JP4898582B2 - クローラ式走行装置及び左右一対のクローラ式走行装置を有する車輌 - Google Patents
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Description
この種のクローラ式走行装置においては、走行機体の後車軸に駆動輪が取り付けられ、後車軸を支持する後車軸ケースに、左右方向の揺動軸を介してトラックフレームが揺動軸廻りに揺動自在に支持され、トラックフレームの前後端部に前後従動輪が配置されると共に中途部に遊転輪が設けられ、前記駆動輪、前後従動輪及び遊転輪にクローラが巻き掛けられ、駆動輪を回転駆動させることにより、駆動輪に巻き掛けたクローラを周方向に循環回走させるようにしたものがあり、このクローラ式走行装置を装備したトラクタを畑地で使用する場合、作物によって畝の幅が異なるので、畝溝(畝と畝との間の溝)間の間隔の広狭に対応したトレッド変更が必要となる。
駆動輪の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、前後従動輪及び遊転輪が左右方向に位置変更可能となるように、トラックフレームを後車軸ケースに対して左右方向に移動させる駆動手段が設けられ、
後車軸ケースに左右方向の支持筒体が固設され、支持筒体に、揺動軸が軸心廻りに回動自在でかつ左右方向に移動自在に挿通保持され、揺動軸は支持筒体よりも左右方向に長く形成され、揺動軸の両端部に揺動軸の支持筒体に対する左右移動範囲を設定する支持板が固定され、一対の支持板を介して揺動軸に前記トラックフレームが連結され、前記駆動手段は、揺動軸をトラックフレームと共に支持筒体に対して左右方向に移動させるように構成されている点にある。
また、本発明の他の技術的手段は、前記駆動手段として後車軸ケースにシリンダが支持され、シリンダの伸縮動作により揺動軸を左右移動させるべくシリンダの一端側が揺動軸に連結されている点にある。
左右一対の揺動軸間に、前記駆動手段として油圧シリンダが左右移動自在に支持され、該油圧シリンダの伸縮動作により左右一対のトラックフレームが互いに左右方向に接離移動するように、油圧シリンダの一端側が一方の揺動軸に連結され、油圧シリンダの他端側が他方の揺動軸に連結されている点にある。
図1において、101は、4輪駆動トラクタの後輪の替わりにクローラ式走行装置1(セミクローラ7)を左右独立して設けた半履帯トラクタ(車輌)であり、前輪107は操向輪とされている。
このトラクタ101は、車体(走行機体)30の後部にキャビン104が搭載されたキャビン付きトラクタが例示されており、キャビン104内の後部には、運転席105が設けられ、運転席105の前方には、操縦ハンドル106が設けられている。
前輪107は、前車軸フレーム110に支持された前車軸ケースの左右両側に設けられ、前車軸ケースは、エンジン108から前方に突出するように、該エンジン108に取付固定された前車軸フレーム110に、前後軸回りに揺動自在に支持されている。
前記前従動輪3は、トラックフレーム2の前端上面に設けた下向き傾斜状のテンション調整機構9の自由端に支軸3Aを介して回転自在に支持されている。
遊転輪5は、前従動輪3及び後従動輪4よりも小径であり、トラックフレーム2に輪軸5Aを介して前後3輪配置されており、遊転可能なマタギ転輪を例示している。
前記遊転輪5の内の前側の1輪の遊転輪5は、輪軸5Aがトラックフレーム2に下面に固定のブラケット24を介して支持されており、前記遊転輪5の内の後側の2輪(中途部及び後部)の遊転輪5は、輪軸5Aをイコライザリンク20に枢支し、このイコライザリンク20の前後中途部をトラックフレーム2に固定の支持ブラケット21に枢支軸22を介してシーソ揺動自在に枢支している。
図2、図3、図8及び図9に示すように、駆動輪6は、後車軸33側の取付部42に着脱自在に取り付けられる内輪体44と、内輪体44に着脱自在に取り付けられる外輪体45と、外輪体45の外周部に取り付けられる外周係合輪43とを備える。
外周係合輪43は周方向に3分割されて、3つの係合輪構成体43aをボルトナット等の締結具61により着脱自在に連結してなり、駆動輪6に巻き付けたクローラ7を外すにあたって、先ず、クローラ7が巻き掛けられていない下側の係合輪構成体43aを取り外し、次に残りの2つの係合輪構成体43aのうちの1つがクローラ7から外れるように駆動輪6を回転させて、そのクローラ7から外れた係合輪構成体43aを外し、その後、残りの1つの係合輪構成体43aがクローラ7から外れるように駆動輪6を回転させることにより、クローラ7が容易に取り外し可能となっている。
左右方向の揺動軸8が、一対の支持板71に挿通されると共に、支持筒体72に左右方向の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に挿通保持されている。揺動軸8の両端部に前記一対の支持板71が外嵌固着され、揺動軸8の外端部に固定板73が固設されて設けられており、固定板73をボルト等の固定具74で支持板71に固定することにより、揺動軸8に固定板73及び支持板71を介して揺動支持体64が固着されている。これにより、取付け枠体68に揺動軸8が支持され、揺動支持体64の上部は揺動軸8に支持され、揺動支持体64は、後車軸ケース34に、取付け枠体68を介して揺動軸8と共に該揺動軸8の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に支持されている。また、揺動軸8に揺動支持体64及び延設台66を介してトラックフレーム2が連結され、トラックフレーム2が、揺動軸8と共に後車軸ケース34側に対して揺動軸8の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に支持されている。
従って、スペーサ部材77を支持板71と支持筒体72との間から取り外すことにより、一対の支持板71がそれぞれ対応する支持筒体72の外端に接当する範囲内で、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向に移動可能になり、図6に実線で示すように、揺動軸8を支持筒体72に対して左右方向外方に移動させた状態で、左右方向外方側の支持板71と支持筒体72との間にスペーサ部材77を介在させることにより、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向外方側に移動した状態で、揺動軸8の左右移動が規制され、図6に鎖線で示すように、揺動軸8を支持筒体72に対して左右方向内方側に移動させた状態で、左右方向内方側の支持板71と支持筒体72との間にスペーサ部材77を介在することにより、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向内方側に移動した状態で、揺動軸8の左右移動が規制されるようになっている。
しかも、トラックフレーム2を後車軸ケース34に対して左右方向に移動させる油圧シリンダ(駆動手段)82が設けられているので、駆動輪6の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、トラックフレーム2を後車軸ケース34に対して左右方向に大きな力を要さずに簡単に移動させることができて、駆動輪6の外周部側の左右方向外方への位置変更に対応して、前後従動輪3,4及び遊転輪5を容易に左右方向外方に位置変更することができ、クローラ式走行装置1のトレッド幅の変更作業全体も非常に楽になる。
例えば、遊転輪5は4輪あってもよく、後側2輪のみをイコライザリンク20で支持し、残りの前側2輪をトラックフレーム2に個別に支持してもよいし、前側の2輪と後側の2輪とをそれぞれイコライザリンク20で支持するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、外輪体45の取付基部51と外周壁部52との左右方向の変位差が、内輪体44の取付基部46と外輪取付部47との左右方向の変位差よりも大に設定されているが、これに代え、内輪体44の取付基部46と外輪取付部47との左右方向の変位差を、外輪体45の取付基部51と外周壁部52との左右方向の変位差よりも大に設定するようにしてもよい。この場合、後車軸33側の取付部42に内輪体44を取り付けたままで、内輪体44に対して外輪体45を左右に反転して内輪体44の外輪取付部47に着脱自在に取り付けることにより、外輪体45の外周壁部52を、後車軸33側の取付部42よりも左右方向内方側で左右方向に位置変更することが可能になる。
2 トラックフレーム
3 前従動輪
4 後従動輪
5 遊転輪
6 駆動輪
7 クローラ
8 揺動軸
30 走行機体
33 後車軸
34 後車軸ケース
71 支持体
72 支持筒体
77 スペーサ部材
82 油圧シリンダ(駆動手段)
Claims (4)
- 走行機体(30)の後車軸(33)に駆動輪(6)が取り付けられ、後車軸(33)を支持する後車軸ケース(34)に、左右方向の揺動軸(8)を介してトラックフレーム(2)が揺動軸(8)廻りに揺動自在に支持され、トラックフレーム(2)の前後端部に前後従動輪(3,4)が配置されると共に中途部に遊転輪(5)が設けられ、前記駆動輪(6)、前後従動輪(3、4)及び遊転輪(5)にクローラ(7)が巻き掛けられ、クローラ(7)が左右方向に変更調整可能になるように、駆動輪(6)の外周部側が左右方向に位置変更可能とされ、トラックフレーム(2)が後車軸ケース(34)側に対して左右方向に移動自在に支持されたクローラ式走行装置において、
駆動輪(6)の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、前後従動輪(3,4)及び遊転輪(5)が左右方向に位置変更可能となるように、トラックフレーム(2)を後車軸ケース(34)に対して左右方向に移動させる駆動手段が設けられ、
後車軸ケース(34)に左右方向の支持筒体(72)が固設され、支持筒体(72)に、揺動軸(8)が軸心廻りに回動自在でかつ左右方向に移動自在に挿通保持され、揺動軸(8)は支持筒体(72)よりも左右方向に長く形成され、揺動軸(8)の両端部に揺動軸(8)の支持筒体(72)に対する左右移動範囲を設定する支持板(71)が固定され、一対の支持板(71)を介して揺動軸(8)に前記トラックフレーム(2)が連結され、前記駆動手段は、揺動軸(8)をトラックフレーム(2)と共に支持筒体(72)に対して左右方向に移動させるように構成されていることを特徴とするクローラ式走行装置。 - 前記揺動軸(8)の支持筒体(72)に対する左右移動を規制するように、一対の支持板(71)のうちの一方の支持板(71)と支持筒体(72)との間又は他方の支持板(71)と支持筒体(72)との間に、選択的に介在されるスペーサ部材(77)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
- 走行機体(30)の後車軸(33)に駆動輪(6)が取り付けられ、後車軸(33)を支持する後車軸ケース(34)に、左右方向の揺動軸(8)を介してトラックフレーム(2)が揺動軸(8)廻りに揺動自在に支持され、トラックフレーム(2)の前後端部に前後従動輪(3,4)が配置されると共に中途部に遊転輪(5)が設けられ、前記駆動輪(6)、前後従動輪(3、4)及び遊転輪(5)にクローラ(7)が巻き掛けられ、クローラ(7)が左右方向に変更調整可能になるように、駆動輪(6)の外周部側が左右方向に位置変更可能とされ、トラックフレーム(2)が後車軸ケース(34)側に対して左右方向に移動自在に支持されたクローラ式走行装置において、
駆動輪(6)の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、前後従動輪(3,4)及び遊転輪(5)が左右方向に位置変更可能となるように、トラックフレーム(2)を後車軸ケース(34)に対して左右方向に移動させる駆動手段が設けられ、
後車軸ケース(34)に左右方向の支持筒体(72)が固設され、支持筒体(72)に、揺動軸(8)が軸心廻りに回動自在でかつ左右方向に移動自在に挿通保持され、揺動軸(8)に前記トラックフレーム(2)が連結され、前記駆動手段は、揺動軸(8)をトラックフレーム(2)と共に支持筒体(72)に対して左右方向に移動させるように構成されており、
前記駆動手段として後車軸ケース(34)にシリンダ(82)が支持され、シリンダ(82)の伸縮動作により揺動軸(8)を左右移動させるべくシリンダ(82)の一端側が揺動軸(8)に連結されていることを特徴とするクローラ式走行装置。 - 前記請求項1〜3のいずれかのクローラ式走行装置が、後車軸ケース(34)の左右方向外端側に左右一対設けられ、左右一対のクローラ式走行装置の駆動輪(6)とクローラ(7)とトラックフレーム(2)とがそれぞれ左右に対応して設けられると共に、左右方向の揺動軸(8)が左右に対応して設けられた左右一対のクローラ式走行装置を有する車輌において、
左右一対の揺動軸(8)間に、前記駆動手段として油圧シリンダ(82)が左右移動自在に支持され、該油圧シリンダ(82)の伸縮動作により左右一対のトラックフレーム(2)が互いに左右方向に接離移動するように、油圧シリンダ(82)の一端側が一方の揺動軸(8)に連結され、油圧シリンダ(82)の他端側が他方の揺動軸(8)に連結されていることを特徴とする左右一対のクローラ式走行装置を有する車輌。
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