JP2005032448A - メタルハライドランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】水銀を封入しないで、アークの太さを改善するとともに安定時に良好な白色発光が得られるメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】メタルハライドランプは、内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器1と、気密容器1の内部に5mm以下の電極間距離で対向して封装された一対の電極1bと、Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体とを具備し、安定時にランプ電力が60W以下で点灯する。
【選択図】図1
【解決手段】メタルハライドランプは、内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器1と、気密容器1の内部に5mm以下の電極間距離で対向して封装された一対の電極1bと、Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体とを具備し、安定時にランプ電力が60W以下で点灯する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境負荷の大きい水銀を封入しないで、代わりにInI3などを封入したScI3−NaI−InI3封入ランプが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このメタルハライドランプは、水銀に代わってInI3を封入したことにより、良好な始動特性を有し、水銀入りのメタルハライドランプと同等の電気特性および発光特性が得られている。
【0003】
また、特許文献1では、Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物に融点が400℃以下の低融点金属ハロゲン化物を封入することを特徴としている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−6610号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、水銀を封入しないメタルハライドランプにおいては、水銀による放射光を水銀原子が自己吸収することによりアークを太くする効果を得られない。このため、どうしてもアークが細くなる。アークの太さは、光学系の設計に影響するため、自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいては、アークの太さが規格(例えば、日本電球工業会規格「自動車前照灯HID光源 JEL215」)により規定されている。したがって、アークが細くなると、規格を逸脱するという問題がある。
【0005】
本発明は、水銀を封入しないで、アークの太さを改善するとともに安定時に良好な白色発光が得られるメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明のメタルハライドランプは、内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器と;気密容器の内部に5mm以下の電極間距離で対向して封装された一対の電極と;Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体と;を具備し、安定時にランプ電力が60W以下で点灯することを特徴としている。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0008】
<気密容器について> 気密容器は、耐火性で透光性である。「耐火性」とは、放電ランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどの多結晶セラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。しかし、自動車前照灯用の場合、高い集光効率が要求されるために、直線透過率が高い石英ガラスが好適である。なお、必要に応じて、石英ガラス製の気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0009】
また、気密容器は、その内部に内容積0.1cc以下の放電空間が形成されている。放電空間は、好ましくは内径1.5〜3.5mmのほぼ円柱状をなすとともに、軸方向に5〜9mmの長さを有する細長い形状をなしている。これにより、アークが水平点灯においては上方へ湾曲しようとするために、気密容器の上側の内面に接近するので、気密容器の上部の温度上昇が早くなる。
【0010】
さらに、放電空間を包囲する部分の肉厚を比較的大きくすることができる。すなわち、電極間距離のほぼ中央部の肉厚をその両側の肉厚より大きくすることができる。これにより、気密容器の伝熱が良好になって気密容器の放電空間の下部およぶ側部内面に付着している放電媒体の温度上昇が早まるために、光束立ち上がりが早くなる。
【0011】
さらにまた、後述する電極を気密容器の内部に封装するために、気密容器の内部に形成される放電空間の軸方向の両端に棒状をなした一対の封止部を一体に形成して備えることができる。そして、この一対の封止部内に好適には減圧封止法により、または減圧封止法およびピンチシール法の併用により埋設される封着金属箔を介して電極と外部導入線とを接続することで、電極に電流を供給することができるとともに、包囲部をチップレスにして配光特性が排気チップ部により乱れるのを回避できる。
【0012】
<一対の電極について> 一対の電極は、電極間距離が5mm以下になるように対向して気密容器の内部に封装されている。また、電極は、その直径が長手方向に沿ってほぼ同一の直棒状をなした軸部を備えている。そして、軸部の直径は、好ましくは0.3mm以上、また自動車前照灯用として好ましくは0.45以下であり、軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、先端が平坦な端面を形成するか、アークの起点となる先端が曲面を形成している。あるいは、軸部の先端に軸部より径大の部分を形成することができる。なお、電極の軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、アークの起点となる先端に曲面を形成する場合、当該曲面は、ほぼ球形の一部を構成するような曲面であり、その半径が軸部の直径の1/2以下にすることにより、アークの起点の不所望な移動を抑制して、明るさのちらつきが生じるのを低減できる。なお、「電極のアークの起点となる先端」とは、電極の先端側において、アークの起点となる部位を意味し、必ずしも電極の幾何学的な先端の全体を示すものではない。すなわち、電極の先端側であって、アークの起点になる部位が電極の軸部の直径に対して1/2以下の半径を有する曲面を形成していればよい。しかし、電極のアークの起点となる先端の曲面は、好適にはその半径が軸部の直径の1/2の40%以上である。
【0013】
また、電極の気密容器内への突出長は、軸径とともに電極温度に影響するが、この種の小形のメタルハライドランプにおける通例にしたがえばよく、したがってたとえば1.4±0.1mm程度に設定することができる。さらに、電極は、交流および直流のいずれで作動するように構成してもよい。交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より軸径を大きくして放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。
【0014】
さらに、電極は、タングステン、ドープドタングステン、レニウムまたはレニウム−タングステン合金などにより構成することができる。また、電極を気密容器に封装する構造として、気密容器の一対の封止部に電極の基端部を埋設させて支持することができる。なお、電極の基端は、封止部に気密に埋設されたモリブデンなどからなる封着金属箔に溶接などの手段によって接続される。
【0015】
<放電媒体について> 放電媒体は、金属ハロゲン化物および希ガスを含み、水銀を本質的に含まない。金属ハロゲン化物は、第1および第2のハロゲン化物を含んでいる。
【0016】
第1のハロゲン化物は、ScおよびNaのハロゲン化物からなる。これらの金属は、白色発光を効率よく発光する主たる発光金属である。しかし、上記金属ハロゲン化物は、発光金属として第1のハロゲン化物以外にも補助的に例えばDyなどの希土類金属などを所望により選択して付加することができる。
【0017】
第2のハロゲン化物は、InおよびZnのハロゲン化物からなる。これらの金属は、主として水銀に代わるランプ電圧形成媒体である。しかし、これらの金属は、同時に青色系の発光を行うので、第1の金属ハロゲン化物を構成する主発光物質の白色発光の色度を補正する作用がある。なお、Inのハロゲン化物として具体的には、InI、InI3およびInBrが考えられる。そして、これらのいずれを用いてもよい。
【0018】
また、第2の金属ハロゲン化物に加えて、下記のグループから選択される金属のハロゲン化物をランプ電圧形成媒体として補助的に添加することができる。すなわち、Mg、Co、Cr、Mn、Sb、Re、Ga、Sn、Fe、Al、Ti、ZrおよびHfのグループから選択された一種または複数種の金属のハロゲン化物を添加することにより、ランプ電圧を調整することができる。上記のグループの金属は、蒸気圧が高くて可視域に発光しないか、または発光が比較的少ない金属すなわち光束を稼ぐ発光金属としては期待されないが、主としてランプ電圧を形成するのに好適な金属である。
そうして、第2のハロゲン化物または/および補助的なランプ電圧形成媒体としての金属ハロゲン化物を用いることにより、本発明におけるような小形のメタルハライドランプにおいて、水銀を用いることなしに25〜70V程度のランプ電圧を得ることができる。このため、比較的少ないランプ電流で所要のランプ電力を投入することが可能になる。
【0019】
次に、第1および第2の金属ハロゲン化物の封入割合すなわちハロゲン化物封入割合について説明する。本発明においては、いずれも質量で表した値で、第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、b/aをハロゲン化物封入割合として、これが0.01〜0.69の範囲内になるように封入される。これにより、本発明の目的を達成することができる。これに対して、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01未満であるか、または0.69を超えると、白色光の色度が所望値範囲から逸脱するので、不可である。また、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01未満であると、上記に加えてアークの幅が狭くなりすぎるので、これまた不可である。
【0020】
さらに、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、反応性については、ヨウ素が最も適当であり、少なくとも上記主発光金属は、主としてヨウ化物として封入される。しかし、要すれば、ヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することができる。
【0021】
希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用し、Ar、KrおよびXeなどの一種または複数種を用いることができる。また、自動車前照灯用のメタルハライドランプとしては、Xeを5気圧以上、好ましくは8〜16気圧の範囲で封入することにより、点灯直後の発光金属の蒸気圧が低いときに、立ち上がり時の光束としてXeの白色発光を寄与させることができる。
【0022】
さらに、水銀について言及しておく。本発明において、「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプのランプ電圧を所要に高くする場合、短アーク形においては気密容器の内容積1cm3当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、水銀量が実質的に頗る少ないといえる。
【0023】
<ランプ電力について> ランプ電力は、メタルハライドランプに投入される電力であるが、本発明においては、安定点灯時に60W以下である。これは小形のメタルハライドランプであることを意味する。
【0024】
<本発明の作用について> 本発明においては、上記の構成を具備していることにより、水銀を封入していなくても主としてZnおよびInのハロゲン化物がランプ電圧を高くして比較的小さなランプ電流で所要のランプ電力を投入可能にしている。
【0025】
また、第1および第2のハロゲン化物の封入割合であるハロゲン化物封入割合b/aを所定比範囲に規定したことによって、アークが太くなるとともに、第2のハロゲン化物がZnのハロゲン化物およびInのハロゲン化物を含んでいることにより、ScおよびNaによる白色光が適切に補正されるので、安定時に得られる白色発光が良好な色度を呈する。すなわち、アークの太さおよび白色光の色度は、自動車前照灯用のHIDランプの規格を満足させることができる。なお、アークの太さの測定は、以下に示す国際規格によるものとする。
E/ECE/324, E/ECE/TRANS/505}Rev.1/Add.98,
Regulation No.98, Page 20, annex 1
<本発明のその他の構成について> 本発明においては、必須構成要件ではないが、以下に示す構成を選択的に付加することにより、メタルハライドランプの性能が向上したり、機能が増加したりする。
【0026】
1.(外管について) 外管は、その内部に気密容器を収納する。外管により、気密容器から外部へ放射される紫外線を遮断したり、気密容器を保温したり、機械的に保護したり、さらには配光特性を所要に整えるために所定形状の遮光膜を配設する場合に外管の表面に遮光膜を形成したりすることができる。また、外管の内部は、その目的に応じて外気に対して気密に封止してもよいし、外気と同程度または減圧された空気または不活性ガスが封入されていてもよい。さらに、要すれば、外気に連通していてもよい。
【0027】
2.(口金について) 口金は、メタルハライドランプを点灯回路に接続したり、加えて灯器に機械的に支持したりするのに機能する。
【0028】
3.(イグナイタについて) イグナイタは、高電圧パルス電圧を発生し、これをメタルハライドランプに印加して、その始動を促進する手段であり、口金の内部に収納するなどにより、メタルハライドランプと一体化することもできる。
【0029】
4.(始動補助導体について) 始動補助導体は、電極近傍における電界強度を高くして、メタルハライドランプの始動を支援する手段であり、所要によりその一端を他方の電極と同電位個所に接続し、他端を一方の電極近傍における放電容器の外面に配設する。
【0030】
請求項2の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;メタルハライドランプを点灯する点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
【0031】
本発明において、「照明装置」とは、メタルハライドランプを光源とする装置の全てを含む広い概念であり、例えば自動車前照灯、照明器具、信号灯、標識灯、光ファイバー照明装置、光化学反応装置などである。なお、「照明装置本体」とは、照明装置からメタルハライドランプおよび点灯回路を除いた残余の全ての部分を意味する。
【0032】
点灯回路は、メタルハライドランプを点灯する手段であり、電子化されたものが好適であるが、要すればコイルおよび鉄心を主体とするものであってもよい。また、自動車前照灯用の点灯回路の場合、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍、好適には2.5〜4倍とすることにより、光束立ち上がりを自動車前照灯用として必要な範囲内に入るように早くすることができる。なお、希ガスとしてのXeの封入圧を5〜15気圧の範囲でX(気圧)とし、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力をAA(W)としたとき、AAが下式を満足するように構成することにより、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用前照灯に必要な前照灯前面の代表点での光度8000cdを得ることができる。
【0033】
AA>−2.5X+102.5
上記のようにXe封入圧と最高入力電力とが直線的な関係になるのは、蒸気圧の低い放電媒体のみであるから、始動後4秒後の時点ではキセノンの発光が圧倒的になっているからである。Xeの発光量は、Xeの封入圧とその時の電力とで決まるので、Xe圧が低ければ、入力電力を多くすればよい。反対に、Xe圧が高ければ、入力電力を少なくすればよい。なお、本発明において、メタルハライドランプの点灯は、交流点灯および直流点灯のいずれであってもよい。
また、点灯回路は、所要により無負荷出力電圧を200V以下に構成することができる。水銀を封入しないメタルハライドランプは、一般に水銀入りのメタルハライドランプに比較して、ランプ電圧が低いので、点灯回路の無負荷出力電圧を200V以下にすることができる。これにより、点灯回路の小形化が可能になる。なお、水銀入りのメタルハライドランプおいては、400V程度の無負荷出力電圧を必要としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0035】
図1は、本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図である。図において、ITは放電容器すなわち発光管、2、2は一対の封着金属箔、3A、3Bは一対の電流導入導体、OTは外管、Tは絶縁チューブ、Bは口金である。
【0036】
放電容器ITは、気密容器1および一対の電極1b、1bからなる。気密容器1は、中空の紡錘形状に成形された包囲部1a、一対の封止部1a1および封止管1a2を備えている。包囲部1aは、その内部に細長いほぼ円柱状の放電空間1cを有している。左右一対の封止部1a1は、細長くて包囲部1aの管軸方向の両端からそれぞれ管軸方向に延在している。封止管1a2は、図1において左方の封止部1a1と一体に形成されていて、口金B内へ進入している。
【0037】
一対の電極1b、1bは、それぞれの基端が封止部1a1に埋設された後述する封着金属箔2の一端部にレーザ溶接されるとともに、中間部が封止部1a1に埋設されて緩く支持されることによって所定の位置に配設されて、先端が放電空間1c内へ両端から離間対向して突出している。
【0038】
一対の封着金属箔2、2は、モリブデン箔からなり、気密容器1の封止部1a1内に気密に埋設されている。
【0039】
一対の電流導入導体3A、3Bは、その先端が気密容器1の両端の封止部1a1内において封着金属箔2の他端部に溶接され、その基端側が封止部1a1の外部へ導出されている。図において、放電容器ITから右方へ導出された電流導入導体3Bは、その中間部が後述する外管OTに沿って折り返され、さらに後述する口金B内に導入されて、一方の口金端子5に接続している。図1において、放電容器ITからその管軸に沿って左方へ導出された電流導入導体3Aは、管軸に沿って延在して口金B内に導入されて図示されない他方の口金端子に接続している。
【0040】
気密容器1a内には、放電媒体として第1および第2のハロゲン化物ならびに希ガスからなる放電媒体が封入されている。第1のハロゲン化物は、Scのハロゲン化物およびNaのハロゲン化物からなり、その質量で表した封入量をaとする。また、第2のハロゲン化物は、Inのハロゲン化物およびZnのハロゲン化物からなり、その質量で表した封入量をbとする。そして、ハロゲン化物封入割合b/aが下式を満足するように設定している。
0.01≦b/a≦0.69
外管OTは、紫外線カット性能を備えており、内部に放電容器ITを収納していて、先端側の縮径部6が放電容器ITの封止部1a1の図に示す位置にガラス溶着している。また、他方の縮径部(図示しない。)は、封止管1a2にガラス溶着して支持されている。しかし、外管OTの内部は気密ではなく、外気に連通している。
【0041】
絶縁チューブTは、電流導入導体3Bを被覆している。
【0042】
口金Bは、自動車前照灯用として規格化されているもので、放電容器ITおよび外管OTを中心軸に沿って植立して支持していて、自動車前照灯の背面に着脱可能に装着されるように構成されている。また、口金Bは、その前面から管軸方向に突出して外管OTの基端部を包持する支持バンド4を備えている。
【実施例1】
図1に示す一実施の形態において、以下のとおりである。
【0043】
放電容器IT
気密容器1a:石英ガラス製、内容積0.025cc、包囲部最大内径2.4mm、放電空間最大球体長7.0mm、最大外径6.0mm
電極間距離 :4.2mm
放電媒体
金属ハロゲン化物:ScI3−NaI−ZnI2−InI3=0.4mg、a/b=0.37
キセノンXe:15気圧
外管OT :外径9mm、内径7mm、内部雰囲気;大気圧(大気)
点灯直後投入電力:85W
点灯直後投入電流:2.8A
安定時ランプ電圧:42V
安定時ランプ電流:0.8A
安定時ランプ電力:35W
色度点 :x=0.3420、y=0.3710
アーク太さの相対値:1.04
次に、図2および図3を参照してハロゲン化物封入割合と得られる白色光の色度の関係、ならびにハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係についての実験結果を説明する。
【0044】
図2は、自動車前照灯用HIDランプの規格における白色光の色度範囲とハロゲン化物封入割合を変化させた場合における色度の変化との関係を示すグラフである。図において、菱形の四角形の枠Aは日本電球工業会規格「自動車前照灯HID光源 JEL215」における白色光の色度範囲を示し、左下から右上方向へ延びる直線Bはハロゲン化物封入割合b/aを変化させた場合における色度の変化を示している。また、直線B上の上部側の点はハロゲン化物封入割合b/aが0.006の場合の色度を、下部側の点はハロゲン化物封入割合b/aが0.8の場合の色度を、それぞれ示し、ハロゲン化物封入割合b/aが上記の範囲内で変化すると、直線Bに沿って変化する。
【0045】
図から理解できるように、ハロゲン化物封入割合が0.01〜0.69の範囲内であれば、得られる白色光が枠Aの範囲内に入る。
【0046】
図3は、ハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係を示すグラフである。図において、横軸はハロゲン化物封入割合b/aを、縦軸はアーク太さの相対値を、それぞれ示す。なお、第2のハロゲン化物は、InI3とZnI2を2:1の割合としている。
【0047】
図から理解できるように、第1のハロゲン化物のScハロゲン化物およびNaハロゲン化物の封入量に対するInハロゲン化物およびZnハロゲン化物の封入量の割合(ハロゲン化物封入割合)が増加するにしたがってアークの太さが相対的に大きくなっていき、ハロゲン化物封入割合が0.01〜0.69の範囲内であれば、実用的なアーク太さが得られる。
【0048】
図4および図5は、本発明の照明装置の一実施形態としての自動車前照灯装置を示し、図4は背面方向から見た斜視図、図5は点灯回路の回路図である。図4において、自動車用前照灯装置HLは、自動車用前照灯装置本体21、メタルハライドランプHPDLおよび2つの点灯回路OCにより構成されている。
【0049】
自動車用前照灯装置本体21は、前面透過パネル21a、リフレクタ21b、21c、ランプソケット21dおよび取付部21eなどから構成されている。前面レンズ21aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ21b、21cは、各メタルハライドランプHPDLごとに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット21dは、点灯回路OCの出力端に接続し、メタルハライドランプHPDLの口金21dに装着される。取付部21eは、自動車用前照灯装置本体21を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
【0050】
メタルハライドランプHPDLは、図1に示す構造を備えている。ランプソケット21dは、口金に装着されて接続する。そうして、2灯のメタルハライドランプKPDLが自動車用前照灯装置本体21に装着されて、4灯式の自動車用前照灯装置が構成される。各メタルハライドランプHPDLの発光部は、自動車用前照灯装置本体21のリフレクタ21b、21cの焦点にほぼ位置する。
【0051】
2つの点灯回路OLは、それぞれ後述する回路構成を備えていて、金属製容器22内に収納されているとともに、メタルハライドランプHPDLを付勢して点灯させる。
【0052】
点灯回路OLは、図11に示すように、直流電源11、チョッパ12、制御手段13、ランプ電流検出手段14、ランプ電圧検出手段15、イグナイタ16、メタルハライドランプHPDL、フルブリッジインバータ17により構成されていて、メタルハライドランプHPDLを交流点灯する。
【0053】
直流電源11は、後述するチョッパ12に対して直流電源を供給する手段であって、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ11aを並列接続して平滑化を行う。
【0054】
チョッパ12は、直流電圧を所要値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路であって、後述するフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLを所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0055】
制御手段13は、チョッパ12を制御する。たとえば、点灯直後にはメタルハライドランプHPDLに定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をチョッパ22からフルブリッジインバータ17を経由して流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段13は、ランプ電流とランプ電圧と相当するそれぞれの検出信号が後述するように帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段13は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプHPDLに流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ12を制御するように構成されている。
【0056】
ランプ電流検出手段14は、フルブリッジインバータ17を介してランプと直列に挿入されていて、ランプ電流に相当する電流を検出して制御手段13に制御入力する。
【0057】
ランプ電圧検出手段15は、同様にフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLと並列的に接続されていて、ランプ電圧に相当する電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
【0058】
イグナイタ16は、フルブリッジインバータ17とメタルハライドランプHPDLとの間に介在していて、始動時に約20kV程度の始動パルス電圧をメタルハライドランプHPDLに供給できるように構成されている。
【0059】
フルブリッジインバータ17は、4つのMOSFETQ1、Q2、Q3およびQ4からなるブリッジ回路、ブリッジ回路17aのMOSFETQ1およびQ3と、Q2およびQ4とを交互にスイッチングさせるゲートドライブ回路28bおよび極性反転回路INVから構成されていて、チョッパ12からの直流電圧を上記スイッチングにより矩形波の低周波交流電圧に変換して、メタルハライドランプHPDLに印加して、メタルハライドランプHPDLを低周波交流点灯させる。
【0060】
そうして、点灯回路OCを用いてメタルハライドランプHPDLを矩形波の低周波交流で点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、放電媒体がScハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まないことにより、アークの太さを改善するとともに安定時に良好な白色発光が得られるメタルハライドランプを提供することができる。
【0062】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図
【図2】自動車前照灯用HIDランプの規格における白色光の色度範囲とハロゲン化物封入割合を変化させた場合における色度の変化との関係を示すグラフ
【図3】ハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係を示すグラフ
【図4】本発明の照明装置の一実施形態としての自動車前照灯装置を示す背面方向から見た斜視図
【図5】同じく点灯回路の回路図
【符号の説明】
1…気密容器、1a…包囲部、1a1…封止部、1a2…封止管部、1c…放電空間、2…封着金属箔、1b…電極、3A…電流導入導体、3B…電流導入導体、B…口金、IT…放電容器、OT…外管、T…絶縁チューブ
【発明の属する技術分野】
本発明は水銀を封入しないメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
環境負荷の大きい水銀を封入しないで、代わりにInI3などを封入したScI3−NaI−InI3封入ランプが知られている(例えば、特許文献1参照。)。このメタルハライドランプは、水銀に代わってInI3を封入したことにより、良好な始動特性を有し、水銀入りのメタルハライドランプと同等の電気特性および発光特性が得られている。
【0003】
また、特許文献1では、Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物に融点が400℃以下の低融点金属ハロゲン化物を封入することを特徴としている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−6610号公報
【発明が解決しようとする課題】
ところが、水銀を封入しないメタルハライドランプにおいては、水銀による放射光を水銀原子が自己吸収することによりアークを太くする効果を得られない。このため、どうしてもアークが細くなる。アークの太さは、光学系の設計に影響するため、自動車前照灯用のメタルハライドランプにおいては、アークの太さが規格(例えば、日本電球工業会規格「自動車前照灯HID光源 JEL215」)により規定されている。したがって、アークが細くなると、規格を逸脱するという問題がある。
【0005】
本発明は、水銀を封入しないで、アークの太さを改善するとともに安定時に良好な白色発光が得られるメタルハライドランプおよびこれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を達成するための手段】
請求項1の発明のメタルハライドランプは、内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器と;気密容器の内部に5mm以下の電極間距離で対向して封装された一対の電極と;Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体と;を具備し、安定時にランプ電力が60W以下で点灯することを特徴としている。
【0007】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味は次による。
【0008】
<気密容器について> 気密容器は、耐火性で透光性である。「耐火性」とは、放電ランプの通常の作動温度に十分耐える意味である。したがって、気密容器は、耐火性を備える材料であり、かつ、放電によって発生した所望波長域の可視光を外部に導出することができれば、どのようなもので作られていてもよい。例えば、石英ガラスや透光性アルミナ、YAGなどの多結晶セラミックスまたはこれらの単結晶などを用いて形成することができる。しかし、自動車前照灯用の場合、高い集光効率が要求されるために、直線透過率が高い石英ガラスが好適である。なお、必要に応じて、石英ガラス製の気密容器の内面に耐ハロゲン性または耐ハロゲン化物性の透明性被膜を形成するか、気密容器の内面を改質することが許容される。
【0009】
また、気密容器は、その内部に内容積0.1cc以下の放電空間が形成されている。放電空間は、好ましくは内径1.5〜3.5mmのほぼ円柱状をなすとともに、軸方向に5〜9mmの長さを有する細長い形状をなしている。これにより、アークが水平点灯においては上方へ湾曲しようとするために、気密容器の上側の内面に接近するので、気密容器の上部の温度上昇が早くなる。
【0010】
さらに、放電空間を包囲する部分の肉厚を比較的大きくすることができる。すなわち、電極間距離のほぼ中央部の肉厚をその両側の肉厚より大きくすることができる。これにより、気密容器の伝熱が良好になって気密容器の放電空間の下部およぶ側部内面に付着している放電媒体の温度上昇が早まるために、光束立ち上がりが早くなる。
【0011】
さらにまた、後述する電極を気密容器の内部に封装するために、気密容器の内部に形成される放電空間の軸方向の両端に棒状をなした一対の封止部を一体に形成して備えることができる。そして、この一対の封止部内に好適には減圧封止法により、または減圧封止法およびピンチシール法の併用により埋設される封着金属箔を介して電極と外部導入線とを接続することで、電極に電流を供給することができるとともに、包囲部をチップレスにして配光特性が排気チップ部により乱れるのを回避できる。
【0012】
<一対の電極について> 一対の電極は、電極間距離が5mm以下になるように対向して気密容器の内部に封装されている。また、電極は、その直径が長手方向に沿ってほぼ同一の直棒状をなした軸部を備えている。そして、軸部の直径は、好ましくは0.3mm以上、また自動車前照灯用として好ましくは0.45以下であり、軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、先端が平坦な端面を形成するか、アークの起点となる先端が曲面を形成している。あるいは、軸部の先端に軸部より径大の部分を形成することができる。なお、電極の軸部から直径が大きくなることなしに先端に至り、かつ、アークの起点となる先端に曲面を形成する場合、当該曲面は、ほぼ球形の一部を構成するような曲面であり、その半径が軸部の直径の1/2以下にすることにより、アークの起点の不所望な移動を抑制して、明るさのちらつきが生じるのを低減できる。なお、「電極のアークの起点となる先端」とは、電極の先端側において、アークの起点となる部位を意味し、必ずしも電極の幾何学的な先端の全体を示すものではない。すなわち、電極の先端側であって、アークの起点になる部位が電極の軸部の直径に対して1/2以下の半径を有する曲面を形成していればよい。しかし、電極のアークの起点となる先端の曲面は、好適にはその半径が軸部の直径の1/2の40%以上である。
【0013】
また、電極の気密容器内への突出長は、軸径とともに電極温度に影響するが、この種の小形のメタルハライドランプにおける通例にしたがえばよく、したがってたとえば1.4±0.1mm程度に設定することができる。さらに、電極は、交流および直流のいずれで作動するように構成してもよい。交流で作動する場合、一対の電極は同一構造とする。直流で作動する場合、一般に陽極は温度上昇が激しいから、陰極より軸径を大きくして放熱面積を大きくすることができるとともに、頻繁な点滅に対応することができる。
【0014】
さらに、電極は、タングステン、ドープドタングステン、レニウムまたはレニウム−タングステン合金などにより構成することができる。また、電極を気密容器に封装する構造として、気密容器の一対の封止部に電極の基端部を埋設させて支持することができる。なお、電極の基端は、封止部に気密に埋設されたモリブデンなどからなる封着金属箔に溶接などの手段によって接続される。
【0015】
<放電媒体について> 放電媒体は、金属ハロゲン化物および希ガスを含み、水銀を本質的に含まない。金属ハロゲン化物は、第1および第2のハロゲン化物を含んでいる。
【0016】
第1のハロゲン化物は、ScおよびNaのハロゲン化物からなる。これらの金属は、白色発光を効率よく発光する主たる発光金属である。しかし、上記金属ハロゲン化物は、発光金属として第1のハロゲン化物以外にも補助的に例えばDyなどの希土類金属などを所望により選択して付加することができる。
【0017】
第2のハロゲン化物は、InおよびZnのハロゲン化物からなる。これらの金属は、主として水銀に代わるランプ電圧形成媒体である。しかし、これらの金属は、同時に青色系の発光を行うので、第1の金属ハロゲン化物を構成する主発光物質の白色発光の色度を補正する作用がある。なお、Inのハロゲン化物として具体的には、InI、InI3およびInBrが考えられる。そして、これらのいずれを用いてもよい。
【0018】
また、第2の金属ハロゲン化物に加えて、下記のグループから選択される金属のハロゲン化物をランプ電圧形成媒体として補助的に添加することができる。すなわち、Mg、Co、Cr、Mn、Sb、Re、Ga、Sn、Fe、Al、Ti、ZrおよびHfのグループから選択された一種または複数種の金属のハロゲン化物を添加することにより、ランプ電圧を調整することができる。上記のグループの金属は、蒸気圧が高くて可視域に発光しないか、または発光が比較的少ない金属すなわち光束を稼ぐ発光金属としては期待されないが、主としてランプ電圧を形成するのに好適な金属である。
そうして、第2のハロゲン化物または/および補助的なランプ電圧形成媒体としての金属ハロゲン化物を用いることにより、本発明におけるような小形のメタルハライドランプにおいて、水銀を用いることなしに25〜70V程度のランプ電圧を得ることができる。このため、比較的少ないランプ電流で所要のランプ電力を投入することが可能になる。
【0019】
次に、第1および第2の金属ハロゲン化物の封入割合すなわちハロゲン化物封入割合について説明する。本発明においては、いずれも質量で表した値で、第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、b/aをハロゲン化物封入割合として、これが0.01〜0.69の範囲内になるように封入される。これにより、本発明の目的を達成することができる。これに対して、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01未満であるか、または0.69を超えると、白色光の色度が所望値範囲から逸脱するので、不可である。また、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01未満であると、上記に加えてアークの幅が狭くなりすぎるので、これまた不可である。
【0020】
さらに、ハロゲン化物を構成するハロゲンについて説明する。すなわち、反応性については、ヨウ素が最も適当であり、少なくとも上記主発光金属は、主としてヨウ化物として封入される。しかし、要すれば、ヨウ化物および臭化物のように異なるハロゲンの化合物を併用することができる。
【0021】
希ガスは、始動ガスおよび緩衝ガスとして作用し、Ar、KrおよびXeなどの一種または複数種を用いることができる。また、自動車前照灯用のメタルハライドランプとしては、Xeを5気圧以上、好ましくは8〜16気圧の範囲で封入することにより、点灯直後の発光金属の蒸気圧が低いときに、立ち上がり時の光束としてXeの白色発光を寄与させることができる。
【0022】
さらに、水銀について言及しておく。本発明において、「本質的に水銀を含まない」とは、水銀を全く封入していないだけでなく、気密容器の内容積1cc当たり2mg未満、好ましくは1mg以下の水銀が存在していることを許容するという意味である。しかし、水銀を全く封入しないことは環境上望ましいことである。従来のように水銀蒸気によって放電ランプのランプ電圧を所要に高くする場合、短アーク形においては気密容器の内容積1cm3当たり20〜40mg、さらに場合によっては50mg以上封入していたことからすれば、水銀量が実質的に頗る少ないといえる。
【0023】
<ランプ電力について> ランプ電力は、メタルハライドランプに投入される電力であるが、本発明においては、安定点灯時に60W以下である。これは小形のメタルハライドランプであることを意味する。
【0024】
<本発明の作用について> 本発明においては、上記の構成を具備していることにより、水銀を封入していなくても主としてZnおよびInのハロゲン化物がランプ電圧を高くして比較的小さなランプ電流で所要のランプ電力を投入可能にしている。
【0025】
また、第1および第2のハロゲン化物の封入割合であるハロゲン化物封入割合b/aを所定比範囲に規定したことによって、アークが太くなるとともに、第2のハロゲン化物がZnのハロゲン化物およびInのハロゲン化物を含んでいることにより、ScおよびNaによる白色光が適切に補正されるので、安定時に得られる白色発光が良好な色度を呈する。すなわち、アークの太さおよび白色光の色度は、自動車前照灯用のHIDランプの規格を満足させることができる。なお、アークの太さの測定は、以下に示す国際規格によるものとする。
E/ECE/324, E/ECE/TRANS/505}Rev.1/Add.98,
Regulation No.98, Page 20, annex 1
<本発明のその他の構成について> 本発明においては、必須構成要件ではないが、以下に示す構成を選択的に付加することにより、メタルハライドランプの性能が向上したり、機能が増加したりする。
【0026】
1.(外管について) 外管は、その内部に気密容器を収納する。外管により、気密容器から外部へ放射される紫外線を遮断したり、気密容器を保温したり、機械的に保護したり、さらには配光特性を所要に整えるために所定形状の遮光膜を配設する場合に外管の表面に遮光膜を形成したりすることができる。また、外管の内部は、その目的に応じて外気に対して気密に封止してもよいし、外気と同程度または減圧された空気または不活性ガスが封入されていてもよい。さらに、要すれば、外気に連通していてもよい。
【0027】
2.(口金について) 口金は、メタルハライドランプを点灯回路に接続したり、加えて灯器に機械的に支持したりするのに機能する。
【0028】
3.(イグナイタについて) イグナイタは、高電圧パルス電圧を発生し、これをメタルハライドランプに印加して、その始動を促進する手段であり、口金の内部に収納するなどにより、メタルハライドランプと一体化することもできる。
【0029】
4.(始動補助導体について) 始動補助導体は、電極近傍における電界強度を高くして、メタルハライドランプの始動を支援する手段であり、所要によりその一端を他方の電極と同電位個所に接続し、他端を一方の電極近傍における放電容器の外面に配設する。
【0030】
請求項2の発明の照明装置は、照明装置本体と;照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;メタルハライドランプを点灯する点灯装置と;を具備していることを特徴としている。
【0031】
本発明において、「照明装置」とは、メタルハライドランプを光源とする装置の全てを含む広い概念であり、例えば自動車前照灯、照明器具、信号灯、標識灯、光ファイバー照明装置、光化学反応装置などである。なお、「照明装置本体」とは、照明装置からメタルハライドランプおよび点灯回路を除いた残余の全ての部分を意味する。
【0032】
点灯回路は、メタルハライドランプを点灯する手段であり、電子化されたものが好適であるが、要すればコイルおよび鉄心を主体とするものであってもよい。また、自動車前照灯用の点灯回路の場合、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力を安定時のランプ電力の2〜4倍、好適には2.5〜4倍とすることにより、光束立ち上がりを自動車前照灯用として必要な範囲内に入るように早くすることができる。なお、希ガスとしてのXeの封入圧を5〜15気圧の範囲でX(気圧)とし、メタルハライドランプの点灯直後4秒までの最高入力電力をAA(W)としたとき、AAが下式を満足するように構成することにより、点灯直後4秒までの光束立ち上がりを早めて自動車用前照灯に必要な前照灯前面の代表点での光度8000cdを得ることができる。
【0033】
AA>−2.5X+102.5
上記のようにXe封入圧と最高入力電力とが直線的な関係になるのは、蒸気圧の低い放電媒体のみであるから、始動後4秒後の時点ではキセノンの発光が圧倒的になっているからである。Xeの発光量は、Xeの封入圧とその時の電力とで決まるので、Xe圧が低ければ、入力電力を多くすればよい。反対に、Xe圧が高ければ、入力電力を少なくすればよい。なお、本発明において、メタルハライドランプの点灯は、交流点灯および直流点灯のいずれであってもよい。
また、点灯回路は、所要により無負荷出力電圧を200V以下に構成することができる。水銀を封入しないメタルハライドランプは、一般に水銀入りのメタルハライドランプに比較して、ランプ電圧が低いので、点灯回路の無負荷出力電圧を200V以下にすることができる。これにより、点灯回路の小形化が可能になる。なお、水銀入りのメタルハライドランプおいては、400V程度の無負荷出力電圧を必要としている。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0035】
図1は、本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図である。図において、ITは放電容器すなわち発光管、2、2は一対の封着金属箔、3A、3Bは一対の電流導入導体、OTは外管、Tは絶縁チューブ、Bは口金である。
【0036】
放電容器ITは、気密容器1および一対の電極1b、1bからなる。気密容器1は、中空の紡錘形状に成形された包囲部1a、一対の封止部1a1および封止管1a2を備えている。包囲部1aは、その内部に細長いほぼ円柱状の放電空間1cを有している。左右一対の封止部1a1は、細長くて包囲部1aの管軸方向の両端からそれぞれ管軸方向に延在している。封止管1a2は、図1において左方の封止部1a1と一体に形成されていて、口金B内へ進入している。
【0037】
一対の電極1b、1bは、それぞれの基端が封止部1a1に埋設された後述する封着金属箔2の一端部にレーザ溶接されるとともに、中間部が封止部1a1に埋設されて緩く支持されることによって所定の位置に配設されて、先端が放電空間1c内へ両端から離間対向して突出している。
【0038】
一対の封着金属箔2、2は、モリブデン箔からなり、気密容器1の封止部1a1内に気密に埋設されている。
【0039】
一対の電流導入導体3A、3Bは、その先端が気密容器1の両端の封止部1a1内において封着金属箔2の他端部に溶接され、その基端側が封止部1a1の外部へ導出されている。図において、放電容器ITから右方へ導出された電流導入導体3Bは、その中間部が後述する外管OTに沿って折り返され、さらに後述する口金B内に導入されて、一方の口金端子5に接続している。図1において、放電容器ITからその管軸に沿って左方へ導出された電流導入導体3Aは、管軸に沿って延在して口金B内に導入されて図示されない他方の口金端子に接続している。
【0040】
気密容器1a内には、放電媒体として第1および第2のハロゲン化物ならびに希ガスからなる放電媒体が封入されている。第1のハロゲン化物は、Scのハロゲン化物およびNaのハロゲン化物からなり、その質量で表した封入量をaとする。また、第2のハロゲン化物は、Inのハロゲン化物およびZnのハロゲン化物からなり、その質量で表した封入量をbとする。そして、ハロゲン化物封入割合b/aが下式を満足するように設定している。
0.01≦b/a≦0.69
外管OTは、紫外線カット性能を備えており、内部に放電容器ITを収納していて、先端側の縮径部6が放電容器ITの封止部1a1の図に示す位置にガラス溶着している。また、他方の縮径部(図示しない。)は、封止管1a2にガラス溶着して支持されている。しかし、外管OTの内部は気密ではなく、外気に連通している。
【0041】
絶縁チューブTは、電流導入導体3Bを被覆している。
【0042】
口金Bは、自動車前照灯用として規格化されているもので、放電容器ITおよび外管OTを中心軸に沿って植立して支持していて、自動車前照灯の背面に着脱可能に装着されるように構成されている。また、口金Bは、その前面から管軸方向に突出して外管OTの基端部を包持する支持バンド4を備えている。
【実施例1】
図1に示す一実施の形態において、以下のとおりである。
【0043】
放電容器IT
気密容器1a:石英ガラス製、内容積0.025cc、包囲部最大内径2.4mm、放電空間最大球体長7.0mm、最大外径6.0mm
電極間距離 :4.2mm
放電媒体
金属ハロゲン化物:ScI3−NaI−ZnI2−InI3=0.4mg、a/b=0.37
キセノンXe:15気圧
外管OT :外径9mm、内径7mm、内部雰囲気;大気圧(大気)
点灯直後投入電力:85W
点灯直後投入電流:2.8A
安定時ランプ電圧:42V
安定時ランプ電流:0.8A
安定時ランプ電力:35W
色度点 :x=0.3420、y=0.3710
アーク太さの相対値:1.04
次に、図2および図3を参照してハロゲン化物封入割合と得られる白色光の色度の関係、ならびにハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係についての実験結果を説明する。
【0044】
図2は、自動車前照灯用HIDランプの規格における白色光の色度範囲とハロゲン化物封入割合を変化させた場合における色度の変化との関係を示すグラフである。図において、菱形の四角形の枠Aは日本電球工業会規格「自動車前照灯HID光源 JEL215」における白色光の色度範囲を示し、左下から右上方向へ延びる直線Bはハロゲン化物封入割合b/aを変化させた場合における色度の変化を示している。また、直線B上の上部側の点はハロゲン化物封入割合b/aが0.006の場合の色度を、下部側の点はハロゲン化物封入割合b/aが0.8の場合の色度を、それぞれ示し、ハロゲン化物封入割合b/aが上記の範囲内で変化すると、直線Bに沿って変化する。
【0045】
図から理解できるように、ハロゲン化物封入割合が0.01〜0.69の範囲内であれば、得られる白色光が枠Aの範囲内に入る。
【0046】
図3は、ハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係を示すグラフである。図において、横軸はハロゲン化物封入割合b/aを、縦軸はアーク太さの相対値を、それぞれ示す。なお、第2のハロゲン化物は、InI3とZnI2を2:1の割合としている。
【0047】
図から理解できるように、第1のハロゲン化物のScハロゲン化物およびNaハロゲン化物の封入量に対するInハロゲン化物およびZnハロゲン化物の封入量の割合(ハロゲン化物封入割合)が増加するにしたがってアークの太さが相対的に大きくなっていき、ハロゲン化物封入割合が0.01〜0.69の範囲内であれば、実用的なアーク太さが得られる。
【0048】
図4および図5は、本発明の照明装置の一実施形態としての自動車前照灯装置を示し、図4は背面方向から見た斜視図、図5は点灯回路の回路図である。図4において、自動車用前照灯装置HLは、自動車用前照灯装置本体21、メタルハライドランプHPDLおよび2つの点灯回路OCにより構成されている。
【0049】
自動車用前照灯装置本体21は、前面透過パネル21a、リフレクタ21b、21c、ランプソケット21dおよび取付部21eなどから構成されている。前面レンズ21aは、自動車の外面と合わせた形状をなし、所要の光学的手段たとえばプリズムを備えている。リフレクタ21b、21cは、各メタルハライドランプHPDLごとに配設されていて、それぞれに要求される配光特性を得るように構成されている。ランプソケット21dは、点灯回路OCの出力端に接続し、メタルハライドランプHPDLの口金21dに装着される。取付部21eは、自動車用前照灯装置本体21を自動車の所定の位置に取り付けるための手段である。
【0050】
メタルハライドランプHPDLは、図1に示す構造を備えている。ランプソケット21dは、口金に装着されて接続する。そうして、2灯のメタルハライドランプKPDLが自動車用前照灯装置本体21に装着されて、4灯式の自動車用前照灯装置が構成される。各メタルハライドランプHPDLの発光部は、自動車用前照灯装置本体21のリフレクタ21b、21cの焦点にほぼ位置する。
【0051】
2つの点灯回路OLは、それぞれ後述する回路構成を備えていて、金属製容器22内に収納されているとともに、メタルハライドランプHPDLを付勢して点灯させる。
【0052】
点灯回路OLは、図11に示すように、直流電源11、チョッパ12、制御手段13、ランプ電流検出手段14、ランプ電圧検出手段15、イグナイタ16、メタルハライドランプHPDL、フルブリッジインバータ17により構成されていて、メタルハライドランプHPDLを交流点灯する。
【0053】
直流電源11は、後述するチョッパ12に対して直流電源を供給する手段であって、バッテリーまたは整流化直流電源が用いられる。自動車の場合には、一般的にバッテリーが用いられる。しかし、交流を整流する整流化直流電源であってもよい。必要に応じて電解コンデンサ11aを並列接続して平滑化を行う。
【0054】
チョッパ12は、直流電圧を所要値の直流電圧に変換するDC−DC変換回路であって、後述するフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLを所要に制御する。直流電源電圧が低い場合には、昇圧チョッパを用い、反対に高い場合には降圧チョッパを用いる。
【0055】
制御手段13は、チョッパ12を制御する。たとえば、点灯直後にはメタルハライドランプHPDLに定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をチョッパ22からフルブリッジインバータ17を経由して流し、その後時間の経過とともに徐々にランプ電流を絞っていき、やがて定格ランプ電流にするように制御する。また、制御手段13は、ランプ電流とランプ電圧と相当するそれぞれの検出信号が後述するように帰還入力されることにより、定電力制御信号を発生して、チョッパ22を定電力制御する。さらに、制御手段13は、時間的な制御パターンが予め組み込まれたマイコンが内蔵されていて、点灯直後には定格ランプ電流の3倍以上のランプ電流をメタルハライドランプHPDLに流し、時間の経過とともにランプ電流を絞るようにチョッパ12を制御するように構成されている。
【0056】
ランプ電流検出手段14は、フルブリッジインバータ17を介してランプと直列に挿入されていて、ランプ電流に相当する電流を検出して制御手段13に制御入力する。
【0057】
ランプ電圧検出手段15は、同様にフルブリッジインバータ17を介してメタルハライドランプHPDLと並列的に接続されていて、ランプ電圧に相当する電圧を検出して制御手段23に制御入力する。
【0058】
イグナイタ16は、フルブリッジインバータ17とメタルハライドランプHPDLとの間に介在していて、始動時に約20kV程度の始動パルス電圧をメタルハライドランプHPDLに供給できるように構成されている。
【0059】
フルブリッジインバータ17は、4つのMOSFETQ1、Q2、Q3およびQ4からなるブリッジ回路、ブリッジ回路17aのMOSFETQ1およびQ3と、Q2およびQ4とを交互にスイッチングさせるゲートドライブ回路28bおよび極性反転回路INVから構成されていて、チョッパ12からの直流電圧を上記スイッチングにより矩形波の低周波交流電圧に変換して、メタルハライドランプHPDLに印加して、メタルハライドランプHPDLを低周波交流点灯させる。
【0060】
そうして、点灯回路OCを用いてメタルハライドランプHPDLを矩形波の低周波交流で点灯すると、点灯直後から所要の光束を発生する。これにより、自動車用前照灯として必要な電源投入後1秒後に定格に対して光束25%、4秒後に光束80%の点灯を実現することができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、放電媒体がScハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まないことにより、アークの太さを改善するとともに安定時に良好な白色発光が得られるメタルハライドランプを提供することができる。
【0062】
請求項2の発明によれば、請求項1の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のメタルハライドランプにおける一実施の形態としての自動車前照灯用のメタルハライドランプを示す正面図
【図2】自動車前照灯用HIDランプの規格における白色光の色度範囲とハロゲン化物封入割合を変化させた場合における色度の変化との関係を示すグラフ
【図3】ハロゲン化物封入割合とアーク太さの関係を示すグラフ
【図4】本発明の照明装置の一実施形態としての自動車前照灯装置を示す背面方向から見た斜視図
【図5】同じく点灯回路の回路図
【符号の説明】
1…気密容器、1a…包囲部、1a1…封止部、1a2…封止管部、1c…放電空間、2…封着金属箔、1b…電極、3A…電流導入導体、3B…電流導入導体、B…口金、IT…放電容器、OT…外管、T…絶縁チューブ
Claims (2)
- 内容積が0.1cc以下の耐火性で透光性の気密容器と;
気密容器の内部に5mm以下の電極間距離で対向して封装された一対の電極と;
Scハロゲン化物およびNaハロゲン化物からなる第1のハロゲン化物と、Inハロゲン化物およびZnハロゲン化物からなる第2のハロゲン化物とを含む金属ハロゲン化物、ならびに希ガスを含んで気密容器内に封入されていて、いずれも質量で表したときの第1のハロゲン化物の封入量をaとし、第2のハロゲン化物の封入量をbとしたとき、ハロゲン化物封入割合b/aが0.01〜0.69であるとともに、水銀を本質的に含まない放電媒体と;
を具備し、安定時にランプ電力が60W以下で点灯することを特徴とするメタルハライドランプ。 - 照明装置本体と;
照明装置本体に配設された請求項1記載のメタルハライドランプと;
メタルハライドランプを点灯する点灯装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
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---|---|---|---|---|
JP2008098045A (ja) * | 2006-10-13 | 2008-04-24 | Harison Toshiba Lighting Corp | 自動車用メタルハライドランプ |
JP2008262855A (ja) * | 2007-04-13 | 2008-10-30 | Harison Toshiba Lighting Corp | 自動車前照灯用メタルハライドランプ |
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-
2003
- 2003-07-07 JP JP2003192547A patent/JP2005032448A/ja active Pending
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