JP2005060516A - フッ素系イオン交換膜 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池運転における長期耐久性に優れたフッ素系イオン交換膜の提供。
【解決手段】膜厚が1〜500μm、含水率が20wt%以上、かつ、緩和膨潤圧が15kPa以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。更に,膨潤圧低下率が40%以下であり,エルメンドルフ引裂強度が4g以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。
【選択図】 なし
【解決手段】膜厚が1〜500μm、含水率が20wt%以上、かつ、緩和膨潤圧が15kPa以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。更に,膨潤圧低下率が40%以下であり,エルメンドルフ引裂強度が4g以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。
【選択図】 なし
Description
本発明は、フッ素系イオン交換膜に関し、特に、固体高分子電解質型燃料電池の電解質、かつ、隔膜としての使用に適したフッ素系イオン交換膜に関するものである。
燃料電池は、水素、メタノールなどの燃料を電気化学的に酸化することによって、電気エネルギーを取り出す一種の発電装置であり、近年、クリーンなエネルギー供給源として注目されている。燃料電池は、用いる電解質の種類によってリン酸型、溶融炭酸塩型、固体酸化物型、固体高分子電解質型などに分類される。このうち、固体高分子電解質型燃料電池は、標準的な作動温度が100℃以下と低く、かつ、エネルギー密度が高いことから、電気自動車などの電源として幅広い応用が期待されている。
固体高分子電解質型燃料電池の基本構成は、イオン交換膜とその両面に接合された一対のガス拡散電極からなり、一方の電極に水素、他方に酸素を供給し、両電極間を外部負荷回路へ接続することによって発電させるものである。より具体的には、水素側電極でプロトンと電子が生成され、プロトンは、イオン交換膜の内部を移動して酸素側電極に達したあと、酸素と反応して水を生成する。一方、水素側電極から導線を伝って流れ出した電子は、外部負荷回路において電気エネルギーが取り出されたあと、さらに導線を伝って酸素側電極に達し、前記水生成反応の進行に寄与する。
イオン交換膜の要求特性としては、第一に高いイオン伝導性が上げられる。プロトンがイオン交換膜の内部を移動する際は、水分子が水和することによって安定化すると考えられるため、イオン伝導性と共に高い含水性と水分散性も重要な要求特性となっている。また、イオン交換膜は、水素と酸素の直接反応を防止するバリアとしての機能を担うため、ガスに対する低透過性が要求される。その他の要求特性としては、燃料電池運転中の強い酸化雰囲気に耐えるための化学的安定性、さらなる薄膜化に耐えうる機械強度などを挙げることができる。
固体高分子電解質型燃料電池に使用されるイオン交換膜の材質には、高い化学的安定性を有することからフッ素系イオン交換樹脂が広く用いられている。中でも、主鎖がパーフルオロカーボンで、側鎖末端にスルホン酸基を有するデュポン社製の「ナフィオン(登録商標)」が広く用いられている。こうしたフッ素系イオン交換樹脂は、固体高分子電解質材料として概ねバランスのとれた特性を有するが、当該電池の実用化が進むにつれて、さらなる物性の改善が要求されるようになってきた。
燃料電池の長期耐久性に関しては、その要因として、例えば、高温高湿状態における機械強度との関連が示唆されている。イオン交換膜の機械強度を向上する手段として、従来からいくつかの方法が提案されている。
燃料電池の長期耐久性に関しては、その要因として、例えば、高温高湿状態における機械強度との関連が示唆されている。イオン交換膜の機械強度を向上する手段として、従来からいくつかの方法が提案されている。
特許文献1および2には、PTFE微多孔膜にフッ素系イオン交換樹脂の水溶液を含浸させたフッ素系イオン交換膜が開示されている。通常のフッ素系イオン交換膜は高い含水率を持つため、高温高湿状態では機械強度が大きく低下するが、前記特許文献においては、強固なPTFE微多孔膜の微細孔内部にフッ素系イオン交換樹脂を支持することにより、高温高湿状態でも高い機械強度を維持している。しかしながら、元来、水溶液として存在していたフッ素系イオン交換樹脂であるため、高温高湿状態で長期にわたって安定に存在し得ないという問題があった。
すなわち、従来技術は、高温高湿状態における機械強度、ひいては長期耐久性を向上する手段としては不十分であり、産業上有用な燃料電池用イオン交換膜とはなり得ていなかった。
すなわち、従来技術は、高温高湿状態における機械強度、ひいては長期耐久性を向上する手段としては不十分であり、産業上有用な燃料電池用イオン交換膜とはなり得ていなかった。
本発明は、長期耐久性に優れたフッ素系イオン交換膜を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、高い含水率に加えて高い緩和膨潤圧を併せ持つフッ素系イオン交換膜が、燃料電池の運転において良好な長期耐久性を発現すること、さらに前記フッ素系イオン交換膜の具体的な製造方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) 膜厚が1〜500μm、含水率が20wt%以上、かつ、緩和膨潤圧が15kPa以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。
(2) 膨潤圧低下率が40%以下であることを特徴とする(1)に記載のフッ素系イオン交換膜。
(3) エルメンドルフ引裂強度が4g以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のフッ素系イオン交換膜。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載のフッ素系イオン交換膜を備えた膜電極接合体。
(5) (5)に記載のフッ素系イオン交換膜を備えた固体高分子電解質型燃料電池。
(1) 膜厚が1〜500μm、含水率が20wt%以上、かつ、緩和膨潤圧が15kPa以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。
(2) 膨潤圧低下率が40%以下であることを特徴とする(1)に記載のフッ素系イオン交換膜。
(3) エルメンドルフ引裂強度が4g以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載のフッ素系イオン交換膜。
(4) (1)〜(3)のいずれか1つに記載のフッ素系イオン交換膜を備えた膜電極接合体。
(5) (5)に記載のフッ素系イオン交換膜を備えた固体高分子電解質型燃料電池。
本発明によると、高温高湿状態で優れた長期耐久性を有するフッ素系イオン交換膜を提供することができる。このイオン交換膜は、特に燃料電池用イオン交換膜に極めて適した性質を有する。
以下、本発明を詳細に説明する。
一般的に、フッ素系イオン交換膜は、含水率が高いものほど優れたプロトン伝導性を発現する。本発明者らは、このような高含水率膜について鋭意研究を進めていたところ、多種多様な高含水率膜の中で、特定の高含水率膜のみが優れた長期耐久性を発現することを見出した。この特定の高含水率膜についてさらに詳細に検討したところ、通常は含水率が高いほど緩和膨潤圧が低くなるにもかかわらず、長期耐久性に優れた膜は、高含水率でありながら高い緩和膨潤圧を有することを見出した。
一般的に、フッ素系イオン交換膜は、含水率が高いものほど優れたプロトン伝導性を発現する。本発明者らは、このような高含水率膜について鋭意研究を進めていたところ、多種多様な高含水率膜の中で、特定の高含水率膜のみが優れた長期耐久性を発現することを見出した。この特定の高含水率膜についてさらに詳細に検討したところ、通常は含水率が高いほど緩和膨潤圧が低くなるにもかかわらず、長期耐久性に優れた膜は、高含水率でありながら高い緩和膨潤圧を有することを見出した。
本発明における「膨潤圧」とは、乾燥状態のフッ素系イオン交換膜を2枚の平板で挟んで平板間距離を固定したあと、フッ素系イオン交換膜の四方から水を注入した際、水を吸収して膨潤したフッ素系イオン交換膜が平板を押し広げる方向に作用する圧力を言う。
フッ素系イオン交換膜が理想的な弾性体である場合は一定の膨潤圧を維持するが、通常は、経時的に塑性変形を起こすため膨潤圧が低下する。本発明においては、水の吸収が始まってから600秒以内の最大の膨潤圧を最大膨潤圧S1、水の吸収が始まってから1200秒以内の最小の膨潤圧を緩和膨潤圧S2と定義する。また、最大膨潤圧S1と緩和膨潤圧S2より、膨潤圧低下率D(%)=[(S1−S2)/S1]×100を定義する。これらの数値を用いることにより、含水に伴う経時的な塑性変形の起こり易さを適格に把握することが可能である。
フッ素系イオン交換膜が理想的な弾性体である場合は一定の膨潤圧を維持するが、通常は、経時的に塑性変形を起こすため膨潤圧が低下する。本発明においては、水の吸収が始まってから600秒以内の最大の膨潤圧を最大膨潤圧S1、水の吸収が始まってから1200秒以内の最小の膨潤圧を緩和膨潤圧S2と定義する。また、最大膨潤圧S1と緩和膨潤圧S2より、膨潤圧低下率D(%)=[(S1−S2)/S1]×100を定義する。これらの数値を用いることにより、含水に伴う経時的な塑性変形の起こり易さを適格に把握することが可能である。
本発明のフッ素系イオン交換膜が、燃料電池運転において優れた長期耐久性を発現する理由は明らかではないが、例えば、燃料電池内部の、電極、バイポーラプレート、ガスケットなどで拘束されたフッ素系イオン交換膜が水で膨潤する際、高い緩和膨潤圧を有する膜は経時的な塑性変形が少ないため、微小欠陥の発生を効果的に回避することにより、優れた長期耐久性を発現したのではないかと考えられる。
すなわち、本発明のフッ素系イオン交換膜は20wt%以上の含水率と15kPa以上の緩和膨潤圧を有することを特徴とする。
すなわち、本発明のフッ素系イオン交換膜は20wt%以上の含水率と15kPa以上の緩和膨潤圧を有することを特徴とする。
本発明者らは、高い含水率と緩和膨潤圧を有するフッ素系イオン交換膜の製造方法について鋭意検討したところ、例えば、1)高分子量のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、2)高結晶性のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、3)各種架橋を施す、4)各種補強を施す、などの技術を、単独または複合して用いることにより製造可能であることを見出した。
なお、これらの技術そのものは、従来、一般的な技術内容が開示されているだけであって、本発明が目的とする高い含水率と緩和膨潤圧を有するフッ素系イオン交換膜の製造方法には何ら開示されていない。したがって、本発明の構成要件を満足し、かつ、本発明が目的とする長期耐久性を有するフッ素系イオン交換膜は従来存在しなかった。
なお、これらの技術そのものは、従来、一般的な技術内容が開示されているだけであって、本発明が目的とする高い含水率と緩和膨潤圧を有するフッ素系イオン交換膜の製造方法には何ら開示されていない。したがって、本発明の構成要件を満足し、かつ、本発明が目的とする長期耐久性を有するフッ素系イオン交換膜は従来存在しなかった。
(原料ポリマー)
イオン交換膜は、溶融成形性(熱可塑性)を有するイオン交換樹脂前駆体を膜状に成形したあと、加水分解処理によりにイオン交換基を生成させることによって作成できる。
本発明におけるフッ素系イオン交換樹脂前駆体は、化学式(1)で表されるフッ化ビニル化合物と、
CF2=CF−O(OCF2CFLO)n−(CF2)m−W (1)
(式中、Lは、F原子または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、nは、0〜3の整数、mは、1〜3の整数、Wは、加水分解によりCO2HまたはSO3Hに転換しうる官能基である)
化学式(2)でで表されるフッ化オレフィン
CF2=CFZ (2)
(式中、Zは、H、Cl、Fまたは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である)
との、少なくとも二元共重合体からなる。
イオン交換膜は、溶融成形性(熱可塑性)を有するイオン交換樹脂前駆体を膜状に成形したあと、加水分解処理によりにイオン交換基を生成させることによって作成できる。
本発明におけるフッ素系イオン交換樹脂前駆体は、化学式(1)で表されるフッ化ビニル化合物と、
CF2=CF−O(OCF2CFLO)n−(CF2)m−W (1)
(式中、Lは、F原子または炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基、nは、0〜3の整数、mは、1〜3の整数、Wは、加水分解によりCO2HまたはSO3Hに転換しうる官能基である)
化学式(2)でで表されるフッ化オレフィン
CF2=CFZ (2)
(式中、Zは、H、Cl、Fまたは炭素数1〜3のパーフルオロアルキル基である)
との、少なくとも二元共重合体からなる。
加水分解によりCO2HまたはSO3Hに転換しうる官能基としては、SO2F、SO2Cl、SO2Br、COF、COCl、COBr、CO2CH3、CO2C2H5が好ましい。例えば、化学式(1)および(2)において、L=CF3、W=SO2FまたはCO2CH3、Z=Fからなるフッ素系イオン交換樹脂前駆体が広く用いられている。本発明においては、n=0、m=2、W=SO2F、Z=Fからなるフッ素系イオン交換樹脂前駆体を用いることが好ましい。
このようなフッ素系イオン交換樹脂前駆体は、公知の手段により合成できる。例えば、含フッ素炭化水素などの重合溶剤を使用し、上記フッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスを充填溶解して反応させ重合する方法(溶液重合)、フロンなどの溶媒を使用せずフッ化ビニル化合物そのものを重合溶剤として重合する方法(塊状重合)、界面活性剤の水溶液を媒体として、フッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスとを充填して反応させ重合する方法(乳化重合)、界面活性剤およびアルコールなどの助乳化剤の水溶液に、フッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスを充填乳化して反応させ重合する方法(ミニエマルジョン重合、マイクロエマルジョン重合)、懸濁安定剤の水溶液にフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンのガスを充填懸濁して反応させ重合する方法(懸濁重合)などが挙げられる。
本発明においては、いずれの重合方法で作成されたものも使用することができる。溶液重合の重合溶剤に使用する含フッ素炭化水素としては、例えば、トリクロロトリフルオロエタン、1112344555−デカフロロペンタンなど、「フロン」と総称される化合物群を好適に使用することができる。
(メルトインデックス)
フッ素系イオン交換樹脂前駆体の重合度は、適切な溶媒が存在しないため、一般に測定が困難であるとされている。本発明においては、フッ素系イオン交換樹脂前駆体の重合度の指標としてメルトインデックスを使用することができる。メルトインデックスは、原材料であるフッ素系イオン交換樹脂前駆体で、かつ、補強材などが添加されてい状態において0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上が最も好ましい。メルトインデックスの上限は限定されないが、100以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下が最も好ましい。メルトインデックスが0.01未満または100を越える場合は、成型加工が困難になる場合がある。
フッ素系イオン交換樹脂前駆体の重合度は、適切な溶媒が存在しないため、一般に測定が困難であるとされている。本発明においては、フッ素系イオン交換樹脂前駆体の重合度の指標としてメルトインデックスを使用することができる。メルトインデックスは、原材料であるフッ素系イオン交換樹脂前駆体で、かつ、補強材などが添加されてい状態において0.01以上が好ましく、0.1以上がより好ましく、0.3以上が最も好ましい。メルトインデックスの上限は限定されないが、100以下が好ましく、10以下がより好ましく、5以下が最も好ましい。メルトインデックスが0.01未満または100を越える場合は、成型加工が困難になる場合がある。
(当量重量)
本発明のフッ素系イオン交換膜の当量重量(EW)は限定されないが、400〜1400が好ましく、より好ましくは600〜1200である。当量重量が大きすぎるとイオン交換基の密度が低くなるため、高い含水率を達成するのが困難な場合があり、イオン伝導度も低下する。当量重量が低すぎると強度の低下が起きやすくなる。一般的に、当量重量が1000を越えると、300℃〜350℃の間に発熱ピークを生成する場合がある。このような発熱ピークのエンタルピーは当量重量とともに大きくなる傾向がある。
本発明のフッ素系イオン交換膜の当量重量(EW)は限定されないが、400〜1400が好ましく、より好ましくは600〜1200である。当量重量が大きすぎるとイオン交換基の密度が低くなるため、高い含水率を達成するのが困難な場合があり、イオン伝導度も低下する。当量重量が低すぎると強度の低下が起きやすくなる。一般的に、当量重量が1000を越えると、300℃〜350℃の間に発熱ピークを生成する場合がある。このような発熱ピークのエンタルピーは当量重量とともに大きくなる傾向がある。
(膜厚)
本発明のフッ素系イオン交換膜の膜厚は1〜500μmであり、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。膜厚が1μm未満の場合は、水素や酸素の拡散により前記のような不都合が発生し、更に、燃料電池製造時の取り扱いや燃料電池運転中の差圧・歪みなどによって膜が損傷する。膜厚が500μmを越えると、一般にイオン透過性が低いため、イオン交換膜として十分な性能を持たない。
本発明のフッ素系イオン交換膜の膜厚は1〜500μmであり、好ましくは5〜100μm、より好ましくは10〜50μmである。膜厚が1μm未満の場合は、水素や酸素の拡散により前記のような不都合が発生し、更に、燃料電池製造時の取り扱いや燃料電池運転中の差圧・歪みなどによって膜が損傷する。膜厚が500μmを越えると、一般にイオン透過性が低いため、イオン交換膜として十分な性能を持たない。
(含水率)
本発明のフッ素系イオン交換膜の含水率は20wt%以上、好ましくは30wt%以上、より好ましくは40wt%以上、最も好ましくは50wt%以上である。含水率が20wt%未満では、プロトン伝導性が低くなる。含水率の上限は限定されないが、90wt%を越えると機械強度が低下する場合がある。
本発明のフッ素系イオン交換膜の含水率は20wt%以上、好ましくは30wt%以上、より好ましくは40wt%以上、最も好ましくは50wt%以上である。含水率が20wt%未満では、プロトン伝導性が低くなる。含水率の上限は限定されないが、90wt%を越えると機械強度が低下する場合がある。
(緩和膨潤圧)
本発明のフッ素系イオン交換膜の緩和膨潤圧は15kPa以上、好ましくは20kPa以上、より好ましくは30kPa以上、更に好ましくは40kPa以上、最も好ましくは50kPa以上である。緩和膨潤圧が15kPa未満では、高い長期耐久性が得られない。緩和膨潤圧の上限は限定されないが、1MPaを越えると燃料電池スタックに高い機械強度が必要になる場合がある。
本発明のフッ素系イオン交換膜の緩和膨潤圧は15kPa以上、好ましくは20kPa以上、より好ましくは30kPa以上、更に好ましくは40kPa以上、最も好ましくは50kPa以上である。緩和膨潤圧が15kPa未満では、高い長期耐久性が得られない。緩和膨潤圧の上限は限定されないが、1MPaを越えると燃料電池スタックに高い機械強度が必要になる場合がある。
(膨潤圧低下率)
本発明のフッ素系イオン交換膜の膨潤圧低下率は40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下である。膨潤圧低下率が40%を越えると、高い長期耐久性が得られにくくなる場合がある。膨潤低下率の下限は限定されない。
本発明のフッ素系イオン交換膜の膨潤圧低下率は40%以下が好ましく、より好ましくは30%以下、更に好ましくは20%以下、最も好ましくは10%以下である。膨潤圧低下率が40%を越えると、高い長期耐久性が得られにくくなる場合がある。膨潤低下率の下限は限定されない。
(引裂強度)
フッ素系イオン交換膜に生じる欠陥としては、前記のような塑性変形によって生じる微小欠陥に加えて、物理的な破壊(引張応力、圧縮応力、せん断応力など)によって生じる比較的大きな欠陥が考えられる。このうち、圧縮応力やせん断応力による破壊は、膜の端部やバイポーラプレートの流路に沿って発生しやすいと考えられるため、本発明のフッ素系イオン交換膜は、高い含水率と緩和膨潤圧に加え、高い引裂強度を併せ持つことが好ましい。
本発明のフッ素系イオン交換膜のエルメンドルフ引裂強度は4g以上が好ましく、10g以上がより好ましく、15g以上が更に好ましく、20g以上がより更に好ましく、30g以上が最も好ましい。引裂強度が4g未満では、高い長期耐久性が得られにくい場合がある。引裂強度の上限は限定されない。
フッ素系イオン交換膜に生じる欠陥としては、前記のような塑性変形によって生じる微小欠陥に加えて、物理的な破壊(引張応力、圧縮応力、せん断応力など)によって生じる比較的大きな欠陥が考えられる。このうち、圧縮応力やせん断応力による破壊は、膜の端部やバイポーラプレートの流路に沿って発生しやすいと考えられるため、本発明のフッ素系イオン交換膜は、高い含水率と緩和膨潤圧に加え、高い引裂強度を併せ持つことが好ましい。
本発明のフッ素系イオン交換膜のエルメンドルフ引裂強度は4g以上が好ましく、10g以上がより好ましく、15g以上が更に好ましく、20g以上がより更に好ましく、30g以上が最も好ましい。引裂強度が4g未満では、高い長期耐久性が得られにくい場合がある。引裂強度の上限は限定されない。
(イオン交換膜の製造方法)
以下に、本発明のフッ素系イオン交換膜の製造方法について説明する。前に述べたとおり、高い緩和膨潤圧を有するフッ素系イオン交換膜は、例えば、1)高分子量のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、2)高結晶性のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、3)各種架橋を施す、4)各種補強を施す、など、膨潤時のフッ素系イオン交換膜の流動を妨げるのに有効と考えられる手段であれば、任意の手段を用いて製造することができる。このうち、3)および4)の手段が好ましく、4)の手段がより好ましい。
以下に、本発明のフッ素系イオン交換膜の製造方法について説明する。前に述べたとおり、高い緩和膨潤圧を有するフッ素系イオン交換膜は、例えば、1)高分子量のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、2)高結晶性のフッ素系イオン交換樹脂を用いる、3)各種架橋を施す、4)各種補強を施す、など、膨潤時のフッ素系イオン交換膜の流動を妨げるのに有効と考えられる手段であれば、任意の手段を用いて製造することができる。このうち、3)および4)の手段が好ましく、4)の手段がより好ましい。
3)の架橋手段としては、公知の手段を用いることができるが、例えば、特開2000−188013号公報、特開2001−319251号公報、特開2002−8680号公報、特表2001−522401号公報などに記載の架橋手段(架橋基としてビススルホニルアミド基などを用いた架橋手段)を好適に用いることができる。
架橋の密度は、一般的に溶融状態における架橋点に対して気体分子運動論を適用した溶融引張法より、架橋点間分子量として評価することができる。このような架橋点間分子量の測定は公知である。例えば、特開平10−7831号公報に記載された方法を用いることができる。架橋点間分子量の好ましい範囲は100000以下であり、20000以下がより好ましく、10000以下が更に好ましく、5000以下がより更に好ましく、3000以下がより更に好ましく、2000以下が最も好ましい。
架橋の密度は、一般的に溶融状態における架橋点に対して気体分子運動論を適用した溶融引張法より、架橋点間分子量として評価することができる。このような架橋点間分子量の測定は公知である。例えば、特開平10−7831号公報に記載された方法を用いることができる。架橋点間分子量の好ましい範囲は100000以下であり、20000以下がより好ましく、10000以下が更に好ましく、5000以下がより更に好ましく、3000以下がより更に好ましく、2000以下が最も好ましい。
4)の補強手段としては、公知の手段を用いることができる。例えば、特開昭53−149881号公報、特開昭58−113225号公報、特開昭58−201823号公報、特開平6−231779号公報、特開2001−35508号公報、特開2001−345111号公報、特開2002−25583号公報などに記載の補強手段(補強材としてPTFEなどを用いた補強手段)を好適に用いることができる。
補強材としてPTFEを使用する際の好ましい添加量の上限は20wt%以下であり、10wt%以下がより好ましく、7%以下が最も好ましい。補強材としてPTFEを使用する際の好ましい添加量の下限は0.1%以上であり、1%以上がより好ましく、3%以上が更に好ましく、5%以上が最も好ましい。
補強材としてPTFEを使用する際の好ましい添加量の上限は20wt%以下であり、10wt%以下がより好ましく、7%以下が最も好ましい。補強材としてPTFEを使用する際の好ましい添加量の下限は0.1%以上であり、1%以上がより好ましく、3%以上が更に好ましく、5%以上が最も好ましい。
補強材としてPTFEを使用する際は、国際公開第021/072694号パンフレットに記載されているようなフッ素系イオン交換樹脂前駆体とPTFEとの重合液ブレンドとして用いることが好ましい。この際、300℃〜350℃の間に0.5J/g以上の発熱ピークのエンタルピーを有することが好ましく、1.0J/g以上がより好ましく、1.5J/g以上が更に好ましく、2.0J/g以上が最も好ましい。
(膜電極接合体の製造方法)
次に、膜電極接合体(MEA)の製造方法について説明する。MEAは、フッ素系イオン交換膜に電極を接合することにより作成される。電極は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤より構成され、必要に応じて撥水剤が含まれる。
電極に使用される触媒としては、水素の酸化反応および酸素による還元反応を促進する金属であれば限定されず、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、またはそれらの合金が挙げられる。この中では、主として白金が用いられる。
次に、膜電極接合体(MEA)の製造方法について説明する。MEAは、フッ素系イオン交換膜に電極を接合することにより作成される。電極は、触媒金属の微粒子とこれを担持した導電剤より構成され、必要に応じて撥水剤が含まれる。
電極に使用される触媒としては、水素の酸化反応および酸素による還元反応を促進する金属であれば限定されず、白金、金、銀、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、タングステン、マンガン、バナジウム、またはそれらの合金が挙げられる。この中では、主として白金が用いられる。
導電剤としては、電子電導性物質であればいずれでもよく、例えば、各種金属や炭素材料を挙げることができる。
炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、黒鉛などが挙げられ、これらを単独または混合して使用される。
撥水剤としては、撥水性を有する含フッ素樹脂が好ましく、耐熱性および耐酸化性に優れたものがより好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を挙げることができる。
炭素材料としては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、活性炭、黒鉛などが挙げられ、これらを単独または混合して使用される。
撥水剤としては、撥水性を有する含フッ素樹脂が好ましく、耐熱性および耐酸化性に優れたものがより好ましい。例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体を挙げることができる。
このような電極としては、例えば、E−TEK社製の電極が広く用いられている。前記電極とフッ素系イオン交換膜よりMEAを作成するには、例えば、次の方法が用いられる。フッ素系イオン交換樹脂をアルコールと水の混合溶液に溶解したものに、電極物質となる白金担持カーボンを分散させてペースト状にする。これをPTFEシートに一定量塗布して乾燥させる。次に、PTFEシートの塗布面を向かい合わせにして、その間にイオン交換膜を挟み込み、熱プレスにより接合する。熱プレス温度はイオン交換膜の種類によるが、通常は100℃以上であり、好ましくは130℃以上、より好ましくは150℃以上である。
前記以外のMEAの製作方法としては、「J.Electrochem.Soc.Vol139、No2.L28−L30(1992)」に記載の方法がある。これはフッ素系イオン交換樹脂をアルコールと水の混合溶液に溶解した後、SO3Naに変換した溶液を作成する。次に、この溶液に一定量の白金担持カーボンを添加してインク状の溶液とする。別途SO3Na型に変換しておいたフッ素系イオン交換膜の表面に前記インク状の溶液を塗布し、溶媒を除去する。最後に全てのイオン交換基をSO3H型に戻すことにより、MEAを作成するものである。本発明はこのようなMEAにおいても適用することができる。
(燃料電池の製造方法)
固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について説明する。固体高分子電解質型燃料電池は、MEA、集電体、燃料電池フレーム、ガス供給装置などより構成される。このうち、集電体(バイポーラプレート)は、表面などにガス流路を有するグラファイト製または金属製のフランジのことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、水素や酸素をMEA表面に供給する流路としての機能を持っている。こうした集電体の間にMEAを挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池を作成することができる。
固体高分子電解質型燃料電池の製造方法について説明する。固体高分子電解質型燃料電池は、MEA、集電体、燃料電池フレーム、ガス供給装置などより構成される。このうち、集電体(バイポーラプレート)は、表面などにガス流路を有するグラファイト製または金属製のフランジのことであり、電子を外部負荷回路へ伝達する他に、水素や酸素をMEA表面に供給する流路としての機能を持っている。こうした集電体の間にMEAを挿入して複数積み重ねることにより、燃料電池を作成することができる。
燃料電池の運転は、一方の電極に水素を、他方の電極に酸素または空気を供給することによって行われる。燃料電池の作動温度は、高温であるほど触媒活性が上がるために好ましいが、通常は水分管理が容易な50℃〜100℃で運転させることが多い。一方、本発明のような補強されたイオン交換膜については、高温高湿強度が改善されることによって100℃〜150℃で作動できる場合がある。酸素や水素の供給圧力は、高いほど燃料電池出力が高まるため好ましいが、膜の破損などによって両者が接触する確率も増加するため、適当な圧力範囲に調整することが好ましい。
本発明に用いられる特性の試験方法は次の通りである。
(1)膜厚
酸型のイオン交換膜を23℃・65%の恒温室で12時間以上放置したあと、膜厚計(東洋精機製作所:B−1)を用いて測定する。
酸型のイオン交換膜を23℃・65%の恒温室で12時間以上放置したあと、膜厚計(東洋精機製作所:B−1)を用いて測定する。
(2)当量重量
酸型のイオン交換膜およそ2〜10cm2を50mlの25℃飽和NaCl水溶液に浸漬する。攪拌しながら10分間放置したのち、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中和後、得られたNa型イオン交換膜を純水ですすぎ、真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリウムの当量をM(mmol)、Na型イオン交換膜の重量をW(mg)とし、下記式より当量重量EW(g/eq)を求める。
EW=(W/M)−22
酸型のイオン交換膜およそ2〜10cm2を50mlの25℃飽和NaCl水溶液に浸漬する。攪拌しながら10分間放置したのち、フェノールフタレインを指示薬として0.01N水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定する。中和後、得られたNa型イオン交換膜を純水ですすぎ、真空乾燥して秤量する。中和に要した水酸化ナトリウムの当量をM(mmol)、Na型イオン交換膜の重量をW(mg)とし、下記式より当量重量EW(g/eq)を求める。
EW=(W/M)−22
(3)メルトインデックス
JIS K−7210に基づき、温度270℃、荷重2.16kgで測定したフッ素系イオン交換樹脂前駆体のメルトインデックスをMI(g/10分)とする。また、オリフィスより押し出されたストランドの直径をノギスで測定し、オリフィスの直径に対する増分をスウェル(%)とする。
JIS K−7210に基づき、温度270℃、荷重2.16kgで測定したフッ素系イオン交換樹脂前駆体のメルトインデックスをMI(g/10分)とする。また、オリフィスより押し出されたストランドの直径をノギスで測定し、オリフィスの直径に対する増分をスウェル(%)とする。
(4)含水率
酸型のイオン交換膜を25℃の水中に60分間浸漬した後、膜表面の水分を拭き取り、含水時の重量を測定する。その後、130℃で10分間以上乾燥させ、吸湿しないように注意しながら乾燥時の重量を測定する。これらから、下記式を用いて含水率W(%)を求める。
W=[(Wa−Wb)/Wb]×100
Wa:含水時の重量(g)、Wb:乾燥時の重量(g)
酸型のイオン交換膜を25℃の水中に60分間浸漬した後、膜表面の水分を拭き取り、含水時の重量を測定する。その後、130℃で10分間以上乾燥させ、吸湿しないように注意しながら乾燥時の重量を測定する。これらから、下記式を用いて含水率W(%)を求める。
W=[(Wa−Wb)/Wb]×100
Wa:含水時の重量(g)、Wb:乾燥時の重量(g)
(5)最大膨潤圧・緩和膨潤圧
酸型のイオン交換膜を23℃・65%の恒温室で1時間以上放置する。これを一辺1cm角に切り出したものを2枚のガラス板(一辺2cm、厚さ3mm)の中央に挟んだあと、ハンディー圧縮試験機(カトーテック社製:KES−G5)の試験台に乗せ、ゲージつまみを使って圧縮応力が1000gを示すところまで押さえ込む。その後、2枚のガラス板の間隙から注射器で水を注入し、水を吸収して膨潤したフッ素系イオン交換膜がガラス板を押し返そうとする力をハンディー圧縮試験機で測定する。この時の単位膜面積あたりの力を膨潤圧(kg/cm2)とする。水の吸収が始まってから600秒以内の最大の緩和膨潤圧を最大緩和膨潤圧S1(kg/cm2)とする。また、最大緩和膨潤圧S1に達した時間を膨潤時間T1(秒)とする。更に、水の吸収が始まってからT1以上、かつ、1200秒以内の最小の緩和膨潤圧を緩和膨潤圧S2(kg/cm2)とする。
酸型のイオン交換膜を23℃・65%の恒温室で1時間以上放置する。これを一辺1cm角に切り出したものを2枚のガラス板(一辺2cm、厚さ3mm)の中央に挟んだあと、ハンディー圧縮試験機(カトーテック社製:KES−G5)の試験台に乗せ、ゲージつまみを使って圧縮応力が1000gを示すところまで押さえ込む。その後、2枚のガラス板の間隙から注射器で水を注入し、水を吸収して膨潤したフッ素系イオン交換膜がガラス板を押し返そうとする力をハンディー圧縮試験機で測定する。この時の単位膜面積あたりの力を膨潤圧(kg/cm2)とする。水の吸収が始まってから600秒以内の最大の緩和膨潤圧を最大緩和膨潤圧S1(kg/cm2)とする。また、最大緩和膨潤圧S1に達した時間を膨潤時間T1(秒)とする。更に、水の吸収が始まってからT1以上、かつ、1200秒以内の最小の緩和膨潤圧を緩和膨潤圧S2(kg/cm2)とする。
(6)膨潤圧低下率
最大膨潤圧S1と緩和膨潤圧S2より、下記式を用いて膨潤圧低下率D(%)を求める。
D(%)=[(S1−S2)/S1]×100
最大膨潤圧S1と緩和膨潤圧S2より、下記式を用いて膨潤圧低下率D(%)を求める。
D(%)=[(S1−S2)/S1]×100
(7)引裂強度
エルメンドルフ軽荷重引裂試験機(東洋精機製作所製)を用いて引裂き強度(g)を測定する。この際、引裂強度のばらつきを確認するため最低2方向で引裂強度の測定を行い、高い強度が出た方向をTD方向、低い強度が出た方向をMD方向とする。
エルメンドルフ軽荷重引裂試験機(東洋精機製作所製)を用いて引裂き強度(g)を測定する。この際、引裂強度のばらつきを確認するため最低2方向で引裂強度の測定を行い、高い強度が出た方向をTD方向、低い強度が出た方向をMD方向とする。
(8)発熱ピークのエンタルピー
DSC(セイコー電子製SSC5200+DSC220)を用い、サンプル重量約15mg、昇温速度10℃/分の条件で300〜350℃の間に観察される発熱ピークのエンタルピー(J/g)を測定する。
DSC(セイコー電子製SSC5200+DSC220)を用い、サンプル重量約15mg、昇温速度10℃/分の条件で300〜350℃の間に観察される発熱ピークのエンタルピー(J/g)を測定する。
以下の実施例によって本発明を具体的に説明する。
[実施例1]
前記の化学式(1)で示されるフッ化ビニル化合物と、化学式(2)で示されるフッ化オレフィンとの共重合体(当量重量:720、MI:3、L=CF3、n=0、m=2、Z=F、W=SO2F)からなるフッ素系イオン交換樹脂前駆体95部に、PTFEファインパウダー(ポリフロン(登録商標)FA−500、ダイキン工業株式会社製)5部を加え、ビニール袋中でよく攪拌した。次いで、この混合物100gをバッチ式溶融混練機(東洋精機製プラストミル)を用いて270℃、50rpmで15分間混練した。溶融混練物の当量重量は760、メルトインデックスは0.13、であった。これを平板プレスとロールプレスで薄膜化して厚さが50μmの前駆体フィルムを作成した。
前記の化学式(1)で示されるフッ化ビニル化合物と、化学式(2)で示されるフッ化オレフィンとの共重合体(当量重量:720、MI:3、L=CF3、n=0、m=2、Z=F、W=SO2F)からなるフッ素系イオン交換樹脂前駆体95部に、PTFEファインパウダー(ポリフロン(登録商標)FA−500、ダイキン工業株式会社製)5部を加え、ビニール袋中でよく攪拌した。次いで、この混合物100gをバッチ式溶融混練機(東洋精機製プラストミル)を用いて270℃、50rpmで15分間混練した。溶融混練物の当量重量は760、メルトインデックスは0.13、であった。これを平板プレスとロールプレスで薄膜化して厚さが50μmの前駆体フィルムを作成した。
この前駆体フィルムを95℃に加温した加水分解槽(DMSO:KOH:水=5:30:65(重量比))に1時間浸漬し、金属塩型のイオン交換膜を得た。これをよく水洗したあと、65℃に加温した2Nの塩酸浴に16時間以上浸漬し、酸型のイオン交換膜を得た。これをよく水洗したあと、乾燥し、厚さが50μmのフッ素系イオン交換膜を得た。
得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は35%、緩和膨潤圧は24kPa、膨潤圧低下率は8%、膨潤時間は400秒、引裂強度は(MD21g、TD27g)、発熱ピークのエンタルピーは0.7J/gであった。
得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は35%、緩和膨潤圧は24kPa、膨潤圧低下率は8%、膨潤時間は400秒、引裂強度は(MD21g、TD27g)、発熱ピークのエンタルピーは0.7J/gであった。
(MEA)
白金触媒担持カーボンクロスに、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)溶液を0.8mg/cm2塗布した後、80℃で1時間乾燥することにより電極層を得た。この電極層2枚を向かい合わせにして、その間に前記イオン交換膜を挟み込み、150℃、圧力50kg/cm2で90秒間プレスしてMEAを作成した。
白金触媒担持カーボンクロスに、ナフィオン(登録商標)(デュポン社製)溶液を0.8mg/cm2塗布した後、80℃で1時間乾燥することにより電極層を得た。この電極層2枚を向かい合わせにして、その間に前記イオン交換膜を挟み込み、150℃、圧力50kg/cm2で90秒間プレスしてMEAを作成した。
(燃料電池)
前記MEAを燃料電池単セル評価装置に組み込み、水素ガスと空気を用いて1.5気圧加圧下、95℃で燃料電池特性試験を行った。燃料電池は600時間以上にわたって良好に運転することができた。
前記MEAを燃料電池単セル評価装置に組み込み、水素ガスと空気を用いて1.5気圧加圧下、95℃で燃料電池特性試験を行った。燃料電池は600時間以上にわたって良好に運転することができた。
[比較例1]
実施例1のフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとの共重合体のみ用いた以外は実施例1と同じ方法で、厚さが50μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は45%、緩和膨潤圧は1kPa、膨潤圧低下率は92%、膨潤時間は20秒、引裂強度は(MD2g、TD2g)、発熱ピークのエンタルピーは0.0J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
実施例1のフッ化ビニル化合物とフッ化オレフィンとの共重合体のみ用いた以外は実施例1と同じ方法で、厚さが50μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は45%、緩和膨潤圧は1kPa、膨潤圧低下率は92%、膨潤時間は20秒、引裂強度は(MD2g、TD2g)、発熱ピークのエンタルピーは0.0J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
[比較例2]
厚さが12μm、空隙率が80%のPTFE製多孔質フィルムをガラス板状に固定した後、パーフルオロスルホン酸樹脂水溶液(アシプレックス(登録商標)SS−910、旭化成株式会社製、濃度5wt%)を塗布し、PTFE製多孔質フィルムの空隙部に同水溶液を含浸して60℃で風乾し、溶媒を除去した。この操作を3回繰り返すことにより膜Aを得た。
次に、前記膜Aを2枚準備してパーフルオロスルホン酸樹脂水溶液を再度塗布して貼り合わせたあと60℃で風乾し、溶媒を除去して、膜さが30μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は17%、膨潤圧は3kPa、膨潤圧緩和は50%、膨潤時間は200秒、引裂強度は(MD7g、TD159g)、発熱ピークのエンタルピーは2.5J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
厚さが12μm、空隙率が80%のPTFE製多孔質フィルムをガラス板状に固定した後、パーフルオロスルホン酸樹脂水溶液(アシプレックス(登録商標)SS−910、旭化成株式会社製、濃度5wt%)を塗布し、PTFE製多孔質フィルムの空隙部に同水溶液を含浸して60℃で風乾し、溶媒を除去した。この操作を3回繰り返すことにより膜Aを得た。
次に、前記膜Aを2枚準備してパーフルオロスルホン酸樹脂水溶液を再度塗布して貼り合わせたあと60℃で風乾し、溶媒を除去して、膜さが30μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は17%、膨潤圧は3kPa、膨潤圧緩和は50%、膨潤時間は200秒、引裂強度は(MD7g、TD159g)、発熱ピークのエンタルピーは2.5J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
[比較例3]
前記の化学式(1)で示されるフッ化ビニル化合物と、化学式(2)で示されるフッ化オレフィンとの共重合体(当量重量:950、MI:20、L=CF3、n=1、m=2、Z=F、W=SO2F)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で厚さが50μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は26%、緩和膨潤圧は12kPa、膨潤圧低下率は43%、膨潤時間は300秒、引裂強度は(MD2g、TD2g)、発熱ピークのエンタルピーは0.0J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
前記の化学式(1)で示されるフッ化ビニル化合物と、化学式(2)で示されるフッ化オレフィンとの共重合体(当量重量:950、MI:20、L=CF3、n=1、m=2、Z=F、W=SO2F)を用いた以外は、実施例1と同じ方法で厚さが50μmのフッ素系イオン交換膜を得た。得られたフッ素系イオン交換膜の含水率は26%、緩和膨潤圧は12kPa、膨潤圧低下率は43%、膨潤時間は300秒、引裂強度は(MD2g、TD2g)、発熱ピークのエンタルピーは0.0J/gであった。
次に、実施例1と同様の方法で燃料電池評価を行った。燃料電池は100時間程度で運転が不安定になったため運転を停止した。
本発明のフッ素系イオン交換膜は、特に燃料電池用イオン交換膜として好適である。
Claims (5)
- 膜厚が1〜500μm、含水率が20wt%以上、かつ、緩和膨潤圧が15kPa以上であることを特徴とするフッ素系イオン交換膜。
- 膨潤圧低下率が40%以下であることを特徴とする請求項1記載のフッ素系イオン交換膜。
- エルメンドルフ引裂強度が4g以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のフッ素系イオン交換膜。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフッ素系イオン交換膜を備えた膜電極接合体。
- 請求項5記載のフッ素系イオン交換膜を備えた固体高分子電解質型燃料電池。
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JP2003292148A JP2005060516A (ja) | 2003-08-12 | 2003-08-12 | フッ素系イオン交換膜 |
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- 2003-08-12 JP JP2003292148A patent/JP2005060516A/ja not_active Withdrawn
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