JP4857523B2 - 高分子電解質及び高分子電解質膜 - Google Patents

高分子電解質及び高分子電解質膜 Download PDF

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Description

本発明は、高分子電解質及び高分子電解質膜に関し、さらに詳しくは、燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられる高分子電解質、及びこれを用いた高分子電解質膜に関する。
固体高分子電解質は、高分子鎖中にスルホン酸基等の電解質基を有する固体高分子材料である。固体高分子電解質は、特定のイオンと強固に結合したり、陽イオン又は陰イオンを選択的に透過する性質を有していることから、粒子、繊維、あるいは膜状に成形し、電気透析、拡散透析、電池隔膜等、各種の用途に利用されている。
例えば、固体高分子型燃料電池や水電解装置などの各種電気化学デバイスにおいて、固体高分子電解質は、膜状に成形され、その両面に電極を接合した膜電極接合体(MEA)の状態で使用される。また、固体高分子型燃料電池において、電極は、一般に、拡散層と触媒層の二層構造をとる。拡散層は、触媒層に反応ガス及び電子を供給するためのものであり、カーボン繊維、カーボンペーパー等が用いられる。また、触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電極触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。
このような各種電気化学デバイスに用いられる固体高分子電解質としては、デュポン社製ナフィオン(登録商標)に代表される各種のフッ素系電解質や、各種の炭化水素系電解質が知られている。これらの中でも、パーフルオロ系電解質は、炭化水素系電解質に比べて耐久性に優れているので、水の電解や燃料電池等に広く使用されている。しかしながら、ナフィオン(登録商標)等のパーフルオロ系電解質は、極めて高価である。また、電気化学デバイスの性能を向上させるために、これに使用される固体高分子電解質に対し、より高い特性が求められるようになっている。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。例えば、特許文献1には、ポリフェニレン骨格、ポリエステル骨格等の炭化水素系高分子を主鎖とし、スルホン酸基等のプロトン酸基と、主鎖との間がアルキル、アリール等のスペーサ構造により隔てられているイオン導電性高分子が開示されている。同文献には、プロトン酸基と主鎖とをスペーサ構造により隔てることによって、高イオン伝導性、及び高耐熱性を示す点が記載されている。
また、特許文献2は、スルホン酸基等のプロトン酸基を含有するポリアミドからなる燃料電池用イオン伝導性高分子膜が開示されている。また、特許文献3には、このようなプロトン酸基含有ポリアミドと、ハロゲン化炭化水素樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂等との混合物からなるイオン伝導性高分子膜が開示されている。特許文献2には、プロトン酸基含有ポリアミドからなる高分子膜は、優れた膜形成能、高イオン伝導性、高耐熱性を示す点が記載されている。
また、特許文献4には、リチウムN−(トリフルオロメタンスルホニル)−2−(4−エテニルフェノキシ)テトラフルオロエタンスルホンイミド(CH=CH−C−O−CFCFSON(Li)SOCF)をホモ重合させることにより得られる重合体が開示されている。同文献には、スチレンを基とする重合体は、多数種の有機溶媒中で高い溶解度を示すので、成形が容易であり、また、フッ素含有量が少ないので低コストである点が記載されている。
さらに、特許文献5には、繰り返し単位として、−CFCF−、−CFCF(−O−(CFCF(CF)−O)−(CF)−SOF)−、及び、−CFCF(−O−(CFCF(CF)−O)n’−(CF)m’−SONHR)−を含むパーフルオロ共重合体と、−(R−O)−で表される一種又は二種以上の繰り返し単位からなる液状フルオロオリゴエーテルとを含むフッ素系共重合体含有組成物が開示されている。同文献には、ルイス塩基を用いてSOF型官能基とSONHR型官能基とを反応させることにより、パーフルオロ共重合体にスルホンイミド架橋構造を導入することができる点、及びこれによって耐久性が向上する点が記載されている。
特開2002−289222号公報の段落番号「0007」、「0022」〜「0026」 特開2002−280019号公報の請求項1、段落番号「0009」 特開2003−109624号公報の請求項3、段落番号「0072」 特表2003−525957号公報の段落番号「0032」、「0100」 特開2003−246906号公報の請求項1、段落番号「0057」
特許文献1〜4に開示されている固体高分子電解質は、いずれもその分子内にC−H結合を有しており、過酸化物ラジカルに対する耐性が低い。これを水電解の隔膜や燃料電池の電解質膜等に使用した場合には、過酸化物ラジカルにより膜が劣化し、高い耐久性は得られない。従って、これらの用途には、耐酸化性、耐久性に優れたパーフルオロ系電解質を用いるのが一般的である。しかしながら、パーフルオロ系電解質膜であっても、使用条件が過酷になると膜が劣化する場合がある。そのため、これらの用途に使用される固体高分子電解質には、より高い耐酸化性、耐久性が求められている。
また、電気化学デバイスの性能は、これに用いられる固体高分子電解質の性能に依存し、一般に、固体高分子電解質の電気伝導度が高くなるほど、電気化学デバイスの性能も向上する。固体高分子電解質の電気伝導度を高くする場合、通常は、固体高分子電解質内部の酸性基(例えば、スルホン酸基)の量を増加させる方法が用いられる。しかしながら、一般に、固体高分子電解質中の酸性基の量が多くなるほど、固体高分子電解質が水により膨潤し、あるいは水に可溶化しやすくなる傾向がある。そのため、このような方法では、強度、及び耐熱性に優れた固体高分子電解質は得られない。
さらに、燃料電池の効率を向上させるためには、作動温度を高くするのが望ましく、そのためには、強度及び耐熱性に優れた固体高分子電解質を用いるのが望ましい。しかしながら、ナフィオンに代表される従来のパーフルオロ系電解質は、非架橋であり、かつ結晶性が低いために、強度及び耐熱性に劣るという問題がある。一方、特許文献5に開示されているように、SOF型官能基とSONHR型官能基とを反応させ、膜中にスルホンイミド架橋構造を導入すると、強度及び耐熱性を向上させることができる。しかしながら、このような方法では、架橋構造を導入する際に酸性基が消費されるので、高い強度及び耐熱性と、高い電気伝導度とを同時に達成するには限界がある。
本発明が解決しようとする課題は、低コストであり、かつ、過酷な条件下で使用される電気化学デバイスに用いた場合であっても劣化が少ない耐酸化性及び耐久性に優れた高分子電解質及び高分子電解質膜を提供することにある。また、本発明が解決しようとする他の課題は、高い電気伝導度を有し、かつ、強度及び耐熱性に優れた高分子電解質及び高分子電解質膜を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る高分子電解質は、主鎖の一部を構成するプロトン解離基と、前記主鎖の一部を構成し、かつ前記プロトン解離基間を連結するパーフルオロアルキル基とを備え、前記プロトン解離基は、ビススルホンイミド基(−SONHSO−)、スルホンカルボンイミド基(−SONHCO−)、及びビスカルボンイミド基(−CONHCO−)から選ばれる少なくとも1つであり、その両端が前記パーフルオロアルキル基で連結され、該主鎖間が架橋されていないものであって、前記パーフルオロアルキル基の炭素数は20以下であり、前記パーフルオロアルキル基の一部の炭素数は8以上20以下であることを要旨とする。この場合、前記パーフルオロアルキル基の一部には、炭素数が7以下であるパーフルオロアルキル基がさらに含まれているのが好ましい。
また、本発明に係る高分子電解質膜は、本発明に係る高分子電解質を用いたことを要旨とする。
プロトン解離基間をパーフルオロアルキル基で連結すると、プロトン解離基が熱及び酸化に対して化学的に安定化し、高分子電解質の耐酸化性及び耐久性が向上する。また、パーフルオロアルキル基の一部に、高分子量パーフルオロアルキル基が含まれている場合には、高分子電解質が水に対して難溶化し、その強度及び耐熱性も向上する。さらに、パーフルオロアルキル基の一部に、低分子量パーフルオロアルキル基がさらに含まれている場合には、高い電気伝導度を有し、かつ、強度及び耐熱性に優れた高分子電解質が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明に係る高分子電解質は、主鎖の一部を構成するプロトン解離基と、主鎖の一部を構成し、かつプロトン解離基間を連結するパーフルオロアルキル基とを備えている。
本発明において、「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」とは、水溶液中においてプロトンを放出する機能を有し、かつ、その両端が化学結合によって主鎖に連結しているものをいう。このようなプロトン解離基としては、具体的には、ビススルホンイミド基(−SONHSO−)、スルホンカルボンイミド基(−SONHCO−)、及びビスカルボンイミド基(−CONHCO−)等が挙げられる。高分子電解質には、このようなビススルホンイミド基等の内、いずれか1種のみが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
高分子電解質に含まれる「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」の種類及び量は、高分子電解質に要求される特性、用途等に応じて任意に選択することができる。一般に、主鎖に導入されたプロトン解離基の酸性度が大きくなるほど、及び/又は、プロトン解離基の量が多くなるほど、高分子電解質の電気伝導度を大きくすることができる。本発明に係る高分子電解質を各種電気化学デバイスに用いる場合において、高い出力を得るためには、高分子電解質の電気伝導度は高い方が好ましい。そのためには、「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」の種類及び量は、高分子電解質の電気伝導度に換算して、10−4S/cm以上が好ましく、さらに好ましくは、10−2S/cm以上である。
本発明において、「パーフルオロアルキル基」とは、C−F結合を含み、かつ、C−H結合を含まない原子団であって、高分子電解質の主鎖の一部を構成するものをいう。パーフルオロアルキル基は、フルオロカーボン構造(−CF−、−CFCl−)の他、クロロカーボン構造(−CCl−)や、その他の構造(例えば、−O−、−S−、−C(=O)−、−N(R)−等。但し、「R」は、アルキル基)を備えていてもよい。耐酸化性、耐久性に優れた高分子電解質を得るためには、パールフオロアルキル基は、C−F結合のみからなるもの(例えば、一般式:−C2n−で表されるもの等)が特に好適である。
プロトン解離基間を連結する各パーフルオロアルキル基の炭素数は、特に限定されるものではなく、高分子電解質に要求される特性、その用途等に応じて、任意に選択することができる。
例えば、強度、耐熱性、水に対する難溶性、耐膨潤性等(以下、これらを総称して「強度等」という)が要求される場合には、パーフルオロアルキル基の少なくとも一部は、相対的に炭素数の多いもの(本発明において、これを「高分子量パーフルオロアルキル基」という)が好ましい。高分子量パーフルオロアルキル基の炭素数は、具体的には、8以上が好ましく、さらに好ましくは、9以上、さらに好ましくは、10以上である。但し、高分子量パーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなりすぎると、プロトン解離基の数が減り、伝導度が低下するので好ましくない。従って、高分子量パーフルオロアルキル基の炭素数は、20以下が好ましく、さらに好ましくは、15以下、さらに好ましくは、13以下である。
また、例えば、高い電気伝導度が要求される場合には、パーフルオロアルキル基の一部は、高分子量パーフルオロアルキル基より炭素数の少ないもの(本発明において、これを「低分子量パーフルオロアルキル基」という)が好ましい。高い電気伝導度を有する高分子電解質を得るためには、低分子量パーフルオロアルキル基の炭素数は、具体的には、7以下が好ましく、さらに好ましくは、5以下、さらに好ましくは、4以下、さらに好ましくは、3以下である。
プロトン解離基間を連結する各パーフルオロアルキル基の炭素数は、同一であっても良く、あるいは、異なっていても良い。例えば、高い電気伝導度が要求されず、強度等のみが要求される場合、高分子量パーフルオロアルキル基のみを用いてプロトン解離基間を連結するのが好ましい。
また、例えば、強度等に加えて、高い電気伝導性も要求される場合には、高分子量パーフルオロアルキル基と、低分子量パーフルオロアルキル基の双方を用いて、プロトン解離基間を連結するのが好ましい。この場合、低分子量パーフルオロアルキル基の比率が多くなるほど、強度等は低下するが、電気伝導度は向上する。高い強度等と高い電気伝導度の双方を備えた高分子電解質を得るためには、全パーフルオロアルキル基に占める低分子量パーフルオロアルキル基の比率は、2%以上98%以下が好ましく、さらに好ましくは、10%以上90%以下である。
パーフルオロアルキル基の分子構造は、特に限定されるものではなく、種々の構造を備えたものを用いることができる。すなわち、パーフルオロアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状等、いずれの構造を備えたものであっても良い。パーフルオロアルキル基の分子構造に応じて、高分子電解質も種々の分子構造をとる。例えば、パーフルオロアルキル基が直鎖状である場合、高分子電解質もまた、直鎖状の分子構造を取る。また、例えば、パーフルオロアルキル基が環状である場合、高分子電解質は、環状のパーフルオロアルキル基を含む直鎖状の分子構造を取る。
また、例えば、パーフルオロアルキル基が分岐状である場合、高分子電解質は、主鎖と側鎖からなる分岐状の分子構造を取る。この場合、パーフルオロアルキル基の側鎖部分の炭素数は、特に限定されるものではない。一般に、側鎖の炭素数が大きくなるほど、高分子電解質の結晶性が低下し、主鎖の運動性が向上する。そのため、側鎖の炭素数が大きくなるほど、高い電気伝導度が得られる。但し、側鎖の炭素数が大きくなりすぎると、結晶性の低下によって、強度等が低下する。従って、高い強度等が要求される場合には、側鎖の炭素数は、5以下が好ましく、さらに好ましくは、2以下である。
なお、本発明に係る高分子電解質において、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された構造は、主鎖に含まれ、側鎖には含まれない。また、高分子電解質の分子量は、特に限定されるものではないが、10万以下が好ましい。
また、本発明に係る高分子電解質は、主鎖の一部を構成するプロトン解離基のみを含むものであっても良く、あるいは、「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」をさらに備えていても良い。「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」としては、具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等が挙げられる。また、「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」は、主鎖又は側鎖の末端に結合していても良く、あるいは、主鎖又は側鎖の中間部分に直接、又は、適当な原子団を介して結合していても良い。
また、本発明に係る高分子電解質は、上述した高分子のみによって構成されていても良く、あるいは、補強材としての多孔膜、フィブリル繊維等との複合体であっても良い。本発明に係る高分子電解質と多孔膜とを複合化させる場合、多孔膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン六フッ化プロピレン共重合体)、多孔質シリカ、多孔質セラミックス等からなるものを用いるのが好ましい。この場合、多孔膜の気孔率、平均気孔径、厚さ等は、高分子電解質膜の用途、要求特性等に応じて最適な値を選択する。また、高分子電解質は、多孔膜中に均一に分散していても良く、あるいは、多孔膜の表面又は内部に偏在していても良い。
次に、本発明に係る高分子電解質の製造に用いられる2官能モノマについて説明する。本発明に係る高分子電解質は種々の方法により製造することができるが、以下の条件(1)〜(3)を満たす1種又は2種以上の2官能モノマを用いる方法が特に好適である。
(1) 2官能モノマは、パーフルオロアルキル基と、パーフルオロアルキル基に結合する合計2個の反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを含むものからなる。
(2) 反応性官能基A及び反応性官能基Bは、これらの反応によって、「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」を形成することが可能な官能基からなる。
(3) 1種又は2種以上の2官能モノマは、これらのいずれかに少なくとも1個の前記反応性官能基Aと、少なくとも1個の反応性官能基Bを含むものからなる。
2官能モノマを構成するパーフルオロアルキル基は、C−F結合を含み、かつC−H結合を含まないものであれば良い。この場合、「パーフルオロアルキル基」には、他の構造が含まれていても良い点、及び、耐酸化性、耐久性に優れた高分子電解質を得るためには、2官能モノマのパールフオロアルキル基は、C−F結合のみからなるものが特に好適である点は、上述したとおりである。
2官能モノマを構成するパーフルオロアルキル基の炭素数は、特に限定されるものではなく、高分子電解質に要求される特性、その用途等に応じて、任意に選択することができる。この場合、2官能モノマを構成するパーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなるほど、強度等に優れた高分子電解質が得られる点、及び、2官能モノマを構成するパーフルオロアルキル基の炭素数が小さくなるほど、高い電気伝導度を有する高分子電解質が得られる点は、上述した通りである。
合成に用いる2官能モノマは、パーフルオロアルキル基の炭素数が同一であるもののみを用いても良く、あるいは、パーフルオロアルキル基の炭素数が異なるものを組み合わせて用いても良い。この場合、2官能モノマの炭素数が大きくなるほど強度等に優れた高分子電解質が得られる点、2官能モノマの炭素数が小さくなるほど高い電気伝導度を有する高分子電解質が得られる点、及び、パーフルオロアルキル基の炭素数が相対的に大きい1種又は2種以上の2官能モノマと、パーフルオロアルキル基の炭素数が相対的に小さい1種又は2種以上の2官能モノマの双方を所定の比率で用いると、強度等に加えて、高い電気伝導性を有する高分子電解質が得られる点は、上述した通りである。
さらに、2官能モノマの分子構造は、特に限定されるものではなく、種々の構造を備えたものを用いることができる。この場合、2官能モノマの分子構造に応じて、種々の分子構造を備えた高分子電解質が得られる点、及び、分岐状の分子構造を持つ2官能モノマを用いる場合において、分岐部分(側鎖部分)の炭素数が所定の範囲にあると、電気伝導度、及び強度等に優れた高分子電解質が得られる点は、上述した通りである。
2官能モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bは、これらを直接反応させることにより、又は、適当な官能基変換を加えた後に反応させることによって、結果的にビススルホニルイミド基等の「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」を形成可能なものであれば良い。
このような反応性官能基A及び反応性官能基Bとしては、種々の組み合わせがある。中でも、反応性官能基Aが、−SOX、又は−COX(但し、Xは、F、Cl、Br、I、又はOH)(以下、これらを「ハライド系官能基」という)からなり、反応性官能基Bが、−SONZ、又は−CONZ(但し、Z、Zは、それぞれ、H、M、又はSiMe。Mは、金属イオン。)(以下、これらを「イミド系官能基」という)からなる組み合わせ、又は、その逆が好ましい。また、金属イオンMは、Li、K、Na等の1価の金属イオンが好ましい。
ハライド系官能基とイミド系官能基の組み合わせは、官能基変換を加えることなく、直接反応させることが容易である場合が多いので、反応性官能基A及び反応性官能基Bの組み合わせとして特に好適である。また、これらの官能基は、未反応のまま残った場合であっても、適当な処理を施すことによって、スルホン酸基又はカルボン酸基に変換できるので、高い電気伝導度を有する固体高分子電解質が得られる。
また、ハライド系官能基の中でも、XがF、Cl、Br又はIからなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。さらに、イミド系官能基の中でも、(Z、Z)の組み合わせが、(H、H)、(H、M)、(SiMe、M)、又は、(H、SiMe)からなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。
1分子の2官能モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bの総個数nは、2個であれば良い。また、2官能モノマは、反応性官能基A又は反応性官能基Bのいずれか一方のみが含まれるものであっても良く、あるいは、双方が含まれるものであっても良い。1分子の2官能モノマに2個の反応性官能基A(又は、反応性官能基B)が含まれる場合、これらの反応性官能基A(又は、反応性官能基B)は、同一種類の官能基(例えば、−SOXのみ)であっても良く、あるいは、異なる種類の官能基(例えば、−SOXと−COXの組み合わせ)であっても良い。
なお、合成に用いられる2官能モノマは、反応性官能基A又は反応性官能基Bのみを含むものであっても良く、あるいは、「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」又はその前駆体をさらに備えていても良い。「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」又はその前駆体としては、具体的には、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基等、及びこれらの誘導体が挙げられる。この場合、「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」又はその前駆体は、パーフルオロアルキル基のいずれかの部分に直接結合していても良く、あるいは、適当な原子団を介して結合していても良い。
このような2官能モノマとしては、種々のモノマがある。中でも、次の化1の式に示すモノマ(1)〜モノマ(6)、及び化2の式に示すモノマ(7)からモノマ(10)は、2官能モノマとして好適である。これらのモノマ(1)〜(10)は、分子内にC−F結合のみを含むので、耐熱性及び耐酸化性に優れた高分子電解質を合成することができる。
Figure 0004857523
Figure 0004857523
このような2官能モノマを用いて本発明に係る高分子電解質を合成する場合において、1種類の2官能モノマを用いるときには、2官能モノマは、1個の反応性官能基Aと、1個の反応性官能基Bとを備えている必要がある。また、2種以上の2官能モノマを用いるときには、これらのいずれかに、少なくとも1個の反応性官能基Aと、少なくとも1個の反応性官能基Bとを備えていればよい。
さらに、高分子鎖中に炭素数の異なるパーフルオロアルキル基を任意の比率で導入するためには、2種以上の2官能モノマを用い、かつ、これらのいずれかに、少なくとも2個の反応性官能基Aと、少なくとも2個の反応性官能基Bを備えていればよい。特に、3種以上の2官能モノマを用い、かつ、これらの内、少なくとも1つが2個の反応性官能基Aを備え、少なくとも1つが2個の反応性官能基Bを備えているものが好ましい。
例えば、1個のイミド系官能基(A)と、1個のハライド系官能基(B)とを備えた1種類の2官能モノマ(以下、これを「AB」と略記する)を用いる場合、2個の2官能モノマABを反応させると、1個目の2官能モノマABのイミド系官能基(A)と、2個目の2官能モノマABのハライド系官能基(B)とが反応し、「AB−AB」という構造を有するオリゴマが得られる。この場合、2官能モノマABの結合点には、1個のプロトン解離基「A−B」が形成される。
反応をさらに進行させると、オリゴマの端部にあるイミド系官能基(A)(又は、ハライド系官能基(B))に、それぞれ、新たな2官能モノマABのハライド系官能基(B)(又は、イミド系官能基(A))が結合し、結合点には、新たにプロトン解離基「A−B」が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された高分子電解質が得られる。
また、例えば、2個のイミド系官能基(A)を備えた2官能モノマ(以下、これを「AA」と略記する)と、1個のイミド系官能基(A)及び1個のハライド系官能基(B)を備えた2官能モノマABを用いる場合、まず、2官能モノマAAのイミド系官能基(A)と、2官能モノマABのハライド系官能基(B)とが反応し、「AB−AA−BA」という構造を有するオリゴマが得られる。この場合、2官能モノマAAと2官能モノマABの結合点には、それぞれ、1個のプロトン解離基「A−B」が形成される。
反応をさらに進行させると、オリゴマの端部にあるイミド系官能基(A)に、それぞれ、新たな2官能モノマABのハライド系官能基(B)が結合し、結合点には、新たにプロトン解離基「A−B」が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された高分子電解質が得られる。
また、例えば、2個のイミド系官能基(A)を備えた2官能モノマAAと、2個のハライド系官能基(B)を備えた2官能モノマ(以下、これを「BB」と略記する)を用いる場合、まず、2官能モノマAAのイミド系官能基(A)と、2官能モノマBBのハライド系官能基(B)とが反応し、「AA−BB」という構造を有するオリゴマが得られる。この場合、2官能モノマAAと2官能モノマBBの結合点には、1個のプロトン解離基「A−B」が形成される。
反応をさらに進行させると、オリゴマの端部にあるイミド系官能基(A)及びハライド系官能基(B)には、それぞれ、新たな2官能モノマBBのハライド系官能基(B)及び2官能モノマAAのイミド系官能基(B)が結合し、結合点には、それぞれ、新たにプロトン解離基「A−B」が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された高分子電解質が得られる。
また、例えば、1個のイミド系官能基(A)及び1個のハライド系官能基(B)とを備えた2官能モノマABと、1個のイミド系官能基(A’)及び1個のハライド系官能基(B’)を有し、かつ2官能モノマABとは分子構造(炭素数)の異なる2官能モノマ(以下、これを「A’B’」と略記する)を用いる場合、まず、2官能モノマABのハライド系官能基(B)と、2官能モノマA’B’のイミド系官能基(A’)とが反応し、「AB−A’B’」という構造を有するオリゴマが得られる。この場合、2官能モノマABと2官能モノマA’B’の結合点には、1個のプロトン解離基「B−A’」が形成される。
反応をさらに進行させると、オリゴマの端部にあるイミド系官能基(A)には、2官能モノマABのハライド系官能基(B)又は2官能モノマA’B’のハライド系官能基(B’)が結合し、結合点には、新たにプロトン解離基「A−B」又は「A−B’」が形成される。同様に、オリゴマの端部にあるハライド系官能基(B’)には、2官能モノマABのイミド系官能基(A)又は2官能モノマA’B’のイミド系官能基(A’)が結合し、結合点には、新たにプロトン解離基「A−B’」又は「A’−B’」が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された高分子電解質が得られる。
また、例えば、2個のイミド系官能基(A)を備えた2官能モノマAA、2個のハライド系官能基(B)を備えた2官能モノマBB、及び、2個のハライド系官能基(B’)を備え、かつ2官能モノマBBとは分子構造(炭素数)の異なる2官能モノマ(以下、これを「B’B’」と略記する)の3種類のモノマを用いる場合、まず、2官能モノマAAと2官能モノマBBとが反応し、「AA−BB」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応を続行させると、オリゴマの端部にあるイミド系官能基(A)には、2官能モノマBB又は2官能モノマB’B’が結合し、また、オリゴマの端部にあるハライド系官能基(B)には、2官能モノマAAが結合し、「BB−AA−BB−AA」又は「B’B’−AA−BB−AA」という構造を有するオリゴマが得られる。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、プロトン解離基間がパーフルオロアルキル基で連結された高分子電解質が得られる。4種類以上の2官能モノマを用いる場合も同様である。
2種以上の2官能モノマを用いる場合、2官能モノマに含まれる反応性官能基Aのモル数と、反応性官能基Bのモル数とが同一となるように2官能モノマを配合すると、理想的には、ほぼすべての反応性官能基A及び反応性官能基Bからプロトン解離基を生成させることができる。しかしながら、2官能モノマに含まれる反応性官能基Aと反応性官能基Bのモル数は、完全に同数である必要はなく、いずれか一方に過不足があっても良い。
但し、反応性官能基Aと反応性官能基Bの比率が理論値から大きく乖離すると、高分子電解質内部に未反応のモノマ又は低分子量のオリゴマが残留し、使用中にこれらのモノマ又はオリゴマが溶出するおそれがあるので好ましくない。
このような2官能モノマは、市販されているか、あるいは、これらに類似する分子構造を有する市販のモノマを出発原料に用い、これに対して公知の方法を用いて所定の官能基変換を行うことにより合成することができる。例えば、オリゴマ化したTFE(テトラフルオロエチレン)とヨウ素とを反応させ、I−C2n−Iを得る。次いで、−IをNaで−SONaに変え、これをClで−SOClに変える。さらに、KFにより−SOClを−SOFに変えると、モノマの1つが得られる。また、−SOFをさらにアンモニアで−SONHに変えると、他のモノマの1つが得られる。
次に、本発明に係る高分子電解質の製造方法について説明する。本発明に係る高分子電解質は、上述した1種又は2種以上の2官能モノマを反応させることにより合成することができる。
この場合、2官能モノマは、そのまま反応させても良く、あるいは、適当な官能基変換を行った後に反応させても良い。また、1種又は2種以上の2官能モノマは、これらを溶解可能な溶媒中に溶解させた状態で反応させるのが好ましい。溶媒は、2官能モノマの種類に応じて、最適なものを選択すれば良く、特に限定されるものではない。また、溶液中に含まれる2官能モノマの濃度も特に限定されるものではなく、2官能モノマの種類に応じて最適なものを選択すればよい。
また、2官能モノマを反応させる際、これに対し、反応性官能基Aと反応性官能基Bの反応速度を大きくする(すなわち、触媒作用を有する)試薬を加えても良い。このような試薬としては、具体的には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、DBU(ジアザバイシクロウンデセン)等の塩基性化合物が好適である。触媒作用を有する試薬の量は、高分子電解質の用途、要求特性等に応じて最適な量を選択する。試薬の量を最適化すると、混合液の粘度を調節することができる。
次に、このようにして調製された混合液を、適当な容器に流し込む。例えば、膜状の電解質を作製する場合には、浅い容器に少量の混合液を流し込んで膜化し、この状態で反応させればよい。この時、流し込む混合液の量を調製することによって、膜厚を調製することができる。また、例えば、塊状の電解質を作製する場合には、深い容器に多量の混合液を流し込み、そのまま反応させればよい。
また、多孔膜で補強された複合電解質膜を作製する場合には、浅い容器の底に多孔膜を配置し、その上から少量の混合液を流し込み、多孔膜内部に混合液を含浸させれば良い。また、混合液に触媒作用を有する試薬が含まれている場合、既に混合液内部で反応がある程度進行し、混合液の粘度が増加している場合がある。このような混合液を用いて複合電解質膜を作製する場合には、多孔膜の上から少量の混合液を流し込んだ後、圧力を加えて、混合液を多孔膜内部に圧入すればよい。この時、混合液の粘度及び/又は圧力を調節することによって、多孔質膜内部に混合液を均一に充填したり、あるいは、混合液を部分的に充填することが可能となる。
2官能モノマの反応は、加水分解等の変質を防ぐために、Ar、N等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。また、反応温度、反応時間、及び反応時の圧力は、特に限定されるものではなく、2官能モノマの種類、混合液の濃度、触媒作用を有する試薬の種類及び量等に応じて最適な値を選択する。
反応が完了したところで、得られた高分子を容器から取り出し、結合点及び未反応の反応性官能基A及び反応性官能基Bを酸性基に変換する。酸性基に変換する方法としては、種々の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。具体的には、合成された高分子を硝酸等の酸で処理してプロトン化する方法、合成された高分子をアルカリ溶液でケン化し、次いで酸で処理してプロトン化する方法等が好適である。
次に、本発明に係る高分子電解質の作用について説明する。一般に、パーフルオロアルキル基を備えたパーフルオロ系電解質は、炭化水素基を備えた炭化水素系電解質に比べて、過酸化物ラジカルに対する耐性が高く、熱及び酸化に対して化学的に極めて安定であることが知られている。
一方、スルホン酸基等の「主鎖の一部を構成しないプロトン解離基」は、パーフルオロアルキル基に結合している場合であっても、使用条件が過酷になると、熱及び酸化によって劣化する場合がある。これに対し、ビススルホンイミド基等の「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」は、その原因の詳細は不明であるが、その両端がパーフルオロアルキル基で連結されることによって、熱及び酸化に対して化学的に安定化する。これらの点は、本願発明者らが初めて見出したものである。
本発明に係る高分子電解質は、熱及び酸化に対して化学的に安定なパーフルオロアルキル基と、熱及び酸化に対して化学的に安定なビススルホンイミド基等の「主鎖の一部を構成するプロトン解離基」で構成されているので、熱及び酸化に対して高い耐性を示す。
また、スルホンイミド基等のプロトン解離基は強酸性基であり、水中では完全解離状態である。そのため、パーフルオロアルキル鎖が短くなるほど(パーフルオロアルキル基の炭素数が小さくなるほど)水溶性が高くなり、高分子電解質が軟化、変形、溶解等しやすくなる。これに対し、パーフルオロアルキル鎖の一部に、その長さが相対的に長いもの(炭素数が相対的に大きいもの)が含まれている場合には、軟化、変形、溶解等に対する耐性が向上する。しかも、この傾向は、長いパーフルオロアルキル鎖(炭素数の大きいパーフルオロアルキル基)の比率が高くなるほど、大きくなる。
一方、パーフルオロアルキル鎖が長すぎる場合、スルホンイミド基等のプロトン解離基は、高分子電解質中に孤立分散した状態で存在する。そのため、高分子電解質中にプロトン伝導パスが形成されず、電気伝導度が低くなる。これに対し、相対的に長さの短いパーフルオロアルキル鎖を高分子電解質中に存在させると、プロトン解離基が集合して導電パスを形成することができ、高分子電解質の電気伝導度を著しく向上させることができる。
従って、パーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなるほど、及び/又は、相対的に炭素数の大きなパーフルオロアルキル基の比率が大きくなるほど、強度等に優れた高分子電解質が得られる。また、パーフルオロアルキル基の炭素数が小さくなるほど、及び/又は、相対的に炭素数の小さなパーフルオロアルキル基の比率が大きくなるほど、電気伝導性に優れた高分子電解質が得られる。さらに、相対的に炭素数の大きなパーフルオロアルキル基と相対的に炭素数の小さなパーフルオロアルキル基との比率を最適化すると、高い強度等と高い電気伝導度とを両立させることができる。
また、高分子電解質が直鎖状の分子構造を備えている場合、結晶性が高くなるので、強度等が向上する。しかしながら、鎖の運動性が低いので、電気伝導性が低下する場合がある。これに対し、パーフルオロアルキル鎖の少なくとも一部に、所定の長さの側鎖を導入すると、パーフルオロアルキル鎖の運動性が向上し、高い強度等を維持したまま、電気伝導度をより高めることができる。
さらに、このような高分子電解質は、比較的単純な構造を有するモノマを出発原料として合成することができる。そのため、ナフィオン(登録商標)に代表される従来のパーフルオロ系電解質に比べて、低コストである。
(実施例1)
パーフルオロプロピルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)1mmol(316mg)と、パーフルオロプロピルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)1mmol(310mg)と、フッ化カリウム4mmol(232mg)と、トリエチルアミン4mmol(404mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ1を得た。さらに、ポリマ1を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例2)
パーフルオロドデシルジスルホニルフロリド(FOS(CF)12SOF)0.5mmol(316mg)と、パーフルオロプロピルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(155mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ2を得た。さらに、ポリマ2を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例3)
パーフルオロドデシルジスルホニルフロリド(FOS(CF)12SOF)0.2mmol(153mg)と、パーフルオロプロピルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(155mg)と、 パーフルオロプロピルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.3mmol(95mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ3を得た。さらに、ポリマ3を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例4)
パーフルオロドデシルジスルホニルフロリド(FOS(CF)12SOF)0.5mmol(383mg)と、パーフルオロドデシルジスルホニルアミド(HNOS(CF)12SONH)0.5mmol(380mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ4を得た。さらに、ポリマ4を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例5)
パーフルオロペンチルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.5mmol(208mg)と、パーフルオロペンチルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(205mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ5を得た。さらに、ポリマ5を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例6)
パーフルオロプロピルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.5mmol(158mg)と、パーフルオロオクチルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(280mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ6を得た。さらに、ポリマ6を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例7)
パーフルオロオクチルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.2mmol(113mg)と、パーフルオロプロピルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(155mg)と、パーフルオロプロピルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.3mmol(95mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ7を得た。さらに、ポリマ7を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例8)
パーフルオロオクチルジスルホニルフロリド(FOS(CF)SOF)0.5mmol(283mg)と、パーフルオロオクチルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(280mg)と、フッ化カリウム2mmol(116mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ8を得た。さらに、ポリマ8を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例9)
パーフルオロオクチルジカルボニルフロリド(ClOC(CF)COCl)0.5mmol(263mg)と、パーフルオロオクチルジスルホニルアミド(HNOS(CF)SONH)0.5mmol(280mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ9を得た。さらに、ポリマ9を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(実施例10)
パーフルオロオクチルジカルボニルフロリド(ClOC(CF)COCl)0.5mmol(263mg)と、パーフルオロオクチルジカルボニルアミド(HNOC(CF)CONH)0.5mmol(243mg)と、トリエチルアミン2mmol(202mg)とをアセトニトリルを溶媒として、オートクレーブ中、撹拌下に100℃で3時間反応させた。反応終了後、放冷し、反応物をエタノールにあけ、ろ過した。次いで、反応物をエタノールで洗浄し、真空乾燥してポリマ10を得た。さらに、ポリマ10を200℃でホットプレスし、膜を得た。
(比較例1)
市販のナフィオン(登録商標)膜(Nafion117)をそのまま試験に供した。
実施例1〜10及び比較例1で得られた膜について、水溶解性、熱変形、導電率、及び耐久性を評価した。なお、水溶解性は、少量のポリマを水に加え、1時間加熱還流した後に溶解したか否かで判断した。熱変形は、厚さ100μmの膜を0.5cm幅に切断し、膜に100℃で0.8MPaの引張荷重を1分間かけたときの伸びで評価した。導電率は、水中において二端子法を用いて、膜面に平行方向に測定した値を用いた。さらに、耐久性は、フェントン試験で評価した。すなわち、4ppmのFeイオンを含む3%過酸化水素水中に膜を入れ、煮沸4時間を3回繰り返し、膜を水洗、真空乾燥し、前後の膜重量変化を測定した。表1に、その結果を示す。
Figure 0004857523
ナフィオン(登録商標)膜の場合、フェントン試験による重量減少は、15%であった。これに対し、実施例2〜4、及び実施例6〜10で得られた膜の場合、フェントン試験による重量減少は、いずれも5%以下であり、耐酸化性に優れていることがわかった。これは、ビススルホンイミド基等のプロトン解離基の化学的安定性がスルホン酸基より高いためと考えられる。なお、実施例1及び5のポリマは、水に対して完全に溶解したため、フェントン試験による重量減少を測定できなかった。
また、実施例1〜8で得られたポリマは、パーフルオロアルキル基の炭素数が大きくなるほど、及び/又は、炭素数の大きいパーフルオロアルキル基の比率が大きくなるほど、水に対する溶解性が低下し、100℃における熱変形が小さくなり、かつ導電率が減少する傾向を示した。表1より、プロトン解離基がビススルホンイミド基である場合において、パーフルオロアルキル基の炭素数及びその比率を最適化すると、ナフィオン(登録商標)膜と同等以上の導電率を有し、かつ、ナフィオン(登録商標)膜と同等以上の熱変形抵抗を示すポリマが得られることがわかる。
さらに、実施例9、10で得られた膜の場合、プロトン解離基がビススルホンイミド基より酸性度の小さいスルホンカルボンイミド基又はビスカルボンイミド基であるため、導電率は、ナフィオン(登録商標)膜より低い値を示した。しかしながら、これらのポリマは、水に対して溶解せず、かつ、ナフィオン(登録商標)膜より優れた熱変形抵抗と耐酸化性を示すことがわかった。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係る高分子電解質は、固体高分子型燃料電池用の電解質膜及び触媒層内電解質として特に好適であるが、本発明の用途はこれに限定されるものではなく、各種電気化学デバイスに用いられる電解質膜、触媒層内電解質等としても使用することができる。

Claims (5)

  1. 主鎖の一部を構成するプロトン解離基と、前記主鎖の一部を構成し、かつ前記プロトン解離基間を連結するパーフルオロアルキル基とを備え、
    前記プロトン解離基は、ビススルホンイミド基(−SONHSO−)、スルホンカルボンイミド基(−SONHCO−)、及びビスカルボンイミド基(−CONHCO−)から選ばれる少なくとも1つであり、その両端が前記パーフルオロアルキル基で連結され、
    該主鎖間が架橋されていないものであって、
    前記パーフルオロアルキル基の炭素数は20以下であり、前記パーフルオロアルキル基の一部の炭素数は8以上20以下である高分子電解質。
  2. 前記パーフルオロアルキル基の一部の炭素数は7以下である請求項1に記載の高分子電解質。
  3. 前記パーフルオロアルキル基の全部の炭素数は8以上20以下である請求項1に記載の高分子電解質。
  4. 前記パーフルオロアルキル基は、側鎖を有するものを含む請求項1から3のいずれか1項に記載の高分子電解質。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の高分子電解質を用いた高分子電解質膜。
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