JP3592860B2 - クローラ式走行装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンバインやトラクタや建設機械等を走行させるクローラ式走行装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンバインやトラクタや建設機械等の走行装置としてクローラ式走行装置、特にゴムクローラ式走行装置とした技術は公知となっており、該ゴムクローラ式走行装置は駆動スプロケットと従動アイドラとの間にクローラベルトを巻回して、複数の転輪でガイドし、前記従動スプロケットによってクローラベルトのテンションを調整するようにしていた。このような従来のクローラ式走行装置では高速走行を行うことは無理が生じていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、ゴムクローラであっても高速走行ができるように、芯金をなくして、クローラの接地面積を出来るだけ小さくすることが考えられるのであるが、クローラベルトに付着した泥土がスプロケットやイコライザー部等に滞留しやすく、滞留した泥土がベルトはずれの一因となっていた。
また、クローラベルトを駆動スプロケット及び従動アイドラに巻回する場合は、従動アイドラを駆動スプロケット方向へ移動することで両者間の前後距離を短縮して接地距離を短くするのであるが、従動アイドラと転輪が干渉して従動アイドラの移動距離がさほど大きくとれず、かつ従動アイドラは該従動アイドラの回転軸両端から支持されているため、クローラベルトの巻回作業が行い難かった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような手段を用いる。
請求項1においては、駆動スプロケットKと従動アイドラ14との間に、クローラベルト2を巻回して、複数の転輪でガイドしたクローラ式走行装置Cにおいて、前転輪11b・11bを支持する転輪支持部材49を前転輪用イコライザアーム50の下部に固設し、該前転輪用イコライザアーム50は前部に、トラックフレーム12に枢支した回動支点軸63を設け、後端部にトラックフレーム12との間で伸縮可能な前転輪用のシリンダ53を配置し、後転輪11a・11aを支持する転輪支持部材49を、後転輪支持用イコライザアーム50の下部に固設し、該後転輪用イコライザアーム50は後部に、トラックフレーム12に枢支した回動支点軸48を配設し、前端部にトラックフレーム12との間で伸縮可能な後転輪用シリンダ53を配置し、前記シリンダ53・53を伸長して、前転輪用イコライザアーム50と後転輪用イコライザアーム50を下方に回動させ、前転輪11b・11bと後転輪11a・11aの、前後方向中央側に位置する前転輪11bと後転輪11aのみを接地させ、クローラベルト2の前後方向の接地長さを減少すべく構成したものである。
【0005】
請求項2においては、請求項1記載のクローラ式走行装置において、前後方向に並設した前転輪11bと前転輪11bとの間、及び、後転輪11aと後転輪11aとの間に、それぞれ左右一対の外れ止め52を配置し、該外れ止め52を側面視で、両側面が転輪の外周形状にあわせた略円弧状に形成して転輪との間に隙間を設け、転輪外周の下端部の隙間は、転輪外周との間の他の隙間よりも小さくして接近させたものである。
請求項3においては、請求項1記載のクローラ式走行装置において、イコライザアーム50に固定した転輪支持部材49を、クローラベルト2の内側突起部2aのピッチの半ピッチ分だけ前後方向に移動可能に構成したものである。
請求項4においては、請求項1記載のクローラ式走行装置において、両端に回動軸を有したスイングアーム32により、機体フレーム15とトラックフレーム12とを連結し、該機体に対するトラックフレーム12の位置を左右方向においては固定して、前後方向においては上下に回動可能としたものである。
請求項5においては、請求項1記載のクローラ式走行装置において、ショックアブソーバ38とスプリング41を、機体フレーム15とトラックフレーム12との間に介装して、衝撃緩衝機構を構成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の解決すべき課題及び手段は以上の如くであり、次に添付の図面に示した本発明の一実施例を説明する。
図1はクローラ式走行装置を有するクローラトラクタの全体構造を示す側面図、図2は本発明のクローラ式走行装置を示す側面図、図3は駆動スプロケットの外支持筒を示す平面図、図4は同じく側面図、図5は駆動スプロケットの部分断面図、図6は従動アイドラの平面図、図7は同じく部分断面図、図8は従動アイドラの支持構造を示す図、図9はスイングアームを示す平面図、図10は衝撃緩衝機構を示す側面図、図11は同じく平面図、図12はクローラ式走行装置の転輪部を示す側面図、図13は同じく正面図、図14は同じく平面図、図15はイコライザアームの側面図、図16は同じく平面図、図17は同じく正面図である。
【0007】
図1において、本発明のクローラ式走行装置を適用したクローラトラクタの全体構成について説明する。
クローラ式走行装置C上に機体フレーム15を固定して、該機体フレーム15前方にはエンジンEを収納したボンネット24を設け、その後部には運転部25を設け、運転部25はキャビン21内に操向ハンドル20や運転席22等を配置し、該運転部25の後部に作業機装着装置Aを介してロータリ耕耘装置Bを装着している。
【0008】
前記クローラ式走行装置Cは左右一対のクローラを支持するトラックフレーム12と、上部転輪13と前部転輪11b・11bと後部転輪11a・11a、従動アイドラ14、クローラを駆動する駆動スプロケットKにより構成されている。前記前部転輪11b・11b及び後部転輪11a・11aはイコライザを構成して回転自在に軸支され、トラックフレーム12の後端部に従動アイドラ14を回転自在に枢支している。
また、前記トラックフレーム12の前部には、図5に示すようにホイルモータ23を固設し、該ホイルモータ23の外周に駆動スプロケットKを軸支している。これらの駆動スプロケットK、上部転輪13、前部転輪11b・11b及び後部転輪11a・11a、並びに従動アイドラ14にクローラベルト2を巻回してクローラ式走行装置Cを構成している。
【0009】
前記クローラベルト2は芯金をなくして軽量化とコストダウンを図っており、左右方向中央位置において一定間隔おきにゴム製の突起部2a・2a・・・を形成し、内側に向かって突出させている。該突起部2aと突起部2aとの間に、駆動スプロケットKの外周に設けた後述するカラー35を嵌合させることによって、駆動スプロケットKの駆動をクローラベルト2に伝達するよう構成している。
【0010】
次に、前記駆動スプロケットKについて、図3、図4、図5を用いて説明する。
駆動スプロケットKは外周を略円筒形状に構成し、その外周面にクローラベルト2を巻回するのであるが、該クローラベルト2の機体に対する内側を巻回する内支持筒28cと、機体に対する外側を巻回する外支持筒29cとが左右方向に並設され、該内支持筒28cと外支持筒29cとの間に一定間隔の間隙8を設けて、この間隙8にクローラベルト2の前記突起部2aが嵌入するよう構成している。
【0011】
前記内支持筒28cは円板28aの外周に配設しており、この内支持筒28cと円板28aとで内円板28を形成している。また、前記外支持筒29cは大径の円板29aの外周に配設しており、該円板29aの外支持筒29cの配設面とは反対の面と小径の円板29bとを複数の連結板29dにて連結することで、外円板29を形成している。
【0012】
前記外円板29の小径の円板29b上に穿設した複数の連結孔27c・27c・・・と、内円板28の円板28a上の前記連結孔27cに対応した位置に穿設した孔とにボルト等を螺合嵌入して、外円板29と内円板28とを連結している。
また、小径の円板29b上の前記連結孔27c・27c・・・の内周部に穿設した固定孔27b・27b・・・によって、ホイルモータ23の外周に設けた駆動ホイル26にボルト等を介して固定している。このように構成して、前記内円板28と外円板29との外周部に間隙8が形成されている。
【0013】
また、大径の前記円板29aの外周部には円周方向に一定間隔にボス部27a・27a・・・が形成され、前記円板28aのボス部27a・27aに対応する位置にそれぞれ同じくボス部が形成されている。この円板29aのボス部27aとそれに対応する円板28aのボス部との間にピン4が横架され、該ピン4上の間隙8位置にブッシュ36を介してカラー35が、前記クローラベルト2の突起部2aに当接するよう構成している。なお、前記ピン4はボルト・ナット状に形設して、ピン4を着脱可能としている。
【0014】
そして、円板29の大径の円板29aと小径の円板29bとを連結している連結板29dと連結板29dとの間には、抜き孔7が開口しており、クローラベルト2の突起部2a等に付着した泥土などが、前記間隙8部に落下して該抜き孔7を通じて、図5の矢印の如く機体の外側へ排出できるように構成している。
【0015】
次に従動アイドラ14について図6、図7を用いて説明する。
従動アイドラ14は外アイドラ16と内アイドラ17を左右方向に並設し、該外アイドラ16及び内アイドラ17の外周にそれぞれ縁部を形成して、従動アイドラ14の外周形状を略円筒形状に構成している。また外アイドラ16と内アイドラ17との間に間隙9を設けて、前記クローラベルト2の突起部2aが嵌入するよう構成している。
【0016】
前記内アイドラ17には円周方向に複数の取付け孔19c・19c・・・を穿設し、その外周側で円周方向に複数のボス部19b・19b・・・を形設している。この取付け孔19c・19c・・・及びボス部19b・19b・・・によって、ボルト31・31・・・を介して外アイドラ16を内アイドラ17に固定している。内アイドラ17に固定された外アイドラ16は、半径方向内アイドラ17の取付け孔19c部とボス部19bとの間に位置する傾斜壁10に開口部10aを有している。この開口部10a・10a・・・により、クローラベルト2の突起部2aに付着した泥土等を機体外側へ排出するよう構成し、内アイドラ17にも開口部30・30・・・を設けて、前記の泥土等を機体の内側にも排出することを可能としている。
【0017】
また、前記外アイドラ16は円周方向に三分割された外アイドラ片16a・16a・16aで構成されていて、該外アイドラ片16a・16a・16aはお互い独立的にボルト31によって固定されており、それぞれ単独で着脱が可能となっている。アイドラ14の回転軸65は、図8に示すようにトラックフレーム12後端に固設し門形に形成された支持部材66によって、その両端を支持されているが、前記のように三分割可能に構成しているので、クローラベルト2を駆動スプロケットKと従動アイドラ14との間に巻回する際は、前記アイドラ片16a・16a・16aの例えば一片を取外して巻回すればスムースに巻回でき、アイドラ片16aの着脱作業も容易に行えることとなる。
【0018】
前記内アイドラ17には、前記間隙9に嵌入した突起部2aの先端部に相当する半径方向位置に、円周方向に複数のリブ19a・19a・・・を突設している。また外アイドラ16には半径方向位置が前記リブ19aと同位置で、円周方向位置はリブ19aと交互に配置されるようにリブ18・18・・・を複数立設した。このリブ18およびリブ19aとで、芯金のないクローラベルト2の突出部2aが間隙9の奥深くまで嵌入してクローラベルト2がたわんでしまうことを防止している。また内アイドラ17において、このリブ19aと前記ボス部19bとを一体的に形成してお互いの強度を向上させている。
【0019】
図2に示すように前記トラックフレーム12は、機体フレーム15後部側面から外側へ突出した固定部62によって防振支持筒46を介して該機体フレーム15に固定されている。
防振支持筒46は図12に示すように、内軸46bに外筒46aが外嵌して構成され、該内軸46bと外筒46aとの間には例えばゴム等の弾性体である防振部材47が充填されており、内軸46bと外筒46aとの間の振動の伝達を低減する効果を有している。固定部62には外筒46aを固定し、トラックフレーム12には内軸46bを固定してトラックフレーム12が受けた衝撃をそのまま機体フレーム15に伝えないようにしている。
【0020】
そして、機体フレーム15の前後方向中央部にスイングアーム支持板33が固設され、図9に示すように該スイングアーム支持板33には両端に回動軸を有したスイングアーム32の一端が、ボルト85を介して回動自在に取付けられている。スイングアーム32の他端の回動軸は、トラックフレーム12の前端部両側面から上方に突設した支持フレーム34・34を、ボルト85を介して回動自在に枢支している。このスイングアーム32によって機体フレーム15に対するトラックフレーム12の左右方向の位置を固定して、該トラックフレーム12が左右方向外側に開かないように構成し、該トラックフレーム12の上下動を可能としている。
【0021】
次に衝撃緩衝機構Sについて、図10、図11を用いて説明する。
前記トラックフレーム12の前端には連結板42を介して駆動スプロケット支持フレーム43が連結され、該駆動スプロケット支持フレーム43と前記ホイルモータ23に固設した支持板45とが連結板44を介して連結されることにより、駆動スプロケットKがトラックフレーム12に支持されている。
【0022】
トラックフレーム12の前端に配設した前記連結板42の内側端に支持部材40を固設し、該支持部材40と前後位置を同じくした支持部材39を機体フレーム15に固設して、該支持部材39と支持部材40との間にスプリング41を介装している。また、ホイルモータ23に固設した前記支持板45の前端に支持部材37を固設し、該支持部材37と前後位置を同じくした支持部材36を機体フレーム15に固設して、該支持部材36と支持部材37との間にショックアブソーバ388を介装させている。該ショックアブソーバー38及び前記スプリング41にて、機体フレーム15とトラックフレーム12とを連結することにより、トラックフレーム12に支持されているクローラ式走行装置Cが地面から受けた衝撃や振動を緩衝、低減して機体フレーム15に伝達することができる。
【0023】
次に後転輪の支持機構について図12、図13、図14を用いて説明する。
トラックフレーム12に固設された支持アームの先端には回動支点軸48が枢支され、該回動支点軸48はイコライザアーム50の後端を回動自在に支持している。イコライザアーム50は図15、図16、図17に示すように、本体50aと、該本体50aの上面前後方向全域に、正面視略三角形状に形設した滞留防止体50bと、本体50aの前後端からそれぞれ前方、後方に突出した支持部50d・50dと、本体50aの下面前後部からそれぞれ前記支持部50d・50dよりも前方、後方に突出させ、その先端をそれぞれ上方に突出した支持部50c・50cとから成っている。前記回動支点軸48はこのイコライザアーム50後端の支持部50c・50dを支持しているのである。
【0024】
そしてイコライザアーム50前端の支持部50c・50dは、左右方向に並設したシリンダ53・53の下端を連結した回動軸58によって回動自在に支持されている。シリンダ53・53の上端はそれぞれトラックフレーム12に固定され、該シリンダ53・53を伸縮することによって前記イコライザアーム50を、回動支点軸48を中心に上下に回動することができる。
【0025】
前記イコライザアーム50の本体50aの下面前後方向中央部には左右一対の転輪支持部材49・49が固定孔60・60で、ボルト等を介して固設され、該転輪支持部材49・49は、転輪支持軸55の軸部55bの両端に外嵌された外筒55a・55aをそれぞれ支持している。該外筒55a・55aと軸部55bの間には、例えばゴム等の弾性体である防振部材56が充填されていて、軸部55bが受けた振動や衝撃を低減して外筒55a・55aへ伝達するよう構成している。
【0026】
前記転輪支持軸55の軸部55bには板状部材である左右一対の転輪支持アーム51・51が固設され、該転輪支持アーム51・51の前後端下部には、後転輪11aの回転軸に回転自在に外嵌した支持管57を、それぞれ固設している。前記転輪支持アーム51・51の外側側面に、それぞれ外れ止め52・52がボルト等で固着されている。該外れ止め52・52は略下半部が外側に開いて正面視略「く」字形に形成された板状部材で、その下端は、略円柱状に形成されている。
【0027】
また左右一対に配設された外れ止め52・52の下端部における該外れ止め52・52同士の間隔は、正面視においてクローラベルト2の突起部2aの左右幅よりも適宜広くとり、外れ止め52が突起部2aに接触せずに、かつクローラベルト2がはずれにくい間隔としている。また側面視における、外れ止め52・52の両側面は、後転輪11aと一定の間隔をあけて、後転輪11aの外周に合わせた円弧状に形成している。
そして、両側面の上端と下端は他の側面部分に比べて後転輪11aとの間隔を小さくし、その角部は鋭角に形成している。このように形成することで、クローラベルト2の外れを誘発する、後転輪11aと外れ止め52との間での小石や異物などの噛み込みを防止している。
【0028】
以上のように構成してトラックフレーム12は後転輪11a・11aを支持しているので、該後転輪11a・11aは転輪支持軸55を支点にして、走行する地表の凹凸に合わせて回動することができ、また地表から受けた衝撃や振動も防振部材56によって低減してトラックフレーム12に伝達されるので、凹凸の大きな所を走行する場合でも快適に安定して走行することが可能である。
【0029】
そして、前記シリンダ53を伸縮することで、回動支点軸48を中心として、後転輪11a・11aを上下に回動可能に構成している。
また、前転輪11b・11bも後転輪11a・11aと同様の支持構成として、回動支点軸63を中心に回動するようにしているので、シリンダ53・53を伸長して前転輪11b・11b及び後転輪11a・11aを下方に回動させると、前後方向中央側に位置する前転輪11bと後転輪11aのみが接地することとなり、クローラベルト2の前後方向の接地長さが減少するので、高速走行時での機体の操向操作を向上させることができ、例えば35Km/h程度の走行速度でも確実で安定した操向操作を行うことが可能となった。
【0030】
また、後転輪11a・11aの回動は該後転輪11a・11aの後方に位置した回動支点軸48を中心にするよう構成しているので、回動時の後部側後転輪11の前後位置変化は少なく、シリンダ53の縮小時における後部側後転輪11aと従動アイドラ14との間隔を、狭く設定することが可能である。このように後部側後転輪11aと従動アイドラ14との間隔を狭く設定することで、その後部側後転輪11aと従動アイドラ14との間に泥土や小石が侵入しにくくなり、クローラベルト2の外れを防止できる。
【0031】
そして前記イコライザアーム50の本体50aには、該本体50aに設けた取付け孔60・60のそれぞれの後方に予備取付け孔61・61を設けている。該予備取付け孔61と取付け孔60との間には、クローラベルト2の突出部2aと突出部2aとの間隔Pの半分の間隔(半ピッチP/2)を設けている。この予備取付け孔61・61を使用して、前記イコライザアーム50の本体50aに前記転輪支持部材49を取付けることにより、前転輪11b・11b及び後転輪11a・11aをP/2分だけ後方にずらして支持することができる。
このように構成することで、コンバインやトラクタや建設機械等のクローラ式走行装置Cに搭載する機体の種類や、走行する場所等に応じて、クローラベルト2の外れが発生しにくい位置に前後転輪11a・11bを位置設定して、クローラ式走行装置Cの組付けを行うことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したことにより、次のような効果が得られる。即ち、前転輪を支持している前転輪用イコライザアーム50は前部に回動支点軸63を設け、後転輪を支持している後転輪用イコライザアーム50の後端部に配設した回動支点軸48を中心にして、上下に回動するよう構成したので、水平制御ができるとともに、前転輪及び後転輪のイコライザアームを下方に回動して機体を上昇させたときに、クローラベルトの接地長が短くなり、高速走行を可能とすることができる。
【0033】
また前後方向に並設した前転輪と前転輪との間、及び、後転輪と後転輪との間に、左右一対の外れ止め52を配置し、該外れ止めの側面視における両側面を転輪と一定の間隔を設けながら該転輪の外周形状にあわせた略円弧状に形成し、その側面の上下端は他の側面部よりも転輪との距離を小さくしたので、クローラベルトに付着した泥土がスプロケットやアイドラ等に滞留したり、転輪とクローラベルトとの間等に小石や異物を噛み込むことがなくなったので、クローラベルトの外れが防止できるようになった。
【0034】
そして、イコライザアーム50に固定した転輪支持部材を、クローラベルトの内側突起部のピッチの半ピッチ前後方向に移動可能に構成したので、コンバインやトラクタや建設機械等のクローラ式走行装置に搭載する機体の種類や、走行する場所等に応じて、クローラベルトの外れが発生しにくい位置に前後転輪を位置設定して、クローラ式走行装置の組付けを行うことができ、使用状況に適応したクローラ式走行装置を提供することが可能となった。
【0035】
また、両端に回動軸を有したスイングアーム32で機体フレームとトラックフレームとを連結し、該機体に対するトラックフレームの位置を左右方向においては固定して、前後方向においては上下に回動可能としたので、左右の振れを小さくしてクローラベルトの外れを防止し、走行時の安定性を向上することができた。
【0036】
また、ショックアブソーバ38及びスプリング41を機体フレームとトラックフレームとの間に介装して、該機体フレームとトラックフレームとの間に衝撃緩衝機構を構成したので、クローラ式走行装置が受けた振動や衝撃を低減して機体に伝達することができ、快適で安定した走行が可能となり、機体の損傷も防止することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】クローラ式走行装置を有するクローラトラクタの全体側面図である。
【図2】本発明のクローラ式走行装置を示す側面図である。
【図3】駆動スプロケットの外支持筒を示す平面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】駆動スプロケットの部分断面図である。
【図6】従動アイドラの平面図である。
【図7】同じく部分断面図である。
【図8】従動アイドラの支持構造を示す図である。
【図9】スイングアームを示す平面図である。
【図10】衝撃緩衝機構を示す側面図である。
【図11】同じく平面図である。
【図12】クローラ式走行装置の転輪部を示す側面図である。
【図13】同じく正面図である。
【図14】同じく平面図である。
【図15】イコライザアームの側面図である。
【図16】同じく平面図である。
【図17】同じく正面図である。
【符号の説明】
C クローラ式走行装置
K 駆動スプロケット
S 衝撃吸収機構
2 クローラベルト
11a 後転輪
11b 前転輪
12 トラックフレーム
14 従動アイドラ
15 機体フレーム
32 スイングアーム
38 ショックアブソーバ
41 スプリング
48 回動支点軸
49 転輪支持部材
50 イコライザアーム
52 外れ止め
53 シリンダ

Claims (5)

  1. 駆動スプロケットKと従動アイドラ14との間に、クローラベルト2を巻回して、複数の転輪でガイドしたクローラ式走行装置Cにおいて、前転輪11b・11bを支持する転輪支持部材49を前転輪用イコライザアーム50の下部に固設し、該前転輪用イコライザアーム50は前部に、トラックフレーム12に枢支した回動支点軸63を設け、後端部にトラックフレーム12との間で伸縮可能な前転輪用のシリンダ53を配置し、
    後転輪11a・11aを支持する転輪支持部材49を、後転輪支持用イコライザアーム50の下部に固設し、該後転輪用イコライザアーム50は後部に、トラックフレーム12に枢支した回動支点軸48を配設し、前端部にトラックフレーム12との間で伸縮可能な後転輪用シリンダ53を配置し、
    前記シリンダ53・53を伸長して、前転輪用イコライザアーム50と後転輪用イコライザアーム50を下方に回動させ、前転輪11b・11bと後転輪11a・11aの、前後方向中央側に位置する前転輪11bと後転輪11aのみを接地させ、クローラベルト2の前後方向の接地長さを減少すべく構成したことを特徴とするクローラ式走行装置。
  2. 請求項1記載のクローラ式走行装置において、前後方向に並設した前転輪11bと前転輪11bとの間、及び、後転輪11aと後転輪11aとの間に、それぞれ左右一対の外れ止め52を配置し、該外れ止め52を側面視で、両側面が転輪の外周形状にあわせた略円弧状に形成して、転輪との間に隙間を設け、転輪外周の下端部の隙間は、転輪外周との間の他の隙間よりも小さくして接近させたことを特徴とするクローラ式走行装置。
  3. 請求項1記載のクローラ式走行装置において、イコライザアーム50に固定した転輪支持部材49を、クローラベルト2の内側突起部2aのピッチの半ピッチ分だけ前後方向に移動可能に構成したことを特徴とするクローラ式走行装置。
  4. 請求項1記載のクローラ式走行装置において、両端に回動軸を有したスイングアーム32により、機体フレーム15とトラックフレーム12とを連結し、該機体に対するトラックフレーム12の位置を左右方向においては固定して、前後方向においては上下に回動可能としたことを特徴とするクローラ式走行装置。
  5. 請求項1記載のクローラ式走行装置において、ショックアブソーバ38とスプリング41を、機体フレーム15とトラックフレーム12との間に介装して、衝撃緩衝機構を構成したことを特徴とするクローラ式走行装置。
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