間分布を有する磁場成分を発生
させ、かつ高速な磁場制御を行う事により、スライス特
性、静磁場均一性、渦電流磁場の抑制精度の改善を図
り、これによって、良好な画質の画像を提供することが
できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気共鳴診断装置に係
り、特に複数の磁場分布を発生する勾配磁場コイルを有
する磁気共鳴診断装置及びT2 が短い成分の画像化をす
る際に、動きやシステムのゲイン等の変動の影響を小さ
くすることのできる磁気共鳴診断装置に関する。
り、特に複数の磁場分布を発生する勾配磁場コイルを有
する磁気共鳴診断装置及びT2 が短い成分の画像化をす
る際に、動きやシステムのゲイン等の変動の影響を小さ
くすることのできる磁気共鳴診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴映像法はよく知られているよう
に、固有の磁気モーメントを持つ該スピンの集団が一様
な静磁場中に置かれたときに、特定の周波数で回転する
高周波磁場のエネルギーを共鳴的に吸収する現象を利用
して、物質の化学的および物理的な微視的情報を映像化
する手法である。
に、固有の磁気モーメントを持つ該スピンの集団が一様
な静磁場中に置かれたときに、特定の周波数で回転する
高周波磁場のエネルギーを共鳴的に吸収する現象を利用
して、物質の化学的および物理的な微視的情報を映像化
する手法である。
【0003】この磁気共鳴映像法により画像を得る磁気
共鳴装置では、図24に示すように2次元或いは3次元
の画像を得るために、互いに直交する空間的に線形の勾
配磁場分布を発生する3つの勾配磁場生成コイル5(G
x,Gy,Gz)を有する。Gx,Gy,Gzは、それ
ぞれX方向,Y方向,Z方向に線形の傾斜分布を有する
磁場を発生する。勾配磁場生成コイル5は勾配磁場生成
コイル用電源6に接続されている。そして、被検体7に
プローブ9からの高周波磁場の印加と同時に、或いは高
周波磁場の印加によって発生する磁気共鳴信号に対して
所望のタイミング及び強さで勾配磁場生成コイル5に印
加する電流量を制御して前記線形の勾配磁場を印加する
事によって得られる磁気共鳴信号をプローブ9により検
出し、受信部11,データ収集部13,及び電子計算機
14により所望の処理を行い、画像ディスプレイ16に
表示される。
共鳴装置では、図24に示すように2次元或いは3次元
の画像を得るために、互いに直交する空間的に線形の勾
配磁場分布を発生する3つの勾配磁場生成コイル5(G
x,Gy,Gz)を有する。Gx,Gy,Gzは、それ
ぞれX方向,Y方向,Z方向に線形の傾斜分布を有する
磁場を発生する。勾配磁場生成コイル5は勾配磁場生成
コイル用電源6に接続されている。そして、被検体7に
プローブ9からの高周波磁場の印加と同時に、或いは高
周波磁場の印加によって発生する磁気共鳴信号に対して
所望のタイミング及び強さで勾配磁場生成コイル5に印
加する電流量を制御して前記線形の勾配磁場を印加する
事によって得られる磁気共鳴信号をプローブ9により検
出し、受信部11,データ収集部13,及び電子計算機
14により所望の処理を行い、画像ディスプレイ16に
表示される。
【0004】前記勾配磁場生成コイルとしては、特開昭
62−194842号公報に記載されているように漏洩
磁場が零で、内部の勾配磁場の空間線形特性を向上する
ために指紋型の電流分布を有する2重構造のアクティブ
シールド型コイルや、特開平1−110354号公報に
記載されているように複数の並列導線で分割された分割
コイルや、特開昭64−52443号公報に記載されて
いる平板型の局所勾配磁場コイル等が知られている。
62−194842号公報に記載されているように漏洩
磁場が零で、内部の勾配磁場の空間線形特性を向上する
ために指紋型の電流分布を有する2重構造のアクティブ
シールド型コイルや、特開平1−110354号公報に
記載されているように複数の並列導線で分割された分割
コイルや、特開昭64−52443号公報に記載されて
いる平板型の局所勾配磁場コイル等が知られている。
【0005】また、静磁場均一性を調整するために磁場
均一性調整コイル3を有している。磁場均一性調整コイ
ル3は、通常球面調和関数の展開成分となる空間分布パ
ターンを有し、複数のコイルより構成される。磁場均一
性調整コイル3は磁場均一性調整コイル用電源4に接続
され、所望の直流電流が印加される。コイル成分として
は、Z0 ,Z,Z2 ,Z3 ,Z4 ,Z5 ,X,Y,Z
X,ZY,X2 −Y2 ,XY,Z(X2 −Y2 ),ZX
Y,Z2 X,Z2 Y等の磁場分布を有するものが使用さ
れている。コイルの構成法に関しては、特開平4−16
8386号公報に記載されている電流分布型コイル等が
提案されている。前記磁場均一性コイルに印加する電流
量は、磁石の磁場分布あるいは特開平3−182231
号公報に記載されているように被検体が磁石内に入った
状態での磁場分布を計測し、磁場分布が最も均一になる
ように各コイルの印加電流量を算出して決定される。通
常、前記電流量は磁石毎、或いは被検体毎、或いは被検
体の部位毎に決定されるが、特開平5−91982号公
報に記載されているように時間的に制御する事も可能で
ある。
均一性調整コイル3を有している。磁場均一性調整コイ
ル3は、通常球面調和関数の展開成分となる空間分布パ
ターンを有し、複数のコイルより構成される。磁場均一
性調整コイル3は磁場均一性調整コイル用電源4に接続
され、所望の直流電流が印加される。コイル成分として
は、Z0 ,Z,Z2 ,Z3 ,Z4 ,Z5 ,X,Y,Z
X,ZY,X2 −Y2 ,XY,Z(X2 −Y2 ),ZX
Y,Z2 X,Z2 Y等の磁場分布を有するものが使用さ
れている。コイルの構成法に関しては、特開平4−16
8386号公報に記載されている電流分布型コイル等が
提案されている。前記磁場均一性コイルに印加する電流
量は、磁石の磁場分布あるいは特開平3−182231
号公報に記載されているように被検体が磁石内に入った
状態での磁場分布を計測し、磁場分布が最も均一になる
ように各コイルの印加電流量を算出して決定される。通
常、前記電流量は磁石毎、或いは被検体毎、或いは被検
体の部位毎に決定されるが、特開平5−91982号公
報に記載されているように時間的に制御する事も可能で
ある。
【0006】さらに、勾配磁場の磁石部内及び周辺の導
電体部への漏洩磁場のスイッチングに伴い渦電流磁場が
発生し、画質劣化の原因となる事がよく知られている。
この渦電流磁場を抑制するために、外部への漏洩磁場が
無い、或いは少ない前記アクティブシールド型の勾配磁
場生成コイルや勾配磁場によって前記渦電流磁場をキャ
ンセルする渦電流補償法などが用いられている。
電体部への漏洩磁場のスイッチングに伴い渦電流磁場が
発生し、画質劣化の原因となる事がよく知られている。
この渦電流磁場を抑制するために、外部への漏洩磁場が
無い、或いは少ない前記アクティブシールド型の勾配磁
場生成コイルや勾配磁場によって前記渦電流磁場をキャ
ンセルする渦電流補償法などが用いられている。
【0007】一方、磁気共鳴診断装置では画像と画像の
差をとるという手法はしばしば用いられる。たとえば、
複数のT2 成分からなる系の短いT2 成分の画像化が挙
げられる。T2 の2成分系の緩和曲線を図25に示す。
同図においてTE1の時間では短いT2 成分が存在する
のに対し、TE2ではこの成分が減衰するので、エコー
時間TE1の画像からTE2の画像の差分をとれば、短
いT2 成分を画像化することができる。このときのシー
ケンスを図26に示す。このシーケンスのように、TE
1画像(画像A)を先に求めてからTE2画像(画像
B)を求めるという方法を用いると、システムの安定性
や被検体の動き等により画像化の定量性が損なわれると
いう問題があった。
差をとるという手法はしばしば用いられる。たとえば、
複数のT2 成分からなる系の短いT2 成分の画像化が挙
げられる。T2 の2成分系の緩和曲線を図25に示す。
同図においてTE1の時間では短いT2 成分が存在する
のに対し、TE2ではこの成分が減衰するので、エコー
時間TE1の画像からTE2の画像の差分をとれば、短
いT2 成分を画像化することができる。このときのシー
ケンスを図26に示す。このシーケンスのように、TE
1画像(画像A)を先に求めてからTE2画像(画像
B)を求めるという方法を用いると、システムの安定性
や被検体の動き等により画像化の定量性が損なわれると
いう問題があった。
【0008】この問題を解決する一つの方法として、図
27に示すように各々のTEのデータを交互に収集する
という方法がある。しかし、生体内にはT2 が短い成分
があり、この成分は90°印加直後に短いT2 で減衰す
るため、この方法ではとらえられないという問題があっ
た。
27に示すように各々のTEのデータを交互に収集する
という方法がある。しかし、生体内にはT2 が短い成分
があり、この成分は90°印加直後に短いT2 で減衰す
るため、この方法ではとらえられないという問題があっ
た。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の磁
気共鳴診断装置では、2次元或いは3次元の画像を得る
ための勾配磁場としては、互いに直行する空間的に線形
の傾斜磁場分布のみが使用されている。
気共鳴診断装置では、2次元或いは3次元の画像を得る
ための勾配磁場としては、互いに直行する空間的に線形
の傾斜磁場分布のみが使用されている。
【0010】また、静磁場均一性を調整するための磁場
均一性調整コイルは、前記画像を得るために使用される
勾配磁場を発生する勾配磁場生成コイルとは別構成であ
る。そして、通常静磁場均一性調整コイルに印加する電
流は画像データの収集中に於いては一定の電流が供給さ
れ、画像データ収集の際に可変制御する事はなく、仮に
可変制御したとしても勾配磁場のように高速に可変する
事はできないため、画像データの収集のための印加磁場
として使用する事はできない。また、ダイナミックな磁
場均一性調整を行う場合にも限界がある。
均一性調整コイルは、前記画像を得るために使用される
勾配磁場を発生する勾配磁場生成コイルとは別構成であ
る。そして、通常静磁場均一性調整コイルに印加する電
流は画像データの収集中に於いては一定の電流が供給さ
れ、画像データ収集の際に可変制御する事はなく、仮に
可変制御したとしても勾配磁場のように高速に可変する
事はできないため、画像データの収集のための印加磁場
として使用する事はできない。また、ダイナミックな磁
場均一性調整を行う場合にも限界がある。
【0011】さらに、従来の渦電流磁場補償法では、空
間的に線形な傾斜磁場分布を有する勾配磁場を利用して
渦電流磁場のキャンセルを行っているが、渦電流磁場そ
のものは必ずしも空間的に線形な傾斜磁場分布とはなら
ないため、補償精度には限界がある。
間的に線形な傾斜磁場分布を有する勾配磁場を利用して
渦電流磁場のキャンセルを行っているが、渦電流磁場そ
のものは必ずしも空間的に線形な傾斜磁場分布とはなら
ないため、補償精度には限界がある。
【0012】一方において、短いT2 成分を求める場
合、従来のような画像Aを先に求めてから画像Bを求め
るという方法ではシステムの不安定性や被検体の動き等
の影響のため、正確な画像化ができないという問題があ
った。また、TE1,TE2のデータを交互に収集する
という方法であっても、従来のように90°−180°
のスピンエコーを用いる方法では、90°印加直後に減
衰するT2 の短い成分を画像化することはできなかっ
た。
合、従来のような画像Aを先に求めてから画像Bを求め
るという方法ではシステムの不安定性や被検体の動き等
の影響のため、正確な画像化ができないという問題があ
った。また、TE1,TE2のデータを交互に収集する
という方法であっても、従来のように90°−180°
のスピンエコーを用いる方法では、90°印加直後に減
衰するT2 の短い成分を画像化することはできなかっ
た。
【0013】この発明はこのような従来の課題を解決す
るためになされたもので、その第1の目的は、様々な空
間分布を有する傾斜磁場を印加し得る磁気共鳴診断装置
を提供することである。
るためになされたもので、その第1の目的は、様々な空
間分布を有する傾斜磁場を印加し得る磁気共鳴診断装置
を提供することである。
【0014】また、第2の目的は、短いT2 (横緩和時
間)をもつ成分を容易に画像化することのできる磁気共
鳴診断装置を提供することである。
間)をもつ成分を容易に画像化することのできる磁気共
鳴診断装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、本願第1の発明は、互いに直交し、空間的に線
形の勾配磁場を印加する勾配磁場生成コイルを有し、該
勾配磁場生成コイルによる勾配磁場及び高周波磁場コイ
ルによる高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って
被検体に印加し、被検体からの磁気共鳴信号を検出して
映像化する磁気共鳴診断装置において、前記勾配磁場生
成コイルによる勾配磁場分布とは異なる磁場成分を発生
する第2の勾配磁場生成コイルと、前記第2の勾配磁場
生成コイルへ電流を供給する電源部と、所定の条件に応
じて前記電源部からの出力電流を制御する制御手段と、
を有することが特徴である。
るため、本願第1の発明は、互いに直交し、空間的に線
形の勾配磁場を印加する勾配磁場生成コイルを有し、該
勾配磁場生成コイルによる勾配磁場及び高周波磁場コイ
ルによる高周波磁場を所定のパルスシーケンスに従って
被検体に印加し、被検体からの磁気共鳴信号を検出して
映像化する磁気共鳴診断装置において、前記勾配磁場生
成コイルによる勾配磁場分布とは異なる磁場成分を発生
する第2の勾配磁場生成コイルと、前記第2の勾配磁場
生成コイルへ電流を供給する電源部と、所定の条件に応
じて前記電源部からの出力電流を制御する制御手段と、
を有することが特徴である。
【0016】また、前記第1の発明において、前記第2
の勾配磁場生成コイルは、球面調和関数の0次及び2次
以上のいずれかの空間分布を有することが望ましい。
の勾配磁場生成コイルは、球面調和関数の0次及び2次
以上のいずれかの空間分布を有することが望ましい。
【0017】更に、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルは、それぞれ円筒面上でほぼ連続的な
電流分布を持つように渦巻状に導体が形成されていても
良い。
配磁場生成コイルは、それぞれ円筒面上でほぼ連続的な
電流分布を持つように渦巻状に導体が形成されていても
良い。
【0018】また、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルは、コイル円筒面外側において漏洩磁
場を発生しない、あるいは漏洩磁場を抑制するために2
重構造となっていても良い。
配磁場生成コイルは、コイル円筒面外側において漏洩磁
場を発生しない、あるいは漏洩磁場を抑制するために2
重構造となっていても良い。
【0019】更に、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルは、それぞれ複数の部分コイルで構成
され、各々の部分コイルの印加電流を独立に制御するよ
うにしていても良い。
配磁場生成コイルは、それぞれ複数の部分コイルで構成
され、各々の部分コイルの印加電流を独立に制御するよ
うにしていても良い。
【0020】また、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルは、それぞれ相互コイル間の磁気的な
相互作用の遮断、又は抑制する手段を有することが望ま
しい。
配磁場生成コイルは、それぞれ相互コイル間の磁気的な
相互作用の遮断、又は抑制する手段を有することが望ま
しい。
【0021】更に、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルに印加する電流量を時間的に可変する
ことによって画像を得るようにしても良い。
配磁場生成コイルに印加する電流量を時間的に可変する
ことによって画像を得るようにしても良い。
【0022】また、前記勾配磁場生成コイルと第2の勾
配磁場生成コイルに印加する電流量を時間的に可変する
ことによって静磁場均一性の調整、又は渦電流の抑制を
行なうようにしても良い。
配磁場生成コイルに印加する電流量を時間的に可変する
ことによって静磁場均一性の調整、又は渦電流の抑制を
行なうようにしても良い。
【0023】また、本願第2の発明は、前記第2の勾配
磁場形成コイルは複数配置され、当該各第2の勾配磁場
形成コイルと前記電源部との接続を任意に切換え得るス
イッチング手段を具備したことを特徴とする。
磁場形成コイルは複数配置され、当該各第2の勾配磁場
形成コイルと前記電源部との接続を任意に切換え得るス
イッチング手段を具備したことを特徴とする。
【0024】更に、前記第2の目的を達成するため、本
願第3の発明は、一様な静磁場中に置かれた被検体に高
周波磁場と勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って
印加し、前記被検体からの磁気共鳴信号を検出して映像
化する磁気共鳴映像装置において、高周波パルス印加後
の第1のエコータイムで第1の磁気共鳴信号を収集する
手段と、前記第1のエコータイムよりも長い第2のエコ
ータイムで第2の磁気共鳴信号を収集する手段と、前記
第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号との差分を求
める手段と、前記差分データに基づいて磁気共鳴画像を
再構成し、これを画面表示する手段と、を有し、前記第
1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号を交互にデータ
収集することを特徴とする。
願第3の発明は、一様な静磁場中に置かれた被検体に高
周波磁場と勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って
印加し、前記被検体からの磁気共鳴信号を検出して映像
化する磁気共鳴映像装置において、高周波パルス印加後
の第1のエコータイムで第1の磁気共鳴信号を収集する
手段と、前記第1のエコータイムよりも長い第2のエコ
ータイムで第2の磁気共鳴信号を収集する手段と、前記
第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号との差分を求
める手段と、前記差分データに基づいて磁気共鳴画像を
再構成し、これを画面表示する手段と、を有し、前記第
1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号を交互にデータ
収集することを特徴とする。
【0025】また、本願第4の発明は、一様な静磁場中
に置かれた被検体に高周波磁場と勾配磁場を所定のパル
スシーケンスに従って印加し、前記被検体からの磁気共
鳴信号を検出して映像化する磁気共鳴映像装置におい
て、高周波パルス印加後の第1のエコータイムで第1の
磁気共鳴信号を収集する手段と、前記第1のエコータイ
ムよりも長い第2のエコータイムで第2の磁気共鳴信号
を収集する手段と、前記第1の磁気共鳴信号を再構成し
て第1の磁気共鳴画像を作成するとともに、前記第2の
磁気共鳴信号を再構成して第2の磁気共鳴画像を作成
し、両画像の差分画像を得る手段と、前記差分画像を画
面表示する手段と、を有し、前記第1の磁気共鳴信号と
第2の磁気共鳴信号を交互にデータ収集することを特徴
とする。
に置かれた被検体に高周波磁場と勾配磁場を所定のパル
スシーケンスに従って印加し、前記被検体からの磁気共
鳴信号を検出して映像化する磁気共鳴映像装置におい
て、高周波パルス印加後の第1のエコータイムで第1の
磁気共鳴信号を収集する手段と、前記第1のエコータイ
ムよりも長い第2のエコータイムで第2の磁気共鳴信号
を収集する手段と、前記第1の磁気共鳴信号を再構成し
て第1の磁気共鳴画像を作成するとともに、前記第2の
磁気共鳴信号を再構成して第2の磁気共鳴画像を作成
し、両画像の差分画像を得る手段と、前記差分画像を画
面表示する手段と、を有し、前記第1の磁気共鳴信号と
第2の磁気共鳴信号を交互にデータ収集することを特徴
とする。
【0026】
【作用】上述の如く構成された本願第1の発明によれ
ば、互いに直行する空間的に線形な傾斜磁場を発生し得
る従来の勾配コイル以外に、例えば球面調和関数の0
次、及び2次以上の空間分布を生成し得るコイル(第2
の勾配磁場生成コイル)を配設し、これを制御すること
によってスライス特性、静磁場の均一性、渦電流磁場の
抑制精度等の改善を図ることができる。
ば、互いに直行する空間的に線形な傾斜磁場を発生し得
る従来の勾配コイル以外に、例えば球面調和関数の0
次、及び2次以上の空間分布を生成し得るコイル(第2
の勾配磁場生成コイル)を配設し、これを制御すること
によってスライス特性、静磁場の均一性、渦電流磁場の
抑制精度等の改善を図ることができる。
【0027】また、本願第2の発明によれば、スイッチ
ング手段を用いることにより、各第2の勾配磁場生成コ
イルと、これに電流を供給する電源部とを任意に接続す
ることができる。つまり、第2の勾配磁場生成コイルが
複数配設された場合において、通常は全てを使用するこ
とはなく、いくつかの第2の勾配磁場生成コイルを用い
る。従って、全ての第2の勾配磁場生成コイルに対して
それぞれの電源回路を設けることは装置の大規模化、大
容量化につながってしまうので、スイッチング手段を用
いることにより柔軟に接続切換えを行なうようにしてい
る。
ング手段を用いることにより、各第2の勾配磁場生成コ
イルと、これに電流を供給する電源部とを任意に接続す
ることができる。つまり、第2の勾配磁場生成コイルが
複数配設された場合において、通常は全てを使用するこ
とはなく、いくつかの第2の勾配磁場生成コイルを用い
る。従って、全ての第2の勾配磁場生成コイルに対して
それぞれの電源回路を設けることは装置の大規模化、大
容量化につながってしまうので、スイッチング手段を用
いることにより柔軟に接続切換えを行なうようにしてい
る。
【0028】また、本願第3の発明においては、一連の
パルスシーケンスの短いエコータイムで第1の磁気共鳴
信号を収集するとともに、長いエコータイムで第2の磁
気共鳴信号を収集し、両磁気共鳴信号の差分を求めて、
これを画像化し、短いT2 成分の画像を得る。従って、
被検体の動きやシステムのゲイン変動の影響を受けるこ
とのない画像を得ることができる。
パルスシーケンスの短いエコータイムで第1の磁気共鳴
信号を収集するとともに、長いエコータイムで第2の磁
気共鳴信号を収集し、両磁気共鳴信号の差分を求めて、
これを画像化し、短いT2 成分の画像を得る。従って、
被検体の動きやシステムのゲイン変動の影響を受けるこ
とのない画像を得ることができる。
【0029】更に、本願第4の発明では、前記第1の磁
気共鳴信号及び第2の磁気共鳴信号をそれぞれ再構成し
て画像化し、得られた各画像の差分から短いT2 成分の
画像を取得している。これによってもやはり、被検体の
動きやシステムのゲインの変動を受けることのない画像
を得ることができる。
気共鳴信号及び第2の磁気共鳴信号をそれぞれ再構成し
て画像化し、得られた各画像の差分から短いT2 成分の
画像を取得している。これによってもやはり、被検体の
動きやシステムのゲインの変動を受けることのない画像
を得ることができる。
【0030】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
する。
【0031】図1は、本発明の第1実施例に係る磁気共
鳴診断装置の構成を示すブロック図である。同図におい
て、静磁場磁石1、多成分勾配磁場生成コイル25はそ
れぞれ励磁用電源2、勾配磁場生成コイル用電源26に
て駆動される。これらにより被検体7には一様な静磁場
とそれと同一方向で互いに直交する3方向に線形傾斜磁
場分布を有する勾配磁場及び線形の分布とは異なる傾斜
磁場成分を有する勾配磁場が印加される。そして、静磁
場均一性を調整するための磁場もまた前記多成分勾配磁
場生成コイル25より印加される。送信部10から高周
波信号がプローブ9に送られ、被検体7に高周波磁場が
印加される。ここでプローブ9は送受信両用でも、ある
いは送受信別々に設けてもよい。プローブ9で受信され
た磁気共鳴信号は受信部11で直交位相検波された後デ
ータ収集部13に転送されA/D変換後、電子計算機1
4に送られる。以上、励磁用電源2、励磁均一性調整コ
イル用電源4、勾配磁場生成コイル用電源6、送信部1
0、受信部11、データ収集部13はすべてシステムコ
ントローラ12によって制御されている。システムコン
トローラ12は電子計算機14を介してコンソール15
により制御される。電子計算機14ではデータ収集部1
3から送られた磁気共鳴信号に基づいて画像再構成処理
をおこない、画像データを得る。得られた画像は画像デ
ィスプレイ16に表示される。電子計算機14および寝
台8はコンソール15により制御される。
鳴診断装置の構成を示すブロック図である。同図におい
て、静磁場磁石1、多成分勾配磁場生成コイル25はそ
れぞれ励磁用電源2、勾配磁場生成コイル用電源26に
て駆動される。これらにより被検体7には一様な静磁場
とそれと同一方向で互いに直交する3方向に線形傾斜磁
場分布を有する勾配磁場及び線形の分布とは異なる傾斜
磁場成分を有する勾配磁場が印加される。そして、静磁
場均一性を調整するための磁場もまた前記多成分勾配磁
場生成コイル25より印加される。送信部10から高周
波信号がプローブ9に送られ、被検体7に高周波磁場が
印加される。ここでプローブ9は送受信両用でも、ある
いは送受信別々に設けてもよい。プローブ9で受信され
た磁気共鳴信号は受信部11で直交位相検波された後デ
ータ収集部13に転送されA/D変換後、電子計算機1
4に送られる。以上、励磁用電源2、励磁均一性調整コ
イル用電源4、勾配磁場生成コイル用電源6、送信部1
0、受信部11、データ収集部13はすべてシステムコ
ントローラ12によって制御されている。システムコン
トローラ12は電子計算機14を介してコンソール15
により制御される。電子計算機14ではデータ収集部1
3から送られた磁気共鳴信号に基づいて画像再構成処理
をおこない、画像データを得る。得られた画像は画像デ
ィスプレイ16に表示される。電子計算機14および寝
台8はコンソール15により制御される。
【0032】本発明における被検体7内の画像データを
収集するためのパルスシーケンスはシステムコントロー
ラ12によって制御される。
収集するためのパルスシーケンスはシステムコントロー
ラ12によって制御される。
【0033】本実施例の多成分勾配磁場生成コイル25
が発生する磁場分布としては、図2に示す球面調和関数
の成分とする事ができる。同図では0次から5次までの
磁場分布関数を示している。図3は図2で使用した変数
x,y,zが示す円筒型の磁石に対する座標軸を示して
いる。図4、図5、及び図6は前記多成分勾配磁場生成
コイル25の巻線パターンの実施例である。いずれも電
流分布が連続的になるよう渦巻状に導体が配置される。
図4のパターンは図2のXコイルの磁場を発生する事が
できる。同様に図5、図6はそれぞれZX,X2 コイル
の磁場を発生する事ができる。前記多成分勾配磁場生成
コイル25はこれらの巻線パターンが多層的に配置する
事で構成される。この時に、各コイル間での磁気的な相
互作用により各コイルに不要な電流が流れそれに伴う磁
場が悪影響を及ぼす事がある。この問題を避けるため
に、コイル配置、勾配磁場生成コイル用電源16、コイ
ルと電源の回路構成などには注意しなければならない。
が発生する磁場分布としては、図2に示す球面調和関数
の成分とする事ができる。同図では0次から5次までの
磁場分布関数を示している。図3は図2で使用した変数
x,y,zが示す円筒型の磁石に対する座標軸を示して
いる。図4、図5、及び図6は前記多成分勾配磁場生成
コイル25の巻線パターンの実施例である。いずれも電
流分布が連続的になるよう渦巻状に導体が配置される。
図4のパターンは図2のXコイルの磁場を発生する事が
できる。同様に図5、図6はそれぞれZX,X2 コイル
の磁場を発生する事ができる。前記多成分勾配磁場生成
コイル25はこれらの巻線パターンが多層的に配置する
事で構成される。この時に、各コイル間での磁気的な相
互作用により各コイルに不要な電流が流れそれに伴う磁
場が悪影響を及ぼす事がある。この問題を避けるため
に、コイル配置、勾配磁場生成コイル用電源16、コイ
ルと電源の回路構成などには注意しなければならない。
【0034】また、前記多成分勾配磁場生成コイル25
が発生する磁場がコイル外部の導体に作用して渦電流磁
場を発生する場合には、図7に示すようにコイル構成を
メインコイル31とシールドコイル32の2重構成に
し、シールドコイル外側には磁場が発生しない、あるい
は磁場が抑制されるようにする事ができる。図8、図9
にはXコイルとX2 −Y2 コイルの磁場分布例を示す。
が発生する磁場がコイル外部の導体に作用して渦電流磁
場を発生する場合には、図7に示すようにコイル構成を
メインコイル31とシールドコイル32の2重構成に
し、シールドコイル外側には磁場が発生しない、あるい
は磁場が抑制されるようにする事ができる。図8、図9
にはXコイルとX2 −Y2 コイルの磁場分布例を示す。
【0035】前記の如く、多成分勾配磁場生成コイル2
5は複数のコイルで構成されるため、それらに電流を供
給する勾配磁場生成コイル用電源26も前記コイルに対
応する数が必要となる。そこで勾配磁場生成コイル25
に効率よく電流を供給する為に図10及び図11に示す
ように多成分勾配磁場生成コイル25と勾配磁場生成コ
イル用電源26の間にスイッチングマトリクス回路27
を設ける。このスイッチングマトリクス回路27は前記
システムコントローラ12により制御され、前記多成分
勾配磁場生成コイル25を構成する各コイルユニットの
印加電流量に応じてコイルに接続する勾配磁場生成コイ
ル用電源を選択する。これにより、前記勾配磁場生成コ
イル用電源26は、全てが大電流を印加できるものでな
くても良くなり、コストを低減する事ができる。また、
特定のコイルに前記勾配磁場生成コイル用電源26の定
格以上の電流が必要な場合には、複数の電源で1つのコ
イルを駆動することもできる。その他、前記各コイルユ
ニットへの印加電流量の制御には前記勾配磁場生成コイ
ル用電源26の入力制御信号となるシステムコントロー
ラ12の出力信号をオペアンプなどで構成されたプログ
ラマブルレジスタを用いて制御する事もできる。
5は複数のコイルで構成されるため、それらに電流を供
給する勾配磁場生成コイル用電源26も前記コイルに対
応する数が必要となる。そこで勾配磁場生成コイル25
に効率よく電流を供給する為に図10及び図11に示す
ように多成分勾配磁場生成コイル25と勾配磁場生成コ
イル用電源26の間にスイッチングマトリクス回路27
を設ける。このスイッチングマトリクス回路27は前記
システムコントローラ12により制御され、前記多成分
勾配磁場生成コイル25を構成する各コイルユニットの
印加電流量に応じてコイルに接続する勾配磁場生成コイ
ル用電源を選択する。これにより、前記勾配磁場生成コ
イル用電源26は、全てが大電流を印加できるものでな
くても良くなり、コストを低減する事ができる。また、
特定のコイルに前記勾配磁場生成コイル用電源26の定
格以上の電流が必要な場合には、複数の電源で1つのコ
イルを駆動することもできる。その他、前記各コイルユ
ニットへの印加電流量の制御には前記勾配磁場生成コイ
ル用電源26の入力制御信号となるシステムコントロー
ラ12の出力信号をオペアンプなどで構成されたプログ
ラマブルレジスタを用いて制御する事もできる。
【0036】多成分勾配磁場生成コイル25により発生
される勾配磁場は、高速に制御できる事が望ましい。こ
の応答速度は、コイルのインダクタンスと電源の性能に
依って決まるが、高速な応答特性を得るために前記図
4、図5、図6に示すコイル巻線パターンをいくつかの
セグメントに分割して各セグメントを別々の電源で駆動
する事もできる。コイルの分割化によりインダクタンス
を低下する事ができ、高速な応答が可能になる。
される勾配磁場は、高速に制御できる事が望ましい。こ
の応答速度は、コイルのインダクタンスと電源の性能に
依って決まるが、高速な応答特性を得るために前記図
4、図5、図6に示すコイル巻線パターンをいくつかの
セグメントに分割して各セグメントを別々の電源で駆動
する事もできる。コイルの分割化によりインダクタンス
を低下する事ができ、高速な応答が可能になる。
【0037】図12、図13、図14に前記多成分勾配
磁場生成コイル25を利用した画像化シーケンスの実施
例を示す。図12は、2次元の画像化の際にZ1 磁場成
分に代えZ3 磁場成分でスライスを行う場合のパルスシ
ーケンスを示している。Z3磁場成分を使用する事に依
ってスライス特性を向上する事ができる。図13は、2
次元の画像化の際に勾配磁場のスイッチングに伴う渦電
流磁場を補償する場合のパルスシーケンスを示してい
る。渦電流磁場の空間非線形特性を補償するために
Z2 ,Z3 ,X2 −Y2 ,XY,X3 ,Y3 の磁場成分
が印加されている。これにより空間的に非線形の渦電流
磁場についても精度良く補償する事ができる。図14
は、心臓などの静磁場不均一性が時間的に変化する場合
にダイナミックに均一性を調整しながら画像を得る場合
のパルスシーケンスを示している。これにより磁場均一
性が向上し、高画質の画像を得る事ができる。
磁場生成コイル25を利用した画像化シーケンスの実施
例を示す。図12は、2次元の画像化の際にZ1 磁場成
分に代えZ3 磁場成分でスライスを行う場合のパルスシ
ーケンスを示している。Z3磁場成分を使用する事に依
ってスライス特性を向上する事ができる。図13は、2
次元の画像化の際に勾配磁場のスイッチングに伴う渦電
流磁場を補償する場合のパルスシーケンスを示してい
る。渦電流磁場の空間非線形特性を補償するために
Z2 ,Z3 ,X2 −Y2 ,XY,X3 ,Y3 の磁場成分
が印加されている。これにより空間的に非線形の渦電流
磁場についても精度良く補償する事ができる。図14
は、心臓などの静磁場不均一性が時間的に変化する場合
にダイナミックに均一性を調整しながら画像を得る場合
のパルスシーケンスを示している。これにより磁場均一
性が向上し、高画質の画像を得る事ができる。
【0038】本実施例は、上記以外にも主旨を逸脱しな
い範囲で種々変形して実施する事が可能であり、例えば
多成分勾配磁場コイル25の巻線パターンは渦巻状以外
のパターンを用いる事もでき、磁場分布も球面調和数以
外の成分とする事も可能である。更に、画像化の際に線
形勾配磁場の空間特性(線形性)が十分得られない場合
に他の成分の磁場で補償しながらデータ収集を行う事も
可能である。
い範囲で種々変形して実施する事が可能であり、例えば
多成分勾配磁場コイル25の巻線パターンは渦巻状以外
のパターンを用いる事もでき、磁場分布も球面調和数以
外の成分とする事も可能である。更に、画像化の際に線
形勾配磁場の空間特性(線形性)が十分得られない場合
に他の成分の磁場で補償しながらデータ収集を行う事も
可能である。
【0039】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。この実施例では短いT2 成分を画像化する方法につ
いて説明する。図15は、第2実施例の動作を示すパル
スシーケンス図である。まず、図15のAのシーケンス
で1ラインのデータを収集直後に、Bのシーケンスで同
一エンコードのデータを収集する。図15ではリード方
向のデータ量が約半分の非対称エコー法を用いた例を示
しているが、図16に示すようにリード方向のデータを
全て収集するフル法を用いても良い。この方法を用いれ
ば、各ラインのデータを交互に収集するため被検体の動
き等の影響を低減することができ、かつ90°パルス印
加直後にデータ収集を行うためT2 の短い成分を画像化
することができる。データAのエコータイムを1ms以
下、あるいは数msとすれば、例えば、 1Hにおいて
は、数100μsのエコータイムでは脳でいえばミエリ
ン鞘内の脂質や結合水等の動きの遅い物質をとらえるこ
とができ、数msのエコータイムでは結合水等をとらえ
ることができる。これらのような物質は、T2 が短いた
め、データBのような長いエコータイムでは減衰するた
め、画像A、画像Bの差分をとることによって短いT2
成分の画像を得ることができる。
る。この実施例では短いT2 成分を画像化する方法につ
いて説明する。図15は、第2実施例の動作を示すパル
スシーケンス図である。まず、図15のAのシーケンス
で1ラインのデータを収集直後に、Bのシーケンスで同
一エンコードのデータを収集する。図15ではリード方
向のデータ量が約半分の非対称エコー法を用いた例を示
しているが、図16に示すようにリード方向のデータを
全て収集するフル法を用いても良い。この方法を用いれ
ば、各ラインのデータを交互に収集するため被検体の動
き等の影響を低減することができ、かつ90°パルス印
加直後にデータ収集を行うためT2 の短い成分を画像化
することができる。データAのエコータイムを1ms以
下、あるいは数msとすれば、例えば、 1Hにおいて
は、数100μsのエコータイムでは脳でいえばミエリ
ン鞘内の脂質や結合水等の動きの遅い物質をとらえるこ
とができ、数msのエコータイムでは結合水等をとらえ
ることができる。これらのような物質は、T2 が短いた
め、データBのような長いエコータイムでは減衰するた
め、画像A、画像Bの差分をとることによって短いT2
成分の画像を得ることができる。
【0040】データA、Bの収集後に各々のデータを分
離し、各々再構成、画像化する。フル法でデータ収集し
た場合には、図16のようにデータ収集後、データA、
Bのエンコード1ラインごとに差分をとり、再構成すれ
ば、短いT2 成分の画像を得ることができる。
離し、各々再構成、画像化する。フル法でデータ収集し
た場合には、図16のようにデータ収集後、データA、
Bのエンコード1ラインごとに差分をとり、再構成すれ
ば、短いT2 成分の画像を得ることができる。
【0041】短いT2 成分の画像化は、図17に示すシ
ーケンスを用いて得ることもできる。この方法でも、差
分画像化に必要な2画像データの同一エンコードの1ラ
インをデータ収集することには変わりがない。図16に
示した方法との差は、A、Bでリード勾配磁場強度に差
を持たせることにある。A、Bの分解能が同じだから、
リード勾配磁場強度の強いAでは、データ収集時間T
dataAが短いのに対し、勾配磁場強度の弱いBではT
dataBが長くなる。データ収集時間を緩和曲線上に示す
と図18のようになり、Aでは短いT2 成分の寄与が大
きいのに対し、Bではこの寄与は小さくなる。このた
め、A、Bより得られる画像の差分をとれば、短いT2
成分の画像を求めることができる。
ーケンスを用いて得ることもできる。この方法でも、差
分画像化に必要な2画像データの同一エンコードの1ラ
インをデータ収集することには変わりがない。図16に
示した方法との差は、A、Bでリード勾配磁場強度に差
を持たせることにある。A、Bの分解能が同じだから、
リード勾配磁場強度の強いAでは、データ収集時間T
dataAが短いのに対し、勾配磁場強度の弱いBではT
dataBが長くなる。データ収集時間を緩和曲線上に示す
と図18のようになり、Aでは短いT2 成分の寄与が大
きいのに対し、Bではこの寄与は小さくなる。このた
め、A、Bより得られる画像の差分をとれば、短いT2
成分の画像を求めることができる。
【0042】本実施例で示す同一ラインのデータ収集法
は、プロジェクション法でも有効である。この場合のシ
ーケンスは図19に示すようになる。このシーケンスを
用いてA、Bのk空間のラインを図20のように取る。
Aのデータ収集直後にBのデータを収集することより、
A、Bの各画像をほぼ同時にデータ収集することができ
るので、システムの不安定性や被検体の動き等の影響を
小さくすることができる。
は、プロジェクション法でも有効である。この場合のシ
ーケンスは図19に示すようになる。このシーケンスを
用いてA、Bのk空間のラインを図20のように取る。
Aのデータ収集直後にBのデータを収集することより、
A、Bの各画像をほぼ同時にデータ収集することができ
るので、システムの不安定性や被検体の動き等の影響を
小さくすることができる。
【0043】図21にスピンエコー法でTE2の画像を
取得した場合の実施例を示す。この実施例では、90°
パルス印加直後にデータAを収集した後、180°パル
スを印加してスピンエコー信号を生成し、データBを収
集する。ここまでは従来の方法である。本実施例では、
収集した各々のデータを1エンコードごとに差分をと
り、差分データの再構成を行って画像を得る。あるい
は、データA、データBごとに再構成して画像化を行
い、それぞれの差分画像を得る。従来の画像化法では短
いT2 成分と長いT2 成分が合成された画像が得られて
いたのに対し、本方法では短いT2 成分を取り出すこと
ができるため、短いT2 成分の画像化を行うことができ
る。また、図23にはハーフ法の実施例を、図23に
は、渦電流磁場のデータA、データBへの影響が同等と
なるように工夫したシーケンスを示す。
取得した場合の実施例を示す。この実施例では、90°
パルス印加直後にデータAを収集した後、180°パル
スを印加してスピンエコー信号を生成し、データBを収
集する。ここまでは従来の方法である。本実施例では、
収集した各々のデータを1エンコードごとに差分をと
り、差分データの再構成を行って画像を得る。あるい
は、データA、データBごとに再構成して画像化を行
い、それぞれの差分画像を得る。従来の画像化法では短
いT2 成分と長いT2 成分が合成された画像が得られて
いたのに対し、本方法では短いT2 成分を取り出すこと
ができるため、短いT2 成分の画像化を行うことができ
る。また、図23にはハーフ法の実施例を、図23に
は、渦電流磁場のデータA、データBへの影響が同等と
なるように工夫したシーケンスを示す。
【0044】以上、差分画像についての実施例を説明し
た。なお、このデータ収集法は差分画像化だけでなく画
像A,画像Bをそれぞれ画像化する際にも有効であるこ
と、及び、短いT2 成分の画像化だけではなく、近年話
題になっている脳機能画像化にも有力であることは言う
までもない。
た。なお、このデータ収集法は差分画像化だけでなく画
像A,画像Bをそれぞれ画像化する際にも有効であるこ
と、及び、短いT2 成分の画像化だけではなく、近年話
題になっている脳機能画像化にも有力であることは言う
までもない。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本願第1、第2の
発明によれば局所励起特性、スライス特性、静磁場均一
性、渦電流磁場の抑制精度等が改善され、画質が向上す
る。
発明によれば局所励起特性、スライス特性、静磁場均一
性、渦電流磁場の抑制精度等が改善され、画質が向上す
る。
【0046】また、本願第3,第4の発明によれば、従
来の方法に対してT2 の短い成分の画像化を行う際にシ
ステムの不安定性や被検体の動き等の影響を低減するこ
とが可能である。
来の方法に対してT2 の短い成分の画像化を行う際にシ
ステムの不安定性や被検体の動き等の影響を低減するこ
とが可能である。
【図1】本発明の第1実施例に係る磁気共鳴映像装置の
構成を示すブロック図である。
構成を示すブロック図である。
【図2】勾配磁場分布関数を示す図である。
【図3】コイルの座標軸を示す説明図である。
【図4】Xコイルの巻線パターンを示す図である。
【図5】ZXコイルの巻線パターンを示す図である。
【図6】X2 コイルの巻線パターンを示す図である。
【図7】2重構造のコイルを示す説明図である。
【図8】Xコイルの磁場分布を示す特性図である。
【図9】X2 −Y2 コイルの磁場分布を示す特性図であ
る。
る。
【図10】勾配磁場発生装置の構成を示すブロック図で
ある。
ある。
【図11】スイッチングマトリクス回路を示す説明図で
ある。
ある。
【図12】第1実施例に係る画像化シーケンスの第1の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図13】第1実施例に係る画像化シーケンスの第2の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図14】第1実施例に係る画像化シーケンスの第3の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図15】本発明の第2実施例に係る画像化シーケンス
を示す図である。
を示す図である。
【図16】第2実施例に係る画像化シーケンスの第2の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図17】第2実施例に係る画像化シーケンスの第3の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図18】図17に示したシーケンスA、Bのデータ収
集時間とT2 緩和曲線の関係を示す説明図である。
集時間とT2 緩和曲線の関係を示す説明図である。
【図19】第2実施例に係る画像化シーケンスの第4の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図20】図19に示したシーケンスにおいて、A、B
のデータ収集法を位相空間を用いて示した説明図であ
る。
のデータ収集法を位相空間を用いて示した説明図であ
る。
【図21】第2実施例に係る画像化シーケンスの第5の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図22】第2実施例に係る画像化シーケンスの第6の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図23】第2実施例に係る画像化シーケンスの第7の
例を示す図である。
例を示す図である。
【図24】一般的な磁気共鳴診断装置の構成を示すブロ
ック図である。
ック図である。
【図25】短いT2 成分が含まれる場合のT2 緩和曲線
を示す図である。
を示す図である。
【図26】エコータイムの異なる2成分を画像化するパ
ルスシーケンスの第1の従来例を示す図である。
ルスシーケンスの第1の従来例を示す図である。
【図27】エコータイムの異なる2成分を画像化するパ
ルスシーケンスの第2の従来例を示す図である。
ルスシーケンスの第2の従来例を示す図である。
1 静磁場磁石 2 励磁用電源 3 静磁場均一性調整コイル 4 静磁場均一性調整コイル用電源 5 勾配磁場生成コイル 6 勾配磁場生成コイル用電源 7 被検体 8 寝台 9 プローブ 10 送信部 11 受信部 12 システムコントローラ 13 データ収集部 14 電子計算機 15 コンソール 16 画像ディスプレイ 25 多成分勾配磁場生成コイル 26 勾配磁場生成コイル用電源 27 スイッチングマトリクス回路 31 メインコイル 32 シールドコイル
Claims (4)
- 【請求項1】 互いに直行し、空間的に線形の勾配磁場
を印加する勾配磁場生成コイルを有し、該勾配磁場生成
コイルによる勾配磁場及び高周波磁場コイルによる高周
波磁場を所定のパルスシーケンスに従って被検体に印加
し、被検体からの磁気共鳴信号を検出して映像化する磁
気共鳴診断装置において、 前記勾配磁場生成コイルによる勾配磁場分布とは異なる
磁場成分を発生する第2の勾配磁場生成コイルと、 前記第2の勾配磁場生成コイルへ電流を供給する電源部
と、 所定の条件に応じて前記電源部からの出力電流を制御す
る制御手段と、 を有することを特徴とする磁気共鳴診断装置。 - 【請求項2】 前記第2の勾配磁場形成コイルは複数配
置され、当該各第2の勾配磁場形成コイルと前記電源部
との接続を任意に切換え得るスイッチング手段を具備し
た請求項1記載の磁気共鳴診断装置。 - 【請求項3】 一様な静磁場中に置かれた被検体に高周
波磁場と勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印
加し、前記被検体からの磁気共鳴信号を検出して映像化
する磁気共鳴映像装置において、 高周波パルス印加後の第1のエコータイムで第1の磁気
共鳴信号を収集する手段と、 前記第1のエコータイムよりも長い第2のエコータイム
で第2の磁気共鳴信号を収集する手段と、 前記第1の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号との差分
を求める手段と、 前記差分データに基づいて磁気共鳴画像を再構成し、こ
れを画像表示する手段と、を有し、前記第1の磁気共鳴
信号と第2の磁気共鳴信号を交互にデータ収集すること
を特徴とする磁気共鳴診断装置。 - 【請求項4】 一様な静磁場中に置かれた被検体に高周
波磁場と勾配磁場を所定のパルスシーケンスに従って印
加し、前記被検体からの磁気共鳴信号を検出して映像化
する磁気共鳴映像装置において、 高周波パルス印加後の第1のエコータイムで第1の磁気
共鳴信号を収集する手段と、 前記第1のエコータイムよりも長い第2のエコータイム
で第2の磁気共鳴信号を収集する手段と、 前記第1の磁気共鳴信号を再構成して第1の磁気共鳴画
像を作成するとともに、前記第2の磁気共鳴信号を再構
成して第2の磁気共鳴画像を作成し、両画像の差分画像
を得る手段と、 前記差分画像を画面表示する手段と、を有し、前記第1
の磁気共鳴信号と第2の磁気共鳴信号を交互にデータ収
集することを特徴とする磁気共鳴診断装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5353255A JPH07194574A (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気共鳴診断装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5353255A JPH07194574A (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気共鳴診断装置 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH07194574A true JPH07194574A (ja) | 1995-08-01 |
Family
ID=18429603
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5353255A Pending JPH07194574A (ja) | 1993-12-29 | 1993-12-29 | 磁気共鳴診断装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH07194574A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009047422A (ja) * | 2002-05-10 | 2009-03-05 | Shonan Jitsugyo:Kk | 冷凍装置 |
| JP2010142586A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Hitachi Medical Corp | 傾斜磁場コイル装置、核磁気共鳴撮像装置、および、コイルパターンの設計方法 |
-
1993
- 1993-12-29 JP JP5353255A patent/JPH07194574A/ja active Pending
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2009047422A (ja) * | 2002-05-10 | 2009-03-05 | Shonan Jitsugyo:Kk | 冷凍装置 |
| JP2010142586A (ja) * | 2008-12-22 | 2010-07-01 | Hitachi Medical Corp | 傾斜磁場コイル装置、核磁気共鳴撮像装置、および、コイルパターンの設計方法 |
| US8633698B2 (en) | 2008-12-22 | 2014-01-21 | Hitachi Medical Corporation | Gradient coil device, magnetic resonance imaging device, and method of designing coil pattern |
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