JP4179394B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
前記放電ランプは一般に、始動時には主放電のための電極の間、または主放電のための電極と放電容器内面との間にパルス状に高電圧を印加して、放電容器内の放電媒質に絶縁破壊を生じせしめ、このときに生成されるプラズマの電子を種としてグロー放電やアーク放電を誘起する必要がある。
近時においても、液晶プロジェクタ装置の小型、軽量化がいっそう要求され、これに伴い、光源装置は益々の小型化が望まれている。これには、更なる主放電容器全長の短縮及び小型化が必要となる。このようなニーズに対応するためにも補助放電容器を更に小さくする必要があるが、先に本出願人が提案した技術では、補助放電容器が小型化するに伴ってその製作困難性が増すために品質の低下やコストアップが予想される。このような将来的な問題を回避するためにも、補助放電容器の寸法規制を受けないような構造の光源装置とするのが望ましい。
図1〜3において、放電ランプLdの主放電容器Bdは石英ガラスからなり、大略楕円球形をなし主放電空間を形成する発光管部10を有し、この発光管部10内には、一対の主放電のための陰極側主放電電極E1及び陽極側主放電電極E2が互いに対向するよう配置されている。また、発光管部10の両端部から伸びるように各々電極の封着部11、12が形成されており、これら電極封着部11、12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13,14が気密に埋設されている。そして、陰極側電極E1および陽極側電極E2の各々をその先端に有する電極芯棒の基端部が該金属箔13,14端部に溶接されて電気的に接続されている。なお、金属箔13,14の他端にはそれぞれ、外部に突出する外部リード棒A1、A2が溶接されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜830nmの光を得るためのもので0.15mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時100MPaという極めて高い蒸気圧を達成させる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200MPa以上、300MPa以上という高い水銀蒸気圧の高圧水銀ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは点灯始動性の改善に寄与するものであり、例えばアルゴンガスが約13kPa封入される。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが封入される。具体的なハロゲンの封入量は、例えば、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択できるものであって、その機能はハロゲンサイクルを利用したタングステン製電極の長寿命化である。
この補助放電容器Bxの両端部にはその外表面上に、対向する一対の第一の外部電極Euと第二の外部電極Evが配置されており、係る一対の外部電極Eu,Ev間に電圧が印加されると、静電結合により補助放電空間Zx内に誘電体バリア放電が誘起され、補助放電が開始される。補助放電容器Bxは、例えば、全長が約15mm、外径が約3mm、肉厚が約0.8mmの、両端が封止された細いガラス管からなり、該ガラス管の内部には、放電用媒質として、アルゴン、キセノン、ネオン、などの希ガスに加え、窒素若しくはヘリウム等の気体が、一種以上封入されている。具体的には、アルゴンが1×102〜5×104Pa程度、好ましくは1×103Pa程度封入される。なお、補助放電容器の管軸方向の長さである全長は70mm以下がよい。70mmを超えると反射鏡20内に収容することができなくなり、光源装置の小型化に対応できなくなるからである。
外部電極Eu,Evが補助放電容器Bxの外周を被覆する面積としては、外部電極Eu,Ev間での静電容量が大きくなるので、放電開始が容易になるため、より大きい方が好ましい。従って、外部電極Eu,Evの絶縁距離を確保できる範囲で広く設けるのが良い。
この実験に用いられた補助光源は、図4に示す補助光源であって、外部電極間Eu,Ev間に5kVの電圧を印加したものであり、横軸には外部電極間の離間距離(mm)である「5kV×変数」の変数の値を示し、縦軸には始動確率%を示すものである。
この結果からわかるように、外部電極間の離間距離である「5kV×変数」の変数の値は、1以上15以下がよく、外部電極間の離間距離は外部電極間に5kVの電圧を印加した場合は、5mm以上75mm以下がよいことがわかる。
なお、始動電圧が1kV未満の場合は、電圧が低すぎて補助放電容器内で絶縁破壊を起こすことが困難となり、10kVを超えると後述するスタータの構成が大きく異なり本願発明の光源装置に好適に用いられるスタータとは種類の異なるスタータとなり、スタータの構成上の制約から10kVを越える電圧を印加することはない。
具体的には、図4に示す補助光源では、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さは、それぞれ1.5mm以上であることが好ましい。外部電極Eu,Evの管軸方向の長さが1.5mm未満では、外部電極の形成面積が小さくなり、外部電極間に蓄えられる静電容量が小さくなり、補助放電容器Bxに投入される電気エネルガーが小さくなり、補助放電容器Bx内の絶縁破壊が困難になる。また、逆に、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さが長すぎると、補助放電容器上で外部電極の離間距離が十分に確保できなくなり電極間で放電がリークしてしまう問題があるので、前述した外部電極の離間距離D(mm)と補助光源の始動電圧A(kV)との関係において、A≦D≦15Aという条件を満足する中で、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さを選定するものである。
内部トリガWxは、補助放電容器Bxの内部において、一方の外部電極Euから他方の外部電極Evに架け渡されるように、電極間距離(D(mm))よりも長い全長を有しているもので構成されるのがよい。更に、外部電極Eu,Evに対向している補助放電容器Bxの内壁に接して内部トリガWxが配置されていると、絶縁破壊電圧の低下に対していっそう効果的であり、絶縁破壊電圧値がばらつくのを防止することができる。
なお、内部トリガWxとしては、前記金属線材の他、グラファイトやカーボンナノチューブ、或いは、シリコンのかけらや粉末等でも代替可能である。また、前述の部材を封入することのみに限定されず、適宜、金属や誘電体等を塗布したりメッキしたりしても、同様の効果を得ることができる。
なお、反射鏡20の外側においては、リード線はシリコンなどで絶縁被覆されているのが望ましい。また、光源装置とその周辺装置との絶縁性を高める目的で、熱収縮チューブなどを用いて反射鏡全体を被覆しても良い。
前記始動用電極Wtは、上述したように、前記主放電容器Bdの発光管部10と主放電電極E1、E2の電極封着部11、12との境界部近傍に形成されている。
高電圧トランス等よりなる給電装置の高電圧発生部は、始動用電極Wtを形成する導電ワイヤと、例えば陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されるように接続される。
放電ランプLdの始動に際しては、両極の外部リードA1,A2の間に、無負荷開放電圧が印加された状態で、前記始動用電極Wtと、前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されることにより、主放電容器Bdの内面と陰極側主放電電極E1との間、そして主放電容器Bdの内面と陽極側主放電電極E2との間に高電圧が印加されて誘電体バリア放電が発生し、放電媒質のイオン化を促進することにより、E1,E2間隙での放電開始が誘起される。
前記補助放電容器Bxの外面に外部電極Euが設置されており、高電圧トランス等よりなる給電装置の高電圧発生部は、この外部電極Euと例えば前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されるように接続される。
放電ランプLdの始動に際して、前記外部電極Euと前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されると、始動用電極Wtに接続された外部電極Euと、前記陰極側主放電用電極E1、金属箔13および外部リードA1に接合された他方の外部電極Evとの間に高電圧が印加され、前記補助放電容器Bxの中の補助放電空間(Zx)において誘電体バリア放電が発生する。
補助放電空間(Zx)において誘電体バリア放電が発生したときに放出される光が、発光管部10の内部に形成された主放電のための放電空間に達し、内部に封入されている主放電のための放電用媒質をイオン化する(電離する)。
従って、前記した主放電容器Bdの内面と陰極側主放電用電極E1または陽極側主放電用電極E2との間の誘電体バリア放電の発生を促進すると同時に、係る主放電用電極E1,E2間隙での放電発生が促進される。
そしてその結果、主放電の開始を有効に誘起することができ、結果として前記始動用電極Wtに印加すべき高電圧の絶対値を下げることができる。
従って、絶縁破壊に必要な電圧が、放電空間の温度に依存して変化する現象が、前記補助放電空間(Zx)においては顕著には現れず、ホットリスタートの条件においても、前記補助放電空間(Zx)における誘電体バリア放電を容易に発生せしめることができ、結果として放電ランプの始動不可能時間帯を短縮することができる。
図6は、図1〜3に示した実施形態に係る光源装置を、DC駆動方式の給電装置を用いて点灯する回路の一例を簡略化して示す図である。
給電回路Ubには、これを駆動するための電源として、PFCなどのDC電源Uaが接続され、前記給電回路Ubの出力端子T1,T2には、前記放電ランプLdの外部リードA1,A2が接続されている。
同図において前記給電回路Ubとしては降圧チョッパ方式のものが例示してあり、これにおいてはFET等のスイッチ素子QbによってDC電源Uaよりの電流をオン・オフし、前記スイッチ素子Qbがオン状態のときはDC電源UaからチョークコイルLbを介して、前記スイッチ素子Qbがオフ状態のときは前記チョークコイルLbの誘導作用によりダイオードDbを介して平滑コンデンサCbへの充電と前記放電ランプLdへの電流供給が行われる。放電ランプLdの主たる放電のための電極(以下、「主放電用電極」という。)E1,E2間を流れる放電電流、または主放電用電極E1,E2間の電圧、あるいはこれら電流と電圧の積であるランプ電力が、その時点における放電ランプLdの状態に応じた適切な値になるように、ゲート駆動回路Gbから適当なデューティサイクル比を有するゲート信号が、スイッチ素子Qbに加えられる。
第二の実施形態において、補助光源Lxは反射鏡20のくび部20eに装着されたベース23に接着剤等で固着され、保持されている。
係る補助光源Lxは、これを構成する補助放電容器Bxの一部が反射鏡内部空間Ziに臨んでおり、該補助光源Lxより放出された紫外線が主放電容器Bdに到達するように構成されている。また、ベースには、補助放電容器に対向する位置に、波長170〜300nmの紫外線に対する拡散反射率が10%以上の拡散反射面が形成されている。これにより、該補助光源Lxからベース23に向かって放射された紫外線を主放電容器Bdに向けて反射させることができ、主放電容器に指向する光量が増えて、主放電容器内での光電効果を促進し、より確実に主放電容器を始動させることができるようになる。
然るに、図7〜8に示す第二の実施形態によれば、反射鏡20のくび部20e近傍に補助光源Lxが配置されているので、つまり、補助光源Lxは常に主放電容器Bdの近くに配設されるので、該主放電容器Bx内に入射する紫外線量が少なくなることが回避されて確実に放電ランプLdを点灯させることができる。
第三の実施形態は、補助放電容器Bxが反射鏡20の外表面上に配置された光源装置の一例である。図9(a)は光源装置の一部断面側面図、図9(b)は図9(a)の光源装置を紙面上、下方向から見た一部を切欠いた側面図である。
反射鏡20は、補助光源Lxの放射光、例えば波長200〜275nmの光の透過率が50%以上の材質が用いられ、例えば石英からなる。反射鏡20内面には、誘電体の多層膜により反射面20bが形成されている。係る反射面20bは可視光に対して反射性を有するが紫外線の反射、吸収率が低いもの、すなわち、透過率が高いものである。よって、補助光源Lxからの紫外線は、反射鏡20本体を構成する石英、及び、その内面の反射面20bを形成する反射膜を透過して、反射鏡内部空間Ziに到達し、主放電容器Bdに入射して放電ランプLdの放電開始に寄与するようになる。
本実施形態は、反射鏡20の本体に補助光源Lxが形成された例である。すなわち、反射鏡20は例えば石英ガラスにより構成されており、係る石英ガラスの内部に気泡部分25が形成され、反射鏡20の外表面には、気泡部分25に対応する箇所に導電性の部材が導電性接着剤等で貼付されるなどして、一対の外部電極Eu,Evが形成されている。なお、係る外部電極電Eu,Evの各々にはリード線Wa,Wbが接続されており、例えば一方の外部電極Euに接続されたリード線Waが始動電極Wtに、他方の外部電極Evに接続されたリード線Wbが陰極側電極E1に接続されたリード線Wcにそれぞれ継線されている。これらリード線Wa,Wbは端子15,16(一部図示省略)に接続されて外部電源(図示省略)の電流供給線に接続される。
また更に、上記第三の実施形態でも述べたように、補助放電容器が主放電容器を直接臨めるように誘電体多層膜の一部を除去すれば、前記効果を一層向上させることができる。
Bd 主放電容器
E1,E2 主放電用電極
Bx 補助放電容器
Eu,Ev 外部電極
Zi 反射鏡内部空間
Wx 内部トリガ
Gx ゲッター材
10 発光管部
11,12 電極封着部
13,14 金属箔
13a 箔表面
20 反射鏡
20a 開口縁部
20b 反射面
20c 溝部
20d 切欠き部
20e くび部
201a,201b 穴
21 光出射窓
22 窓材
23 ベース
24a、24b、24c 通風口
25 気泡部分
30 金属
Wa,Wb,Wc リード線
Ua DC電源
Ub 給電回路
T1,T2,T5,T6 出力端子
A1,A2 外部リード
Qb,Qe スイッチ素子
Lb チョークコイル
Dd ダイオード
Cd 平滑コンデンサ
Gb ゲート駆動回路
Ue スタータ
T4 入力端
T3 グランド端
Re 抵抗
Ce コンデンサ
Te 高電圧トランス
Pe 一次側巻線
Se 二次側巻線
Claims (1)
- 主放電のための放電用媒質が封入された主放電容器内に一対の主放電のための主放電用電極が対向配置され、前記一対の主放電用電極に通電するための第1および第2の電極封着部を有する放電ランプと、この放電ランプからの放射光をその内面に形成した反射膜で反射してその前方に形成された光出射窓に向け出射する反射鏡と、を備え、
前記放電ランプの主放電のための電極以外の始動電極が、前記主放電容器の外部に設けられてなる光源装置であって、
補助放電のための放電用媒質が封入された補助放電容器と、前記補助放電容器の外面上に設置されると共に、前記始動電極に電気的に接続された第一の外部電極と、を有する補助光源が、前記主放電容器と非一体に、前記反射鏡のくび部に装着されたベースに保持されて設けられており、
前記反射鏡の開口縁部に反射鏡内部空間に冷却風が流入する通風口が形成され、
前記ベースには冷却風を排出する通風口が形成され、
前記補助光源が、冷却風が通過する際に前記補助放電容器を冷却するように前記ベースの通風口近傍に配置されていることを特徴とする光源装置。
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