JP4897397B2 - 紫外線照射装置 - Google Patents

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本発明は、ショートアーク形水銀ランプを紫外線光源として用いた紫外線照射装置に関する。
半導体露光や紫外線硬化形樹脂の硬化など多様な用途に紫外線照射装置が用いられている。このような紫外線照射装置では、紫外線光源としてショートアーク形の超高圧水銀ランプ(以下、ショートアーク形水銀ランプという。)が従来から使用されている。この紫外線照射装置には、ショートアーク形水銀ランプから放射される紫外線を楕円反射鏡で集光し、導光体を経由して外部へ導出するとともに、調光板を用いて紫外線量を所望量に調節し、かつシャッター板を用いて紫外線照射を行ったり遮断したりできるように構成されているタイプのものがある。
従来、半導体露光装置において、ショートアーク形水銀ランプの紫外線による照度を高めることにより、露光時間の短縮化および高効率化を目的として、ショートアーク形水銀ランプを連続点灯状態下で定格ランプ電力以下にして待機し、定格ランプ電力以上で露光を行うパルス点灯方式が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
そこで、前記紫外線照射装置におけるショートアーク形水銀ランプの点灯方式として上記パルス点灯方式を採用することが考えられる。この場合、以下に示すシーケンスを採用するのが一般的である。すなわち、ワークに対して安定した紫外線照度で露光しようとする場合、ショートアーク形水銀ランプに定格以上のランプ電力を投入して光レベルを上昇させてからシャッター開放を開始させ、シャッターが開放してからワークに対する露光を開始するシーケンスである。
特開昭60−059733号公報
ところが、紫外線照射装置においてワークに対する紫外線照射のタクトタイムを短縮することはワークの製品コストを低下させるうえで極めて重要であるが、従来技術を上記のように組み合わせた場合においては、安定した紫外線照射を行い、信頼性の高い紫外線照射装置が得られるものの、充分に短いタクトタイムの実現ができない。
本発明は、紫外線照射のタクトタイムを短縮できる紫外線照射装置を提供することを目的とする。
本発明の紫外線照射装置は、ショートアーク形水銀ランプと;相対的大電力を供給してショートアーク形水銀ランプをフラッシュアップ点灯する第1の期間と相対的小電力を供給してショートアーク形水銀ランプの放電を持続させて待機点灯する第2の期間を交互に繰り返す点灯回路と;開閉動作を行ってショートアーク形水銀ランプから発生した紫外線を通過または遮断するシャッター機構と;シャッター機構を通過した紫外線をワークに照射する紫外線照射部と;を具備し、点灯回路における相対的大電力の投入立ち上がり開始時とシャッター機構の開放開始時とがほぼ一致するとともに、第1の期間における相対的大電力の投入による紫外線出力の立ち上がり時間をt1とし、シャッター機構の閉鎖状態から開放までのシャッター機構を通過する紫外線出力の立ち上がり時間をt2としたとき、時間t1およびt2が数式t2≧t1を満足するように構成され、フラッシュアップ点灯における光量立ち上がり時間を、0.2〜2.0秒に設定したことを特徴としている。
本発明によれば、ショートアーク形水銀ランプのフラッシュアップ点灯開始とシャッター機構の開放開始とがほぼ同時に行われるので、紫外線照射のタクトタイムを短縮できるとともに、フラッシュアップ時の紫外線出力が安定してから紫外線照射を開始できるので、所望積算量の紫外線照射を行いやすいとともに、安定した紫外線照射を行って信頼性の高い紫外線照射装置を提供することができる。
また、フラッシュアップ点灯における光量立ち上がり時間を0.2〜2.0秒に設定すれば、急激な陽極温度の上昇を回避することで電極物質の過度の飛散を抑制して紫外線の光束維持率時が向上した紫外線照射装置を提供することができる。
さらに、シャッター閉鎖後にフラッシュアップ点灯から待機点灯へ移行するように構成すれば、紫外線照射光量の積算制御を正確に行いやすい紫外線照射装置を提供することができる。
さらにまた、シャッター機構の開放の確認信号を発生するように構成すれば、この確認信号を利用してワークの流れを制御して紫外線照射のタクトタイムを短縮しやすい紫外線照射装置を提供することができる。
さらにまた、ショートアーク形水銀ランプ、点灯回路、シャッター機構および紫外線照射部の少なくとも一部を収納し、容積V(cm)のハウジングを具備し、ショートアーク形水銀ランプの相対的大電力で点灯する際のランプ電力がW(W)のとき、数式V/W≦45を満足するように構成すれば、小形化で、しかも消費電力が軽減される紫外線照射装置を提供することができる。
さらにまた、紫外線照射位置の確認をおこなうために可視光照射モードを選択可能にする場合、当該モード時にはショートアーク形水銀ランプを待機点灯することにより、可視光変換フィルタに照射されるエネルギー量を低減して当該フィルタの劣化を抑制してその短寿命化を阻止した紫外線照射装置を提供することができる。
さらにまた、ショートアーク形水銀ランプに投入される電力をモニタすることにより、フラッシュアップ点灯時に所定のランプ電力が実際に投入されないエラーが発生するか否かをチェックするエラーチェック機能を充実して、所定の紫外線照射が行われることを確認できる紫外線照射装置を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1ないし図8は、本発明の紫外線照射装置を実施するための第1の形態を示し、図1は正面断面図、図2はショートアーク形水銀ランプの正面図、図3は点灯回路のブロック回路図、図4はランプ電力の波形図、図5はシャッター板の正面図、図6は紫外線照射装置の動作シーケンスを示す説明図、図7は調光板の正面図である。
本形態の紫外線照射装置は、主構成要素としてショートアーク形水銀ランプSHL、点灯回路OC、シャッター機構SP、紫外線照射部UIRを具備している。
また、本発明において所望により配設することができるその他の副次的な構成要素として、本形態においては、楕円反射鏡ER、ミラーM1、および調光機構DP、ハウジングHなどを具備している。
〔ショートアーク形水銀ランプSHLについて〕 ショートアーク形水銀ランプSHLは、図2に示すように、透光性気密容器1、一対の電極2K、2A、外部リード構体3、4および放電媒体を備えている。
透光性気密容器1は、耐火性を有する石英ガラスなどから形成され、例えば包囲部1aおよび一対の封止部1b、1bを備えている。包囲部1aの内部には放電空間1cが形成されている。封止部1bは、透光性気密容器1を気密に封止するとともに、後述する一対の電極2K、2Aを放電空間1c内に封装している。さらに詳述すれば、透光性気密容器1が石英ガラスからなる場合、封止部1bは、その内部に例えば封着金属箔(図示しない。)が気密に埋設されている。なお、封着金属箔は、例えばモリブデン箔からなり、所要の電流容量を得るために、1枚または並列状態で複数枚が用いられる。
一対の電極2K、2Aは、耐火性で導電性の金属、例えばタングステン(W)、レニウム(Re)またはタングステン−レニウム合金など、からなる。そして、直流点灯の場合、陰極2Kと陽極2Aで構成される。また、一対の電極2K、2Aは、包囲部1aの内径より小さい電極間距離、例えば2.8mmとなるようにそれぞれ先端が離間対向して配置されている。
放電媒体は、水銀および希ガスを主体として構成されている。なお、水銀は、点灯時に蒸発して超高圧水銀蒸気状態を呈する。希ガスは、例えばアルゴンガスからなり、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用する。
外部リード構体3、4は、一対の電極2K、2Aを点灯回路に接続して受電するための手段である。また、ショートアーク形水銀ランプSHLを紫外線照射装置の内部に装着する際に、取付手段として外部リード構体3、4を利用することができる。この場合、外部リード構体3、4は、図示のような口金構造を採用することができる。
本形態においては、外部リード構体3の口金部分3aから図2において右側へ突出しているボルト部分3bを、図示しないナットを用いて支持することによって、ショートアーク形水銀ランプSHLを紫外線照射装置の内部に装着することができる。また、同時に点灯回路の出力端の負極側に接続するように構成されている。
他方、外部リード構体4は、口金部分4aから外部へ延在する可とう性の被覆導体4bを備えている。なお、被覆導体4bの先端には、接続端子4cが配設されている。
さらに、外部リード構体3、4は、図示しないが、それらの一端が封止部1b、1b内に延在して封着金属箔に溶接されている。
そうして、ショートアーク形水銀ランプSHLは、点灯されると透光性気密容器1の内部に超高圧水銀蒸気放電が生起して紫外線を発生する。
ショートアーク形水銀ランプSHLは、上述した基幹的な構造に加えて、所望により以下の構成を付加することが許容される。
1.(陰極保温膜5について) 陰極保温膜5は、陰極2Kに水銀が付着するのを防止するために陰極2Kを保温するための手段である。そして、例えば主として陰極2K側の封止部の外面に形成された白金などの蒸着膜からなる。なお、陰極2Kに水銀が付着すると、始動電圧過昇や点灯不良を生じやすくなる。
2.(陽極保温膜6について) 陽極保温膜6は、気密容器1の温度上昇を早めるための手段である。そして、例えば陽極2Aの主として基端部分に対向する気密容器1の外面に形成された白金などの蒸着膜からなる。なお、気密容器1の温度上昇を早めることで光束立ち上がりが速くなる。
3.(トリガーワイヤ7について) トリガーワイヤ7は、始動時に電極近傍の電位傾度を大きくしてショートアーク形水銀ランプSHLの始動性を良好にするための手段である。そして、例えば基端が陰極2K側の外部リード構体3に接続し、中間が包囲部1aの外面に近接して延在し、先端が陽極2A側の封止部1bの包囲部1aに隣接する部位に巻き付けられている。
〔点灯回路OCについて〕 点灯回路OCは、ショートアーク形水銀ランプSHLをフラッシュアップ点灯する回路手段である。フラッシュアップ点灯とは、ショートアーク形水銀ランプSHLに投入するランプ電力を間欠的に相対的に大きなランプ電力、好ましくは定格ランプ電力を超える電力を第1の期間の間、例えば10秒間投入して点灯し、第1の期間に続く第2の期間の間相対的に小さなランプ電力、好ましくは定格ランプ電力より小さくて、かつ放電を持続し得る程度の電力を投入し、この第1および第2の期間を繰り返して点灯させるパルス点灯方式である。
上記パルス点灯動作は、図4に示すように、一態様として定電流制御の下で相対的大電力Hを供給する第1の期間T1と、相対的小電力Lを供給する第2の期間T2を交互に繰り返すことにより行われる。なお、この場合、第2の期間T2においては、定電流制御でもよいし、定電力制御回路であってもよい。
また、上記態様の場合、点灯回路OCは、少なくとも第1の期間T1の間に投入するランプ電力を定電流制御するために、一例として点灯回路OCに直流定電流制御回路CCRを用いて、その出力端間から得られる定電流をショートアーク形水銀ランプSHLに供給することができる。第2の期間に定電力制御回路を行う場合には、直流定電流制御回路CCRに加えて定電力制御回路を並列または直列的に配設して、それらの制御回路を、それぞれの期間T1、T2ごとに切り換えてショートアーク形水銀ランプSHLに接続するように構成することができる。
さらに、直流定電流制御回路CCRの入力端に直流電力を供給するために、整流回路RCを用いて交流電源ACから得る交流電圧を整流する。
さらにまた、点灯回路OCは、ショートアーク形水銀ランプSHLに投入するランプ電力を、フラッシュ点灯において相対的大電力Hと相対的小電力Lとに間欠的に変動させるために、制御手段CCを用いて直流定電流制御回路CCRから出力されるランプ電流をそれぞれの期間に必要な値にするために制御するように構成されている。なお、上記間欠的な変動の周期は、紫外線照射の対象により適宜設定できるものとする。例えば、第1および第2の期間をそれぞれ10秒程度に設定することができる。
〔シャッター機構SPについて〕 シャッター機構SPは、図示しないワークに紫外線を照射し、または紫外線が照射されないように遮断するための紫外線制御手段であり、本形態においては図1および図5に示す構造を備えている。
すなわち、シャッター機構SPは、図5に示すように、回転中心x2の周りに回転するシャッター板P2およびこのシャッター板P2を所定角度、すなわち図5においては45°だけ節動回転駆動を行う節動回転駆動手段SM2、例えばステッピングモータを図1に示すように備えている。そして、シャッター板P2には第1の節動回転位置において無開口になっていて紫外線を遮断(オフ)し、第2の節動回転位置においてシャッター開口OP2が形成されていて紫外線を通過(オン)させるように構成されている。
また、シャッター機構SPは、後述する調光機構DPとともに円盤状紫外線通過量制御機構UVCを構成する。
〔紫外線照射部UIRについて〕 紫外線照射部UIRは、シャッター機構SPの後段に配設されていて、紫外線をワークに照射する部分の構成である。そして、本形態においては、導光体LG、集光レンズユニットLU、ミラーM2および照射口IROにより構成されている。なお、紫外線照射部UIRの一部、図1においては導光体LGの一部は、後述するハウジングHの内部に収納することができる。
導光体LGは、後述する楕円反射鏡ERの第2焦点f2に集光した紫外線を照射位置など所望の位置まで導光する手段である。そして、既知の各種導光体を採用することができるものとする。しかし、好適には内面全反射構造の石英ガラスロッドを適当な外皮で保護した構成のものがよい。
また、導光体LGは、後述するミラーM1で反射した紫外線が一端から入射し、他端から出射する。他端から出射した紫外線をそのまま利用してもよいし、さらに後述するように他の光学手段を用いて紫外線の照射方向を変更したり、本形態におけるように集光したり、または拡散させるなど適宜の利用形態になるように設定したりすることが許容される。
集光レンズユニットLUは、導光体LGの他端に配設され、導光体LGから出射した紫外線を集光する。
ミラーM2は、集光レンズユニットLUにより集光された紫外線を反射して、その照射方向を90°変更して下向きにする。
照射口IROは、ミラーM2の反射紫外線がワークに照射するための開口である。
〔本形態における紫外線照射装置の動作について〕 本発明においては、点灯回路OCによる相対的大電力をショートアーク形水銀ランプSHLに投入する際の投入電力の立ち上がり開始時と、シャッター機構の開放開始時とがほぼ一致するように構成される。
以下、その動作を図7により説明する。グラフ(a)は、シャッター機構SPを通過する前のシャッター機構に到達するショートアーク形水銀ランプSHLからの紫外線出力レベルを示し、紫外線出力Aと呼ぶ。グラフ(b)は、ワーク側に到達するシャッター機構SPを通過したショートアーク形水銀ランプSHLからの紫外線出力レベルを示し、紫外線出力レベルBとよぶ。グラフ(c)は、ショートアーク形水銀ランプSHLの第1の期間T1および第2の期間T2の点灯のタイミングにおけるワークが流れているタイミングを説明している。シャッター機構SPが全閉のときはワーク側の紫外線出力Bのレベルはゼロであり、シャッター機構SPが所定の時間t2で全開されていくことにより、ワークに到達する紫外線出力Bレベルが上昇し、シャッター機構SPが全開すると、ワーク側への紫外線到達レベルは最大となる。グラフ(a)によれば、紫外線出力Aがローレベルのときは、図4における第2の期間T2を示し、図4における点灯回路OCによる相対的大電力をショートアーク形水銀ランプSHLに投入するタイミングと図7(b)におけるシャッター機構SPの開放開始時タイミングとがほぼ一致させていることが図7(a)とのタイミングの関係から分かる。すなわち、図7(a)におけるタイミングt1はショートアーク形水銀ランプSHLに第2の期間T2から第1の期間T1に切り替わる相対的大電力が印加されるタイミングを拡大して示している。これに対して、ワーク側への紫外線照射レベルが最大に到達するのはシャッター機構SPが全開するt2となる。
したがって、本発明の紫外線照射装置によれば、その動作が時間t2≧t1を満足するように構成されているので、ショートアーク形水銀放電ランプのフラッシュアップ点灯時の紫外線出力が安定した直後から紫外線照射を開始することが可能になる。
次に、本形態における光学系の作用について説明する。図1において、ショートアーク形水銀ランプSHLから放射された紫外線は、楕円反射鏡ER内において、第1焦点f1から出射して楕円反射鏡ERの反射面で反射して楕円反射鏡ERから図1において下方へ集光しながら出射する。そして、ミラーM1に入射し、反射して、第1の光軸LX1に対してほぼ90°方向に向きが変更され、さらに集光しながら導光体LGの一端付近に位置する第2焦点f2に収斂する。
第2焦点f2に収斂した紫外線は、円盤状紫外線通過量制御機構UVCすなわち調光機構DPまたは/およびシャッター機構SPを通過して導光体LG内にその一端から入射する。そして、導光体LG内を導光されて他端から出射する。出射した紫外線は、集光レンズユニットUで再び集光され、ミラーM2で反射して図1において下方へ屈折し、照射口IROから紫外線照射装置の外部へ照射される。
〔その他の構成について〕 次に、本形態における副次的な構成要素について説明する。
1.(楕円反射鏡ERについて) 楕円反射鏡ERは、第1焦点f1および第2焦点f2を有し、例えば反射面が椀形の回転楕円体形状をなしている。また、その第1焦点f1にショートアーク形水銀ランプSHLの発光中心が位置するように配置されることによって、ショートアーク形水銀ランプSHLから放射される紫外線を反射して第2焦点f2に集光する。
また、楕円反射鏡ERは、好適には椀形のガラス基体の内面に紫外線反射・赤外線透過性被膜を被着させてなされる構成のものを採用することができる。そして、ショートアーク形水銀ランプSHLの発光部が内部に収納される。
2.(ミラーM1について) ミラーM1は、楕円反射鏡ERから出射した反射紫外線の進行方向をほぼ90°の角度で変更させる光学手段である。この反射手段には平面反射鏡を用いることができる。なお、所望によりミラーM1の傾斜角を微調整する角度調整手段を付加することができる。
また、ミラーM1は、楕円反射鏡ERの開口と第2焦点f2との間に位置して、好ましくは第2焦点f2になるべく接近した位置になるように、配設されている。
3.(調光機構DPについて) 調光機構DPは、図6に示すように、回転中心x1の周りに回転する調光板P1およびこの調光板P1を所定角度だけ節動回転させるための駆動回転を行う節動回転駆動手段(図示しな。)、例えばステッピングモータを備えている。そして、調光板P1には複数ステップの節動回転位置(例えば回転中心x1の回りの270°の間に63ステップ)がディジタル的に設定され、そのステップごとに節動させて所定のステップ位置に到達するように構成するとともに、各ステップ位置には1個または複数個の透孔からなり、開口面積がステップ数に応じて順次変化して、通過紫外線量が0〜100%を規定している開口OP1が環状に配置されている。
そうして、本形態における調光機構DPによれば、調光板P1を節動回転駆動するとともに、予めステップ数と開口面積とを所定の関係に設定してあるので、図に示すような直線性に優れた調光特性を得ることができる。
また、調光機構DPは、前述のシャッター機構SPとともに円盤状紫外線通過量制御機構UVCを構成している。 また、円盤状紫外線通過量制御機構UVCは、図1に示すように、楕円反射鏡ERとミラーM1とを結ぶ第1の光軸LX1に対して直角で、かつミラーM1と導光体LGとを結ぶ第2の光軸LX2を含む平面Pを挟んで反射鏡ERの反対側に回転中心x1、x2が位置する。そして、円盤部P1またはP2の作用部がミラーM1と導光体LGとの間に介在して紫外線の通過量を制御する光学制御機構である。
したがって、本形態の円盤状紫外線通過量制御機構UVCによれば、導光体LGの他端から出射する紫外線量を制御することができる。紫外線の制御は、調光および通過・遮断の切り換え(シャッター動作)のいずれか一方または両方が可能なように構成することができる。調光を行うときには調光機構DPが、また通過・遮断の切り換え(シャッター動作)を行うときにはシャッター機構SPが、それぞれ配設される。両方を行う際には、調光機構DPの調光板P1とシャッター機構SPのシャッター板P2の作用部が近接するように配設される。
4.(排気機構ASについて) 紫外線照射装置から外部へ塵埃などが放散されないように排気機構ASを具備することができる。排気機構ASを排気ダクト(図示しない。)に接続すれば、紫外線照射装置内が低圧になり、内部から塵埃などの不純物が放散しなくなる。
5.(光源位置微調整機構LXRについて) 光源位置微調整機構LXRは、ショートアーク形水銀ランプSHLの管軸位置を微調整する機構である。なお、ショートアーク形水銀ランプSHLは、後述するハウジングHの天井から吊持されている。
6.(ハウジングHについて) ハウジングHは、以上の各手段を内部の所定位置に収納している。
以下、本発明の紫外線照射装置を実施するためのその他の形態について説明する。
[第2の形態]
第2の形態は、第1の形態において、フラッシュアップ点灯において、相対的大電力の投入による第1の期間における紫外線出力の立ち上がり時間t1を0.2〜2秒に設定する。
そうして、本形態においては、上記立ち上がり時間を0.2〜2秒に設定することにより、電極物質の不所望な飛散が抑制されるので、光束維持率が向上して、長時間点灯しても紫外線照度の低下を抑制することができる。
図1に示す第1の形態である。
ショートアーク形水銀ランプ
透光性気密容器:包囲部の内径20mm
一対の電極 :電極間距離2.8mm
放電媒体 :水銀およびArガス
点灯回路(フラッシュアップ点灯を行う。)
第1の期間 :1000W
第2の期間 :700W
第1・第2の期間:それぞれ10秒間
電力立ち上がり時間:0.2秒

[比較例1]
電力立ち上がり時間:0.1秒
その他は実施例と同じ。

波長365nmの紫外線照度の相対最大値(%)は、表1に示すとおりであった。
[表1]
点灯時間(hr) 実施例(%) 比較例(%)
0 100 100
100 95 90
500 90 80
1000 85 75

表1から理解できるように、実施例(本発明)によれば、比較例に比較してショートアーク形水銀ランプの寿命の進展に伴う紫外線照度の低下が顕著に抑制される。
[第3の形態]
第3の形態は、第1の形態において、図1におけるハウジングHの内容積V(cm)とし、フラッシュアップ点灯における相対的大電力のランプ電力をW(W)としたとき、数式V/W≦45を満足するように構成している。
そうして、本形態においては、上記数式を満足することにより、ショートアーク形水銀ランプに比較的小形のものを用いることが可能になり、ケーシングを小型化できるとともに、省電力化を図ることができる。
V/W=36.3
その他は、実施例1と同じ。

[比較例2]
点灯回路 :800Wのランプ電力を連続投入する回路
V/W=45.4
その他は実施例1と同じ。

波長365nmの紫外線照度の最大値(mW/cm)は、表2に示すとおりであった。
[表2]
紫外線照度の最大値(mW/cm
実施例2 200
比較例2 160

表2から理解できるように、実施例2の方が比較例2より紫外線照度が大きくなる。
次に、本形態において、ハウジングHの内容積を一定にしてランプ電力W(W)を変化させたときの紫外線照度の最大値(mW/cm)は、表3に示すとおりであった。
[表3]
W(W) V/W 紫外線照度の最大値(mW/cm
700 51.8 120
800 45.4 160
1000 36.3 200
1200 30.3 240

表3から理解できるように、本形態によれば、紫外線照度の最大値が顕著に大きくなる。
実施例2および比較例2において、紫外線照射の露光時間を変化して紫外線硬化性樹脂Aの硬化試験を実施したときの評価結果は表4に示すとおりであった。なお、紫外線硬化性樹脂Aは、波長365nmの紫外線照度が200mW/cm以上で硬化する。また、表中において、○は硬化した、×は硬化しない、をそれぞれ示している。
[表4]
露光時間(秒) 0.5 1.0 1.5 2.0
実施例2 × × ○ ○
比較例2 × × × ×

表4から理解できるように、実施例2によれば、紫外線硬化性樹脂Aの場合、露光時間が1.5秒以上であれば、紫外線硬化性樹脂Aの硬化の実用に供することができる。これに対して、比較例2では硬化が得られなかった。
さらに、紫外線硬化性樹脂Bの硬化試験を上記と同様に実施したときの評価結果は表5に示すとおりであった。なお、紫外線硬化性樹脂Bは、波長365nmの紫外線積算光量が320mWs/cmで硬化する。
[表5]
露光時間(秒) 0.5 1.0 1.4 1.6 1.8 2.0
実施例2 × × ○ ○ ○ ○
比較例2 × × × × × ○

表5から理解できるように、実施例2によれば、露光時間が1.4秒以上であれば、紫外線硬化性樹脂Bの硬化の実用に供することができる。これに対して、比較例2では2.0秒未満の時間では硬化が得られなかった。
[第4の形態]
第4の形態は、ショートアーク形水銀ランプの少なくとも一方の電極、好ましくは一対の電極における軸部の外周面に直径が0.3mm以下の耐火性金属、例えばタングステン(W)の細線からなるコイルを形成した構成である。なお、コイルは、好ましくは密巻きである。
そうして、本形態においては、透光性気密容器の封止部に埋設されている状態で、上記コイルが封着緩衝部として作用するので、フラッシュアップ点灯でランプ電力が過入力状態になった際に、電極軸と周囲の石英ガラスとの熱膨張率差を、上記構成のコイルによって形成された空間で緩和させることができる。このため、電極封着部の信頼性が向上する。
[第5の形態]
第5の形態は、ショートアーク形水銀ランプの一対の電極を陰極および陽極により構成して直流点灯を行うように構成するとともに、陽極を透光性気密容器の外部から冷却する冷却手段を配設した構成である。冷却手段は、具体構造が特段限定されるものではないが、好ましくはエアブロワーを用いるのがよい。
本発明においては、ショートアーク形水銀ランプをフラッシュアップ点灯するので、特に陽極の温度上昇が激しくなり、陽極周辺の封着部が強い熱ストレスに晒される。その結果、ショートアーク形水銀ランプの信頼性が低下するという問題がある。
本形態においては、陽極周辺の封着部が冷却手段により冷やされるので、陽極周辺の封着部が強い熱ストレスに晒されなくなる。このため、ショートアーク形水銀ランプの信頼性が向上する。
[第6の形態]
第6の形態は、ショートアーク形水銀ランプにおける透光性気密容器の包囲部が、その肉厚体積をGV(cm)とし、フラッシュアップ時のランプ電力をW(W)としたとき、BVおよびWが数式50<W/GV<300を満足するように構成されている。
BVおよびWが範囲内であれば、フラッシュアップ点灯によって生じる寿命中の熱歪が図8に示すように低減する。なお、図8において、横軸はW/GVを、縦軸は歪量(MPa)を、それぞれ示す。
このため、ショートアーク形水銀ランプの長寿命化が可能となる。また、寿命中の透光性気密容器の破裂も抑制できるので、ショートアーク形水銀ランプの信頼性が向上する。
しかし、ショートアーク形水銀ランプは、フラッシュアップ点灯により包囲部内の圧力が40〜50気圧程度になるため、W/GVが50以下になると、ショートアーク形水銀ランプが破裂しやすくなるので、不可である。また、W/GVが300以上になると、光束立ち上がり特性が悪くなるので、不可である。なぜなら、水銀蒸気は、透光性気密容器の温度に依存し、包囲部の内容積が大きくなってBVの値が上昇すると、透光性気密容器の温度上昇に要する時間が長くなるからである。
[第7の形態]
第7の形態は、ショートアーク形水銀ランプにおける一対の電極の少なくとも一方の周囲を包囲する透光性気密容器の包囲部の外面に保温膜(例えば、図2における符号6を付した部分)を形成する場合に、当該保温膜の膜厚をL(mm)としたとき、Lが数式L<0.5を満足する構成である。なお、保温膜の材質の好ましい材質は、白金膜などである。
そうして、本態様においては、保温膜の膜厚が上記数式を満足することにより、保温性能が最適化されて、透光性気密容器の温度上昇が早くなるために、安定した動作特性を有するショートアーク形水銀ランプが得られる。
[第8の形態]
第8の形態は、ショートアーク形水銀ランプにおける透光性気密容器の内容積をVa(cm3)とし、一対の電極の少なくとも一方の周囲を包囲する透光性気密容器の包囲部の外面に保温膜(例えば、図2における符号6を付した部分)を形成する場合に、当該保温膜の体積をVb(cm)としたとき、VaおよびVbが数式Vb/Va<0.1を満足する構成である。
そうして、本態様においては、VaおよびVbが上記数式を満足することにより、保温性能が最適化されて、透光性気密容器の温度上昇が早くなるために、安定した動作特性を有するショートアーク形水銀ランプが得られる。
[第9の形態]
第9の形態は、ショートアーク形水銀ランプの一対の電極を陰極および陽極として直流点灯を行うように構成する場合において、陽極の放電スポットが形成されない位置に、ゲッターが配設されている構成である。ゲッターとしては、例えばタンタル(Ta)、ジルコニウム(Zr)、ジルコニウム−アルミニウム合金などの既知の金属の粉末を主成分とする塗布液を上記所定の位置に塗布乾燥により被着させることによって形成することができる。
そうして、本態様においては、ショートアーク形水銀ランプの初期および寿命中の始動不良、発光のちらつき、紫外線照度の低下を抑制することができる。特にフラッシュアップ点灯を行う場合に、過入力時でも紫外線照射装置の性能向上、コストダウンおよびショートアーク形水銀ランプの信頼性向上を確保することができる。
[第10の形態]
第10の形態は、ショートアーク形水銀ランプの一対の電極を陰極および陽極として直流を行うように構成する場合において、図9に示すように、透光性気密容器の陰極側の封止部の管軸方向の長さをL1とし、当該封止部に装着する口金の封止部に対向する部分の長さをL2としたとき、L1およびL2が数式1.5≦L1/L2≦5を満足する構成である。なお、口金は、金属製である。また、図9において、図2と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
そうして、本態様においては、上記数式を満足することにより、ショートアーク形水銀ランプを消灯した後に、電極表面に水銀が付着しにくくなる。その結果、再点灯時の絶縁破壊電圧が低下し、放電スポットが安定し、始動性不良などの不具合発生を抑制することができる。なお、水銀が電極に付着すると、次回点灯時の始動電圧(Vs)上昇や始動不良の発生を抑制することができる。
[第11の形態]
第11の形態は、ショートアーク形水銀ランプの一対の電極を陰極および陽極として直流を行うように構成する場合において、図2に示す保温膜5の管軸方向の長さをL3(mm)としたとき、L3が数式L3>3を満足する構成である。なお、保温膜の材質の好ましい材質は、白金膜などである。
そうして、本態様においては、上記数式を満足することにより、ショートアーク形水銀ランプを消灯した後に、電極表面に水銀が付着しにくくなる。その結果、再点灯時の絶縁破壊電圧が低下し、放電スポットが安定し、始動性不良などの不具合発生を抑制することができる。なお、水銀が電極に付着すると、次回点灯時の始動電圧(Vs)上昇や始動不良の発生を抑制することができる。
[第12の形態]
第12の形態は、ショートアーク形水銀ランプの一対の電極を陰極および陽極として直流を行うように構成する場合において、図10の概念的断面図に示すように、以下の位置の少なくとも1箇所に保温膜を形成した構成である。なお、保温膜の材質の好ましい材質は、白金膜などである。また、図10において、図2と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
(1)陰極の先端からその基端に向かって1mm離れた点K1から管軸に直角に引いた直線と包囲部の外面との交点の位置から陰極側の包囲部端部までの第1の外面領域に保温膜6aを形成する。
(2)陽極の先端からその基端に向かって1mm離れた点K2から管軸に直角に引いた直線と包囲部の外面との交点の位置から陽極側の包囲部端部までの第2の外面領域に保温膜6bを形成する。
(3)包囲部の側面から突出する排気チップオフ部1a1の外面に保温膜6cを形成する。
(4)図2において、一対の封止部1b、1bの少なくとも一方、例えば陰極側の封止部1bに保温膜5を形成する。
そうして、本態様においては、上記構成を備えていることにより、ショートアーク形水銀ランプの透光性気密容器の温度上昇が早くなり、安定した動作特性を有するショートアーク形水銀ランプを得ることができる。
[第13の形態]
第13の形態は、ショートアーク形水銀ランプと、相対的大電力を供給してショートアーク形水銀ランプをフラッシュアップ点灯する第1の期間と相対的小電力を供給してショートアーク形水銀ランプの放電を持続させて待機点灯する第2の期間を交互に繰り返えす点灯回路と、開閉動作を行ってショートアーク形水銀ランプから発生した紫外線を通過または遮断するシャッター機構と、シャッター機構を通過した紫外線をワークに照射する紫外線照射部と、を具備し、図11の(a)に示すように第1の期間における相対的大電力の投入による紫外線出力Aが立ち上がった後に、図11の(d)に示すようにシャッター開放動作が開始し、図11の(b)に示すように紫外線出力Bの照射が開始するように構成されている紫外線照射装置である。
好ましくは、図11の(c)に示すように、シャッター機構を通過する紫外線が立ち上がった後にワークが紫外線照射位置に流れるように構成される。また、相対的大電力の投入による紫外線出力が立ち上がった後にシャッター機構が開放されるように構成される。
そうして、本形態においては、常に安定した紫外線照射を行うことができる。なお、図中、図7と同一部分については同一符号を付して説明は省略する。
[第14の形態]
第14の形態は、紫外線照射に代えて可視光を照射する可視光照射モードを選択可能に具備しているとともに、当該可視光照射モード時にはショートアーク形水銀ランプを待機点灯させるように構成されていることを特徴とする。
すなわち、紫外線照射を行って所定の処理を行う場合、ワークに対する紫外線照射エリアの位置決めを行う際に、紫外線に代えて可視光照射を行えるようにすると便利である。可視光照射を行うためには、ショートアーク形水銀ランプから発生する紫外線を可視光に変換する。これを行うために、可視光変換フィルタを用いる。
第14の形態においては、可視光照射を行う際にショートアーク形水銀ランプを待機点灯させるので、このときに発生する紫外線強度を相対的に低減した状態とすることができる。そして、可視光変換フィルタを用いて発生した紫外線を可視光に変換してから照射する。このときの可視光照射を利用すれば、目視によりワークなどに対する紫外線照射位置を決めることが可能になる。
次に、図12および図13を参照して第14の形態をさらに詳述する。
図12は、本発明の紫外線照射装置を実施するための第14の形態における調光板を示す正面図である。なお、調光板P1自体の構造は図6におけるのとほぼ同じであるが、第14の形態において関係する部位および各光照射モード時の回動位置の説明を付記してある。
すなわち、調光板P1は、UV(紫外線)照射量を調節するために、それぞれの回動照射位置において開口率が変化するように配設された1個または複数個の開口OP1を有していることについては既述のとおりであるが、調光板P1の例えば矢印で示されているUV100%の紫外線照射モード時の位置には、大きな開口が1個配置されている。また、UV50%の同様位置には、開口OP1が複数配置されて、その位置の開口率50%になっている。これに対して、UV0%の同様位置には、開口が配置されていない。このため、紫外線は調光板P1によって完全に遮断される。
一方、調光板P1の可視光照射位置は、UV100%位置におけると同様に大きな開口が1個配置されているが、これに加えて上記開口には可視光変換フィルタFが装着されている。可視光変換フィルタFは、そこに入射する紫外線を可視光に変換するように構成されているもので、既知のこの種フィルタを用いることができる。
したがって、可視光照射モードのときには、調光板P1をステッピングモータにより所定位置に回動させる。このとき、調光板P1の可視光照射位置が図1の第2の光軸LX2に交差する位置となる。このため、ショートアーク形水銀ランプSHLから発生し、楕円反射鏡ERで集光された紫外線が可視光変換フィルタFに入射するので、可視光に変換されて出射する。出射した可視光は、図1において導光体LGおよびミラーM2を経由して紫外線が照射されるときと同様にワークの位置を照射する。
次に、光照射モードと入力電力状態およびシャッター状態との関係を図13を参照して説明する。
図13は、本発明の第13の形態における光照射モードと入力電力状態およびシャッター状態との関係を示す説明図である。図において、左側の上から下へ光照射モード、シャッター状態および入力電力状態を示し、左側から右側へ各光照射モード時すなわち可視光、UV100%、UV50%およびUV0%時を示している。
まず、シャッター状態について説明する。各光照射モード時において、図1のシャッター機構SPはそれぞれ開閉動作を行う。すなわち、開放時と閉鎖時がある。
次に、入力電力状態について説明する。入力電力は、各光照射モード時において、フラッシュアップ点灯時に相対的に高レベルとなり、待機点灯時に相対的に低レベルとなる。
したがって、UV100%、UV50%およびUV0%時には、フラッシュアップ点灯と待機点灯とを交互に繰り返すので、フラッシュアップ点灯時に間欠的にUV照射を行う。これに対して、可視光照射時には、入力電力が低レベルの待機点灯状態に維持される。
そうして、第14の形態によれば、可視光照射時には待機点灯状態に維持されるため、紫外線量の発生が低減しているので、紫外線−可視光変換を行う可視光変換フィルタFの劣化を抑制することができる。
[第15の形態]
第15の形態は、ショートアーク形水銀ランプのフラッシュアップ点灯時に電力レベル変化を監視するモニタ機能を備えていることを特徴とする。
すなわち、フラッシュアップ点灯を行って紫外線照射を行う場合、フラッシュアップ時と待機点灯時とでランプ電力の増減制御を繰り返しながら紫外線照射を行うので、何らかのエラーによってフラッシュアップ時に所要のランプ電力が投入されない状態が発生すると、ワークに対する紫外線照射処理に不良を生じることになる。このような事態の発生は、速やかに検知し、対処しなければならない。
第15の形態においてモニタ機能として、ショートアーク形水銀ランプのフラッシュアップ点灯時にランプ電力の投入が増加するので、その変化を電気的に直接または間接的に監視すれば、フラッシュアップ点灯が適正に行われているか検知することができる。ランプ電力の変化を直接監視するには、入力電力を検出すればよい。また、ランプ電力の変化を間接的に監視するには、電圧または電流を検出すればよい。ランプ電力が上記のように変化する際の電圧または電流の変化パターンを予め調べておけば、電圧または電流の変化パターンからランプ電力の検知されるべき変化を知ることができる。
フラッシュアップ時に所要のランプ電力が投入されない状態が発生したときに、これを速やかに検知したら、人間系により対処することもできるが、好ましくはショートアーク形水銀ランプの点灯回路の制御回路にエラー対応システムとして組み込むのがよい。なお、エラー対応としては、エラー表示や紫外線照射動作の自動停止などを行うことができる。
次に、図14および図15を参照して第15の形態をさらに詳述する。
図14は、本発明の紫外線照射装置を実施するための第15の形態における制御ブロックを示す正面図である。図14に示す本発明の第15の形態において、制御ブロックは、外部、電源ユニットおよびランプハウスに区分されている。
上記外部は、紫外線照射装置に対して外部に位置する制御の上位側であり、紫外線照射装置を採用する客側の装置により構成されている。したがって、外部から紫外線照射装置の照射動作開始に対する指令であるところの(1)シャッター指令信号を送出する(なお、制御信号の前に付された数字は、図中○で囲んだ数字により示されている。以下、同様である。)。
上記外部に対して、電源ユニットおよびランプハウスは、本発明の紫外線照射装置の制御に関係する部分を構成している。電源ユニットは、ショートアーク形水銀ランプの点灯装置であり、電子安定器および制御回路を備えて構成されている。なお、電子安定器は、ランプハウス内のランプ(ショートアーク形水銀ランプ)を点灯する点灯回路であり、電子回路を主体として構成されている。また、制御回路は、紫外線照射装置全体の制御を司り、したがって電子安定器の制御およびランプハウス内に配設される各種機器の制御を行う。
ランプハウスは、その内部にランプ(ショートアーク形水銀ランプSHL)、イグナイタ、シャッター(シャッター機構SP)、ステッピングモータ、閉センサおよび開センサが配設されている。なお、上記において、符号は図1に示す第1の形態におけるのと共通している。
そうして、上記制御回路は、シャッターを開閉させるためにステッピングモータを制御する「シャッター開閉」を行うとともに、実際のシャッター開閉を閉センサおよび開センサからの検出信号を受信する「閉検出」および「開検出」を行って、客側装置に対して「(2)閉信号」および「(3)開信号」を送出する。また、「電子安定器に対するフラッシュアップ点灯の指令信号である「(4)FU信号」送出を行うとともに、電子安定器から第15の形態における特徴的構成である「(5)FUモニタ信号」を受信する。
次に、図15を参照して上述の各制御のタイミングについて説明する。
図15は、本発明の紫外線照射装置を実施するための第15の形態における制御のタイミングチャートである。
客側装置から電源ユニットの制御回路にシャッター開(高レベル)の「(1)シャッター指令信号」が入力すると、制御回路はステッピングモータを作動させ、シャッターを開にする。
「(1)シャッター指令信号」の立ち上がり後、時間t1でシャッターが開きだして閉センサがOPEN(開)すると、制御回路から高レベルのシャッターの「(2)閉信号」が客側装置へ送出される。また、同様に時間t2後にシャッターが開放されて開センサがCLOSE(閉)すると、制御回路からシャッターの「(3)開信号」が客側装置へ送出される。
一方、制御回路は、「(1)シャッター指令信号」立ち上がり後、時間t3に「(4)FU信号」を電子安定器へ送出する。その結果、電子安定器は、ショートアーク形水銀ランプのフラッシュアップ点灯を開始させる。
フラッシュアップ点灯が開始すると、電子安定器からショートアーク形水銀ランプへの投入電力が増大する。なお、一例として、フラッシュアップ点灯時には1000Wが投入され、待機点灯時には700Wが投入される。
ショートアーク形水銀ランプへの投入電力が増大しだしてから時間t6後に、「(5)FUモニタ信号」が出力される。
制御回路は、「(5)FUモニタ信号」が所定タイミングで入力されないときにはエラーと判断するように構成されている。
そうして、「(1)シャッター指令信号」が低レベルになってオフすると、シャッターが閉じるとともに、フラッシュアップ点灯状態が終了する。このとき、「(4)FU信号」は、シャッターが完全に閉まって「(2)開信号」が送出されてから時間t7後にオフされる。
本発明は、半導体露光、紫外線硬化性樹脂の硬化、光洗浄など紫外線を照射して行う処理に適用することができる。
本発明の紫外線照射装置を実施するための第1の形態を示す正面断面図 同じくショートアーク形水銀ランプの正面図 同じく点灯回路のブロック回路図 同じくランプ電力の波形図 同じくシャッター板の正面図 同じく調光板の正面図 同じく紫外線照射装置の動作シーケンスを示す説明図 本発明の紫外線照射装置を実施するための第6の形態におけるW/GVと熱歪の関係を示すグラフ 本発明の紫外線照射装置を実施するための第10の形態におけるショートアーク形水銀ランプを示す断面略図 本発明の紫外線照射装置を実施するための第12の形態におけるショートアーク形水銀ランプを示す概念的断面図 本発明の紫外線照射装置を実施するための第13の形態における動作シーケンスを示す説明図 本発明の紫外線照射装置を実施するための第14の形態における調光板を示す正面図 同じく光照射モードと入力電力状態およびシャッター状態との関係を示す説明図 本発明の紫外線照射装置を実施するための第15の形態における制御を示すブロック図 同じく制御のタイミングチャート
符号の説明
D…開口の直径、DP…調光機構、ER…楕円反射鏡、L…距離、LG…導光体、LX1…第1の光軸、LX2…第2の光軸、M1、M2…ミラー、P1…調光板、P2…シャッター板、SHL…ショートアーク形水銀ランプ、SP…シャッター機構、UVC…円盤状紫外線通過量制御機構

Claims (1)

  1. ショートアーク形水銀ランプと;
    相対的大電力を供給してショートアーク形水銀ランプをフラッシュアップ点灯する第1の期間と相対的小電力を供給してショートアーク形水銀ランプの放電を持続させて待機点灯する第2の期間を交互に繰り返す点灯回路と;
    開閉動作を行ってショートアーク形水銀ランプから発生した紫外線を通過または遮断するシャッター機構と;
    シャッター機構を通過した紫外線をワークに照射する紫外線照射部と;
    を具備し、点灯回路における相対的大電力の投入立ち上がり開始時とシャッター機構の開放開始時とがほぼ一致するとともに、第1の期間における相対的大電力の投入による紫外線出力の立ち上がり時間をt1とし、シャッター機構の閉鎖状態から開放までのシャッター機構を通過する紫外線出力の立ち上がり時間をt2としたとき、時間t1およびt2が数式t2≧t1を満足するように構成され、
    フラッシュアップ点灯における光量立ち上がり時間を、0.2〜2.0秒に設定したことを特徴とする紫外線照射装置。
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