JP4899238B2 - 複合化架橋電解質 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複合化架橋電解質に関し、さらに詳しくは、固体高分子型燃料電池、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる電解質膜として好適な複合化架橋電解質に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体高分子型燃料電池は、中央に固体高分子電解質からなる薄い膜があり、その両側を白金の微粒子を担持したカーボンと電解質からなる触媒層及び炭素繊維の布等からなる拡散層で構成される電極で挟み、さらにその両側を炭素製等のセパレータで囲んだ構造を取る。これらが1つの燃料電池を形成し、それを多数重ね合わせたものが燃料電池スタックとなる。
【0003】
水素を含む燃料ガスは、一方の電極(アノード)側に位置するセパレータに設けられたガス通路に供給され、酸素を含む酸化剤ガスは、他方の電極(カソード)側に位置するセパレータに設けられたガス通路にそれぞれ供給される。すると、アノードに供給された燃料ガスに含まれる水素ガスは、白金の触媒作用により水素イオンとなり、固体高分子電解質膜を通過して、カソード側に移動する。
【0004】
この時、アノードにおいて水素ガスが電子を放出するので、カソードとの間で電位差を生じる。電位差は、電流密度によっても異なるが、1セル当たりおよそ約0.7Vである。固体高分子電解質膜を利用する燃料電池は、作動温度が低く、効率が高く、しかも、軽量・コンパクトであることが特徴である。そのため、固体高分子型燃料電池は、自動車の動力源、可搬型のコンパクト電源等の用途が期待されている。
【0005】
固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜には、優れたプロトン電導性と化学的安定性を有することから、主に、パーフルオロスルホン酸型の電解質膜が用いられる。具体的には、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)膜、アシプレックス(登録商標、旭化成工業(株)製)膜、ダウケミカル社製のパーフルオロスルホン酸膜(以下、これを「ダウ膜」という。)、ゴアテックス社製のパーフルオロスルホン酸膜(以下、これを「ゴア膜」という。)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
固体高分子型燃料電池は、上述したように、多数のセルの積層体からなる。また、これに用いられるパーフルオロスルホン酸型の電解質は、一般に高価である。従って、固体高分子型燃料電池の低コスト化を図るためには、セルに使用される電解質膜の厚さを極力薄くすることが望ましい。さらに、電解質膜を薄膜化すると、水の拡散が容易となり、電解質膜の含水状態が均一化し易くなり、水管理が容易となると同時に膜抵抗も低下するので、燃料電池の出力特性が向上するという利点がある。
【0007】
しかしながら、上述した電解質膜の内、ナフィオン膜、アシプレックス膜及びダウ膜は、いずれも電解質のみからなる膜である。そのため、膜厚が薄くなり過ぎると、電解質膜の強度が低下し、製造時あるいは使用時に膜が破損するおそれがあるという問題がある。
【0008】
一方、ゴア膜は、パーフルオロ系の多孔質材料にパーフルオロスルホン酸型電解質(フッ素系電解質)のアルコール水溶液を含浸させ、フッ素系電解質を固化させることにより複合化したものである。そのため、電解質のみからなる膜に比して、強度が高く、薄膜化が容易であるという利点がある。
【0009】
しかしながら、ゴア膜に代表される従来の複合電解質膜は、化学的に極めて安定である一方で、非架橋の電解質との複合材料であるがゆえに、多孔質材料と電解質との界面や、フッ素系電解質自体のモルホロジーや形状安定性に懸念がある。
【0010】
例えば、複合電解質膜が燃料電池の電解質膜に使用された場合、複合電解質膜は、湿潤状態で使用され、かつ、高温−低温の熱サイクルや、高湿−乾燥の湿度サイクルに曝される。複合電解質膜が熱サイクルや湿度サイクルに曝されると、膜中の電解質は、膨潤収縮を繰り返すこととなる。その結果、電解質部分の凝集によるクラスター構造の変化が起こり、イオン伝導性が低下したり、強度が低下したりするという問題がある。
【0011】
また、電解質と多孔質材料との界面には化学的な結合がないので、複合電解質膜を高温に曝すと、電解質が軟化し、膜全体がクリープして薄肉部を生じたり、多孔質材料から電解質が遊離して剥離しやすくなる。そのため、反応ガスのリークが起こり、燃料電池の出力特性が低下するという問題がある。
【0012】
さらに、電解質、特にスルホン酸基の量の多い電解質は、高温高湿条件下に長時間曝されると、徐々に水により膨潤したり溶解するという性質がある。そのため、複合電解質膜を高温で連続使用すると、電解質の膨潤、溶解によって電解質が多孔質材料から剥離し、反応ガスのリーク及びこれに起因する出力低下を引き起こすという問題がある。
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、化学的安定性に優れ、薄膜化が容易であり、しかも、高温高湿の条件下において長時間使用した場合であっても、イオン伝導性の低下、反応ガスのリーク、あるいは、出力特性の低下が生じることのない複合化架橋電解質を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る複合化架橋電解質は、多孔質材料と、架橋されたフッ素系電解質との複合体からなることを要旨とするものである。
【0015】
フッ素系電解質内に導入された多孔質材料は、フッ素系電解質の補強材として機能する。そのため、本発明に係る複合化架橋電解質は、電解質のみの場合に比して機械的強度が向上し、容易に薄膜化することができる。
【0016】
また、フッ素系電解質を架橋させることによって、これと多孔質材料の間に物理的な絡み合いが生ずる。そのため、本発明に係る複合化架橋電解質は、熱サイクルや湿度サイクルに曝されても、フッ素系電解質のモルホロジーや形態の変化が抑制され、強度や伝導率が維持される。また、物理的な絡み合いによってフッ素系電解質の剥離が起こりにくくなる。さらに、架橋によってフッ素系電解質が難膨潤化、難溶化するので、フッ素系電解質の膨潤、溶解に起因する反応ガスのリーク及び出力低下が抑制され、また、熱によるクリープ等の変形も起こりにくくなり、高温耐久性が向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る複合化架橋電解質は、多孔質材料と、架橋されたフッ素系電解質との複合体からなっている。
【0018】
ここで、多孔質材料とは、その内部にフッ素系電解質を導入することが可能な大きさを有する気孔が三次元網目状に連結しているものをいう。具体的には、所定の気孔率及び気孔径を有する多孔体、不織布等が好適な一例として挙げられる。また、多孔質材料の材質は、特に限定されるものではなく、種々の材質を用いることができる。
【0019】
具体的には、有機物繊維からなる多孔質シート(例えば、紙)、アルミナ、シリカ、アルミナシリカ、チタニア等の無機物からなる多孔体、無機物繊維からなる多孔質シート、多孔質ガラス、又は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等からなる多孔質樹脂もしくは不織布もしくは布等が好適な一例として挙げられる。
【0020】
特に、多孔質材料として、ETFE、PTFE等のフッ素樹脂からなるフッ素系多孔質材料を用いると、得られる複合化架橋電解質の化学的安定性が向上するという利点がある。また、フッ素系多孔質材料の中でも、PTFE等のC−H結合を含まないパーフルオロ系の多孔質材料を用いた場合には、複合化架橋電解質の化学的安定性が更に向上する。そのため、フッ素系多孔質材料、さらに好ましくはパーフルオロ系多孔質材料を用いた複合化架橋電解質は、固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜として特に好適である。また、こうした多孔質材料には、界面での密着性を上げるため、コロナ放電処理などの親水化処理や、フッ素系電解質と反応可能な官能基を予め導入しておいても良い。
【0021】
また、フッ素系電解質とは、主鎖又は側鎖のいずれかにフルオロカーボン結合(例えば、−CF2−、−CHF−、−CFCl−等。)を有する高分子化合物であって、高分子鎖のいずれかに電解質基を備えているものをいう。また、フッ素系電解質は、フルオロカーボン結合の他に、クロロカーボン結合(−CCl2−)、あるいは、他の結合(例えば、−O−、−S−、−C(=O)−、−Si(R)2−、イミド結合など。)を高分子鎖のいずれかに有していても良い。
【0022】
これらのフッ素系電解質の中で、高分子鎖中にC−H結合を含まないパーフルオロ系の電解質は、C−H結合を含むフッ素系電解質に比して、高い化学的安定性を有している。そのため、パーフルオロ系電解質を用いた複合化架橋電解質は、固体高分子型燃料電池に用いられる電解質膜として特に好適である。
【0023】
なお、フッ素系電解質に備えられる電解質基の種類については、特に限定されるものではない。例えば、電解質基は、スルホン酸基(−SO3H)、カルボン酸基(−CO2H)、あるいはリン系の電解質基(例えば、−PO3H2、=PO2H、−OP(O2H)0−、−OPO3H2等。)であっても良い。また、フッ素系電解質には、これらの内、1種類の電解質基が含まれていても良く、あるいは、2種以上の電解質基が含まれていても良い。
【0024】
また、本発明において、フッ素系電解質は、架橋されており、かつ、架橋によって、フッ素系電解質と上述した多孔質材料とが、物理的に絡み合った状態になっていることを特徴とする。この場合、フッ素系電解質は、架橋剤によって架橋されていても良い。あるいは、フッ素系電解質に予め含まれる架橋反応点、又は、放射線照射等によってフッ素系電解質に導入された架橋反応点が化学反応することによって架橋されていても良い。ここで、架橋構造としては、用いる架橋手段によって異なるが、アミン系架橋剤の場合は、−SO2−(NR)−SO2−、−CO−(NR)−SO2−、−CO−(NR)−CO−(但し、Rは、H基、アルキル基、フェニル基、金属イオン基など。)等が挙げられる。
【0025】
次に、本発明に係る複合化架橋電解質の作用について説明する。図2に、従来の複合電解質の模式図を示す。図2に示すように、従来の複合電解質20は、多孔質材料24に電解質22を含浸、固化させることによって複合化したものである。従って、従来の複合電解質20は、電解質22と多孔質材料24との界面には化学的な結合がなく、しかも、電解質22と多孔質材料24の物理的な絡み合いも少ない。
【0026】
そのため、この複合電解質20に熱サイクルや湿度サイクルを与えると、電解質22部分の凝集によるクラスター構造の変化が起こり、強度やイオン伝導性が低下する。また、高温で使用することにより電解質22の軟化が起こり、電解質22がクリープして薄膜化したり、多孔質材料24から遊離して剥離する。そのため、反応ガスのリークが起こり、燃料電池として使用した場合に、出力特性が低下する。さらに、電解質22は、一般に、水に徐々に膨潤したり、溶解したりするので、複合化電解質20を高湿度の条件下で長時間使用すると、電解質22の膨潤、溶解によって電解質22が多孔質材料24から遊離して剥離し、反応ガスのリーク及びこれに起因する出力低下を招く。
【0027】
これに対し、本発明に係る複合化架橋電解質は、多孔質材料とフッ素系電解質とが複合化されていることに加え、フッ素系電解質が架橋されている。例えば、架橋剤を用いて架橋させた場合、図1に示すように、複合化架橋電解質10は、フッ素系電解質12と架橋剤16とが架橋点18において結合した状態となる。この時、架橋剤16の一部は、多孔質材料14の気孔14aの内部を貫通し、多孔質材料14の両側に位置する別個のフッ素系電解質12の分子を互いに連結する。その結果、フッ素系電解質12と多孔質材料14との間に、物理的な絡み合いが多くなる。
【0028】
そのため、高温、高湿度で長時間使用した場合であっても、フッ素系電解質12のモルホロジーや形態の変化を防ぐことができ、強度やイオン伝導性の低下が抑制される。また、物理的な絡み合いが生じることによって、フッ素系電解質12の剥離が抑制される。また、架橋によってフッ素系電解質12の水に対する耐膨潤性や耐溶解性が向上するので、フッ素系電解質12の膨潤、溶解に起因する反応ガスのリーク及び出力低下が抑制される。
【0029】
さらに、多孔質材料14は、フッ素系電解質12の補強材としても機能する。そのため、複合化架橋電解質の機械強度、信頼性、耐久性が向上し、薄膜化が容易化する。しかも、多孔質材料14の気孔14aを介して、フッ素系電解質12が三次元網目状に繋がった状態となるので、フッ素系電解質12中のイオンパスが確保される。そのため、複合化によりイオン伝導が阻害されてイオン電導度が低下することもない。
【0030】
次に、本発明に係る複合化架橋電解質の製造方法について説明する。本発明に係る複合化架橋電解質は、種々の方法により製造することができる。まず、第1の製造方法について説明する。第1の製造方法は、多孔質材料にフッ素系電解質又はフッ素系電解質前駆体を含浸させ、次いで、フッ素系電解質又はフッ素系電解質前駆体を架橋させる方法である。
【0031】
ここで、フッ素系電解質前駆体とは、フッ素系電解質に備えられる電解質基が、加水分解等の化学反応により電解質基となりうる官能基(以下、これを「準電解質基」という。)に置き換わったものをいう。
【0032】
フッ素系電解質前駆体に備えられる準電解質基としては、具体的には、スルホン酸基の誘導体(例えば、−SO2F、−SO2Cl、−SO2Br、−SO3Na、−SO3K、−SO3Li、−SO3Mg、−SO3Ca等。)、カルボン酸基の誘導体(例えば、−COF、−COCl、−COBr、−CONa、−COK、−COLi、−COMg、−COCa等。)、リン系の電解質基の誘導体(例えば、−OPOCl2、−OPOF2、−OPO3Br2、−POCl2、−POF2、−PO3Br2、−OP(OCl)0−、−OP(OF)0−、−OP(OLi)0−等。)等が好適な一例として挙げられる。また、フッ素系電解質前駆体には、これらの内、1種類の準電解質基が含まれていても良く、あるいは、2種以上の準電解質基が含まれていても良い。
【0033】
さらに、準電解質基は、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、リン酸エステル、カルボン酸無水物、スルホン酸無水物、リン酸無水物、又は、カルボン酸、スルホン酸もしくはリン酸との混合無水物等で置換された構造を有するものであっても良い。
【0034】
なお、得られる複合化架橋電解質に高い化学的安定性を付与するためには、高分子鎖中にC−H結合を含まないパーフルオロ系の電解質前駆体を用いることが好ましい点は、フッ素系電解質の場合と同様である。
【0035】
また、フッ素系電解質又はフッ素系電解質前駆体(以下、これらを「電解質ポリマ」という。)の多孔質材料への含浸は、電解質ポリマを多孔質材料の気孔内導入することができるものであれば、いずれの方法であっても適用できる。例えば、電解質ポリマを溶融させ、これを多孔質材料に含浸させてもよい。あるいは、電解質ポリマを適当な溶媒に溶解させ、これを多孔質材料に含浸させても良い。
【0036】
また、電解質ポリマの架橋方法には、架橋剤を用いる方法と、架橋剤を用いることなく電解質ポリマを直接架橋させる方法とがあるが、本発明においては、いずれの方法を用いても良い。
【0037】
架橋剤を用いて架橋する方法としては、具体的には、電解質ポリマに含まれる官能基を架橋反応点として用い、これと架橋剤とを反応させる方法がある。例えば、電解質ポリマがパーフルオロビニル基を有する場合には、このパーフルオロビニル基をアミン化合物等の架橋剤で架橋させることができる。また、電解質ポリマがパーフルオロスルホン酸クロライド基を有する場合には、このパーフルオロスルホン酸クロライド基をアミン化合物等の架橋剤で架橋させることができる。
【0038】
その他、化学反応による架橋形成が可能な電解質ポリマに含まれる官能基と、架橋剤に含まれる官能基の組み合わせとしては、例えば、オレフィンとアミン、カルボン酸とアルコール、カルボン酸とアミン、−Si−Hとオレフィン、パーフルオロハロゲン化物とアミン、パーフルオロハロゲン化物とアルコール等が好適な一例として挙げられる。
【0039】
また、架橋剤を用いた他の架橋方法としては、具体的には、電解質ポリマに対してガンマ線、ベータ線等の放射線を照射することにより、電解質ポリマにラジカルを生成させ、このラジカルを架橋反応点として用い、これと架橋剤とを反応させる方法がある。
【0040】
また、架橋剤を用いない架橋方法としては、例えば、電解質ポリマに含まれる官能基同志を直接結合させて架橋する方法、電解質ポリマに放射線を照射してラジカルを生成させ、このラジカル同志を直接結合させて架橋する方法等があり、いずれであっても本発明の架橋方法として適用できる。
【0041】
また、架橋剤を用いて架橋させる方法の場合、架橋剤には種々の化合物を用いることができるが、アミン化合物は、架橋剤として特に好適である。一般に、電解質ポリマに含まれる電解質基又は準電解質基を架橋反応点として用い、これと架橋剤とを反応させると、架橋反応の進行に伴って電解質基又は準電解質基が消費される。そのため、得られる複合化架橋電解質のイオン伝導度が低下する。しかしながら、電解質ポリマをアミン化合物で架橋すると、架橋点が電解質基として機能するので、架橋によって電解質ポリマ中の電解質基又は準電解質基が消費されても、得られる膜のイオン伝導度の低下が少ないという利点がある。
【0042】
ここで、アミン化合物とは、アンモニアの水素原子が、置換基により0から3個置換された化合物をいう。置換基としては、具体的には、アルキル基、アリール基、アリル基、アルケン基、アルキン基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、ヒドロキシル基、ヒドロキシレート基、チオカルボキシ基、ジチオカルボキシ基、スルホ基、スルフィノ基、スルフェノ基、オキシカルボニル基、ハロホルミル基、カルバモイル基、ヒドラジノカルボニル基、アミジノ基、シアノ基、イソシアン基、シアナト基、イソシアナト基、チオシアナト基、イソチオシアナト基、ホルミル基、オキソ基、チオホルミル基、チオキソ基、メルカプト基、アミノ基、イミノ基、ヒドラジノ基、アリロキシ基、スルフィド基、ハロゲン基、ニトロ基、シリル基等を含むものが好適な一例として挙げられる。
【0043】
また、本発明において、アミン化合物には、アンモニアの水素原子がLi、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Mg、Ca、Ba等の金属で置換された化合物、すなわち、金属アミドも含まれ、これを架橋剤として用いても良い。
【0044】
なお、架橋反応を行わせる際に電解質基が準電解質基に置き換わった場合、あるいは、フッ素系電解質前駆体を用いて含浸及び架橋を行った場合には、架橋反応終了後に、準電解質基の加水分解を行い、プロトン型とすればよい。
【0045】
次に、第2の製造方法について説明する。第2の製造方法は、重合によって電解質ポリマとなるモノマ(以下、これを「電解質モノマ」という。)を多孔質材料に含浸させ、次いで、電解質モノマを重合させて電解質ポリマとした後、電解質ポリマを架橋させる方法である。
【0046】
ここで、電解質モノマは、一般に、液体状かあるいは溶剤に可溶であるので、電解質モノマを多孔質材料に含浸させる場合には、液体状の電解質モノマを直接含浸させるか、あるいは、溶剤に溶解させた溶液状として含浸させれば良い。また、この時、電解質モノマにフッ素モノマを添加し、電解質モノマとフッ素モノマの共重合体からなる電解質ポリマを形成させるようにしても良い。
【0047】
また、常法に従って電解質モノマを重合させ、電解質ポリマとした後、電解質ポリマの架橋が行われる。この場合、架橋方法として、電解質ポリマに含まれる架橋反応点と架橋剤とを反応させる方法、電解質ポリマに含まれる架橋反応点同志を反応させる方法、放射線照射により架橋させる方法等、種々の方法を用いることができる点は、第1の製造方法と同様である。
【0048】
次に、第3の製造方法について説明する。第3の製造方法は、電解質モノマを多孔質材料に含浸させ、電解質モノマの重合と同時に架橋させる方法である。この場合、含浸方法として、電解質モノマを多孔質材料に直接含浸させる方法、あるいは、溶剤に溶解させた状態で含浸させる方法を用いることができる点、及び、電解質モノマにフッ素モノマを添加し、共重合体からなる電解質ポリマを形成しても良い点は、第2の製造方法と同様である。
【0049】
また、多孔質材料に含浸させた電解質モノマを重合と同時に架橋させる方法としては、具体的には、電解質モノマを多孔質材料に含浸させる際に、電解質モノマに架橋剤を添加し、重合と同時に架橋反応させる方法がある。また、架橋剤を添加することなく、電解質モノマが重合反応する際に生ずる自身の副反応により架橋させる方法もある。
【0050】
上述したような製造方法によれば、多孔質材料の気孔内部に電解質ポリマが導入された後、又は多孔質材料内部で電解質ポリマの重合が行われる同時に、電解質ポリマの架橋が行われる。従って、得られる複合化架橋電解質は、多孔質材料とフッ素系電解質との間の物理的な絡み合いの多いものとなる。そのため、熱サイクルあるいは湿度サイクルが生ずる環境下で長時間使用した場合であっても、電解質部分のモルホロジや形態の変化が抑制され、強度やイオン伝導性の低下が抑制される。また、物理的な絡み合いによって、電解質の剥離が抑制される。さらに、架橋によって電解質が難膨潤化、難溶化するので、電解質の膨潤、溶解に起因する反応ガスのリーク及び出力低下が抑制される。
【0051】
【実施例】
(実施例1)
ナフィオンのアルコール水溶液(以下、これを「ナフィオン溶液」という。)に、親水処理したパーフルオロ系多孔膜(日東電工(株)製)を1時間浸漬する操作を3回行い、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。次いで、パーフルオロ系多孔膜に含浸させたナフィオン中のスルホン酸基をスルホン酸クロライド基にするために、多孔膜をオキシ塩化リン中で5時間還流した後、オキシ塩化リンを蒸留して除去し、乾燥させた。
【0052】
次に、架橋剤としてのアンモニアを含む0.5Mアンモニア・ジオキサン溶液のフロン(AK225)5%溶液に多孔膜を1時間浸漬することにより、スルホン酸クロライド基とアンモニアとの架橋反応を行わせ、その後、膜をアセトンで洗浄した。次に、架橋反応に消費されなかったスルホン酸クロライド基を加水分解させ、完全なプロトン型とするために、まず、25%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間還流し、次いで膜を水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬した。さらに、1M硫酸中で1時間還流し、水洗した。この後、純水中で10分間還流し、水洗後、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。
【0053】
得られた複合化架橋電解質膜にカーボンPt電極を135℃x9.8MPaの条件で転写圧着後、E−TEK製拡散層を重ね、チョコレートブロック型セパレータで挟み、セルを組み付けた。得られたセルの両側に水素圧及び酸素圧0.2MPaをかけた状態で、水素及び酸素を流し、この状態で80%加湿、乾燥を5分毎に繰り返す湿度サイクルを与えた。その結果、湿度サイクルを1000回繰り返しても、ガスのクロスリークは観測されなかった。
【0054】
(比較例1)
ナフィオン溶液に、親水処理したパーフルオロ系多孔膜(日東電工(株)製)を1時間浸漬する操作を3回行い、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。さらに、水洗した後、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。得られた複合膜を用いて、実施例1と同一の手順に従いセルを作製し、実施例1と同一の条件下で、湿度サイクルを与えた。その結果、湿度サイクルを200回繰り返した時点で、ガスのクロスリークが観測された。
【0055】
(実施例2)
多孔質材料として、セルロースのフィルタ(孔径5μm、膜厚50μm)を用いた以外は、実施例1と同一の手順に従い、複合化架橋電解質膜を作製した。得られた複合化架橋電解質膜を用いて実施例1と同一の手順に従いセルを作製し、実施例1と同一の条件下で湿度サイクルを与えた。その結果、湿度サイクルを1000回繰り返しても、ガスのクロスリークは観測されなかった。
【0056】
(比較例2)
多孔質材料として、セルロースのフィルタ(孔径5μm、膜厚50μm)を用いた以外は、比較例1と同一の手順に従い、複合膜を作製した。得られた複合膜を用いて実施例1と同一の手順に従いセルを作製し、実施例1と同一の条件下で湿度サイクルを与えた。その結果、湿度サイクルを200回繰り返した時点で、ガスのクロスリークが観測された。
【0057】
(実施例3)
実施例2で得られた複合化架橋電解質膜を用いて、実施例1と同一の手順に従いセルを作製した。なお、得られた膜の当量重量は、1000g/eq.であった。次に、セルの両側に水素圧及び酸素圧0.2MPaをかけた状態で加湿した水素及び酸素を流し、セル温度80℃、水素過剰率1.2、空気過剰率2.0、電流密度0.7A/cm2の条件で連続運転を行った、その結果、セルの初期電圧は、0.60Vであり、120時間後も電池は破壊せずに安定に作動した。
【0058】
(比較例3)
比較例2で得られた複合膜を用いて、実施例1と同一の手順に従いセルを作製した。なお、得られた膜の当量重量は、950g/eq.であった。次に、実施例3と同一条件下でセルの連続運転を行った。この場合、セルの初期電圧は、0.62Vであった。しかしながら、連続運転を続けたところ、10時間後に電圧が低下し、発電しなくなった。素子を分解して調べたところ、膜に亀裂が生じてリークを起こしていたためとわかった。
【0059】
(実施例4)
ナフィオンモノマとテトラフルオロエチレンとを2:1のモル比で混合し、ラジカル重合した後、アセトンで再沈殿し、真空乾燥した。これにより、スルホン酸フルオライド基を備えたパーフルオロ系電解質前駆体を得た。次に、これをフロン(AK225)に2%溶解させ、この溶液にセルロースのフィルタ(孔径5μm、膜厚50μm)を1時間浸漬する操作を3回行い、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。
【0060】
次に、架橋剤としてのアンモニアを含む0.5Mアンモニア・ジオキサン溶液のフロン(AK225)5%溶液に多孔膜を1時間浸漬することにより、パーフルオロ系電解質前駆体に含まれるスルホン酸フルオライド基とアンモニアとの架橋反応を行わせ、その後、膜をアセトンで洗浄した。次に、架橋反応に消費されなかったスルホン酸フルオライド基を加水分解させ、完全なプロトン型とするために、まず、25%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間還流し、次いで水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬した。さらに、1M硫酸中で1時間還流し、水洗した。この後、純水中で10分間還流し、水洗後、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。
【0061】
得られた複合化架橋電解質膜にカーボンPt電極を135℃x9.8MPaの条件で転写圧着後、E−TEK製拡散層を重ね、チョコレートブロック型セパレータで挟み、セルを組み付けた。得られたセルの両側に水素圧及び酸素圧0.2MPaをかけた状態で、水素及び酸素を流し、セル温度80℃、水素過剰率1.2、空気過剰率2.0、電流密度0.7A/cm2の条件で連続運転を行った。その結果、セルの初期電圧は、0.63Vであり、200時間後も電池は破壊せずに安定に作動した。
【0062】
(比較例4)
ナフィオンモノマとテトラフルオロエチレンとを2:1のモル比で混合し、ラジカル重合した後、アセトンで再沈殿し、真空乾燥することにより、スルホン酸フルオライド基を備えたパーフルオロ系電解質前駆体を得た。次に、これをフロン(AK225)に2%溶解させ、この溶液にセルロースのフィルタ(孔径5μm、膜厚50μm)を1時間浸漬する操作を3回行い、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。
【0063】
次に、パーフルオロ系電解質前駆体に含まれるスルホン酸フルオライド基を加水分解させ、完全なプロトン型とするために、まず、25%水酸化ナトリウム水溶液中で2時間還流し、次いで水洗した後、6M塩酸中に5時間浸漬した。さらに、1M硫酸中で1時間還流し、水洗した。その後、純水中で10分間還流し、水洗後、80℃x3時間の条件で真空乾燥した。
【0064】
得られた複合膜を用いて、実施例4と同一の手順に従いセルを作製し、実施例4と同一の条件下で、セルの連続運転を行った。その結果、セルの初期電圧は、0.64Vであった。しかしながら、連続運転を続けたところ、30時間後に電圧が急激に低下した。素子を分解して調べたところ、膜にピンホールが生じてリークを起こしているためとわかった。
【0065】
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
【0066】
例えば、上記実施例では、本発明に係る複合化架橋電解質を燃料電池用の電解質膜として適用した例について主に説明したが、本発明の用途は、燃料電池に限定されるものではなく、水電解、ハロゲン化水素酸電解、食塩電解、酸素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等に用いられる電解質膜としても使用できる。
【0067】
【発明の効果】
本発明に係る複合化架橋電解質は、多孔質材料と、架橋されたフッ素系電解質との複合体からなっているので、多孔質材料がフッ素系電解質の補強材として機能し、薄膜化が容易化されるという効果がある。また、フッ素系電解質を架橋させることによって、フッ素系電解質と多孔質材料との間の物理的な絡み合いが多くなり、しかも、フッ素系電解質が難膨潤化、難溶化するので、高温高湿の条件下で長時間使用しても、強度の低下、膜のクリープ、イオン伝導性の低下、反応ガスのリーク、あるいは、これらに起因する出力特性の低下が抑制され、高温耐久性が向上するという効果がある。
【0068】
また、多孔質材料として、フッ素系多孔質材料を用いた場合には、化学的耐久性に優れた複合化架橋電解質が得られるという効果がある。さらに、フッ素系電解質をアミン化合物により架橋した場合には、高温耐久性が向上することに加え、イオン伝導性の高い複合化架橋電解質が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態に係る複合化架橋電解質を示す模式図である。
【図2】 従来の複合電解質を示す模式図である。
【符号の説明】
10 複合化架橋電解質
12 フッ素系電解質
14 多孔質材料
16 架橋剤
Claims (3)
- 三次元網目状に連結している気孔を有する多孔質材料と、架橋されたフッ素系電解質との複合体からなる複合化架橋電解質であって、前記フッ素系電解質は、アミン化合物により前記気孔を貫通するように架橋されており、前記フッ素系電解質と前記多孔質材料との間に、物理的な絡み合いを有する複合化架橋電解質。
- 前記多孔質材料は、フッ素系多孔質材料である請求項1に記載の複合化架橋電解質。
- 前記アミン化合物がアンモニアからなり、前記架橋は、前記アンモニアと、前記フッ素系電解質が有していたスルホン酸ハライド基とが架橋反応したものからなる請求項1又は2に記載の複合化架橋電解質。
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