JP2005100852A - メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】
始動電圧が低減するとともに気密容器の電極を包囲する部位に白濁が発生しにくい水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】
メタルハライドランプは、内容積0.1cc以下の気密容器1と;電極間距離L(mm)が3.8〜4.6mmで、少なくとも一方の気密容器内部の突出長l(mm)が数式1(0.8≦l≦1.3)を満足して封装された一対の電極1bと;Sc、Naの第1のハロゲン化物、In、Znから選択された少なくとも一種の第2のハロゲン化物を含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入され、水銀を本質的に含まない放電媒体と;を具備し、一対の電極1b、1bの少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式2(0.11<d/L<0.24)を満足する。
【選択図】
図3

Description

本発明は、水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
高圧放電ランプにおいて、始動は、一般に主として電極間に充満する希ガスからなる始動ガスが絶縁破壊することにより開始する構成である。しかし、希ガスを高圧封入した高圧放電ランプでは、始動時の絶縁破壊に高い電圧を必要とする。このため、始動時に高電圧パルスを電極間に印加する。とりわけメタルハライドランプにおいて上記の傾向が強いことは当業者において周知である。また、メタルハライドランプの中でも、環境負荷の大きい水銀を封入しないメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀フリーランプ」という。)は既知である(例えば、特許文献1参照。)。水銀フリーランプでは、水銀に代わってZnハロゲン化物などの比較的蒸気圧の高い物質を封入する。また、Znハロゲン化物などに代えてInIを用いるようにして、Sc−Na−InIを封入したメタルハライドランプも既知である(特許文献2参照。)。特許文献2においても、良好な始動特性を有し、水銀入りランプと同等の電気特性および発光特性が得られるとされている。
しかしながら、上記のいずれにおいても、水銀フリーランプの場合、以下列挙する主な理由により水銀を封入したメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀入りランプ」という。)よりさらに高い始動電圧を必要とする。
(1)始動直後の発光に寄与させるためにXeからなる希ガスを水銀入りランプより高い圧力で封入している。
(2)水銀が封入されていないために金属ハロゲン化物が解離してIなどのハロゲンガスが放電空間に発生しやすい。
(3)さらにこれらの相乗効果もあり得ると考えられる。
このため、水銀フリーランプにおいては、始動時に印加する高電圧パルスをより一層高くする必要がある。
特開平11−238488号公報 特開2001−006610号公報
ところが、メタルハライドランプの始動時に印加する高電圧パルスが高くなると、点灯装置およびメタルハライドランプを含む点灯回路全般にわたり絶縁保護耐圧が高くなるために、コストアップを招くという問題がある。
これに対して、特許文献2においては、その段落0010において、電極が放電空間に突出する長さが1.0mm以上1.7mm以下であると、低融点金属ハロゲン化物の蒸発を促進して発光管の始動特性が改善されると指摘している。本発明者の追試によれば、確かに上記の範囲の一部の領域内において始動性が改善される傾向が確認されたが、これだけでは必ずしも十分な効果が得られないことが分かった。
本発明者は、メタルハライドランプに印加する高電圧パルスを低減するための研究を行う中で、包囲部の内壁面に沿う沿面グロー放電が生起することによって始動の絶縁破壊が行われると、始動電圧が低減することを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたもので、気密容器の包囲部の内壁面に沿う沿面グロー放電が生起しやすくなるように構成することによって、始動の絶縁破壊が行われやすくなって十分に低い始動電圧を得るとともに、電極を包囲する気密容器の部位に白濁が発生しにくいように改良したものである。
本発明は、始動電圧が低減するとともに気密容器の電極を包囲する部位に白濁が発生しにくい水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを一般的な目的とする。
また、本発明は、始動電圧が低減した自動車前照灯用として好適な水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを他の目的とする。
請求項1の発明のメタルハライドランプは、内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器と;気密容器の内部に電極間距離Lmmが3.8〜4.6mmで対向するとともに、少なくとも一方の気密容器の内部における突出長l(mm)が数式1を満足するように封装された一対の電極と;Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物から選択された少なくとも一種からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されているとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体と;を具備し、一対の電極の少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式2を満足することを特徴としている。
0.8≦l≦1.3 (数式1)
0.11<d/L<0.24 (数式2)
本発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
<気密容器について> 気密容器は、少なくとも包囲部を備えており、耐火性で透光性である。包囲部は、放電空間を包囲する。なお、「耐火性」とは、メタルハライドランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどの多結晶セラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。しかし、自動車前照灯用の場合、高い集光効率が要求されるために、直線透過率が高い石英ガラスが好適である。なお、必要に応じて、石英ガラス製の気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
また、気密容器は、その包囲部の管軸方向の長さが後述する電極間距離Lmmを確保できる電極間方向に沿ったサイズを有している。そして、包囲部の内容積は、0.1cc以下であり、この範囲内でメタルハライドランプの用途により多様な範囲に設定することが許容される。したがって、本発明は、定格ランプ電力が50W以下の小形のメタルハライドランプに好適であり、例えば自動車前照灯用の場合には、実際上0.05cc以下のものが多い。そして、包囲部は、その内部に形成される放電空間がほぼ円柱状をなすとともに、両端部が例えばほぼ円錐形状ないしほぼ楕円球形状などをなしていることにより径小部分になっていて、全体として細長い形状をなしていることが許容される。これにより、アークが水平点灯においては上方へ湾曲しようとするために、気密容器の上側の内面に接近するので、気密容器の上部の温度上昇が早くなる。なお、放電空間の軸方向の長さは、一般的には6〜8mm程度、好ましくは6.0〜7.0mmの長さを有する。また、放電空間したがって包囲部は、その最大内径Dmmが2.1〜3.0mmであることを許容する。さらに、包囲部は、その放電空間の中央部を包囲する壁部分の肉厚を両端側の肉厚より大きくすることができる。これにより、気密容器の伝熱が良好になって気密容器の放電空間の下部および側部内面に付着している放電媒体の後述する薬品の温度上昇が早まるために、光束立ち上がりが早くなる。なお、「包囲部の管軸方向の長さ」とは、包囲部とその両端から延在する後述するような一対の封止部との間に形成される不連続部、例えば一対の縮径部間の距離をいう。しかしながら、包囲部の両端に明確な不連続部が存在しない場合には、電極間距離に一対の電極のそれぞれの突出長を加えた値をもって包囲部の管軸方向の長さという。また、一般照明用の場合、定格ランプ電力に応じて多様な大きさに設定される。
さらに、気密容器は、石英ガラスからなる場合、後述する電極をその内部に封装するために、内部に形成される放電空間の軸方向の両端に棒状をなして、封着金属箔を埋設した一対の封止部を一体に形成して備えることができる。そして、封止部は、自動車前照灯用などにおいては、格別な排気管を接続することなしに一対の封止部において好適には減圧封止法により、または減圧封止法およびピンチシール法の併用により封止される。いずれの封止法を採用するにしても、封止部の内部に封着金属箔を埋設して、この封着金属箔を介して電極と外部導入線とを接続することにより、電極に電流を供給することができる。減圧封止法ならびに減圧封止法およびピンチシール法の併用の場合、包囲部をチップレスにして配光特性が排気チップ部により乱れるのを回避することができる。しかし、一般照明用などのように要すれば、排気管を包囲部に接続して、排気封入後に排気チップ部を形成することも許容される。
<一対の電極について> 一対の電極は、気密容器の内部への突出長l(mm)が数式1(0.8≦l≦1.3)の条件を満足するように離間対向して気密容器の包囲部内の両端部に位置するように封装される。電極の気密容器内への突出長lは、軸径とともに電極温度に影響するのに加えて、始動電圧および気密容器の電極を包囲する部分における白濁の発生に影響し、上記の範囲内であれば、始動電圧の低下および白濁の発生の抑制に対して優れた効果がある。これに対して、突出長lが0.8未満であると、電極の突出部を包囲する気密容器の部位の内面における白濁発生が顕著になるので、不可である。また、突出長lが1.3mmを超えると、気密容器の内面に沿った沿面放電が生起しにくくなって始動電圧が高くなり、その値が許容範囲を超えるので、不可である。
また、電極は、高融点金属からなり、用途に応じて多様な軸径が採用される。例えば、自動車前照灯用のメタルハライドランプの場合、軸径が一般的には0.25〜0.4mmであることが許容される。電極の材料である高融点金属としては、純タングステン、ドープドタングステン、レニウムまたはレニウム−タングステン合金などにより構成することができる。なお、電極を気密容器に封装する構造として、気密容器の一対の封止部に電極の基端部および中間部の一部を埋設させて支持することができる。また、電極の基端は、気密容器が石英ガラスなどからなる場合、封止部に気密に埋設されたモリブデンなどからなる封着金属箔に溶接などの手段によって接続される。
さらに、例えば自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいても、電極は、その先端部が多様な構造であることが許容される。すなわち、(1)軸部がその軸径のまま延長して先端部を構成している構造、(2)先端部に軸径より径が大きい球状類似部が形成されている構造、(3)先端部にコイル部が巻装されている構造などを採用することができる。なお、(1)の場合、先端が平坦な端面を形成するか、アークの起点となる先端が曲面を形成している。なお、電極の軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、アークの起点となる先端に曲面を形成する場合、当該曲面は、ほぼ球形の一部を構成するような曲面で、かつ、その半径を軸部の直径の1/2以下にすることにより、アークの起点の不所望な移動を抑制して、明るさのちらつきが生じるのを低減できる。なお、「電極のアークの起点となる先端」とは、電極の先端側において、アークの起点となる部位を意味し、必ずしも電極の幾何学的な先端の全体を示すものではない。すなわち、電極の先端側であって、アークの起点になる部位が電極の軸部の直径に対して1/2以下の半径を有する曲面を形成していればよい。しかし、電極のアークの起点となる先端の曲面は、好適にはその半径が軸部の半径の40%以上である。(2)の場合、球状類似部は軸部と一体に形成することができる。また、(3)の場合、軸部の先端がコイル部から突出している構造およびコイル部が先端に位置している構造のいずれでもよい。
さらに、電極は、交流および直流のいずれで作動するように構成してもよい。交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より軸径を大きくして放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。
<放電媒体について> 放電媒体は、金属ハロゲン化物および希ガスを含み、水銀を本質的に含まない。金属ハロゲン化物は、第1および第2のハロゲン化物を含んでいる。
第1のハロゲン化物は、ScおよびNaのハロゲン化物からなる。ScおよびNaは、白色発光を効率よく発光する主たる発光金属である。しかし、上記金属ハロゲン化物は、発光金属として第1のハロゲン化物以外にも補助的に例えばDyなどの希土類金属などを所望により選択して付加することができる。
第2のハロゲン化物は、InおよびZnのハロゲン化物の中から選択された少なくとも一種からなる。これらの金属は、主として水銀に代わるランプ電圧形成媒体である。しかし、InおよびZnは、ともに青色系の発光を生じるので、第1の金属ハロゲン化物を構成する主発光物質の白色発光の色度を補正する作用がある。なお、Inのハロゲン化物として具体的には、InI、InIおよびInBrが考えられる。そして、これらのいずれを用いてもよい。また、Znのハロゲン化物としては、ZnIを用いることができる。
また、第2の金属ハロゲン化物に加えて、下記のグループから選択される金属のハロゲン化物をランプ電圧形成媒体として補助的に添加することができる。すなわち、Mg、Co、Cr、Mn、Sb、Re、Ga、Sn、Fe、Al、Ti、ZrおよびHfのグループから選択された一種または複数種の金属のハロゲン化物を添加することにより、ランプ電圧を調整することができる。上記のグループの金属は、蒸気圧が高くて可視域に発光しないか、または発光が比較的少ない金属すなわち光束を稼ぐ発光金属としては期待されないが、主としてランプ電圧を形成するのに好適な金属である。
そうして、第2のハロゲン化物または/および補助的なランプ電圧形成媒体としての金属ハロゲン化物を用いることにより、本発明におけるような小形のメタルハライドランプにおいて、水銀を用いることなしに25〜70V程度のランプ電圧を得ることができる。このため、比較的小さいランプ電流で所要のランプ電力を投入することが可能になる。
ところで、第1および第2のハロゲン化物および希ガスからなる金属ハロゲン化物は、金属およびハロゲンをそれぞれ単体で封入するか、金属ハロゲン化物として気密容器に封入される。また、金属ハロゲン化物は、好ましくは気密容器の包囲部の単位内容積当たり5〜30mg/ccが封入される。金属ハロゲン化物を上記の範囲で封入すると、包囲部の内面の比較的広い範囲にわたって膜状に付着して、始動時に包囲部の内表面を経由した絶縁破壊が起こりやすくなるので、好ましい。また、金属ハロゲン化物が膜状に付着しても遮光の程度が許容範囲に止まる。しかし、金属ハロゲン化物が5mg/cc未満であると、包囲部の内面への付着面積が小さくなりすぎて、内表面沿った沿面グロー放電による絶縁破壊が起こりやすくならない。また、金属ハロゲン化物が30mg/cc超になると、金属ハロゲン化物の膜状に付着する面積が大きくなりすぎて遮光が増大しすぎる。なお、金属ハロゲン化物の好ましい封入量範囲は、10〜25mg/ccである。
次に、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、反応性については、ヨウ素が最も適当であり、少なくとも上記主発光金属は、主としてヨウ化物として封入される。しかし、要すれば、ヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することができる。
さらに、水銀について言及しておく。本発明において、「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプのランプ電圧を所要に高くする場合、短アーク形においては気密容器の内容積1cm当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、水銀量が実質的に頗る少ないといえる。
次に、希ガスについて説明する。希ガスは、Xeを主体として25℃で8気圧以上の圧力で気密容器内に封入されている。なお、「Xeを主体」とするとは、分圧で80%以上がXeであることをいう。20%まではAr、Krなどであることが許容される。希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用するが、Xeは始動直後の発光金属の蒸気圧が低いときに、立ち上がり時の光束として白色発光を担うのに効果的に作用する。また、希ガスは、自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいて、好ましくは8〜16気圧の範囲である。
<数式2などについて> 数式2は、電極間距離をLmm、一対の電極のうち少なくとも一方側において、電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき、0.11<d/L<0.24である。数式2は、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmが電極間距離Lmmとの函数として所定の関係にあることを示している。すなわち、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmは、電極間距離Lmmに対する比率d/Lが0.11〜0.24の範囲に設定される。この範囲内であれば、電極先端が適度に包囲部の内面に接近するので、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電による絶縁破壊が生起しやすくなる。しかし、比率d/Lが0.11未満であると、電極先端が包囲部の内面に接近しすぎるために、包囲部の温度が過昇して包囲部形成物質、例えば石英ガラスと金属ハロゲン化物との反応が進み、寿命中に包囲部の内面のエッチングによる白濁が進行する。また、比率d/Lが0.24を超えると、もはや電極の先端が包囲部の内面に接近することによる上記の効果が極度に低下してしまう。なお、好ましくはd/Lが0.14〜0.21の範囲、より一層好ましくは0.15〜0.19の範囲である。
本発明においては、所望により、数式1および数式2に加えて以下に示す数式3の条件をも満足させることができる。数式3は、気密容器の包囲部の最大内径をDmmとしたとき、D≧2d+0.7である。数式3をも同時に満足するように構成することにより、発明の目的達成がより一層効果的になる。
次に、数式3について説明する。数式3は、包囲部の最大内径Dmmが電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmとの函数として所定の関係にあることを示している。すなわち、数式3を満足すれば、包囲部の最大内径を所定の条件を満足する範囲内で大きくするとともに電極先端近傍において気密容器の内面を電極に接近させることができ、したがって従来構造に比較して電極先端を包囲部の内面に適度に接近させることができる。このため、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電の生起しやすくなり、始動時の絶縁破壊を促進することができる。しかし、加えて最大内径が数式2を満足することにより、包囲部の内容積を同じにして、かつ、電極先端が包囲部の内面に適度に接近させることができるので、包囲部の内面における始動時の沿面グロー放電の生起を十分に促進することができない。
以上の説明において、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmは、以下のようにして求めるものとする。すなわち、電極は、前述したように(1)軸部がそのまま延長して先端部を構成している構造、(2)先端部に軸径より径大の球状類似部が形成されている構造、(3)先端部にコイル部が巻装されている構造であることが許容されるが、(1)の場合には先端部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、(2)の場合には球状類似部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、(3)の場合には軸部の先端がコイル部から突出している構造では軸部の先端と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、またコイル部が先端に位置している構造ではコイル部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当する。
<本発明の作用について> 本発明は、上記の構成を具備していることにより、始動時に高電圧パルスを一対の電極間に印加すると、最初に気密容器の包囲部の内面に沿った沿面グロー放電が電極間に生起して絶縁破壊が行われやすくなる。沿面グロー放電が生起すると、図4に示すように、それに続いて一対の電極間のほぼ最短距離に沿った主として希ガスによるグロー放電も生起して、メタルハライドランプが始動し、次にグロー・アーク転移が行われてアーク点灯に移行して、いわゆる点灯に至る。
上記の結果、メタルハライドランプの始動電圧が十分に低くなる。このため、一対の電極間に印加する高電圧パルスの波高値が相対的に低くても確実に始動するようになる。したがって、所望により水銀入りランプ用のイグナイタを用いて本発明の水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプを確実に始動させることも可能になる。なお、始動時に、放電媒体の金属ハロゲン化物が包囲部の内面に膜状に付着していると、包囲部の内面に沿った絶縁破壊がさらに容易に生起するとも考えられる。
<本発明の実施の態様について> 本発明を実施するに際して、以下の態様を付加することができる。すなわち、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、気密容器の包囲部における単位内面積当たりの管壁負荷が50W/cm以上、好適には60W/cm以上であり、あるいは/およびランプ電力が50W以下である。この構成を付加することにより、小形で、高効率の自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプを得ることができる。
<本発明のその他の構成について> 本発明においては、必須構成要件ではないが、以下に示す構成を選択的に付加することにより、メタルハライドランプの性能が向上したり、機能が増加したりする。
1.(外管について) 外管は、その内部に放電容器すなわち発光管を収納する。外管により、発光管から外部へ放射される紫外線を遮断したり、発光管を保温したり、機械的に保護したり、さらには配光特性を所要に整えるために所定形状の遮光膜を配設する場合に外管の表面に遮光膜を形成したりすることができる。また、外管の内部は、その目的に応じて外気に対して気密に封止してもよいし、外気と同程度または減圧された空気または不活性ガスが封入されていてもよい。さらに、要すれば、外気に連通していてもよい。
2.(口金について) 口金は、メタルハライドランプを点灯装置に接続したり、加えて照明装置本体に機械的に支持したりするのに機能する。
3.(イグナイタについて) イグナイタは、高電圧パルス電圧を発生し、これをメタルハライドランプに印加して、その始動を促進する手段であり、一般的には点灯回路と別に構成され、口金の内部に収納するなどにより、メタルハライドランプと一体化することもできる。
4.(高電圧パルスについて) 始動時にメタルハライドランプの一対の電極間に印加する高電圧パルスは、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsであると一層始動が容易になる。そうして、高電圧パルスを一対の電極間に印加したときに本発明の高圧放電ランプは始動する。なお、一対の電極間には、点灯回路から矩形波などの交流電圧を点灯用として高電圧パルスとは別に印加するが、高電圧パルスは、上記交流電圧の各半サイクルごと、1周期ごと、または複数周期ごとにメタルハライドランプが始動するまで適当な時間中継続して印加されるように構成することが許容される。また、自動車前照灯用の水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプの場合、一対の電極間に印加する高電圧パルスは、19〜25kVの範囲が適当である。また、好適には21〜23kVである。高電圧パルスが19kV未満であると、始動が困難になる。また、25kVを超えると、口金などの絶縁破壊が発生する虞がある。したがって、本発明のメタルハライドランプによれば、水銀入りランプ用のイグナイタを用いて始動することが可能になる。
次に、電圧波形の立ち上がり時間について説明する。メタルハライドランプにおいて一対の電極間に印加するパルス電圧は、1周期中に印加されるパルス電圧がリンギングなどにより複数ある場合が多い。このような場合には、最も波高値の高いパルスについて上記の条件を満足しているようにする。そして、最も波高値の高いパルスの瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの範囲内であれば、高圧放電ランプの始動が容易になるとともに、高電圧パルスを経済的に発生することができる。しかし、立ち上がり時間tが60ns未満になると、1パルス当たりの積算エネルギーが不足する。このため、始動に要する高電圧パルスの波高値が高くなる。また、立ち上がり時間tが500nsを超えると、パルス発生回路の設計が困難になり、コスト×体積の比率が顕著に増大する。なお、高電圧パルスは、メタルハライドランプに始動補助導体が配設されていない状態において、その一対の電極間に印加されるものである。
請求項2の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;メタルハライドランプを点灯する点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
本発明において、「照明装置」とは、メタルハライドランプを光源とする装置の全てを含む広い概念であり、例えば自動車前照灯、液晶プロジェクション装置、照明器具、信号灯、標識灯、光ファイバー照明装置、光化学反応装置などである。なお、「照明装置本体」とは、照明装置から高圧放電ランプおよび点灯装置を除いた残余の全ての部分を意味する。
点灯装置は、水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプを始動し、かつ、点灯する手段であり、好ましくは点灯回路およびイグナイタを主体として構成される。イグナイタは、高電圧パルスを発生して、メタルハライドランプの一対の電極間に印加する。点灯回路は、電子化されたものが好適であるが、要すればコイルおよび鉄心を主体とするものであってもよい。また、自動車前照灯用の点灯装置の場合、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍、好適には2.2〜3倍とすることにより、光束立ち上がりを自動車前照灯用として必要な範囲内に入るように早くすることができる。なお、Xeを主体とした希ガスの封入圧を8〜18気圧の範囲でX(気圧)とし、高圧放電ランプの点灯直後4秒までの最高入力電力をAA(W)としたとき、AAが下式を満足するように構成することにより、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用前照灯に必要な前照灯前面の代表点での光度8000cdを得ることができる。
AA>−2.5X+102.5
上記のようにXe封入圧と最高入力電力とが直線的な関係になるのは、蒸気圧の低い放電媒体のみであるから、始動後4秒後の時点ではキセノンの発光が圧倒的になっているからである。Xeの発光量は、Xeの封入圧とその時の電力とで決まるので、Xe圧が低ければ、入力電力を多くすればよい。反対に、Xe圧が高ければ、入力電力を少なくすればよい。なお、本発明において、メタルハライドランプの点灯は、交流点灯および直流点灯のいずれであってもよい。
請求項1の発明によれば、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電が生起しやすくなって始動電圧が低減するとともに、電極の先端部を包囲する気密容器の部位における白濁の発生を抑制した水銀を封入しないメタルハライドランプ、特に自動車前照灯用として好適なメタルハライドランプを提供することができる。
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を有する照明装置、例えば自動車前照灯を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
図1ないし図4は、本発明のメタルハライドランプを実施するための一形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示し、図1は正面図、図2は発光管の要部拡大側面図、図3は発光管の包囲部および電極に関する主として寸法を説明する概念図、図4は始動時の沿面グロー放電および希ガスグロー放電状態の写真である。各図において、ITは発光管、2、2は一対の封着金属箔、3A、3Bは一対の電流導入導体、OTは外管、Tは絶縁チューブ、Bは口金である。
発光管ITは、気密容器1および一対の電極1b、1bからなり、内部に放電媒体を封入している。気密容器1は、外形が紡錘形状に成形された包囲部1a、一対の封止部1a1および封止管1a2(図1参照)を備えている。包囲部1aと一対の封止部1a1との間には、一対の縮径部1a3、1a3が形成されている。また、包囲部1aは、図3に示すように、その内部に中間部が細長いほぼ円柱状部分1c1であるとともに、両端部がほぼ円錐状の径小部分1c2を連続して有する放電空間1cを有している。左右一対の封止部1a1は、細長くて包囲部1aの管軸方向の両端からそれぞれ管軸方向に延在している。封止管1a2は、図2において左方の封止部1a1と一体に形成されていて、先端が口金B内へ進入している。なお、図2においては封止管1a2の図示を省略している。
一対の電極1b、1bは、Wなどの耐火性金属線製で、それぞれの基端部が封止部1a1に埋設された後述する封着金属箔2の一端部にレーザ溶接されるとともに、中間部の一部が封止部1a1に埋設されて緩く支持されることによって所定の位置に配設されて、先端部および中間部の残余部が放電空間1c内の径小部分1c2の内部に位置するように放電空間1cの両端から離間対向して突出している。
図3に示すように、気密容器1および電極1bの相対関係において、電極1bの突出長をlで示し、また電極1bの先端から包囲部1aの内面までの最短距離をdで示している。なお、電極間距離をLで示している。
一対の封着金属箔2、2は、Mo箔からなり、気密容器1の封止部1a1内に気密に埋設されている。
一対の電流導入導体3A、3Bは、Mo線からなり、その先端が気密容器1の両端の封止部1a1内において封着金属箔2の他端部に溶接され、その基端側が封止部1a1の外部へ導出されている。図1において、発光管ITから右方へ導出された電流導入導体3Bは、その中間部が後述する外管OTに沿って折り返され、さらに後述する口金B内に導入されて、一方の口金端子5に接続している。図1において、発光管ITからその管軸に沿って左方へ導出された電流導入導体3Aは、管軸に沿って延在して口金B内に導入されて図示されない中央の口金端子に接続している。
気密容器1a内には、放電媒体として第1および第2のハロゲン化物ならびにXeを主体とする希ガスからなる放電媒体が封入されている。第1のハロゲン化物は、Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる。また、第2のハロゲン化物は、ZnおよびInから選択された金属のハロゲン化物からなる。なお、図3において、気密容器1の包囲部1aの内部底部に位置している物質は、点灯中液相状態で滞留している過剰の金属ハロゲン化物Hである。
外管OTは、紫外線カット性能を備えており、内部に発光管ITを収納していて、先端側の縮径部6が発光管ITの封止部1a1の図に示す位置にガラス溶着している。また、他方の縮径部(図示しない。)は、封止管1a2にガラス溶着して支持されている。しかし、外管OTの内部は気密ではなく、外気に連通している。
絶縁チューブTは、電流導入導体3Bを被覆している。
口金Bは、自動車前照灯用として規格化されているもので、発光管ITおよび外管OTを中心軸に沿って植立して支持していて、自動車前照灯の背面に着脱可能に装着されるように構成されている。また、口金Bは、その前面から管軸方向に突出して外管OTの基端部を包持する支持バンド4を備えている。
以上説明した自動車前照灯用のメタルハライドランプを図示しない点灯装置に接続して電源を投入すると、その一対の電極1b、1b間に高電圧パルスが印加され、図4に示すように包囲部1aの内面に沿った沿面グロー放電が生起して絶縁破壊が行われ、続いて希ガスグロー放電に発展し、さらにグロー・アーク転移が行われてメタルハライドランプは点灯する。なお、図中左方の輝点と右から2番目の輝点とが一対の電極の先端部分における放電の起点であり、右側から1番目の輝点は右側の電極根元放電を示している。
図1ないし図3に示す形態において、以下のとおりである。
発光管IT
気密容器1a:石英ガラス製、内容積0.020cc、包囲部最大内径D=
2.6mm、放電空間軸長6.7mm、包囲部最大外径6mm
電極 :電極間距離L=4.2mm、電極突出長l=1.25mm、
軸径0.3mm
最短距離d :0.85mm
d/L :0.19
放電媒体
金属ハロゲン化物:ScI−NaI−ZnI−InI−CsI=0.4mg
希ガス :Xe10気圧
外管OT :外径9mm、内径7mm、内部雰囲気;大気圧(大気)
点灯直後投入電力:85W
点灯直後投入電流:2.8A
安定時ランフ゜電圧:42V
安定時ランフ゜電流:0.8A
安定時ランフ゜電力:35W

次に、図5ないし図7を参照して本発明の数値条件の根拠について説明する。
図5は、電極の突出長と始動電圧および相対白濁量との関係を示すグラフである。図において、横軸が突出長(mm)を、縦軸が左側に始動電圧(kV)、右側に相対白濁量を、それぞれ示す。なお、相対白濁量は、点灯2000時間におけるものである。
図から理解できるように、突出長が0.8mm未満になると、気密容器内に発生する相対白濁量が許容範囲を超える。また、突出長が1.3mm超になると、始動電圧が許容範囲を超える。したがって、突出長は、図中縦方向の2直線により示す0.8〜1.3mmの範囲が始動電圧および白濁量、したがって全光束の点で優れている。
図6は、d/Lと始動電圧および相対白濁量との関係を示すグラフである。図において、横軸がd/Lを、縦軸が左側に始動電圧(kV)、右側に相対白濁量を、それぞれ示す。なお、相対白濁量は、点灯2000時間におけるものである。また、図中、曲線Aは始動電圧、曲線Bは相対白濁量、をそれぞれ示す。
図から理解できるように、d/Lが0.24超になると、始動電圧が増大する。また、d/Lが0.1未満になると、相対白濁量が顕著に増加する。したがって、d/Lは、図中縦方向の2直線により示す0.1〜0.24の範囲が始動電圧および白濁量、したがって全光束の点で優れている。
図7は、d/Lと沿面放電率の関係を示すグラフである。図において、横軸がd/Lを、縦軸が沿面放電率%を、それぞれ示す。なお、「沿面放電率」とは、沿面グロー放電が生起して始動する確率を意味する。
図から理解できるように、d/Lが0.24超になると、沿面放電率が顕著に減少する。しかし、d/Lが0.1未満になると、図6に示されているように相対白濁量が顕著に増加する。したがって、図中縦方向の2直線により示すd/Lが0.1〜0.24の範囲において、沿面グロー放電が生起して始動する確率が高いとともに、白濁発生が少ない。
図8および図9は、本発明の照明装置を実施するための一形態としての自動車前照灯を示し、図8は背面方向から見た斜視図、図9は点灯装置の回路図である。図8において、自動車用前照灯HLは、自動車用前照灯本体21、メタルハライドランプHPDLおよび2つの点灯回路OCにより構成されている。
自動車用前照灯本体21は、前面透過パネル21a、リフレクタ21b、21c、ランプソケット21dおよび取付部21eなどから構成されている。前面レンズ21aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ21b、21cは、各メタルハライドランプHPDLに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット21dは、点灯回路OCの出力端に接続し、メタルハライドランプHPDLの口金21dに装着される。取付部21eは、自動車用前照灯本体21を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
メタルハライドランプHPDLは、図1ないし図3に示す構造を備えている。ランプソケット21dは、口金に装着されて接続する。そうして、2灯のメタルハライドランプKPDLが自動車用前照灯本体21に装着されて、4灯式の自動車用前照灯が構成される。各メタルハライドランプHPDLの発光部は、自動車用前照灯体21のリフレクタ21b、21cの焦点にほぼ位置する。
2つの点灯回路OLは、それぞれ後述する回路構成を備えていて、金属製容器22内に収納されているとともに、メタルハライドランプHPDLを付勢して点灯させる。
点灯回路OLは、図9に示すように、直流電源11、チョッパ12、制御手段13、ランプ電流検出手段14、ランプ電圧検出手段15、イグナイタ16、メタルハライドランプHPDL、フルブリッジインバータ17により構成されていて、メタルハライドランプHPDLを点灯直後に直流点灯し、その後交流点灯する。
直流電源11は、後述するチョッパ12に対して直流電源を供給する手段であって、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ11aを並列接続して平滑化を行う。
チョッパ12は、直流電圧を所要値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路であって、後述するフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLを所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
制御手段13は、チョッパ12を制御する。例えば、点灯直後にはメタルハライドランプHPDLに定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をチョッパ22からフルブリッジインバータ17を経由して流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段13は、ランプ電流とランプ電圧と相当するそれぞれの検出信号が後述するように帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段13は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプHPDLに流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ12を制御するように構成されている。
ランプ電流検出手段14は、フルブリッジインバータ17を介してランプと直列に挿入されていて、ランプ電流に相当する電流を検出して制御手段13に制御入力する。
ランプ電圧検出手段15は、同様にフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLと並列的に接続されていて、ランプ電圧に相当する電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
イグナイタ16は、フルブリッジインバータ17とメタルハライドランプHPDLとの間に介在していて、始動時に約20kV程度の始動パルス電圧をメタルハライドランプHPDLに供給できるように構成されている。
フルブリッジインバータ17は、4つのMOSFETQ1、Q2、Q3およびQ4からなるブリッジ回路、ブリッジ回路17aのMOSFETQ1およびQ3と、Q2およびQ4とを交互にスイッチングさせるゲートドライブ回路28bおよび極性反転回路INVから構成されていて、チョッパ12からの直流電圧を上記スイッチングにより矩形波の低周波交流電圧に変換して、メタルハライドランプHPDLに印加して、メタルハライドランプHPDLを低周波交流点灯させる。なお、点灯直後の直流点灯時には、ブリッジ回路17aの例えばMOSFETQ1およびQ3を継続的にオンさせ、Q2およびQ4をオフさせる。
そうして、点灯回路OCを用いてメタルハライドランプHPDLを最初直流点灯し、その後矩形波の低周波交流で点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用ヘッドライトとして必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
本発明のメタルハライドランプを実施するための一形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図 同じく発光管の要部拡大側面図 同じく発光管の包囲部および電極に関する主として寸法を説明する概念図 同じく始動時の沿面グロー放電および希ガスグロー放電状態の写真 電極の突出長と始動電圧および相対白濁量との関係を示すグラフ d/Lと始動電圧および相対白濁量との関係を示すグラフ d/Lと沿面放電率の関係を示すグラフ 本発明の照明装置を実施するための一形態としての自動車前照灯を示す背面方向から見た斜視図 同じく点灯装置の回路図
符号の説明
1…気密容器、1a…包囲部、1a1…封止部、1a3…縮径部、1b…電極、1c…放電空間、1c1…円柱状部分、1c2…径小部分、2…封着金属箔、1b…電極、3A、3B…電流導入導体、d…最短距離、H…金属ハロゲン化物、IT…発光管、L…電極間距離、l…突出長

Claims (2)

  1. 内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器と;
    気密容器の内部に電極間距離L(mm)が3.8〜4.6mmで対向するとともに、少なくとも一方の気密容器の内部における突出長l(mm)が数式1を満足するように封装された一対の電極と;
    Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物から選択された少なくとも一種からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されているとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体と;
    を具備し、一対の電極の少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式2を満足することを特徴とするメタルハライドランプ。
    0.8≦l≦1.3 (数式1)
    0.11<d/L<0.24 (数式2)
  2. 照明装置本体と;
    照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;
    メタルハライドランプを点灯する点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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JP2007172959A (ja) * 2005-12-21 2007-07-05 Harison Toshiba Lighting Corp メタルハライドランプ
JP2016181397A (ja) * 2015-03-24 2016-10-13 東芝ライテック株式会社 放電ランプ

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