JPH0575959U - 無電極放電ランプ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 放電気体の放電効率を損なうことなくランプ
の配光特性を改善するとともに、ランプの発光効率を向
上する。 【構成】 １は無電極放電ランプで、放電気体を封入し
た透光性の放電容器２より成り、その内面には蛍光体
（図示せず）が塗布されている。また、略球状の放電容
器２の最大径部分の外周面には、その法線に平行な面を
有する螺旋状の凹条５が形成され、その法線に平行な面
の一方には金属蒸着によって誘導コイル３が形成されて
いる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ランプ内部に電極を持たず、外部からの高周波電磁界によってラン プ内部の放電気体を放電、発光させる無電極放電ランプに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、アーク放電により水銀原子を励起して紫外線を放射し、この紫外線 を蛍光体層に照射することにより可視光を得るようにした蛍光ランプが提供され ているが、この種の蛍光ランプは、比較的短寿命で低効率である。

【０００３】 この問題を解決するために、１０年程前から長寿命化、高効率化を図った無電 極放電ランプが提案されており、例えば、特開昭５７−７８７６６号公報に開示 されている。このランプは、放電気体を封入した放電容器に近接して配置した誘 導コイルに高周波を通電し、発生する誘導電磁界で放電容器内の放電気体を放電 、発光させるものである。

【０００４】 また、特開昭６１−７１９５７号公報等に開示された無電極放電ランプによれ ば、図４に示すように、ランプ１は略球状のバルブ２の外周に誘導コイル３を巻 いて構成されており、高周波発生回路４で誘導コイル３に電力を供給する。

【０００５】 このように構成されたランプ１の発光表面積は小さく、即ち、小型で高輝度の 光源が可能となり、長寿命、高効率の特長も兼ね備え、光学設計も比較的自由な 照明装置を提供できる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上述のようにバルブ２が略球状の場合、誘導コイル３をバルブ２の 最大径部分に近接して巻くと、最も効率良くバルブ２内の放電気体を放電するこ とができる。

【０００７】 しかし、誘導コイル３を巻くことにより、誘導コイル３の径方向への光が遮ら れ、配光特性が悪くなる。また、点灯状態において、バルブ２の最も明るい部分 は誘導コイル３の近傍であり、誘導コイル３を巻くことにより、最も明るい部分 を覆ってしまうことになり、発光効率が低下するという欠点もある。

【０００８】 本考案は上記問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、放電気 体の放電効率を損なうことなくランプの配光特性の改善が図れ、しかも、発光効 率の向上が図れる無電極放電ランプを提供することにある。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するため本考案は、放電気体を封入した透光性の放電容器に近 接して誘導コイルを巻回し、該誘導コイルに高周波電流を通電することによって 発生した誘導電磁界により前記放電気体を放電、発光させて成る無電極放電ラン プにおいて、前記放電容器の外周面に、その法線に平行な面を有する螺旋状の凹 条を形成するとともに、前記法線に平行な面に誘導コイルを形成したことを特徴 とする。

【００１０】

【実施例１】 図１は本考案の一実施例を示すもので、図中、１は無電極放電ランプで、放電 気体を封入した透光性の放電容器２より成り、その内面には蛍光体（図示せず） が塗布されている。また、略球状の放電容器２の最大径部分の外周面には、その 法線に平行な面を有する螺旋状の凹条５が形成され、その法線に平行な面の一方 には金属蒸着によって誘導コイル３が形成されている。

【００１１】 このように放電容器２の最大径部分の外周面に誘導コイル３が形成されている ので、放電空間内に効率良く誘導電磁界を供給できる。また、放電容器２より放 出される光は誘導コイル３によって若干遮られるが、この方向の光は、誘導コイ ル３を配設した凹条５の面が高周波電磁界発生装置側になるように構成すれば不 要なものであるのに対して、最も明るい放電容器２の最大径部分の光は殆ど遮ら れないので、ランプの発光効率を向上することができるとともに、径方向への配 光特性を向上することができる。

【００１２】

【実施例２】 図２は本考案の異なる実施例を示すもので、前記実施例と異なる点は、前記放 電容器２の最大径部分に形成した螺旋状の凹条５を鋸歯状にしたことで、他の構 成は前記実施例と同様であるので、同等構成に同一符号を付すことにより説明を 省略する。

【００１３】 このように構成することにより、前記実施例同様に放電空間内に効率良く誘導 電磁界を供給でき、しかも、放電、発光によって放出される光を誘導コイル３は 殆ど遮ることがないので、発光効率を向上することができるばかりでなく、螺旋 状の凹条５がフレネルレンズの効果を示し、ランプの径方向への配光特性を向上 させることが可能になる。

【００１４】

【実施例３】 図３は本考案のさらに異なる実施例を示すもので、前記実施例１と異なる点は 、前記凹条５をスリット状にするとともに、凹条５の内部に金属箔を挿入して誘 導コイル３を形成したことで、他の構成は前記実施例１と同様であるので、同等 構成に同一符号を付すことにより説明を省略する。

【００１５】 このように構成することにより、前記実施例同様に放電空間内に効率良く誘導 電磁界を供給でき、しかも、放電、発光によって放出される光を誘導コイル３は 殆ど遮ることがないので、発光効率を向上することができる。

【００１６】

【考案の効果】

本考案は上記のように、放電容器の外周面に、その法線に平行な面を有する螺 旋状の凹条を形成するとともに、前記法線に平行な面に誘導コイルを形成したこ とにより、放電容器内の放電気体の放電効率を損なうことなく、ランプの配光特 性の改善が図れ、しかも、発光効率の向上が図れる無電極放電ランプを提供する ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示すもので、（ａ）は斜視
図であり、（ｂ）は要部断面図である。

【図２】本考案の異なる実施例を示すもので、（ａ）は
斜視図であり、（ｂ）は要部断面図である。

【図３】本考案のさらに異なる実施例を示すもので、
（ａ）は斜視図であり、（ｂ）は要部断面図である。

【図４】従来例を示す簡略図である。

【符号の説明】

１ 無電極放電ランプ ２ 放電容器 ３ 誘導コイル ４ 高周波発生回路 ５ 凹条

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 放電気体を封入した透光性の放電容器に
   近接して誘導コイルを巻回し、該誘導コイルに高周波電
   流を通電することによって発生した誘導電磁界により前
   記放電気体を放電、発光させて成る無電極放電ランプに
   おいて、前記放電容器の外周面に、その法線に平行な面
   を有する螺旋状の凹条を形成するとともに、前記法線に
   平行な面に誘導コイルを形成したことを特徴とする無電
   極放電ランプ。