JP5309644B2 - 膜電極接合体 - Google Patents

膜電極接合体 Download PDF

Info

Publication number
JP5309644B2
JP5309644B2 JP2008077143A JP2008077143A JP5309644B2 JP 5309644 B2 JP5309644 B2 JP 5309644B2 JP 2008077143 A JP2008077143 A JP 2008077143A JP 2008077143 A JP2008077143 A JP 2008077143A JP 5309644 B2 JP5309644 B2 JP 5309644B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrolyte
monomer
reactive functional
functional group
catalyst layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008077143A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009231162A (ja
Inventor
厚志 神谷
恭子 津坂
直樹 長谷川
賢彦 朝岡
昌弥 川角
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Central R&D Labs Inc
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Central R&D Labs Inc filed Critical Toyota Central R&D Labs Inc
Priority to JP2008077143A priority Critical patent/JP5309644B2/ja
Publication of JP2009231162A publication Critical patent/JP2009231162A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5309644B2 publication Critical patent/JP5309644B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Description

本発明は、膜電極接合体に関し、さらに詳しくは、燃料電池、水電解装置、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、酸素及び/又は水素濃縮器、湿度センサ、ガスセンサ等の各種電気化学デバイスに用いられる膜電極接合体に関する。
固体高分子型燃料電池は、固体高分子電解質膜の一面側にカソード電極、他面側にアノード電極が設けられた膜電極接合体(MEA: Membrane Electrode Assembly)の両面を、一対の伝導性セパレータで挟んだ単セルが複数枚積層された構造をしている。それぞれのセパレータには、反応ガスが通る流路が形成されている。カソード電極に対向するセパレータの流路には酸化剤ガス(空気)が供給され、アノード電極に対向するセパレータの流路には水素を含む燃料ガスが供給され、酸素と水素との電気化学反応により発電電流が取り出される。また、同時にカソード電極では水が生成され、生成した過剰は水はセパレータの流路を通って外部に排出される。
燃料電池内の電気化学反応は、主に電極触媒粒子とプロトン伝導性電解質と反応ガスとが接触する三相界面において生じるので、電極は三相界面を多く有するだけでなく、反応ガスが電極触媒に十分に供給されるようにすると、発電性能の向上が期待できる。
しかしながら、燃料電池を実用化するためには、解決すべき課題が残されている。例えば、燃料電池の発電性能の向上には、燃料電池の内部抵抗を低減させることが有効であり、そのためには、電解質膜と触媒層との界面の接触抵抗を低減することが好ましい。また、電解質膜又は触媒層内電解質に用いられる固体高分子電解質は、一般に、電気伝導度が高くなるほど、水に溶解又は膨潤しやすくなる。そのため、膨潤・収縮サイクルを繰り返すことにより、電解質膜が破損したり、あるいは、触媒層の内部構造が不安定になるという問題がある。
そこでこの問題を解決するために、従来から種々の提案がなされている。
例えば、特許文献1には、電解質膜のスルホン酸基と触媒層内電解質のスルホン酸基とを脱水縮合させた燃料電池が開示されている。
同文献には、電解質膜と触媒層の界面を架橋構造を介して接合すると、電解質膜と触媒層の接触抵抗を低減できる点が記載されている。
また、特許文献2には、ビススルホニルイミド基、スルホニルカルボニルイミド基、又は、ビスカルボニルイミド基で架橋された固体高分子化合物からなる触媒層内電解質を含む膜電極接合体が開示されている。
同文献には、触媒層内電解質として、ビススルホニルイミド基等で架橋された固体高分子化合物を用いると、高湿度条件下又は高温条件下であっても、触媒層の内部構造が安定して保たれる点が記載されている。
さらに、特許文献3には、互いに反応することによってビススルホンイミド基、スルホンカルボンイミド基、ビスカルボンイミド基などのイミド基を生成可能な反応性官能基A、Bを備えたモノマーを反応させることにより得られる固体高分子電解質が開示されている。
同文献には、このような方法により、高い電気伝導度を有するデンドリマ型又は架橋ネットワーク型の高分子電解質が得られる点が記載されている。
特開2006−302704号公報 特開2003−346815号広報 特開2005−174800号公報
特許文献1に開示されているように、脱水縮合を用いて電解質膜と触媒層との界面に架橋構造を形成すると、接触抵抗が低減するとされている。しかしながら、この方法は、プロトン伝導を担っているスルホン酸基が架橋構造の形成に使われるため、接合界面のプロトン伝導度を低下させるという問題がある。また、脱水縮合による架橋構造は、燃料電池内の生成水によって加水分解するので、実際の燃料電池作動環境下では不安定である。
また、特許文献2、3に開示されているように、電解質膜又は触媒層内電解質にビススルホニルイミド基などのイミド基からなる架橋構造を導入すると、架橋構造の生成水に対する安定性が向上する。しかしながら、このような架橋構造を電解質膜と触媒層との接合に用いた例は、従来にはない。
本発明が解決しようとする課題は、電解質膜と触媒層の界面の接合強度が高く、接触抵抗も相対的に小さい膜電極接合体を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、プロトン伝導度を大きく低下させることなく、電解質膜と触媒層の界面の接合強度の向上及び接触抵抗の低減が可能な膜電極接合体を提供することにある。
さらに、本発明が解決しようとする他の課題は、燃料電池内で生成水が生じても、電解質膜と触媒層の界面の接触抵抗の変動が相対的に小さい膜電極接合体を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係る膜電極接合体は、
固体高分子電解質を含む電解質膜と、
前記電解質膜の両面に接合された、触媒層内電解質を含む電極とを備え、
前記固体高分子電解質と前記触媒層内電解質との界面の少なくとも一方は、前記固体高分子電解質又は前記触媒層内電解質とは異なるポリマーからなる第3ポリマーにより相互貫入網目構造が導入され、及び/又は、イミド架橋により化学架橋されていることを要旨とする。
電解質膜を構成する固体高分子電解質と触媒層に含まれる触媒層内電解質の界面に、第3ポリマーによる相互貫入網目構造又はイミド架橋による化学架橋を導入すると、電解質膜と触媒層の界面の接合強度が高くなり、接触抵抗を低減することができる。また、相互貫入網目構造を形成する際にプロトン伝導性基を消費することはなく、イミド架橋はプロトン伝導性基としても機能するので、相互貫入網目構造又は化学架橋導入に伴うプロトン伝導度の低下は少ない。さらに、第3ポリマー及びイミド架橋は、いずれも水に対して安定であるため、燃料電池作動環境下において生成水が生じても界面の接触抵抗の変動が少ない。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. 膜電極接合体(1)]
本発明の第1の実施の形態に係る膜電極接合体(MEA)は、
固体高分子電解質を含む電解質膜と、
電解質膜の両面に接合された、触媒層内電解質を含む電極とを備え、
固体高分子電解質と触媒層内電解質との界面の少なくとも一方は、第3ポリマーにより相互貫入網目構造が導入されていることを特徴とする。
[1.1 電解質膜]
電解質膜は、固体高分子電解質のみからなる膜でも良く、あるいは、多孔膜、フィブリル繊維などの補強材との複合体からなる膜であっても良い。
電解質膜を構成する固体高分子電解質の材質は、特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
固体高分子電解質としては、具体的には、
(1)高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の酸基が導入されたポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテル等、又は、これらの誘導体(脂肪族炭化水素系電解質)、
(2)高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の酸基が導入されたポリスチレン、芳香環を有するポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリサルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート等、又は、これらの誘導体(部分芳香族炭化水素系電解質)、
(3)高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の酸基が導入されたポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリフェニレン、ポリフェニレンエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド等、又は、これらの誘導体(全芳香族炭化水素系電解質)、
(4)高分子鎖のいずれかにスルホン酸基等の酸基が導入されたポリスチレン−グラフト−エチレンテトラフルオロエチレン共重合体、ポリスチレン−グラフト−ポリテトラフルオロエチレン等、又は、これらの誘導体(部分フッ素系電解質)、
(5)デュポン社製ナフィオン(登録商標)、旭化成(株)製アシプレックス(登録商標)、旭硝子(株)製フレミオン(登録商標)等、又は、これらの誘導体(全フッ素系電解質)、
(6)後述するイミドネットワークポリマー(INP)、
などがある。
これらの中でも、INPは、電解質単体での電気伝導度が高いので、電解質膜を構成する固体高分子電解質として特に好適である。
[1.2 電極]
MEAを構成する電極は、通常、触媒層と拡散層の二層構造を取るが、触媒層のみによって構成される場合もある。電極が触媒層と拡散層の二層構造を取る場合、電極は、触媒層を介して電解質膜に接合される。
触媒層は、電極反応の反応場となる部分であり、電極触媒又は電極触媒を担持した担体と、その周囲を被覆する触媒層内電解質とを備えている。一般に、電極触媒には、MEAの使用目的、使用条件等に応じて最適なものが用いられる。固体高分子型燃料電池の場合、電極触媒には、白金、パラジウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム等若しくはこれらの合金、又は、Pt等の貴金属とコバルト、鉄、ニッケル等の遷移金属元素との合金が用いられる。触媒層に含まれる電極触媒の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
触媒担体は、微粒の電極触媒を担持すると同時に、触媒層における電子の授受を行うためのものである。触媒担体には、一般に、カーボン、活性炭、フラーレン、カーボンナノフォーン、カーボンナノチューブ等が用いられる。触媒担体表面への電極触媒の担持量は、電極触媒及び触媒担体の材質、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な担持量が選択される。
触媒層内電解質は、固体高分子電解質膜と電極との間でプロトンの授受を行うためのものである。触媒層内電解質には、通常、電解質膜を構成する固体高分子電解質と同一の材料が用いられるが、異なる材料を用いても良い。触媒層内電解質の量は、MEAの用途、使用条件等に応じて最適な量が選択される。
拡散層は、触媒層との間で電子の授受を行うと同時に、反応ガスを触媒層に供給するためのものである。拡散層には、一般に、カーボンペーパ、カーボンクロス等が用いられる。また、撥水性を高めるために、カーボンペーパ等の表面に、ポリテトラフルオロエチレン等の撥水性高分子の粉末とカーボンの粉末との混合物(撥水層)をコーティングしたものを拡散層として用いても良い。
[1.3 第3ポリマー]
第3ポリマーとは、電解質膜を構成する固体高分子電解質又は触媒層内電解質とは異なるポリマーをいう。
電解質膜と電極の界面に第3ポリマーを導入する方法には、
(1) 固体高分子電解質の少なくとも界面近傍と、触媒層内電解質の少なくとも界面近傍に第3ポリマーを形成可能な第3モノマーを導入し、電解質膜と電極との接合時又は接合後に、第3モノマーを重合させる方法、
(2) 固体高分子電解質の少なくとも界面近傍及び/又は触媒層内電解質の少なくとも界面近傍に第3ポリマーを導入し、電解質膜と電極とを接合する方法、
などがある。
ここで、「界面近傍」とは、第3ポリマーと固体高分子電解質又は触媒層内電解質との間で分子の絡み合いが生ずる領域をいう。第3ポリマーは、少なくとも電解質膜と触媒層の界面を跨ぐように導入されていれば良いが、電解質膜又は触媒層の全体に導入されていても良い。このような第3ポリマーと固体高分子電解質又は触媒層内電解質との間の分子の絡み合い(相互貫入網目構造)は、いずれか一方の電極と電解質膜との界面に形成されていても良く、あるいは、双方の電極と電解質膜との界面に形成されていても良い。
第3ポリマーとしては、具体的には、
(1) ナフィオン(登録商標)などのフッ素系の酸性ポリマー、
(2) スルホン化ポリエーテルエーテルケトン(S−PEEK)、スルホン化ポリエーテルスルホン(S−PES)、ポリアクリルアミドメチルプロパンスルホン酸(PAMPS)などの炭化水素系の酸性ポリマー、
(3) ビニルピリジンポリマー、ポリベンズイミダゾールなどの炭化水素系の塩基性ポリマー、
(4) メタロキサンポリマー(例えば、シロキサンポリマー)などの無機系の非電解質ポリマー、
(5) PAAm系ポリマーなどの炭化水素系の非電解質ポリマー、
などがある。界面近傍には、これらのいずれか1種の異種ポリマーが含まれていても良く、あるいは、2種以上が含まれていても良い。
フッ素系の酸性ポリマーを形成するための第3モノマーとしては、例えば、ナフィオン(登録商標)モノマー、トリフルオロエチレンスルホニルクロライド、パーフルオロプロピレンスルホニルフルオライドなどがある。
炭化水素系の酸性ポリマーを形成するための第3モノマーとしては、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などがある。
炭化水素系の塩基性ポリマーを形成するための第3モノマーとしては、例えば、4−ビニルピリジンなどがある。
炭化水素系の非電解質ポリマーを形成するための第3モノマーとしては、例えば、メタクリルアミドなどがある。
界面への第3ポリマーの導入量は、目的に応じて選択することができる。一般に、界面への第3ポリマーの導入量が多くなるほど、電解質膜/電極界面の強度が増大し、かつ、接触抵抗も低減することができる。また、第3ポリマーが非電解質である場合、第3ポリマーの導入量が多くなるほど、界面の電気伝導度は低下するが、第3ポリマーが電解質である場合には、界面での電気伝導度の低下を抑制することができる。
[2. 膜電極接合体の製造方法(1)]
[2.1 モノマー含浸法]
第3モノマーを出発原料に用いたMEAは、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、電解質膜を構成する固体高分子電解質に第3モノマーを導入する。
固体高分子電解質に第3モノマーを導入する方法には、
(1) 固体高分子電解質と第3モノマー(及び、必要に応じて、フィブリル繊維などの補強材)とを適当な溶媒に溶解又は分散させ、この溶液を適当な基板表面に塗布、又は、多孔膜の細孔内に充填し、溶媒を除去して電解質膜を製造する方法、
(2) 電解質膜(補強材を含んでいても良い)を製造した後、第3モノマーを溶解又は分散させた溶液を電解質膜に含浸させる方法、
などがある。
次に、触媒層内電解質に第3モノマーを導入する。
触媒層内電解質に第3モノマーを導入する方法には、
(1) Pt/Cのような電極触媒と触媒層内電解質を分散させた溶液(触媒インク)に、第3モノマーを加え、触媒インクを適当な基板(例えば、ポリテトラフルオロエチレンシート、上述の方法で作製した電解質膜など。以下、同じ。)表面に塗布して触媒層を製造する方法、
(2) 第3モノマーを含まない触媒インクを適当な基板表面に塗布して触媒層を製造し、第3モノマーを溶解又は分散させた溶液を触媒層に含浸させる方法、
などがある。
次に、得られた電解質膜と触媒層とを重ね合わせ、ホットプレスする。ホットプレス時に第3モノマーの重合が進行しない場合には、ホットプレス後に、さらに第3モノマーの重合処理(例えば、加熱処理)を行う。ホットプレス及び重合処理後、必要に応じて酸基のプロトン化を行うと、本実施の形態に係るMEAが得られる。
[2.2 ポリマー含浸法]
第3ポリマーを出発原料に用いたMEAは、以下のようにして製造することができる。すなわち、まず、電解質膜を構成する固体高分子電解質又は触媒層内電解質の少なくとも一方に第3ポリマーを導入する。
固体高分子電解質に第3ポリマーを導入する方法には、
(1) 固体高分子電解質と第3ポリマー(及び、必要に応じて、フィブリル繊維などの補強材)とを適当な溶媒に溶解又は分散させ、この溶液を適当な基板表面に塗布、又は、多孔膜の細孔内に充填し、溶媒を除去する方法、
(2) 電解質膜(補強材を含んでいても良い)を製造した後、第3ポリマーを溶解又は分散させた溶液を電解質膜に含浸させる方法、
などがある。
触媒層内電解質に第3ポリマーを導入する方法には、
(1) Pt/Cのような電極触媒と触媒層内電解質を分散させた溶液(触媒インク)に、第3ポリマーを加え、触媒インクを適当な基板(例えば、ポリテトラフルオロエチレンシート、上述の方法で作製した電解質膜など)表面に塗布する方法、
(2) 第3ポリマーを含まない触媒インクを適当な基板表面に塗布して触媒層を製造し、第3ポリマーを溶解又は分散させた溶液を触媒層に含浸させる方法、
などがある。
次に、電解質膜又は触媒層の少なくとも一方に第3ポリマーを導入した後、両者を重ね合わせ、ホットプレスする。ホットプレス後、必要に応じて酸基のプロトン化を行うと、本実施の形態に係るMEAが得られる。
[3. 膜電極接合体(2)]
本発明の第2の実施の形態に係る膜電極接合体(MEA)は、
固体高分子電解質を含む電解質膜と、
電解質膜の両面に接合された、触媒層内電解質を含む電極とを備え、
固体高分子電解質と触媒層内電解質との界面の少なくとも一方は、イミド架橋により化学架橋されていることを特徴とする。
[3.1 電解質膜]
電解質膜の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[3.2 電極]
電極の詳細は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
[3.3 イミド架橋]
イミド架橋とは、ビススルホニルイミド基(−SO2NHSO2−)、スルホニルカルボニルイミド基(−SO2NHCO−)、ビスカルボニルイミド基(−CONHCO−)などのイミド基を含む架橋をいう。
電解質膜と電極の界面にイミド架橋を形成する方法には、
(1) 固体高分子電解質の少なくとも表面に反応性官能基Aを導入し、触媒層内電解質の少なくとも表面に、反応性官能基Aと反応することによってイミド架橋を形成することが可能な反応性官能基Bを導入し、電解質膜と電極の接合時又は接合後に、反応性官能基Aと反応性官能基Bとを反応させる方法、
(2) 固体高分子電解質の少なくとも表面に反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを導入し、触媒層内電解質の少なくとも表面に、反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを導入し、電解質膜と電極の間に反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを有する架橋剤を介在させ、電解質膜と電極の接合時又は接合後に、反応性官能基Aと反応性官能基Bとを反応させる方法、
などがある。
反応性官能基A、Bは、固体高分子電解質及び触媒層内電解質の表面近傍(界面近傍)に導入されていれば良いが、電解質膜及び触媒層の全体に導入されていても良い。このようなイミド架橋は、いずれか一方の電極と電解質膜との界面に形成されていても良く、あるいは、双方の電極と電解質膜との界面に形成されていても良い。
イミド架橋を形成可能な反応性官能基A及び反応性官能基Bとしては、種々の組み合わせがある。中でも、反応性官能基Aが、−SO2X、又は−COX(但し、Xは、F、Cl、Br、I、又はOH)(以下、これらを「ハライド系官能基」という)からなり、反応性官能基Bが、−SO2NZ12、又は−CONZ12(但し、Z1、Z2は、それぞれ、H、M、又はSiMe3。Mは、金属イオン。)(以下、これらを「イミド系官能基」という)からなる組み合わせ、又は、その逆が好ましい。また、金属イオンMは、Li、K、Na等の1価の金属イオンが好ましい。
ハライド系官能基とイミド系官能基の組み合わせは、官能基変換を加えることなく、直接反応させることが容易である場合が多いので、反応性官能基A及び反応性官能基Bの組み合わせとして特に好適である。また、これらの官能基は、未反応のまま残った場合であっても、適当な処理を施すことによって、スルホン酸基又はカルボン酸基に変換できるので、高い電気伝導度を有する電解質膜又は触媒層内電解質が得られる。
また、ハライド系官能基の中でも、XがF、Cl、Br又はIからなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。さらに、イミド系官能基の中でも、(Z1、Z2)の組み合わせが、(H、H)、(H、M)、(SiMe3、M)、又は、(H、SiMe3)からなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。
架橋剤は、2個以上の反応性官能基を備えているものであれば良い。後述するイミド架橋型電解質を製造するための各種モノマは、いずれも界面にイミド架橋を形成するための架橋剤として用いることができる。
界面へのイミド架橋の導入量は、目的に応じて選択することができる。一般に、界面へのイミド架橋の導入量が多くなるほど、電解質膜/電極界面の強度が増大し、かつ、接触抵抗も低減することができる。また、イミド架橋の導入量が多くなるほど、界面近傍のプロトン伝導性基は消費されるが、イミド架橋の両端がフルオロカーボン構造である場合には、イミド基は超強酸基として機能するので、界面での電気伝導度の低下を抑制することができる。
[4. 膜電極接合体の製造方法(2)]
反応性官能基を用いたイミド架橋は、以下のようにして形成することができる。すなわち、まず、電解質膜を構成する固体高分子電解質の少なくとも表面に反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを導入する。
固体高分子電解質の表面に反応性官能基を導入する方法には、
(1) 反応性官能基(例えば、スルホニルフロライド基)を備えた固体高分子電解質を用いて電解質膜を製造する方法、
(2) 電解質膜を製造した後、表面の酸基又はその前駆体を反応性官能基に変換する方法(例えば、表面のスルホニルフロライド基にアンモニアを反応させて、スルホニルアミド基に変換する方法)、
などがある。
後述するイミドネットワークポリマーは、その性質上、少なくとも表面に未反応の反応性官能基A、B、又は、これらの誘導体を持つ。
次に、触媒層内電解質の表面に反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを導入する。
触媒層内電解質に反応性官能基を導入する方法には、
(1) Pt/Cのような電極触媒と、反応性官能基(例えば、スルホニルアミド基)を備えた触媒層内電解質とを分散させた溶液(触媒インク)を適当な基板(例えば、ポリテトラフルオロエチレンシート、上述の方法で作製した電解質膜など)表面に塗布して触媒層を製造する方法、
(2) 触媒層を製造した後、表面の酸基又はその前駆体を反応性官能基に変換する方法(例えば、表面のスルホニルフロライド基にアンモニアを反応させる方法)、
などがある。
次に、得られた電解質膜と触媒層とを重ね合わせ、ホットプレスする。
例えば、電解質膜の表面に反応性官能基Aを導入し、電極表面に反応性官能基Bを導入した場合、両者を直接、ホットプレスしても良い。あるいは、両者の界面に、少なくとも1個の反応性官能基Aと少なくとも1個の反応性官能基Bを備えた架橋剤を共存させた状態で、両者をホットプレスしても良い。
また、例えば、電解質膜の表面及び電極表面の双方に反応性官能基Aを導入した場合、両者の界面に、2個以上の反応性官能基Bを備えた架橋剤を介在させた状態で、両者をホットプレスする。
ホットプレス時に反応性官能基A、Bの反応が進行しない場合には、ホットプレス後にこれらを架橋反応させる。反応性官能基A、Bを架橋反応させる場合、界面にトリエチルアミンガスのような塩基を介在させると、反応を促進させることができる。ホットプレス及び架橋反応後、必要に応じて酸基のプロトン化を行うと、本実施の形態に係るMEAが得られる。
[5. イミドネットワークポリマー(INP)]
イミドネットワークポリマー(INP)とは、所定の条件を満たすモノマを反応させることにより得られるものからなる。
[5.1 INP(1)]
INPの第1の具体例は、所定の条件を満たす1種又は2種以上の第1モノマと、1種又は2種以上の第2モノマとを反応させることにより得られるものからなる。
[5.1.1 第1モノマ及び第2モノマ]
本発明において、「第1モノマ」とは、分子量が10000以下であって、1分子内にn個(n≧2)の反応性官能基A及び/又反応性官能基Bを含むものを言う。
また、「第2モノマ」とは、分子量が10000以下であって、1分子内にm個(m≧3、m≠n)の反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを含むものを言う。
さらに、「反応性官能基A」及び「反応性官能基B」とは、これらの反応によって、ビススルホンイミド基(−SO2NHSO2−)、スルホンカルボンイミド基(−SO2NHCO−)、又はビスカルボンイミド基(−CONHCO−)(以下、これらを総称して「イミド基」という)を形成することが可能な官能基を言う。
第1モノマ及び第2モノマの分子量は、特に限定されるものではなく、電解質に要求される特性、用途等に応じて、最適な値を選択する。一般に、第1モノマ及び/又は第2モノマの分子量が小さくなるほど、架橋密度が高く、かつ、電気伝導度も高い電解質が得られる。一方、第1モノマ及び/又は第2モノマの分子量が大きくなるほど、柔軟性に富んだ電解質が得られる。但し、第1モノマ及び/又は第2モノマの分子量が大きくなりすぎると、高い架橋密度と、高い電気伝導度の双方を同時に達成するのが困難になる。そのため、第1モノマ及び第2モノマには、それぞれ、分子量が10000以下のものを用いるのが好ましい。
例えば、INPを固体高分子型燃料電池の電解質膜として用いる場合、第1モノマ及び第2モノマの分子量は、それぞれ、130以上10000以下が好ましく、さらに好ましくは、130以上7000以下である。
また、例えば、INPを固体高分子型燃料電池の触媒層内電解質として用いる場合、第1モノマ及び第2モノマの分子量は、それぞれ、130以上10000以下が好ましく、さらに好ましくは、130以上7000以下である。
第1モノマ及び第2モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bは、これらを直接反応させることにより、又は、適当な官能基変換を加えた後に反応させることによって、結果的にイミド基を形成可能なものであれば良い。
このような反応性官能基A及び反応性官能基Bとしては、種々の組み合わせがある。中でも、反応性官能基Aが、−SO2X、又は−COX(但し、Xは、F、Cl、Br、I、又はOH)(以下、これらを「ハライド系官能基」という)からなり、反応性官能基Bが、−SO2NZ12、又は−CONZ12(但し、Z1、Z2は、それぞれ、H、M、又はSiMe3。Mは、金属イオン。)(以下、これらを「イミド系官能基」という)からなる組み合わせ、又は、その逆が好ましい。また、金属イオンMは、Li、K、Na等の1価の金属イオンが好ましい。
ハライド系官能基とイミド系官能基の組み合わせは、官能基変換を加えることなく、直接反応させることが容易である場合が多いので、反応性官能基A及び反応性官能基Bの組み合わせとして特に好適である。また、これらの官能基は、未反応のまま残った場合であっても、適当な処理を施すことによって、スルホン酸基又はカルボン酸基に変換できるので、高い電気伝導度を有する複合電解質が得られる。
また、ハライド系官能基の中でも、XがF、Cl、Br又はIからなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。さらに、イミド系官能基の中でも、(Z1、Z2)の組み合わせが、(H、H)、(H、M)、(SiMe3、M)、又は、(H、SiMe3)からなるものは、高い反応性を有しているので、反応性官能基A又は反応性官能基Bとして好適である。
1分子の第1モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bの総個数nは、2個以上であれば良い。一方、1分子の第2モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bの総個数mは、3個以上であって、第1モノマ中の官能基の総個数nとは異なるもの(m≠n)であればよい。
また、第1モノマは、反応性官能基A又は反応性官能基Bのいずれか一方のみが含まれるものであっても良く、あるいは、双方が含まれるものであっても良い。また、第1モノマに2個以上の反応性官能基A(又は、反応性官能基B)が含まれる場合、これらの反応性官能基A(又は、反応性官能基B)は、同一種類の官能基(例えば、−SO2Xのみ)であっても良く、あるいは、異なる種類の官能基(例えば、−SO2Xと−COXの組み合わせ)であっても良い。この点は、第2モノマも同様である。
このような第1モノマ及び第2モノマとしては、種々のモノマがある。中でも、次に示すモノマ(1)からモノマ(8)、及び、モノマ(9)からモノマ(18)は、第1モノマとして好適である。また、モノマ(5)からモノマ(8)、及び、モノマ(15)からモノマ(18)は、第2モノマとして好適である。さらに、これらのモノマの内、その分子内にC−H結合を含まないものは、高分子鎖がパーフルオロ骨格となり、電気伝導度が高く、かつ、耐熱性及び耐酸化性に優れた電解質が得られるので、特に好適である。
Figure 0005309644
Figure 0005309644
なお、モノマ(15)において、「Y1=Y2=Y3以外の組み合わせ」とは、Y1=Y2≠Y3である場合、Y1=Y3≠Y2である場合、Y1≠Y2=Y3である場合、Y1≠Y2≠Y3である場合等をいう。
また、モノマ(16)〜(18)において、「P1=P2=P3=P4以外の組み合わせ」とは、P1=P2=P3≠P4である場合、P1=P2=P4≠P3である場合、P1=P3=P4≠P2である場合、P1≠P2=P3=P4である場合、P1=P2≠P3≠P4である場合、P1=P3≠P2≠P4である場合、P1=P4≠P2≠P3である場合、P1≠P2≠P3=P4である場合、P1≠P2≠P3≠P4である場合等をいう。
また、モノマ(17)において、中央部の繰り返し単位「−(CF2CFP2)B−」中のBが2以上であるときには、各官能基P2は、それぞれ、互いに同一の官能基であっても良く、あるいは、異なる官能基の組み合わせであっても良い。
これ以外の第1モノマ及び第2モノマとしては、例えば、ナフィオンモノマ、及び、次に示すモノマ(A)〜(F)から選ばれる2個〜15個の化合物からなる分子量が10000以下のオリゴマ、又はこれらの誘導体などがある。
Figure 0005309644
[5.1.2 反応性官能基の数]
上述した第1モノマ及び第2モノマを反応させた場合、反応性官能基の数に応じて、高分子鎖が放射状に伸びた「デンドリマ型」のINP、又は、イミド基を介して高分子鎖が架橋している「架橋ネットワーク型」のINPが得られる。
デンドリマ型又は架橋ネットワーク型のINPを合成するためには、1種又は2種以上の第1モノマ及び1種又は2種以上の第2モノマは、これらのいずれかに、少なくとも1個の反応性官能基Aと、少なくとも1個の反応性官能基Bとを含む必要がある。
また、架橋ネットワーク型のINPを合成するためには、1種又は2種以上の第1モノマ及び1種又は2種以上の第2モノマは、これらのいずれかに、少なくとも2個の反応性官能基Aと、少なくとも2個の反応性官能基Bとを含む必要がある。
[(1) 具体例1]
例えば、第1モノマとして、2個のイミド系官能基(A)を持つ2官能モノマ(例えば、上述したモノマ(1)又は(2)。以下、これを「AA」と略記する。)を用い、第2モノマとして、2個のイミド系官能基(A)と1個のハライド系官能基(B)を持つ3官能モノマ(例えば、上述したモノマ(15)。以下、これを「AAB」と略記する。)を用いた場合、これらを反応させると、2官能モノマAAの両端に3官能モノマAABが結合し、「AAB−AA−BAA」という構造を有するオリゴマが得られる。この場合、2官能モノマAAと3官能モノマAABの結合点には、合計2個のイミド基(「B−A」及び「A−B」)が形成される。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのイミド系官能基(A)に、3官能モノマAABのハライド系官能基(B)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、2官能モノマAAを中心として、高分子鎖が放射状に成長したデンドリマ型のINPを形成することができる。
[(2) 具体例2]
例えば、第1モノマとして、1個のイミド系官能基(A)と1個のハライド系官能基(B)とを持つ2官能モノマ(例えば、上述したモノマ(9)〜(14)。以下、これを「AB」と略記する。)を用い、第2モノマとして、3個のハライド系官能基(B)を持つ3官能モノマ(例えば、上述したモノマ(5)。以下、これを「BBB」と略記する。)を用いた場合、これらを反応させることによって、「BA−BB(AB)B−AB」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのハライド系官能基(B)に、2官能モノマABのイミド系官能基(A)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、3官能モノマBBBを中心として、高分子鎖が放射状に成長したデンドリマ型のINPを形成することができる。
[(3) 具体例3]
例えば、第1モノマとして、2個のイミド系官能基(A)を有する2官能モノマAAを用い、第2モノマとして、3個のハライド系官能基(B)を有する3官能モノマBBBを用いた場合、これらを反応させると、「AA−BB(AA)B−AA」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのイミド系官能基(A)に、3官能モノマBBB及び2官能モノマAAがこの順で結合し、結合点には、それぞれ、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、成長した高分子鎖が2官能モノマAAを介して相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[(4) 具体例4]
例えば、第1モノマとして、2個のイミド系官能基(A)を有する2官能モノマAAを用い、第2モノマとして、1個のイミド系官能基(A)と2個のハライド系官能基(B)を有する3官能モノマBAB(例えば、上述したモノマ(15))を用いた場合、これらを反応させると、「AA−BAB−AA」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部又は中央にあるいずれかのイミド系官能基(A)に、新たに3官能モノマBABのハライド系官能基(B)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。さらに、オリゴマの端部に残ったハライド系官能基(B)には、さらに、新たな3官能モノマBAB又は2官能モノマAAのイミド系官能基(A)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、成長した高分子鎖が2官能モノマAAを介して相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[(5) 具体例5]
例えば、第1モノマとして、1個のイミド系官能基(A)と1個のハライド系官能基(B)を有する2官能モノマABを用い、第2モノマとして、1個のイミド系官能基(A)と2個のハライド系官能基(B)を有する3官能モノマBABを用いた場合、これらを反応させると、「BA−BAB−AB」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのハライド系官能基(B)には、2官能モノマAB又は3官能モノマBABのイミド系官能基(A)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。また、オリゴマの端部にあるいずれかのイミド系官能基(A)には、2官能モノマAB又は3官能モノマBABのハライド系官能基(B)が結合し、結合点には、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、成長した高分子鎖が2官能モノマABによって相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[(6) 具体例6]
例えば、第1モノマとして、1個のイミド系官能基(A)と1個のハライド系官能基(B)を有する2官能モノマABを用い、第2モノマとして、3個のイミド系官能基(A)を有する3官能モノマAAA(例えば、上述したモノマ(5))及び3個のハライド系官能基を有する3官能モノマBBBを用いた場合、これらを反応させると、まず、3官能モノマAAAと2官能モノマABが反応し、「AB−AA(BA)A−BA」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのイミド系官能基(A)に、まず、3官能モノマBBB又は2官能モノマBAが結合し、結合点には、それぞれ、新たにイミド基(A−B)が形成される。次いで、その端部にあるハライド系官能基(B)には、さらに3官能モノマAAA又は2官能モノマABが結合し、また、イミド系官能基(A)には、さらに3官能モノマBBB又は2官能モノマBAが結合し、結合点には、それぞれ、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、成長した高分子鎖が相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[(7) 具体例7]
例えば、第1モノマとして、2個のイミド系官能基(A)を有する2官能モノマAA及び2個のハライド系官能基(B)を有する2官能モノマBBを用い、第2モノマとして、3個のハライド系官能基(B)を有する3官能モノマBBBを用いた場合、これらを反応させると、まず、3官能モノマBBBと2官能モノマAAが反応し、「AA−BB(AA)B−AA」という構造を有するオリゴマが得られる。
反応をさらに続行させると、オリゴマの端部にあるいずれかのイミド系官能基(A)に、まず、3官能モノマBBB又は2官能モノマBBが結合し、結合点には、それぞれ、新たにイミド基(A−B)が形成される。次いで、その端部にあるハライド系官能基(B)には、さらに2官能モノマAAが結合し、結合点には、それぞれ、新たにイミド基(A−B)が形成される。以下、このような反応を順次繰り返すことにより、成長した高分子鎖が相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[(8) 具体例8]
4個以上の反応性官能基を持つモノマを用いて合成する場合も同様であり、種類の異なる複数個のモノマのいずれかに、少なくとも1個の反応性官能基Aと、少なくとも1個の反応性官能基Bとを含む場合には、高分子鎖が放射状に成長したデンドリマ型のINPが得られる。
また、種類の異なる複数個のモノマのいずれかに、少なくとも2個の反応性官能基Aと、少なくとも2個の反応性官能基Bとを含む場合には、高分子鎖が相互に架橋された架橋ネットワーク型のINPが得られる。
[5.1.3 配合比率]
1種又は2種以上の第1モノマと1種又は2種以上の第2モノマの配合比率は、合成されるINPの形態、用途、要求特性等に応じて最適な比率を選択する。例えば、デンドリマ型のINPを合成する場合、デンドリマの核となるモノマに対して、高分子鎖を構成するモノマの比率を相対的に多くするのが好ましい。
一般に、高分子鎖を構成するモノマの比率が多くなるほど、デンドリマの分子量を大きくすることができる。但し、高分子鎖を構成するモノマの比率が大きくなりすぎると、高分子量のINPが得られない(分子量が上がらない)ので好ましくない。具体的には、デンドリマの核となるモノマ1モルに対して、高分子鎖を構成するモノマの比率は、10モル以上700モル以下が好ましく、さらに好ましくは、30モル以上300モル以下である。これらデンドリマは、例えば、末端基が反応性官能基Aのものと、反応性官能基Bのものとを互いにさらに反応させて、架橋ネットワーク型とすることもできる。
一方、架橋ネットワーク型のINPを合成する場合、第1モノマ及び第2モノマに含まれる反応性官能基Aのモル数と、反応性官能基Bのモル数とが同一となるように第1モノマ及び第2モノマを配合すると、理想的には、すべての反応性官能基A及び反応性官能基Bからイミド基を生成することができる。
しかしながら、これらに含まれる反応性官能基Aと反応性官能基Bのモル数は、完全に同数である必要はなく、いずれか一方に過不足があっても良い。これは、いずれか一方に過不足があっても、高分子鎖中に未反応の反応性官能基A又は反応性官能基Bがそのまま残るか、あるいは、ネットワーク状に架橋したINPの周囲に直鎖状又は分岐状の高分子鎖が放射状に成長するだけと考えられるためである。
但し、反応性官能基Aと反応性官能基Bの比率が理論値から大きく乖離すると、INP内部に未反応のモノマ又は低分子量のオリゴマが残留し、使用中にこれらのモノマ又はオリゴマが溶出するおそれがあるので好ましくない。従って、INPを合成する場合において、配合比は、いわゆるゲル化理論に従うのが良い。
枝分かれ単位が2官能性モノマを経てつぎの枝分かれモノマに結合する確率をαとすると、(1−α)は分枝から出たある鎖がその先さらに分枝を通って伸びていない確率である。したがって枝分かれ点が3官能ならα>1/2、もし枝分かれ点がf官能性ならα>1/(f−1)の場合分子は無限に続く。ちょうど無限網目ができはじめたゲル化点でのαをα0とすると、
α0=1/(f−1)
である。いま一方がf官能性と2官能性モノマの混合物、他方が2官能性モノマのみとする。たとえば、f=3なら、AAAや、AA、BBの反応により両端が枝分かれした下記のような鎖、
Figure 0005309644
ができるが、その生成確率とモノマの反応率の関係を考えてみる。Aの初期濃度[A]0中のf官能性モノマに属するものの分率をρとする。AおよびBの官能基の反応率がpA、pBとなった段階では、上記のような両端がf官能性モノマに結合した鎖のできる確率は、
A{pB(1−ρ)pA}nBρ (n=0〜∞)
になり、したがってnに無関係に任意の鎖の両端が枝分かれ点につながった確率、すなわちαは、
Figure 0005309644
になる。反応系のはじめのAおよびBの官能基濃度比をγとすると、pB=γpAで、この式を上式に入れて、
α=γpA 2ρ/{1−γpA 2(1−ρ)}=pB 2ρ/{γ−pB 2(1−ρ)}
が誘導される。したがって、pA、pBを実測してαを求めることができるし、ゲル化点では、α0=1/(f−1)であるから、γ、ρが既知であればゲル化点のpAまたはpBが予測できる。(高分子学会編、「高分子科学の基礎」、p250〜251、東京化学同人(1978)参照。)
例えば、3官能モノマAAAと、2官能モノマBBからINPを合成する場合には、反応率が1と仮定すると、1モルの反応性官能基Aに対して反応性官能基Bの比率が0.5モル以上2モル以下となるように、第1モノマ及び第2モノマを配合するのが好ましい。1モルの反応性官能基Aに対する反応性官能基Bの比率は、さらに好ましくは、0.8モル以上1.2モル以下である。
また、4官能モノマAAAAと、2官能モノマBBを用いてINPを合成する場合には、反応率が1と仮定すると、1モルの反応性官能基Aに対して反応性官能基Bの比率が0.3モル以上3モル以下となるように、第1モノマ及び第2モノマを配合するのが好ましい。1モルの反応性官能基Aに対する反応性官能基Bの比率は、さらに好ましくは、0.6モル以上1.5モル以下である。
[5.1.4 補強材]
INPを含む電解質は、INPのみによって構成されていても良く、あるいは、INPと補強材としての多孔膜、フィブリル繊維等との複合体であっても良い。
INPと多孔膜とを複合化させる場合、多孔膜は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、PFA(テトラフルオロエチレンパーフルオロビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン六フッ化プロピレン共重合体)、多孔質シリカ、多孔質セラミックス等からなるものを用いるのが好ましい。
この場合、多孔膜の気孔率、平均気孔径、厚さ等は、電解質膜の用途、要求特性等に応じて最適な値を選択する。また、INPは、多孔膜中に均一に分散していても良く、あるいは、多孔膜の表面又は内部に偏在していても良い。
[5.1.5 架橋密度]
INPは、合成に使用される第1モノマ及び第2モノマの種類、配合比率等の合成条件に応じて、その内部に架橋構造が導入される。ここで、INPにおける「架橋」とは、高分子鎖が物理的に絡み合うことにより形成される「物理架橋」と、高分子鎖が第1モノマ又は第2モノマによって分子架橋された「化学架橋」の双方を意味する。
架橋密度は、合成条件を最適化することによって、調整することができる。一般に、架橋密度が高くなるほど、水に対する膨潤・収縮が少なく、耐熱性及び耐久性に優れた固体高分子電解質が得られる。架橋密度は、具体的には、0.1mmol/g以上が好ましく、さらに好ましくは、0.5mmol/g以上である。
また、INPは、架橋点がそのまま強酸基として機能するので、架橋密度の増加に伴い、電気伝導度も増加する。すなわち、従来の方法では困難であった、高い架橋密度と高い電気伝導度とを同時に達成することができる。電気伝導度は、合成条件を最適化することによって、調整することができる。高い性能を有する電気化学デバイスを得るためには、INPの電気伝導度は、具体的には、0.01S/cm以上が好ましく、さらに好ましくは、0.05S/cm以上である。
[5.2 イミドネットワークポリマーの製造方法(1)]
イミドネットワークポリマーの第1の具体例は、
所定の条件を満たす1種又は2種以上の第1モノマと、1種又は2種以上の第2モノマとを反応させることにより製造することができる。
第1モノマ及び第2モノマは、そのまま反応させても良く、あるいは、適当な官能基変換を行った後に反応させても良い。また、第1モノマ及び第2モノマは、双方を溶解可能な溶媒中に溶解させるのが好ましい。
溶媒は、出発原料の種類に応じて、最適なものを選択すれば良く、特に限定されるものではない。また、溶液中に含まれる出発原料の濃度も特に限定されるものではなく、出発原料の種類に応じて最適なものを選択すればよい。
また、出発原料を反応させる際、これらに対し、反応性官能基Aと反応性官能基Bの反応速度を大きくする(すなわち、触媒作用を有する)試薬を加えても良い。このような試薬としては、具体的には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、DBU(ジアザバイシクロウンデセン)等の塩基性化合物が好適である。触媒作用を有する試薬の量は、固体高分子電解質の用途、要求特性等に応じて最適な量を選択する。試薬の量を最適化すると、混合液の粘度を調節することができる。
さらに、溶液には、フィブリル繊維などの補強材を添加しても良い。
次に、このようにして調製された混合液を、適当な容器に流し込む。例えば、膜状の電解質を作製する場合には、浅い容器に少量の混合液を流し込んで膜化し、この状態で反応させればよい。この時、流し込む混合液の量を調製することによって、膜厚を調製することができる。また、例えば、塊状の電解質を作製する場合には、深い容器に多量の混合液を流し込み、そのまま反応させればよい。
また、多孔膜で補強された複合電解質膜を作製する場合には、浅い容器の底に多孔膜を配置し、その上から少量の混合液を流し込み、多孔膜内部に混合液を含浸させれば良い。また、混合液に触媒作用を有する試薬が含まれている場合、既に混合液内部で反応がある程度進行し、混合液の粘度が増加している場合がある。このような混合液を用いて複合電解質膜を作製する場合には、多孔膜の上から少量の混合液を流し込んだ後、圧力を加えて、混合液を多孔膜内部に圧入すればよい。この時、混合液の粘度及び/又は圧力を調節することによって、多孔質膜内部に混合液を均一に充填したり、あるいは、混合液を部分的に充填することが可能となる。
反応は、第1モノマ、及び第2モノマの加水分解等の変質を防ぐために、Ar、N等の不活性雰囲気下で行うのが好ましい。また、反応温度、反応時間、及び反応時の圧力は、特に限定されるものではなく、出発原料の種類、混合液の濃度、触媒作用を有する試薬の種類及び量等に応じて最適な値を選択する。
反応が完了したところで、得られた高分子を取り出し、架橋点及び未反応の反応性官能基A及び反応性官能基Bを酸性基に変換する。酸性基に変換する方法としては、種々の方法を用いることができ、特に限定されるものではない。具体的には、合成された高分子を硝酸等の酸で処理してプロトン化する方法、合成された高分子をアルカリ溶液でケン化し、次いで酸で処理してプロトン化する方法等が好適である。
[5.3 INP(2)]
イミドネットワークポリマーの第2の具体例は、所定の条件を満たす1種又は2種以上の第3モノマとを反応させることにより得られるものからなる。
[5.3.1 第3モノマ]
「第3モノマ」とは、分子量が10000以下であり、1分子内にp個(p≧3)の反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを含むものを言う。すなわち、第2の具体例においては、1分子当たりの官能基の数が等しい1種又は2種以上の第3モノマを出発原料として用いる点に特徴がある。
なお、第3モノマの分子量、第3モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bの種類及び組み合わせに関する点ついては、上述した第1モノマ及び第2モノマと同様であるので、説明を省略する。
1分子の第3モノマに含まれる反応性官能基A及び反応性官能基Bの総個数は、p個(p≧3)であればよい。また、第3モノマは、反応性官能基A又は反応性官能基Bのいずれか一方のみが含まれるものであっても良く、あるいは、双方が含まれるものであっても良い。さらに、第3モノマに2個以上の反応性官能基A(又は、反応性官能基B)が含まれる場合、これらの反応性官能基A(又は、反応性官能基B)は、同一種類の官能基(例えば、−SOXのみ)であっても良く、あるいは、異なる種類の官能基(例えば、−SOXと−COXの組み合わせ)であっても良い。
このような第3モノマとしては、種々のモノマがある。中でも、次に示すモノマ(5)からモノマ(8)、及び、モノマ(15)からモノマ(18)は、第3モノマとして好適である。さらに、これらのモノマの内、その分子内にC−H結合を含まないものは、高分子鎖がパーフルオロ骨格となり、電気伝導度、耐熱性及び耐酸化性に優れた固体高分子電解質が得られるので、特に好適である。
Figure 0005309644
Figure 0005309644
これ以外の第3モノマとしては、例えば、ナフィオンモノマ及び次に示すモノマ(A)〜(F)から選ばれる3個〜15個の化合物からなる分子量が10000以下のオリゴマ、又はこれらの誘導体などがある。
Figure 0005309644
[5.3.2 反応性官能基の数]
上述した第3モノマを反応させた場合、反応性官能基の数に応じて、デンドリマ型、又は、架橋ネットワーク型のINPが得られる。
例えば、デンドリマ型のINPを合成する場合、1種又は2種以上の第3モノマは、これらのいずれかに、少なくとも1個の反応性官能基Aと、少なくとも1個の反応性官能基Bとを含むものである必要がある。
また、架橋ネットワーク型のINPを合成する場合において、第3モノマとして、1分子内に3個の反応性官能基を有するものを用いるときには、2種以上の第3モノマであって、これらのいずれかに、少なくとも2個の反応性官能基Aと、少なくとも2個の反応性官能基Bとを含むものを用いるのが好ましい。
一方、第3モノマとして、1分子内に4個以上の反応性官能基を有するものを用いるときには、1種又は2種以上の第3モノマであって、これらのいずれかに、少なくとも2個の反応性官能基Aと、少なくとも2個の反応性官能基Bとを含むものを用いるのが好ましい。
[5.3.3 配合比率、補強材、及び、架橋密度]
第3モノマを用いてINPを合成する場合において、出発原料の配合比率、補強材、及び、架橋密度に関する詳細は、第1の具体例と同様であるので、説明を省略する。
[5.4 イミドネットワークポリマーの製造方法(2)]
イミドネットワークポリマーの第2の具体例は、所定の条件を満たす1種又は2種以上の第3モノマを反応させることにより製造することができる。
第2の具体例の製造方法は、出発原料として第1モノマ及び第2モノマに代えて第3モノマを用いた以外は、第1の具体例と同様であるので、説明を省略する。
[5.5. モノマーの製造方法]
第1〜第3モノマは、これらに類似の分子構造を有する市販のモノマを出発原料に用い、これに対して公知の方法を用いて所定の官能基変換を行うことにより合成することができる。
例えば、3個のスルホニルフロライド基(ハライド系官能基)を備えた3官能モノマ「FO2S−CF2−C(F)(SO2F)−CF2−SO2F」は、次の反応式(a)〜(d)に示す手順により合成することができる。
Figure 0005309644
すなわち、まず、市販のモノマ「Cl−CF2−C(F)(Cl)−CF2−Cl」1gを165gのジメチルアセトアミド(DMAC)に溶解させる。次に、硫化カリウム(K2S、6.6g)と、イオウ(S、3.6g)と、フッ化セシウム(CsF、0.6g)を加え、窒素雰囲気下、190℃で6時間撹拌する。これにより、クロライド基がイオウ(Sx)に置換されたモノマ「Sx−CF2−C(F)(Sx)−CF2−Sx」が得られる(反応式(a))。
次に、このモノマを、30%過酸化水素水溶液に室温で72時間浸漬させる。次いで、1規定硫酸で100℃×1時間の処理を行い、イオン交換水で洗浄する。これにより、末端のイオウ(Sx)がスルホン酸基(SO3H基)に置換されたモノマ「HO3S−CF2−C(F)(SO3H)−CF2−SO3H」が得られる(反応式(b))。
次に、このモノマを、五塩化リン(PCl5)100g、オキシ塩化リン(POCl3)250gを入れた溶液に溶解させ、90℃で12時間反応させる。反応後、溶媒を除去し、四塩化炭素(CCl4)で洗浄する(60℃、3時間、撹拌)。これにより、末端のスルホン酸基(SO3H基)がスルホニルクロライド基(SO2Cl基)に置換されたモノマ「ClO2S−CF2−C(F)(SO2Cl)−CF2−SO2Cl」が得られる(反応式(c))。
さらに、このモノマを、乾燥テトラヒドロフラン(300ml)にジメチルアミノサルファトリフロライド((CH3)2NSF3)15gと一緒に溶解させ、45℃で48時間反応させると、目的のモノマ「FO2S−CF2−C(F)(SO2F)−CF2−SO2F」が得られる(反応式(d))。
また、例えば、3個のスルホニルクロライド基(ハライド系官能基)を備えた3官能モノマ「1,3,5−ベンゼントリスルホニルクロライド」は、次の反応式(e)〜(f)に示す手順により合成することができる。
Figure 0005309644
すなわち、まず、3Lの反応容器に、ベンゼンスルホン酸ナトリウム塩一水和物(C65SO3Na・H2O)495g(2.49mol)、濃硫酸(H2SO4)650g、硫酸ナトリウム(NaHSO4)370.5gを仕込み、300〜330℃で30分間反応させる。反応混合物を冷却後、水1.3L、水酸化ナトリウム(NaOH)310gを加え、アルカリ性とする。これを濃硫酸にてpH6に調整する。活性炭を加え、70℃で30分間撹拌し、熱時ろ過してろ液を5℃で一晩放置する。析出結晶をろ過し、ろ液を濃縮して結晶が析出し始めたところで止め、5℃で一晩放置する。析出した結晶をろ過、乾燥すると、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸ナトリウム塩(収量576g、収率60.2%)が得られる(反応式(e))。
次に、5Lの反応容器に、1,3,5−ベンゼントリスルホン酸ナトリウム550g(1.43mol)、塩化チオニル(SOCl2)2.5Lを仕込み、室温にてDMF330mlを30分かけて滴下する。滴下後、12時間加熱還流させる。反応混合物を冷却後、氷36kgに注加し、析出結晶をろ過し、水洗後乾燥する。得られた粗結晶を酢酸エチルにて再結晶させると、目的とするモノマ「1,3,5−ベンゼントリスルホニルクロライド(収量208g、収率37.8%)」が得られる(反応式(f))。
ハライド系官能基を有する他のモノマも同様であり、上述と同一又は類似の手順により合成することができる。また、イミド系官能基を備えたモノマは、まず、上述と同一又は類似の手順によりハライド系官能基を備えたモノマを合成し、次いで、これをアンモニア、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)、ヘキサメチルジシラザンリチウム(LiHMDS)等と反応させ、ハライド系官能基の全部又は一部をイミド系官能基に変換することにより得られる。
[6. 膜電極接合体の作用]
電解質膜を構成する固体高分子電解質と触媒層に含まれる触媒層内電解質の界面に、第3ポリマーによる相互貫入網目構造又はイミド架橋による化学架橋を導入すると、電解質膜と触媒層の界面の接合強度が高くなり、接触抵抗を低減することができる。また、相互貫入網目構造を形成する際にプロトン伝導性基を消費することはなく、イミド架橋はプロトン伝導性基としても機能するので、相互貫入網目構造又は化学架橋導入に伴うプロトン伝導度の低下は少ない。さらに、第3ポリマー及びイミド架橋は、いずれも水に対して安定であるため、燃料電池作動環境下において生成水が生じても界面の接触抵抗の変動が少ない。
また、固体高分子電解質の中でもINPは、他の電解質に比べてプロトン伝導度が高い。しかしながら、これを電解質膜に用いると、膜/触媒層界面の接合性が不十分であるために、MEAの状態では十分な性能が得られない。
これに対し、INPを含む電解質膜と触媒層とを接合する場合において、界面に第3ポリマーを導入し、又は、界面にイミド架橋を導入すると、膜/触媒層界面の接合性が向上する。そのため、膜/触媒層界面の機械的特性が向上するだけでなく、界面の接触抵抗も低減され、高い特性が得られる。
(実施例1〜5、比較例1)
[1.試料の作製]
[1.1 フィリングINP膜の作製]
ベンゼン1,3,5−トリスルホン酸トリアミド(BTSA)2.838gと、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロ−プロパン−1,3−ジスルホン酸ジアミド(PPDSA)8.375gの2種類のモノマ混合物を容器内に入れてアルゴン置換し、そこにMeCNを21.76g加えて攪拌した。さらに攪拌しながら、TEAを16.39g加えた。超音波を2分間照射して、1,1,2,2,3,3,−ヘキサフルオロ−プロパン−1,3−ジスルホニルフロライド(PPDSF)12.804gを加えた。モル比は、BTSA:PPDSA:PPDSF=1:3:4.5とした。さらに3分超音波を照射して、振とうを100rpmで30分行った。この溶液を多孔膜に含浸させた後、50℃で96時間反応させ、さらに90℃で24時間加熱した。
容器から取り出し、10vol%硫酸+90vol%EtOHで12hr攪拌(室温)、12hr浸漬(室温)した。次に、10vol%硫酸+45vol%EtOH+45vol%超純水で12hr攪拌(室温)、12hr浸漬(室温)した。さらに、10vol%硫酸+90vol%超純水で12hr攪拌(室温)、12hr浸漬(室温)した。超純水で12hr攪拌(室温)して水洗し、乾燥してフィリングINP膜を得た。
[1.2 架橋構造の導入]
[1.2.1 実施例1:イミド架橋の導入]
500mLのオートクレーブにフッ素系溶媒(旭硝子(株)製AK225、100g)、ナフィオン(登録商標)モノマ(30g)と開始剤(70%のジ(エチルへキシル)パーオキシカーボネートのシクロヘキサン溶液、0.07mL)を仕込み、−40℃に冷却し、ヘキサフルオロエチレン(6g)を封入した。50℃で2時間反応させた後、アセトン200mLに再沈殿させ、ろ過、乾燥した。得られたナフィオン(登録商標)F体の当量重量(EW)は、700g/eqだった。
次に、フッ素系溶媒にナフィオン(登録商標)F体を溶解させ、白金担持カーボン(45wt%Pt Kedjen、自社製)と混合し、スプレー塗布用の触媒インクを得た。この触媒インクをフィリングINP膜に所定量スプレー塗布した後、ポリテトラフルオロエチレンシートで挟んでホットプレス(130℃、50kg/cm2(4.9MPa)、6min)した。
次に、作製したMEAをオートクレーブに入れ、真空ポンプで乾燥、脱水後、トリメチルアミンガスを導入し、1kg/cm2(9.8×10-2MPa)の加圧下で3時間静置した。3時間後、MEAを取り出し、KOH/ジメチルスルホキシド/水(=15g/35g/50g)の溶液に70℃で3時間静置し、触媒内のナフィオンF体を加水分解した。50℃の1N硝酸水溶液中で3時間静置し、ナフィオン(登録商標)H体に変換した。さらに、1N硫酸水溶液浸漬を2回繰り返し、超純水浸漬を5回繰り返し、目的のMEA(実施例1)を得た。
[1.2.2 実施例2:第3モノマーの導入]
フィリングINP膜を、メタクリルアミド(第3モノマー):N,N'−メチレンビス−メタクリルアミド(架橋剤):ペルオキソ二硫酸カリウム(開始剤)のモル比1:0.1:0.01の2mol/Lメタクリルアミド水溶液に浸漬し、超音波を1分間照射し、30分振とうを行った。水溶液から取り出して、表面に付着した液滴を拭き取った。
触媒インクに対しても、メタクリルアミドの重量含有率が10wt%となるように、上記モル比のメタクリルアミド水溶液を加えた。この触媒インクをフィリングINP膜にスプレー法により所定量塗布した後、ポリテトラフルオロエチレンシートに挟んで、ホットプレス(50℃、50kg/cm2(4.9MPa)、30min)した。
ホットプレス後、治具にセットしたまま、50℃、24時間加熱した。その後、さらにホットプレス(130℃、50kg/cm2(4.9MPa)、6min)を行い、MEAを超純水に浸漬して、振とうし、洗浄した。MEAを超純水から取り出し、表面の液滴を拭き取り、風乾し、目的のMEAを得た(実施例2)。
[1.2.3 実施例3:第3モノマーの導入]
N,N'−メチレンビス−メタクリルアミドを用いなかった以外は、実施例2と同様にして、MEAを作製した(実施例3)。
[1.2.4 実施例4:第3モノマーの導入]
メタクリルアミド水溶液に代えて、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(第3モノマー):N,N'−メチレンビス−メタクリルアミド(架橋剤):ペルオキソ二流酸カリウム(開始剤)のモル比1:0.4:0.01の1mol/Lの2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸水溶液を用いた以外は、実施例2と同様にして、MEAを作製した(実施例4)。
[1.2.5 実施例5:第3ポリマーの導入]
フィリングINP膜を80℃の20wt%ナフィオン(登録商標)溶液(DE2020、デュポン社製)(第3ポリマー)中で24時間放置した後、真空乾燥器中において室温で24時間乾燥した。この電解質膜に、実施例1で作製した触媒インクを所定量スプレー塗布し、ポリテトラフルオロエチレンシートで挟んでホットプレス(130℃、50kg/cm2(4.9MPa)、6min)し、目的のMEAを得た(実施例5)。
[1.2.6 比較例1]
フィリングINP膜に、実施例1で作製した触媒インクを所定量スプレー塗布し、ポリテトラフルオロエチレンシートで挟んでホットプレス(130℃、50kg/cm2(4.9MPa)、6min)し、目的のMEAを得た(比較例1)。
[2. 試験方法及び結果]
作製したMEAについて、接合性評価試験を行った。評価は、粘着テープをMEAの触媒層上から所定圧で押した後、剥がすことにより行った。剥がした際に、触媒層がテープに付かず、膜との接合を保持した場合を「○」、触媒層から膜が剥がれてテープに付いた場合を「×」とした。
表1に、その結果を示す。表1より、比較例1に対し、実施例1〜5のMEAは、接合性が向上していることがわかる。
Figure 0005309644
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るMEAは、固体高分子型燃料電池用のMEAとして特に好適であるが、本発明の用途はこれに限定されるものではなく、各種電気化学デバイスに用いられるMEAとしても使用することができる。

Claims (7)

  1. 固体高分子電解質を含む電解質膜と、
    前記電解質膜の両面に接合された、触媒層内電解質を含む電極とを備え、
    前記固体高分子電解質と前記触媒層内電解質との界面の少なくとも一方は、前記固体高分子電解質又は前記触媒層内電解質とは異なるポリマーからなる第3ポリマーにより相互貫入網目構造が導入され、及び/又は、イミド架橋により化学架橋されている
    膜電極接合体。
  2. 前記固体高分子電解質の少なくとも界面近傍と、前記触媒層内電解質の少なくとも界面近傍に前記第3ポリマーを形成可能な第3モノマーを導入し、
    前記電解質膜と前記電極の接合時又は接合後に、前記第3モノマーを重合させる
    ことにより得られる請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記固体高分子電解質の少なくとも界面近傍及び/又は前記触媒層内電解質の少なくとも界面近傍に前記第3ポリマーを導入し、
    前記電解質膜と前記電極とを接合する
    ことにより得られる請求項1に記載の膜電極接合体。
  4. 前記固体高分子電解質の少なくとも表面に反応性官能基Aを導入し、前記触媒層内電解質の少なくとも表面に、前記反応性官能基Aと反応することによってイミド架橋を形成することが可能な反応性官能基Bを導入し、
    前記電解質膜と前記電極の接合時又は接合後に、前記反応性官能基Aと前記反応性官能基Bとを反応させ、前記イミド架橋を形成する
    ことにより得られる請求項1に記載の膜電極接合体。
  5. 前記固体高分子電解質及び前記触媒層内電解質の少なくとも一方は、以下の条件を満たす1種又は2種以上の第1モノマと、1種又は2種以上の第2モノマとを反応させることにより得られるイミドネットワークポリマーである請求項1から4までのいずれかに記載の膜電極接合体。
    (1) 前記第1モノマは、分子量が10000以下であって、1分子内にn個(n≧2)の反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを含むものからなる。
    (2) 前記第2モノマは、分子量が10000以下であって、1分子内にm個(m≧3、m≠n)の前記反応性官能基A及び/又は前記反応性官能基Bを含むものからなる。
    (3) 前記反応性官能基A及び前記反応性官能基Bは、これらの反応によって、ビススルホンイミド基(−SO2NHSO2−)、スルホンカルボンイミド基(−SO2NHCO−)、又はビスカルボンイミド基(−CONHCO−)を形成するものからなる。
    (4) 前記1種又は2種以上の第1モノマ及び前記1種又は2種以上の第2モノマは、これらのいずれかに、少なくとも1個の前記反応性官能基Aと、少なくとも1個の前記反応性官能基Bとを含むものからなる。
  6. 前記固体高分子電解質及び前記触媒層内電解質の少なくとも一方は、以下の条件を満たす1種又は2種以上の第3モノマーとを反応させることにより得られるイミドネットワークポリマーである請求項1から4までのいずれかに記載の膜電極接合体。
    (1) 前記第3モノマーは、分子量が10000以下であり、1分子内にp個(p≧3)の反応性官能基A及び/又は反応性官能基Bを含むものからなる。
    (2) 前記反応性官能基A及び前記反応性官能基Bは、これらの反応によって、ビススルホンイミド基(−SO2NHSO2−)、スルホンカルボンイミド基(−SO2NHCO−)、又はビスカルボンイミド基(−CONHCO−)を形成するものからなる。
    (3) 前記1種又は2種以上の第3モノマーは、これらのいずれかに、少なくとも1個の前記反応性官能基Aと、少なくとも1個の前記反応性官能基Bとを含むものからなる。
  7. 前記電解質膜は、さらに補強材を含む請求項1から6までのいずれかに記載の膜電極接合体。
JP2008077143A 2008-03-25 2008-03-25 膜電極接合体 Expired - Fee Related JP5309644B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008077143A JP5309644B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 膜電極接合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008077143A JP5309644B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 膜電極接合体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009231162A JP2009231162A (ja) 2009-10-08
JP5309644B2 true JP5309644B2 (ja) 2013-10-09

Family

ID=41246312

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008077143A Expired - Fee Related JP5309644B2 (ja) 2008-03-25 2008-03-25 膜電極接合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5309644B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102010063016A1 (de) 2010-12-14 2012-06-14 Robert Bosch Gmbh Rekuperationselektrolyse
JP2014067607A (ja) * 2012-09-26 2014-04-17 Nitto Denko Corp プロトン伝導性を有する高分子電解質および高分子電解質膜、それらの製造方法、ならびに、それらを用いた膜・電極接合体および燃料電池

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4090108B2 (ja) * 1997-04-04 2008-05-28 旭化成ケミカルズ株式会社 固体高分子型燃料電池用膜・電極接合体
US6451468B1 (en) * 1998-04-14 2002-09-17 Three Bond Co., Ltd. Sealing material for fuel cell
JP2000294258A (ja) * 1999-04-02 2000-10-20 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池の製造方法
JP4221164B2 (ja) * 2001-03-30 2009-02-12 本田技研工業株式会社 固体高分子型燃料電池
JP3608565B2 (ja) * 2002-04-17 2005-01-12 日本電気株式会社 燃料電池およびその製造方法
US20060251951A1 (en) * 2003-04-09 2006-11-09 Takeshi Obata Fuel cell and method for producing same
WO2007114406A1 (ja) * 2006-03-27 2007-10-11 Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha 強酸性基で架橋されたイミドネットワークポリマを有する複合電解質膜、その製造方法、及び燃料電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009231162A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5040911B2 (ja) 強酸性基で架橋されたイミドネットワークポリマを有する複合電解質膜、その製造方法、及び燃料電池
JP3724064B2 (ja) 燃料電池用高分子電解質及び燃料電池
KR100968398B1 (ko) 고분자 적층막, 그 제조 방법 및 그 용도
JP2009259793A (ja) 強酸性基架橋型複合電解質
JP5309644B2 (ja) 膜電極接合体
JP5233065B2 (ja) イオン性基を有するポリマー、高分子電解質材料、高分子電解質部品、膜電極複合体および高分子電解質型燃料電池
JP4576830B2 (ja) 固体高分子電解質及びその製造方法、並びに燃料電池
JP5458765B2 (ja) プロトン伝導膜およびその製造方法、膜−電極接合体、固体高分子型燃料電池
JP4857523B2 (ja) 高分子電解質及び高分子電解質膜
JP5627491B2 (ja) 固体高分子電解質膜及びその製造方法
JP5000289B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜−電極構造体
JP2005060516A (ja) フッ素系イオン交換膜
JP5549970B2 (ja) 超強酸基を有する芳香族高分子電解質及びその利用
JP5537457B2 (ja) プレポリマ及びプレポリマ溶液、並びに、触媒層
JP2018080318A (ja) ブロック共重合体、イオン交換膜、及びその製造方法
JP2003346815A (ja) 膜電極接合体、及びその製造方法
JP6819047B2 (ja) 高分子電解質用のジフェニルスルホン化合物、高分子電解質、高分子電解質の製造方法、膜電極接合体、及び、固体高分子形燃料電池
JP4586794B2 (ja) 固体高分子電解質並びにその製造方法及びこれを用いた燃料電池用膜・電極接合体
JP4370505B2 (ja) 複合膜
JP2016119230A (ja) 固体高分子電解質膜、膜−電極接合体、燃料電池、水電解セル及び水電解装置
JP2007149592A (ja) 高分子電解質膜・電極接合体の製造方法、および高分子電解質膜・電極接合体
JP6230150B2 (ja) 高分子電解質、およびその利用
JP4459744B2 (ja) 固体高分子型燃料電池用膜・電極構造体及び固体高分子型燃料電池
JP4992184B2 (ja) イオン性基を有するポリマー、高分子電解質材料、高分子電解質部品、膜電極複合体、および高分子電解質型燃料電池
JP2007039536A (ja) イオン性基を有するポリマー

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130319

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130513

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130604

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130617

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees