JP4179394B2 - 光源装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、プロジェクタ用の光源として使用される、高圧水銀放電ランプやメタルハライドランプなどの高輝度放電ランプ(HIDランプ)を用いた光源装置に関し、特にその始動特性に関わる。
液晶プロジェクタやDLPプロジェクタ等の光学装置ための光源装置においては、光源とされる高圧水銀放電ランプやメタルハライドランプなどの高輝度放電ランプと、係る放電ランプよりの放射光を集光し前方の開口に向けて反射する反射面を有する反射鏡とが、一体に組合せ使用される。
前記放電ランプは一般に、始動時には主放電のための電極の間、または主放電のための電極と放電容器内面との間にパルス状に高電圧を印加して、放電容器内の放電媒質に絶縁破壊を生じせしめ、このときに生成されるプラズマの電子を種としてグロー放電やアーク放電を誘起する必要がある。
放電ランプ始動時の絶縁破壊に必要な電圧は、係る放電ランプが室温程度の温度状態にある場合は、一般に数キロボルト程度である。しかし、再始動時の絶縁破壊に必要な電圧は、前回の点灯を終えて消灯した後の経過時間、すなわち、放電空間の温度に依存して変化する。このような変化が生じるのは、消灯して放電空間の温度が低下するに従い水銀やハロゲンなど気化していた放電媒質の一部が凝結を開始した結果、放電空間の気体成分の組成が変化することに由来して絶縁破壊に必要な電圧が変化するため、と考えられている。
例えば、水銀と臭素などのハロゲン、およびアルゴンなどの希ガスを放電媒質とする放電ランプの場合で、例えば放電空間(Zd)の容積1立方ミリメートルあたり0.15mg以上の水銀を含むものの場合、絶縁破壊に必要な電圧は、放電ランプの消灯直後は残留プラズマが存在するために非常に低く、その後は急速に上昇するが、やがて必要電圧が低下を始める。(放電ランプを強制空冷しない自然冷却の条件で約2分)。しかし、その後から、最終的に放電空間の温度が約100℃以下に下がるまで、例えば消灯から約5分間の再点灯において、絶縁破壊電圧が安定せずに、印加する高電圧では絶縁破壊しないことがある。
消灯後、できるだけ早い時期から再始動(ホットリスタート)させ、さらにその点灯の確率を高めるためには、単純には、印加する高電圧の絶対値を高いものとすればよい。しかるに、このようにした場合、印加する高電圧によって意図しない絶縁破壊、すなわち、絶縁ケーブル被覆の絶縁破壊あるいはコネクタや接続端子での沿面放電などの危険現象の発生、高電圧印加時のノイズに由来したプロジェクタ本体装置の電子回路の誤動作など、種々の不都合が生じる場合がある。またこのような不都合な現象を回避するために、絶縁性を高めるために空間距離を稼いだり、ノイズを防止するためケーブルの径を大きくしたりすると、プロジェクタ装置に組み込む際に所要のスペースが必要なるため好ましくない。
ところで、放電ランプの始動性の改善に関しては、放電容器内での物質での光電効果による光電子放出及び放電媒質のイオン化を促進し、始動時に印加する高電圧の絶対値を下げるため、紫外線などの短波長の光を利用する技術が提案されている。例えば、米国特許の5323091号公報(対応国際特許出願公開:WO00/77826号)には、放電ランプの放電容器自身に気泡を形成し紫外線を放出する副放電室を形成する技術開示がある。また、例えば米国特許の6268698号公報(対応日本特許出願:特開2000−173549号)には、放電ランプの気密シール構造の端面に、開放空間で放電する補助紫外線光源を一体に作り込む放電ランプが提案されている。しかしながら、いずれの従来技術も、放電ランプの製造が困難になるため生産コストが掛るか、そうでない場合は、放電ランプの耐圧力に対する信頼性を欠くものとなってしまう。
以上のような事情に鑑み、本出願人は先に特願2002−2317号において始動性改善のための補助光源が設けられた放電ランプについて提案した。
先に出願した技術(特願2002−2317号)では、従来の課題を解決し、補助放電容器を主放電容器と非一体に、主放電容器の主放電を通電する電極封着部の少なくとも一方の側面に近接して設けることを特徴としているが、補助放電容器の全長が前記電極封着部の寸法に規制され、また補助放電容器の外径が主放電容器からの放射光束を遮らないように規制されている。
近時においても、液晶プロジェクタ装置の小型、軽量化がいっそう要求され、これに伴い、光源装置は益々の小型化が望まれている。これには、更なる主放電容器全長の短縮及び小型化が必要となる。このようなニーズに対応するためにも補助放電容器を更に小さくする必要があるが、先に本出願人が提案した技術では、補助放電容器が小型化するに伴ってその製作困難性が増すために品質の低下やコストアップが予想される。このような将来的な問題を回避するためにも、補助放電容器の寸法規制を受けないような構造の光源装置とするのが望ましい。
また、前記補助放電容器が主放電容器と密接して配置されている場合には、当該補助放電容器が主放電容器からの熱を受けやすいために補助放電容器内部のガス圧が上昇して絶縁破壊電圧が上昇し、該補助放電容器内における放電の開始が困難になり、その結果、放電ランプの始動性が悪くなることがある。
ところで、特開2002−100323号に記載の技術では、始動補助用の紫外線源が具備された高圧放電ランプ及び照明装置が記載されている。しかしながら、この公報に記載の技術は主に室内照明を目的とした高圧放電ランプ或いは照明装置であり、つまり、比較的振動等が付与されない状況下で使用されるものであるので、例えば始動用放電容器の固定が紫外線源を構成する容器の外部に巻回された導電体のみであるために、液晶プロジェクタ装置のように装置の移動が頻繁で耐振動・耐衝撃に対して高い信頼性が要求される用途においては、信頼性を欠くという問題がある。なお、この技術によっても始動補助用の紫外線源と高圧放電ランプとの距離が比較的近いために、該放電ランプよりの熱を受けやすく、例えば接着剤等でランプに固着させるという方法を採用することができない。
そこで本願発明が解決しようとする課題は、補助光源の点灯特性を改善できて主放電容器内における始動性がきわめて良好であり、かつ、光源装置の構造が複雑になって高コストとなる問題や製品製造時の良品率や放電ランプの品質が低下することがなくて、耐振動・耐衝撃に対して高い信頼性を有する光源装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本願請求項1記載の発明は、主放電のための放電用媒質が封入された主放電容器内に一対の主放電のための主放電用電極が対向配置され、前記一対の主放電用電極に通電するための第1および第2の電極封着部を有する放電ランプと、この放電ランプからの放射光をその内面に形成した反射膜で反射してその前方に形成された光出射窓に向け出射する反射鏡と、を備え、前記放電ランプの主放電のための電極以外の始動電極が、前記主放電容器の外部に設けられてなる光源装置であって、補助放電のための放電用媒質が封入された補助放電容器と、前記補助放電容器の外面上に設置されると共に、前記始動電極に電気的に接続された第一の外部電極と、を有する補助光源が、前記主放電容器と非一体に、前記反射鏡のくび部に装着されたベースに保持されて設けられており、前記反射鏡の開口縁部に反射鏡内部空間に冷却風が流入する通風口が形成され、前記ベースには冷却風を排出する通風口が形成され、前記補助光源が、冷却風が通過する際に前記補助放電容器を冷却するように前記ベースの通風口近傍に配置されていることを特徴とする。
本願発明によれば、補助光源の放電容器が、主放電容器に接触することなく、反射鏡のくび部に装着されたベースに保持されており、反射鏡の開口縁部に反射鏡内部空間に冷却風が流入する通風口が形成され、ベースには冷却風を排出する通風口が形成され、補助光源が、冷却風が通過する際に補助放電容器を冷却するようにベースの通風口近傍に配置されているので、補助放電容器を確実に冷却することができ、補助放電容器の温度が高くなるのを防止でき、内部ガス圧の上昇を抑制できて絶縁破壊電圧値の上昇を防止して、補助放電容器の始動電圧を低く抑えることが、補助光源の点灯特性を改善できて主放電容器内における始動性がきわめて良好であり、かつ、光源装置の構造が複雑になって高コストとなる問題や製品製造時の良品率や放電ランプの品質が低下することがなくて、耐振動・耐衝撃に対して高い信頼性を有する光源装置を提供することができる。
本願の実施例を、図面を参照して説明する。図1は、光源装置の説明用正面図、図2は、図1中X−Xで切断した説明用の矢視断面図、図3は、図1中Y−Yで切断した説明用矢視断面図である。
図1〜3において、放電ランプLdの主放電容器Bdは石英ガラスからなり、大略楕円球形をなし主放電空間を形成する発光管部10を有し、この発光管部10内には、一対の主放電のための陰極側主放電電極E1及び陽極側主放電電極E2が互いに対向するよう配置されている。また、発光管部10の両端部から伸びるように各々電極の封着部11、12が形成されており、これら電極封着部11、12内には、通常モリブデンよりなる導電用金属箔13,14が気密に埋設されている。そして、陰極側電極E1および陽極側電極E2の各々をその先端に有する電極芯棒の基端部が該金属箔13,14端部に溶接されて電気的に接続されている。なお、金属箔13,14の他端にはそれぞれ、外部に突出する外部リード棒A1、A2が溶接されている。
発光管部10内には所定の水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜830nmの光を得るためのもので0.15mg/mm以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時100MPaという極めて高い蒸気圧を達成させる。また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200MPa以上、300MPa以上という高い水銀蒸気圧の高圧水銀ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
希ガスは点灯始動性の改善に寄与するものであり、例えばアルゴンガスが約13kPa封入される。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが封入される。具体的なハロゲンの封入量は、例えば、10−6〜10−2μmol/mmの範囲から選択できるものであって、その機能はハロゲンサイクルを利用したタングステン製電極の長寿命化である。
このような高圧水銀ランプの数値例を示すと、例えば、発光部の最大外径11.3mm、電極間距離1.2mm、発光管内容積116mm、管壁負荷1.5W/mm、定格電圧80V、定格電力200Wである。この高圧水銀ランプは、前述した液晶プロジェクタ、オーバーヘッドプロジェクタ等のプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性に優れた放射光を提供することができる。
そして、反射鏡20の開口縁部20aには光出射窓21を覆うように光透過性の窓材22が接着剤などで固定されている。反射鏡20内面には、例えば誘電体の多層膜からなる可視光に対して反射性を有する反射面(図示省略)が形成されている。反射鏡20における開口縁部20aの内面には、外方向に突出する溝部20cが形成されており、補助光源Lxの放電容器Bxが、前記窓材22と反射鏡20の開口縁部20aとの間に嵌合して保持、もしくは接着剤で固定されている。係る補助光源Lxの放電容器Bxは、少なくとも主放電容器Bdに臨むように、反射鏡内部空間Ziに露出するよう配置されている。
図4を用いて補助光源を詳細に説明する。図4(a)は補助放電容器の管軸方向断面図、図4(b)は図4(a)中の破線部Z−Z’で切断した断面図である。同図において、補助光源Lxの補助放電容器Bxは、少なくとも一部に短波長の紫外線に対して透過性を有してなり、材質としては石英ガラスが好適とされる。
この補助放電容器Bxの両端部にはその外表面上に、対向する一対の第一の外部電極Euと第二の外部電極Evが配置されており、係る一対の外部電極Eu,Ev間に電圧が印加されると、静電結合により補助放電空間Zx内に誘電体バリア放電が誘起され、補助放電が開始される。補助放電容器Bxは、例えば、全長が約15mm、外径が約3mm、肉厚が約0.8mmの、両端が封止された細いガラス管からなり、該ガラス管の内部には、放電用媒質として、アルゴン、キセノン、ネオン、などの希ガスに加え、窒素若しくはヘリウム等の気体が、一種以上封入されている。具体的には、アルゴンが1×10〜5×10Pa程度、好ましくは1×10Pa程度封入される。なお、補助放電容器の管軸方向の長さである全長は70mm以下がよい。70mmを超えると反射鏡20内に収容することができなくなり、光源装置の小型化に対応できなくなるからである。
上記外部電極Eu,Evの材質としては、高温での耐酸化性、熱衝撃に優れる材料からなり、ステンレス、カンタル(鉄クロム合金)が好ましく、とりわけ高温での耐酸化性、熱衝撃に優れるという意味ではカンタルが最適とされる。一つの外部電極における管軸方向の長さは例えば0.5〜5.0mmであり、例えば、φ0.3mmのステンレス製ワイヤが、補助放電容器Bxの外表面に密着させるようコイル状に巻きつけられて構成される。なお、上記のようなコイル状の外部電極は、例えば、上記ステンレス製ワイヤを巻回してコイルを作製し、これを補助放電容器Bxの所定位置まで装着して形成される。
外部電極Eu,Evが補助放電容器Bxの外周を被覆する面積としては、外部電極Eu,Ev間での静電容量が大きくなるので、放電開始が容易になるため、より大きい方が好ましい。従って、外部電極Eu,Evの絶縁距離を確保できる範囲で広く設けるのが良い。
上記実施形態のように、補助放電容器Bxが円筒形であり外部電極Euと外部電極Evがその外周の全周方向に形成されている時、外部電極Eu,Evの離間距離をD(mm)、補助光源の始動電圧をA(kV)とすると、A≦D≦15Aとすることで、補助放電容器Bxが外表面で誤放電することなく、補助放電容器Bx内での発光を確実にすることができる。具体的には、電圧(A)が5kVであれば、D=5mm〜75mmの範囲がよい。
図5は、外部電極間の離間距離と補助光源の始動確率を調べた実験データである。
この実験に用いられた補助光源は、図4に示す補助光源であって、外部電極間Eu,Ev間に5kVの電圧を印加したものであり、横軸には外部電極間の離間距離(mm)である「5kV×変数」の変数の値を示し、縦軸には始動確率%を示すものである。
図5からわかるように、変数が「1」未満の場合、つまり外部電極間の離間距離が5mm未満の場合は、外部電極間で印加された電圧がリークする現象が発生する場合があり始動確率が100%にならない。一方、変数が「15」を超えた場合、つまり外部電極間の離間距離が75mmを超えた場合は、補助光源の補助放電容器内で絶縁破壊が起こらない場合があり始動確率が100%にならない。
この結果からわかるように、外部電極間の離間距離である「5kV×変数」の変数の値は、1以上15以下がよく、外部電極間の離間距離は外部電極間に5kVの電圧を印加した場合は、5mm以上75mm以下がよいことがわかる。
図5では、外部電極間に印加する電圧が5kVの場合の実験データを示すものであるが、印加する電圧が1〜10kVの範囲では同じ傾向を示す結果が得られ、外部電極Eu,Ev間に印加する電圧が1〜10kVの範囲では、外部電極Eu,Evの離間距離をD(mm)、補助光源の始動電圧をA(kV)とすると、A≦D≦15Aとすることで、確実に補助光源を点灯させることができるものである。
なお、始動電圧が1kV未満の場合は、電圧が低すぎて補助放電容器内で絶縁破壊を起こすことが困難となり、10kVを超えると後述するスタータの構成が大きく異なり本願発明の光源装置に好適に用いられるスタータとは種類の異なるスタータとなり、スタータの構成上の制約から10kVを越える電圧を印加することはない。
また、補助放電容器Bx内における絶縁破壊のし易さは、外部電極Eu,Evの形成面積に影響を受けるものである。
具体的には、図4に示す補助光源では、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さは、それぞれ1.5mm以上であることが好ましい。外部電極Eu,Evの管軸方向の長さが1.5mm未満では、外部電極の形成面積が小さくなり、外部電極間に蓄えられる静電容量が小さくなり、補助放電容器Bxに投入される電気エネルガーが小さくなり、補助放電容器Bx内の絶縁破壊が困難になる。また、逆に、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さが長すぎると、補助放電容器上で外部電極の離間距離が十分に確保できなくなり電極間で放電がリークしてしまう問題があるので、前述した外部電極の離間距離D(mm)と補助光源の始動電圧A(kV)との関係において、A≦D≦15Aという条件を満足する中で、外部電極Eu,Evの管軸方向の長さを選定するものである。
なお外部電極Eu,Evの構成は上記に限定されることなく適宜変更が可能である。例えば、上述したようにワイヤをコイル状に巻回して構成するほか、金属箔や網状の金属を巻いて構成したり、または板状の金属で挟んだりして構成してもよい。また材質としても、高温下における耐酸化性、熱衝撃に優れる材料であれば良く、上述したステンレスのほか、鉄クロム合金やニッケルなどを用いても良い。
上記において補助放電容器Bxは、主放電容器Bdに接触することなく設けられているので、当該主放電容器Bdからの熱的影響を受けにくい。従って、適宜、導電性接着剤等を用いることも可能であり、外部電極Eu,Evと補助放電容器Bxの密着性を高めるために、導電性接着剤を用いても良い。
上記補助放電容器Bxの内部には、例えば金属の棒材や箔片などからなる内部トリガWxが封入されている。内部トリガWxは、補助放電容器Bxの内部において補助放電空間Zxの電界を歪ませて、局所的に高電界を発生させ、結果、比較的低電圧で放電を発生させる。
内部トリガWxは、補助放電容器Bxの内部において、一方の外部電極Euから他方の外部電極Evに架け渡されるように、電極間距離(D(mm))よりも長い全長を有しているもので構成されるのがよい。更に、外部電極Eu,Evに対向している補助放電容器Bxの内壁に接して内部トリガWxが配置されていると、絶縁破壊電圧の低下に対していっそう効果的であり、絶縁破壊電圧値がばらつくのを防止することができる。
なお、内部トリガWxとしては、前記金属線材の他、グラファイトやカーボンナノチューブ、或いは、シリコンのかけらや粉末等でも代替可能である。また、前述の部材を封入することのみに限定されず、適宜、金属や誘電体等を塗布したりメッキしたりしても、同様の効果を得ることができる。
更に、上記補助放電容器Bxの内部には、ジルコニウム(Zr)やチタン(Ti)などの金属部材からなるゲッター材Gxが封入されるのが良い。補助放電容器Bxの放電の繰返しに伴い当該補助放電容器Bxの内表面からHやOH等の不純ガスが放出されるが、前記ゲッター材Gxがこのような不純ガスを吸着することで、補助光源Lxの絶縁破壊電圧値を寿命末期まで低く維持させることができ、当該補助光源Lxの始動容易性が保証されるようになる。このようなゲッター材Gxとしては、例えばSAES社の「STHGS/WIRE/NI/0.6−300(Code SE1014)(ゲッター「St101−505」)」を好適に用いることができる。
補助放電容器Bxには、ペニング効果を得る目的で水銀が封入されていてもよい。係る水銀はごく微量で足り、例えば5×10−3mg/mm程度である。このような微量の水銀を放電容器に封入する場合は、例えば、前述したSAES社の「STHGS/WIRE/NI/0.6−300(Code SE1014)」を約1mmの長さでカットしたものを封入し、放電容器封止後にこれに含まれている水銀を加熱放出させれば、比較的容易に、作業性良く行うことができる。
補助光源Lxにおける一方の外部電極Euにはリード線Waが接続され、主放電容器Ldの外周部に配設された始動用電極Wtに電気的に接続されると共に、反射鏡20に形成された穴201aから反射鏡20の外部に導出されている。また他方の外部電極Evにリード線Wbが接続され、主放電容器Bdにおける陰極側電極E1に接続されたリード線Wcに電気的に接続されると共に、反射鏡20に形成された他方の穴201bから反射鏡20の外部に導出される。そして、反射鏡20の外部に導出されたこれらリード線Wa,Wbは、当該反射鏡20の外部に設けられた端子15,16(一部図示省略)により、外部電源(図示省略)の電流供給線に接続される。
上記リード線Wa,Wb及び始動用電極Wtは、電流や使用温度に耐え得るものとされ、光束の損失を生じない程度に細線であるのが望ましい。例えば、放電ランプLdの定格消費電力が100〜300Wである場合は、例えば、線経がφ0.5mm以下であるのが望ましく、材質としてはニッケルが好適である。
なお、反射鏡20の外側においては、リード線はシリコンなどで絶縁被覆されているのが望ましい。また、光源装置とその周辺装置との絶縁性を高める目的で、熱収縮チューブなどを用いて反射鏡全体を被覆しても良い。
上記第1の実施形態に係る光源装置に関し、放電ランプにおける始動動作について詳述する。
前記始動用電極Wtは、上述したように、前記主放電容器Bdの発光管部10と主放電電極E1、E2の電極封着部11、12との境界部近傍に形成されている。
高電圧トランス等よりなる給電装置の高電圧発生部は、始動用電極Wtを形成する導電ワイヤと、例えば陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されるように接続される。
放電ランプLdの始動に際しては、両極の外部リードA1,A2の間に、無負荷開放電圧が印加された状態で、前記始動用電極Wtと、前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されることにより、主放電容器Bdの内面と陰極側主放電電極E1との間、そして主放電容器Bdの内面と陽極側主放電電極E2との間に高電圧が印加されて誘電体バリア放電が発生し、放電媒質のイオン化を促進することにより、E1,E2間隙での放電開始が誘起される。
前記補助放電容器Bxの外面に外部電極Euが設置されており、高電圧トランス等よりなる給電装置の高電圧発生部は、この外部電極Euと例えば前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されるように接続される。
放電ランプLdの始動に際して、前記外部電極Euと前記陰極側の外部リードA1との間に高電圧が印加されると、始動用電極Wtに接続された外部電極Euと、前記陰極側主放電用電極E1、金属箔13および外部リードA1に接合された他方の外部電極Evとの間に高電圧が印加され、前記補助放電容器Bxの中の補助放電空間(Zx)において誘電体バリア放電が発生する。
補助放電空間(Zx)において誘電体バリア放電が発生したときに放出される光が、発光管部10の内部に形成された主放電のための放電空間に達し、内部に封入されている主放電のための放電用媒質をイオン化する(電離する)。
放電ランプLdの消灯時においても、当該ランプLd中には、太陽の紫外線や天然の放射線によって気体分子のごく一部が電離して、電子(「初期電子」ともいう。)が存在している。しかしながら、これら電子は、気体分子とランダムに衝突を繰り返しても、運動エネルギーが低いので、気体分子を電離させることはない。ここに、電界が発生すると、電子は気体分子との衝突と次の衝突の間に電界によって加速され、更にこの衝突間の時間が十分に長かった場合には、電子は十分な運動エネルギーを得るので、衝突によって気体分子をある確率で電離させ、電子を放出させる。こうして発生した電子もまた電界によって加速されて、その一部は十分な運動エネルギーを得るとまた気体分子を電離させる。このような連鎖反応を重ねて、次第に気体分子の電離が進むと、絶縁破壊の状態となる。ランプ消灯数分後においては、温度がまだ高いため水銀蒸気などの気体分子の密度が高いので、電子と気体分子との衝突頻度が高く(衝突間の平均時間が短い)、ごく一部の電子しか、気体分子を電離するために必要な運動エネルギーを得ることができない。この場合に絶縁破壊を起すためには、電界を強くせざるをえない。而して、ここで、発光管部10に人工的に紫外線を照射すれば、光電効果や気体分子の光電離によって初期電子が多数発生するので、電離を引き起こす電子の割合は同じでも、絶対数が増加するので、比較的低い電界で絶縁破壊の状態に至らしめることができる。
従って、前記した主放電容器Bdの内面と陰極側主放電用電極E1または陽極側主放電用電極E2との間の誘電体バリア放電の発生を促進すると同時に、係る主放電用電極E1,E2間隙での放電発生が促進される。
そしてその結果、主放電の開始を有効に誘起することができ、結果として前記始動用電極Wtに印加すべき高電圧の絶対値を下げることができる。
なお、ここで重要な点は、前記放電ランプLdの点灯中は、前記補助放電空間(Zx)においては放電していなこと、および前記補助放電容器Bxは、前記電極封着部11,12や主放電容器Bdと非一体に形成して取り付けるという構造に起因して、前記放電ランプLdの消灯後における前記補助放電空間(Zx)の冷却速度が、前記主放電のための放電空間よりはるかに速いことにより、前記補助放電空間(Zx)は前記主放電のための放電空間よりも常に温度がはるかに低い点である。
従って、絶縁破壊に必要な電圧が、放電空間の温度に依存して変化する現象が、前記補助放電空間(Zx)においては顕著には現れず、ホットリスタートの条件においても、前記補助放電空間(Zx)における誘電体バリア放電を容易に発生せしめることができ、結果として放電ランプの始動不可能時間帯を短縮することができる。
本発明を実現する具体的な電気回路としては、先に本出願人が提案した特願2002−2317号に記載の技術と同様のものを用いることができ、以下これについて説明する。
図6は、図1〜3に示した実施形態に係る光源装置を、DC駆動方式の給電装置を用いて点灯する回路の一例を簡略化して示す図である。
給電回路Ubには、これを駆動するための電源として、PFCなどのDC電源Uaが接続され、前記給電回路Ubの出力端子T1,T2には、前記放電ランプLdの外部リードA1,A2が接続されている。
同図において前記給電回路Ubとしては降圧チョッパ方式のものが例示してあり、これにおいてはFET等のスイッチ素子QbによってDC電源Uaよりの電流をオン・オフし、前記スイッチ素子Qbがオン状態のときはDC電源UaからチョークコイルLbを介して、前記スイッチ素子Qbがオフ状態のときは前記チョークコイルLbの誘導作用によりダイオードDbを介して平滑コンデンサCbへの充電と前記放電ランプLdへの電流供給が行われる。放電ランプLdの主たる放電のための電極(以下、「主放電用電極」という。)E1,E2間を流れる放電電流、または主放電用電極E1,E2間の電圧、あるいはこれら電流と電圧の積であるランプ電力が、その時点における放電ランプLdの状態に応じた適切な値になるように、ゲート駆動回路Gbから適当なデューティサイクル比を有するゲート信号が、スイッチ素子Qbに加えられる。
通常は、上記ランプ電流または電圧、電力を適切に制御するために、平滑コンデンサCbの電圧や放電ランプLdに供給される電流を検出するための分圧抵抗や、シャント抵抗が設けられて、ゲート駆動回路Gbが適切なゲート信号を発生できるようにするための制御回路が設けられるが、これらは同図においては省略されている。
放電ランプLdを点灯させる場合は、始動に先立って、前記無負荷開放電圧が放電ランプLdの主放電用電極E1,E2間に印加される。スタータUeの入力端T4およびグランド端T3は、放電ランプLdに並列に接続されており、放電ランプLdに印加される電圧と同じ電圧がスタータUeにも供給される。この電圧を受けてスタータUeでは抵抗Reを介してコンデンサCeが充電される。
適当なタイミングでゲート駆動回路GeによってSCRサイリスタ等のスイッチ素子Qeを導通させることにより、高電圧トランスTeの1次側巻線PeにはコンデンサCeの充電電圧が印加されるから、高電圧トランスTeの2次側巻線Seには高電圧トランスTeの構造に応じた昇圧された電圧が発生する。この場合、1次側巻線Peに印加される電圧はコンデンサCeの放電に伴って急速に低下するから、2次側巻線Seに発生する電圧も同様に急速に低下するため、2次側巻線Seに発生する電圧はパルスとなる。
高電圧トランスTeの2次側巻線Seの一端はスタータUeの出力端子T5を介して放電ランプLdにおける一方の主放電用電極E1(本実施形態においては陰極側電極)および補助光源Lxの第2の外部電極Euに接続され、高電圧トランスTeの2次側巻線Seの他端はスタータUeの出力端子T6を介して放電ランプLdの主放電容器Bdの外部に設けた始動電極Etおよび補助光源Lxの第1の外部電極Euに接続されているから、高電圧トランスTeの2次側巻線Seに発生した高電圧により、補助光源Lxの補助放電空間Zx内で(すなわち補助光源Lxの第1と第2の外部電極Eu,Evのそれぞれに対し補助放電容器Bxの誘電体を挟んで対向する補助放電容器Bxの内面の部分の間で)放電が発生する。
このようにして、前記補助光源Lxから発した光は、主放電容器内での光電効果を促進することによって、前記主放電容器Bdの内面と前記陰極E1との間、および前記主放電容器Bdの内面と前記陽極E2との間の誘電体バリア放電の発生をも促進するとともに、主放電のための前記電極E1,E2間隙での絶縁破壊を促進し、結果として前記導電ワイヤWtに印加すべき高電圧の絶対値を下げることができる。
本発明を実現する具体的な電気回路としては、上記実施形態に限定されず種々のものを考えることができる。例えば、補助放電容器と主放電容器のそれぞれに点灯回路を具備させてもよく、これによれば、各放電容器に最適な高電圧を印加することができ、点灯を確実に行うことが可能になる。
以上説明した本願発明によれば、補助放電容器が反射鏡と窓材の間に取付けられて主放電容器と非接触状態であるので、主放電容器が高温になってもその影響を受けにくく、従って、補助放電容器が熱くなってガス圧が上昇することにより、絶縁破壊電圧が高くなる、という問題が回避される。よって、放電ランプの再点灯時においても該補助放電容器内部における放電開始が容易となり、その結果、主放電容器内部の放電を速やかに生じさせることが可能で、放電ランプの始動性が良好な光源装置を提供することができる。
そして、放電ランプがいっそう小型化した場合も、補助放電容器はそれによる寸法規制を受けるものではないので、その製作が困難になる、といった問題を回避できるようになる。よって、高品質の補助光源を提供でき、当該補助光源における絶縁破壊電圧を低く維持できて点灯が確保されるようになり、結果、放電ランプの始動性が常に良好な光源装置を提供できる。また、補助放電容器は、反射鏡と窓材に挟まれて保持されているため、該補助光源を光源装置に容易に固定できる。その結果、光源装置は振動や衝撃に対して高い信頼性を有するようになり、液晶プロジェクタ装置用途として好適に使用することが可能になる。
図7は、本願発明の第二の実施形態に係る光源装置における反射鏡及び放電ランプをその正面方向からみた図である。(すなわち、窓材を省略して記載している。)図8(a)は図7中の線分X−Xの矢視断面図であり、図8(b)は図7中の線分Y−Yの矢視断面図である。なお、図7,8においては、上記図1〜図4、図6で先に説明した構成と同様の構成については同じ符号を付し、その詳細な説明については省略している。
第二の実施形態において、補助光源Lxは反射鏡20のくび部20eに装着されたベース23に接着剤等で固着され、保持されている。
係る補助光源Lxは、これを構成する補助放電容器Bxの一部が反射鏡内部空間Ziに臨んでおり、該補助光源Lxより放出された紫外線が主放電容器Bdに到達するように構成されている。また、ベースには、補助放電容器に対向する位置に、波長170〜300nmの紫外線に対する拡散反射率が10%以上の拡散反射面が形成されている。これにより、該補助光源Lxからベース23に向かって放射された紫外線を主放電容器Bdに向けて反射させることができ、主放電容器に指向する光量が増えて、主放電容器内での光電効果を促進し、より確実に主放電容器を始動させることができるようになる。
上述した第一の実施形態に係る光源装置のように、補助光源(Lx)を反射鏡(20)前方の開口縁部(20a)近傍に設けた構造によると、例えば主放電容器(Bd)の大きさが変わらず、光学特性上、反射鏡(20)の大きなものを用いる必要がある場合に、放電ランプ(Ld)から補助光源(Lx)が離れるため、補助光源(Lx)からの紫外線(波長約200〜275nm)が主放電容器(Bd)に到達しにくくなり、放電ランプ(Ld)の始動性が悪くなる、ということが考えられる。
然るに、図7〜8に示す第二の実施形態によれば、反射鏡20のくび部20e近傍に補助光源Lxが配置されているので、つまり、補助光源Lxは常に主放電容器Bdの近くに配設されるので、該主放電容器Bx内に入射する紫外線量が少なくなることが回避されて確実に放電ランプLdを点灯させることができる。
ここで、補助放電容器Bxは、補助光源Lxからの紫外線が主放電容器の電極封着部11に埋設された金属箔14の幅広の面14aに少なくとも入射するように配置されるのが好ましく、係る場合、幅広の面14aと電極封着部12での乱反射や臨界反射が生じて、主放電容器Bdに到達する紫外線入射量が増し、放電ランプLdの放電が開始される確率が高くなるようになる。なお、これによると、補助光源Lxからの紫外線が主放電容器Bdの発光部10に直接に入射しないような構造であっても、紫外線が少なくとも箔の幅広の面14aに入射すれば種々反射が生じるので、結果、係る紫外線が主放電容器Bdの発光部10に到達でき、始動性改善に寄与するようになる。無論、係る効果は、補助光源Lxがベース23に保持された形態に限定されるものではない。
図7〜8において示す、符号24a、24bは、反射鏡内部空間Zi内に冷却風を通過させるための通風口であり、例えば、図7に記載の矢印のように反射鏡20における開口縁部20aに形成された通風口24aより冷却風が流入し、反射鏡内部空間Ziにおいて放電ランプLdを冷却してベース23に設けられた通風口24bから排出される。同図に示すように、補助光源Lxの近傍に通風口24bが形成されていると、冷却風が通過する際、補助放電容器Bxを冷却するので、該補助放電容器Bxの温度が高くなるのを防止でき、内部ガス圧の上昇を抑制できて絶縁破壊電圧値の上昇を防止して、補助放電容器の始動電圧を低く抑えることができる。
なお、図1〜3に示した上記第一の実施形態のように、反射鏡20の前方において開口縁部(20a)側に補助光源(Lx)が配設される場合は、補助放電容器(Bx)の近傍に通風口を形成すればよい。
以上説明した第二の実施形態によれば、補助放電容器は主放電容器に接触することなくベースによって保持されており、主放電容器からの熱を直接受けるようなことはない。従って、補助放電容器の温度上昇に由来して絶縁破壊電圧が上昇することが抑制されるので補助光源の点灯性が良好であって、結果、放電ランプの再始動を確実に行える光源装置を提供することが可能となる。無論、補助放電容器の大きさや形状においても、主放電容器の電極封着部の寸法等により規制されるものではないので該補助放電容器が極小化しその製造が困難となる、ということを回避することができるようになる。また、第一の実施形態同様、光源装置は振動や衝撃に対して高い信頼性を有するようになり、液晶プロジェクタ装置用途として好適に使用することが可能になる。
図9は、本願第三の実施形態を説明する図であり、先に図1〜図4、図6〜図8で説明した構成と同様の構成については同じ符号を用いて示し、その詳細な説明は省略する。
第三の実施形態は、補助放電容器Bxが反射鏡20の外表面上に配置された光源装置の一例である。図9(a)は光源装置の一部断面側面図、図9(b)は図9(a)の光源装置を紙面上、下方向から見た一部を切欠いた側面図である。
反射鏡20は、補助光源Lxの放射光、例えば波長200〜275nmの光の透過率が50%以上の材質が用いられ、例えば石英からなる。反射鏡20内面には、誘電体の多層膜により反射面20bが形成されている。係る反射面20bは可視光に対して反射性を有するが紫外線の反射、吸収率が低いもの、すなわち、透過率が高いものである。よって、補助光源Lxからの紫外線は、反射鏡20本体を構成する石英、及び、その内面の反射面20bを形成する反射膜を透過して、反射鏡内部空間Ziに到達し、主放電容器Bdに入射して放電ランプLdの放電開始に寄与するようになる。
補助放電容器Bxは、反射鏡20の外部に設置されているので、主放電容器Bdからの熱を受けにくく加熱が防止される。よって補助放電容器Bxを接着剤等によって反射鏡20に固着することも可能である。
以上のような第三の実施形態に係る光源装置によれば、補助放電容器が紫外線透過性を有する反射鏡の外部に配設されていることで、当該補助放電容器の温度が高くなることを防止でき、内部のガス圧が上昇するのを防止できるようになる。よって当該補助光源の絶縁破壊電圧の上昇を回避できるようになる。また、補助光源の配設場所に関しては、いっそう自由度が増し、該補助放電容器の大きさや形状等において規制が著しく緩和され、補助放電容器の製作を極めて容易に行えるようになる。本実施形態において、なによりも効果的なことは、主放電容器を臨む紫外光の入射効率のよい位置に、係る補助放電容器を設けることが可能となるため、主放電容器への紫外光の光量を増やすことができる点である。更に、主放電容器を直接臨めるように、主放電容器と補助放電容器の光路上において、反射面を形成する誘電体多層膜の一部を除去すれば、係る効果を一層向上させることができる。
図10は、本願第四の実施形態を説明する図である。なお同図においても、上記図1〜図4、図6〜図9で説明した構成と同様の構成については同じ符号で示し、その詳細な説明は省略する。図10(a)は光源装置の一部断面側面図、図10(b)は図10(a)の光源装置を紙面上、下方向から見た一部を切欠いた側面図である。
本実施形態は、反射鏡20の本体に補助光源Lxが形成された例である。すなわち、反射鏡20は例えば石英ガラスにより構成されており、係る石英ガラスの内部に気泡部分25が形成され、反射鏡20の外表面には、気泡部分25に対応する箇所に導電性の部材が導電性接着剤等で貼付されるなどして、一対の外部電極Eu,Evが形成されている。なお、係る外部電極電Eu,Evの各々にはリード線Wa,Wbが接続されており、例えば一方の外部電極Euに接続されたリード線Waが始動電極Wtに、他方の外部電極Evに接続されたリード線Wbが陰極側電極E1に接続されたリード線Wcにそれぞれ継線されている。これらリード線Wa,Wbは端子15,16(一部図示省略)に接続されて外部電源(図示省略)の電流供給線に接続される。
外部電源より電流が供給されると、前記気泡部分25の内部に放電が生じて、係る放電により得られた紫外線が反射鏡20を構成する石英ガラスを透過して、反射鏡内部空間Ziに到達し、主放電容器Bdに入射する。その結果、上述した他の実施形態と同様の作用、効果を奏する。このような本願第四の実施形態に係る光源装置によれば補助光源が反射鏡に具備されているので、補助放電容器が光源装置から外れたりするといった問題が発生することもない。また、補助光源Lxは放電ランプLdに接触することなく光源装置に取付けられているので当該光源装置の構成を簡単にできる。
また更に、上記第三の実施形態でも述べたように、補助放電容器が主放電容器を直接臨めるように誘電体多層膜の一部を除去すれば、前記効果を一層向上させることができる。
以上、説明した実施形態において、補助放電容器の放射窓の一部に、補助放電容器からの放射光、例えば波長200〜275nmの光の拡散反射率が10%以上の材質、例えばアルミナやシリカを主成分とした無機接着剤や酸化チタンの誘電体多層膜が形成されていると、補助放電容器からの放射光を主放電容器に導く効率を上げることができるので、より放電ランプの始動性を高めることができる。
また、上記実施形態では、主としてDC駆動方式の場合に関して述べてきたが、本発明は、AC駆動方式の場合においても全く同様に有効に機能する。DC駆動方式のための放電ランプにおいては、主放電のための両極の電極に関して陰極と陽極の別が存在していたものが、AC駆動方式のための放電ランプにおいては、陰極と陽極の関係が固定的でないために例えば両極の電極が同一構造であるなど、前記した放電ランプ本体部の構造において、DC駆動方式のための放電ランプとは相違点がある場合があるが、このような相違点は、本発明の作用や効果について本質的には無関係である。
光源装置の説明用正面図である。 図1中X−Xで切断した説明用の矢視断面図である。 図1中Y−Yで切断した説明用矢視断面図である。 補助光源Lxを説明する管軸で切断した説明用断面図である。 外部電極間の離間距離と補助光源の始動確率を調べた実験データで説明図ある。 第一の実施形態に係る光源装置を、DC駆動方式の給電装置を用いて点灯する回路の一例を簡略化して示す図である。 本願発明の第二の実施形態を示す説明用断面図である。 図7中X−Xで切断した説明用の矢視断面図、及び、図7中Y−Yで切断した説明用の矢視断面図である。 本願第三の実施形態を説明する図である。 本願第四の実施形態を説明する図である。
符号の説明
Ld 放電ランプ
Bd 主放電容器
E1,E2 主放電用電極
Bx 補助放電容器
Eu,Ev 外部電極
Zi 反射鏡内部空間
Wx 内部トリガ
Gx ゲッター材
10 発光管部
11,12 電極封着部
13,14 金属箔
13a 箔表面
20 反射鏡
20a 開口縁部
20b 反射面
20c 溝部
20d 切欠き部
20e くび部
201a,201b 穴
21 光出射窓
22 窓材
23 ベース
24a、24b、24c 通風口
25 気泡部分
30 金属
Wa,Wb,Wc リード線
Ua DC電源
Ub 給電回路
T1,T2,T5,T6 出力端子
A1,A2 外部リード
Qb,Qe スイッチ素子
Lb チョークコイル
Dd ダイオード
Cd 平滑コンデンサ
Gb ゲート駆動回路
Ue スタータ
T4 入力端
T3 グランド端
Re 抵抗
Ce コンデンサ
Te 高電圧トランス
Pe 一次側巻線
Se 二次側巻線

Claims (1)

  1. 主放電のための放電用媒質が封入された主放電容器内に一対の主放電のための主放電用電極が対向配置され、前記一対の主放電用電極に通電するための第1および第2の電極封着部を有する放電ランプと、この放電ランプからの放射光をその内面に形成した反射膜で反射してその前方に形成された光出射窓に向け出射する反射鏡と、を備え、
    前記放電ランプの主放電のための電極以外の始動電極が、前記主放電容器の外部に設けられてなる光源装置であって、
    補助放電のための放電用媒質が封入された補助放電容器と、前記補助放電容器の外面上に設置されると共に、前記始動電極に電気的に接続された第一の外部電極と、を有する補助光源が、前記主放電容器と非一体に、前記反射鏡のくび部に装着されたベースに保持されて設けられており、
    前記反射鏡の開口縁部に反射鏡内部空間に冷却風が流入する通風口が形成され、
    前記ベースには冷却風を排出する通風口が形成され、
    前記補助光源が、冷却風が通過する際に前記補助放電容器を冷却するように前記ベースの通風口近傍に配置されていることを特徴とする光源装置。
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