JP3385013B2 - 高輝度放電灯および高輝度放電灯点灯装置 - Google Patents

高輝度放電灯および高輝度放電灯点灯装置

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JP3385013B2
JP3385013B2 JP2001164650A JP2001164650A JP3385013B2 JP 3385013 B2 JP3385013 B2 JP 3385013B2 JP 2001164650 A JP2001164650 A JP 2001164650A JP 2001164650 A JP2001164650 A JP 2001164650A JP 3385013 B2 JP3385013 B2 JP 3385013B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高輝度放電灯およ
び高輝度放電灯点灯装置に関する。特に、メタルハライ
ドランプや、高圧水銀ランプ、高圧ナトリウムランプ等
の高輝度放電灯にトリガー線を設けたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、高輝度放電灯、例えばメタル
ハライドランプは、一般照明やスポット照明などに用い
られている。最近では、OHPや液晶プロジェクタ等の
光源としても幅広く活用されている。
【0003】メタルハライドランプは、例えば石英ガラ
スからなる発光管と、発光管内に所定の間隔をあけて配
置された一対の電極とから構成されており、発光管内に
は、発光物質として水銀および金属ハロゲン化物が封入
されている。発光管の両端は、それぞれ電極封止部によ
って封止されており、そして、電極封止部内に気密に封
止された金属箔を介して、一対の電極はそれぞれ外部リ
ード線に接続されている。外部リード線は、ランプの点
灯回路(駆動装置)に電気的に接続される。点灯回路
は、点灯動作時に所定値以上の電流が流れないようにす
る安定器を備えるとともに、ランプ始動時に、高圧パル
ス電圧を電極に印加する手段を備えている。
【0004】メタルハライドランプの点灯動作を説明す
ると、点灯動作を開始するためには、まず、一対の電極
間に電圧を印加し、絶縁破壊を起こさせて放電を開始さ
せる必要がある。絶縁破壊を起こさせるために必要な電
圧は「ブレークダウン電圧」と呼ばれ、このブレークダ
ウン電圧は、一般に、安定点灯時におけるランプ電圧の
数百倍以上の高電圧である。
【0005】点灯回路の小型化や低コスト化を図るため
には、できるだけ上記ブレークダウン電圧が低くなるよ
うにすることが好ましい。このブレークダウン電圧の低
下を図る技術として、発光管の外周にトリガー線(近接
導体)を巻き付けた構成のものが知られており、例え
ば、特開平8−69777号公報に開示されている。こ
の構成のメタルハライドランプを図11に示す。
【0006】図11に示したメタルハライドランプは、
発光管101と電極封止部102a、bを有しており、
発光管101の外周にトリガー線108がらせん状に巻
き付けられている。発光管101の内部には、一対の電
極103a、bが対向して設けられており、一対の電極
103a、bは、電極封止部102a、b内の金属箔1
04a、bを介して、外部リード線105a、bに接続
されている。外部リード105bにトリガー線108の
一端108bが接続されており、トリガー線108の他
端108aは、電極封止部102aの発光管101側の
端部(根本付近)に巻き付けられている。外部リード線
105a、bは、点灯回路(駆動装置)111に電気的
に接続されており、点灯回路111は、電源107に電
気的に接続されている。
【0007】このメタルハライドランプには、トリガー
線108が設けられているので、ブレークダウン電圧を
低くすることができる。これは、次のような機構による
ものである。電源107に接続された点灯回路111か
ら高圧パルス電圧が電極103a、bに印加されると、
トリガー線108も電極103bと同じ電位になり、そ
の結果、トリガー線108によって発光管101の内部
に電位傾度の大きな電界が形成される。この電界の影響
によって、電極103a、b間でのXeガスの絶縁破壊
が生じやすくなるため、ブレークダウン電圧を低くする
ことができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、トリガ
ー線108が設けられた上記従来のメタルハライドラン
プの場合、ブレークダウン電圧を低下させることはでき
るものの、ランプの点灯中に、色変化や、ランプ電圧の
上昇変化、発光管の白濁によって透明性を失う失透現象
などが生じる。また、光束維持率の低下やランプの不点
灯を生じたりして寿命が低下しがちであるという問題点
を有していた。
【0009】本願発明者は、上記のような現象が生じる
原因を詳細に検討した結果、点灯中にトリガー線108
が発生している電界が影響を及ぼしていることを見出し
た。例えば、点灯中に電極103a、b間に65Vの駆
動電圧(ランプ電圧)が印加される場合、外部リード線
105bに接続されたトリガー線108と、電極103
aとの間の電圧も65Vになる。ここで、電極103
a、b間の距離が3.7mmで、トリガー線108の一
端108aと電極103aとの間の最短距離が1mmと
すると、電極103a、b間に形成される電界の電位傾
度は、17.6V/mmであるのに対し、電極103a
とトリガー線108との間に形成される電界の電位傾度
は、最も大きな箇所では、17.6V/mmよりも3倍
以上大きい65V/mmとなる。
【0010】高圧パルス電圧が印加され、Xeガスの絶
縁破壊が起こって放電が開始されたランプは、その後の
放電により、発光管101の内壁温度が上昇する。発光
管101の内壁温度が上昇すると、発光管101内に封
入された金属ハロゲン化物等の封入物が蒸気になり、さ
らに、イオン化する。このイオン化した発光物質は、電
極103a、b間の電界よりも、トリガー線108と電
極103aとの間の電界に大きく影響され、その結果、
トリガー線108に強く引き寄せられる。さらに詳しく
説明すると、印加される駆動電圧が交流の場合、トリガ
ー線108が負である時に、プラスイオン化したナトリ
ウムなどの発光物質がトリガー線108に引き寄せられ
る。そして、イオン半径が小さいナトリウムなどは、石
英ガラス中を移動して、発光管101の外部へ漏れ出し
てしまう。このようにして、発光管101内の発光物質
が減少し、光特性(色温度、ランプ電圧、光束維持率
等)の著しい変化を招くことを本願発明者が突き止め
た。また、ナトリウムなどが石英ガラス中を移動する際
に石英ガラスのアモルファス構造を破壊し、石英ガラス
の結晶化(クリストバライトへの相転移)を生じさせる
ため、石英ガラスの白濁、失透も引き起こされる。
【0011】本発明はかかる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その主な目的は、トリガー線を備えた高輝度放
電灯のランプ寿命を長くすることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明による高輝度放電
灯は、管内に一対の電極が対向して設けられた発光管
と、前記発光管の外周に設けられ、導電性材料から構成
されたトリガー線とを備え、前記トリガー線の一部は
方の電極と電気的に接続された外部リード線に対し
絶縁テープを介して絶縁状態で近接して配置されてお
り、始動電圧が印加されたときのみ、前記トリガー線の
前記一部と前記外部リード線とは前記絶縁テープを介し
絶縁破壊を起こして導通状態になる。
【0013】
【0014】前記トリガー線の前記一部は、前記外部リ
ード線と3mm未満の距離で近接されて配置されている
ことが好ましい。
【0015】
【0016】
【0017】ある実施形態において、前記発光管から延
在し、前記一対の電極の端部を封止する一対の封止部を
さらに備え、前記一対の封止部のうちの前記他方の電極
の端部を封止する封止部と前記発光管との間の領域に、
前記トリガー線は巻き付けられている。
【0018】前記発光管は、石英ガラスから構成されて
いることが好ましい。
【0019】ある実施形態において、前記発光管内に
は、発光物質として金属ハロゲン化物が封入されてお
り、前記金属ハロゲン化物は、アルカリ金属ハロゲン化
物を含んでいる。
【0020】ある実施形態において、前記アルカリ金属
ハロゲン化物は、ナトリウムハロゲン化物である。
【0021】本発明による高輝度放電灯点灯装置は、管
内に一対の電極が対向して設けられた発光管と、前記発
光管の外周に設けられ、導電性材料から構成されたトリ
ガー線とを含む高輝度放電灯と、前記高輝度放電灯を点
灯する点灯回路とを備え、前記トリガー線は、前記一対
の電極のいずれとも電気的に接続されておらず、前記点
灯回路は、前記一対の電極間で放電が開始された後にそ
の放電を維持するための駆動電圧を印加する駆動電圧印
加手段と、前記一対の電極間で放電を開始するための始
動電圧を印加する始動電圧印加手段とを含んでおり、前
記トリガー線は、前記始動電圧印加手段に電気的に接続
され、かつ、前記一対の電極のそれぞれは、前記駆動電
圧印加手段に電気的に接続されている。
【0022】ある実施形態において、前記始動電圧印加
手段は、前記トリガー線に前記始動電圧を始動時の所定
時間のあいだ印加するように前記始動電圧印加手段を制
御するタイマーを備えている。
【0023】ある実施形態において、前記始動電圧印加
手段は、前記一対の電極間での放電による点灯が開始さ
れたことを検知する検知手段と、前記検知手段によって
点灯の開始を検知したときに前記始動電圧の印加を停止
する制御手段とを備えている。
【0024】ある実施形態において、前記検知手段は、
前記一対の電極間の電圧の変化を検知する電圧検知器で
ある。
【0025】ある実施形態において、前記検知手段は、
前記一対の電極間に流れる電流の変化を検知する電流検
知器である。
【0026】ある実施形態において、前記高輝度放電灯
は、前記発光管から延在し、前記一対の電極の端部を封
止する一対の封止部をさらに備え、前記一対の封止部の
うちの一方の封止部と前記発光管との間の領域に、前記
トリガー線は巻き付けられている。
【0027】前記発光管は、石英ガラスから構成されて
いることが好ましい。
【0028】ある実施形態において、前記高輝度放電灯
は、アルカリ金属ハロゲン化物を含む金属ハロゲン化物
が発光物質として前記発光管内に封入されたメタルハラ
イドランプである。
【0029】本発明では、一対の電極間に始動電圧が印
加されたときに、一方の電極と導通状態になるようにト
リガー線が構成されているので、ブレークダウン電圧の
低下を達成できるとともに、ランプの特性変化を防止す
ることができる。その結果、トリガー線を備えた高輝度
放電灯のランプ寿命を長くすることができる。外部リー
ド線に対して絶縁状態でトリガー線の一部を近接して配
置し、始動電圧が印加されたとき、トリガー線の一部と
外部リード線とが絶縁破壊を起こすようにすると、簡便
な構成にて、本発明の効果を得ることができる。
【0030】さらに、封止部と発光管との間の領域にト
リガー線を巻き付けた部分を設けた場合、トリガー線に
よって発生させる電界の強さを大きくすることができる
ので、比較的低い始動電圧でも、より確実に高輝度放電
灯を始動させることができる。また、発光管が石英ガラ
スから構成されている場合、石英ガラスはセラミック材
料等に比べて透光性が高いので、実質的な発光領域を小
さくする点光源化を容易に実現することができる。加え
て、発光管内に封入された金属ハロゲン化物がアルカリ
金属ハロゲン化物を含んでいる場合、高輝度で演色性に
優れた発光特性を有する高輝度放電灯(メタルハライド
ランプ)を容易に実現することができる。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明による実施の形態を説明する。以下の図面において
は、説明の簡潔化のため、実質的に同一の機能を有する
構成要素を同一の参照符号で示す。なお、本発明は以下
の実施形態に限定されない。 (実施形態1)図1から図7を参照しながら、本発明に
よる実施形態1にかかる高輝度放電灯を説明する。図1
は、本実施形態にかかる高輝度放電灯の断面構成を模式
的に示している。図2は、図1中の線II−IIに沿った断
面図であり、図3は、図1中の線III−IIIに沿った断面
図である。
【0032】本実施形態の高輝度放電灯10は、発光物
質として金属ハロゲン化物を有するメタルハライドラン
プである。図1に示したメタルハライドランプ10は、
管内に一対の電極3a、bが対向して設けられた発光管
1と、発光管1の両端を封止する電極封止部2a、bを
有している。発光管1の外周面には、導電性材料(例え
ば白金線)からなるトリガー線8がらせん状に巻き付け
られて、その一端8aは電極3aの近傍に位置してい
る。本実施形態における発光管1は、石英ガラスから構
成された回転楕円体形状の透明性容器であり、容器内は
放電空間となっている。発光管1の中央部の外径は6.
0mm、肉厚は1.6mm、そして、内容積は0.02
5ccである。
【0033】発光管1内には、発光物質であるScI3
(ヨウ化スカンジウム)、NaI(ヨウ化ナトリウ
ム)、InI3(ヨウ化インジウム)、TlI(ヨウ化
タリウム)、および始動補助ガスとしての1.4MPa
のXeガスが封入されている。ただし、本実施形態の発
光管1には、図11に示した構成と異なり、Hg(水
銀)は封入されていない。すなわち、本実施形態の高輝
度放電灯10は、いわゆる、無水銀メタルハライドラン
プである。勿論、無水銀メタルハライドランプに限ら
ず、水銀を封入した有水銀メタルハライドランプを使用
することも可能である。なお、有水銀メタルハライドラ
ンプに比べて、無水銀メタルハライドの方が始動電圧が
高くなる傾向があるので、無水銀メタルハライドランプ
に対してトリガー線8を用いた構成を適用することがよ
り効果的である。つまり、トリガー線8による始動電圧
低下の効果をより顕著にすることができる。水銀を含ま
ないメタルハライドランプを構成する場合、金属ハロゲ
ン化物として、インジウムのハロゲン化物(例えば、I
nI3および/またはInI、好ましくはInI3)を含
めておくことが、ランプ電圧を高くし、ランプの点灯電
流を低くできるので好ましい。
【0034】メタルハライドランプ10は、発光管1内
の金属ハロゲン化物の発光により、可視領域の発光スペ
クトルを有する光を発する。NaIのNaは、可視領域
の発光スペクトルを達成する上で非常に好ましい発光物
質であるが、Naなどのイオン半径が小さいアルカリ金
属は、トリガー線を設けた従来のメタルハライドランプ
の構成(図11参照)では、石英ガラス中を移動して、
発光管の外部へ漏れ出してしまうものである。すなわ
ち、トリガー線を設けた従来のメタルハライドランプで
は、金属ハロゲン化物としてアルカリ金属ハロゲン化物
を用いることは、ランプ寿命の観点から困難であった。
【0035】発光管1内に設けられた電極3a、bは、
タングステン電極である。電極3a、bの電極間距離
は、例えば3.7mmとなるように設定されている。一
対の電極3a、bは、電極封止部2a、b内に設けられ
た金属箔4a、bを介して、外部リード線5a、bに接
続されている。本実施形態では、電極封止部2a、b
は、石英ガラスから構成されており、ピンチシール構造
を有している。その断面外形は、図3に示すように略矩
形である。なお、より高い封止耐圧を確保する場合に
は、電極封止部2a、bをシュリンクシール構造にして
もよい。その場合には、断面外形は、例えば略円形にな
る。
【0036】一対の電極3a、bに電気的に接続された
外部リード線5a、bは、配線9a、bを介して、安定
器6を含む点灯回路(駆動装置)11に電気的に接続さ
れている。点灯回路11は、始動用の高圧パルス電圧
(始動電圧)、および点灯用の駆動電圧(点灯電圧)を
出力することができ、電源7に電気的に接続されてい
る。より詳細には、点灯回路11は、ランプの始動時に
は、高圧パルス電圧を出力し、その後、点灯動作中に
は、所定値以上の電流がメタルハライドランプ10に流
れないように電流を制御するように構成されている。本
実施形態では、ランプの始動時に、例えばタイマ(不図
示)によって設定される所定の時間だけ20kVの高圧
パルス電圧を出力する一方、点灯動作中には、周波数が
150Hzで65V、0.54Aの電圧および電流を出
力し、それにより、メタルハライドランプ10を35W
のランプ電力で点灯させるようにしている。
【0037】トリガー線8は、一対の電極間3a、bに
始動電圧が印加されたときに、電極3bと導通状態にな
るように構成されている。言い換えると、トリガー線8
は、始動電圧が印加されたときに、電極3bとの関係が
絶縁状態から導通状態に変化する。本実施形態では、図
2に示すように、トリガー線8の他端8bは、外部リー
ド線5bに対して絶縁状態(空気絶縁)で近接して配置
されており、両者(8b、5b)の間には、絶縁体とし
ての空気20が存在している。このような構成により、
点灯回路11から外部リード線5a、bに所定の電圧
(高圧パルス電圧)が印加されたときに、トリガー線8
の他端8bと外部リード線5bとの間で絶縁破壊が起こ
り、他端8bと外部リード線5bとは同じ電位になる。
つまり、始動電圧が印加されたときのみ、トリガー線8
は、外部リード線5bを介して電極3bと導通状態にな
る。トリガー線8の他端8bと外部リード線5bとの間
隔dは、例えば3mm未満、好ましくは1mm程度であ
る。トリガー線8の他端8bと外部リード線5bとの間
隙を保つには、例えば絶縁性の固定部材によってトリガ
ー線8の他端8bと外部リード線5bとを固定するよう
にすればよい。
【0038】なお、空気20による絶縁に限らず、トリ
ガー線8の他端8bと外部リード線5bとの間隙を真空
状態にして絶縁してもよい。さらに、図4に示すよう
に、外部リード線5bに絶縁テープ21を巻き付けた構
成にしてもよい。この構成では、テープ21の巻数によ
って、間隔dを簡便に調整することが可能となる。ま
た、図5に示すように、外部リード線5bにセラミック
筒22をかぶせ、その外周に他端8bを1回程度巻き付
ける構成にしてもよい。これらの場合でも、空気絶縁の
場合と同じような間隔dにすればよい。
【0039】トリガー線の一端8aは、図3に示すよう
に、発光管1と封止部2aとの間の領域に巻き付けられ
ている。換言すると、メタルハライドランプ10は、発
光管1側の封止部2aの端部(根本付近)にトリガー線
8の巻付け部8aを有している。本実施形態では、トリ
ガー線8の一端8aと、電極封止部2a中に封止された
電極3aとは、電極封止部2aの石英ガラスを介して約
1mm(最短距離)で近接配置されている。
【0040】次に、図6も参照しながら、本実施形態の
メタルハライドランプ10の動作を説明する。図6
(a)は、トリガー線8に流れる電流波形を模式的に示
したグラフであり、図6(b)は、一対の電極3a、b
間に印加される電圧波形を模式的に示したグラフであ
る。
【0041】まず、ランプの始動時(T1)には、20
kVの高圧パルス電圧が点灯回路11から出力され、図
6(b)に示すように、電極3a、b間に印加される。
外部リード線5bとトリガー線8の他端8bとの間隔d
は比較的狭く(例えば1mm程度)設定されているた
め、高圧パルス電圧が印加されると、その間の絶縁が破
壊され、図6(a)に示すように、トリガー線8は電極
3bと同電位になる。これにより、トリガー線8の一端
8aと電極3aとの間の付近には、電極3a、b間より
も電位傾度の大きな電界が発生する。このため、発光管
1内でXeガスの絶縁破壊が促進され、電極3a、b間
の絶縁破壊も生じやすくなり、その結果、メタルハライ
ドランプ10の点灯(放電)が確実に開始されるように
なる。
【0042】この点灯状態は、一旦開始されると、電圧
を低下させても、安定して維持される。すなわち、図6
(b)に示すように点灯回路11からの高圧パルス電圧
の出力を停止した後、周波数が150Hzで65V、
0.54Aの電圧および電流を出力するようになっても
(T2)、点灯状態は安定して維持される。一方、図6
(a)に示すように、ランプ安定点灯時(T2)には、
トリガー線8の電位は浮遊状態になる。すなわち、ラン
プ安定点灯時(T2)における低い電圧が点灯回路11
から出力される状態では、トリガー線8の他端8bと外
部リード線5bとの間では絶縁破壊は生じず、それゆ
え、両者は絶縁状態になって、トリガー線8の電位は浮
遊状態となる。このため、ランプ点灯中にトリガー線8
が発光管1内の電界に影響を与えることはほとんどな
く、それゆえ、発光管1内の発光物質がトリガー線8の
方向に引き寄せられて発光管1の内部から外部に漏れ出
すことを防止することができる。
【0043】本実施形態の構成では、トリガー線8(特
に、一端8a)を設けていることにより、20kV程度
の比較的低い高圧パルス電圧でもメタルハライドランプ
10を確実に始動させることができるので、点灯回路1
1の小型化や製造コストの低減を容易に図ることがで
き、それに加えて、トリガー線8を他端8bのように構
成しているので、ランプ点灯中にはトリガー線8による
電界が発生せず、それゆえ、当該電界の影響によって生
じる発光物質の漏れ出しを防止することができる。その
結果、発光物質の減少による色変化や、ランプ電圧の上
昇変化の発生を防止することができ、安定した特性で長
い寿命を有するメタルハライドランプ10を実現するこ
とができる。
【0044】次に、ランプを始動させるために必要な高
圧パルス電圧(ブレークダウン電圧)について説明す
る。
【0045】トリガー線8が設けられた本実施形態1の
メタルハライドランプ10と、トリガー線8が設けられ
ていないメタルハライドランプとのそれぞれについて、
本願発明者は、ブレークダウン電圧を測定した。トリガ
ー線8が設けられていないメタルハライドランプは、ト
リガー線8が無い点以外は、メタルハライドランプ10
と同様の構成を有している。
【0046】ブレークダウン電圧の測定は、次のように
して行った。メタルハライドランプに高圧パルス電圧を
印加して点灯を開始する際、電極3a・3b間で絶縁破
壊が生じて放電が開始されると、ランプが点灯したその
瞬間に電極間電圧は急激に下がることを利用して、その
時のピーク電圧を絶縁破壊に必要なブレークダウン電圧
として測定した。なお、測定を繰り返し行う場合には、
温度の影響を排除するために、消灯後15分以上放置し
た後、メタルハライドランプ10が充分に冷えた状態で
再始動を行うようにした。
【0047】ブレークダウン電圧の測定結果を下記表1
に示す。トリガー線8を設けた構成の場合、その他端8
bと外部リード線5bとの間隔dは1mmとした。な
お、表1には、後述する実施形態2にかかるメタルハラ
イドランプについての測定結果も示してある。
【0048】
【表1】
【0049】表1に示すように、ブレークダウン電圧
は、トリガー線8が設けられていない場合には20.8
kVであるのに対し、トリガー線8が設けられることに
より、12.3kVと大幅に低く抑えることができる。
ブレークダウン電圧が15kV程度以下であれば、通常
使用する条件下において、確実に始動させることができ
る。ランプや安定器の環境温度、ランプ自体の温度、発
光管内における金属ハロゲン化物の位置(濃度分布)、
および電極の状態等に応じて生じる±30%程度の変動
を考慮しても、20kV程度以下の高圧パルス電圧を点
灯回路11にて印加すればよい。20kV程度以下の高
圧パルス電圧を発生する点灯回路11は、回路の小型化
や低コスト化を容易に図ることができ、現在の市場にお
ける実用性が大きい。
【0050】トリガー線8が設けられていないメタルハ
ライドランプの場合、測定したブレークダウン電圧は2
0.8kVであるため、20kVを超える高圧パルス電
圧を印加させる必要がある。そのような非常に高い高圧
パルス電圧を発生する点灯回路は、特別な仕様にしなけ
ればならず、かつ、高耐圧の部材を使用するため回路構
成が大型化し、そしてコストも高くなってしまう。その
ため、そのようなメタルハライドランプは、市場におけ
る実用性は小さくなる。
【0051】次に、トリガー線8の他端8bと、外部リ
ード線5bとの間隔について説明する。本願発明者は、
本実施形態のメタルハライドランプ10におけるトリガ
ー線8の他端8bと外部リード線5bとの間隔d(最短
距離)を0.5mm〜4mmの範囲で種々に設定し、上
記のように、15kVの高圧パルス電圧を印加して始動
するテストを行った。始動テストの結果を、下記表2に
示す。このテストは、図4に示したように絶縁テープ2
1を設けた構成で行った。
【0052】
【表2】
【0053】表2に示すように、トリガー線8の他端8
bと外部リード線5bとの間隔dが3mm未満(例え
ば、2.5mm〜0.5mm)の場合には、ランプは確
実に始動した。しかし、3mm以上の場合には、始動し
なかった。始動したかった理由は、間隔dが大きいと、
絶縁破壊が生じず、トリガー線8が外部リード線5bと
同電位にならないことによるものと考えられる。通常の
一般的なランプにおいては、間隔dを3mm未満に設定
することにより、始動性を良好にすることができるが、
これに限らず、間隔dは適宜、各種条件に応じて設定す
ればよい。例えば、トリガー線8の配置や、絶縁体の種
類、電極3a、b間の距離、印加電圧などに応じて、高
圧パルス電圧が印加されたときにだけ絶縁破壊が生じる
ように適宜設定すればよい。
【0054】なお、トリガー線8の他端8bは、外部リ
ード線5bに近接させるのに限らず、配線9bなど、始
動時の高電圧が印加される部分に近接させるようにして
もよい。また、トリガー線8の端部に限らず、それ以外
の中央部を近接させるようにしてもよい。
【0055】次に、ランプの寿命について説明する。本
願発明者は、トリガー線8の他端8bが外部リード線5
bに近接するように配置された本実施形態のメタルハラ
イドランプ10(図1参照)と、トリガー線108が一
方の外部リード線105bに接続され、ランプの点灯中
も常に一方の電極103bと同電位になるメタルハライ
ドランプ(比較例;トリガー線108の構成は図11参
照)とについてランプ寿命の試験を行った。両ランプの
封入物の構成は、同じにしてある。寿命試験は、両ラン
プとも250時間点灯させて、トリガー線の影響を調べ
た。寿命テストの結果を下記表3に示す。表3は、それ
ぞれのランプについて10回の寿命テストをしたうちの
代表的な例を挙げている。
【0056】
【表3】
【0057】表3に示すように、比較例のメタルハライ
ドランプでは、250時間の点灯後に、大幅な色温度の
変化(4000K→6500K)が見られ、そしてラン
プ電圧の上昇(60V→120V)が生じた。色温度が
4000Kから6500Kまで大きく色変化したランプ
は、自動車の前照灯用としては使用できない不良ランプ
になる。また、発光管が白濁して透明性を失う失透現象
も観察された。さらに、光束維持率は50%に低下し
た。
【0058】このような大幅な性能低下が生じるのは、
比較例の構成の場合、ランプの点灯中にも、トリガー線
108と電極103bとが同電位になっているからであ
ると考えられる。すなわち、ランプの点灯中でも、トリ
ガー線108は電極103bと同電位となっているた
め、トリガー線108の一端108aと電極103aと
の間に電位傾度の大きな電界が形成される。このため、
発光管内のイオン化した発光物質がトリガー線108に
引き寄せられて、特にイオン半径が小さく石英ガラス中
を移動し得るナトリウムなどが発光管101の外部へ漏
れ出してしまう。その結果、大幅な性能低下が生じる。
また、ナトリウムなどが石英ガラス中を移動する際に石
英ガラスのアモルファス構造を破壊するため、石英ガラ
スの白濁、失透も引き起こされる。
【0059】これに対して、本実施形態のメタルハライ
ドランプ10では、ランプの点灯中において、トリガー
線8の電位は浮遊状態となるため、上記のような電位傾
度の大きな電界が形成されず、発光物質が漏れ出さな
い。その結果、色温度の変化や、ランプ電圧の上昇、お
よび光束維持率の低下はほとんど生じず、発光管1の失
透も生じない。したがって、長いランプ寿命を得ること
ができる。
【0060】本実施形態では、始動電圧が印加されたと
きに、トリガー線8と電極3bとが絶縁状態から導通状
態になるように構成されているため、ブレークダウン電
圧の低下を達成できるとともに、ランプの特性変化を防
止することができる。その結果、ランプ寿命の長いメタ
ルハライドランプ10を提供することができる。より詳
細に述べると、始動時には、トリガー線8が電極3bと
導通状態になることで、トリガー線8と電極3aとの間
に形成される電界の影響によって、一対の電極3a、b
間での放電が生じやすくなるため、比較的低い電圧でも
容易に始動させることができる。しかも、トリガー線8
と電極3bとの導通状態は、始動時のみであり、点灯中
には、トリガー線8の付近に大きな電界が生じることは
ないので、発光管1内でイオン化した封入物(例えば、
ナトリウムイオン)がトリガー線8に引き寄せられるこ
とはなく、発光管1の管壁中を移動して外に漏れ出すこ
とがない。それゆえ、長時間点灯させても、封入物の減
少やイオンが発光管の管壁中を移動する際のアモルファ
ス構造の破壊などが生じることはない。したがって、色
温度の変化や、ランプ電圧の上昇、光束維持率の低下、
発光管の失透などを招くことなく、長いランプ寿命を得
ることができる。
【0061】また、本実施形態では、トリガー線8に外
部リード線5bとの近接部分(8b)を設けて、始動時
に始動電圧(高圧パルス電圧)を印加すれば、絶縁破壊
によりトリガー線8に高電圧が印加されるようにしたた
め、簡便な構成にて、ブレークダウン電圧の低下および
ランプの特性変化防止の効果を得ることができる。
【0062】なお、トリガー線8に高電圧を印加するに
は、絶縁破壊を利用した構成に限らず、例えば、バイメ
タルのようなスイッチング素子を用いた構成を採用して
も良い。つまり、スイッチング素子を用いて、始動時に
だけ、トリガー線8に高圧電源が接続されるようにする
構成などを採用しても良い。
【0063】ただし、バイメタルを用いた場合には、ラ
ンプの再点灯の際に、点灯前のランプの温度の影響を受
けて、良好にスイッチング動作をしない可能性があるた
め、簡便な構成という利点に加えて、確実に動作させる
という観点からも、上述した絶縁破壊を利用した構成の
利点は大きいといえる。本実施形態では、始動時のトリ
ガー線8の電位は、電極3bと同電位となるようにした
が、これに限らず、必ずしも電極3bと同電位でなくて
もよい。一端8aと電極3aとの間に形成される電界に
よって、電極3a、b間の放電を開始させ得る電位であ
ればよい。 (実施形態2)図7および図8を参照しながら、本発明
による実施形態2を説明する。図7は、本実施形態にか
かる高輝度放電灯点灯装置の回路構成を模式的に示して
いる。
【0064】図7に示した高輝度放電灯点灯装置は、メ
タルハライドランプ13と、メタルハライドランプ13
を点灯する点灯回路12とを有している。本実施形態の
構成は、上記実施形態1の構成と同様に、ランプ13に
巻きつけられたトリガー線8に始動時にだけ高圧パルス
電圧が印加されるものである。しかし、本実施形態で
は、始動時の高圧パルス電圧をトリガー線8だけに印加
し、ランプの一対の電極3a、b間には始動時にも点灯
時と同じ電圧(駆動電圧)を印加するように構成してい
る点が上記実施形態1と異なる。また、高圧パルス電圧
の印加は、外部リード線5bとの間の絶縁破壊によって
行われるのではなく、点灯回路(駆動回路)12の制御
によって行われる点が異なる。他の点については上記実
施形態1と同様であるので説明を省略または簡略化す
る。
【0065】図7に示した点灯回路12は、上記実施形
態1の点灯回路11と比べて、ランプ点灯用の駆動電圧
と、始動用の高圧パルス電圧とが独立して出力される点
が大きく異なる。すなわち、ランプ点灯用の電圧は、電
源7から点灯回路12の安定器6を介して出力されるよ
うになっている。一方、始動用の高圧パルス電圧は、電
源7の電圧が昇圧トランス130によって昇圧され、リ
レー120を介して出力されるようになっている。リレ
ー120は、タイマ回路110の制御によって、始動開
始後、所定の時間(例えば1秒間)だけ、オン状態にな
るようにされている。
【0066】メタルハライドランプ13は、上記実施形
態1のメタルハライドランプ10と同様に、一端8aが
電極封止部2aの根本に巻き付けられたトリガー線8を
備えている。しかし、トリガー線8の他端8bは、外部
リード線5bに近接して設けられるのではなく、配線1
00を介して、点灯回路12のリレー120に電気的に
接続されている。また、外部リード線5a、bは、それ
ぞれ、点灯回路12の安定器6に電気的に接続されてい
る。
【0067】次に、図8も参照しながら、本実施形態の
動作を説明する。図8(a)は、トリガー線8に印加さ
れる電圧波形を模式的に示したグラフであり、図8
(b)は、一対の電極3a、b間に印加される電圧波形
を模式的に示したグラフである。
【0068】図8(a)および(b)に示すように、ラ
ンプの始動時(T1)には、安定器6から出力される駆
動電圧(例えば65V)が外部リード線5a、b間に印
加された状態で、昇圧トランス130から出力される高
圧パルス電圧(例えば20kV)がトリガー線8に印加
される。これにより、発光管1の内部におけるトリガー
線8の一端8a付近に、電位傾度の大きな電界が発生
し、Xeガスの絶縁破壊が促進されるため、より低い始
動電圧で、外部リード線5a、b間に印加された駆動電
圧による放電が開始され、ランプが点灯する。
【0069】始動開始後、1秒間経過すると、タイマ回
路110の制御によってリレー120がオフ状態にな
り、トリガー線8の電位は浮遊状態となる(T2)。そ
れゆえ、上記実施形態1と同様に、点灯中にはトリガー
線8と放電電極との間に電位傾度の大きな電界は形成さ
れず、発光物質が漏れ出さない。このため、色温度の変
化や、ランプ電圧の上昇、光束維持率の低下はほとんど
生じず、加えて、発光管1の失透も生じない。したがっ
て、長いランプ寿命を得ることができる。また、本実施
形態の構成では、一対の電極3a、b間には高圧パルス
電圧は印加されないので、始動時における電極の溶融変
形や蒸発による消耗などの損傷を防止または低減するこ
とができる。
【0070】本実施形態のメタルハライドランプ13に
ついても、実施形態1と同様に、ブレークダウン電圧の
測定を行ったところ、上記表1に併せて示したように、
12.2Vであった。すなわち、トリガー線が設けられ
ていないメタルハライドランプに比べて、ブレークダウ
ン電圧を大幅に低下できることがわかった。また、寿命
テストを行ったところ、実施形態1のメタルハライドラ
ンプ10と同様に、発光物質であるナトリウム等のアル
カリ金属などが発光管1の内部から外部へ漏れ出す現象
は確認されず、安定した特性で長いランプ寿命が得られ
ることがわかった。
【0071】図7に示した構成は、図9に示す構成に改
変することも可能である。図9は、実施形態2の改変例
の回路構成を示している。
【0072】図9に示した構成では、高圧パルス電圧を
始動時にだけ印加するためのリレー120の制御を、タ
イマ回路110に代えて、ランプの点灯が開始されたこ
とを検出する点灯検知手段150を用いて行うようにし
ている。点灯検知手段150としては、例えば、ランプ
電流を検出する電流検知器を用いることができる。具体
的な動作を説明すると、トリガー線8への高圧パルスの
印加によって放電電極間の放電が開始され、次いで、例
えば0.3A以上のランプ電流が電流検知器150によ
って検知されると、リレー120をオフ状態にして、ト
リガー線8に高圧パルス電圧が印加されなくなる。
【0073】また、図10に示すように、点灯検知手段
として、ランプ電圧を検出する電圧検知器151を用
い、それによって、リレー120を制御するように点灯
回路12を構成してもよい。放電電極間で放電が開始さ
れていないときは、安定器6からの出力電圧は、所定の
開放電圧(例えば350V)となり、放電が開始される
と、例えば65V程度のランプ電圧になる。この電圧の
変化を利用して、点灯の有無を検出することによって、
始動時にだけトリガー線8に高圧パルス電圧を印加する
ようにすることができる。また、点灯の有無を検出する
ためには、光センサなどを用いるようにしてもよい。
【0074】なお、上記各実施形態においては、発光管
1が石英ガラスから構成された例を示したが、これに限
らず、セラミック材料から構成されたものを用いてもよ
い。ただし、セラミック材料から構成された発光管は、
石英ガラスから構成されたものと比べると、いわゆる、
すりガラス状になっているため、点光源が得にくいとい
う問題がある。すなわち、すりガラス状のセラミック発
光管では、発光管全体が光るため、点光源を得るのが困
難であるからである。それゆえ、自動車前照灯等の点光
源が求められる用途では、石英ガラスの発光管を用いる
ことが好ましい。
【0075】また、メタルハライドランプを例に挙げて
説明したが、これに限らず、同様の放電メカニズムを有
する種々の高輝度放電灯(例えば、高圧水銀ランプ)に
ついて適用可能である。すなわち、ナトリウム等の発光
物質の抜けを防止できるという観点からは、メタルハラ
イドランプに適用するのが効果が大きいが、高圧水銀ラ
ンプ、高圧ナトリウムランプ等の他の高輝度放電灯(H
ID)にも好適に適用可能である。
【0076】なお、上記実施形態における、キセノンガ
ス圧、発光管1の内容積、電極間距離、スカンジウムの
沃化物やナトリウムの沃化物などの金属ハロゲン化物の
組み合わせ等は、例示である。よって、例えば、発光管
1の内容積は0.025ccに限られることはないし、
電極間距離は3.7mmに限定されず、そして、金属ハ
ロゲン化物として他の組み合わせのものを用いても良
い。始動を補助する目的でキセノンガスを発光管1内に
封入した構成としたが自動車前照灯への利用を考慮する
と希ガスはキセノンガスが好適であるだけで、希ガスは
キセノンガス以外の希ガス、例えばアルゴンガスでも良
い。同様に、ランプ電力も35Wに限られることはな
い。上記実施形態の高輝度放電灯は、自動車前照灯用だ
けでなく、勿論、一般照明用を始め、他の用途にも使用
可能である。例えば、液晶やDMDを用いたプロジェク
タ等のような画像投写装置用の光源としても使用でき
る。さらに、競技スタジアム用や、道路標識を照らす投
光器用としても使用することができる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、一対の電極間に始動電
圧が印加されたときに、一方の電極と導通状態になるよ
うにトリガー線が構成されているので、ブレークダウン
電圧の低下を達成できるとともに、ランプの特性変化を
防止することができる。その結果、トリガー線を備えた
高輝度放電灯のランプ寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による実施形態1にかかるメタルハライ
ドランプの構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1中の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】図1中の線III−IIIに沿った断面図である。
【図4】実施形態1のメタルハライドランプの改変例の
要部拡大断面図である。
【図5】実施形態1のメタルハライドランプの改変例の
要部拡大断面図である。
【図6】(a)は、トリガー線に流れる電流波形を模式
的に示したグラフであり、(b)は、一対の電極間に印
加される電圧波形を模式的に示したグラフである
【図7】実施形態2の高輝度放電灯点灯装置の構成を模
式的に示す図である。
【図8】(a)は、トリガー線に印加される電圧波形を
模式的に示したグラフであり、(b)は、一対の電極間
に印加される電圧波形を模式的に示したグラフである。
【図9】実施形態2の高輝度放電灯点灯装置の改変例の
構成を模式的に示す図である。
【図10】実施形態2の高輝度放電灯点灯装置の改変例
の構成を模式的に示す図である。
【図11】従来のメタルハライドランプの構成を示す断
面図である。
【符号の説明】
1 発光管 2a、b 電極封止部 3a、b 電極 4a、b 金属箔 5a、b 外部リード線 6 安定器 7 電源 8 トリガー線 8a トリガー線の一端 8b トリガー線の他端 9a、b 配線 10、13 メタルハライドランプ 11、12 点灯回路 110 タイマ回路 120 リレー 130 昇圧トランス 150 電流検知器(点灯検知手段) 151 電圧検知器(点灯検知手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹田 守 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 桐生 英明 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 村瀬 隆幸 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−84504(JP,A) 特開 平5−54983(JP,A) 特開 平6−333684(JP,A) 特開 平11−111230(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05B 41/231 H01J 61/54

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 管内に一対の電極が対向して設けられた
    発光管と、 前記発光管の外周に設けられ、導電性材料から構成され
    たトリガー線とを備え、 前記トリガー線の一部は、一方の電極と電気的に接続さ
    れた外部リード線に対し、絶縁テープを介して絶縁状態
    で近接して配置されており、 始動電圧が印加されたときのみ、前記トリガー線の前記
    一部と前記外部リード線とは前記絶縁テープを介して
    縁破壊を起こして導通状態になる、高輝度放電灯。
  2. 【請求項2】 前記トリガー線の前記一部は、前記外部
    リード線と2.5mm以下の距離で近接されて配置され
    ている、請求項1に記載の高輝度放電灯。
  3. 【請求項3】 前記発光管から延在し、前記一対の電極
    の端部を封止する一対の封止部をさらに備え、 前記一対の封止部のうちの前記一方の電極と異なる他方
    の電極の端部を封止する封止部と前記発光管との間の領
    域に、前記トリガー線は巻き付けられている、請求項1
    または2に記載の高輝度放電灯。
  4. 【請求項4】 前記発光管は、石英ガラスから構成され
    ている、請求項1からの何れか一つに記載の高輝度放
    電灯。
  5. 【請求項5】 前記発光管内には、発光物質として金属
    ハロゲン化物が封入されており、 前記金属ハロゲン化物は、アルカリ金属ハロゲン化物を
    含んでいる、請求項1からの何れか一つに記載の高輝
    度放電灯。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ金属ハロゲン化物は、ナト
    リウムハロゲン化物である、請求項に記載の高輝度放
    電灯。
  7. 【請求項7】 前記高輝度放電灯は、無水銀メタルハラ
    イドランプである、請求項1からの何れか一つに記載
    の高輝度放電灯。
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