JP4443868B2 - メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents

メタルハライドランプおよび照明装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧放電ランプにおいて、始動は、主として電極間に充満する希ガスの始動ガスが絶縁破壊することにより開始する構成である。
【0003】
希ガスを高圧封入した高圧放電ランプは、始動時の絶縁破壊に高い電圧を必要とする。このため、始動時に高電圧パルスを電極間に印加する。とりわけメタルハライドランプにおいて上記の傾向が強いことは当業者において周知である。また、メタルハライドランプの中でも、環境負荷の大きい水銀を封入しないメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀フリーランプ」という。)は既知である(例えば、特許文献1参照。)が、水銀フリーランプは、水銀を封入したメタルハライドランプ(以下、便宜上「水銀入りランプ」という。)よりさらに高い電圧を必要とする。これは、始動時に印加する高電圧パルスをより一層高くする必要がある。すなわち、(1)始動直後の発光に寄与させるためにXeからなる希ガスを水銀入りランプより高い圧力で封入している、(2)水銀が封入されていないために金属ハロゲン化物が解離してIなどのハロゲンガスが放電空間に発生しやすい、(3)さらにこれらの相乗効果もあり得ると考えられる、のが主な理由である。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−238488号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、メタルハライドランプの始動時に印加する高電圧パルスが高くなると、点灯装置およびメタルハライドランプを含む点灯回路全般にわたり絶縁保護耐圧が高くなるために、コストアップを招くという問題がある。
【0005】
本発明者は、メタルハライドランプに印加する高電圧パルスを低減するための研究を行う中で、包囲部の内壁面に沿う沿面グロー放電が生起することによって始動の絶縁破壊が行われると、始動電圧が低減することを見出した。本発明は、この知見に基づいてなされたもので、気密容器の包囲部の内壁面に沿う沿面グロー放電が生起することによって始動の絶縁破壊が行われやすいように改良したものである。
【0006】
本発明は、始動電圧が低減した水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを一般的な目的とする。
【0007】
また、本発明は、始動電圧が低減した自動車前照灯用として好適な水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを他の目的とする。
【0008】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明のメタルハライドランプは、放電空間を包囲する最大内径がDmmの包囲部を備えた耐火性で透光性の気密容器、気密容器の内部に電極間距離Lmmで離間対向して封装された一対の電極、ならびに包囲部の内容積に対して5〜30mg/ccの薬品およびXeを主体として含み封入圧が25℃で5気圧以上の希ガスからなり気密容器内に封入された放電媒体を具備し;一対の電極の少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式1および2を満足するとともに、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの高電圧パルスを一対の電極間に印加したときに始動することを特徴としている。
【0009】
【数1】
0.11<d/L<0.24
【0010】
【数2】
D≧2d+0.7
本発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0011】
<気密容器について> 気密容器は、少なくとも包囲部を備えており、耐火性で透光性である。包囲部は、最大内径がDmmであり、放電空間を包囲する。なお、「耐火性」とは、メタルハライドランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどの多結晶セラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。しかし、自動車前照灯用の場合、高い集光効率が要求されるために、直線透過率が高い石英ガラスが好適である。なお、必要に応じて、石英ガラス製の気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0012】
また、気密容器は、その包囲部の最大内径がDmmで、後述する電極間距離Lmmを確保できる電極間方向に沿った長さを有している。そして、包囲部の内容積は、メタルハライドランプの用途により多様な範囲に設定することが許容される。特に本発明は、定格ランプ電力が50W以下の小形のメタルハライドランプに好適であり、この場合には1cc以下である。また、例えば自動車前照灯用の場合、0.1cc以下であり、実際上0.05cc以下のものが多い。そして、包囲部は、最大内径2.1〜3.0mmのほぼ円柱状をなすとともに、両端部が例えばほぼ円錐形状ないしほぼ楕円球形状などをなしていることにより径小部になっていて、軸方向に6.0〜7.0mmの長さを有する細長い形状をなしている。これにより、アークが水平点灯においては上方へ湾曲しようとするために、気密容器の上側の内面に接近するので、気密容器の上部の温度上昇が早くなる。また、気密容器は、その包囲部の管軸方向の長さが6〜8mm程度に設定される。さらに、包囲部の放電空間を包囲する部分の肉厚を比較的大きくすることができる。すなわち、電極間距離のほぼ中央部の肉厚をその両側の肉厚より大きくすることができる。これにより、気密容器の伝熱が良好になって気密容器の放電空間の下部およ側部内面に付着している放電媒体の後述する薬品の温度上昇が早まるために、光束立ち上がりが早くなる。なお、「包囲部の管軸方向の長さ」とは、包囲部とその両端から延在する後述するような一対の封止部との間に形成される不連続部、例えば一対の縮径部間の距離をいう。しかしながら、包囲部の両端に明確な不連続部が存在しない場合には、電極間距離に2.8mmを加えた値をもって包囲部の管軸方向の長さという。また、一般照明用の場合、定格ランプ電力に応じて多様な大きさに設定される。
【0013】
さらに、気密容器は、石英ガラスからなる場合、後述する電極をその内部に封装するために、内部に形成される放電空間の軸方向の両端に棒状をなして、封着金属箔を埋設した一対の封止部を一体に形成して備えることができる。そして、封止部は、自動車前照灯用などにおいては、格別な排気管を接続することなしに一対の封止部内に好適には減圧封止法により、または減圧封止法およびピンチシール法の併用により封止される。いずれにしても封止部の内部に埋設された封着金属箔を介して電極と外部導入線とを接続することにより、電極に電流を供給することができる。減圧封止法ならびに減圧封止法およびピンチシール法の併用の場合、包囲部をチップレスにして配光特性が排気チップ部により乱れるのを回避することができる。しかし、一般照明用などのように要すれば、排気管を包囲部に接続して、排気封入後に排気チップ部を形成することも許容される。
【0014】
<一対の電極について> 一対の電極は、電極間距離Lmmで離間対向して気密容器の包囲部内の径小部内に位置するように封装される。また、電極は、高融点金属からなり、用途に応じて多様な軸径が採用される。例えば、自動車前照灯用のメタルハライドランプの場合、軸径が0.25〜0.4mmであるとともに、電極間距離が5mm以下になるように対向して気密容器の内部に封装される。
【0015】
電極材料の高融点金属としては、純タングステン、ドープドタングステン、レニウムまたはレニウム−タングステン合金などにより構成することができる。また、電極を気密容器に封装する構造として、気密容器の一対の封止部に電極の基端部を埋設させて支持することができる。なお、電極の基端は、気密容器が石英ガラスなどからなる場合、封止部に気密に埋設されたモリブデンなどからなる封着金属箔に溶接などの手段によって接続される。
【0016】
また、例えば自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいても、電極は、その先端部が多様な構造であることが許容される。すなわち、(1)軸部が先端部を構成している構造、(2)先端部に軸部より径が大きい球状類似部が形成されている構造、(3)先端部にコイル部が巻装されている構造などを採用することができる。なお、(1)の場合、軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、先端が平坦な端面を形成するか、アークの起点となる先端が曲面を形成している。あるいは、軸部の先端に軸部より径大の部分を形成することができる。なお、電極の軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、アークの起点となる先端に曲面を形成する場合、当該曲面は、ほぼ球形の一部を構成するような曲面であり、その半径が軸部の直径の1/2以下にすることにより、アークの起点の不所望な移動を抑制して、明るさのちらつきが生じるのを低減できる。なお、「電極のアークの起点となる先端」とは、電極の先端側において、アークの起点となる部位を意味し、必ずしも電極の幾何学的な先端の全体を示すものではない。すなわち、電極の先端側であって、アークの起点になる部位が電極の軸部の直径に対して1/2以下の半径を有する曲面を形成していればよい。しかし、電極のアークの起点となる先端の曲面は、好適にはその半径が軸部の直径の1/2の40%以上である。また、(3)の場合、軸部の先端がコイル部から突出している構造およびコイル部が先端に位置している構造のいずれでもよい。
【0017】
さらに、電極の気密容器内への突出長は、軸径とともに電極温度に影響するが、高圧放電ランプにおける通例にしたがえばよく、さらにまた、電極は、交流および直流のいずれで作動するように構成してもよい。交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より軸径を大きくして放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。
【0018】
<放電媒体について> 放電媒体は、気密容器の包囲部の内部に封入される。そして、薬品および希ガスからなる。本発明において、「薬品」とは、金属ハロゲン化物をいう。なお、金属ハロゲン化物は、金属およびハロゲンをそれぞれ単体で封入するか、金属ハロゲン化物として封入される。
【0019】
薬品は、気密容器の包囲部の単位内容積当たり5〜30mg/ccが封入される。薬品を上記の量封入すると、包囲部の内面の比較的広い範囲にわたって膜状に付着して、始動時に包囲部の内表面を経由した絶縁破壊が起こりやすくなる。また、薬品が膜状に付着しても遮光の程度が許容範囲に止まる。しかし、薬品が5mg/cc未満であると、包囲部の内面への付着面積が小さくなりすぎて、内表面沿った沿面グロー放電による絶縁破壊が起こりやすくならない。また、薬品が30mg/cc超になると、薬品の膜状に付着する面積が大きくなりすぎて遮光が増大しすぎる。なお、薬品の好ましい封入量範囲は、10〜25mg/ccである。
【0020】
自動車前照灯用の水銀を封入しないメタルハライドランプにおいて、薬品は、好適にはScのハロゲン化物とNaおよび希土類金属のグループの中から選択された少なくとも1種の金属のハロゲン化物とを含んでいる。上記の金属は、白色発光を効率よく発光する主たる発光金属である。また、上記金属ハロゲン化物の場合、発光金属として補助的にその他の金属のハロゲン化物を所望により選択して付加することもできる。
【0021】
また、上述の発光金属のハロゲン化物を第1の金属ハロゲン化物としたときに、この第1の金属ハロゲン化物に加えて主としてランプ電圧を所望の程度まで高めるために、第2の金属ハロゲン化物を封入することができる。第2の金属ハロゲン化物としては、好ましくはZnのハロゲン化物または/およびInのハロゲン化物からなる。これらの金属は、十分に蒸気圧が高いので、水銀に代わるランプ電圧形成媒体として効果的である。しかし、これらの金属は、同時に青色系の発光を行うので、第1の金属ハロゲン化物を構成する主発光物質の白色発光の色度を補正する作用もある。なお、Inのハロゲン化物として具体的には、InI、InIおよびInBrが考えられる。そして、これらのいずれを用いてもよい。また、Znのハロゲン化物としては、ZnIを用いることができる。
【0022】
また、第2の金属ハロゲン化物として上記の金属に加えて、または単独で下記のグループから選択される金属のハロゲン化物をランプ電圧形成媒体として封入することができる。すなわち、Mg、Co、Cr、Mn、Sb、Re、Ga、Sn、Fe、Al、Ti、ZrおよびHfのグループから選択された一種または複数種の金属のハロゲン化物を封入することにより、主としてランプ電圧を主として形成することができる。上記のグループの金属は、蒸気圧が高くて可視域に発光しないか、または発光が比較的少ない金属すなわち光束を稼ぐ発光金属としては期待されないが、主としてランプ電圧を形成するのに好適な金属である。
【0023】
そうして、第2のハロゲン化物として、上記のZn、Inに加えて補助的なランプ電圧形成媒体として、またはこれらに代えて上記のグループの金属ハロゲン化物を用いることにより、小形のメタルハライドランプにおいて、水銀を用いることなしに25〜70V程度のランプ電圧を得ることができる。このため、比較的少ないランプ電流で所要のランプ電力を投入することが可能になる。
【0024】
次に、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、反応性については、ヨウ素が最も適当であり、少なくとも上記主発光金属は、主としてヨウ化物として封入される。しかし、要すれば、ヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することができる。
【0025】
さらに、水銀について言及しておく。本発明において、「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプのランプ電圧を所要に高くする場合、短アーク形においては気密容器の内容積1cm当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、水銀量が実質的に頗る少ないといえる。
【0026】
次に、希ガスについて説明する。希ガスは、Xeを主体として25℃で8気圧以上の圧力で気密容器内に封入されている。なお、「Xeを主体」とするとは、分圧で80%以上がXeであることをいう。20%まではAr、Krなどであることが許容される。希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用するが、Xeは始動直後の発光金属の蒸気圧が低いときに、立ち上がり時の光束として白色発光を担うのに効果的に作用する。また、希ガスは、自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいて、好ましくは8〜16気圧の範囲である。
【0027】
<数式1および2について> 気密容器の包囲部の最大内径をDmm、電極間距離をLmm、電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき、数式1は0.11<d/L<0.24であり、数式2はD≧2d+0.7である。本発明においては、一対の電極の少なくとも一方または両方 において数式1および2をともに満足するように構成される。
【0028】
まず、数式1について説明する。数式1は、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmが電極間距離Lmmとの函数として所定の関係にあることを示している。すなわち、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmは、電極間距離Lmmに対する比率d/Lが0.11〜0.24の範囲に設定される。この範囲内であれば、電極先端が適度に包囲部の内面に接近するので、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電による絶縁破壊が生起しやすくなる。しかし、比率d/Lが0.11未満であると、電極先端が包囲部の内面に接近しすぎるために、包囲部の温度が過昇して包囲部形成物質と薬品との反応が進み、寿命中に包囲部の内面のエッチングによる白濁が進行する。また、比率d/Lが0.24を超えると、もはや電極の先端が包囲部の内面に接近することによる上記の効果が極度に低下してしまう。なお、好ましくはd/Lが0.14〜0.21の範囲、より一層好ましくは0.15〜0.19の範囲である。
【0029】
次に、数式2について説明する。数式2は、包囲部の最大内径Dmmが電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmとの函数として所定の関係にあることを示している。すなわち、数式2を満足すれば、包囲部の最大内径を所定の条件を満足する範囲内で大きくするとともに電極先端近傍において気密容器の内面を電極に接近させることができ、したがって従来構造に比較して電極先端を包囲部の内面に適度に接近させることができる。このため、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電の生起しやすくなり、始動時の絶縁破壊を促進することができる。しかし、最大内径が数式2を満足しないと、包囲部の内容積を同じにして、かつ、電極先端が包囲部の内面に適度に接近させることができなくなるので、包囲部の内面における始動時の沿面グロー放電の生起を十分に促進することができない。
【0030】
以上の説明において、電極先端から包囲部の内面までの最短距離dmmは、以下のようにして求めるものとする。すなわち、電極は、前述したように(1)軸部が先端部を構成している構造、(2)先端部に軸部より径が大きい球状類似部が形成されている構造、(3)先端部にコイル部が巻装されている構造であることが許容されるが、(1)の場合には先端部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、(2)の場合には球状類似部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、(3)の場合には軸部の先端がコイル部から突出している構造では軸部の先端と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当し、またコイル部が先端に位置している構造ではコイル部と包囲部の内面の最も接近した位置との間が該当する。
【0031】
<高電圧パルスについて> 始動時にメタルハライドランプの一対の電極間に印加する高電圧パルスは、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsである。そして、この高電圧パルスを一対の電極間に印加したときに本発明の高圧放電ランプは始動する。なお、一対の電極間には、点灯回路から矩形波などの交流電圧を点灯用として高電圧パルスとは別に印加するが、高電圧パルスは、上記交流電圧の各半サイクルごと、1周期ごと、または複数周期ごとにメタルハライドランプが始動するまで適当な時間中継続して印加されるように構成することが許容される。また、自動車前照灯用の水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプの場合、一対の電極間に印加する高電圧パルスは、19〜25kVの範囲が適当である。また、好適には21〜23kVである。高電圧パルスが19kV未満であると、始動が困難になる。また、25kVを超えると、口金などの絶縁破壊が発生する虞がある。したがって、本発明のメタルハライドランプによれば、水銀入りランプ用のイグナイタを用いて始動することが可能になる。
【0032】
次に、図1を参照して電圧波形の立ち上がり時間について説明する。
【0033】
図1は、本発明のメタルハライドランプにおいて一対の電極間に印加する高電圧パルスの立ち上がり時間を説明する波形図である。図に示すパルス電圧は、メタルハライドランプ始動用のイグナイタの1周期における出力波形であり、1周期中に印加されるパルス電圧がリンギングなどにより複数ある場合である。このような場合には、最も波高値の高いパルスについて上記の条件を満足していればよい。図において、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間は、tとして示されている。本発明において、立ち上がり時間tが60〜500nsの範囲内であれば、高圧放電ランプの始動が容易になるとともに、高電圧パルスを経済的に発生することができる。しかし、立ち上がり時間tが60ns未満になると、1パルス当たりの積算エネルギーが不足する。このため、始動に要する高電圧パルスの波高値が高くなる。また、立ち上がり時間tが500nsを超えると、パルス発生回路の設計が困難になり、コスト×体積の比率が顕著に増大する。なお、高電圧パルスは、メタルハライドランプに始動補助導体が配設されていない状態において、その一対の電極間に印加されるものである。
【0034】
<本発明の作用について> 本発明は、上記の構成を具備していることにより、始動時に上記所定の高電圧パルスを一対の電極間に印加すると、最初に気密容器の包囲部の内面に沿った沿面グロー放電が電極間に生起して絶縁破壊が行われやすくなる。沿面グロー放電が生起すると、図4に示すように、それに続いて一対の電極間のほぼ最短距離に沿った主として希ガスによるグロー放電が生起して、メタルハライドランプが始動し、次にグロー・アーク転移が行われてアーク点灯に移行して、いわゆる点灯に至る。
【0035】
上記の結果、メタルハライドランプの始動電圧が低くなる。このため、一対の電極間に印加する高電圧パルスの波高値が相対的に低くても確実に始動するようになる。したがって、所望により水銀入りランプ用のイグナイタを用いて本発明の水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプを確実に始動させることも可能になる。なお、始動時に、放電媒体の薬品が包囲部の内面に膜状に付着していると、包囲部の内面に沿った絶縁破壊がさらに容易に生起するとも考えられる。
【0036】
<本発明の実施の態様について> 本発明を実施するに際して、以下の態様を採用することができる。すなわち、請求項1記載のメタルハライドランプにおいて、気密容器の包囲部の内容積が0.1cc以下であり、包囲部の単位内面積当たりの管壁負荷が50W/cm以上であり、ランプ電力が50W以下である。
【0037】
<本発明のその他の構成について> 本発明においては、必須構成要件ではないが、以下に示す構成を選択的に付加することにより、メタルハライドランプの性能が向上したり、機能が増加したりする。
【0038】
1.(外管について) 外管は、その内部に放電容器すなわち発光管を収納する。外管により、放電容器から外部へ放射される紫外線を遮断したり、放電容器を保温したり、機械的に保護したり、さらには配光特性を所要に整えるために所定形状の遮光膜を配設する場合に外管の表面に遮光膜を形成したりすることができる。また、外管の内部は、その目的に応じて外気に対して気密に封止してもよいし、外気と同程度または減圧された空気または不活性ガスが封入されていてもよい。さらに、要すれば、外気に連通していてもよい。
【0039】
2.(口金について) 口金は、メタルハライドランプを点灯装置に接続したり、加えて照明装置本体に機械的に支持したりするのに機能する。
【0040】
3.(イグナイタについて) イグナイタは、高電圧パルス電圧を発生し、これをメタルハライドランプに印加して、その始動を促進する手段であり、一般的には点灯回路と別に構成され、口金の内部に収納するなどにより、メタルハライドランプと一体化することもできる。
【0041】
請求項2の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの高電圧パルスを一対の電極間に印加してメタルハライドランプを始動するとともに引続いて点灯する点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
【0042】
本発明において、「照明装置」とは、メタルハライドランプを光源とする装置の全てを含む広い概念であり、例えば自動車前照灯、液晶プロジェクション装置、照明器具、信号灯、標識灯、光ファイバー照明装置、光化学反応装置などである。なお、「照明装置本体」とは、照明装置から高圧放電ランプおよび点灯装置を除いた残余の全ての部分を意味する。
【0043】
点灯装置は、水銀を本質的に封入しないメタルハライドランプを始動し、かつ、点灯する手段であり、好ましくは点灯回路およびイグナイタを主体として構成される。イグナイタは、高電圧パルスを発生して、メタルハライドランプの一対の電極間に印加する。点灯回路は、電子化されたものが好適であるが、要すればコイルおよび鉄心を主体とするものであってもよい。また、自動車前照灯用の点灯装置の場合、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍、好適には2.2〜3倍とすることにより、光束立ち上がりを自動車前照灯用として必要な範囲内に入るように早くすることができる。なお、Xeを主体とした希ガスの封入圧を8〜18気圧の範囲でX(気圧)とし、高圧放電ランプの点灯直後4秒までの最高入力電力をAA(W)としたとき、AAが下式を満足するように構成することにより、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用前照灯に必要な前照灯前面の代表点での光度8000cdを得ることができる。
【0044】
AA>−2.5X+102.5
上記のようにXe封入圧と最高入力電力とが直線的な関係になるのは、蒸気圧の低い放電媒体のみであるから、始動後4秒後の時点ではキセノンの発光が圧倒的になっているからである。Xeの発光量は、Xeの封入圧とその時の電力とで決まるので、Xe圧が低ければ、入力電力を多くすればよい。反対に、Xe圧が高ければ、入力電力を少なくすればよい。なお、本発明において、メタルハライドランプの点灯は、交流点灯および直流点灯のいずれであってもよい。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0046】
図2ないし図4は、本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示し、図2は正面図、図3は放電容器の要部拡大側面図、図4は始動時の沿面グロー放電および希ガスグロー放電状態の写真である。図2および図3において、ITは放電容器すなわち発光管、2、2は一対の封着金属箔、3A、3Bは一対の電流導入導体、OTは外管、Tは絶縁チューブ、Bは口金である。
【0047】
放電容器ITは、気密容器1および一対の電極1b、1bからなり、内部に放電媒体を封入している。気密容器1は、外形が紡錘形状に成形された包囲部1a、一対の封止部1a1および封止管1a2(図2参照)を備えている。包囲部1aと一対の封止部1a1との間には、一対の縮径部1a3、1a3が形成されている。また、包囲部1aは、図3に示すように、その内部に中間部が細長いほぼ円柱状部分1c1であるとともに、両端部がほぼ円錐状の径小部1c2を連続して有する放電空間1cを有している。左右一対の封止部1a1は、細長くて包囲部1aの管軸方向の両端からそれぞれ管軸方向に延在している。封止管1a2は、図2において左方の封止部1a1と一体に形成されていて、先端が口金B内へ進入している。なお、図3においては封止管1a2の図示を省略している。
【0048】
一対の電極1b、1bは、W線からなり、それぞれの基端が封止部1a1に埋設された後述する封着金属箔2の一端部にレーザ溶接されるとともに、中間部が封止部1a1に埋設されて緩く支持されることによって所定の位置に配設されて、先端が放電空間1c内の径小部分1c2の内部に位置するように放電空間1cの両端から離間対向して突出している。
【0049】
一対の封着金属箔2、2は、モリブデン箔からなり、気密容器1の封止部1a1内に気密に埋設されている。
【0050】
一対の電流導入導体3A、3Bは、Mo線からなり、その先端が気密容器1の両端の封止部1a1内において封着金属箔2の他端部に溶接され、その基端側が封止部1a1の外部へ導出されている。図2において、放電容器ITから右方へ導出された電流導入導体3Bは、その中間部が後述する外管OTに沿って折り返され、さらに後述する口金B内に導入されて、一方の口金端子5に接続している。図2において、放電容器ITからその管軸に沿って左方へ導出された電流導入導体3Aは、管軸に沿って延在して口金B内に導入されて図示されない中央の口金端子に接続している。
【0051】
気密容器1a内には、放電媒体として第1および第2のハロゲン化物ならびにXeを主体とする希ガスからなる放電媒体が封入されている。第1のハロゲン化物は、Scのハロゲン化物およびNaのハロゲン化物からなる。また、第2のハロゲン化物は、Znのハロゲン化物からなる。
【0052】
外管OTは、紫外線カット性能を備えており、内部に放電容器ITを収納していて、先端側の縮径部6が放電容器ITの封止部1a1の図に示す位置にガラス溶着している。また、他方の縮径部(図示しない。)は、封止管1a2にガラス溶着して支持されている。しかし、外管OTの内部は気密ではなく、外気に連通している。
【0053】
絶縁チューブTは、電流導入導体3Bを被覆している。
【0054】
口金Bは、自動車前照灯用として規格化されているもので、放電容器ITおよび外管OTを中心軸に沿って植立して支持していて、自動車前照灯の背面に着脱可能に装着されるように構成されている。また、口金Bは、その前面から管軸方向に突出して外管OTの基端部を包持する支持バンド4を備えている。
【0055】
以上説明した自動車前照灯用のメタルハライドランプを図示しない点灯装置に接続して電源を投入すると、その一対の電極1b、1b間に高電圧パルスが印加され、図4に示すように包囲部1aの内面に沿った沿面グロー放電が生起して絶縁破壊が行われ、続いて希ガスグロー放電に発展し、さらにグロー・アーク転移が行われてメタルハライドランプは点灯する。なお、図中左方の輝点と右から2番目の輝点とが一対の電極の先端部分における放電の起点であり、右側から1番目の輝点は右側の電極根元放電を示している。
【実施例】
図2および図3に示す実施の形態において、以下のとおりである。
【0056】
放電容器IT
気密容器1a:石英ガラス製、内容積0.020cc、包囲部最大内径D=
2.6mm
電極 :軸径0.3mm、電極間距離L=4.2mm
d :0.85mm
d/L :0.20
D :2.6≧2d+0.7=2.4
放電媒体
金属ハロゲン化物:ScI−NaI−ZnI−InBr=0.3mg
希ガス :Xe10気圧
外管OT :外径9mm、内径7mm、内部雰囲気;大気圧(大気)
高電圧パルス :22kV、所定部分の立ち上がり時間200ns
安定時ランプ電力:35W
[比較例]
気密容器1a :包囲部の最大内径2.7mm、内容積0.025cc
電極 :軸径0.25mm、電極間距離L=4.2mm
放電媒体 :Hg−ScI−NaI=0.2mg
d :1.22mm
d/L :0.29
D :2.7<2d+0.7=3.14
その他 :実施例と同一の仕様
【0057】
図5は、放電媒体の薬品量と始動電圧および全光束との関係を示すグラフである。図において、横軸が薬品量mg/ccを、縦軸が左側に始動電圧kV、右側に相対全光束lm%を、それぞれ示す。図から理解できるように、薬品量が5mg未満になると、始動電圧が顕著に増大する。また、薬品量が5mg/cc未満および30mg/cc超のいずれにおいても全光束が相対的に顕著に低下する。したがって、薬品量は、図中縦方向の2直線により示す5〜30mg/ccの範囲が始動電圧および全光束の点で優れている。
【0058】
図6は、d/Lと始動電圧および白濁との関係を示すグラフである。図において、横軸がd/Lを、縦軸が左側に始動電圧kV、右側に相対白濁量を、それぞれ示す。なお、相対白濁量は、点灯2000時間におけるものである。図から理解できるように、d/Lが0.24超になると、始動電圧が増大する。また、d/Lが0.1未満になると、相対白濁量が顕著に増加する。したがって、d/Lは、図中縦方向の2直線により示す0.1〜0.24の範囲が始動電圧および白濁量の点で優れている。
【0059】
図7は、パルス立ち上がり時間と始動電圧およびパルス発生回路のコスト×容積との関係を示すグラフである。図において、横軸がパルス立ち上がり時間nsを、縦軸が左側に始動電圧kV、右側にコスト×容積相対値を、それぞれ示す。なお、パルス立ち上がり時間は、高電圧パルスのものである。図から理解できるように、パルス立ち上がり時間が60ns未満になると、始動電圧が顕著に増大する。また、パルス立ち上がり時間が500ns超になると、コスト×容積が顕著に増大する。なお,コストは,主としてパルス発生回路のインダクタおよびコンデンサにより支配される。したがって、図中縦方向の2直線により示すパルス立ち上がり時間が60〜500nsの範囲が始動電圧およびルス発生回路のコスト×容積の点で優れている。
【0060】
図8は、d/Lと沿面放電率の関係を示すグラフである。図において、横軸がd/Lを、縦軸が沿面放電率%を、それぞれ示す。なお、「沿面放電率」とは、沿面グロー放電が生起して始動する確率を意味する。図から理解できるように、d/Lが0.24超になると、沿面放電率顕著に減少する。したがって、図中縦方向の2直線により示すd/Lが0.1〜0.24の範囲において、沿面グロー放電が生起して始動する確が高い。
【0061】
図9および図10は、本発明の照明装置における一実施の形態としての自動車前照灯装置を示し、図9は背面方向から見た斜視図、図10は点灯装置の回路図である。図9において、自動車用前照灯装置HLは、自動車用前照灯装置本体21、メタルハライドランプHPDLおよび2つの点灯回路OCにより構成されている。
【0062】
自動車用前照灯装置本体21は、前面透過パネル21a、リフレクタ21b、21c、ランプソケット21dおよび取付部21eなどから構成されている。前面レンズ21aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ21b、21cは、各メタルハライドランプHPDLごとに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット21dは、点灯回路OCの出力端に接続し、メタルハライドランプHPDLの口金21dに装着される。取付部21eは、自動車用前照灯装置本体21を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
【0063】
メタルハライドランプHPDLは、図2および図3に示す構造を備えている。ランプソケット21dは、口金に装着されて接続する。そうして、2灯のメタルハライドランプKPDLが自動車用前照灯装置本体21に装着されて、4灯式の自動車用前照灯装置が構成される。各メタルハライドランプHPDLの発光部は、自動車用前照灯装置本体21のリフレクタ21b、21cの焦点にほぼ位置する。
【0064】
2つの点灯回路OLは、それぞれ後述する回路構成を備えていて、金属製容器22内に収納されているとともに、メタルハライドランプHPDLを付勢して点灯させる。
【0065】
点灯回路OLは、図10に示すように、直流電源11、チョッパ12、制御手段13、ランプ電流検出手段14、ランプ電圧検出手段15、イグナイタ16、メタルハライドランプHPDL、フルブリッジインバータ17により構成されていて、メタルハライドランプHPDLを交流点灯する。
【0066】
直流電源11は、後述するチョッパ12に対して直流電源を供給する手段であって、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ11aを並列接続して平滑化を行う。
【0067】
チョッパ12は、直流電圧を所要値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路であって、後述するフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLを所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0068】
制御手段13は、チョッパ12を制御する。たとえば、点灯直後にはメタルハライドランプHPDLに定格ランプ電流の2.2〜3倍のランプ電流をチョッパ22からフルブリッジインバータ17を経由して流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段13は、ランプ電流とランプ電圧と相当するそれぞれの検出信号が後述するように帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段13は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプHPDLに流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ12を制御するように構成されている。
【0069】
ランプ電流検出手段14は、フルブリッジインバータ17を介してランプと直列に挿入されていて、ランプ電流に相当する電流を検出して制御手段13に制御入力する。
【0070】
ランプ電圧検出手段15は、同様にフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLと並列的に接続されていて、ランプ電圧に相当する電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
【0071】
イグナイタ16は、フルブリッジインバータ17とメタルハライドランプHPDLとの間に介在していて、始動時に約22kV程度の始動パルス電圧をメタルハライドランプHPDLに供給できるように構成されている。
【0072】
フルブリッジインバータ17は、4つのMOSFETQ1、Q2、Q3およびQ4からなるブリッジ回路、ブリッジ回路17aのMOSFETQ1およびQ3と、Q2およびQ4とを交互にスイッチングさせるゲートドライブ回路28bおよび極性反転回路INVから構成されていて、チョッパ12からの直流電圧を上記スイッチングにより矩形波の低周波交流電圧に変換して、メタルハライドランプHPDLに印加して、メタルハライドランプHPDLを低周波交流点灯させる。
【0073】
そうして、点灯回路OCを用いてメタルハライドランプHPDLを矩形波の低周波交流で点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
【0074】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、最大内径がDmmの包囲部を備えた気密容器、電極間距離Lmmで封装された一対の電極、ならびに包囲部の内容積に対して5〜30mg/ccの薬品およびXeを主体として含み封入圧が25℃で8気圧以上の希ガスからなり気密容器内に封入された本質的に水銀を含まない放電媒体を具備し、一対の電極の少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式1および2を満足するとともに、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの高電圧パルスを一対の電極間に印加したときに始動することにより、包囲部の内面に沿った沿面グロー放電が生起しやすくなって始動電圧が低減したメタルハライドランプを提供することができる。
【0075】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のメタルハライドランプにおいて一対の電極間に印加する高電圧パルスの立ち上がり時間を説明する波形図
【図2】 本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図
【図3】 同じく放電容器の要部拡大側面図
【図4】 同じく始動時の沿面グロー放電および希ガスグロー放電状態の写真
【図5】 放電媒体の薬品量と始動電圧および全光束との関係を示すグラフ
【図6】 d/Lと始動電圧および白との関係を示すグラフ
【図7】 パルス立ち上がり時間とる始動電圧およびパルス発生回路のコスト×容積との関係を示すグラフ
【図8】 d/Lに対する沿面放電率の関係を示すグラフ
【図9】 本発明の照明装置における一実施の形態としての自動車前照灯装置を示す背面方向から見た斜視図
【図10】 同じく点灯装置の回路図
【符号の説明】
1…気密容器、1a…包囲部、1a1…封止部、1a2…封止管部、1a32…縮径部、1c…放電空間、1c1…円柱状部分、1c2…径小部、2…封着金属箔、1b…電極、3A…電流導入導体、3B…電流導入導体

Claims (2)

  1. 放電空間を包囲する最大内径がDmmの包囲部を備えた耐火性で透光性の気密容器、気密容器の内部に電極間距離Lmmで離間対向して封装された一対の電極、ならびに包囲部の内容積に対して5〜30mg/ccの薬品およびXeを主体として含み封入圧が25℃で8気圧以上の希ガスからなり気密容器内に封入された本質的に水銀を含まない放電媒体を具備し;
    一対の電極の少なくとも一方において電極先端から包囲部の内面までの最短距離をdmmとしたとき数式1および2を満足するとともに、瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの高電圧パルスを一対の電極間に印加したときに始動することを特徴とするメタルハライドランプ。
    【数1】
    0.11<d/L<0.24
    【数2】
    D≧2d+0.7
  2. 照明装置本体と;
    照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;
    瞬時値が波高値の10〜90%の部分における電圧波形の立ち上がり時間が60〜500nsの高電圧パルスを一対の電極間に印加してメタルハライドランプを始動するとともに引続いて点灯する点灯装置と;
    を具備していることを特徴とする照明装置。
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