JP4273955B2 - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液晶表示装置(LCD)や、防眩フィルム等の光学素子に用いられる、偏光板保護膜としても使用に耐えうる位相差機能を備えた光学フィルムの製造方法に関するものである。
一般に、液晶表示装置の基本的な構成は、液晶セルの両側に偏光板を設けたものである。偏光板は、一定方向の偏波面の光だけを通すので、液晶表示装置においては、電界による液晶の配向の変化を可視化させる重要な役割を担っており、偏光板の性能によって液晶表示装置の性能が大きく左右される。
液晶表示装置の光学補償シートとして、光学的異方性(高いレターデーション)をもつフィルムが用いられる。
しかしながら、高いレターデーションをもつフィルムは、位相差のムラが目立ちやすく、フィルムを偏光板によるクロスニコル下、すなわち、直交状態(クロスニコル状態)に配置した2枚の偏光子で挟み、一方の偏光板の外側から光を当て、他方の偏光板の外側から観察すると、スジ状の濃淡のムラが発生しやすいという問題があった。
従来、位相差機能を備えた光学フィルムの材料としては、ポリカーボネイト、ポリスルホン、ポリオレフィンなどがある。
これらの材料については、延伸によりレターデーションを調整する方法が広く知られているが、偏光板保護膜としては、例えばポリカーボネートはケン化処理ができないため、偏光子との接着性に劣り、偏光板の保護膜としては使用できず、液晶パネルの構成が複雑であり、不良の発生も多くなる。
一方、透明性、接着性に優れたセルロースエステルフィルムは、複屈折性の小さい特性から、近年、偏光板保護膜として広く使われており、セルロースエステルフィルムに光学補償機能を持たせることで、液晶表示装置の製造工程が短縮でき、不良の発生も抑えることができる。
ここで、セルロースエステルフィルムを光学補償シートとして用いると、偏光板保護膜も兼ねることができる。
このようなフィルムの製造は、セルローストリアセテート(TAC)フィルムを例にとると、溶液流延製膜法により、つぎのようにして行なわれる。
すなわち、まず、セルローストリアセテートを、例えばメチレンクロライド等のセルローストリアセテートに対する良溶媒と、例えばメタノール、エタノール、ブタノールあるいはシクロヘキサン等のセルローストリアセテートに対する貧溶媒とを加えた混合溶媒に溶解し、これに可塑剤や紫外線吸収剤、さらにフィルムの滑り性改善用の微粒子を添加して、セルローストリアセテート溶液(以下、ドープという)を調製し、ドープを、鏡面処理された表面を有する無限移行する無端の回転駆動金属製支持体(例えばステンレス鋼製エンドレスベルトあるいはドラム)上に流延ダイから均一に流延してドープ膜(以下、ウェブという)を得、これを支持体上で乾燥させた後、これを剥離ロールで剥離し、フィルム端部に規制力を設けた搬送ロールにてウェブを搬送し、ロール搬送の前または後に、テンターにてウェブを幅手方向に延伸させ、乾燥させた後に巻取り機で巻き取ることにより、セルロースエステルフィルムを製造していた。
このようなセルロースエステルフィルムに光学補償機能を持たせる方法として、つぎの先行特許文献に記載のものが知られている。
特開2002−113432号公報 この特許文献1には、セルロースアシレート溶液中に、フィルムの光学異方性をコントロールするためのレターデーション上昇剤を場合によって用いる技術が開示されている。 特開2002−71957号公報 この特許文献2には、アセチル基およびプロピオニル基あるいはブチル基を含むセルロースエステルを用いる光学フィルムが開示されている。
これらの特許文献1及び2に記載のいずれの方法においても、所望の高いレターデーションを発現させるために、製膜されたフィルムをフィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)あるいは搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸することが行なわれている。
支持体より剥離後のフィルムを延伸する方法として、つぎの先行特許文献に記載のものが知られている。
特開平2−191904号公報 この特許文献3には、機械方向の縦一軸(自由幅)延伸を行なう位相差フィルムの製造技術が開示されている。 特開平5−127019号公報 この特許文献4には、横一軸延伸、逐次2軸延伸を行なう位相差板の製造技術が開示されている。 特開平3−23405号公報 この特許文献5には、同時2軸延伸を行なう位相差板の製造技術が開示されている。
しかしながら、上記特許文献3に記載された縦1軸延伸による延伸方法では、延伸ロール間での加熱温度を均一に保つのが困難であり、レターデーションの制御性に問題があり、MD方向に延伸する際にTD方向の収縮を規制する力がほとんど働かず、略自由に収縮するため、MD方向につながったスジ状の膜厚のムラや、やはりMD方向のスジ状のレターデーションのムラ(クロスニコル下での濃淡)が発生しやすいという問題があった。また、ロール近傍とロール中央でフィルム幅手方向の収縮率が異なり、フィルム(ベース)の幅手方向で光学的遅相軸が不均一になる軸ズレ発生が生じやすく、この軸ズレの制御が非常に困難である欠点を持つ。
また、一般に広く用いられている上記特許文献4に記載された横1軸延伸では、温度制御性に優れるが、延伸方向と直交する方向に応力が発生し、ボウイングと呼ばれる軸ズレが避けがたいという問題があった。また、延伸方向と直交する方向に残留応力が残り、その方向の屈折率の独立した制御が困難で達成できるレターデーションの範囲が狭い。
上記特許文献4に記載された熱処理によりMD方向に収縮させる方法では、樹脂の種類によっては所望の収縮量が得られないという問題があった。
そこで、一旦、フィルムの横1軸延伸を行なった後に、MD方向に収縮させることで、適切なレターデーションを得る方法が、つぎの特許文献に、種々開示されている。
特開平6−160623号公報 特開平6−160624号公報 特開平6−300917号公報 これらの特許文献6〜8には、テンタークリップ部に波形状の緩み部を設け、幅保持して、MD方向に収縮させる位相差板の製造技術が開示されている。
しかしながら、これら特許文献6〜8に記載の方法では、クリッピング時にシワが寄りやすく、テンタ−内及びその後の搬送時に破断の危険性が大きいという問題があり、また、フィルムのMD方向の収縮率の制御が困難であるという問題があった。
このような欠点のない方法として、上記特許文献5に記載のTD方向の延伸と同時にMD方向の収縮を行なわせる方法では、広い視野角をもち、軸ズレの少ない光学フィルムを製造することが可能である。
上記特許文献5記載の方法では、フィルムの進行方向に向かって、フィルム端部を把持したクリップ同士の間隙が狭くなることでMD方向の緩和が行われるが、把持した部分は緩和が行われないため、把持部と非把持部で出来上がるフィルムのレターデーション値が異なる。このため、フィルム端部把持部近傍ではレターデーションの不均一性が強く、製品として使用できない。
また、延伸条件によっては上記の端部レターデーションムラがフィルム全幅にわたるTD方向のアバラ状のレターデーションムラとなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題を解決し、フィルムの略全域にわたって均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムの製造方法を提供しようとすることにある。
本発明者は、上記の点に鑑み鋭意研究を重ねた結果、支持体よりフィルム(ウェブ)を剥離後、延伸時の残留溶媒量を低くし、かつフィルムのTD方向の延伸を行なうときに同時に、MD方向の緩和を行ない、その延伸・緩和の条件を適切に選ぶことで、フィルムの略全域にわたって均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムを製造できることを見い出し、本発明を完成するに至ったものである。
上記の目的を達成するために、本発明の光学フィルムの製造方法の発明は、面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nmのセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを、溶液流延製膜法により製造する方法であって、セルロースエステル溶液(ドープ)を支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、支持体より剥離後、乾燥しながら残留溶媒が存在する条件下で、フィルムを搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸するとともに、フィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)に緩和収縮させ、ついで、セルロースエステルフィルムを巻き取るもので、剥離後延伸時の残留溶媒量が5〜10%であり、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くし、かつフィルムをTD方向に延伸するのと同時に、TD方向の延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なうことを特徴としている。
本発明の請求項1記載の光学フィルムの製造方法の発明は、上述のように、面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nmのセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを、溶液流延製膜法により製造する方法であって、セルロースエステル溶液(ドープ)を支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、支持体より剥離後、乾燥しながら残留溶媒が存在する条件下で、フィルムを搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸するとともに、フィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)に緩和収縮させ、ついで、セルロースエステルフィルムを巻き取るもので、剥離後延伸時の残留溶媒量が5〜10%であり、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くし、かつフィルムをTD方向に延伸するのと同時に、TD方向の延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なうことを特徴とするもので、本発明の光学フィルムの製造方法によれば、TD方向の延伸量とMD方向の緩和量を適切に選ぶことによりアバラ状のレターデーションムラの発生を抑えることができて、フィルムの略全域にわたって均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学フィルムを製造することができるとともに、フィルム端部の把持部分のレターデーション不均一の部分の幅、すなわち製品として使用できない部分の幅、を狭くすることができ、良好な収率を達成できるという効果を奏する。
つぎに、本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムは、光学特性として、面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、好ましくは、40〜70nmであり、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nm、好ましくは、100〜180nmである。
本発明でいう面内方向のレターデーション(Ro)(nm)、及び厚み方向のレターデーション(Rt)(nm)は、下式で表される。
Ro=(Nx−Ny)×d
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
Nx:フィルムの面内での最大屈折率方向であるx方向の屈折率
Ny:x方向に垂直な該フィルム面内の方向であるy方向の屈折率
Nz:フィルムの厚み方向の屈折率
d:フィルムの膜厚(nm)
本発明において、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの屈折率の測定は、通常の屈折率計を用いることができる。例えば、全体の屈折率を測定した後、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器株式会社製)を用いて、温度23℃、湿度55%RHの環境下で、波長が590nmにおいて、3次元屈折率測定を行ない、屈折率Nx、Ny、Nzを算出し、かつフィルムの厚さを測定してRo値、Rt値を求めることができる。
ここで、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの膜厚は、100μm以下、好ましくは20〜60μm、さらに好ましくは30〜50μmである。
本発明においては、上記の条件が同時に満たされる時、優れた光学特性を有するセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムが得られ、該セルロースエステルフィルムは、液晶表示装置の偏光板において、偏光板用保護フィルムをも兼ねた光学補償シートとして用いることができる。
また、本発明のセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法の発明は、溶液流延製膜法により、上記の面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nmのセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを、溶液流延製膜法により製造する方法である。
本発明において、光学的に二軸性を有するセルロースエステルフィルムは、通常、セルロースエステルを流延により製造する過程で一定の方向に張力を付与することにより得ることができる。例えば、セルロースエステルフィルムを流延後に残留溶媒が存在する条件下で延伸などの操作を行なうことが特に効果的である。本発明のように実質的に幅手方向に延伸する場合、幅手方向で屈折率に分布が生じる場合がある。これは、特にテンター法を用いた場合にみられることがあるが、幅手方向に延伸したことで、フィルム中央部に収縮力が発生し、フィルム端部は固定されていることにより生じる現象である。
そこで、本発明においては、セルロースエステル溶液(ドープ)を支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、支持体より剥離後、乾燥しながら残留溶媒が存在する条件下で、フィルムを搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸するとともに、フィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)に延伸し、ついで、セルロースエステルフィルムを巻き取るものである。本発明の方法において、剥離後延伸時の残留溶媒量が5〜10%であり、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くし、かつフィルムをTD方向に延伸するのと同時に、TD方向延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なう。
ここで、支持体より剥離後のセルロースエステルフィルム(ウェブ)延伸時の残留溶媒量が5%未満であれば、延伸に伴うフィルムに加わる応力の不均一によるレターデーションのムラが発生しやすいので、好ましくない。また残留溶媒量が10%を越えると、フィルムの弾性率が充分でないため、延伸による応力が不充分になり所望のレターデーション値が得られないので好ましくない。
また、セルロースエステルフィルム(ウェブ)のMD方向の緩和収縮が、TD方向延伸率(%)×0.1未満であれば、MD方向の緩和の効果がほとんど現れず、通常のTD1軸延伸と同様になり、得られるフィルムのレターデーション値の範囲が狭くなってしまうので、好ましくない。またMD方向の緩和収縮が、TD方向延伸率(%)×0.3を超えると、レターデーションの不均一が大きくなり幅方向のアバラ状のムラが強くなるため、好ましくない。
本発明の上記の光学フィルムの製造方法においては、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くすると良い。
ここで、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内において、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度よりも高くする膜乾燥熱風温度が、10℃未満であれば、フィルム端部の把持部分のレターデーション不均一の部分の幅、すなわち製品として使用できない部分の幅、を狭くする効果が得られない。
また、本発明の上記の光学フィルムの製造方法においては、剥離後、フィルムのMD方向の延伸をフィルム搬送の張力によって行ない、かつTD方向へはテンターによる延伸を行ない、TD方向の延伸時にフィルムの両端部をそれぞれ把持する各クリップ1個の把持長を、フィルム幅の3〜10%とすることが、好ましい。
ここで、各クリップ1個の把持長が、フィルム幅の3%未満であれば、レターデーションの不均一性によるアバラ状のムラ、さらにはフィルム端部にTD方向のツレ状のシワが発生し好ましくない。また、各クリップ1個の把持長が、フィルム幅の10%を超えると、フィルム端部と中央部のレターデーションの差が大きくなり、端部の製品に使用できない範囲が広くなり、好ましくない。
以下、本発明の光学フィルムの製造方法について、順を追って説明する。
本発明において用いられるセルロースエステルとしては、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどが好ましく用いられる。セルローストリアセテートの場合は、特に重合度250〜400、結合酢酸量が54〜62.5%のセルローストリアセテートが好ましい。
セルローエステルは、綿花リンターから合成されたセルローエステルと木材パルプから合成されたセルロースエステルのどちらかを、単独あるいは混合して用いることができる。
本発明において用いられるセルロースエステルの具体的な製造方法については、例えば特開平10−45804号公報に記載されている方法により合成できる。
セルロースエステルの数平均分子量は、低すぎると強度が低くなり、高すぎると溶液の粘度が高くなりすぎる場合があるので、70000〜300000が好ましく、さらに80000〜200000が好ましい。
エンドレスベルトやドラムよりなる回転駆動金属製支持体からの剥離性が良い綿花リンターから合成されたセルロースエステルを多く使用した方が生産性効率が高く、好ましい。また、剥離性の効果が顕著になるためには、綿花リンターから合成されたセルロースエステルの比率が60重量%以上であるのが好ましく、より好ましくは85重量%以上、さらには、単独で使用することが最も好ましい。
特に、総アシル基置換度が2.85未満のセルロースエステルフィルムで、寸法変化を低減できるため好ましく、さらに総アシル基置換度が2.75未満のセルロースエステルフィルムであることが好ましく、特に2.70未満のセルロースエステルフィルムで著しい効果が認められる。
本発明において、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムには、液晶表示装置として屋外に置かれた場合の劣化防止の観点から紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。紫外線吸収剤としては、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れ、かつ波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものを好ましく用いることができる。例えば波長380nmにおける透過率が20%であることが好ましく、さらに、好ましくは10%未満であり、特に好ましくは5%未満である。
紫外線吸収剤としては、例えばオキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物、ドリアジン系化合物などを挙げることができるが、本発明は、これらに限定されない。
以下、紫外線吸収剤の具体例を挙げるが、本発明は、これらに限定されない。
等をあげることができる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては
UV−1:2(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−2:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)
ベンゾトリアゾール
UV−3:2(2′−ヒドロキシ−3′tert−ブチル−5′−メチルフェニル)
ベンゾトリアゾール
UV−4:2(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5 −クロルベンゾトリアゾール
UV−5:2(2′−ヒドロキシ−3′(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタ ルイミドメチル)−5´メチルフェニル)ベンゾトリアゾール
UV−6:2,2メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6− (2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール
UV−7:2(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル) −クロルベンゾトリアゾール
UV−8:2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシ ル)−4−メチルフェノール(TINUVIN:チバスペシャリティケミカ ルズ社製)
UV−9:オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ− 2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと、2− エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネー トと混合物(TINUVIN109:チバスペシャリティケミカルズ社製)
UV−10:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン
UV−11:2,2′−ジ−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン
UV−12:2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン
UV−13:ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)
本発明において、セルロースエステルフィルムには、紫外線吸収剤として透明性が高く、偏光板や液晶の劣化を防ぐ効果に優れたベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤を好ましく用いることができ、中でも、不要な着色がより少ないベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が特に好ましい。紫外線吸収剤は、製膜工程でブリードアウトしたり、揮発しないものが好ましい。
また、紫外線吸収剤としては高分子紫外線吸収剤も好ましく用いることができ、特に、特開平6−148430号公報記載のポリマータイプの紫外線吸収剤が好ましく用いられる。
本発明において、紫外線吸収剤は、セルロースエステル成分に対し、0.1〜10重量%添加されることが好ましく、特に、0.5〜5重量%添加されることが好ましい。
また、本発明においては、これら紫外線吸収剤を単独で用いても良いし、異なる2種以上の混合で用いても良い。
紫外線吸収剤の添加方法は、アルコールやメチレンクロライド、ジオキソシランなどの有機溶媒に紫外線吸収剤を溶解してからドープに添加するか、または直接ドープ組成中に添加してもよい。無機粉体のように有機溶剤に溶解しないものは、有機溶剤とセルロースエステル中にデゾルバーやサンドミルを使用し、分散してからドープに添加する。
また本発明において、セルロースエステルフィルムには、必要に応じて、マット剤として二酸化ケイ素のような微粒子などを加えても支障はない。二酸化ケイ素のような微粒子は、有機物によって表面処理されていることが、フィルムのヘイズを低下できるため、好ましい。表面処理で好ましい有機物としては、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなとが挙げられる。微粒子の平均粒径が大きい方がマット効果が大きく、平均粒径の小さい方が透明性に優れるため、好ましい微粒子の一次粒状の平均粒径は、5〜50nmで、より好ましくは7〜14nmである。
本発明において、用いられる二酸化ケイ素の微粒子としては、アエロジル株式会社製のAEROSIL−200、200V、300、R972、R972V、R974、R202、R812、OX50、TT600などが挙げられ、好ましくは、AEROSIL−200、200V、R972、R972V、R974、R202、R812などが挙げられる。
本発明において、上記微粒子はセルロースエステルに対して、0.04〜0.4重量%、好ましくは、0.05〜0.3重量%、さらに好ましくは0.05〜0.2重量%添加して使用される。
本発明の方法において、セルロースエステルの溶解に用いる溶剤は、単独でも併用でもよいが、良溶剤と貧溶剤を混合して使用することが、生産効率を上げる点で好ましく、良溶剤が多いほど、セルロースエステルの溶解性および微小な不溶解物によるフィルム異物を少なくする点で好ましい。良溶剤と貧溶剤の混合比率の好ましい範囲は、良溶剤が70〜98重量%であり、貧溶剤が30〜2重量%である。
ここで、本発明に用いられる良溶剤、貧溶剤とは、使用するセルロースエステルを単独で溶解するものを良溶剤、単独で膨潤するか、または溶解しないものを貧溶剤と定義している。
本発明に用いられる良溶剤としては、特に限定されないが、例えばセルローストリアセテートの場合は、メチレンクロライド等の有機ハロゲン化合物やジオキソラン類、セルロースアセテートプロピオネートの場合はメチレンクロライド、アセトン、酢酸メチルなどが挙げられる。また、貧溶剤としては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n−ブタノール、シクロヘキサン、アセトン、シクロヘキサノン等が好ましく用いられる。
溶液流延製膜法によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法は、例えば米国特許2,492,978号、同2,739,070号、同2,739,069号、同2,492,977号、同2,336,310号、同2,367,603号、同2,607,704号、英国特許64,071号、同735,892号、特公昭45−9074号、同49−4554号、同49−5614号、同60−27562号、同61−39890号、同62−4208号公報等に記載の方法を、参考にすることができる。
本発明のセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、機械的強度や寸法安定性等の点から、セルロースエステルフィルムに可塑剤を添加することが好ましい。その添加量としては、例えばセルロースエステルフィルムあるいはセルロースをアセチル基および炭素原子数3〜4のアシル基でアシル化したセルロースエステルフィルムに対する重量%で、3〜30重量%にすることが好ましく、10〜30重量%が、より好ましく、15〜25重量%が特に好ましい。一般に、可塑剤添加量が増加すると寸法変化しやすくなるが、本発明の方法によれば、寸法変化率を著しく低減させることができる。
本発明で用いることのできる可塑剤としては特に限定しないが、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができる。
ここで、リン酸エステル系では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等を好ましく用いることができる。またフタル酸エステル系では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート等を好ましく用いることができる。トリメリット酸系可塑剤では、トリブチルトリメリテート、トリフェニルトリメリテート、トリエチルトリメリテート等を好ましく用いることができる。ピロメリット酸エステル系可塑剤では、テトラブチルピロメリテート、テトラフェニルピロメリテート、テトラエチルピロメリテート等を好ましく用いることができる。グリコール酸エステル系では、トリアセチン、トリブチリン、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート、ブチルフタリルブチルグリコレート等を好ましく用いることができる。クエン酸エステル系可塑剤では、トリエチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリエチルシトレート、アセチルトリ−n−ブチルシトレート、アセチルトリ−n−(2−エチルヘキシル)シトレート等を好ましく用いることができる。ポリエステル系可塑剤では、脂肪族二塩基酸、脂環式二塩基酸、芳香族二塩基酸等の二塩基酸とグリコールの共重合ポリマーを用いることができる。脂肪族二塩基酸としては特に限定されないが、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸などを用いることができる。なお、グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコールなどを用いることができる。これらの二塩基酸及びグリコールはそれぞれ単独で用いても良いし、二種以上混合して用いても良い。ポリエステルの分子量は重量平均分子量で500〜2000の範囲にあることが、セルロース樹脂との相溶性の点から好ましい。
また、本発明の方法においては、特に200℃における蒸気圧が1333Pa未満の可塑剤を用いることが好ましく、より好ましくは蒸気圧666Pa以下、さらに好ましくは1〜133Paの可塑剤である。不揮発性を有する可塑剤は特に限定されないが、例えばアリーレンビス(ジアリールホスフェート)エステル、リン酸トリクレシル、トリメリット酸トリ(2−エチルヘキシル)等が挙げられる。これらの可塑剤は、単独あるいは2種以上併用して用いることができる。
本発明によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、セルロースエステル溶液であるドープの固形分濃度は、通常10〜40重量%程度であり、流延工程における流延時のドープ粘度は1〜200ポイズの範囲で調製される。
ここで、まず、セルロースエステルの溶解は、溶解釜中での撹拌溶解方法、加熱溶解方法、超音波溶解方法等の手段が、通常用いられ、加圧下で、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加熱し、攪拌しながら溶解する方法が、ゲルやママコと呼ばれる塊状未溶解物の発生を防止するため、より好ましい。また、特開平9−95538号公報記載の冷却溶解方法、あるいはまた特開平11−21379号公報記載の高圧下で溶解する方法なども用いてもよい。
セルロースエステルを貧溶剤と混合して湿潤、あるいは膨潤させた後、さらに良溶剤と混合して溶解する方法も好ましく用いられる。このとき、セルロースエステルを貧溶媒と混合して湿潤あるいは膨潤させる装置と、良溶剤と混合して溶解する装置を別々に分けても良い。
本発明において、セルロースエステルの溶解に用いる加圧容器の種類は、特に問うところではなく、所定の圧力に耐えることができ、加圧下で加熱、攪拌ができればよい。加圧容器には、その他、圧力計、温度計などの計器類を適宜配設する。加圧は窒素ガスなどの不活性気体を圧入する方法や、加熱による溶剤の蒸気圧の上昇によって行なってもよい。加熱は外部から行なうことが好ましく、例えばジャケットタイプのものは温度コントロールが容易であるので、好ましい。
溶剤を添加しての加熱温度は、使用する溶剤の沸点以上で、2種類以上の混合溶剤の場合は、沸点が低い方の溶剤の沸点以上の温度に加温しかつ該溶剤が沸騰しない範囲の温度が好ましい。加熱温度が高すぎると、必要とされる圧力が大きくなり、生産性が悪くなる。好ましい加熱温度の範囲は20〜120℃であり、30〜100℃が、より好ましく、40〜80℃の範囲がさらに好ましい。また圧力は、設定温度で、溶剤が沸騰しないように調整される。
セルロースエステルと溶剤の他に、必要な可塑剤、紫外線吸収剤等の添加剤は、予め溶剤と混合し、溶解または分散してからセルロースエステル溶解前の溶剤に投入しても、セルロースエステル溶解後のドープへ投入しても良い。
セルロースエステルの溶解後は、冷却しながら容器から取り出すか、または容器からポンプ等で抜き出して、熱交換器などで冷却し、得られたセルロースエステルのドープを製膜に供するが、このときの冷却温度は、常温まで冷却してもよい。
セルロースエステル原料と溶媒の混合物は、撹拌機を有する溶解装置で溶解し、このとき、撹拌翼の周速は少なくとも0.5m/秒以上で、かつ30分以上撹拌して溶解することが好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープは、これを濾過することによって、異物、特に液晶表示装置において、画像と認識し間違う異物は、これを除去しなければならない。光学フィルムとしての品質は、この濾過によって決まるといってもよい。
濾過に使用する濾材は、絶対濾過精度が小さい方が好ましいが、絶対濾過精度が小さすぎると、濾材の目詰まりが発生しやすく、濾材の交換を頻繁に行なわなければならず、生産性を低下させるという問題点ある。
このため、本発明の方法において、セルロースエステルドープに使用する濾材は、絶対濾過精度0.008mm以下のものが好ましく、0.001〜0.008mmの範囲がより好ましく、0.003〜0.006mmの範囲の濾材がさらに好ましい。
濾材の材質には、特に制限はなく、通常の濾材を使用することができるが、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等のプラスチック繊維製の濾材やステンレス繊維等の金属製の濾材が繊維の脱落等がなく、好ましい。
本発明の方法において、セルロースエステルドープの濾過は通常の方法で行なうことができるが、溶剤の常圧での沸点以上でかつ溶剤が沸騰しない範囲の温度で加圧下加熱しながら濾過する方法が、濾材前後の差圧(以下、濾圧とすることがある)の上昇が小さく、好ましい。
好ましい濾過温度の範囲は45〜120℃であり、45〜70℃がより好ましく、45〜55℃の範囲であることがさらに好ましい。
濾圧は、3500kPa以下であることが好ましく、3000kPa以下がより好ましく、2500kPa以下であることがさらに好ましい。なお、濾圧は、濾過流量と濾過面積を適宜選択することで、コントロールできる。
原料のセルロースに、アシル基の未置換もしくは低置換度のセルロースエステルが含まれていると、異物故障(以下、輝点または輝点異物ということがある)が発生することがある。輝点は、直交状態(クロスニコル)の2枚の偏光板の間にセルロースエステルフィルムを置き、光を片側から照射して、その反対側から光学顕微鏡(50倍)で観察すると、正常なセルロースエステルフィルムであれば、光が遮断されていて、黒く、何も見えないが、異物があると、そこから光が漏れて、スポット状に光って見える現象である。輝点の直径が大きいほど、液晶表示装置とした場合に、実害が大きく、輝点の直径は、50μm以下であることが好ましく、10μm以下が、より好ましく、さらに8μm以下が好ましい。なお、輝点の直径とは、輝点を真円に近似して測定する直径を意味する。
輝点異物は、上記の直径のものが400個/cm以下であれば、実用上問題ないが、300個/cm以下が好ましく、200個/cm以下が、より好ましい。このような輝点異物の発生数、及び大きさを減少させるために、細かい異物を充分に濾過する必要がある。
なお、例えば特開2000−137115号公報に記載されるような、一度製膜したセルロースエステルフィルムの粉砕品を、ドープにある割合で再添加して、セルロースエステル及びその添加剤の原料とする方法は、輝点異物を低減することができるため、好ましく用いることができる。
つぎに、本発明の方法により、セルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを製造するには、まず、セルロースエステルを、良溶媒及び貧溶媒の混合溶媒に溶解し、これに上記の可塑剤や紫外線吸収剤を添加してセルロースエステル溶液(ドープ)を調製する。
製膜時のベルト温度は、一般的な温度範囲0℃〜溶剤の沸点未満の温度で流延することができ、さらには5℃〜溶剤沸点−5℃の範囲で、流延することができるが、5〜30℃の支持体上に流延することがさらに好ましい。このとき、周囲の雰囲気湿度は露点以上に制御する必要がある。
また、ドープ粘度が1〜200ポイズになるように調整されたドープを、流延ダイから支持体上にほぼ均一な膜厚になるよう流延し、流延膜中の残留溶媒量が対固形分重量200%以上では、流延膜温度が溶剤沸点以下に、また200%以下〜剥離までは、溶剤沸点+20℃以下の範囲になるように、乾燥風により流延膜(ウェブ)を乾燥させる。
支持体上では、ウェブが支持体から剥離可能な膜強度となるまで乾燥固化させるため、ウェブ中の残留溶媒量が150重量%以下まで乾燥させるのが好ましく、50〜120%が、より好ましい。
支持体からウェブを剥離するときのウェブ温度は、0〜30℃が好ましい。また、ウェブは、支持体からの剥離直後に、支持体密着面側からの溶媒蒸発で温度が一旦急速に下がり、雰囲気中の水蒸気や溶剤蒸気など揮発性成分がコンデンスしやすいため、剥離時のウェブ温度は5〜30℃がさらに好ましい。
ここで、残留溶媒量は、下記の式で表わせる。
残留溶媒量(重量%)={(M−N)/N}×100
式中、Mはウェブの任意時点での重量、Nは重量Mのものを110℃で3時間乾燥させたときの重量である。
ウェブ(またはフィルム)の乾燥工程では、一般にロール懸垂方式か、ピンテンター方式またはクリップテンター方式でウェブを搬送しながら乾燥する方式が採られる。
剥離後のウェブは、例えば一次乾燥装置に導入する。一次乾燥装置内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロールによってウェブが蛇行せられ、その間にウェブは乾燥装置の天井より吹き込まれ、乾燥装置の底の部分より排出される温風によって乾燥される。
ついで、ウェブはテンター乾燥装置に導入する。そこで、ウェブの両側縁部をクリップで把持して延伸するとともに、ウェブを乾燥する。
液晶表示部材用としては、ウェブの両側縁部をクリップ等で固定して延伸するテンター方式が知られており、平面性や寸法安定性を向上させるために好ましい。
特に、支持体から剥離した後の乾燥工程では、溶媒の蒸発によってウェブは幅方向に収縮しようとする。高温度で乾燥するほど収縮が大きくなる。この収縮は可能な限り抑制しながら乾燥することが、でき上がったフィルムの平面性を良好にする上で好ましい。この点から、例えば、特開昭62−46625号公報に示されているような乾燥全工程あるいは一部の工程を幅方向にクリップでウェブの幅両端を幅保持しつつ乾燥させる方法/テンター方式が好ましい。
テンターでの把持・延伸は、剥離直後の膜の残留溶媒量が50〜150重量%から巻き取り直前の実質的な残留溶媒量が0重量%の範囲のどこで行なうこともできるが、残留溶媒量が5〜10%の範囲で行なうのが好ましいのは、本発明の通りである。
テンターをベースの走行方向にいくつかの温度ゾーンに分けることも一般によく行なわれる。延伸する際の温度は所望の物性や平面性が得られるような温度が選択されるが、テンター前後の乾燥ゾーンの温度はまた種々の理由により延伸の際の温度とは異なる温度が選択されることもある。例えば、テンター前の乾燥ゾーンの雰囲気温度がテンター内の温度と異なる場合は、テンター入り口に近いゾーンの温度を、テンター前の乾燥ゾーンの温度とテンター中央部の温度の中間的な温度に設定することが一般に行なわれている。テンター後とテンター内の温度が異なる場合にも同様にテンター出口に近いゾーンの温度をテンター後とテンター内の温度の中間的な温度に設定する。テンター前後の乾燥ゾーンの温度は一般に30〜120℃であり、好ましくは50〜100℃、テンター内延伸部の温度は50〜180℃、好ましくは80〜140℃であり、テンター入り口部あるいは出口部の温度はそれらの中間的な温度から適宜選択される。
延伸のパターン、すなわち把持クリップの軌跡は、温度同様に膜の光学物性や平面性から選択され、様々であるが、把持開始後しばらくは一定幅で、その後延伸され、延伸終了後再び一定幅で保持されるパターンが良く用いられる。テンター出口付近のクリップ把持終了する付近では、把持を開放することによるベース振動の抑制のために幅緩和を行なうことが一般に行なわれる。ただし、把持開始後の一定幅部分、延伸後の一定幅部分を省略して延伸部分のみの場合もありうる。延伸部ではベース幅が一定の割合で増加するように、直線的なクリップの軌跡とすることもあれば、延伸前半あるいは後半でより大きく延伸するような曲線的な軌跡とすることもある。テンター全体で滑らかな曲線を描くようにしてもよい。
延伸のパターンはまた延伸速度とも関連するが、延伸速度は一般的には10〜1000(%/min)好ましくは100〜500(%/min)である。この延伸速度はクリップの軌跡が曲線である場合には一定でなく、ベースの走行方向に徐々に変化する。
本発明は、面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nmのセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを、溶液流延製膜法により製造する方法であって、セルロースエステル溶液(ドープ)を支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、支持体より剥離後、乾燥しながら残留溶媒が存在する条件下で、フィルムを搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸するとともに、フィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)に延伸し、ついで、セルロースエステルフィルムを巻き取るもので、剥離後延伸時の残留溶媒量が5〜10%であり、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くし、かつフィルムをTD方向に延伸するのと同時に、TD方向の延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なうことを特徴としている。
本発明の方法によれば、TD方向の延伸量とMD方向の緩和量を適切に選ぶことにより、光学的異方性(高いレターデーション)をもち、しかも偏光板によるクロスニコル下での観察によっても、アバラ状のレターデーションムラの発生を抑えることができて、フィルムの略全域にわたって均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有する光学特性に優れたセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを製造することができ、該セルロースエステルフィルムは、液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができるとともに、偏光板用保護フィルムをも兼ねることができるもので、光学的に均質な高品位のフィルムを得ることができる。
また、本発明による上記の光学フィルムの製造方法において、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くするものである。
このように、延伸中のフィルム(ベース)両端部の温度を中央部分よりも10℃以上高くすることでフィルム(ウェブ)端部のレターデーションが中央と異なる部分の面積を小さくすることができ、良好な収率を達成できる。
また、本発明の上記の光学フィルムの製造方法において、剥離後、フィルムのMD方向の延伸をフィルム搬送の張力によって行ない、かつTD方向へはテンターによる延伸を行ない、TD方向の延伸時にフィルムの両端部をそれぞれ把持する各クリップ1個の把持長を、フィルム幅の3〜10%とすることが好ましい。
このように、クリップの把持長をフィルム(ベース)幅の3〜10%とすることで、フィルム端部のレターデーションの異なる部分の面積を小さくでき、またアバラ状のムラも小さくできる。
さらに、上記のテンター方式による乾燥後のウェブ(フィルム)は、ついで二次乾燥装置に導入する。二次乾燥装置内では、側面から見て千鳥配置せられた複数の搬送ロールによってウェブが蛇行せられ、その間にウェブは、二次乾燥装置の天井より吹き込まれ、かつ二次乾燥装置の底の部分より排出される温風によって乾燥され、セルロースエステルフィルムとして巻取り機に巻き取られる。
本発明のセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムの製造方法において、ウェブを乾燥させる手段は、特に制限なく、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等で行なう。簡便さの点で熱風で乾燥するのが好ましい。乾燥温度は40〜150℃が好ましく、80〜130℃が平面性、寸法安定性を良くするためさらに好ましい。
このように、ウェブの乾燥工程においては支持体より剥離したウェブをさらに乾燥し、最終的に、残留溶媒量を3重量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは0.5重量%以下であることが、寸法安定性が良好なフィルムを得る上で好ましい。
これら流延から後乾燥までの工程は、空気雰囲気下でもよいし、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でもよい。この場合、乾燥雰囲気を溶媒の爆発限界濃度を考慮して実施することは勿論のことである。
なお、搬送乾燥工程を終えたセルロースエステルフィルムに対し、巻取工程に導入する前段において、エンボス加工装置により、セルロースエステルフィルムの両側縁部にエンボスを形成する加工を行なうのが好ましい。エンボス加工装置としては、例えば特開昭63−74850号公報に記載されている装置が利用できる。
本発明の方法において、セルロースエステルフィルムの製造に係わる巻取り機は、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法などの巻き取り方法で巻き取ることができる。
本発明の方法において、巻き取り後のセルロースエステルフィルムの膜厚は、65μm以下、好ましくは20μm〜60μm、さらに好ましくは30μm〜50μmである。
本発明によるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムは、面内方向のレターデーション(Ro)40〜100nm、及び厚み方向のレターデーション(Rt)50〜200nmを有するセルロースエステルフィルムよりなることを特徴としている。
本発明の光学フィルムによれば、フィルムの略全域にわたって均一でかつ優れた位相差補償性能と視野角拡大機能を有しており、本発明による光学フィルムは、液晶表示装置や、防眩フィルム等の光学素子に用いられる、偏光板保護膜としても使用に耐えうる位相差機能を備えている。
本発明の方法により製造されたセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを用いて、偏光板を、一般的な方法で作製することができる。ここで、偏光板の作製方法は特に限定されず、例えば、セルローストリエステルフィルムの例をあげると、該フィルムをアルカリ処理し、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光膜の両面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて貼り合わせる方法がある。アルカリ処理の代わりに特開平6−94915号公報、及び同6−118232号公報に記載されているような接着性を高める方法を使用しても良い。
本発明の方法で得られるセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムは、光学素子や表示装置の部材として用いることができるが、この部材とは、液晶表示装置あるいは有機エレクトロルミネッセンスディスプレー等の各種の表示装置に使用される部材のことで、例えば、偏光板、偏光板用保護フィルム、位相差板、反射板、視野角拡大フィルム、光学補償シート、防眩フィルム、無反射フィルム、帯電防止フィルムなどがあげられる。
その中でも、フィルム表面の平滑性および均質な光学特性が厳しく要求される、偏光板、偏光板用保護フィルム、光学補償シートにおいて、本発明を適用することが、より好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
参考実施例1
(ドープの調製)
セルローストリアセテートプロピオネートのドープを、以下のように調製した。
セルローストリアセテートプロピオネート 100重量部
(アセチル基置換度1.95、プロピオニル基置換度0.7)
トリフェニルホスフェート 10重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部
チヌビン326(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製) 1重量部
AEROSIL 200V(日本アエロジル社製) 0.1重量部
メチレンクロライド 300重量部
エタノール 40重量部
上記の材料を、順次密閉容器中に投入し、容器内温度を20℃から80℃まで昇温した後、温度を80℃に保ったままで3時間攪拌を行なって、セルローストリアセテートプロピオネートを完全に溶解した。その後、攪拌を停止し、液温を43℃まで下げた。このドープを濾紙(安積濾紙株式会社製、安積濾紙No.244)を使用して濾過し、ドープを得た。
上記のように調製したドープを、30℃に保温した流延ダイを通して、ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる30℃の支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、そして最終的に、ウェブ中の残留溶媒量が80重量%になるまで支持体上で乾燥させた後、剥離ロールによりウェブを支持体から剥離した。
ついで、ウェブを、千鳥状に配置したロール搬送乾燥工程で120℃の乾燥風にて乾燥させ、続いてテンターに導入して、ウェブ両端をクリップではさみ、残留溶媒が存在する条件下で、実質的に幅手方向に延伸し、乾燥風を当てて乾燥させた。
このとき、フィルム(ウェブ)をTD方向に延伸するのと同時に、TD方向延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なうように、MD方向の収縮率を変化させて、TD延伸率20%の延伸を行なった。
また、剥離からテンター間の乾燥部の雰囲気温度を変化させ、フィルム延伸時の残留溶媒量を変化させた。延伸時のフィルムの残留溶媒量は、テンター内でフィルム(ベース)一部をサンプリングして測定した。
さらに、ウェブ(フィルム)を、千鳥状に配置したロール搬送乾燥工程で100℃の乾燥風にて乾燥させ、巻取り機により巻き取り、最終的に膜厚60μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを作製した。
この参考実施例1では、フィルム延伸時の残留溶媒量を、本発明の範囲内である「5%」とした。またフィルムのMD方向の緩和収縮を、本発明の範囲内である「−3%」とした。
また、この参考実施例1では、フィルムのTD方向の延伸時にフィルムの両端部をそれぞれ把持する各クリップ1個の把持長を100mm(フィルム幅の10%)とした。
こうして作製したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルムのレターデーションの評価を行なうとともに、ヘイズ値の測定、フィルム配向角の測定、及び偏光板によるクロスニコル下でのフィルムの色ムラ(クロスニコル下での透過光の濃淡のムラ)の評価を、それぞれつぎのようにして行ない、得られた結果を、下記の表1に示した。
(レターデーションの評価)
こうして作製したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを、200mm角に切り出し、自動副屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器社製)を用いて、温度23℃、湿度55%RHの環境下で、5mmピッチで、波長が590nmにおける屈折率Nx、Ny、Nzを求め、下記の式に従って、フィルム面内方向のレターデーション(Ro)、及び厚み方向のレターデーション(Rt)を算出した。
Ro=(Nx−Ny)×d
Rt=((Nx+Ny)/2−Nz)×d
ここで、Nxはフィルムの面内における遅相軸方向の屈折率、Nyはフィルム面内における進相軸方向の屈折率、Nzはフィルムの厚み方向の屈折率、dはフィルムの厚み(nm)をそれぞれ表わす。
なお、表1には、つぎの基準で、フィルムの面内方向のレターデーション(Ro)を評価した。
○:面内方向レターデーション(Ro)が60nm以上
△:40nm<面内方向レターデーション(Ro)<60nm
×:面内方向レターデーション(Ro)が40nm以下
また、フィルムの厚み方向のレターデーション(Rt)は、以下の基準で評価した。
○:Rtが180nm以下
△:Rtが200nm以下
×:Rtが200nm以上
(ヘイズ値の測定)
つぎに、上記のようにして得られたセルローストリアセテートプロピオネートフィルムのヘイズ値(3枚値)を、東京電色株式会社製のTURBIDITYMETERT−2600DAを用いて測定した。
なお、表1には、つぎの基準で、ヘイズ値(3枚値)を評価した。
○:ヘイズ値2%以下
△:2%<ヘイズ値<6%
×:ヘイズ値6%以上
(フィルム配向角の測定)
本発明の方法において、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムを幅手方向に延伸する際に、幅手方向での配向角分布をある範囲に制御しながら延伸することが特に好ましい。配向角が幅手方向の何れの測定点においても、測定点すべての平均配向角の角度から±2°以内が好ましい。
ここで、配向角とは、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの面内における遅相軸の方向(流延製膜時の幅手方向に対する角度)を表わし、また配向角の測定は、自動複屈折計KOBURA−21ADHを用いて行なった。
なお、表1には、つぎの基準で、フィルムの配向角を評価した。なお、配向角は、フィルムのTD方向を0°としたときの最も悪い値で示した。
○:配向角0.7°以下
△:0.7°<配向角<1.2°
×:配向角1.2°以上
(色ムラの評価)
ついで、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムを、偏光板によるクロスニコル下、すなわち、直交状態(クロスニコル状態)に配置した2枚の偏光子で挟み、一方の偏光板の外側から光を当て、他方の偏光板の外側から目視で観察した。
比較例1〜8
つぎに、比較のために、上記参考実施例1の場合と同様に、膜厚60μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造するが、比較例1〜3では、フィルム延伸時の残留溶媒量を、それぞれ本発明の範囲外である「3%」とした。またフィルムのMD方向の緩和収縮を、比較例1と3では、本発明の範囲外である「0%」及び「−7%」とした。また、比較例2では、本発明の範囲内である「−3%」とした。
さらに、比較例4では、フィルム延伸時の残留溶媒量を、本発明の範囲内である「5%」とするが、フィルムのMD方向の緩和収縮を、本発明の範囲外である「0%」とした。
また、比較例5では、フィルム延伸時の残留溶媒量を、本発明の範囲内である「5%」とするが、フィルムのMD方向の緩和収縮を、本発明の範囲外である「7%」とした。
また、比較例6〜8では、フィルム延伸時の残留溶媒量を、それぞれ本発明の範囲外である「15%」とした。またフィルムのMD方向の緩和収縮を、比較例6と8では、本発明の範囲外である「0%」及び「−7%」とした。また、比較例7では、本発明の範囲内である「−3%」とした。
こうして作製した比較例1〜8のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムについて、上記参考実施例1の場合と同様に、フィルムのレターデーションの評価を行なうとともに、ヘイズ値の測定、フィルム配向角の測定、及び偏光板によるクロスニコル下でのフィルムの色ムラの評価を、それぞれつぎのようにして行ない、得られた結果を、下記の表1にあわせて示した。
Figure 0004273955
表1の結果より、参考実施例1によるセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの面内方向のレターデーション(Ro)は、66nmであり、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)は、170nmであった。
また、参考実施例1の方法により作製したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムは、ヘイズが2.0%以下と、透明性が高いことから、特に液晶表示装置の偏光板等に用いると、非常に有用であることが分かった。
さらに、参考実施例1の方法により作製したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムは、配向角(TD方向を0°としたときの最も悪い値)が、0.6°であり、配向角を均一に制御することができた。これにより、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの面内、および厚み方向のレターデーションを均一にし、さらに、Rt/Roを低く保つことができる。
また、参考実施例1の方法により作製したセルローストリアセテートプロピオネートフィルムは、偏光板によるクロスニコル下での観察によっても、スジムラ状の色ムラが観察されることなく、液晶表示装置の光学補償シートとして用いることができるとともに、偏光板用保護フィルムをも兼ねることができでるものであった。
なお、本発明で用いたドープでは面内方向のレターデーション(Ro)>100nmとなるようにTD延伸率を50%まで大きくしたところ、延伸時にフィルムが破断し、製品が得られなかった。またフィルムが破断しない限界の40%延伸時には、面内方向のレターデーション(Ro)が90nmとなったが、フィルム全体が白濁しヘイズが75%にも達してしまい、光学フィルムとしては使用できないものであった。
これに対し、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムの延伸時の残留溶媒量、及びフィルムのMD方向の緩和収縮の両方または一方を、本発明の範囲外とした比較例1〜8によるセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの評価では、フィルムのレターデーション、フィルムのヘイズ値、フィルム配向角、及びフィルムの色ムラのいずれも満足するものはなく、従って、これら比較例1〜8によるセルローストリアセテートプロピオネートは、液晶表示装置用の光学フィルムとして使用することができないものであった。
実施例1
上記参考実施例1の場合と同様に、膜厚60μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造するが、テンターによる延伸部の温度を120℃で、フィルム(ベース)全幅で同じとし、同条件で延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を130℃として、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃高くすることにより、セルローストリアセテートプロピオネートフィルムを作製した。
こうして作製した実施例1のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルムのレターデーションの評価を行ない、上記参考実施例1のフィルムのレターデーションの評価と比較した。その結果、参考実施例1のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムでは、フィルム(ベース)の幅手方向の両端からそれぞれ130mm(フィルム幅の13%)までの部分の面内方向レターデーション(Ro)が60nm以下、及びそれら以外の中央部の面内方向レターデーション(Ro)が66nmであるのに対し、実施例1のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムでは、フィルム(ベース)の幅手方向の両端からそれぞれ80mm(フィルム幅の8%)までの部分の面内方向レターデーション(Ro)が60nm以下、及びそれら以外の中央部の面内方向レターデーション(Ro)が66nmであり、参考実施例1の場合に比べて、実施例1のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムの方が、ウェブ(フィルム)端部のレターデーションが中央と異なる部分の面積を小さくすることができ、良好な収率を達成できた。
比較例9及び10
上記参考実施例1の場合と同様に、膜厚60μmのセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを製造した。ここで、上記参考実施例1では、フィルムのTD方向の延伸時にフィルムの両端部をそれぞれ把持する各クリップ1個の把持長が100mm(フィルム幅の10%)としたが、まず比較例9においては、これを150mm(フィルム幅の2.5%)とし、比較例10においては、これを25mm(フィルム幅の2.5%)として、それぞれセルローストリアセテートプロピオネートフィルムを作製した。
こうして作製した比較例9及び10のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムについて、フィルムのレターデーションの評価を行なったところ、まず比較例9のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムでは、フィルム(ベース)の幅手方向の両端からそれぞれ180mm(フィルム幅の18%)までの部分の面内方向レターデーション(Ro)が60nm以下、及びそれら以外の中央部の面内方向レターデーション(Ro)が66nmであり、参考実施例1の場合に比べて、ウェブ(フィルム)端部のレターデーションが中央と異なる部分の面積を小さくすることができなかった。
つぎに、比較例10のセルローストリアセテートプロピオネートフィルムでは、フィルム(ベース)の幅手方向の両端からそれぞれ40mm(フィルム幅の8%)までの部分の面内方向レターデーション(Ro)が60nm以下、及びそれら以外の中央部の面内方向レターデーション(Ro)が66nmであり、参考実施例1の場合に比べて、ウェブ(フィルム)端部のレターデーションが中央と異なる部分の面積を小さくすることができ、良い幅収率が得られたが、フィルム(ベース)の両端部に強いシワおよび折れ込みが発生した。

Claims (1)

  1. 面内方向のレターデーション(Ro)が40〜100nm、かつ厚み方向のレターデーション(Rt)が50〜200nmのセルロースエステルフィルムよりなる光学フィルムを、溶液流延製膜法により製造する方法であって、セルロースエステル溶液(ドープ)を支持体上に流延してウェブ(ドープ膜)を形成し、支持体より剥離後、乾燥しながら残留溶媒が存在する条件下で、フィルムを搬送方向と直交する方向すなわち幅手方向(TD方向)に延伸するとともに、フィルム搬送方向と同一方向すなわち機械方向(MD方向)に延伸し、ついで、セルロースエステルフィルムを巻き取るもので、剥離後延伸時の残留溶媒量が5〜10%であり、延伸中のフィルムの幅手方向の両端からそれぞれフィルム幅の5%以内の部分の膜乾燥熱風温度を、フィルム幅の残り90%の中央部分の温度より10℃以上高くし、かつフィルムをTD方向に延伸するのと同時に、TD方向延伸率(%)×0.1〜TD方向延伸率(%)×0.3の範囲のMD方向の緩和収縮を行なうことを特徴とする光学フィルムの製造方法。
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