JP4048376B2 - 放電ランプ及びプロジェクター - Google Patents

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Description

本発明は、放電ランプとそれを備えるプロジェクターに関し、特に内部に水銀が封入された高圧放電ランプとそれを備えるプロジェクターに関する。
照明用光源や液晶プロジェクターの光源として利用される放電ランプとして、メタルハライドランプや超高圧水銀ランプが知られている。メタルハライドランプは、水銀と金属ハロゲン化物(メタルハライド)が封入された発光管を有し、それらの蒸気の中で放電を発生させることにより発光する。超高圧水銀ランプは、発光管に封入された金属が主に水銀であること、又、発光管内部の圧力(内圧)が点灯時で100気圧以上であることなどの特徴を有する。水銀ランプをある一定以上の内圧で点灯させると、連続光成分(可視光)が増大し、演食性が向上する。発光効率、演色性、光源サイズ、維持寿命などの理由から、超高圧水銀ランプは、プロジェクター(投射装置)の光源として理想的である。
図1は、特許文献1に開示された公知の放電ランプの構成を示す概略図である。この放電ランプは、一対の電極101及び102と、封入物を有する発光管とを備える。また、この放電ランプは、選択的付着手段103と、放電ランプを始動させる点灯回路とを更に備える。この選択的付着手段103は、消灯時に封入物を一対の電極の一方のみに選択的に付着させる。図1においては、保温膜のような選択的付着手段103が電極101に対応する部分に設けられる。これにより、消灯後、電極102の温度は、電極101の温度より早く降下する。よって、発光管の中の封入物は、付着物Dとして、電極102に選択的に付着する。
このような放電ランプにおいて、点灯回路は、放電ランプの始動時に、「付着物Dの存在する電極102」から「付着物の存在しない電極101」に向く電界Eを発生させる(図1を参照)。このような電界Eにより加速された電子は、発光管内部の封入物を電離させる(α作用)。α作用によって生じた正イオンは、電界Eにより加速され、付着物Dの存在しない電極101に衝突し、これにより電極101から2次電子が発生する(γ作用)。つまり、電界Eは上記のような向きに発生するので、γ作用に基づく電子の発生が付着物Dにより邪魔されない。従って、特許文献1に記載の放電ランプによれば、放電を開始するための電圧(始動電圧)を低くすることが可能となる。
また、特許文献2に開示された公知の放電ランプは、発光管と、発光管の最冷部に装着された金属製の保温部材と、この保温部材に電流を流し加熱する手段とを備える。このような放電ランプにおいて、金属製の保温部材は、放電の始動時に、この加熱手段によって加熱される。これにより、発光管の最冷部の温度は速やかに上昇し、ランプの立ち上がり時間が短縮される。
発光管における放電開始時、電極の周辺で放電の集中(以下、放電集中と参照される)が発生すると、急激に発生する熱によりその電極が溶融し、電極物質が近傍の発光管(ガラス)の内壁に飛散する。飛散した電極物質のガラスへの付着は、発光管の黒化の原因となる。又、電極物質のガラス内面への付着は、そのガラス内面の失透(ガラスの変質による白濁)の発生を加速させる。特に、近年、使用材料の高純度化や製造工程での不純物混入の低減化により、超高圧水銀ランプは、より小型化され、又、より高輝度の光を出力できるようになってきた。ランプの小型化により、発光管内部の空間は以前より狭くなり、電極と発光管内壁は以前より接近してきた。また、ランプの高出力化により、放電開始時の立ち上がり電流が大きくなってきた。発光管における黒化や失透の発生を抑制し、輝度維持率悪化を防止する技術が望まれている。
特開平10−116590号公報 特開平3−285253号公報
本発明の課題は、発光管における放電開始時、電極端部での放電集中の発生を防止することができる放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターを提供することにある。
本発明の他の課題は、発光管の黒化・失透の発生、及び早期輝度低下を抑制することができる放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターを提供することにある。
本発明の更に他の課題は、長寿命の放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターを提供することにある。
以下に、[発明を実施するための最良の形態]で使用される番号・符号を用いて、[課題を解決するための手段]を説明する。これらの番号・符号は、[特許請求の範囲]の記載と[発明を実施するための最良の形態]との対応関係を明らかにするために括弧付きで付加されたものである。ただし、それらの番号・符号を、[特許請求の範囲]に記載されている発明の技術的範囲の解釈に用いてはならない。
本発明の放電ランプ(10)は、内部に放電物質(21)が封入された発光管(20)と、発光管(20)内部に配置された一対の電極(11、12)と、一対の電極(11、12)の温度を制御する温度制御機構(30、30a、30b、31、35)とを備える。発光管(20)における放電の停止後、この温度制御機構(30、30a、30b、31、35)により、一対の電極(11、12)のうち一方の第一電極(11)の温度は、他方の第二電極(12)の温度より高くなる。また、発光管(20)における放電の開始時、第一電極(11)から第二電極(12)の方向に電界が発生する。
このような構成の放電ランプ(10)において、放電の停止後、放電物質(21)は第二電極(12)に多く付着する。また、放電ランプ(10)の始動時、放電現象は第二電極(12)の周辺から始まるが、この第二電極(12)に付着した付着物(23)により、第二電極(12)の端部で放電集中が発生することが防止される。更に、放電始動時に電極温度を急激に上昇させるエネルギーは、この付着物(23)を蒸発させるエネルギーとして使われる。従って、電極を構成する物質が近傍の発光管(20)の内壁に飛散することが抑止される。すなわち、発光管(20)の黒化及び失透が抑制される。これらのことにより、放電ランプ(10)の早期輝度低下が抑制され、その維持寿命は長くなる。
本発明の放電ランプ(10)において、この温度制御機構(30、30a、30b、31、35)は、第一電極(11)の温度を保つ保温機構(30、30a、30b、31)を含む。この保温機構(30、30a、30b、31)は、第一電極(11)の周囲に配置された耐熱部材を含む。この耐熱部材(30a)は、第一電極(11)の周囲にコイル状に形成されてもよい。また、この耐熱部材(30b)は、第一電極(11)の周囲にリング状に形成されてもよい。また、耐熱部材(30、30a、30b)は、セラミックにより形成されてもよい。あるいは、耐熱部材(30、30a、30b、31)は、耐熱性の金属により形成されてもよい。耐熱部材が金属により形成されている時、この金属製の耐熱部材(31)は、第二電極(12)に電気的に接続されてもよい。この時、金属製の耐熱部材(31)は、始動補助導体(近接導体)の役割を果たす。
本発明の放電ランプ(10)において、温度制御機構(30、30a、30b、31、35)は、第一電極(11)を加熱する加熱機構を含んでもよい。また、温度制御機構(30、30a、30b、31、35)は、第二電極(12)を冷却する冷却機構(35)を含んでもよい。この場合も、上述の保温機構(30、30a、30b、31)の場合と同様な効果が得られる。
本発明の放電ランプ(10)において、第一電極(11)及び第二電極(12)のそれぞれは、発光管(20)内部に導入された導電性棒(26)の先端にコイル状に形成される。また、放電物質(21)は水銀である。
本発明のプロジェクター(50)は、上記のような放電ランプ(10)を光源として備える。このプロジェクター(50)は、放電ランプ(10)が放射する光が通過するように配置された液晶パネル(54r、54g、54b)と、その液晶パネル(54r、54g、54b)を通過した光をスクリーン(57)に投射する投射レンズ(56)とを更に備えてもよい。また、このプロジェクター(50)は、放電ランプ(10)を冷却するランプ冷却機構(60)を更に備える。このランプ冷却機構(60)の冷却能力は、放電ランプ(10)の点灯中より放電ランプ(10)の消灯後の方が弱くなる。または、ランプ冷却機構(60)は、放電ランプ(10)の消灯後に停止する。これにより、本発明に係る放電ランプ10の効果が更に高まる。
本発明の放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターによれば、発光管における放電開始時、電極端部での放電集中の発生が防止される。
本発明の放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターによれば、発光管の黒化・失透の発生が抑制される。、及び早期輝度低下が抑制される。
本発明の放電ランプ及びそれを備えるプロジェクターによれば、発光管の早期輝度低下が抑制され、放電ランプの寿命が長くなる。
添付図面を参照して、本発明による放電ランプ及びそれを備えたプロジェクターを説明する。
図2は、本発明に係る放電ランプの構成を示す概略図である。ここでは、例えば、その放電ランプ10として、超高圧水銀ランプの構成が示される。本発明に係る放電ランプ10は、内部に放電物質が封入された発光管20と、一対の電極11、12とを備える。その発光管20は、石英ガラスにより形成される。また、その放電物質として、水銀21が発光管20の内部に封入されている。この発光管20内には、更に希ガス及びハロゲンが封入されてもよい。一方、一対の電極は、タングステンを主成分とする第一電極11と第二電極12とから構成され、それぞれの電極は、発光管20の内部に配置されている。
第一電極11及び第二電極12のそれぞれは、図2に示されるように、モリブデン棒26の先端に形成されてもよい。このモリブデン棒26は、モリブデン箔25を介して、ランプ外部に繋がるモリブデン棒27と接続される。放電時に必要な電流は、ランプ外部からこのモリブデン棒27に供給される。モリブデン箔25によって、ランプ外部に繋がるモリブデン棒27と、発光管20内部の第一、第二電極11、12との間の導通が確保される。同時に、このモリブデン箔25は、発光管20内部をランプ外部に対して気密に保つ役割も果たす。つまり、モリブデン箔25は、発光管20を構成する石英ガラスを密着封止している。
このような構成の放電ランプ10は、モリブデン棒27を介して、駆動部40に接続される。駆動部40により一対の電極11、12に電圧が印加されると、発光管内で蒸発した水銀21を通して放電現象(アーク放電)が発生する。このアーク放電により、輝線スペクトルと連続スペクトルを有した高輝度な光が放射される。この輝線スペクトルは、水銀(蒸気水銀)が、励起状態から基底状態又は準安定状態に戻る際に放出する光(エネルギー)に基づく。一方の連続スペクトルは、イオン化した水銀と自由電子が衝突し再結合する際に放出する光(エネルギー)に基づく。以下、本発明に係る放電ランプ10の構成を更に詳細に説明する。
本発明に係る放電ランプ10は、一対の電極11、12の温度を制御する温度制御機構を更に備える。例えば、この温度制御機構として、図2に示されるように、保温機構30が第一電極11の周囲に設けられる。この保温機構30は、第一電極11の温度を保つ役割を果たす。保温効果及びスペースの制約の観点から、保温機構30の大きさとして、20mm〜200mmが例示される。また、この保温機構30は、放電ランプ10から発生する熱によって溶けたり変形したりしないように、耐熱性の材料(耐熱部材)によって形成される。この耐熱部材の材料として、鋼のような耐熱性の金属や、セラミックが例示される。この保温機構30による効果を以下に示す。
タングステンを主成分とする電極11、12は熱容量が小さく、放電ランプ10が点灯状態から消灯状態に変わると、その電極11、12の温度は急速に低下する。その電極11、12の温度は、石英ガラスで形成される発光管20の温度よりも早く低下する。ここで、保温機構30が設置されたことによって、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも高くなる(下がりにくくなる)。その結果、放電ランプ10の点灯中は蒸発していた水銀21は、その消灯後、第二電極12に多く付着することになる。つまり、放電ランプ10の消灯後、図2に示されるように、液体状態の水銀である付着物23が、第二電極12の端部(根元)に形成される。
以上に示された放電ランプ10において、第一電極11は、放電開始時にプラスの電圧が印加されるように構成される。あるいは、第二電極12は、放電開始時にマイナスの電圧が印加されるように構成される。つまり、直流電圧で始動する場合は、第一電極11が陽極となり、第二電極12が陰極となる。交流電圧で始動する場合は、最初に第一電極11がプラス極性になる、あるいは最初に第二電極12がマイナス極性になる。これにより、放電ランプ10の始動時、図2に示されたような方向の電界E、すなわち「付着物23の存在しない第一電極11」から「付着物23の存在する第二電極12」に向く電界Eが、発光管20内部に発生する。
放電ランプ10の始動時、放電現象は、極性がマイナスとなる第二電極12から極性がプラスとなる第一電極11に向かって進行する。そして、この第二電極12周辺の放電は、第二電極12の根元(モリブデン箔26の方向)に対応する領域から始まり、第二電極12の先端(第一電極11の方向)に対応する領域に進行する。その後、発光管20内の放電は、交流駆動で行われる主放電へ移行する。以上のように構成された放電ランプ10の効果を以下に示す。
図3A、図3Bは、本発明に係る放電ランプ10の効果を説明するための図である。図3A及び図3Bにおいて、図2に示された部材と同一の部材には、同一の符号が付与され、その説明は適宜省略される。図3Aに示されるように、第一電極11及び第二電極12のそれぞれは、モリブデン棒26の先端に巻き線状(コイル状)に形成されている。この時、上記のように放電が開始する領域である第二電極12の根元には、巻き線の端部である切端部15が存在する。切端部15のような尖った部分が露出している場合、この切端部15には放電集中が発生し易い。しかしながら、前述のように、本発明に係る放電ランプ10は、第一電極11の温度を下がりにくくする保温機構30を備える。これにより、消灯時には、図3Bに示されるように、付着物23が第二電極12上に、特に第二電極12の切端部15を覆うように形成される。
この付着物(付着した水銀)23は、放電開始時に切端部15が露出することを防止する。すなわち、この付着物23によって、発光管20における放電開始時に、第二電極12の端部で放電集中が発生することが防止される。また、放電現象が第一電極11の方向へ移行することが遅れることが防止される。更に、放電始動時に電極温度を急激に上昇させるエネルギーは、この付着物23を蒸発させるエネルギーとして使われる。従って、電極を構成する物質(タングステン)が近傍の発光管20の内壁に飛散することが抑止される。すなわち、発光管(石英ガラス)20の黒化及び失透が抑制される。これらのことにより、放電ランプ10の早期輝度低下が抑制され、その維持寿命は長くなる。
(第一実施例)
図4は、本発明の第一実施例に係る放電ランプ10の構成を示す概略図である。図4において、図2に示された部材と同一の部材には、同一の符号が付与され、その説明は適宜省略される。第一実施例に係る放電ランプ10において、保温機構30は、第一電極11の周囲にコイル状に形成される。つまり、図4に示されるように、巻き線30aが、第一電極11に対応する位置の発光管20(発光管20の支持部)の外周に、密着して形成される。この巻き線30aは、例えば、発光管30の外周に十数ターン巻かれて形成される。
この巻き線30aの材料として、鋼のような耐熱性の金属が例示される。この場合、放電ランプ10の点灯中に発生した熱は、金属製の巻き線30aに吸収される。放電ランプ10の消灯後、点灯中に温められた巻き線30aによって、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも下がりにくくなる。また、この巻き線30aの材料として、セラミックが例示される。この場合、放電ランプ10の消灯後、保温・断熱性の優れたセラミックにより、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも下がりにくくなる。これにより、水銀の付着物23は、第二電極12上に、特に第二電極12の切端部15を覆うように形成され易くなる。
本願発明者らによって試行された比較実験であり、上記のような保温機構30がある場合とない場合における黒化の発生率を比較した比較実験の結果を以下に示す。この比較実験において、放電ランプ10を2時間45分点灯させた後、15分消灯させるという点滅サイクルが、8回繰り返された。また、保温機構30が有る条件と無い条件において、この比較実験はそれぞれ155回と165回行われた。その結果、保温機構30が無い場合、黒化の発生は25回の比較実験において確認されたのに対し、保温機構30がある場合、黒化の発生は全く確認されなかった。つまり、保温機構30が有る場合と無い場合において、黒化の発生率はそれぞれ15%と0%となった。
(第二実施例)
図5は、本発明の第二実施例に係る放電ランプ10の構成を示す概略図である。図5において、図2に示された部材と同一の部材には、同一の符号が付与され、その説明は適宜省略される。第二実施例に係る放電ランプ10において、保温機構30は、第一電極11の周囲にリング状に形成される。つまり、図5に示されるように、リング30bが、第一電極11に対応する位置の発光管20(発光管20の支持部)の外周に、密着して形成される。
このリング30bの材料として、鋼のような耐熱性の金属が例示される。この場合、放電ランプ10の点灯中に発生した熱は、金属製のリング30bに吸収される。放電ランプ10の消灯後、点灯中に温められたリング30bによって、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも下がりにくくなる。また、このリング30bの材料として、セラミックが例示される。この場合、放電ランプ10の消灯後、保温・断熱性の優れたセラミックにより、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも下がりにくくなる。これにより、水銀の付着物23は、第二電極12上に、特に第二電極12の切端部15を覆うように形成され易くなる。
尚、保温機構30として、上述のような耐熱性の金属やセラミックにより形成された部材に限られず、保温膜や耐熱接着剤が用いられてもよい。
(第三実施例)
図6は、本発明の第三実施例に係る放電ランプ10の構成を示す概略図である。図6において、図2に示された部材と同一の部材には、同一の符号が付与され、その説明は適宜省略される。第三実施例に係る放電ランプ10において、保温機構は、耐熱性の金属により形成された金属製保温機構31により構成される。金属製保温機構31の形状は、第一実施例で示されたようなコイル状でもよいし、第二実施例で示されたようなリング状でもよい。図6に示されるように、本実施例において、金属製保温機構31は、ワイヤー32によって第二電極12(第二電極12に接続されたモリブデン棒27)に電気的に接続される。このように構成された金属製保温機構31は、始動補助導体(近接導体)の役割を果たす。つまり、第一電極11に近接して配置された金属製保温機構31により、放電の始動が容易になり、また早められるという効果が得られる。
(第四実施例)
図7は、本発明の第四実施例に係る放電ランプ10の構成を示す概略図である。図7において、図2に示された部材と同一の部材には、同一の符号が付与され、その説明は適宜省略される。本発明に係る放電ランプ10において、温度制御機構として、冷却機構35が第二電極12の周囲に設けられてもよい。この冷却機構35は、第二電極12の温度を下げる役割を果たす。この冷却機構35として、放熱部材や、水冷・空冷式の冷却器が挙げられる。冷却機構35が設置されたことによって、放電ランプ10の消灯後、第二電極12の温度は、第一電極11の温度よりも低くなる。その結果、放電ランプ10の点灯中は蒸発していた水銀21は、その消灯後、第二電極12に多く付着することになる。つまり、放電ランプ10の消灯後、図3Bに示されるように、液体状態の水銀である付着物23が、第二電極12上に、特に第二電極12の切端部15を覆うように形成される。
このような構成において、放電ランプ10の始動時、前述の場合と同様に、「付着物23の存在しない第一電極11」から「付着物23の存在する第二電極12」に向く電界Eが、発光管20内部に発生する。この時、付着物23によって、第二電極12の端部で放電集中が発生することが防止される。また、放電現象が第一電極11の方向へ移行することが遅れることが防止される。更に、放電始動時に電極温度を急激に上昇させるエネルギーは、この付着物23を蒸発させるエネルギーとして使われる。従って、電極を構成する物質(タングステン)が近傍の発光管20の内壁に飛散することが抑止される。すなわち、発光管(石英ガラス)20の黒化及び失透が抑制される。これらのことにより、放電ランプ10の早期輝度低下が抑制され、その維持寿命は長くなる。
また、本発明に係る放電ランプ10において、保温機構30の代わりに、第一電極11を加熱する加熱機構が温度制御機構として設けられてもよい。この場合、ヒータのような加熱機構が、第一電極11の周囲に設けられる。加熱機構が設置されることにより、放電ランプ10の消灯後、第一電極11の温度は、第二電極12の温度よりも高くなるように保たれる。その結果、保温機構30が設置された場合と同様の効果が得られる。これら冷却機構35や加熱機構は、前出の保温機構30と共に用いられてもよい。
本発明に係る放電ランプ10は、その発光効率、演色性、点光源とみなせる光源サイズ、維持寿命などの理由から、プロジェクター(投射装置)の光源として用いられる。図8は、本発明に係る放電ランプ10を光源として備える液晶プロジェクターの構成を示す概略図である。図8において、プロジェクター50は、放電ランプ10と、駆動部40と、レンズ51と、ミラー52と、ダイクロイックミラー53と、赤液晶パネル54rと、緑液晶パネル54gと、青液晶パネル54bと、プリズム55と、投射レンズ56とを備える。
駆動部40から供給される電力により、上記の放電ランプ10において放電が発生し、光が放射される。放電ランプ10から放射された光は、レンズ51を通過し、ミラー52によって反射され、ダイクロイックミラー53に入射する。ダイクロイックミラー53は、可視光のある特定波長域の光を反射し、その他の波長域の光を透過させる。また、使用目的に応じて、反射波・透過波の波長は任意に設定される。このようなダイクロイックミラー53の組み合わせにより、放電ランプ10から放射された光(白色光)は、図8に示されるように、赤、緑、青の波長域の光にそれぞれ分解される。分解された赤、緑、青の光は、それぞれ赤液晶パネル54r、緑液晶パネル54g、青液晶パネル54bを通過する。液晶パネルを通過した光のそれぞれは、プリズム54によって集光される。集光された光は、投射レンズ56を通してスクリーン57に投射される。このように液晶パネルに入力された映像・画像は、光源である放電ランプ10からの光により、スクリーン57に投射される。尚、このような液晶プロジェクターは、透過型のものに限られず、反射型のものであってもよい。
本発明に係るプロジェクター50は、放電ランプ10を冷却するランプ冷却機構を更に備える。図8に示されるように、このランプ冷却機構として、冷却ファン60が例示される。この冷却ファン60は、その冷却能力が放電ランプ10の点灯中よりその消灯後の方が弱くなるように制御される。または、この冷却ファン60は、放電ランプ10の消灯後に停止するように制御される。例えば、消灯後30秒以内に運転を停止するように、この冷却ファン60は制御される。このように放電ランプ10の消灯後に冷却ファン60の冷却能力を弱めることによって、第二電極12の温度が、第一電極11や発光管20の内壁の温度と同じ、又はそれらより高くならないように制御される。これにより、本発明に係る放電ランプ10の効果が更に高まる。
以上に説明されたように、本発明に係る放電ランプ10及びそれを備えるプロジェクター50によれば、発光管20における放電開始時に、第二電極12の端部で放電集中が発生することが防止される。また、放電現象が第一電極11の方向へ移行することが遅れることが防止される。更に、電極を構成する物質が近傍の発光管20の内壁に飛散することが抑止される。すなわち、発光管(石英ガラス)20の黒化及び失透が抑制される。これらのことにより、放電ランプ10の早期輝度低下が抑制され、その維持寿命は長くなる。
図1は、従来の放電ランプの構成を示す概略図である。 図2は、本発明に係る放電ランプの構成を示す概略図である。 図3Aは、本発明に係る放電ランプによる効果を説明する図である。 図3Bは、本発明に係る放電ランプによる効果を説明する図である。 図4は、本発明の第一実施例に係る放電ランプの構成を示す概略図である。 図5は、本発明の第二実施例に係る放電ランプの構成を示す概略図である。 図6は、本発明の第三実施例に係る放電ランプの構成を示す概略図である。 図7は、本発明の第四実施例に係る放電ランプの構成を示す概略図である。 図8は、本発明に係るプロジェクターの構成を示す概略図である。
符号の説明
10 放電ランプ
11 第一電極
12 第二電極
15 切端部
20 発光管
21 水銀
23 付着物
25 モリブデン箔
26、27 モリブデン棒
30 保温機構
40 駆動部
50 プロジェクター
60 冷却ファン

Claims (14)

  1. 内部に放電物質が封入された発光管と、
    前記発光管内部に配置された一対の電極と、
    前記一対の電極の温度を制御する温度制御機構と
    前記一対の電極に電圧を印加することによって放電を開始させ、且つ、前記放電の始動後は交流駆動により主放電を発生させる駆動部と
    を具備し、
    前記一対の電極は、前記発光管内部へ導入された導電性棒の先端にそれぞれコイル状に形成された第一電極及び第二電極から構成され、
    前記発光管における放電の停止後、前記温度制御機構により、前記一電極の温度は前記第二電極の温度より高くなり、
    前記発光管における放電の開始時、前記駆動部は、前記第一電極がプラス極性となり前記第二電極がマイナス極性となるように、前記一対の電極に電圧を印加する
    放電ランプ。
  2. 請求項1に記載の放電ランプにおいて、
    前記温度制御機構は、前記第一電極の温度を保つ保温機構を含む
    放電ランプ。
  3. 請求項2に記載の放電ランプにおいて、
    前記保温機構は、前記第一電極の周囲に配置された耐熱部材を含む
    放電ランプ。
  4. 請求項3に記載の放電ランプにおいて、
    前記耐熱部材は、前記第一電極の周囲にコイル状に形成された
    放電ランプ。
  5. 請求項3に記載の放電ランプにおいて、
    前記耐熱部材は、前記第一電極の周囲にリング状に形成された
    放電ランプ。
  6. 請求項3乃至5のいずれかに記載の放電ランプにおいて、
    前記耐熱部材は、セラミックにより形成される
    放電ランプ。
  7. 請求項3乃至5のいずれかに記載の放電ランプにおいて、
    前記耐熱部材は、耐熱性の金属により形成される
    放電ランプ。
  8. 請求項7に記載の放電ランプにおいて、
    金属製の前記耐熱部材は、前記第二電極に電気的に接続される
    放電ランプ。
  9. 請求項1乃至8のいずれかに記載の放電ランプにおいて、
    前記温度制御機構は、前記第一電極を加熱する加熱機構を含む
    放電ランプ。
  10. 請求項1乃至9のいずれかに記載の放電ランプにおいて、
    前記温度制御機構は、前記第二電極を冷却する冷却機構を含む
    放電ランプ。
  11. 請求項1乃至10のいずれかに記載の放電ランプを光源として具備する
    プロジェクター。
  12. 請求項11に記載のプロジェクターにおいて、
    前記放電ランプが放射する光が通過するように配置された液晶パネルと、
    前記液晶パネルを通過した前記光をスクリーンに投射する投射レンズと
    を更に具備する
    プロジェクター。
  13. 請求項11又は12に記載のプロジェクターにおいて、
    前記放電ランプを冷却するランプ冷却機構を更に具備し、
    前記ランプ冷却機構の冷却能力は、前記放電ランプの点灯中より前記放電ランプの消灯後の方が弱くなる
    プロジェクター。
  14. 請求項13に記載のプロジェクターにおいて、
    前記ランプ冷却機構は、前記放電ランプの消灯後に停止する
    プロジェクター。
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