JP4568989B2 - 高圧放電ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紫外線源を利用して始動特性を向上した高圧放電ランプおよびこの放電ランプを用いた照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧放電ランプたとえばメタルハライドランプは、発光管内にハロゲン化物が封入されているため、ハロゲンによる電子吸着作用により初期電子が不足して、始動特性がよくないということがある。
【0003】
そこで、この対策として初期電子を増やすことが有効な手段として考えられ、たとえば特公昭60−34223号公報などには、発光管の内部にプロメチウムPm147 やクリプトンKr85などの放射性物質を封入して、始動時の電極間の電子放射を容易にする技術が開示されている。
【0004】
しかしながら、発光管内部に放射性物質を封入することは、発光管の製造上、放射性物質に対する取り扱いおよび保管に厳重な管理を必要とするため、近年では、このような放射性物質に替わる始動補助の手段が要望されている。
【0005】
そこで、この始動補助の他の手段として、特開平1−134848号公報や特開平1−134849号公報あるいは特公平7−7662号公報などには始動時、メタルハライドランプなどの発光管に紫外線を照射する紫外線源を備えた高圧放電ランプが開示されている。
【0006】
この紫外線照射による高圧放電ランプは、放電ランプを点灯させる際に安定器から供給される高いパルス電圧を発光管の一対の電極および紫外線源が有する内部導電部材と外部導電部材とにそれぞれ印加し、紫外線源の管内のガスを放電させて紫外線を発生させ、この紫外線を発光管内に向け照射させることによって発光管内に放電を生起する始動補助を行うものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように、発光管と紫外線源とを併設し、始動時に安定器から発生するパルス電圧を利用して、両者を作動させるようにしたことは構成が簡単であるとともに点灯回路装置も一つのもので済み経済性も高くなるという利点を有する。また、この場合、パルス電圧が高いほど始動がし易くなる。
【0008】
しかしながら、この電圧が高くなると両極が接近した部位、たとえばバルブの端部に接合されバルブの保持と電極への給電をなす小形の口金部においては絶縁部間隔が小さく、口金内で放電が生起してしまう虞があるため高いパルス電圧を供給することができず、E26型口金においてはパルス電圧が2.3kV程度以下に制限されていた。
【0009】
このように、印加するパルス電圧が低いと利用する発生エネルギーも小さく、紫外線源からの紫外線の放射量が少なくなって、発光管の始動を補助するに至らず点灯が困難な状態になることがある。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、始動補助に紫外線源を用いる手段において、印加するパルス電圧値が低くても確実にランプの始動が可能であるとともに安定点灯ができる高圧放電ランプおよび照明装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に記載の高圧放電ランプは、気密容器の内部に少なくとも一対の電極を設けるとともに放電媒体を封入して形成した発光管と、この発光管の近傍に配置され、紫外線透過性気密容器内に内部導電部材を封装するとともに希ガスを封入した紫外線源と、この紫外線源の容器の外周面に巻回された外部導電部材とを備え、上記内部導電部材および外部導電部材を上記発光管の電極と電気的に並列結合してなる放電ランプにおいて、上記紫外線源は容器が略円筒状をなし、容器軸に沿って配設された内部導電部材が容器の外周面に巻回された外部導電部材に囲われているとともに内部導電部材と外部導電部材とで形成される静電容量を0.2〜0.9pFとしたことを特徴とする。
【0012】
本発明および以下の各発明において、特に指定しない限り用語の定義および技術的意味はつぎによる。
【0013】
高圧放電ランプは、たとえば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプやナトリウムランプなどの高圧放電ランプ全般に適用することができる。
【0014】
ランプの発光管を形成する気密容器の材料としては、石英ガラスや硬質ガラスの他、アルミナなどからなる透光性セラミックの使用が可能であり、発光管の端部に形成される封止部は片端でも両端でもよく、その形態はガラスの場合は圧潰封止やシュリンク(焼き絞り)封止などが、また、セラミックの場合はディスクやキャップによる封止を採用することができる。また、容器の形状は円筒形、長円形、球形などの単一や複合したものからなる。
【0015】
また、放電媒体は、エネルギーが付勢されて発光するものであればよく、水銀やハロゲン化金属などの発光金属および希ガスを使用することができ、上記発光管の材質および封入する放電媒体は、高圧放電ランプの種類に応じて適宜選択することができる。
【0016】
紫外線源は、200nm〜460nmの波長の少なくとも一部を透過する石英ガラスや紫外線透過性ホウケイ酸ガラスあるいはセラミックなどの紫外線透過性気密容器を用い、容器内に内部導電部材およびアルゴンなどの希ガスを封装している。
【0017】
この内部導電部材は、導電性および耐熱性を備えたモリブデンやタングステンなどの金属であってもあるいは内部の不純ガスを吸収するゲッタ機能を兼ねるタンタルなどを用いることができる。また、導電部材の形状およ形態は、棒状、箔状やコイル状などを許容し、封止部を貫通した導入線と接続していてもあるいは導入線を有さず容器外部と誘電的に接続されるものであってもよい。
【0018】
また、外部導電部材は、鉄ーニッケル合金、鉄ーニッケル−クロム合金、ニッケル、銅やニオブなどの金属からなる線状や箔状のもので、紫外線源の気密容器の外周面に巻き付ける形で設置され、内部導電部材と容量結合している。
【0019】
さらに、これらの発光管、紫外線源および外部導電部材を、一個の内部が真空状態または不活性ガス雰囲気の外管内に収納した二重管構造とすることができる。また、外管の外部に保護管を設け三重管構造にすることも許容する。また、外管を用いずに一重管構造としても差支えない。
【0020】
請求項1の発明によれば、紫外線源の内部導電部材と外部導電部材とで形成される静電容量を規制することにより、インピーダンス成分が小さくなって高圧パルス発生時により多くの漏れ電流が流れるようになり、紫外線の放射量を増すことができる。
【0021】
本発明の請求項2に記載の高圧放電ランプは、紫外線源の容器の外周面に外部導電部材の係止部が形成されていることを特徴とする。
【0022】
容器の外周面に外部導電部材が係止される凹部や凸部などを形成しておくことにより、振動や衝撃によりコイル状に巻回された外部導電部材が移動したり、容器表面との間に隙間ができるなどのことを防止できる。
【0023】
本発明の請求項3に記載の高圧放電ランプは、紫外線源からの放射線を指向させる反射部を有することを特徴とする。
【0024】
紫外線源を構成する容器自体や容器に近接してあるいは外管自体に反射膜や反射体などからなる反射部を設け、紫外線源から放射される紫外線を発光管に向け指向させることにより紫外線を集中して放射することができる。
【0025】
本発明の請求項4に記載の照明装置は、筐体と、この筐体内に設けられたソケットと、このソケットに装着された請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと、この高圧放電ランプの点灯回路装置とを具備していることを特徴とする。
【0026】
上記請求項1ないし請求項3に記載の作用を有する高圧放電ランプを用いた照明装置は、上記請求項1ないし請求項3に記載したと同様な作用を奏する。
【0027】
なお、本発明において照明装置とは、高圧放電ランプの発光を利用するあらゆる装置を意味しており、たとえば照明器具、液晶などのバックライト、自動車用ヘッドライトなどを含む。また、点灯回路装置とは、高圧放電ランプの始動および点灯を安定に行わせるものである。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。図1は、外管内に片封止形の小形メタルハライドランプを封装した二重管構造の高圧放電ランプを示す一部切欠縦断面図、図2は図1中に示す紫外線源の拡大正面図である。
【0029】
図は二重管構造の高圧放電ランプL1で、このランプL1はたとえば片端封止形の定格ランプ電力が150Wのメタルハライドランプからなる発光管1およびこの発光管1に近接するとともに発光管1内の後述する電極間に対向して配設した紫外線源2を外管4内に封装している。
【0030】
発光管1は、石英ガラスからなる最大外径が約18mmの略球形の容器(バルブ)11の一端部にガラス管部を溶融圧潰して形成した封止部12が形成されている。
【0031】
この封止部12内には一対のモリブデンなどからなる金属箔13,13が気密封着されていて、この金属箔13,13の一端側にはそれぞれ容器11内に延出するモリブデンなどからなる内部リード線14,14が、また、他端側にはそれぞれ容器11外に導出するモリブデンなどからなる外部リード線15a,15bが溶接などの手段で接続されている。
【0032】
上記内部リード線14,14の先端には、タングステンとレニウムやトリウムなどの高融点金属合金からなる線材を数回巻回して形成したコイル状の電極16,16が対向して設けてある。また、容器11内には放電媒体として、ハロゲン化金属および所定の希ガスが封入してある。
【0033】
また、紫外線源2は、図2に拡大して示すように例えば外径約4mm、内径約2mm、長さ約20mmの略円筒状をした石英ガラスからなる紫外線透過性の気密容器21の端部に形成した封止部22内に外径約0.75mmのモリブデン線からなる封着線兼用のリード線23が気密封止され、このリード線23には気密容器21内において容器21軸に沿って配設した幅約1.5mm、厚さ約30μm、長さ約8mmの箔状の内部導電部材を構成する電極24が接続してある。また、この気密容器21内にはアルゴンなどの希ガスが約1300Pa(パスカル)封入されている。
【0034】
この内部導電部材を構成する電極24を囲うよう紫外線透過性の気密容器21の外周面には、外径が約0.4mmの鉄−ニッケル合金からなる外部導電部材を構成する電極25が約4回螺旋状に巻回してある。
【0035】
この外部導電部材25の一端側25bおよび上記封着線兼用のリード線23の封止部22から導出した他端側23aは、発光管1の封止部12から導出した外部リード線15a,15bの一方とそれぞれ接続してある。
【0036】
そして、上記紫外線源2内の内部導電部材と外部導電部材25とは容量結合された状態であって、形成される静電容量は約0.5pFとしてある。
【0037】
また、外管3は有底円筒状の石英ガラスからなり、内部に収容された上記発光管1の外部リード線15a,15bが外管3内の内部リード線を兼ね、端部の外管封止部31内に気密に封着された一対のモリブデンなどからなる金属箔32,32に溶接などの手段で接続されている。なお、この外管3内は真空または希ガス雰囲気にある。
【0038】
4はこの外管3の封止部31の周囲に耐熱性接着剤43を介し接合したG12型(差し込み型)の口金で、セラミック材料からなるシェル41と一対の端子ピン42,42を備え、この端子ピン42,42には外管3の金属箔32,32に接続した外部リード線(図示しない。)が電気的に接続してある。
【0039】
なお、17,26は発光管1のバルブ11内および外管3内を排気し、それぞれの内部に放電媒体や希ガスを封入した後、封切された排気管チップ部である。
【0040】
そして、このような構成の高圧放電ランプL1は、安定器などを有する点灯回路装置に接続したソケット(図示しない。)に口金4部を装着し通電される。
【0041】
この点灯回路装置に接続された放電ランプL1は、始動時、口金4の端子ピン42,42に電気的に接続した外部リード線15a,15bを介し発光管1内にある電極12,12および外部リード線15a,15bに並列的に接続した紫外線源3のリード線23と外部導電部材25に高圧パルスが印加される。
【0042】
この高圧パルスの印加によって、容量結合されその間隔が小さい紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25との間で放電破壊が起こる。
【0043】
すなわち、発光管1内にある電極12,12間に比べインピーダンスの低い紫外線源3の内部導電部材を構成する電極24と外部導電部材25間に放電が生起する。この放電により紫外線透過性の気密容器21内に紫外線が発生するとともにこの気密容器21を透過して紫外線が外部に放射される。
【0044】
本発明においては、発光管1に近接して配設した紫外線源3から、発光管1内の電極12,12間に向けて紫外線が放射される結果、紫外線により上記電極12,12間の放電が促進されて、発光管1を約1秒の極めて短時間のうちに容易に始動するとともに、その後は安定した点灯を持続させることができる。
【0045】
そして、本発明では紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25とで形成される静電容量を約0.5pFとすることにより、インピーダンス成分が小さくなって高圧パルス発生時により多くの漏れ電流が流れるようになり、紫外線の放射量を増すことができ、始動が容易となる。
【0046】
なお、インピーダンス成分は、安定器からの高圧パルスの減衰周波数に影響されるが、発明者等の実験では、周波数が30kHz以上あればよかった。また、パルス電圧が1.8kV〜2.3kVと比較的低い場合には、安定器からの高圧パルスの減衰周波数が低いと、紫外線源に流れる電流が小さくなり紫外線放射量が少なくランプが始動しにくい傾向にある。
【0047】
実験によると、パルス電圧が4kVでは、減衰周波数が3kHz程度で問題なく点灯するが、パルス電圧が2.3kV以下より低い場合には点灯しなくなるものがある。小形のG12型口金やE26型口金に対応するランプを想定して、パルス電圧を1.8kV以上2.3kV以下の範囲でして実験した結果、減衰周波数が30kHz以上とするとランプは始動した。これは周波数成分が増加して紫外線源に流れる電流が増加し、発生する紫外線放射量が増加したことによると考えられる。
【0048】
また、周波数が高まると、紫外線源からの紫外線放射量が増加すると考えられたが、実験ではランプにグローは発生するがアークにまで転移しずらくなる傾向となった。これは周波数が小さくなると、パルス幅が狭くなるためにアークに移行しないランプが増加するためと考えられる。
【0049】
また、本発明者等は、紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25とで形成される静電容量を、外部導電部材25の巻き数を変えることにより調節し、その始動性を究明した。その結果を表1に示す。
【0050】
なお、放電ランプとして二重管構造のメタルハライドランプ(形名)MTS150/W(東芝ライテック(株)製(形名))を、紫外線源2として上記実施の形態に示したと同寸、同構成で外部導電部材25を外径が約0.35mmのニッケルからなる金属線を所定回巻回し、安定器1.5MT(東芝ライテック(株)製(形名))に専用パルサーを用いパルスのピーク電圧を1.8kV、パルス減衰周波数を200kHzで試験した。
【0051】
【表1】
表1から明らかなように、静電容量が0.2pF未満であると、インピーダンス成分が大きくなって、紫外線の放射量が少なく始動に時間がかかり始動補助としての作用が期待できず好ましくない。
【0052】
また、静電容量が0.9pFを超えると、紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25との接触面積が増加する傾向となり、発生した紫外線を金属が吸収してしまい、紫外線の放射量が減少する傾向にある。また、巻き数の増加は対向電位との距離が短くなって、対向電位での絶縁破壊を生じ外管3内放電が生じ易くなる虞があり好ましくない。
【0053】
このランプの始動時間は、実用上3秒以下であれば問題なく、紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25との静電容量が0.2〜0.9pFの範囲内であればこれを満足でき、静電容量を0.3〜0.8pFの範囲とすればさらに始動時間の短縮がはかれ好ましい。
【0054】
また、紫外線源2の内部導電部材24と外部導電部材25とで形成される静電容量は、上述したように両者の接触面積や外部導電部材25の巻き数が変わることによっても変化する。図3は線外径によるコイル巻き数(コイル径はいずれも同じ)(横軸)と静電容量(pF)(縦軸)とを対比して示すグラフである。
【0055】
この図3からコイルの巻き数と静電容量が、線径(0.2mm、0.35mm、0.8mm)にかかわらずほぼ比例していることが分かった。また、巻き数を多くしたり線径が太くなり過ぎると、紫外線の通過が阻害され好ましくない。
【0056】
また、本発明では紫外線源2の外周面に螺旋状に外部導電部材25を巻回して静電容量を増すようにしているが、外部導電部材25の材料により硬度が異なりある程度の柔軟性がないと巻き付けづらく、振動や衝撃を受けるとコイル状の導電部材25が移動して甚だしい場合には抜け出てしまったり、容器21表面との間に隙間ができるなどして、接触面積が変わることがあり所望の静電容量が得られないという問題があった。
【0057】
そこで、図4に示すように、紫外線源2容器21の外表面にバーナ加工などで溝状などの凹部26を形成しておき、この凹部26内に外部導電部材25の一部を収容して係止したり、封止部22をシュリンク(焼き絞り)封止として形成した凹部(図示しない。)を係止用として用いることもできる。
【0058】
この係止によりコイル状の外部導電部材25が移動するのを防止でき、所望の安定した静電容量を容易に得ることができる。
【0059】
つぎに、本発明の第2の実施の形態を図5を参照して説明する。この図5は反射型二重管構造の高圧放電ランプL2を示す一部切欠縦断面図で、図中、図1および図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0060】
図5は、第1の実施の形態に用いた片封止形の発光管1を反射鏡を兼ねた外管5内に封装したものである。この外管5は、内面にアルミニウムやクロムなどを蒸着などの手段で反射面(図示しない。)を形成した反射鏡5Aと、この反射鏡5Aの開口部に接合された所望の配光機能を有するレンズに代表される前面透光板5Bとで気密容器を形成している。
【0061】
この外管5の内部には、常温で約52kPaとなる圧力の(点灯中に大気と略同等の圧力となる)窒素が封入してある。また、反射鏡5Aの基部51にシェル44およびアイレット45を有するE26型の口金4がかしめなどの手段で接合してある。
【0062】
そして、発光管1の封止部12から導出した外部リード線15a,15bを、直接あるいはサポート線55,55(一方は図示しない。)に接続して反射鏡5Aの底壁52に植設したフェルール53,53(一方は図示しない。)内にろう付けして固定し、発光管1の保持と給電をなすようにしている。
【0063】
また、紫外線源2は内部導電部材を構成する電極24と接続した封着線兼用のリード線23の他端側23aおよび外部導電部材25の一端側25bは、発光管1の封止部12から導出した外部リード線15a,15bの一方とそれぞれ接続してあるとともに発光管1に近接して設けられている。
【0064】
この放電ランプL2も口金4を介し通電すると、上記第1の実施の形態と同様に発光管1が紫外線源2からの紫外線放射を受けることによって放電が生起し始動することができる。
【0065】
そして、この放電ランプL2は、外管5が反射鏡5Aからなり反射作用を有するため、紫外線源2から放射される紫外線を直接発光管1に向かわせるほか、発光管1と反対方向に向かう無効となっていた紫外線を反射鏡5Aの反射面を利用して発光管1の電極12,12間に向かわせ、紫外線量を効率よく増やすことによって放電ランプL2の始動特性を向上させることができるとともに可視光の増加と指向特性を高めることが可能な放電ランプL2を提供できる。
【0066】
また、上記第2の実施の形態に示す放電ランプL2では、外管として反射鏡5Aを用いたが、上記第1の実施の形態に示す放電ランプL1などの場合には、紫外線源2の発光管1と対向する反対面側の容器21表面に紫外線反射膜を形成したり、別途反射板などを設けて、始動に無効となっていた紫外線を発光管1側に向かい指向させるようにしてもよい。
【0067】
また、図6は本発明の第3の実施の形態を示す。この図6は高圧放電ランプを装着した照明装置6の一部を縦断した断面図で、図中、図5と同一部分には同一の符号を付してその説明は省略する。
【0068】
照明装置6は、筐体61、この筐体61あるいは他の箇所に設けられた安定器などを有する点灯回路装置62と、この点灯回路装置62に接続したソケット63および高圧放電ランプL2で構成されている。
【0069】
そして、この照明装置6はたとえば天井面7に筐体61が取り付けられ、ソケット63に装着されたたとえば第2の実施の形態の高圧放電ランプL2は、点灯回路装置62から電力の供給を受け、上述したような始動および点灯がなされる。
【0070】
また、照明装置6としては第1の実施の形態に示される片端封止部形の放電ランプL1や図示しない紫外線源を近接配設した両端封止部形の放電ランプを、別途反射体とともに筐体61内に収容したものであっても、あるいはこの筐体61の開口部に透光性のレンズや保護板を設けるようにしてもよい。
【0071】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されものではない。たとえば、始動補助体として用いられる紫外線源2は、始動後、回路から切り離されるようにしてもよい。
【0072】
これは、たとえば高圧ナトリウムランプの場合、容量結合されている紫外線源2の金属に電位がかかっていると、その電界によりナトリウムイオンが引かれて気密容器11からナトリウムが抜けてしまう問題があった。
【0073】
そこで、図7に示すように紫外線源2のリード線23と外部リード線15aとの間にバイメタルスイッチ8を介在させて、発光管1の始動後温度が上昇してきたら、バイメタルスイッチ8を開放して紫外線源2のリード線23への通電を停止するようにしてもよい。
【0074】
このように、放電ランプが安定した点灯状態に達したら、紫外線源2への通電を停止すれば、紫外線源2に電位がかからず近接する発光管1からナトリウムが抜け出るのを防ぐことができる。また、ランプの消灯後は、バイメタルスイッチ8が冷却してスイッチ8は導通状態となってつぎの点灯には差支えない。
【0075】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、比較的低いパルス電圧の場合でも、確実な始動特性と安定した点灯が持続できる高圧放電ランプを提供することができる。
【0076】
請求項2の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、コイル状の導電部材が移動するのを防止して、所望の安定した静電容量を容易に得られる高圧放電ランプを提供することができる。
【0077】
請求項3の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、紫外線を集中してその放射量を増加できる、さらに始動特性を向上した高圧放電ランプを提供することができる。
【0078】
請求項4の発明によれば、請求項1ないし請求項3の効果を有する照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す二重管構造の高圧放電ランプの一部切欠縦断面図である。
【図2】図1中に示す紫外線源の拡大正面図である。
【図3】線外径によるコイル巻き数(コイル径はいずれも同じ)(横軸)と静電容量(pF)(縦軸)とを対比して示すグラフである。
【図4】本発明の実施の形態を示す他の紫外線源の拡大正面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示す反射型二重管構造の高圧放電ランプの一部切欠縦断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す高圧放電ランプを装着した照明装置の一部を縦断した断面図である。
【図7】紫外線源の電気的接続を示す説明図である。
【符号の説明】
L1:二重管構造の高圧放電ランプ
L2:反射型二重管構造の高圧放電ランプ
1:発光管
11:気密容器
13:内部リード線
14:電極
15a,15b:外部リード線
2:紫外線源
21:紫外線透過性容器
23:リード線
24:内部導電部材(電極)
25:外部導電部材(電極)
3:外管
4:口金
5:外管(反射型)
6:照明装置
61:筐体
62:点灯回路装置
63:ソケット
Claims (4)
- 気密容器の内部に少なくとも一対の電極を設けるとともに放電媒体を封入して形成した発光管と、この発光管の近傍に配置され、紫外線透過性気密容器内に内部導電部材を封装するとともに希ガスを封入した紫外線源と、この紫外線源の容器の外周面に巻回された外部導電部材とを備え、上記内部導電部材および外部導電部材を上記発光管の電極と電気的に並列結合してなる放電ランプにおいて、上記紫外線源は容器が略円筒状をなし、容器軸に沿って配設された内部導電部材が容器の外周面に巻回された外部導電部材に囲われているとともに内部導電部材と外部導電部材とで形成される静電容量を0.2〜0.9pFとしたことを特徴とする高圧放電ランプ。
- 紫外線源の容器の外周面に、外部導電部材の係止部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の高圧放電ランプ。
- 紫外線源からの放射線を指向させる反射部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の高圧放電ランプ。
- 筐体と;
この筐体内に設けられたソケットと;
このソケットに装着された請求項1ないし請求項3のいずれか一に記載の高圧放電ランプと;
この高圧放電ランプの点灯回路装置と;
を具備していることを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000347925A JP4568989B2 (ja) | 2000-11-15 | 2000-11-15 | 高圧放電ランプおよび照明装置 |
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