JP4899450B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置(LCD)などに用いられる位相差機能と視野角拡大機能を備えた光学フィルムの製造方法に関するものである。
一般に、液晶表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、液晶表示装置においては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。
光学フィルムの製造方法には、大別して溶液流延製膜法と溶融流延製膜法とがある。前者は、ポリマーを溶媒に溶かして、その溶液を支持体上に流延し、溶媒を蒸発し、さらに必要により延伸してフィルムにする方法である。膜厚の均一性に優れるなどの点から広く採用されてきたが、溶媒の乾燥のため、設備が大型化するなどの問題点を抱えていた。後者は、ポリマーを加熱溶融して支持体上に流延し、冷却固化し、さらに必要により延伸してフィルムにする方法であり、溶媒を乾燥する必要がないので設備が比較的コンパクトにできるとの利点があるが、膜厚の均一性に劣るという問題点がある。
近年、視野角を広くした液晶表示装置には位相差補正用フィルムを用いることが一般的である。大画面化・高精細化により位相差フィルムに要求される品質は厳しくなっており、特に、面内位相差の大きい位相差フィルムでは、位相差の遅相軸(配向軸)の方向(配向角)に対する要求が厳しくフィルム内全域にわたって精度±1°以下、望ましくは±0.3°〜0.5°程度が要求されている。
一般に、このような位相差フィルムとしては、固有複屈折率の大きいポリカーボネート系の樹脂フィルムを縦方向(製造の際にフィルムの走行する方向)に一軸延伸したものが用いられているが、ポリカーボネート系の位相差フィルム単独では、正の波長分散特性を得ることはできなかった。
また、この位相差フィルムは遅相軸方向が延伸方向と同じ縦方向である。VAモード液晶用の位相差フィルムでは位相差フィルムを偏光フィルムに貼り合わせる場合、遅相軸方向を偏光フィルムの横方向(偏光フィルムの一軸延伸方向に対してフィルム面内の直角方向)とすることが必要であるが、縦方向に遅相軸を有する位相差フィルムでは、偏光フィルムと長尺ロール形態で貼り合わすことができず、フィルムをカットし、シート状で方向を合わせて貼り合わせなければならず、生産性が著しく劣るという問題があった。
一方、配向角が長尺フィルムの幅手方向(TD方向)に向いているフィルムは、偏光板への貼り付け工程でロール形態での生産が可能であり、生産性向上の面から好ましい。このような、配向角がTD方向を向いているフィルムは、延伸方向に分子配向する(正の複屈折性を持つ)樹脂、例えばポリカーボネートやセルロースエステル系の樹脂を使用し、テンタ−を用いた横延伸装置で生産されることが多い。
また、IPSモード液晶用の位相差フィルムでは、遅相軸方向が偏光フィルムの縦方向と一致することが必要であるが、この場合は、上記TD方向の延伸ではロール形態での貼り付けができず、生産性が悪い。そのためMD方向の延伸あるいは延伸方向とは直角方向に分子配向する(負の複屈折性をもつ)材料、例えばポリスチレン系樹脂やアクリル系樹脂を用いてTD方向の延伸を行ってフィルムを作製する。
ここで、テンタ−による横延伸工程では、フィルムを延伸に適した温度に加熱してTD方向に延伸するが、延伸前のフィルムのTD方向に引いた直線(延伸線)が延伸後に弧状に湾曲するボウイング現象を生じることが広く知られている。
このようなボウイング現象が発生すると、位相差フィルムの配向軸は弧状の延伸線の接線方向に配列し、配向角がTD方向に均一でなくなってしまうという問題がある。ボウイング現象は延伸条件により変化するため、ボウイング現象を抑制する技術が、従来、各種開示されている。
ところで、延伸条件の工夫によりボウイング現象をなくした(延伸線が直線)場合でも、テンター内のフィルムは加熱により柔らかくなっているため、テンターの機械的な左右不均一性によって配向角の幅手方向分布を持つ。また、テンター内に幅手方向の温度分布があると、幅手方向の膜の柔らかさが異なり、延伸が不均一となることで、配向角の分布ができる。
また、テンター延伸装置以外にも、幅手方向の配向角の不均一性を生じる要素が多々ある。
光学フィルムの製造においては、搬送ライン、加熱/乾燥設備、流延時の膜厚ムラを可能な限り幅手方向に均一になるように留意するが、製造設備に加わる繰り返し熱ひずみや摺動部の摩耗などで、生産ラインの機械的な左右の不均一性が経時劣化するため配向角も経時変化してしまう。
また、溶液流延製膜法で作成したフィルムをインラインで延伸して光学フィルムを製造する場合には、搬送されるフィルムが溶媒を含んで柔らかいため、搬送ラインの左右不均一性の影響をより強く受け、フィルムの配向角の幅手方向分布を生じやすい。
さらに、支持体から剥離した後のフィルムは、膜厚ムラや乾燥の幅手方向ムラによっても光学特性の幅手方向分布を生じる。これらの幅手方向分布は特に生産性向上のために製膜速度を大きくすると顕著である。
高精度を要求される光学フィルム、特に位相差フィルムの製造においてはこのような配向角の幅手方向分布を必要な精度に保つことが重要である。
横延伸装置を用いたフィルムの製造方法において配向角をフィルムの縦方向あるいは横方向に精密に制御する方法は実質的に存在しない。
従来は、搬送ラインおよび延伸装置をマシンセンターに対し可能な限り左右均一に設置することで、0°/90°の配向角を持つフィルムを作っていたが、機械的な精度は経時で劣化する要素を持ち、精密な制御が必要となっている。
横延伸装置を用いた光学フィルムの製造方法において配向角を制御する方法としては、フィルムのMD方向に対して斜めに配向角をつける技術が多く開示されている。例えば下記の特許文献1や特許文献2には、左右のクリップの速度や走行距離が異なるフィルム幅手方向の延伸装置を用いたフィルムの製造方法が提案されている。
特開昭50−83482号公報 特開平2−113920号公報 これら特許文献1と記載された方法は、配向軸をフィルム長手方向の45°方向に傾けることで縦横の膜強度を幅手方向/長手方向で均一にするための技術である。
また、下記の特許文献3〜5にも、同様の光学フィルム製造方法が開示されているが、これらも配向軸をフィルム長手方向に対して10〜80°傾けるための技術である。
特開平3−124426号公報 特開平3−192701号公報 特開平4−164626号公報
しかしながら、上記の特許文献に記載された方法は、いずれも配向軸を傾けるための技術であって、フィルムの長手方向に略直角あるいは略平行な配向軸を持つ光学フィルムの配向角を、要求される±1°以下の値に精密に制御することはできないという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、フィルムの長手方向に略直角あるいは略平行な配向軸を持つ光学フィルムの配向角を、要求される所定の値以下に精密に制御することにより、優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムの製造方法を提供しようとすることにある。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、光学フィルムの製膜ラインにおいて、テンター延伸装置で樹脂フィルムの左右両端を把持している部分の長さを左右独立に制御して、フィルムの把持長を左右で異なるものとすることにより、テンター内で樹脂フィルムをねじるような力が発生し、テンター内部の機械的左右不均一性やテンター以外の搬送・乾燥設備の不均一性で生じた配向角のずれを矯正することができ、これによってフィルムの略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムを製造できることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、連続する樹脂フィルムの左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながら樹脂フィルムを搬送して延伸を行なうテンター延伸装置を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)が設けられ、これらの輪状チェーンに樹脂フィルムの左右両端を把持する多数のクリップが具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、輪状チェーンに与えている張力を左右で変化させることで、左右クリップによるフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御することにより、フィルムの光学的遅相軸が、フィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうことを特徴としている。
つぎに、請求項2記載の発明は、連続する樹脂フィルムの左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながらフィルムを搬送して延伸を行なうテンター延伸装置を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)が設けられ、これらの輪状チェーンに樹脂フィルムの左右両端を把持する多数のクリップが具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、一方の輪状チェーンの直線状戻り側移行部を上下方向に曲げることで、左右クリップによるフィルムの把持長を左右で変化させることにより、光学的遅相軸がフィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法であって、巻取り前の樹脂フィルムの配向角をオンラインで測定し、その結果をもとに、テンター延伸装置の左右クリップによるフィルムの把持長を左右で独立に制御することを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法であって、把持開始位置および把持終了位置での左右のクリップの位置をオンラインで検出して、クリップの左右の位置の差(位相差)を求め、その結果をもとに、テンター延伸装置の左右クリップによるフィルムの把持長を左右で独立に制御することを特徴としている。
この明細書において、インライン延伸とは、図9に示すように、液体状態のフィルム原材料を支持体上に膜状に流延し、液体が搬送可能な状態になるまで固化させた後に支持体より剥離、搬送し、ロール状に巻き取るまでの間で延伸を行うことを言う。フィルム原材料を溶媒に溶かした状態で流延することを溶液流延、溶媒なしで高温にて液体状態にしたものを溶融流延と呼ぶ。
一方、図10のように製膜後いったんロール状に巻き取り、該ロール状フィルムを再度繰り出し、延伸処理を行う場合をオフライン延伸と称する。
請求項1記載の発明は、連続する樹脂フィルムの左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながら樹脂フィルムを搬送して延伸を行なうテンター延伸装置を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)が設けられ、これらの輪状チェーンに樹脂フィルムの左右両端を把持する多数のクリップが具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、輪状チェーンに与えている張力を左右で変化させることで、左右クリップによるフィルムの把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御することにより、フィルムの光学的遅相軸が、フィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうもので、テンター延伸装置で樹脂フィルムの左右両端を把持している部分の長さを左右独立に制御して、フィルムの把持長を左右で異なるものとすると、テンター延伸装置内で樹脂フィルムをねじるような力が発生し、テンター延伸装置以外の搬送・乾燥設備の不均一性で生じた配向角のずれを矯正することができ、フィルムの略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムを製造することができるという効果を奏する。
つぎに、請求項2記載の発明は、連続する樹脂フィルムの左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながらフィルムを搬送して延伸を行なうテンター延伸装置を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)が設けられ、これらの輪状チェーンに樹脂フィルムの左右両端を把持する多数のクリップが具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、一方の輪状チェーンの直線状戻り側移行部を上下方向に曲げることで、左右クリップによるフィルムの把持長を左右で変化させることにより、光学的遅相軸がフィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうもので、テンター延伸装置で樹脂フィルムの左右両端を把持している部分の長さを左右独立に制御して、フィルムの把持長を左右で異なるものとすると、テンター延伸装置内で樹脂フィルムをねじるような力が発生し、テンター延伸装置以外の搬送・乾燥設備の不均一性で生じた配向角のずれを矯正することができ、フィルムの略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムを製造することができるという効果を奏する。
また、請求項3記載の発明は、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法であって、巻取り前の樹脂フィルムの配向角をオンラインで測定し、その結果をもとに、テンター延伸装置の左右クリップによるフィルムの把持長を左右で独立に制御するもので、樹脂フィルムを一定の条件で生産していても、材料や設備の微小な変動により配向角が変動してしまうため、製品巻き取り前に配向角をオンライン測定し、その結果をフィードバックして、フィルムの把持長を変化させることで、長手方向にも均一な樹脂フィルムができるという効果を奏する。
また、請求項4記載の発明は、請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法であって、把持開始位置および把持終了位置での左右のクリップの位置をオンラインで検出して、クリップの左右の位置の差(位相差)を求め、その結果をもとに、テンター延伸装置の左右クリップによるフィルムの把持長を左右で独立に制御するもので、このように、左右のクリップの位置をテンター延伸装置の入口と出口で検出することで、フィルムの左右把持長が確実にわかる。すなわち、テンタークリップのベアリングの摩耗等による経時的な配向角の変動に速やかに対応できることになる。このデータを元に所望の左右把持長差となるように制御することにより、樹脂フィルムをねじる力が生じ、配向角のずれを矯正することができるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法、または溶融流延製膜法のいずれによって実施されても良い。溶液流延法で製膜される材料としては、セルロースエステル、ポリカーボネート 、シクロオレフィン、ポリイミド等が上げられるがそれらに限られるものでなく、良溶媒を持つ樹脂であればなんでも良い。溶融流延法で製膜される材料としては、前述のセルロースエステル、ポリカーボネート 、シクロオレフィン以外にもポリエステル、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート等、適当な融点を有する樹脂のどれも使用可能である。
本発明による光学フィルムの製造方法を溶液流延製膜法によって行なう場合について説明すると、まず、対象となるセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが好ましく用いられる。セルローストリアセテートの場合は、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルローストリアセテートが好ましい。
セルローエステルは、綿花リンターから合成されたセルローエステルと木材パルプから合成されたセルロースエステルのどちらかを、単独あるいは混合して用いることができる。
本発明において用いられるセルロースエステルの具体的な製造方法については、例えば特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
セルロースエステルの数平均分子量は、低すぎると強度が低くなり、高すぎると溶液の粘度が高くなりすぎる場合があるので、70000〜300000が好ましく、さらに80000〜200000が好ましい。
エンドレスベルトやドラムよりなる回転駆動金属製支持体からの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産性効率が高く、好ましい。また、剥離性の効果が顕著になるためには、綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60質量%以上であるのが好ましく、より好ましくは85質量%以上、さらには、単独で使用することが最も好ましい。
特に、総アシル基置換度が2.85未満のセルロースエステルフィルムで、寸法変化を低減できるため好ましく、さらに総アシル基置換度が2.75未満のセルロースエステルフィルムであることが好ましく、特に2.70未満のセルロースエステルフィルムで著しい効果が認められる。
本発明において、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムには、液晶表示装置として屋外に置かれた場合の劣化防止の観点から紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものを好ましく用いることができる。例えば波長380nmにおける透過率が20%であることが好ましく、さらに、好ましくは10%未満であり、特に好ましくは5%未満である。
紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、ドリアジン系化合物、あるいは特開平6−148430号公報に記載のポリマータイプの紫外線吸収剤などを挙げることができるが、本発明は、これらに限定されない。
以下、紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されない。
UV−1:2(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−3:2(2′−ヒドロキシ−3′tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−4:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロルベンゾトリアゾール
UV−5:2(2′−ヒドロキシ−3′(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5´メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール
UV−7:2(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−クロルベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール(TINUVIN171:チバスペシャリティケミカルズ社製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと、2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと混合物(TINUVIN109:チバスペシャリティケミカルズ社製)
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明において、セルロースエステルフィルムには、紫外線吸収剤として透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を好ましく用いることができ、中でも、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。紫外線吸収剤は、製膜工程でブリードアウトしたり、揮発しないものが好ましい。
本発明において、紫外線吸収剤は、セルロースエステル成分に対し、0.1〜10質量%添加されることが好ましく、特に、0.5〜5質量%添加されることが好ましい。
また、本発明においては、これら紫外線吸収剤を単独で用いても良いし、異なる2種以上の混合で用いても良い。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソシランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
また本発明において、セルロースエステルフィルムには、必要に応じて、マット剤として二酸化ケイ素のような微粒子などを加えても支障はない。二酸化ケイ素のような微粒子は、有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため、好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果が大きく、平均粒径の小さい方が透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒状の平均粒径は、5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmである。
本発明において、用いられる二酸化ケイ素の微粒子としては、アエロジル株式会社製のAEROSIL−200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600などが挙げられ、好ましくは、AEROSIL−200、200V、R972、R972V、R974、R202、R812などが挙げられる。
本発明において、上記微粒子はセルロースエステルに対して、0.04〜0.4質量%、好ましくは、0.05〜0.3質量%、さらに好ましくは0.05〜0.2質量%添加して使用される。
本発明の方法において、セルロースエステルの溶解に用いる溶剤は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率を上げる点で好ましく、良溶剤が多いほど、セルロースエステルの溶解性および微小な不溶解物によるフィルム異物を少なくする点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98質量%であり、貧溶剤が30〜2質量%である。
ここで、本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するか、または溶解しないものを貧溶剤と定義している。
本発明に用いられる良溶剤としては、特に限定されないが、例えばセルローストリアセテートの場合は、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、セルロースアセテートプロピオネートの場合はメチレンクロライド、アセトン、酢酸メチルなどが挙げられる。また、貧溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法は、例えば米国特許2,492,978号、同2,739,070号、同2,739,069号、同2,492,977号、同2,336,310号、同2,367,603号、同2,607,704号、英国特許64,071号、同735,892号、特公昭45−9074号、同49−4554号、同49−5614号、同60−27562号、同61−39890号、同62−4208号公報等に記載の方法を、参考にすることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、機械的強度や寸法安定性等の点から、セルロースエステルフィルムに可塑剤を添加することが好ましい。その添加量としては、例えばセルロースエステルフィルムあるいはセルロースをアセチル基および炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルフィルムに対する質量%で、3〜30質量%にすることが好ましく、10〜30質量%が、より好ましく、15〜25質量%が特に好ましい。一般に、可塑剤添加量が増加すると寸法変化しやすくなるが、本発明の方法によれば、寸法変化率を著しく低減させることができる。
本発明で用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができる。
ここで、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等を好ましく用いることができる。またフタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等を好ましく用いることができる。トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等を好ましく用いることができる。ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等を好ましく用いることができる。グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を好ましく用いることができる。クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。ポリエステル系可塑剤では、脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることができる。なお、グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して用いても良い。ポリエステルの分子量は重量平均分子量で500〜2000の範囲にあることが、セルロース樹脂との相溶性の点から好ましい。
また、本発明の方法においては、特に200℃における蒸気圧が1333Pa未満の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧666Pa以下、さらに好ましくは1〜133Paの可塑剤である。不揮発性を有する可塑剤は特に限定されないが、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
本発明によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、セルロースエステル溶液であるドープの固形分濃度は、通常10〜40質量%程度であり、流延工程における流延時のドープ粘度は1〜200ポイズの範囲で調製される。
ここで、まず、セルロースエステルの溶解は、溶解釜中での撹拌溶解方法、加熱溶解方法、超音波溶解方法等の手段が、通常用いられ、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。また、特開平9−95538号公報記載の冷却溶解方法、あるいはまた特開平11−21379号公報記載の高圧下で溶解する方法なども用いてもよい。
セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤、あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。このとき、セルロースエステルを貧溶媒と混合して湿潤あるいは膨潤させる装置と、良溶剤と混合して溶解する装置を別々に分けても良い。
本発明において、セルロースエステルの溶解に用いる加圧容器の種類は、特に問うところではなく、所定の圧力に耐えることができ、加圧下で加熱、攪拌ができればよい。加圧容器には、その他、圧力計、温度計などの計器類を適宜配設する。加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行なってもよい。加熱は外部から行なうことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるので、好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用する溶剤の沸点以上で、2種類以上の混合溶剤の場合は、沸点が低い方の溶剤の沸点以上の温度に加温しかつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると、必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は20〜120℃であり、30〜100℃が、より好ましく、40〜80℃の範囲がさらに好ましい。また圧力は、設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
セルロースエステルと溶剤の他に、必要な可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
セルロースエステルの溶解後は、冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して、熱交換器などで冷却し、得られたセルロースエステルのドープを製膜に供するが、このときの冷却温度は、常温まで冷却してもよい。
セルロースエステル原料と溶媒の混合物は、撹拌機を有する溶解装置で溶解し、このとき、撹拌翼の周速は少なくとも0.5m/秒以上で、かつ30分以上撹拌して溶解することが好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープは、これを濾過することによって、異物、特に液晶表示装置において、画像と認識し間違う異物は、これを除去しなければならない。光学フィルムとしての品質は、この濾過によって決まるといってもよい。
濾過に使用する濾材は、絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾材の目詰まりが発生しやすく、濾材の交換を頻繁に行なわなければならず、生産性を低下させるという問題点ある。
このため、本発明の方法において、セルロースエステルドープに使用する濾材は、絶対濾過精度0.008mm以下のものが好ましく、0.001〜0.008mmの範囲がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材がさらに好ましい。
濾材の材質には、特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック繊維製の濾材やステンレス繊維等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく、好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープの濾過は通常の方法で行なうことができるが、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加圧下加熱しながら濾過する方法が、濾材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい濾過温度の範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。
濾圧は、3500kPa以下であることが好ましく、3000kPa以下がより好ましく、2500kPa以下であることがさらに好ましい。なお、濾圧は、濾過流量と濾過面積を適宜選択することで、コントロールできる。
原料のセルロースに、アシル基の未置換もしくは低置換度のセルロースエステルが含まれていると、異物故障(以下、輝点または輝点異物ということがある)が発生することがある。輝点は、直交状態(クロスニコル)の2枚の偏光板の間にセルロースエステルフィルムを置き、光を片側から照射して、その反対側から光学顕微鏡(50倍)で観察すると、正常なセルロースエステルフィルムであれば、光が遮断されていて、黒く、何も見えないが、異物があると、そこから光が漏れて、スポット状に光って見える現象である。輝点の直径が大きいほど、液晶表示装置とした場合に、実害が大きく、輝点の直径は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下が、より好ましく、さらに8μm以下が好ましい。なお、輝点の直径とは、輝点を真円に近似して測定する直径を意味する。
輝点異物は、上記の直径のものが400個/cm以下であれば、実用上問題ないが、300個/cm以下が好ましく、200個/cm以下が、より好ましい。このような輝点異物の発生数、及び大きさを減少させるために、細かい異物を充分に濾過する必要がある。
なお、例えば特開2000−137115号公報に記載されるような、一度製膜したセルロースエステルフィルムの粉砕品を、ドープにある割合で再添加して、セルロースエステル及びその添加剤の原料とする方法は、輝点異物を低減することができるため、好ましく用いることができる。
つぎに、本発明の方法により、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを製造するには、まず、セルロースエステルを、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒に溶解し、これに上記の可塑剤や紫外線吸収剤を添加してセルロースエステル溶液(ドープ)を調製する。
製膜時のベルト温度は、一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で流延することができ、さらには5℃〜溶剤沸点−5℃の範囲で、流延することができるが、5〜30℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。このとき、周囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要がある。
また、ドープ粘度が1〜200ポイズになるように調整されたドープを、流延ダイから支持体上にほぼ均一な膜厚になるよう流延し、流延膜中の残留溶媒量が対固形分重量200%以上では、流延膜温度が溶剤沸点以下に、また200%以下〜剥離までは、溶剤沸点+20℃以下の範囲になるように、乾燥風により流延膜(ウェブ)を乾燥させる。
支持体上では、ウェブが支持体から剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ウェブ中の残留溶媒量が150質量%以下まで乾燥させるのが好ましく、50〜120%が、より好ましい。
支持体からウェブを剥離するときのウェブ温度は、0〜30℃が好ましい。また、ウェブは、支持体からの剥離直後に、支持体密着面側からの溶媒蒸発で温度が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶剤蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすいため、剥離時のウェブ温度は5〜30℃がさらに好ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(質量%)={(M−N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
ウェブ(またはフィルム)の乾燥工程では、一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式またはクリップテンター方式でウェブを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
剥離後のウェブは、例えば一次乾燥装置に導入する。一次乾燥装置内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロールによってウェブが蛇行せられ、その間にウェブは乾燥装置の天井より吹き込まれ、乾燥装置の底の部分より排出される温風によって乾燥される。
ついで、得られたフィルム(シート)を一軸方向に延伸する。延伸により分子が配向される。延伸する方法は、特に制限はないが、公知のピンテンターやクリップ式のテンターなどを好ましく用いることができる。延伸方向は長さ方向でも幅手方向でも任意の方向(斜め方向)でも可能であるが、延伸方向を幅手方向とすることにより、偏光フィルムとの積層がロール形態でできるので好ましい。幅手方向に延伸することにより、熱可塑性樹脂フィルムからなる光学フィルムの遅相軸は幅手方向になる。一方、偏光フィルムの透過軸も通常幅手方向である。偏光フィルムの透過軸と光学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込むことで、良好な視野角が得られるのである。
特に、支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは幅方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法/テンター方式が好ましい。
延伸条件は、所望のリタデーション特性が得られるように温度、倍率を選ぶことができる。通常、延伸倍率は1.1〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.5倍であり、延伸温度は、通常、シートを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)−40℃〜Tg+50℃、好ましくはTg−40℃〜Tg+40℃の温度範囲で行なわれる。延伸倍率が小さすぎると、所望のリタデーションが得られない場合があり、逆に大きすぎると、破断してしまう場合がある。延伸温度が低すぎると、破断し、また高すぎると、所望のリタデーションが得られない場合がある。
上記の方法で作製した熱可塑性樹脂フィルムのリタデーションを合目的の値に修正する場合、フィルムを長さ方向や幅手方向に延伸または収縮させてもよい。長さ方向に収縮するには、例えば、幅延伸を一時クリップアウトさせて長さ方向に弛緩させる、または横延伸装置の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることにより、フィルムを収縮させるという方法がある。後者の方法は一般の同時二軸延伸装置を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式でクリップ部分を駆動して滑らかに徐々に狭くする方法によって行なうことができる。
テンターでの把持・延伸は、剥離直後の膜の残留溶媒量が50〜150質量%から巻き取り直前の実質的な残留溶媒量が0質量%の範囲のどこで行なうこともできるが、残留溶媒量が5〜10%の範囲で行なうのが好ましい。
テンターをベースの走行方向にいくつかの温度ゾーンに分けることも一般によく行なわれる。延伸する際の温度は所望の物性や平面性が得られるような温度が選択されるが、テンター前後の乾燥ゾーンの温度はまた種々の理由により延伸の際の温度とは異なる温度が選択されることもある。例えば、テンター前の乾燥ゾーンの雰囲気温度がテンター内の温度と異なる場合は、テンター入り口に近いゾーンの温度を、テンター前の乾燥ゾーンの温度とテンター中央部の温度の中間的な温度に設定することが一般に行なわれている。テンター後とテンター内の温度が異なる場合にも同様にテンター出口に近いゾーンの温度をテンター後とテンター内の温度の中間的な温度に設定する。テンター前後の乾燥ゾーンの温度は一般に30〜120℃であり、好ましくは50〜100℃、テンター内延伸部の温度は50〜180℃、好ましくは80〜140℃であり、テンター入り口部あるいは出口部の温度はそれらの中間的な温度から適宜選択される。
延伸のパターン、すなわち把持クリップの軌跡は、温度同様に膜の光学物性や平面性から選択され、様々であるが、把持開始後しばらくは一定幅で、その後延伸され、延伸終了後再び一定幅で保持されるパターンが良く用いられる。テンター出口付近のクリップ把持終了する付近では、把持を開放することによるベース振動の抑制のために幅緩和を行なうことが一般に行なわれる。
延伸のパターンはまた延伸速度とも関連するが、延伸速度は一般的には10〜1000(%/min)好ましくは100〜500(%/min)である。この延伸速度はクリップの軌跡が曲線である場合には一定でなく、ベースの走行方向に徐々に変化する。
さらに、上記のテンター方式による乾燥後のウェブ(フィルム)は、ついで二次乾燥装置に導入する。二次乾燥装置内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロールによってウェブが蛇行せられ、その間にウェブは、二次乾燥装置の天井より吹き込まれ、かつ二次乾燥装置の底の部分より排出される温風によって乾燥され、セルロースエステルフィルムとして巻取り機に巻き取られる。
本発明のセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、ウェブを乾燥させる手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点で熱風で乾燥するのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃が好ましく、80〜130℃が平面性、寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
このように、ウェブの乾燥工程においては支持体より剥離したウェブをさらに乾燥し、最終的に、残留溶媒量を3質量%以下、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下であることが、寸法安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することは勿論のことである。
なお、搬送乾燥工程を終えたセルロースエステルフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、エンボス加工装置により、セルロースエステルフィルムの両側縁部にエンボスを形成する加工を行なうのが好ましい。エンボス加工装置としては、例えば特開昭63−74850号公報に記載されている装置が利用できる。
本発明の方法において、セルロースエステルフィルムの製造に係わる巻取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
本発明の方法において、巻き取り後の光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりのフィルムとして、本発明において使用される膜厚範囲は30〜200μmで、最近の薄手傾向にとっては40〜120μmの範囲が好ましく、特に40〜100μmの範囲が好ましい。
本発明の光学フィルムの製造方法が、溶融流延製膜法による場合において、使用し得る紫外線吸収剤としては、前記の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法において用いるものと、ほゞ同様のものを使用することができる。
これらの紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5質量%が好ましい。使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不充分の場合があり、逆に多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合がある。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
本発明では、フィルムの滑り性を付与するために微粒子を添加することが好ましい。本発明で用いられる微粒子としては、溶融時の耐熱性があれば無機化合物または有機化合物のどちらでもよく、例えば、無機化合物としては、珪素を含む化合物、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カルシウム等が好ましく、さらに好ましくは、ケイ素を含む無機化合物や酸化ジルコニウムである。中でもヘイズを小さく抑えることができることから、二酸化珪素が特に好ましく用いられ、本発明の光学フィルムの製造方法を溶融流延製膜法にて実施する場合においても、前記の溶液流延製膜法による光学フィルムの製造方法において用いるものと、ほぼ同様のマット剤を使用することができる。
本発明の光学フィルムの製造方法を溶融流延製膜法にて実施する場合、溶融流延製膜法としては、Tダイを用いた方法やインフレーション法などの溶融押出し法、カレンダー法、熱プレス法、射出成形法などがある。中でも、厚さムラが小さく、50〜500μm程度の厚さに加工しやすく、かつ、膜厚ムラやリタデーションのムラを小さくできるTダイを用いた方法が好ましい。Tダイを用いた押出し方法は、前述したポリマーを溶融可能な温度で溶融し、Tダイからフィルム状(シート状)に冷却ドラム上に押し出し、冷却固化して冷却ドラムから剥離する方法であり、得られるフィルムの厚み精度が優れており、本発明でも好ましく用いることができる。
溶融押出しの条件は他のポリエステルなどの熱可塑性樹脂に用いられる条件と同様にして行なうことができる。例えば、熱風や真空または減圧下で乾燥したセルロースエステルを1軸や2軸タイプの押出し機を用いて、押出し温度200〜300℃程度で溶融し、リーフディスクタイプのフィルターなどでろ過し異物を除去した後、Tダイからフィルム状(シート状)に流延し、冷却ドラム上で固化させる。供給ホッパーから押出し機へ導入する際は、減圧下や不活性ガス雰囲気下にして酸化分解等を防止することが好ましい。
押出し流量は、ギヤポンプを導入するなどして安定に行なうことが好ましい。また、異物の除去に用いるフィルターは、ステンレス繊維焼結フィルターが好ましく用いられる。ステンレス繊維焼結フィルターは、ステンレス繊維体を複雑に絡み合った状態を作り出した上で圧縮し接触箇所を焼結し一体化したもので、その繊維の太さと圧縮量により密度を変え、ろ過精度を調整できる。ろ過精度を粗、密と連続的に複数回繰り返した多層体としたものが好ましい。また、ろ過精度を順次上げていく構成をとったり、ろ過精度の粗、密を繰り返す方法をとることで、フィルターのろ過寿命が延び、異物やゲルなどの補足精度も向上できるので好ましい。
ダイに傷や異物が付着するとスジ状の欠陥が発生する場合がある。このような欠陥のことをダイラインと呼ぶが、ダイライン等の表面の欠陥を小さくするためには、押出し機からダイまでの配管には樹脂の滞留部が極力少なくなるような構造にすることが好ましい。ダイの内部やリップにキズ等が極力無いものを用いることが好ましい。ダイ周辺に樹脂から揮発成分が析出しダイラインの原因となる場合があるので、揮発成分を含んだ雰囲気は吸引することが好ましい。また、静電印加等の装置にも析出する場合があるので、交流を印加したり、他の加熱手段で析出を防止することが好ましい。
可塑剤などの添加剤は、あらかじめ樹脂と混合しておいてもよいし、押出し機の途中で練り込んでもよい。均一に添加するために、スタチックミキサーなどの混合装置を用いることが好ましい。
冷却ドラムの温度は熱可塑性樹脂のガラス転移温度以下が好ましい。冷却ドラムへ樹脂を密着させるために静電印加により密着させる方法、風圧により密着させる方法、全幅あるいは端部をニップして密着させる方法、減圧で密着させる方法などを用いることが好ましい。
このような溶融流延製膜法で成形された熱可塑性樹脂シートは、溶液流延製膜法で成形された樹脂シートと異なり、厚み方向リタデーション(Rt)が小さいとの特徴があり、溶液流延製膜法とは異なる延伸条件が必要になる場合もある。所望の光学物性を得るためには、場合によっては、フィルムの進行方向の延伸とフィルム幅手方向の延伸の両者を同時あるいは逐次に行なうこともある。また、場合によっては、フィルム幅手方向の延伸のみの場合もある。この延伸操作によって分子が配向され、フィルムが必要なリタデーション値に調整される。
延伸する方法は、特に制限はないが、公知のピンテンターやクリップ式のテンターなどを好ましく用いることができる。延伸方向は長さ方向でも幅手方向でも任意の方向(斜め方向)でも可能であるが、延伸方向を幅手方向とすることにより、偏光フィルムとの積層がロール形態でできるので好ましい。幅手方向に延伸することにより、熱可塑性樹脂フィルムからなる光学フィルムの遅相軸は幅手方向になる。一方、偏光フィルムの透過軸も通常幅手方向である。偏光フィルムの透過軸と光学フィルムの遅相軸とが平行になるように積層した偏光板を液晶表示装置に組み込むことで、良好な視野角が得られるのである。
延伸条件は、所望のリタデーション特性が得られるように温度、倍率を選ぶことができる。通常、延伸倍率は1.1〜2.0倍、好ましくは1.2〜1.5倍であり、延伸温度は、通常、シートを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)−50℃〜Tg+50℃、好ましくはTg−40℃〜Tg+40℃の温度範囲で行なわれる。延伸倍率が小さすぎると、所望のリタデーションが得られない場合があり、逆に大きすぎると、破断してしまう場合がある。延伸温度が低すぎると、破断し、また高すぎると、所望のリタデーションが得られない場合がある。
上記の方法で作製した熱可塑性樹脂フィルムのリタデーションを合目的の値に修正する場合、フィルムを長さ方向や幅手方向に延伸または収縮させてもよい。長さ方向に収縮するには、例えば、幅延伸を一時クリップアウトさせて長さ方向に弛緩させる、または横延伸装置の隣り合うクリップの間隔を徐々に狭くすることにより、フィルムを収縮させるという方法がある。後者の方法は一般の同時二軸延伸装置を用いて、縦方向の隣り合うクリップの間隔を、例えばパンタグラフ方式やリニアドライブ方式でクリップ部分を駆動して滑らかに徐々に狭くする方法によって行なうことができる。
延伸後、巻取りまでに平面性矯正、寸法安定性向上等の目的で熱処理ゾーンを設ける場合もある。例えば数十秒〜数十分の間、シートを構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)−30℃〜Tgの温度になるように保ち、千鳥状配置されたロール間を搬送させるゾーンを設ける場合もある。
光学フィルムの膜厚は、使用目的によって異なるが、仕上がりのフィルムとして、本発明において使用される膜厚範囲は30〜200μmで、最近の薄手傾向にとっては40〜120μmの範囲が好ましく、特に40〜100μmの範囲が好ましい。膜厚は、所望の厚さになるように、押出し流量、ダイスの口金のスリット間隙、冷却ドラムの速度等をコントロールすることにより、調整できる。また、膜厚を均一にする手段として、膜厚検出手段を用いて、プログラムされたフィードバック情報を上記各装置にフィードバックさせて調節するのが好ましい。
以上のようにして得られた幅手方向に延伸された熱可塑性樹脂フィルムは、延伸により分子が配向されて、一定のリタデーションを持つ。
本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法、または溶融流延製膜法のいずれによって実施されても良い。
本発明の光学フィルムの製造方法を溶液流延製膜法にて実施する場合、図示は省略したが、セルロースエステルフィルムの原料溶液であるドープを、流延ダイによって回転金属製エンドレスベルトからなる支持体上に流延する。流延によって支持体上に形成されたドープ膜すなわちウェブは支持体上を約一周したところで、剥離ロールによって剥離する。剥離されたウェブ(フィルム)を、ついでテンターよりなる延伸装置に導入する。
本発明の光学フィルムの製造方法を溶融流延製膜法にて実施する場合、溶融流延製膜法としてTダイを用いた押出し方法では、前述したポリマーを溶融可能な温度で溶融し、Tダイからフィルム状(シート状)に冷却ドラム上に押し出し、冷却固化して冷却ドラムからフィルムを剥離する。剥離されたフィルムを、ついでテンターよりなる延伸装置に導入する。
ここで本発明を、図面を参照して説明する。
図1は、テンター延伸装置(10)の一般的な実施形態を模式的に示すものである。同図に示すように、テンター延伸装置(10)は、ハウジング(図示略)の左右両側部に、前後スプロケットに巻き掛けられた無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状のチェーン)(1a)(1b)が設けられ、これらの輪状チェーン(1a)(1b)に多数のクリップ(2a)(2b)が1列状態に具備されている。
ここで、クリップ(2a)(2b)は、多数のものがおのおの連結されて、最終的に輪状のチェーン(1a)(1b)になり、それが案内レール(図示略)上を(乗り物のモノレールのように)走行するものである。そして、これらの輪状チェーン(1a)(1b)は一部に圧力をかけて弛まないように「張って」おり、レールは輪状チェーン(1a)(1b)の長さにならって変化するような構造になっている。
この輪状チェーン(1a)(1b)に圧力をかけて張る設備を『テンショナー』(5)(6)(図2、図3及び図7参照)と称し、左右で輪状チェーン(1a)(1b)の張り状態を変えて、輪状チェーン(1a)(1b)の全体の長さを変更するものである。
そして、テンター延伸装置(10)上流側フィルム(F)入口に設けられたクリップクローザー(3a)(3b)によって、クリップ(2a)(2b)が閉まると、フィルム(F)の両端縁部がクリップ(2a)(2b)によって把持が開始され、この状態でテンター延伸装置(10)内へフィルム(F)が導入される。テンター延伸装置(10)内において、フィルム(F)は、これの両端部縁部がテンター左右両側のクリップ(2a)(2b)により挟まれて延伸させられながら一緒に搬送されると同時に、乾燥される。テンター延伸装置(10)の出口付近にはクリップオープナー(4a)(4b)が設けられ、クリップ(2a)(2b)を開き、その結果フィルム(F)の両端部の把持が終了する。図1では閉状態でフィルム両端縁部を保持した状態のクリップを網掛け、開状態でフィルムを保持していない状態のクリップを白抜きで表した。
その後、フィルム(F)は乾燥装置(図示略)内に送り込まれ、乾燥装置のハウジング内に千鳥状に配置されたすべての搬送ロールを経由して搬送され、その搬送中に乾燥風吹き込み口から吹き込まれる乾燥風により乾燥させられることにより、セルロースエステルフィルムが得られ、このフィルムが巻取ロール(図示略)に巻き取られる。
なお、フィルム(F)の搬送速度は、通常、2〜200m/分、好ましくは10〜100m/分である。
本発明による光学フィルムの製造方法は、連続する樹脂フィルム(F)の左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながら樹脂フィルム(F)を搬送して延伸を行なうテンター延伸装置(10)を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置(10)は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)(1a)(1b)が設けられ、これらの輪状チェーン(1a)(1b)に樹脂フィルム(F)の左右両端を把持する多数のクリップ(2a)(2b)が具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、輪状チェーン(1a)(1b)に与えている張力を左右で変化させることで、左右クリップ(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長〔把持開始から把持終了までの距離(Xa)および(Xb)〕を左右で独立に制御することにより、フィルムの光学的遅相軸が、フィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうものである。
ここで、本発明でいう配向角θとは、図8に示すように、熱可塑性樹脂フィルムの面内における遅相軸の方向(製膜時の幅手方向に対する角度)を表わし、また配向角θの測定は、自動複屈折計KOBRA−21ADHを用いて行なう。配向角θの測定方法は、フィルム幅手方向に3〜10cm間隔で、例えば9点で測定を行ない、全ての配向角θが±1.0°以内になっていることが好ましい。出来上がったフィルムの幅手の光学的遅相軸の向き(配向角θ)を測定し、幅手配向角θが0でない場合、該配向角θの測定値の正負により左右の把持長(Xa)(Xb)に差をつけることで、配向角θを0に近づけることができる。
テンター延伸装置(10)で樹脂フィルム(F)の左右両端を把持している部分の長さを左右独立に制御して、フィルム(F)の把持長を左右で異なるものとする手段としては、具体的には、例えば図2に示すようなものがある。図2は、本発明の方法に使用するテンター延伸装置(10)の第1実施形態を模式的に示すものである。同図において、テンター延伸装置(10)では、連結された輪状チェーン(1a)(1b)に張力を与えているが、その張力を左右で変化させることで、フィルム(F)の把持長が変化する。例えば、一方の右側輪状チェーン(1b)の直線状戻り側移行部の途上にテンショナー(5)を設けておき、右側輪状チェーン(1b)に大きな張力を与えて、フィルム(F)の把持長を左右で変化させている。
また、例えば図3は、本発明の方法に使用するテンター延伸装置(10)の第1実施形態の変形例を模式的に示すものである。同図において、一方の右側輪状チェーン(1b)の無端折返し部にテンショナー(6)を設けておき、右側輪状チェーン(1b)の無端折返し部に大きな張力を与えて、フィルム(F)の把持長を左右で変化させている。
さらに、図4と図5は、本発明の方法に使用するテンター延伸装置(10)の第2実施形態を模式的に示すものである。同図において、クリップ(2a)(2b)がある面内で変える以外にも、右側輪状チェーン(1b)の直線状戻り側移行部を上下方向に曲げることにより、フィルム(F)の把持長を左右で変化させても良い。
つぎに、図6は、本発明の方法に使用するテンター延伸装置(10)の第3実施形態を模式的に示すものである。同図において、巻取り前の樹脂フィルム(F)の配向角を、配向角測定装置(8)によってオンラインで測定し、その結果をもとに、テンター延伸装置(10)の左右把持手段(クリップ)(2a)(2b)によってフィルム(F)の把持長を左右で独立に制御するものである。一般に、樹脂フィルム(F)を一定の条件で生産していても、材料や設備の微小な変動により配向角が変動してしまうため、製品巻き取り前に配向角を、配向角測定装置(8)によってオンライン測定し、その結果をフィードバックして、フィルム(F)の把持長を変化させることで、長手方向にも均一な樹脂フィルムができる。
また、図7は、本発明の方法に使用するテンター延伸装置(10)の第4実施形態を模式的に示すものである。同図において、テンター延伸装置(10)の把持開始位置および把持終了位置での左右の把持手段(クリップ)(2a)(2b)の位置をオンラインで検出して、把持手段(クリップ)(2a)(2b)の位相差を求め、その結果をもとに、テンター延伸装置(10)の左右把持手段(クリップ)(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長を、同図に示すように、一方の右側クリップチェーン(1b)の直線状戻り側移行部の途上にテンショナー(5)を設けておき、右側クリップチェーン(1b)に大きな張力を与えて、フィルム(F)の把持長を左右で変化させる。
上記の本発明による方法で製造した光学フィルムよりなる位相差フィルムは、フィルム(F)の略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有している。
また、上記の本発明による方法で製造した光学フィルムは、樹脂フィルムがセルロースエステルフィルムよりなるものであるから、やはりフィルム(F)の略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有している。
さらに、本発明による光学フィルムの製造方法は、溶液流延製膜法でインラインで延伸する際に、上記のうちのいずれかの延伸方法を用いて実施するものであるから、本発明の方法により製造された光学フィルムは、フィルム(F)の略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有している。
また、本発明による光学フィルムの製造方法は、溶融流延製膜法で樹脂フィルムをインラインで延伸する際に、上記のうちのいずれかの延伸することにより実施するものであるから、本発明の方法により製造された光学フィルムは、フィルムの略全域にわたって配向角が幅手方向(TD方向)に均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有している。
本発明の方法により製造された光学フィルムは、偏光フィルムの少なくとも片面に貼り合わせることにより、楕円偏光板とすることができる。
偏光フィルムは、従来から使用されている、例えば、ポリビニルアルコールフィルムのような延伸配向可能なフィルムを、沃素のような二色性染料で処理して縦延伸したものである。偏光フィルム自身では、充分な強度、耐久性がないので、一般的にはその両面に保護フィルムとしての異方性のないセルローストリアセテートフィルムを接着して偏光板としている。
偏光板は、上記偏光フィルムに本発明の方法により製造された光学フィルムを貼り合わせて作製してもよいし、また本発明の方法により製造された光学フィルムを保護フィルムも兼ねて、直接偏光フィルムと貼り合わせて作製してもよい。
さらに、長さ方向に延伸し、二色性染料処理した長尺の偏光フィルムと長尺の本発明の方法により製造された光学フィルムとを貼り合わせることによって長尺の偏光板を得ることができる。偏光板はその片面または両面に感圧性接着剤層(例えば、アクリル系感圧性接着剤層など)を介して剥離性シートを積層した貼着型のもの(剥離性シートを剥すことにより、液晶セルなどに容易に貼着することができる)としてもよい。
このようにして得られた偏光板は、種々の表示装置に使用できる。特に電圧無印加時に液晶性分子が実質的に垂直配向しているVAモードや、電圧無印加時に液晶性分子が実質的に水平かつねじれ配向しているTNモードの液晶セルを用いた液晶表示装置が好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
まず、厚さ65μmのポリカーボネート樹脂フィルム(商品名 Rフィルム、株式会社カネカ製)を巻出した。図2に示すように、テンター延伸装置(10)は、ハウジングの左右両側部に、前後スプロケットに巻き掛けられた無端チェーンよりなる左右一対の輪状チェーン(1a)(1b)が設けられ、これらの輪状チェーン(1a)(1b)に多数のクリップ(2a)(2b)が1列状態に具備されており、上記のポリカーボネート樹脂フィルムを150℃に加熱したテンター延伸装置(10)で幅手方向(TD方向)に延伸した。なお、ポリカーボネート樹脂フィルムは、溶液流延製膜法、または溶融流延製膜法のいずれによって製造されたものであっても良い。
そしてこのとき、テンター延伸装置(10)の左右輪状チェーン(1a)(1b)に与える張力を左右で変化させて、フィルム(F)の把持長が変化させている。図2に示すように、一方の右側輪状チェーン(1b)の直線状戻り側移行部の途上にテンショナー(5)を設けておき、テンター延伸装置(10)によるフィルム(F)延伸の際、テンショナー(5)で右側輪状チェーン(1b)に大きな張力を与えて、左右の輪状チェーン(1a)(1b)の長さを5mm変更させ、フィルム(F)の把持長を左右で変化させている。
こうして、出来たポリカーボネート樹脂フィルム(F)の配向角を、上記実施例1の場合と同様に測定した。その結果、ポリカーボネート樹脂フィルム(F)の配向角(θ)は、−0.4°〜+0.5°の範囲内であり、ポリカーボネート樹脂フィルム(F)の光学的遅相軸が、フィルム(F)搬送方向に概ね直交すなわち、90°±1.5°以内であった。
比較例1
上記実施例1の場合と同様に、ポリカーボネート樹脂フィルムを製造するが、比較例1では、テンター延伸装置でのフィルム延伸の際、左右のクリップのフィルムの把持長を等しく設定した。
こうして、出来たポリカーボネート樹脂フィルムの配向角を、上記実施例1の場合と同様に測定した。その結果、ポリカーボネート樹脂フィルムの配向角(θ)は、−1.7°〜0.5°の範囲内であり、ポリカーボネート樹脂フィルムの光学的遅相軸が、フィルム搬送方向に直交よりも90°±1.5°を超える角度を有するものであった。このように、比較例1によるポリカーボネート樹脂フィルムでは、フィルム配向角の均一な分布が得られず、位相差フィルムや視野角拡大フィルムとしては、使用できないものであった。
テンター延伸装置の一般的な実施形態を模式的に示す概略平面図である。 本発明の第1実施形態を模式的に示す概略平面図である。 本発明の第1実施形態の変形例を模式的に示す概略平面図である。 本発明の第2実施形態を模式的に示す概略平面図である。 同概略正面図である。 本発明の第3実施形態を模式的に示す概略平面図である。 本発明の第4実施形態を模式的に示す概略平面図である。 本発明の配向角θを模式的に示す概略図である。 本発明のインライン延伸の実施形態を模式的に示す概略平面図である。 本発明のオフライン延伸の実施形態を模式的に示す概略平面図である。
1a:左側輪状チェーン(回転駆動装置)
1b:右側輪状チェーン(回転駆動装置)
2a:左側クリップ
2b:右側クリップ
3a:左側クリップクローザー
3b:右側クリップクローザー
4a:左側クリップオープナー
4b:右側クリップオープナー
5:テンショナー
6:テンショナー
8:配向角検出装置
10:テンター延伸装置

Claims (4)

  1. 連続する樹脂フィルム(F)の左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながら樹脂フィルム(F)を搬送して延伸を行なうテンター延伸装置(10)を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置(10)は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)(1a)(1b)が設けられ、これらの輪状チェーン(1a)(1b)に樹脂フィルム(F)の左右両端を把持する多数のクリップ(2a)(2b)が具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、輪状チェーン(1a)(1b)に与えている張力を左右で変化させることで、左右クリップ(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長(把持開始から把持終了までの距離)を左右で独立に制御することにより、フィルムの光学的遅相軸が、フィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 連続する樹脂フィルム(F)の左右両端を把持して幅手方向に張力を付与しながらフィルム(F)を搬送して延伸を行なうテンター延伸装置(10)を用いて光学フィルムを製造する方法であって、該テンター延伸装置(10)は、無端チェーンよりなる左右一対の回転駆動装置(輪状チェーン)(1a)(1b)が設けられ、これらの輪状チェーン(1a)(1b)に樹脂フィルム(F)の左右両端を把持する多数のクリップ(2a)(2b)が具備されているものである、光学フィルムの製造方法において、一方の輪状チェーン(1b)の直線状戻り側移行部を上下方向に曲げることで、左右クリップ(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長を左右で変化させることにより、光学的遅相軸がフィルム搬送方向に概ね直交(90°±1.5°以内)となるように延伸を行なうことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  3. 巻取り前の樹脂フィルムの配向角をオンラインで測定し、その結果をもとに、テンター延伸装置(10)の左右クリップ(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長を左右で独立に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 把持開始位置および把持終了位置での左右のクリップの位置をオンラインで検出して、クリップの位相差を求め、その結果をもとに、テンター延伸装置(10)の左右クリップ(2a)(2b)によるフィルム(F)の把持長を左右で独立に制御することを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
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