JPH1140109A

JPH1140109A - 蛍光ランプ

Info

Publication number: JPH1140109A
Application number: JP20843697A
Authority: JP
Inventors: Koji Tagawa; 幸治田川; Giichi Suzuki; 義一鈴木; Toyohiko Kumada; 豊彦熊田; Keiichi Matsumoto; 圭市松本; Makoto Fujii; 誠藤井; Akiko Hatake; 亜希子畠
Original assignee: Ushio Denki KK; Ushio Inc
Current assignee: Ushio Denki KK; Ushio Inc
Priority date: 1997-07-18
Filing date: 1997-07-18
Publication date: 1999-02-12

Abstract

(57)【要約】【課題】バルブ内部の電極からの物質の飛散を減らし
て黒化をなくし、またスパッタリング時の水銀トラップ
による水銀量の減少をなくし、内部電極によるバルブの
割れや蛍光体の剥離をなくした、蛍光ランプを提供する
こと。【解決手段】両端に封止部が形成された管型のバルブ
を有し、バルブ内に封入物として希ガスのみあるいは希
ガスと水銀を封入し、バルブ内壁には蛍光体が塗布され
た蛍光ランプにおいて、バルブ両端に外部電極を形成す
るとともに、バルブの一方あるいは両方の端部の内部に
始動用電極を配しており、始動用電極から突出した電極
支持棒によって始動用電極の外面とバルブ内面が離間す
るようにしてバルブで支持したことを特徴とする蛍光ラ
ンプとする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、液晶バックライト
用光源や、スキャナー、複写機、ファクシミリなどの読
取光源に使用する蛍光ランプに関する。

【０００２】これらの光源に使用される、従来の蛍光ラ
ンプの形状を図1に示す。従来の蛍光ランプは、一対の
電極３をバルブ1内部に配置し、外部からリード線７を
通して電力を供給している。バルブ１の内面には蛍光体
8が設けられている。この蛍光ランプにおいては、ラン
プ定常点灯時、電子の放出が電極３から行われる。その
際、電極材料がイオンによるスパッタリング現象によっ
て飛散し、バルブ1の電極３、３周辺の内面に付着する
ことが起きる。これによって管壁に黒化現象が起きてラ
ンプの明るさが減少しランプ寿命が短くなることが起き
る。

【０００３】さらに、封入物として水銀をも封入したバ
ルブにおいては、このスパッタリングの際に飛散する金
属原子が水銀をトラップし、紫外線放出源であるバルブ
内の水銀量を減少させる。このことによってもランプ寿
命が短くなり、長寿命のランプを提供することが出来な
かった。

【０００４】他方、特開平３−２２５７４４号公報に
は、バルブ１内にアルゴンと水銀を封入し、一対の円筒
状内部電極３を設け、これらの内部電極３に対向させて
バルブ１の外周に一対の外部電極４を設けた小形の低圧
放電灯が示されている。この放電灯は希ガスと水銀を封
入した放電灯であるのでバルブ内面に蛍光体を設ければ
液晶バックライト用光源、読取装置用光源にも使用する
ことが出来る。しかしこの場合においても、前記蛍光ラ
ンプと同様に電極材料がスパッタリングによって飛散し
て黒化現象を生じたり、スパッタリング時に水銀をトラ
ップして紫外線放出源であるバルブ内水銀の量を減少さ
せ、これによって長寿命のランプを提供することが出来
なかった。

【０００５】また、内部電極はバルブ内の突起リングに
よって移動を制限されているのみであるので、バルブ内
で多少の移動を行う。したがって、振動時に内部電極が
バルブ内面に衝突してバルブを破壊したり、バルブ内面
に塗布された蛍光体を剥離したりするという不都合があ
った。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、バ
ルブ内部の電極からの物質の飛散を減らして黒化をなく
し、またスパッタリング時の水銀トラップによる水銀量
の減少をなくし、内部電極によるバルブの割れや蛍光体
の剥離をなくした、蛍光ランプを提供するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明では、バルブ内の電極を改良し、従来の放電
態様とは異なる全く新しい放電態様とする事により上記
課題を解決した。

【０００８】すなわち、請求項１の発明では、両端に封
止部が形成された管型のバルブを有し、前記バルブ内に
封入物として希ガスのみあるいは希ガスと水銀を封入
し、前記バルブ内壁には蛍光体が塗布された蛍光ランプ
において、前記バルブ両端に外部電極を形成するととも
に、前記バルブの一方あるいは両方の端部の内部に始動
用電極を配しており、前記始動用電極から突出した電極
支持棒によって前記始動用電極の外面と前記バルブ内面
が離間するようにしてバルブで支持したことを特徴とす
る蛍光ランプとする。

【０００９】請求項２の発明では、前記バルブの一方あ
るいは両方の端部の内部に配した電極の表面の少なくと
も一部に電気的絶縁層を形成したことを特徴とする請求
項１に記載の蛍光ランプとする。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の蛍光ランプの実施の形態
について説明する。両端が封止されたバルブの両端部外
表面に一対の外部電極が配設されている。バルブ両端部
内面には支持棒を介してバルブ内面と所定の間隔をもっ
て始動用電極が保持されている。前記所定の間隔はバル
ブの外径の少なくとも１０％以上である。

【００１１】なお、始動用電極は必ずしもバルブ両端部
にある必要はなく、一方の端にのみあってもよい。なぜ
なら本発明においてはバルブ管壁を介して外部電極から
供給する高周波により放電を行なうため、バルブ内部の
始動用電極同士では放電をしないし必要としないからで
ある。なお、始動用電極の形状は円筒状である必要はな
く、板状であっても、棒状であっても、コイル状等であ
ってもかまわない。

【００１２】始動用電極の支持棒はバルブに溶着保持さ
れている。始動用電極がバルブと所定の間隔を有して保
持されれば支持棒の溶着部分はバルブ端部の肉厚部でも
よいし、バルブの管軸方向の側面部でもよい。そして、
前記支持棒と外部電極は接続されていなければ、支持棒
はバルブの肉厚部を貫通していてもよい。そして、バル
ブ内壁には蛍光体が塗布されており、バルブ内部には希
ガスのみあるいは希ガスと水銀が封入されている。さら
に、使用時の安全性を確保するために外部電極はシリコ
ンゴムの被覆や熱収縮チューブなどの電気絶縁被覆をす
るほうがよい。

【００１３】このような構成をとることによって、従来
のバルブ内部および外部の両方に電極を有して、容量結
合によって外部からの電力供給によって内部電極同士の
放電を主放電として用いる蛍光ランプとは異なり、本発
明の蛍光ランプはバルブ内壁と始動用電極との間に間隙
が形成されているので、容量結合を始動用電極と外部電
極でとって放電させる際の放電維持電圧よりも、外部電
極が常誘電体であるバルブ管壁を介して直接放電を行な
う際の放電維持電圧の方が低くなるため、外部電極がバ
ルブ管壁を介する放電を安定に行なうことになる。

【００１４】すなわち、図７に示すように、始動時に
は、バルブ内部にある始動用電極１１と外部電極４の間
で放電Ａが開始されるので始動電圧が低い。いったん放
電が開始すると、バルブ６と始動用電極１１間に所定の
空間があることで放電維持電圧が高くなるために始動用
電極１１からの放電は生じなくなる。その後は、外部電
極４に対応するバルブ内壁面Ｓ間で主放電Ｂが生じそれ
が維持される。すなわち、始動用電極１１は始動性改善
のために配設するだけで、主放電Ｂは外部電極４に対応
するバルブ内壁面Ｓ間において行なうことを特徴として
いる。

【００１５】さらには、始動用電極１１の表面の少なく
とも一部に電気的絶縁層を形成することによって、始動
用電極１１と外部電極４の間の放電Ａが起きている間も
スパッタリングを抑制する。

【００１６】

【実施例】次に本発明の具体的実施例について説明す
る。図４は本発明の蛍光ランプの一実施例の断面図であ
る。蛍光ランプ１は鉛ガラス製のバルブ６の両端を封止
して、発光種として希ガスと水銀を封入し、バルブ６の
内表面に蛍光体８を塗布してある。バルブ６の少なくと
も両端部の外表面に幅10ｍｍの面積でアルミテープ製の
外部電極４を電気伝導性接着剤にて貼り付け形成してお
り、バルブ６内部には円筒状のステンレスＳＵＳ３０４
製の始動用電極１１を配している。そして、始動用電極
１１はバルブ端部肉厚部２に溶着保持されている。

【００１７】外部電極４は使用時の安全性を確保するた
めにシリコンゴムの絶縁被覆層１２で電気絶縁被覆がさ
れている。この電気絶縁被覆は熱収縮性の絶縁チューブ
をバルブの外部電極部分を覆うように被せ熱収縮により
形成してもよい。電気絶縁被覆は被膜が透明であればバ
ルブ全体を被覆してもよい。スリーブ状溶着部の支持棒
はＦｅ−Ｎｉ−Ｃｒやジュメット等の鉛ガラス封着用合
金線を用いて、封止部の途中まで溶着されており、バル
ブ外表面へは露出していない。但し、支持棒がバルブ外
表面に露出しても性能上差し支えない。

【００１８】外部リード線７は、アルミテープ製の外部
電極に電気伝導性の接着剤を介して端子（不図示）を貼
り付けこの端子にハンダ付けしてある。あるいは、直接
アルミテープにハンダ付けされる。そして、外部電極４
に外部リード線７を介して１００ＫＨｚの高周波電圧を
印加して点灯する。ランプ仕様を要約すると以下のとお
りである。

【００１９】ランプ全長：４００ｍｍバルブ外径：６ｍｍ、肉厚：０．３ｍｍバルブ材質：鉛ガラス始動用電極（円筒状）外径：１．４ｍｍ始動用電極材質：ステンレスＳＵＳ３０４外部電極の幅：１０ｍｍ外部電極の材質：アルミテープ水銀量：６ｍｇ封入ガス：Ｎe-Ａｒ(５％),６0Ｔｏｒｒランプ両端への印加電圧：１６００Ｖｒｍｓランプ電流：２０ｍＡ

【００２０】上記のランプを点灯すると、図７のように
始動時には外部電極４と始動用電極１１の間で放電Ａが
起こり、次第に定常放電に移行すると外部電極に対応し
たバルブ両端のバルブ内壁面間で主放電Ｂをするように
なった。すなわちバルブ内部の始動用電極１１、１１間
では放電が起きず、スパッタリングは発生せず、したが
ってバルブの黒化もなく、発光種の水銀の減少もないこ
とが言える。

【００２１】なお、封入物として水銀と希ガスをあげた
が、ランプによっては希ガスのみを封入する場合もあ
る。上記の構成にてバルブ内部にある電極におけるスパ
ッタリングが起きず、水銀のトラップも生じないので、
ランプの水銀切れにいたるまでの時間を２０，０００時
間以上にすることができた。

【００２２】始動用電極は始動の初期のみ放電するだけ
なので、始動用電極の構成材料のスパッタリングによる
飛散は殆ど起きず、始動用電極は所定の間隔をとってバ
ルブ内壁に対し位置しているので、蛍光体が始動用電極
と当たり、剥離したり、始動用電極が振動によってバル
ブと接触してバルブが損傷することも起きない。電極の
材質は始動用電極として上記実施例ではステンレスを示
したが、その他にもニッケル、タングステン、モリブデ
ンなどが使用できる。

【００２３】また、外部電極としては上記実施例ではア
ルミテープを示したが、その他に銅テープ等の他の金属
テープや金属薄膜、導電性ペースト、ＩＴＯ膜などの透
明電気伝導膜がありうる。透明電気伝導膜を使用すると
バルブ端部の発光まで有効に利用可能となる。銅テープ
等の他の金属テープの形成方法はアルミテープと同様で
あり、電気伝導性粘着材を使用しバルブ端部の外周表面
に貼り付ける。なお、電気伝導性粘着材以外の粘着材の
使用も可能である。金属薄膜からなる外部電極の場合
は、真空蒸着やスパッタリングによりバルブ端部の外周
表面に薄膜を形成する。導電性ペーストからなるの外部
電極の場合は、ディッピングや印刷等の方法でバルブ端
部の外周表面に塗り付け乾燥する。また、ＩＴＯ膜など
の透明電気伝導膜からなる外部電極の場合は、スパッタ
リングやスプレー法などによりバルブ端部の外周表面に
透明電極を形成する。

【００２４】図５は本発明の他の実施例である。外部電
極４を形成するバルブの部分の外径をバルブのその他の
部分の外径より大きくすることによって、外部電極４の
管軸方向の長さを延ばすこともなく、外部電極４の面積
を増やし、放電電流を増やすことができる。同一寸法の
蛍光ランプで比較した場合は、管軸長手方向における発
光に寄与しないデッドスペースを増やすことなく放電電
流を増やし、光量を増加させることができる。

【００２５】図６も本発明の他の実施例である。これ
は、バルブの端部を内側に突出させたものである。こう
することによっても発光に寄与しないデッドスペースを
増やすことなく、外部電極４の面積を増大させ、放電電
流を増やし光量を増加させることができる。

【００２６】さらには外部電極を形成するバルブ部分に
誘電率の高いセラミック材料を使用し、発光部となる外
部電極形成部分以外のバルブ部分は誘電率の低いセラミ
ック材料を使用することもある。誘電率の高い材料を用
いると同じバルブの厚みであれば、より少ない面積で放
電空間に電流を流すことができる。

【００２７】以上説明してきた始動用電極１１の少なく
とも一部の面に電気的絶縁層を形成すると、始動用電極
１１の金属部分を露出させないために、始動時に外部電
極４との間で行われる放電で生じるスパッタリングを少
なくすることができる。前記電気的絶縁層としては、始
動用電極がＳＵＳ３０４などのステンレス製やニッケル
製の場合は、アルミナ粉末の塗布層やアルミナのコーテ
ィングが適当であり、始動用電極がタングステン製の場
合は硬質ガラス（ＢＸ−３８）をコーティングするのが
適当である。

【００２８】

【発明の効果】本発明の蛍光ランプにおいては、バルブ
内部に始動用電極があることにより始動性が改善され、
主放電は外部電極間で行われるのでバルブ内部の始動用
電極からの飛散物質は極めて少なく、バルブ端部の蛍光
体の剥離やバルブの割れを防ぎ、蛍光ランプの長寿命化
を図れる。

【００２９】さらに、始動用電極の少なくとも一部の面
に電気的絶縁層を形成することによって始動時にのみ行
われる放電によるスパッタリングをも少なくすることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の蛍光ランプの断面図を示す。

【図２】従来の、バルブ内部および外部に電極を有する
低圧放電灯の断面図を示す。

【図３】従来の、バルブ内部および外部に電極を有する
低圧放電灯の内部電極保持部の断面図を示す。

【図４】本発明の蛍光ランプの一実施例の断面図を示
す。

【図５】本発明の蛍光ランプの他の実施例の断面図を示
す。

【図６】本発明の蛍光ランプの他の実施例の断面図を示
す。

【図７】本発明の蛍光ランプの放電の様子を説明する模
式図を示す。

【符号の説明】

１蛍光ランプ２バルブ端部肉厚部３内部電極４外部電極５突起リング６バルブ７外部リード線８蛍光体９支持棒１０凹部１１始動用電極１２絶縁被覆層

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者松本圭市兵庫県姫路市別所町佐土1194番地ウシオ電機株式会社内 (72)発明者藤井誠兵庫県姫路市別所町佐土1194番地ウシオ電機株式会社内 (72)発明者畠亜希子兵庫県姫路市別所町佐土1194番地ウシオ電機株式会社内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】両端が封止された管型のバルブを有し、
前記バルブ内に封入物として希ガスのみあるいは希ガス
と水銀を封入し、前記バルブ内壁には蛍光体が塗布され
た蛍光ランプにおいて、前記バルブ両端に外部電極を形成するとともに、前記バ
ルブの一方あるいは両方の端部の内部に始動用電極を配
しており、前記始動用電極から突出した電極支持棒を前
記始動用電極の外面と前記バルブ内面が離間するように
バルブで支持したことを特徴とする蛍光ランプ。
【請求項２】前記バルブの一方あるいは両方の端部の
内部に配した電極の表面の少なくとも一部に電気的絶縁
層を形成したことを特徴とする請求項１に記載の蛍光ラ
ンプ。