JP4905898B2 - 車輌用インナパネル - Google Patents

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Description

本発明は、自動車等の車輌用フードにおいて外側のアウタパネルの下方に重ねられる車輌用インナパネルに関し、特に前面衝突における歩行者頭部の衝突性能が優れた車輌用インナパネルに関する。
車体前部にフードを備えた自動車において、この自動車用フードは、アウタパネルとインナパネルとその他の補強材等から構成され、フード自体の剛性及び強度を確保するために、アウタパネルとインナパネルとが両者間に空間を介した閉断面構造をとるように接合されているのが一般的である。
この種のフードに関して、インナパネル中央付近に、複数本の断面U字形のビードを互いに略平行に形成し、フードとして要求される耐デント性及び張り剛性を確保するとともに、前面衝突時の歩行者保護性能を向上させた構造が提案されている(特許文献1及び2)。
現在、前面衝突時の歩行者保護性能を評価するためには、衝突時の加速度−時間波形から算出されるHIC値が一般的に用いられており、HIC値が小さいほど、衝突時における歩行者頭部への傷害が生じにくい。このため、前述のように、耐デント性及び張り剛性を確保した上で、このHIC値が低くなるフード構造が望まれている。
フード中央近傍に頭部が衝突したときの加速度波形は、衝突初期に頭部がフードに接触した際に第1波が生じ、その後、頭部に押圧されたフード部分が車両下方向に移動しフード下部に配置されているエンジン等の内蔵部品と接触した際に第2波が生じる。
そして、HIC値を低減するためには、特に加速度第2波を小さくすることが有効である。このためには、頭部衝突の際に、フードが内蔵部品と接触する前に衝突エネルギを吸収することが必要であり、フードパネルと内蔵部品との隙間を十分に確保することが望ましい。
しかし、自動車として必要な部品を限られた空間のフード内に配置することを考慮すると、フードパネルと内蔵部品との隙間を十分に確保することが難しいことが多い。
このため、頭部衝突における加速度第1波をできるだけ大きくし、衝突初期のエネルギ吸収量を増大させることで変形ストロークを低減するか、又は、フードが内蔵部品に接触した際の加速度第2波が小さくなるようなフード構造が望まれている。
前述の断面U字形のビードを複数本平行に設置するフードインナ構造では、ビードを配置したことにより、フードパネルの曲げ剛性が増加し、歩行者頭部衝突の際の曲げ変形が抑制され、衝撃荷重を分散することができる。このため、頭部衝突により変位が生じる面積、ひいては、重量が増加し、ビードを設けない場合に比べて、頭部衝突の際の加速度第1波が大きくなるという特徴がある。また、ビードが略平行に配置されているため、内蔵部品との接触時に変形が生じやすく、加速度第2波を小さくすることができるという利点がある。
しかしながら、近時の歩行者保護に対する要求が極めて厳しくなってきており、更に一層の歩行者保護性能の向上が望まれている。
このため、前述の断面U字形のビードを持つフードインナ構造においても、更に一層の歩行者保護性能の向上を目的として、実際の衝突条件を考慮して、部位によりU字形断面形状の高さを変化させたものと、U字形断面の縦壁途中に平座を設けたものが提案されている(特許文献3及び4)。
特開2001−151159号公報 特開2003−205866号公報 特開2006−44542号公報 特開2006−44543号公報
しかしながら、このような断面U字形ビード構造において、更に一層、加速度第1波を大きくするためには、ビードに沿う方向だけでなく、これに直交する方向にも応力を伝播させることが必要である。また、ビードの変形剛性が高く、車両上方向からの頭部衝突の際に局部変形しないことも望まれる。同時に、加速度第2波を小さくするために、内蔵部品との接触の際に、車両下方向から加わる荷重に対して変形荷重が低く、つぶれやすい構造が望まれる。しかし、従来技術においては、これらの要望に応えられるものではなかった。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、車輌上方からインナパネル上面に荷重が印加された場合に変形しにくく、これにより加速度第1波を大きくすることができ、衝突後期にエンジン等のフード内蔵部品とインナパネルとが接触した際の変形荷重を小さくすることができ、歩行者保護性能が優れた車輌用インナパネルを提供することを目的とする。
本発明に係る車輌用インナパネルは、アウタパネルと共に車輌用フードを構成するインナパネルにおいて、前記インナパネルは、インナパネルの標準面と、夫々このインナパネルの標準面に対し上に凸及び/又は下に凸の断面凹形状に形成され車輌前後方向に延びるように複数個並列的に設けられビードを有し、前記各ビードは前記ビードに直交する断面において縦壁と下方フランジと縦壁と上方フランジとが順次連なる形状を有し、前記縦壁は上方の上部縦壁とこの上部縦壁に対して屈曲する下方の下部縦壁とから構成され、前記上方フランジに対する上部縦壁の傾斜角度は下部縦壁の傾斜角度よりも大きく、前記ビードの上部縦壁と下部縦壁との間の屈曲部が、前記上方フランジと前記下方フランジとの間の間隔の1/2よりも上方に位置すると共にその一部がビード長手方向に直線状に連なり、前記上方フランジは前記アウタパネルにマスチック接合されるものであることを特徴とする。
例えば、前記ビードは、前記ビードに直交する断面において、前記インナパネルの前記標準面に対し、上に凸の断面凹形状のビードが適長間隔をおいて形成されたもの、上に凸の断面形状のビードと下に凸の断面形状のビードとが前記上部縦壁と下部縦壁との間の屈曲部にて連なるように形成されたものが適長間隔をおいて形成されたもの、又は下に凸の断面形状のビードが適長間隔をおいて形成されたものである。
前記上部縦壁が前記上方フランジとなす角度は40乃至60°であることが好ましい。
更に、ビードに直交する断面において、前記下方フランジの長さは、前記上方フランジの長さよりも長いことが好ましい。また、ビードに直交する断面において、前記下方フランジの中央が、上方に盛り上がっていることが好ましい。更にまた、ビードに直交する断面において、前記下方フランジの長さは、前記下部縦壁の面に沿う前記下部縦壁の長さの2倍であることが好ましい。
前記アウタパネルにマスチック接合される前記上方フランジの平面視の縁部が、波状の曲線をなしているように構成することができる。この場合に、前記ビードが上に凸の断面凹形状のビードであり、前記上方フランジにおけるマスチック接合される部分は、縁部が広がっていて他の部分より幅広となっている部分であることが好ましい。
本発明のインナパネルにおいては、ビードに直交する断面において、縦壁と下方フランジと縦壁と上方フランジとが順次連なる形状を有し、前記縦壁は上方の上部縦壁とこの上部縦壁に対して屈曲する下方の下部縦壁とから構成され、前記上方フランジに対する上部縦壁の傾斜角度は下部縦壁の傾斜角度よりも大きい。これにより、アウタパネル側に存在するビード縦壁(上部縦壁)の角度が、車両下方側のビード縦壁(下部縦壁)よりも急角度に設定されているので、衝突により車両上方からインナパネル上面に荷重が印加された場合に、ビード縦壁の変形が生じにくく、インナパネル上面の局部変形を抑制することができる。これにより、衝突初期に頭部衝突を受けてフードが変形する面積、つまり重量が増加し、加速度第1波を大きくすることができる。また、インナパネルが変形して、フード内のエンジン等の内蔵部品に衝突し、車両下方からの荷重負荷があった場合、インナパネルに形成されたビードの下部縦壁が上方フランジに対して傾斜角度が上部縦壁よりも小さくなるように傾斜しているので、下部縦壁が、内蔵部品の相対的衝突方向に対して、角度を持って配置されていることになり、衝突後期に内蔵部品とフードインナパネルとが接触した際の変形荷重を小さくすることができる。
本発明によれば、歩行者との衝突により車輌上方からインナパネル上面に荷重が印加された場合に変形しにくく、これにより加速度第1波を大きくすることができる。また、衝突後期にエンジン等のフード内蔵部品とインナパネルとが接触した際の変形荷重を小さくすることができる。これにより、歩行者保護性能が優れた車輌用インナパネルが得られる。
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施形態に係るインナパネルの車両進行方向に向かって左半分を示す平面図、図2はこの図1のA−A線における断面の一部を示す断面図、図3は縦壁の形状を示す図である。図2に示すように、自動車フードは、外側で上方に配置されたアウタパネル6と、内側で下方に配置されたインナパネル1とが重ねられて、それらの外縁で接合され、アウタパネル6とインナパネル1との間の内部に空間が形成されている。
図1に示すように、インナパネル1には、車輌前後方向に延びる複数個(図示例は左半分に3個)のビード2が、車輌幅方向に並んで相互に略平行に形成されている。このビード2は、車輌幅方向の断面、即ち、ビードに直交する断面において、上方フランジ5,縦壁4、下方フランジ3、縦壁4がこの順に連なって形成されている。ビード2は、車輌幅方向の断面において、前記インナパネルの前記ビード形成面に対し、上に凸の断面凹形状のビードが適長間隔をおいて形成されたもの、上に凸の断面形状のビードと下に凸のビードとが交互に形成されたもの、又は下に凸の断面形状のビードが適長間隔をおいて形成されたものである。本実施形態では、インナパネル1は、底部と、この底部から立ち上がる縦壁の上縁に連なるビード形成面とを有し、上方フランジ5は、本実施形態ではインナパネル1のビード形成面に相当する。よって、下方フランジ3は、ビード形成面から下方に突出する形状を有している。つまり、ビード2はインナパネル1の標準面に対し、下に凸の断面形状を有する。この上方フランジ5はその上方のアウタパネル6の内面に対し、マスチック接合されている。
そして、縦壁4は下方の下部縦壁4aと、上方の上部縦壁4bとから構成され、下部縦壁4aと上部縦壁4bとは平面状をなし、その境界が折れ曲がっていて屈曲部(折れ線4c)となっている。図2及び図3に示すように、上部縦壁4bが上方フランジ5に対してなす傾斜角度は、下部縦壁4aが上方フランジ5に対してなす傾斜角度より大きい。この上部縦壁4bが上方フランジ5に対してなす角度は、40乃至60°であることが好ましい。また、屈曲部(折れ線4c)の位置は、上方フランジ5と下方フランジ3との間の間隔の1/2より上方にある。更に、下方フランジ3の長さは上方フランジ5の長さより長い。
次に、上述の如く構成された本実施形態のインナパネルの動作について説明する。図4(a)に示すように、歩行者衝突時に、歩行者頭部7がアウタパネル6に衝突した場合、図4(b)に示すように、歩行者頭部7がインナパネル1の上方フランジ5を下方に押圧する。即ち、衝突時に、上方フランジ5に対し下方に荷重が印加される。これにより、フードの衝突部近傍が下方へと移動し、下方フランジ3はフード下部に配置されている内蔵部品8に接触し、上方フランジ5と下方フランジ3との間で、ビード2を上下方向に圧縮する荷重が印加される。この場合に、縦壁4の上部縦壁4aは上方フランジ5に対してなす角度が大きく、急角度の壁となっているので、衝突荷重による変形は小さい。これに対し、下部縦壁4bは、上方フランジ5に対してなす角度が小さく、このため、衝突荷重が印加されたときに、変形し易い。この下部縦壁4aが変形することにより、1対の下部縦壁4aがその間の下方フランジ3に対し横方向に押圧し、図4(b)に示すように、下方フランジ3をその中間位置が盛り上がるように変形させる。これにより、下方フランジ3には、その中央に凹み3aが形成される。
このように、衝突時に、車両上方からインナパネル上面に荷重が印加された場合に、ビード縦壁(上部縦壁4b)の角度が、車両下方側のビード縦壁(下部縦壁4a)よりも急角度に設定されているので、衝突によりビード縦壁4bの変形が生じにくく、インナパネル上面の局部変形を抑制することができる。これにより、衝突初期に頭部衝突を受けてフードが変形する面積、つまり重量が増加し、加速度第1波を大きくすることができる。また、インナパネル1が変形して、フード内のエンジン等の内蔵部品8に衝突し、車両下方からの荷重負荷があった場合、インナパネル1に形成されたビード2の下部縦壁4aが緩く傾斜しているので、下部縦壁4aが、内蔵部品8の相対的衝突方向に対して、角度を持って配置されていることになり、容易に変形する。このため、衝突後期に内蔵部品8とフードインナパネル1とが接触した際の変形荷重を小さくすることができ、加速度第2波を小さくすることができる。
本発明のように、縦壁4に設けられた折れ線4cは、内蔵部品8との接触時に縦壁の折れ変形の起点となり、容易に変形することにより、変形開始荷重を低くすることができる。同時に、図4(b)に示すように、折れ線4cの左右方向への移動が生じやすい。インナパネル1の車輌幅方向の断面における線長は、アウタパネル6に比べて長いため、圧壊時に肉あまりが生じるが、折れ線4cが左右に移動することで、この肉あまりを吸収しやすくなり、加速度第2波における急激な底付荷重(内蔵部品8から下方フランジ3に対して相対的に印加される荷重)の発生を遅らせることができる。
なお、本発明と同様にビード断面形状の見直しにより歩行者保護性能の向上を図った従来技術として、縦壁の途中に平座を設けたものがある(特許文献4)。しかし、本発明のビード構造は、縦壁途中に平座を設ける必要がないため、平座を設けた断面に比べてインナパネル底面の面積を大きくすることが可能である。これにより、パネル自体の曲げ剛性が高くなり、加速度が第1波直後の加速度を大きくし、衝突初期のエネルギ吸収量を大きくすることができる。
車両上方側の上部縦壁4bの傾斜角度は、頭部衝突の際に、車両上方フランジ5の変形を支持する役割を持ち、この上部縦壁4bの角度が厳しくなるほど、車両上方からの荷重に対して変形しにくくなる。つまり、車両上方側の上部縦壁4bの傾斜は厳しい方が車両上方フランジの局部変形を防止することができ、加速度第1波を大きくする上で有効といえる。
しかしながら、プレス成形時の破断を防止することを考慮すれば、この上部縦壁角度は少なくとも60°以下にすることが好ましい。上部縦壁角度が大きすぎると、図3(a)に示すように、上方フランジと上部縦壁との境界でプレス成形時に破断が生じる。また、この上部縦壁角度をあまり緩やかにしすぎれば、図3(c)に示すように、インナパネル1の下方フランジ3の底面面積が減少し、パネルの曲げ剛性自体が小さくなる。このため、上部縦壁角度は、40°以上にすることが好ましい。
また、前述の如く、下方フランジ3は衝突時にその中央部分が盛り上がるように変形して、肉余りを吸収しようとする。この変形をより一層開始しやすくし、加速度第2波を低減するために、図5に示すように、インナパネル1を下方フランジ3の中央部を上方に向けて屈曲変形させて凹み3aを予め形成しておくことができる。
前述の如く、屈曲部(折れ線4c)の位置は、図6(b)に示すように、上方フランジ5と下方フランジ3との間の間隔の1/2より上方にある。インナパネル1の圧壊可能なストロークを長くすることを考慮すれば、この折れ線4cの位置は、少なくともインナパネル1の上方フランジ5と下方フランジ3との間の中央(1/2)よりも車両上側、望ましくは1/3程度の位置に設けることが望ましい。図6(a)に示すように、折れ線4cの位置が車両下方側にある場合、車両上側の上部縦壁4bと内蔵部品8との接触が速くなり、加速度第2波が早い段階で生じることになる。また、図6(c)に示すように、折れ線4cの位置が車両上側に過ぎた場合には、インナパネル1の底面(下方フランジ3)の面積が減少し、パネル曲げ剛性が低下することにより、加速度第1波の後、急激に加速度が低下し、衝突初期のエネルギ吸収量が小さくなるという問題点がある。
一方、図7に示すように、車輌幅方向の断面において、下部縦壁4aにおける下部縦壁4aの面に沿う方向の長さxと、下方フランジ3の長さの1/2であるyとが等しいことが好ましい。この長さを同等程度にすることにより、下方フランジ及び下部縦壁の変形抵抗が同等程度になり、最も容易に圧壊変形が進行し、変形荷重を低減することができる。
また、パネルとしての曲げ剛性については、アウタパネル及びインナパネルで構成される閉断面構造のフードの断面二次モーメントにより評価できる。断面の高さが同じ場合、断面二次モーメントは、曲げ中立軸から、遠い位置に肉を配置することで大きくなる。フードの車両上方向にアウタパネルが配置されていることから、インナパネルでは、車両上方フランジ5よりも、下方フランジ3の断面積を大きく設定した方が、断面二次モーメントが大きくなるといえる。パネル自体の曲げ剛性が高くなれば、衝突初期に変位が生じるフード面積(質量)が増加するため、加速度第1波及び第1波直後の加速度を大きくすることが可能になり、衝突時のエネルギ吸収ストロークを小さくすることができる。
図1乃至図7に示すビード2は、図8(c)に示すように、インナパネル1の標準面に対して、下に凸となるように形成され、隣接するビード2間に、インナパネル1の標準面となる部分が存在するものである。従って、縦壁4の上部縦壁4b間の部分がインナパネル1の標準面であり、この部分が上方フランジ5となる。
しかし、図8(a)に示すように、インナパネル1の標準面に対し、上方に凸となるように、ビード2aを形成することもできる。従って、この場合は、下部縦壁4a間にインナパネル1の標準面の部分が存在し、この部分が下方フランジ3となる。また、図8(b)に示すように、上に凸のビード2aと下に凸のビード2とを車輌幅方向に接触させ、両者間にインナパネル1の標準面の部分を設けることなく配置することもできる。この場合は、下に凸のビード2の底面が下方フランジ3となり、上に凸のビード2aの上面が上方フランジ5となる。これらのいずれの構造においても、本発明の請求の範囲の構成を満たす限り、本発明の効果を奏する。
図9(a)は、図8(a)乃至(c)と同様に、上方フランジ5に連なる上部縦壁4bと、下方フランジ3に連なる下部縦壁4aとの間の境界である折れ線4cが、平面視で直線状をなしているものである。これに対し、図9(b)に示すように、上方フランジ5のフランジ幅方向の縁部を、フランジ長手方向に波状に形成し、平面視で直線状をなす折れ線4cとこの上方フランジ縁部との間の上部縦壁4bの傾斜を、波打つような形状にすることができる。即ち、上方フランジ5の最大幅の部分の縁部と折れ線4cとの間の上部縦壁4bの傾斜角度が大きくなり、上方フランジ5の最小幅の部分の縁部と折れ線4cとの間の上部縦壁4bの傾斜角度が小さくなるように、上部縦壁4bの面の方向がビード長手方向で変化するように形成することができる。
このような形状にすることにより、インナパネル1の上方フランジ5の局部変形をより一層確実に防止することができる。歩行者頭部が車輌フードに衝突し、その衝突荷重がインナパネル1の上方フランジ5に印加された場合には、上方フランジ5の縁部(稜線)が平面視で曲線状をなしていれば、上方フランジ5の曲げ変形に対する抵抗が大きくなる。これに対して、下方フランジ3と下部縦壁4aとの境界線及び折れ線4cが平面視で直線状であれば、車両下方向からインナパネル1への荷重の印加により、インナパネル1は容易に変形する。
これにより、上方フランジ5の変形が抑制され、下方フランジ3の変形が促進されるので、衝突初期の上方フランジ5の変形が抑制され、これにより、加速度第1波を大きくすることができるとともに、衝突末期の下方フランジ3の変形が抑制され、これにより、加速度第2波を低減することができる。
このように、折れ線4cよりも上側の上部縦壁4bは、緩やかな曲面の連続体となり、このビードは、上部縦壁4bが平面形状であるビードに比して、車両上方からの荷重の印加に対して、変形しにくくなる。そして、図9(b)に示すように、インナパネル1の上方フランジ5におけるその上方のアウタパネル6にマスチック接合される部分、即ちマスチック座面9を、上方フランジ5の幅広の部分に設けることにより、マスチック座面9の面積は十分大きく保持しつつ、上方フランジ5の面積は可及的に小さくすることができる。これにより、インナパネル1自体の曲げ剛性を増加させることができ、加速度第1波をより大きくすることができる。
同様の効果は、上方フランジ5の稜線に形状凍結ビードなどの凹凸を設けることでも得ることができる。しかし、この上方フランジ5の稜線近傍は、プレス成形においてひずみが集中する部分であり、この部位に形状の急変部を設けることは、その部分で破断の危険性を高めてしまう。また、急激な形状急変部を設けた場合には、衝突時の開き変形を完全に抑制してしまい、圧壊時の潰れ残りが増加することになる。このため、衝突末期の変形余裕度を確保する上でも、車両上方側フランジの稜線は、緩やかな曲線で構成することが望ましい。
本発明の第1実施形態に係る車輌用フランジを示す平面図である。 図1のA−A線による断面図(車輌幅方向の断面図)である。 (a)乃至(c)は、上部縦壁4bの傾斜角度の相違を示す模式図である。 8a)及び(b)は、本実施形態の動作を示す図であり、歩行者頭部からの荷重が印加された場合のインナパネルの変形を示す模式図である。 本発明の第2実施形態に係る車輌用フランジを示す車輌幅方向の断面図である。 (a)乃至(c)は、上方フランジと下方フランジとの間の距離と、折れ線の位置との関係を示す図である。 下部縦壁の長さと、下方フランジの長さとの関係を示す図である。 (a)乃至(c)は、ビードが車輌幅方向に連なる態様を示す斜視図である。 (a)及び(b)は、上方フランジの縁部が波状の曲線をなしている実施形態を示す斜視図である。
符号の説明
1 インナパネル
2 ビード
2a ビード
3 下方フランジ
3a 凹み
4 縦壁
4a 下部縦壁
4b 上部縦壁
4c 折れ線
5 上方フランジ
6 アウタパネル
7 歩行者頭部
8 内蔵部品
9 マスチック座面
4c 縦壁

Claims (8)

  1. アウタパネルと共に車輌用フードを構成するインナパネルにおいて、前記インナパネルは、インナパネルの標準面と、夫々このインナパネルの標準面に対し上に凸及び/又は下に凸の断面凹形状に形成され車輌前後方向に延びるように複数個並列的に設けられビードを有し、前記各ビードは前記ビードに直交する断面において縦壁と下方フランジと縦壁と上方フランジとが順次連なる形状を有し、前記縦壁は上方の上部縦壁とこの上部縦壁に対して屈曲する下方の下部縦壁とから構成され、前記上方フランジに対する上部縦壁の傾斜角度は下部縦壁の傾斜角度よりも大きく、前記ビードの上部縦壁と下部縦壁との間の屈曲部が、前記上方フランジと前記下方フランジとの間の間隔の1/2よりも上方に位置すると共にその一部がビード長手方向に直線状に連なり、前記上方フランジは前記アウタパネルにマスチック接合されるものであることを特徴とする車輌用インナパネル。
  2. 記ビードは、前記ビードに直交する断面において、前記インナパネルの前記標準面に対し、上に凸の断面凹形状のビードが適長間隔をおいて形成されたもの、上に凸の断面形状のビードと下に凸の断面形状のビードとが前記上部縦壁と下部縦壁との間の屈曲部にて連なるように形成されたものが適長間隔をおいて形成されたもの、又は下に凸の断面形状のビードが適長間隔をおいて形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の車輌用インナパネル。
  3. 前記上部縦壁が前記上方フランジとなす角度は40乃至60°であることを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌用インナパネル。
  4. 前記ビードに直交する断面において、前記下方フランジの長さは、前記上方フランジの長さよりも長いことを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車輌用インナパネル。
  5. 前記ビードに直交する断面において、前記下方フランジの中央が、上方に盛り上がっていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車輌用インナパネル。
  6. 前記ビードに直交する断面において、前記下方フランジの長さは、前記下部縦壁の面に沿う前記下部縦壁の長さの2倍であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車輌用インナパネル。
  7. 前記アウタパネルにマスチック接合される前記上方フランジの平面視の縁部が、波状の曲線をなしていることを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の車輌用インナパネル。
  8. 前記ビードが上に凸の断面凹形状のビードであり、前記上方フランジにおけるマスチック接合される部分は、縁部が広がっていて他の部分より幅広となっている部分であることを特徴とする請求項に記載の車輌用インナパネル。
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