JP5450578B2 - クローラ式走行装置 - Google Patents
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Description
この種のクローラ式走行装置においては、走行機体の後車軸に駆動輪が取り付けられ、後車軸を支持する後車軸ケースに、左右方向の揺動軸を介してトラックフレームが揺動軸廻りに揺動自在に支持され、トラックフレームの前後端部に前後従動輪が配置されると共に中途部に遊転輪が設けられ、前記駆動輪、前後従動輪及び遊転輪にクローラが巻き掛けられ、駆動輪を回転駆動させることにより、駆動輪に巻き掛けたクローラを周方向に循環回走させるようにしたものがあり、このクローラ式走行装置を装備したトラクタを畑地で使用する場合、作物によって畝の幅が異なるので、畝溝(畝と畝との間の溝)間の間隔の広狭に対応したトレッド変更が必要となる。
本発明は、上記問題点に鑑み、スペーサを揺動軸に対して径外側から嵌脱して揺動軸の移動と位置設定をすることにより、トラックフレームのトレッド幅の変更作業を簡単にできるようにしたクローラ式走行装置を提供することを目的とする。
第1に、走行機体30の後車軸ケース34に後車軸33が支持され、後車軸33に駆動輪6が外周部側左右方向位置変更可能に設けられ、後車軸ケース34に左右方向の揺動軸8を介してトラックフレーム2が揺動自在にかつ左右方向移動自在に支持され、トラックフレーム2の前後端部に前後従動輪3、4が配置されると共に中途部に遊転輪5が設けられ、前記駆動輪6、前後従動輪3、4及び遊転輪5にクローラ7が巻き掛けられたクローラ式走行装置において、
後車軸ケース34に揺動軸8を左右方向移動自在に挿通した支持筒体72が固設され、揺動軸8は支持筒体72よりも左右方向に長く形成されかつその両端部に支持筒体72に対する左右移動範囲を設定する一対の支持板71が固定され、支持板71にトラックフレーム2が連結され、
前記支持筒体72に対する揺動軸8の左右移動を規制するように、一対の支持板71のうちの一方の支持板71と支持筒体72との間又は他方の支持板71と支持筒体72との間に、選択的に介在されるスペーサ部材77が設けられ、このスペーサ部材77が周方向に分割されかつ揺動軸8に径外側から外嵌可能な一対の抱持体79を備えており、
前記駆動輪6の外周部はトラックフレーム2の左右方向中央の上部に近接していて、前記揺動軸8は、駆動輪6と走行機体30との間で、上下方向において駆動輪6とオーバラップして配置され、かつ後車軸33の駆動輪取付用の取付部42より下方に配置されており、
前記トラックフレーム2の上部にはその左右方向中央より走行機体30側に延設台66が立設され、この延設台66の上部に支持部材65が固定されており、
前記一対の支持板71は前記支持部材65上に固定されて互いに連結されていて、両支持板71は共に前記揺動軸8の外周面に外嵌されていることを特徴とする。
79の両端には対向する抱持体79の両端とそれぞれ締結される締結片80が突設されていることを特徴とする。
前記揺動軸8は支持筒体72よりも左右方向に長く形成され、トラックフレーム2の左右方向移動により支持筒体72から突出した揺動軸8の外周に左右方向移動を規制するスペーサ部材77が外嵌され、このスペーサ部材77は、一対の支持板71のうちの一方の支持板71と支持筒体72との間又は他方の支持板71と支持筒体72との間に、選択的に介在され、かつ周方向に分割されかつ揺動軸8に径外側から外嵌可能な一対の抱持体79を備えており、
前記駆動輪6の外周部はトラックフレーム2の左右方向中央の上部に近接していて、前記揺動軸8は、駆動輪6と走行機体30との間で、上下方向において駆動輪6とオーバラップして配置され、かつ後車軸33の駆動輪取付用の取付部42より下方に配置されており、
前記トラックフレーム2の上部にはその左右方向中央より走行機体30側に延設台66が立設され、この延設台66の上部に支持部材65が固定されており、
左右方向において、前記揺動軸8の駆動輪6側の外端部及びこの外端部側に外嵌されるスペーサ部材77は、後車軸ケース34の駆動輪6側の外端部より走行機体30側に配置されていることを特徴とする。
図1において、101は、4輪駆動トラクタの後輪の替わりにクローラ式走行装置1(セミクローラ7)を左右独立して設けた半履帯トラクタ(車輌)であり、前輪107は操向輪とされている。
このトラクタ101は、車体(走行機体)30の後部にキャビン104が搭載されたキャビン付きトラクタが例示されており、キャビン104内の後部には、運転席105が設けられ、運転席105の前方には、操縦ハンドル106が設けられている。
ミッションケース等から構成されている。
前輪107は、前車軸フレーム110に支持された前車軸ケースの左右両側に設けられ、前車軸ケースは、エンジン108から前方に突出するように、該エンジン108に取付固定された前車軸フレーム110に、前後軸回りに揺動自在に支持されている。
前記前従動輪3は、トラックフレーム2の前端上面に設けた下向き傾斜状のテンション調整機構9の自由端に支軸3Aを介して回転自在に支持されている。
遊転輪5は、前従動輪3及び後従動輪4よりも小径であり、トラックフレーム2に輪軸5Aを介して前後3輪配置されており、遊転可能なマタギ転輪を例示している。
前記遊転輪5の内の前側の1輪の遊転輪5は、輪軸5Aがトラックフレーム2に下面に固定のブラケット24を介して支持されており、前記遊転輪5の内の後側の2輪(中途部及び後部)の遊転輪5は、輪軸5Aをイコライザリンク20に枢支し、このイコライザリンク20の前後中途部をトラックフレーム2に固定の支持ブラケット21に枢支軸22を介してシーソ揺動自在に枢支している。
られ、このスクレーパ30で前側遊転輪5に付着した泥等を走行時に掻き落とすようになっている。
図2、図3、図8及び図9に示すように、駆動輪6は、後車軸33側の取付部42に着脱自在に取り付けられる内輪体44と、内輪体44に着脱自在に取り付けられる外輪体45と、外輪体45の外周部に取り付けられる外周係合輪43とを備える。
外周係合輪43は周方向に3分割されて、3つの係合輪構成体43aをボルトナット等の締結具61により着脱自在に連結してなり、駆動輪6に巻き付けたクローラ7を外すにあたって、先ず、クローラ7が巻き掛けられていない下側の係合輪構成体43aを取り外し、次に残りの2つの係合輪構成体43aのうちの1つがクローラ7から外れるように駆動輪6を回転させて、そのクローラ7から外れた係合輪構成体43aを外し、その後、残りの1つの係合輪構成体43aがクローラ7から外れるように駆動輪6を回転させることにより、クローラ7が容易に取り外し可能となっている。
左右方向の揺動軸8が、一対の支持板71に挿通されると共に、支持筒体72に左右方向の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に挿通保持されている。揺動軸8の両端部に前記一対の支持板71が外嵌固着され、揺動軸8の外端部に固定板73が固設されて設けられており、固定板73をボルト等の固定具74で支持板71に固定することにより、揺動軸8に固定板73及び支持板71を介して揺動支持体64が固着されている。これにより、取付け枠体68に揺動軸8が支持され、揺動支持体64の上部は揺動軸8に支持され、揺動支持体64は、後車軸ケース34に、取付け枠体68を介して揺動軸8と共に該揺動軸8の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に支持されている。また、揺動軸8に揺動支持体64及び延設台66を介してトラックフレーム2が連結され、トラックフレーム2が、揺動軸8と共に後車軸ケース34側に対して揺動軸8の軸心廻りに揺動自在でかつ左右方向に移動自在に支持されている。
従って、スペーサ部材77を支持板71と支持筒体72との間から取り外すことにより、一対の支持板71がそれぞれ対応する支持筒体72の外端に接当する範囲内で、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向に移動可能になり、図6に実線で示すように、揺動軸8を支持筒体72に対して左右方向外方に移動させた状態で、左右方向外方側の支持板71と支持筒体72との間にスペーサ部材77を介在させることにより、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向外方側に移動した状態で、揺動軸8の左右移動が規制され、図6に鎖線で示すように、揺動軸8を支持筒体72に対して左右方向内方側に移動させた状態で、左右方向内方側の支持板71と支持筒体72との間にスペーサ部材77を介在することにより、揺動軸8が支持筒体72に対して左右方向内方側に移動した状態で、揺動軸8の左右移動が規制されるようになっている。
しかも、トラックフレーム2を後車軸ケース34に対して左右方向に移動させる油圧シ
リンダ(駆動手段)82が設けられているので、駆動輪6の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、トラックフレーム2を後車軸ケース34に対して左右方向に大きな力を要さずに簡単に移動させることができて、駆動輪6の外周部側の左右方向外方への位置変更に対応して、前後従動輪3、4及び遊転輪5を容易に左右方向外方に位置変更することができ、クローラ式走行装置1のトレッド幅の変更作業全体も非常に楽になる。
例えば、遊転輪5は4輪あってもよく、後側2輪のみをイコライザリンク20で支持し、残りの前側2輪をトラックフレーム2に個別に支持してもよいし、前側の2輪と後側の2輪とをそれぞれイコライザリンク20で支持するようにしてもよい。
また、前記実施の形態では、外輪体45の取付基部51と外周壁部52との左右方向の変位差が、内輪体44の取付基部46と外輪取付部47との左右方向の変位差よりも大に設定されているが、これに代え、内輪体44の取付基部46と外輪取付部47との左右方向の変位差を、外輪体45の取付基部51と外周壁部52との左右方向の変位差よりも大に設定するようにしてもよい。この場合、後車軸33側の取付部42に内輪体44を取り付けたままで、内輪体44に対して外輪体45を左右に反転して内輪体44の外輪取付部47に着脱自在に取り付けることにより、外輪体45の外周壁部52を、後車軸33側の取付部42よりも左右方向内方側で左右方向に位置変更することが可能になる。
2 トラックフレーム
3 前従動輪
4 後従動輪
5 遊転輪
6 駆動輪
7 クローラ
8 揺動軸
30 走行機体
33 後車軸
34 後車軸ケース
71 支持体
72 支持筒体
77 スペーサ部材
82 油圧シリンダ(駆動手段)
Claims (3)
- 走行機体(30)の後車軸ケース(34)に後車軸(33)が支持され、後車軸(33)に駆動輪(6)が外周部側左右方向位置変更可能に設けられ、後車軸ケース(34)に左右方向の揺動軸(8)を介してトラックフレーム(2)が揺動自在にかつ左右方向移動自在に支持され、トラックフレーム(2)の前後端部に前後従動輪(3、4)が配置されると共に中途部に遊転輪(5)が設けられ、前記駆動輪(6)、前後従動輪(3、4)及び遊転輪(5)にクローラ(7)が巻き掛けられたクローラ式走行装置において、
後車軸ケース(34)に揺動軸(8)を左右方向移動自在に挿通した支持筒体(72)が固設され、揺動軸(8)は支持筒体(72)よりも左右方向に長く形成されかつその両端部に支持筒体(72)に対する左右移動範囲を設定する一対の支持板(71)が固定され、支持板(71)にトラックフレーム(2)が連結され、
前記支持筒体(72)に対する揺動軸(8)の左右移動を規制するように、一対の支持板(71)のうちの一方の支持板(71)と支持筒体(72)との間又は他方の支持板(71)と支持筒体(72)との間に、選択的に介在されるスペーサ部材(77)が設けられ、このスペーサ部材(77)が周方向に分割されかつ揺動軸(8)に径外側から外嵌可能な一対の抱持体(79)を備えており、
前記駆動輪(6)の外周部はトラックフレーム(2)の左右方向中央の上部に近接していて、前記揺動軸(8)は、駆動輪(6)と走行機体(30)との間で、上下方向において駆動輪(6)とオーバラップして配置され、かつ後車軸(33)の駆動輪取付用の取付部(42)より下方に配置されており、
前記トラックフレーム(2)の上部にはその左右方向中央より走行機体(30)側に延設台(66)が立設され、この延設台(66)の上部に支持部材(65)が固定されており、
前記一対の支持板(71)は前記支持部材(65)上に固定されて互いに連結されていて、両支持板(71)は共に前記揺動軸(8)の外周面に外嵌されていることを特徴とするクローラ式走行装置。 - 前記抱持体(79)は一対で揺動軸(8)を抱持する半割筒状に形成され、かつ抱持体(79)の両端には対向する抱持体(79)の両端とそれぞれ締結される締結片(80)が突設されていることを特徴とする請求項1に記載のクローラ式走行装置。
- 走行機体(30)の後車軸(33)に駆動輪(6)が取り付けられ、後車軸(33)を支持する後車軸ケース(34)に、左右方向の揺動軸(8)とこの揺動軸(8)に嵌合した支持筒体(72)と揺動軸(8)の両端部の一対の支持板(71)とを介してトラックフレーム(2)が揺動軸(8)廻りに揺動自在にかつ左右方向に移動自在に支持され、トラックフレーム(2)の前後端部に前後従動輪(3,4)が配置されると共に中途部に遊転輪(5)が設けられ、前記駆動輪(6)、前後従動輪(3、4)及び遊転輪(5)にクローラ(7)が巻き掛けられ、クローラ(7)が左右方向に変更調整可能になるように、駆動輪(6)の外周部側が左右方向に位置変更可能とされ、駆動輪(6)の外周部側の左右方向の位置変更に対応して、前後従動輪(3,4)及び遊転輪(5)が左右方向位置変更可能となるように、トラックフレーム(2)が後車軸ケース(34)側に対して左右方向に移動自在に支持されており、
前記揺動軸(8)は支持筒体(72)よりも左右方向に長く形成され、トラックフレーム(2)の左右方向移動により支持筒体(72)から突出した揺動軸(8)の外周に左右方向移動を規制するスペーサ部材(77)が外嵌され、このスペーサ部材(77)は、一対の支持板(71)のうちの一方の支持板(71)と支持筒体(72)との間又は他方の支持板(71)と支持筒体(72)との間に、選択的に介在され、かつ周方向に分割されかつ揺動軸(8)に径外側から外嵌可能な一対の抱持体(79)を備えており、
前記駆動輪(6)の外周部はトラックフレーム(2)の左右方向中央の上部に近接していて、前記揺動軸(8)は、駆動輪(6)と走行機体(30)との間で、上下方向において駆動輪(6)とオーバラップして配置され、かつ後車軸(33)の駆動輪取付用の取付部(42)より下方に配置されており、
前記トラックフレーム(2)の上部にはその左右方向中央より走行機体(30)側に延設台(66)が立設され、この延設台(66)の上部に支持部材(65)が固定されており、
左右方向において、前記揺動軸(8)の駆動輪(6)側の外端部及びこの外端部側に外嵌されるスペーサ部材(77)は、後車軸ケース(34)の駆動輪(6)側の外端部より走行機体(30)側に配置されていることを特徴とするクローラ式走行装置。
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