JP6258108B2 - 車輌用フード - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用フード等の車輌用フードに関し、特に、前面衝突における歩行者頭部との耐衝突性能が優れた車輌用フードに関する。
車体前部にフードを備えた自動車において、その自動車用フードは、アウタパネルとインナパネル及びその他の補強材等から構成されており、フード自体の剛性及び強度を確保するために、アウタパネルとインナパネルとがその間に空間を閉じ込めた閉断面構造をとるように接合されているのが一般的である。
現在、前面衝突時の歩行者保護性能を評価するためには、衝突時の「加速度−時間」波形から算出されるHIC値(頭部障害値)が一般的に用いられており、HIC値が小さいほど、衝突時に歩行者頭部への傷害が生じにくいとされている。このため、耐デント性、張り剛性、並びに、フードとしての剛性及び強度を確保した上で、このHIC値が低くなるフード構造が望まれている。
衝突事故が発生して、歩行者の頭部がフードの中央部に衝突した場合、その頭部に加わる加速度波形は、衝突初期に頭部がフードに接触した際に第1波が生じ、その後、フードが車両下方向に移動してフード下部に配置されているボンネット内蔵部品と接触した際に第2波が生じるのが一般的である。そして、HIC値を低減するためには、特に加速度第2波を小さくすることが有効である。このためには、頭部衝突の際に、フードが内蔵部品と接触する前に衝突エネルギを吸収してしまうことが最善であり、フードパネルとフード下内蔵部品との隙間を十分に確保することが望ましい。
しかし、自動車としての必要部品の配置を考慮すると、フードパネルと内蔵部品との隙間を十分に確保することが難しいことが多い。このため、頭部衝突における加速度第1波をできるだけ大きくし、衝突初期のエネルギ吸収量を増大させることで、変形ストロークを低減するか、又は、フードが内蔵部品に接触した際の加速度第2波が小さくなるようなフード構造が望まれている。
近年、この歩行者保護性能の確保を目的として、フードのインナパネル中央部に互いに略並行に複数本配置される略ハット型のビードを形成し、フードとして要求される耐デント性及び張り剛性を確保するとともに、前面衝突時の歩行者保護性能を向上させる構造が提案されている(特許文献1、2、5)。
このフードのインナパネルの特徴は、略ハット型ビードを配置したことであり、これにより、フードパネルの曲げ剛性が増加し、歩行者頭部衝突の際の局所的な曲げ変形を抑制することができ、衝撃荷重を分散することができる。このため、頭部衝突時に被衝突物であるフードの変位が生じる領域が広く、その重量が増加するために、ビードを設けない場合に比べて、頭部衝突の際の加速度第1波が大きくなるという特徴がある。また、ハット型ビードが略並行に配置されているため、インナパネルとフード下内蔵部品との接触時に変形が生じやすく、加速度第2波を小さくすることができるという利点がある。
このようなフードパネルは、エンジンが搭載されることが多い車両のフロント側に配置され、しかも、エンジンの上側に配置されるパネル部品である。このため、フードパネルは、車両自体の軽量化、重心低減、前後重量バランス等の目的から、重量の軽減に対する要求が高い。このため、このフードパネルに対して、従来から用いられている鋼板部品に比べて軽量なアルミニウム素材が使用されるようになってきている。しかし、アルミニウムフードは、鋼板製フードに比べて、軽量であるために、歩行者頭部が衝突した際の初期加速度が低く、歩行者保護性能が劣ることが問題なることが多い。
また、アルミニウム素材は、鋼板に比べて破断伸びが小さく、プレス成形時に破断が生じやすい。自動車用フードのインナパネルは、ドア等の他の自動車用パネル部品に比べて、プレス成形時の成形高さが浅く、比較的成形しやすい部品であるが、それでも成形性の確保は問題になっている。このため、アルミニウム素材をインナパネルに採用する初期段階では、アルミニウム材料の中でも、特に、成形性が優れた5000系アルミニウム合金が採用されていた。近年では、リサイクル性などを考慮して、ユニアロイ化が進み、インナパネルに6000系アルミニウム合金を採用する事例が増えている。しかし、6000系アルミニウム合金は、5000系アルミニウム合金板材に比べて、成形性に劣るため、成形性を考慮した構造設計が不可欠になっている。
更に、アルミニウムは、その素材費用が、従来から用いられている鋼板に比べて高いことも問題になる。材料コストの低減と軽量化の両立という観点からは、フードに用いる素材についても、アルミニウム缶等で用いられている他のアルミニウム合金に比べて比較的安価な3000系アルミニウム合金を自動車パネルに適用することも一部検討されてきた。特許文献3、4には、アウタパネルに3000系アルミニウム合金を採用する事例が示されている。しかし、3000系アルミニウム合金板材をアウタパネルに適用した場合には、5000系又は6000系アルミニウム合金板材に比べて素材耐力が低いために、塑性変形が生じやすく、耐デント性が低いことが問題になる。また、5000系又は6000系アルミニウム合金に比べて破断伸びが低い3000系アルミニウム合金製板材をインナパネルに適用したときには、プレス成形時の破断を回避できず、製品形状を形成できないことが多いという問題があった。このため、3000系アルミニウム合金板材を使用したフードパネルは、実用化には至らなかったという経緯がある。
特開2001−151159号公報 特開2003−205866号公報 特開2007−188445号公報 特開2001−254136号公報 特開2008−30574号公報 特開2008−24186号公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、前面衝突による歩行者との衝突の際に、歩行者頭部の保護性能をさらに向上させることができる車輌用フードを提供することを目的とする。
本発明に係る車輌用フードは、
JIS5000系又は6000系のアルミニウム合金製板材で構成されたアウタパネル及びJIS3000系のアルミニウム合金製板材で構成されたインナパネルを有する車輌用フードにおいて、
前記インナパネルは、素材の0.2%耐力が、車輌用フードに組み付けした後、塗装焼きつけ終了後の状態で70MPa以上120MPa以下であり、
前記アウタパネルは、素材の0.2%耐力が150MPa以上であり、
前記インナパネルは、縁部を除く中央部に配置されたハット型の複数本の主ビードを有し、前記主ビードは車輌の上方向又は下方向に突出し、相互に平行に配置されており、
前記主ビードに直交する断面形状において、前記中央部の面から突出する凹部又は凸部の断面線長Lと、凹部又は凸部の端部を直線的に接続する線分の線長L0(変形前の素材長)によって定まる伸び量(L−L0)/L0が、前記インナパネルの素材の一軸引張変形における破断伸びをδとすると、0.4δ乃至0.6δであることを特徴とする。
更にまた、前記インナパネルは、板厚が1.0mm以下のJIS 3104材で構成されており、前記主ビードを形成する凹部又は凸部の断面の伸び量(L−L0)/L0が、0.08乃至0.12であることが好ましい。
本発明によれば、インナパネルの素材の0.2%耐力が、組み付け後の塗装焼きつけ終了後の状態で70MPa以上120MPa以下であり、アウタパネルの素材の0.2%耐力が150MPa以上であるというように、アウタパネルとインナパネルとの素材の強度バランスを設定することにより、従来のように、アウタパネル及びインナパネルの双方にJIS 5000系又は6000系アルミニウム合金を使用した車輌用フード等に比して、フードとしての所定の精度を確保した上で、衝突時の歩行者保護性能を向上させることができる。
本発明の実施形態に係る車輌用フードのインナパネルを示す上面図である。 同じくその上方から見た斜視図である。 本発明の他の実施形態に係る車輌用フードのインナパネルを示す上面図である。 図3の実施形態を例にとって、数式の寸法を示す模式図である。 アウタパネルの0.2%耐力と加速度一次ピークとの関係を示すグラフ図である。 インナパネルの0.2%耐力とHICとの関係を示すグラフ図である。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照して説明する。図1及び図2は、本発明の実施形態に係る車輌フードのインナパネル1を示す上面図及び上面斜視図である。車輌フードのインナパネル1は、その縁部を除く中央部3に、車輌前後方向に延びる複数個の主ビード2が形成されている。この中央部3は、インナパネル1の周縁部から全体的に車輌上方向に隆起した台となっている。そして、図1に示す実施形態においては、この中央部3に形成された主ビード2は、この中央部3の面よりも車輌上方向に隆起している。
なお、図3に示すように、主ビード12は、インナパネル1の縁部11を除く中央部に、車輌進行方向に直交する方向に延びるように、複数本形成したものとすることもできる。また,図3の実施形態では、主ビード12は中央部の面13から車両下方向に突出する構造になっている。このように、主ビード12の延在する方向と、突出方向については、フードの形状及びサイズ等によって、適宜選択できる。
なお、アウタパネル(図示せず)は、インナパネル1の車輌上方に、それらの縁部で結合されている。
このアウタパネルの材質は、JIS5000系又は6000系のアルミニウム合金であることが好ましく、その板材を成形加工することにより、得られる。また、インナパネル1の材質は、JIS3000系のアルミニウム合金であることが好ましい。更に、インナパネル1は、板厚が1.0mm以下のJIS3104材であることが好ましい。
そして、インナパネルに設けられている主ビードは、図4に、図3の実施形態のインナパネル11を例にとって示すように、主ビード12に直交する断面形状において、中央部面13から突出する凹部(又は凸部)の断面線長Lと、凹部(又は凸部)の端部を直線的に接続した線分の線長L0(変形前の素材長)により定まる伸び量(L−L0)/L0が、インナパネルの素材の一軸引張変形における破断伸びをδとすると、0.4δ乃至0.6δであることが好ましい。
更にまた、前記インナパネルは、板厚が1.0mm以下のJIS 3104材で構成されていることが望ましく、主ビードを形成する凹部又は凸部の断面の伸び量(L−L0)/L0が、0.08乃至0.12であることが好ましい。
本実施形態においては,インナパネル1の素材0.2%耐力は,インナパネル1を車輌用フードに組み付けした後,塗装焼き付け終了後の状態(代表的には、約2%程度のストレッチを受けた後、所定の温度で焼付け塗装された状態)で、70乃至120MPaである。
図5は、横軸にアウタパネルの0.2%耐力を示し、縦軸に加速度一次ピークG1(G)をとって、耐力と加速度一次ピークとの関係を示すグラフ図である。なお、アウタパネルの素材0.2%耐力は,同様にアウタパネルを車輌用フードに組み付けした後,塗装焼き付け終了後の状態(代表的には、約2%程度のストレッチを受けた後、所定の温度で焼付け塗装された状態)の値を示す。この図5に示すように、アウタパネル素材の強度を高くすると、頭部衝突時に応力が伝播して変位が生じる面積が広く、つまり、変位が生じる部分の重量が増加し、頭部衝突の際の加速度第1波が大きくなる。この加速度一次ピークは、アウタパネルの素材の0.2%耐力が190MPaまでは、アウタパネルの0.2%耐力の増加に応じて増加しており、高耐力材を用いる方が望ましいことがわかる。更に、本発明者等は、加速度一次ピークの増加率は、耐力の増加に応じて減少し、190MPa以上では、それ以上耐力を増加させてもほぼ一定値になり、0.2%耐力が150MPa以上あれば、加速度一次ピーク最大値の90%以上を確保できることを明らかにした。これを考慮すれば、頭部衝突初期に必要なエネルギ吸収量を確保するためには、アウタパネルの素材の0.2%耐力は少なくとも150MPa以上であることが必要であり、望ましくは、190MPa以上であるといえる。
そして、頭部衝突の際に、フードが、その下方に設置されるエンジン等のフード下方のフード内蔵物と衝突した際の加速度二次ピークは、インナパネル1の素材の耐力に大きく依存しており、その素材強度が低いほど小さくなる。これはインナパネル1と内蔵物が衝突した際に、インナパネル1の変形抵抗が低いことにより、加速度が低くなるためである。なお、これに伴って、インナパネル1の変形ストロークは長くなるため、極端にフードのインナパネル1の素材の0.2%耐力が低くなりすぎると、インナパネル1が完全に潰れきってもエネルギを吸収しきれず、加速度二次ピークが極端に高くなってしまう。つまり、インナパネル1の素材強度には適正値があるといえる。
また、車輌用フードのインナパネル1では、車体と締結するためのストライカ及びヒンジ等が取り付けられており、このストライカ等の取り付け部での強度確保及びプレス成形時の破断防止の観点からも、あまりインナパネル1の素材耐力を低くすると、悪影響が生じる。なお、ストライカ及びヒンジ取り付け部については、補強材を配置し、変形強度を確保することが一般的に行われ、対策可能であるが、このような補強材の設定が難しいクッションゴム座面などインナパネルの補強材が設けられていない部分に直接荷重が入力されるような場合、インナパネル1の素材耐力が低くなりすぎると、フード開閉に伴う荷重入力に対して容易に塑性変形が生じるという問題点がある。本発明者等は、これらの点から、インナパネル1の素材の0.2%耐力を70乃至120MPaとすることが必要であるとの知見を得た。インナパネルの0.2%耐力をこのように設定することにより、車体取り付け部の強度を確保できるとともに、従来の5000系又は6000系アルミニウム合金に比べて、頭部衝突時の加速度二次ピーク及びHIC値を低減可能となり、従来のフードに比べて歩行者保護性能を向上させることができる。
図6は、横軸にインナパネル1の素材の0.2%耐力を示し、縦軸にHICをとって、両者の関係を示すグラフ図である。このデータは、E−NAP子供衝突条件の頭部衝突試験を模擬したCAE解析によりHIC値を求めた結果であり、図中の縦波構造は、図1に示すように、車両前後方向に延在し、車両上方向に凸形状となる主ビードを有する構造、横波は、図3に示すように車両左右方向に延在し、車両下方向に凸形状となる主ビードを有する構造である。なお、E−NCAP子供衝突試験は、重量が3.5kgの頭部インパクタを、衝突速度が40km/時、衝突角度が50°(頭部インパクタの打撃方向と水平軸との角度)の条件でフードに衝突させ、その際の頭部インパクタに加わる加速度からHIC値を算出し、頭部歩行者保護性能を評価する試験である。なお、本計算では、フード下には、エンジン等の内蔵物を模擬した剛体壁を、アウタパネルの表面から65°傾斜した方向に、70mm離れた位置に設定している。HIC値は、インナパネル1の0.2%耐力は低くなるほど減少しており、特に、0.2%耐力が120MPaの場合、本条件でのHIC値は、図1に示す車両前後方向にビードを設けたフードでも1000以下になり、欧州法規を満足できることがわかる。この結果から、インナパネルの0.2%耐力は120MPa以下であることが望ましいといえる。また、縦波と横波を比較すると、上記フード構造では、横波構造の方が歩行者保護性能が優れた結果になっている。なお、歩行者保護性能以外のフード剛性等、他の性能についての優劣まで考えると、フードアウタパネルのデザイン及びフードサイズ等によって結果が異なるものもあるが、歩行者保護性能については、車両左右方向に延在し、車両下方向に凸形状の主ビード12を有する図3の構造を採用することが望ましいといえる。
そして、インナパネル1の0.2%耐力が低すぎた場合は、インナパネル自体の変形強度が低下し、これが70MPa未満であると、インナパネル1のクッションゴム座面などに加わる衝撃荷重に対して、塑性変形が生じることが問題となる。このフード自体に求められる強度要件から、インナパネル1の0.2%耐力は70MPa以上であることが必要になる。また、前述のように、インナパネル1の0.2%耐力が高くなると、HIC値が高くなり、歩行者保護性能が低下する。また、条件によっては、法規を満足することも難しくなることから、0.2%耐力は120MPa以下にすることが必要であるといえる。更に、アウタパネルの0.2%耐力が150MPa未満であると、加速度一次ピークが低くなりすぎ、衝突初期のエネルギ吸収量が小さくなるため、結果的に歩行者保護性能が低下することになる。よって、アウタパネルの0.2%耐力は、150MPa以上であることが好ましい。
よって、インナパネル1は、車輌用フードに組み付けした後、塗装焼き付け終了後の状態で、その素材の0.2%耐力が70乃至120MPaとなるようにする。また、アウタパネルは、その素材の0.2%耐力が150MPa以上となるようにすることが望ましい。
そして、このような強度特性を有する素材として、アウタパネルには5000系又は6000系アルミニウム合金を使用し、インナパネル1には3000系アルミニウム合金を使用することが望ましい。特に、6000系アルミニウム合金製のアウタパネルを使用すると、このアウタパネルは、組みつけ後の塗装焼きつけ工程において、ベークハードすることにより、素材強度を高くすることができる。逆に、インナパネルに適用される3000系アルミニウム合金は、このような特性が無く、焼き付け塗装後の強度は増加しない。これにより、本発明の目的を達成するための車輌用フードの各素材の0.2%耐力の要件を容易に得ることができる。同時に、缶材のボディ部分などに一般的に適用されている3000系アルミニウム合金は、5000系又は6000系アルミニウム合金板材に比べて、比較的低コストで生産されており、コスト低減効果もある。
また、3000系アルミニウム合金製のインナパネルは、リサイクル面での性能確保という点でも有効である。例えば、特許文献4に示すように、3000系アルミニウム合金をベースとした組成の素材をインナパネルに使用した場合、6000系アルミニウム合金と同時にリサイクルすると、インナパネルの組成に戻しやすいという利点がある。特に、Siの許容範囲が広いJIS3104アルミニウム合金材は、6000系アルミニウム合金製アウタパネルとの組み合わせにより、リサイクル性を確保しやすいという点でも、好適といえる。
なお、この3000系アルミニウム合金製のインナパネルを実現する際の課題は、破断伸びが低いことであり、プレス成形時の破断回避が最も大きな課題である。そして、従来のアルミニウムフードでは、このような低伸び材を採用すると、構造的に破断を回避することが困難である。特許文献2等に代表されるように、フードインナパネルの中央部に、相互に平行なハット型のビードを複数本形成したフード構造については、ビードの断面形状を比較的緩やかな曲率で構成されるような波型形状とすることで、ひずみの局所的な集中が生じにくく、プレス成形時の破断も生じにくいという利点がある。
特に、特許文献5に示すようなアウタパネル側の近接面から車両下方向に突出する複数本のハット型の主ビードを有する構造は、アウタパネルとインナパネルを接合するマスチック配置の自由度を確保でき、かつ、プレス成形での破断を防止できるという点で有効である。つまり、本構造は、前述した歩行者保護性能が優れていると共に、プレス成形性も優れているといえる。
ハット型のビードを複数本形成したインナパネルにおいては、このビードのハット型断面の形状、即ち、縦壁の角度を規定することにより、破断を回避しようとする構造が提案されている。しかし、この構造は一般的なアルミニウム5000系又は6000系のインナパネルを対象にしたものである。3000系アルミニウム合金材でインナパネルを成形した場合には、3000系アルミニウム合金素材は破断が生じやすいため、端部のみならず、5000系又は6000系アルミニウム合金板材の場合には破断することが少ないハット型部分を構成する断面自体にも、破断回避のための要件を設定する必要がある。
この破断を回避するためには、このハット型ビードの深さを浅くし、断面の線長変化を緩やかにすることが必要であるが、ビード深さを浅くすると、フードインナパネル自体の剛性も低下することから、できるだけビードを深く、かつ、プレス成形時に破断しない構造を設定することが必要であった。このような波部の断面形状については、歩行者保護性能向上の関連から、特許文献6のように、インナパネルに設けたビードの傾斜面の角度を規定した例は見られるものの、剛性及びプレス成形性の観点から規定された従来技術は存在しない。
本発明者らは、この断面形状を前記インナパネル素材の一軸引張変形における破断伸びをδとすると、インナパネルに設けられている主ビードは、主ビードに直交する断面形状において、アウタ面から突出する凹部又は凸部の断面線長Lと、凹部又は凸部の端部を直線的に接続した線分の線長L0(変形前の素材長)により定まる伸び量(L−L0)/L0が、δに対して、0.4δ乃至0.6δになるようにすることで、フード剛性を確保しつつ、プレス成形時の破断を殆ど防止できることを見出した。ここで、前記伸び量(L−L0)/L0が0.6δを超える場合には破断が生じ、0.4δ未満であれば、ビード部の張出量が少なく、フードとしての面剛性が低くなりすぎることになる。
更に、具体的に、インナパネルを、その材質として、板厚が1.0mm以下の3104アルミニウム材を使用して成形することが望ましい。この際、主ビードの伸び量(L−L0)/L0が、0.08乃至0.12であることが好ましい。(L−L0)/L0が0.08未満であると、主ビードの張出量が小さいことにより、フードとしての剛性が低くなりやすい。(L−L0)/L0が0.12を超えると、主ビードを構成する縦壁部又はその近傍の肩部において、破断が生じやすくなる。
このように、本実施形態においては、インナパネル1又は11の縁部を除く中央部に、ハット型の複数本の主ビード2又は12を形成し、主ビード2,12に直交する断面形状において、中央部面3,13から突出する凹部又は凸部の断面線長Lと、凹部又は凸部の端部を直線的に接続した線分の線長L0(変形前の素材長)により定まる伸び量(L−L0)/L0は、δに対して、0.4δ乃至0.6δとすることが好ましい。特に、インナパネル1,11は、板厚が1.0mm以下のJIS 3104材で構成することが望ましく、この場合に、(L−L0)/L0は、0.08乃至0.12であることが望ましい。
本発明によれば、歩行者衝突時の頭部保護性が優れた車輌用フードを得ることができるので、歩行者保護性能が優れており、安全性が優れた車輌用フードとして好適である。
1,11:インナパネル
2,12:主ビード
3:中央部

Claims (2)

  1. JIS5000系又は6000系のアルミニウム合金製板材で構成されたアウタパネル及びJIS3000系のアルミニウム合金製板材で構成されたインナパネルを有する車輌用フードにおいて、
    前記インナパネルは、素材の0.2%耐力が、車輌用フードに組み付けした後、塗装焼きつけ終了後の状態で70MPa以上120MPa以下であり、
    前記アウタパネルは、素材の0.2%耐力が150MPa以上であり、
    前記インナパネルは、縁部を除く中央部に配置されたハット型の複数本の主ビードを有し、前記主ビードは車輌の上方向又は下方向に突出し、相互に平行に配置されており、
    前記主ビードに直交する断面形状において、前記中央部の面から突出する凹部又は凸部の断面線長Lと、凹部又は凸部の端部を直線的に接続する線分の線長L0(変形前の素材長)によって定まる伸び量(L−L0)/L0が、前記インナパネルの素材の一軸引張変形における破断伸びをδとすると、0.4δ乃至0.6δであることを特徴とする車両用フード。
  2. 前記インナパネルは、板厚が1.0mm以下のJIS 3104材で構成されており、前記主ビードを形成する凹部又は凸部の断面の伸び量(L−L0)/L0が、0.08乃至0.12であることを特徴とする請求項1に記載の車両用フード。
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