JP4367022B2 - 光源装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、プロジェクタ用の光源として使用される、高圧水銀放電ランプである高輝度放電ランプ(HIDランプ)を用いた光源装置に関し、特にその始動特性に関わる。
【0002】
【従来の技術】
液晶プロジェクタやDLPプロジェクタ等の光源装置においては、光源とされる高圧水銀放電ランプである高輝度放電ランプと、この放電ランプよりの放射光を集光し前方の開口に向けて反射する反射面を有する反射鏡とが、一体に組合せ使用される。
この放電ランプは一般に、始動時には電極の間、または電極と放電容器内面との間にパルス状に高電圧を印加して、放電容器内の放電媒質に絶縁破壊を生じさせ、このときに生成されるプラズマの電子を種としてグロー放電やアーク放電を誘起する必要がある。
【0003】
放電ランプ始動時の絶縁破壊に必要な電圧は、放電ランプが室温程度の温度状態にある場合は、一般に数キロボルト程度である。しかし、再始動時の絶縁破壊に必要な電圧は、前回の点灯を終えて消灯した後の経過時間、すなわち、放電空間の温度に依存して変化する。
このような変化が生じるのは、消灯して放電空間の温度が低下するに従い水銀やハロゲンなど気化していた放電媒質の一部が凝結を開始した結果、放電空間の気体成分の組成が変化することに由来して絶縁破壊に必要な電圧が変化するため、と考えられている。
【0004】
例えば、水銀と臭素などのハロゲン、およびアルゴンなどの希ガスを放電媒質とする放電ランプの場合で、例えば放電空間の容積1立方ミリメートルあたり0.15mg以上の水銀を含むものの場合、絶縁破壊に必要な電圧は、放電ランプの消灯直後は残留プラズマが存在するために非常に低く、その後は急速に上昇するが、やがて必要電圧が低下を始める。(放電ランプを強制空冷しない自然冷却の条件で約2分)。しかし、その後から、最終的に放電空間の温度が約100℃以下に下がるまで、例えば消灯から約5分間の再点灯において、絶縁破壊電圧が安定せずに、印加する高電圧では絶縁破壊しないことがある。
【0005】
消灯後、できるだけ早い時期から再始動(ホットリスタート)させ、さらにその点灯の確率を高めるためには、単純には、印加する高電圧の絶対値を高いものとすればよい。しかし、このようにした場合、印加する高電圧によって意図しない絶縁破壊、すなわち、絶縁ケーブル被覆の絶縁破壊あるいはコネクタや接続端子での沿面放電などの危険現象の発生、高電圧印加時のノイズに由来したプロジェクタ本体装置の電子回路の誤動作など、種々の不都合が生じる場合がある。またこのような不都合な現象を回避するために、絶縁性を高めるために空間距離を稼いだり、ノイズを防止するためケーブルの径を大きくしたりすると、プロジェクタ装置に組み込む際に所要のスペースが必要になるため好ましくない。
【0006】
ところで、放電ランプの始動性の改善に関しては、放電容器内での物質の光電効果による光電子放出及び放電媒質のイオン化を促進し、始動時に印加する高電圧の絶対値を下げるため、紫外線などの短波長の光を利用する技術が提案されている。例えば、米国特許の5323091号公報(対応国際特許出願公開:WO00/77826号)、には、放電ランプの放電容器自身に気泡を形成し紫外線を放出する副放電室を形成する技術開示がある。また、例えば米国特許の6268698号公報(対応日本特許出願:特開2000−173549号)には、放電ランプの気密シール構造の端面に、開放空間で放電する補助紫外線光源を一体に作り込む放電ランプが提案されている。しかしながら、いずれの従来技術も、放電ランプの製造が困難になるため生産コストが掛るか、そうでない場合は、放電ランプの耐圧力に対する信頼性を欠くものとなってしまう。
【0007】
このようなことから、最近では、本出願人は先に特願2002−239679号において始動性改善のための補助ランプが設けられた光源装置について提案した。
【0008】
図6、図7を用いて従来の補助ランプが設けられた光源装置を説明する。図6は、光源装置の説明用正面図、図7は、図6中X−Xで切断した説明用の矢視断面図である。
放電ランプ1は石英ガラス製の発光管10内に一対の電極である陰極11と陽極12を対向して配置し、発光管10の両端に封止部13が形成されている。そして、封止部13から陰極11に電気的につながる外部リード14と陽極12に外部リード15が突出しており、陰極側の封止部13の表面にはトリガーワイヤ16が巻回され、トリガーワイヤ16の端部が発光管10に沿って他方の陽極側封止部13に渡って張り渡されている。
【0009】
反射鏡2は放電ランプ1を取り囲むように配置され、反射鏡2の頂部には、セラミック製のベース3が接着材によって取り付けられており、放電ランプ1の一方の封止部13は、反射鏡2の頂部開口に挿入されベース3を貫通した状態で、接着材によってベース3に取り付けられている。また、反射鏡2の開口縁部20の前方には反射鏡2の開口を塞ぐように光透過性の窓部材21が配置されている。
【0010】
補助ランプ4は、反射鏡2における開口縁部20の一部を外方に切り欠いた溝部22に嵌め込まれるように配置されている。そして、補助ランプ4の発光管40の外表面の両端部に一対の外部電極41、42が配置されており、外部電極間41、42間に電圧が印加されると、静電結合により発光管40内に誘電体バリア放電が起こり補助ランプ4が発光する。補助ランプ4の発光管40内にはアルゴン、キセノンなどの希ガスや適切な発光物質が封入されており、紫外線を放射するものである。
【0011】
次に、放電ランプ1と補助ランプ4の電気的接続状態を説明する。
補助ランプ4における一方の外部電極41にはリード線Waが接続され、このリード線Waは反射鏡2の内部において放電ランプ1のトリガーワイヤ16に電気的に接続されたリード線Wbと接続され、リード線Wbが反射鏡2に形成された一方の給電用開口穴2Aから反射鏡2の外部に導出されている。つまり、リード線Waとリード線Wbは同電位である。なお、リード線Waはリード線Wbと反射鏡2内で接続されているが、反射鏡2の外部で接続されていてもよく、トリガーワイヤ16の一部がリード線Wbを兼ねる構造であってもよい。
【0012】
また、他方の外部電極42にはリード線Wcが接続され、このリード線Wcは反射鏡2の内部において陰極側の外部リード14に電気的に接続されたリード線Wdと接続され、リード線Wdが反射鏡2に形成された他方の給電用開口穴2Bから反射鏡2の外部に導出されている。なお、リード線Wbはリード線Wdと反射鏡2内で接続されているが、反射鏡2の外部で接続されていてもよい。
【0013】
また、陽極12に電気的につながる外部リード15には金属製の接続片5が接続され、この接続片5にリード線Weが接続されている。
【0014】
次に、図6、図7に示す光源装置の始動動作について説明する。
リード線Wbとリード線Wdは給電装置のパルス状の高電圧を発生するスターターにつながっており、リード線Wdとリード線Weは給電装置の安定器につながっている。
つまり、放電ランプ1の始動に際しては、陰極11につながる外部リード14と陽極15につながる外部リード15に、リード線Wdとリード線Weを通して無負荷開放電圧が印加された状態になっており、この状態で、トリガーワイヤ16と陰極につながる外部リード14に、リード線Wbとリード線Wdを通してパルス状の高電圧が印加される。
【0015】
この結果、発光管10の内面と陽極12との間で高電圧が印加されて誘電体バリアエキシマ放電が発生し、放電ランプ1の発光管10内の放電媒質のイオン化を促進することにより陰極11と陽極12間で放電開始が誘起される。
また、リード線Wbとリード線Wdにつながるリード線Waとリード線Wcが補助ランプ4の一対の外部電極41、42に接続されており、リード線Wbとリード線Wdに印加されたパルス状の高電圧が、同時にリード線Waとリード線Wcに印加されるので、結果的に、外部電極41、42にパルス状の高電圧が印加されることになり、この印加されたパルス状の高電圧によって補助ランプ4の発光管40内で誘電体バリアエキシマ放電が発生し、補助ランプ4から紫外線が放射され、この紫外線が放電ランプ1の発光管10内に照射されることにより、発光管10内の放電媒質のイオン化を促進することに陰極11と陽極12間で放電開始が誘起される。
【0016】
つまり、トリガーワイヤ16による放電ランプ1の発光管10内の放電媒質のイオン化作用と、補助ランプ4から放射される紫外線による放電ランプ1の発光管10内の放電媒質のイオン化作用が相乗的に関係し合い、放電ランプ1を確実に点灯させることができるものである。
【特許文献1】
米国特許5323091号公報
【特許文献2】
特開2000−173549号公報
【特許文献3】
特願2002−239679号
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
このような光源装置では、反射鏡2内に存在するリード線Wbとリード線Wdは、ランプの点灯回路の関係から、電気極性が反対になっており、反射鏡2に設けられた1つの給電用開口穴から同時に2つのリード線Wb,Wdを導出させるとそれぞれのリード線間で短絡してしまうので、リード線Wbとリード線Wdを外部に導出するためには、それぞれのリード線を通す2つの給電用開口穴2A、2Bが必要になり、反射鏡2の強度低下を招く恐れがあり、また、反射鏡の有効反射面領域の減少につながり反射効率が低下する問題があった。また、反射鏡の成形上、給電用穴は後加工で開けざるを得ないため、給電用穴の数が増えることは加工費の増加を招き、好ましくない。
【0018】
また、反射鏡に2つの給電用開口穴を設けるのではなく、ベースに給電用開口穴を形成し、一方のリード線をこの給電用開口穴を利用して外部に導出することも考えられるが、最近ではランプ破損時の破片の飛散を防止するために、反射鏡内を密閉する構造が採用されており、ベースに給電用開口穴を開けることができなくなってきている。
【0019】
そこで本願発明は、補助ランプを用いることによって放電ランプを確実に点灯させることができる光源装置であって、反射鏡の強度が高く、しかも、反射効率がよく、密閉構造に適した光源装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の光源装置は、発光管内に一対の電極を対向配置して0.15mg/mm3以上の水銀を封入した放電ランプと、当該放電ランプを取り囲み放電ランプから放射された光を反射するための反射鏡と、当該放電ランプの点灯始動時に発光する補助ランプよりなる光源装置において、前記反射鏡は前記放電ランプと前記補助ランプを給電するための給電用開口穴を1つだけ有し、前記補助ランプは、発光管の外表面の両端部に一対の外部電極を有し、前記反射鏡の一部、または当該反射鏡に隣接する部材に保持され、前記反射鏡内に位置するとともに、前記給電用開口穴を介して給電線が前記反射鏡内導入され、当該給電線が前記補助ランプの一方の外部電極と前記放電ランプの一方の電極に電気的に接続され、前記補助ランプの他方の外部電極には前記反射鏡の外部に導かれる給電線が接続されていないことを特徴とする。
【0021】
請求項2に記載の光源装置は、請求項1に記載の光源装置であって、特に、前記補助ランプは、外部電極間の静電容量が0.2pF以上であって、高圧波形が5kV以上、パルス幅が半値全幅で100ns以上、周波数が10Hz以上の高圧パルス波で点灯することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
本願の実施例を、図面を参照して説明する。図1は、光源装置の説明用正面図、図2は、図1中X−Xで切断した説明用の矢視断面図である。
放電ランプ1は石英ガラス製の発光管10内に一対の電極である陰極11と陽極12を対向して配置し、発光管10の両端に封止部13が形成されている。そして、封止部13から陰極11に電気的につながる外部リード14と陽極12に外部リード15が突出している。
【0025】
放電ランプ1の発光間10内には、所定の水銀と、希ガスと、ハロゲンガスが封入されている。
水銀は、必要な可視光波長、例えば、波長360〜830nmの光を得るためのもので0.15mg/mm3以上封入されている。この封入量は、温度条件によっても異なるが、点灯時100MPaという極めて高い蒸気圧を達成させる。
また、水銀をより多く封入することで点灯時の水銀蒸気圧200MPa以上、300MPa以上という高い水銀蒸気圧の高圧水銀ランプを作ることができ、水銀蒸気圧が高くなるほどプロジェクタ装置に適した光源を実現することができる。
【0026】
希ガスは点灯始動性の改善に寄与するものであり、例えばアルゴンガスが約13kPa封入される。
ハロゲンは、沃素、臭素、塩素などが封入される。具体的なハロゲンの封入量は、例えば、10−6〜10−2μmol/mm3の範囲から選択できるものであって、その機能はハロゲンサイクルを利用したタングステン製電極の長寿命化である。
【0027】
このような高圧水銀ランプの数値例を示すと、例えば、発光管10の最大外径11.3mm、電極間距離1.2mm、発光管内容積116mm3、管壁負荷1.5W/mm3、定格電圧80V、定格電力200Wである。この高圧水銀ランプは、前述した液晶プロジェクタ、オーバーヘッドプロジェクタ等のプレゼンテーション用機器に搭載され、演色性に優れた放射光を提供することができる。
【0028】
反射鏡2はガラス製であり内面に光反射膜がコートされており、放電ランプ1を取り囲むように配置され、反射鏡2の頂部には、セラミック製のベース3が接着材によって取り付けられており、放電ランプ1の一方の封止部13は、反射鏡2の頂部開口に挿入されベース3を貫通した状態で、接着材によってベース3に取り付けられている。また、反射鏡2の開口縁部20の前方には反射鏡2の開口を塞ぐように光透過性の窓部材21が配置されている。
【0029】
補助ランプ4は、反射鏡2における開口縁部20の一部を外方に切り欠いた溝部22に嵌め込まれるように配置されている。
補助ランプ4は、紫外線に対して透過性を有する石英ガラスよりなるものであり、すなわち、発光管40が石英ガラスよりなる。また、発光管40の外表面の両端部に一対の外部電極41、42が配置されている。
発光管40内には、アルゴン、キセノン、ネオン、などの希ガスに加え、窒素若しくはヘリウム等の気体が、一種以上封入されている。具体的には、アルゴンが1×102〜5×104Pa程度、好ましくは1×103Pa程度封入される。
【0030】
外部電極41、42の材質としては、高温での耐酸化性、熱衝撃に優れる材料からなり、ステンレス、カンタル(鉄クロム合金)が好ましく、とりわけ高温での耐酸化性、熱衝撃に優れるという意味ではカンタルが最適とされる。一つの外部電極における管軸方向の長さは例えば0.5〜5.0mmであり、例えば、直径0.3mmのステンレス製ワイヤが、発光管40の外表面に密着させるようコイル状に巻きつけられて構成される。なお、上記のようなコイル状の外部電極は、例えば、ステンレス製ワイヤを巻回してコイルを作製し、これを発光管40の所定位置まで装着して形成される。
【0031】
外部電極41、42が発光管40の外周を被覆する面積としては、外部電極41、42の間での静電容量を大きくすると、放電開始が容易になるため、より大きな面積を有する方が好ましい。従って、外部電極41、42の絶縁距離を確保できる範囲で広く設けるのが良い。そして、外部電極間41、42間に電圧が印加されると、静電結合により発光管40内に誘電体バリアエキシマ放電が起こり補助ランプ4が発光する。
【0032】
次に、図3は、本発明の光源装置の具体的な回路図であり、DC駆動方式の給電装置を用いて点灯する回路の一例を簡略化して示す図である。図1、図2を参照しながら、図3も合わせて、放電ランプ1と補助ランプ4の電気的接続状態と点灯動作について説明する。
反射鏡2の外部から給電用開口穴2aを介して給電線W1が反射鏡2内に導入され、補助ランプ4における一方の外部電極42に接続されており、反射鏡2内で給電線W1が分岐し給電線W11となり、この給電線W11が反射鏡2の内部において放電ランプ1の陰極側の外部リード14に接続されている。
つまり、給電線W1と給電線W11は電気的特性が同一である。なお、給電線W1は反射鏡2内で給電線W11として分岐しているが、予め反射鏡2の外部で分岐し、2本の給電線W1とW11が1つの給電用開口穴2aを介して反射鏡2内に導入されてもよい。この場合、給電線W1とW11は電気的特性が同一であるために、それぞれの給電線間で短絡するなどの問題がおこらない。
【0033】
また、他方の外部電極41には給電線は接続されておらず、外部電極41は反射鏡2内の空間に電気的に遊離した状態になっている。
【0034】
陽極12に電気的につながる外部リード15には金属製の接続片5が接続され、この接続片5に給電線W2が接続されている。
【0035】
放電ランプ1の始動に際しては、給電線W11とW2を介して、両極の外部リード14、15の間に、無負荷開放電圧が印加された状態で、陰極側の外部リード14と、陽極側の外部リード15との間に同じ給電線W11とW2を介して高電圧が印加されることにより、陰極11と陽極12との間で放電が開始される。
【0036】
また、陰極側の外部リード14と陽極側の外部リード15に高電圧が印加されと同時に、補助ランプ4の外部電極42にも給電線W1を介して高電圧が印加される。
【0037】
つまり、放電ランプ1の始動に際して、補助ランプ4の外部電極42、および、放電ランプ1の陰極側の外部リード14と陽極側の外部リード15との間に高電圧が印加される際、補助ランプ4においては、一方の外部電極42に高電圧が印加され、他方の外部電極41は電気的に浮遊しているために、高圧から見ると擬似的に接地電位にあり、また高電圧は高周波の高圧パルス波であるので、一方の外部電極42と他方の外部電極41との間にも補助ランプ4の発光管40の石英を介して内部の空間に容量結合的に高電圧が誘起される。この結果、補助ランプ4の発光管40において誘電体バリアエキシマ放電が発生し、補助ランプ4から紫外線を含む光が放射される。
【0038】
この補助ランプ4から放射される紫外線が放電ランプ1に到達し、放電ランプ1の発光管10内の放電媒質がイオン化し、この状態で電極間に高電圧が印加されるので、放電ランプ1を確実に点灯させることができるものである。
【0039】
図3に戻り説明を続けると、給電回路Ubには、これを駆動するための電源として、力率改善回路などの交流を直流に変換するDC電源Uaが接続され、給電回路Ubの出力端子T1,T2には、放電ランプ1の外部リード14、15が接続されている。
同図において給電回路Ubとしては降圧チョッパ方式のものが例示してあり、これにおいてはFET等のスイッチ素子QbによってDC電源Uaよりの電流をオン・オフし、スイッチ素子Qbがオン状態のときはDC電源UaからチョークコイルLbを介して、スイッチ素子Qbがオフ状態のときはチョークコイルLbの誘導作用によりダイオードDbを介して平滑コンデンサCbへの充電と放電ランプ1への電流供給が行われる。
【0040】
放電ランプ1の陰極11と陽極12間を流れる放電電流、または陰極11と陽極12間の電圧、あるいはこれら電流と電圧の積であるランプ電力が、その時点における放電ランプ1の状態に応じた適切な値になるように、ゲート駆動回路Gbから適当なデューティサイクル比を有するゲート信号が、スイッチ素子Qbに加えられる。
【0041】
通常は、放電ランプ1のランプ電流または電圧、電力を適切に制御するために、平滑コンデンサCbの電圧や放電ランプ1に供給される電流を検出するための分圧抵抗や、シャント抵抗が設けられて、ゲート駆動回路Gbが適切なゲート信号を発生できるようにするための制御回路が設けられるが、これらは同図においては省略されている。
【0042】
放電ランプ1を点灯させる場合は、始動に先立って、無負荷開放電圧が放電ランプ1の陰極11と陽極12間に印加される。スタータUeの入力端T4およびグランド端T3は、放電ランプ1に並列に接続されており、放電ランプ1に印加される電圧と同じ電圧がスタータUeにも供給される。この電圧を受けてスタータUeでは抵抗Reを介してコンデンサCeが充電される。
【0043】
そして、適当なタイミングでゲート駆動回路GeによってSCRサイリスタ等のスイッチ素子Qeを導通させることにより、高電圧トランスTeの1次側巻線PeにはコンデンサCeの充電電圧が印加されるので、高電圧トランスTeの2次側巻線Seには高電圧トランスTeの構造に応じた昇圧された電圧が発生する。この場合、1次側巻線Peに印加される電圧はコンデンサCeの放電に伴って急速に低下するから、2次側巻線Seに発生する電圧も同様に急速に低下するため、2次側巻線Seに発生する電圧はパルスとなる。
【0044】
高電圧トランスTeの2次側巻線Seの一端はスタータUeの出力端子T3を介して給電線W1とW11を通り陰極11および補助ランプ4の外部電極42に接続されており、高電圧トランスTeの2次側巻線Seの他端はスタータUeの出力端子T4を介して給電線W2を通り陽極15に接続されている。
【0045】
高電圧トランスTeの2次側巻線Seに発生した高電圧が陰極11と補助ランプ4の外部電極42に印加されると、高電圧トランスTeの2次側巻線Seの他端を接続した陽極15との間で高圧が生じ、補助ランプ4においては、高電圧トランスTeの2次側巻線Seの一端が接続された外部電極42と、静電容量を有する他方の外部電極41との間に高周波の高電圧パルスがかかり、補助ランプ4の発光管40内で誘電体バリアエキシマ放電が発生し、紫外線を含む光が放射されるものである。
【0046】
つまり、補助ランプ4は、外部電極41、42を有しており、補助ランプ4を点灯させるための給電線の接続構造は、一方の外部電極42にのみ給電線W1が接続され、他方の外部電極41には給電線が接続されていない構造であって、補助ランプ4を点灯させるための給電線W1が放電ランプ1の陰極側の外部リード14と共通につながっている給電線W11と接続されており、反射鏡2内に位置する放電ランプ1と補助ランプ4への給電は1つの給電線W1によって行うことができるので、反射鏡2に設けられる給電用開口穴2aは1つだけすむ。
【0047】
この結果、補助ランプ4を用いることによって、確実に、放電ランプ1を点灯させることができ、しかも、給電用開口穴2aは1つだけですむので、反射鏡2の強度を十分に高くすることができ、反射率の低下を招く給電用開口穴2aが1つだけすむので反射率を高く保つことができる。かつ、開口穴の加工コストの増加を抑制することができる。
【0048】
さらに、補助ランプ4について説明すると、補助ランプ4の外部電極41、42のうち、高圧からの給電線W1が接続されている方の外部電極42と、接続されていない方の外部電極41との間に充分な静電容量を確保しておかないと、高圧からの給電線W1が接続されておらず浮遊している外部電極41にも高圧が誘起されて、結果、外部電極41、42間に生じる電位差が小さくなってしまう。
【0049】
この結果、補助ランプ4内での絶縁破壊が生じにくくなり、補助ランプ4が発光しなくなるという問題が生じる。
これを避けるためには、外部電極41、42間の静電容量が大きいことが必要であり、高圧からの給電線W1が接続されていない方の外部電極41は、擬似的に接地されているほどに静電容量を確保することが望ましい。
さらに、補助ランプ4は、外部電極41、42から絶縁体である石英ガラス製の発光管40を間において内部放電空間と容量結合している構造をとるため、内部放電空間に高電圧を誘起させるためには、高周波成分を有した波形、例えばパルス状で印加させることが有効である。
【0050】
実際の補助ランプ点灯試験は、高圧パルス波で、高圧波形が5kV以上、パルス幅が半値全幅で100ns以上、周波数が10Hz以上を有する高圧パルス波を補助ランプに印加し、外部電極の設置範囲などを調整して静電容量を振った補助ランプの始動テストにおいて、0.2pF以上の静電容量をもつ補助ランプは確実に発光することが判った。
【0051】
なお、上述した光源装置は、放電ランプの発光管に点灯性を向上せるためのトリガーワイヤが設けられていないが、図4に示す光源装置では放電ランプ1にトリガーワイヤ16が設けられており、このトリガーワイヤ16は、一端側が陰極側の封止部13の表面に巻回され、他端側が発光管10に沿って他方の陽極側封止部13に張り渡されており、給電線W1、W11とは電気的に接続されていない構造となっている。
なお、図4に示す光源装置は、放電ランプ1と補助ランプ4の電気接続状態は図2に示す光源装置と同じであり、単に、図2に示す光源装置の放電ランプの発光管に電気的につながっていないトリガーワイヤが設けられている構造である。
【0052】
さらには、図5に示す光源装置では放電ランプ1にトリガーワイヤ16が設けられており、この光源装置は、反射鏡2の外部から給電用開口穴2aを介して給電線W1が反射鏡2内に導入され、給電線W1が補助ランプ4における一方の外部電極42に接続されており、反射鏡2内で給電線W1が分岐し給電線W11となり、この給電線W11が反射鏡2の内部において放電ランプ1の陰極側の外部リード14に接続され、さらに、給電線W11の端部がトリガーワイヤ16にも接続されている。
この図5に示す光源装置は、図2に示す光源装置の給電線W11が、単に、陰極側の外部リード14に接続され、さらに、給電線W11がトリガーワイヤ16にも接続されただけであり、放電ランプ1と補助ランプ4の電気接続状態は図2に示す光源装置と同じである。
【0053】
【発明の効果】
本願発明の光源装置によれば、反射鏡は放電ランプと補助ランプを給電するための給電用開口穴を1つだけ有し、補助ランプは、発光管の外表面の両端部に一対の外部電極を有し、反射鏡内に位置するとともに、給電用開口穴を介して給電線が反射鏡内導入され、給電線が補助ランプの一方の外部電極と放電ランプの一方の電極に電気的に接続され、補助ランプの他方の外部電極には反射鏡の外部に導かれる給電線が接続されていない構造であるので、反射鏡内に位置する放電ランプと補助ランプへの給電は1つの給電線によって行うことができるので、反射鏡に設ける給電用開口穴を1つだけにすることができる。
【0054】
この結果、補助ランプを用いることによって、確実に、放電ランプを点灯させることができ、しかも、給電用開口穴は1つだけですむので、反射鏡の強度を十分に高くすることができ、反射率の低下を招く給電用開口穴が1つだけすむので反射率を高く保つことができる。
【0055】
また、補助ランプは外部電極間の静電容量が0.2pF以上であり、高圧波形が5kV以上、パルス幅が半値全幅で100ns以上、周波数が10Hz以上を有する高圧パルス波が印加されると確実に補助ランプを点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光源装置の説明用正面図である。
【図2】 図1中X−Xで切断した説明用の矢視断面図である。
【図3】 図1に示す光源装置を、DC駆動方式の給電装置を用いて点灯する回路の一例を簡略化して示す図である。
【図4】 本発明の放電ランプにトリガーワイヤを配設した光源装置の説明用断面図である。
【図5】 本発明の放電ランプにトリガーワイヤを配設した光源装置の説明用断面図である。
【図6】 従来の光源装置の説明用正面図である。
【図7】 図6中X−Xで切断した説明用の矢視断面図である。
【符号の説明】
1 放電ランプ
10 発光管
11 陽極
12 陰極
13 封止部
14 陰極側の外部リード
15 陽極側の外部リード
16 トリガーワイヤ
2 反射鏡
2a 給電用開口穴
3 ベース
4 補助ランプ
40 発光管
41 外部電極
42 外部電極
W1 給電線
W11 給電線
W2 給電線
Claims (2)
- 発光管内に一対の電極を対向配置して0.15mg/mm3以上の水銀を封入した放電ランプと、当該放電ランプを取り囲み放電ランプから放射された光を反射するための反射鏡と、当該放電ランプの点灯始動時に発光する補助ランプよりなる光源装置において、
前記反射鏡は前記放電ランプと前記補助ランプを給電するための給電用開口穴を1つだけ有し、
前記補助ランプは、発光管の外表面の両端部に一対の外部電極を有し、前記反射鏡の一部、または当該反射鏡に隣接する部材に保持され、前記反射鏡内に位置するとともに、
前記給電用開口穴を介して給電線が前記反射鏡内導入され、当該給電線が前記補助ランプの一方の外部電極と前記放電ランプの一方の電極に電気的に接続され、
前記補助ランプの他方の外部電極には前記反射鏡の外部に導かれる給電線が接続されていないことを特徴とする光源装置。 - 前記補助ランプは、外部電極間の静電容量が0.2pF以上であって、高圧波形が5kV以上、パルス幅が半値全幅で100ns以上、周波数が10Hz以上の高圧パルス波で点灯することを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
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