JP5640838B2 - 放電ランプ装置 - Google Patents
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Description
具体的には、特許文献1には、図8に示すように、補助光源61が、放電ランプ20を取り囲むように配置された反射鏡40に設けられてなる構成の放電ランプ装置が開示されている。この放電ランプ装置において、補助光源61は、反射鏡40の光投射口を構成する開口41Aの近傍に配置されている。
図8において、63は光透過性を有する窓部材であり、64はベースであり、65A,65B,65Cは給電線である。
また、特許文献2には、図9に示すように、補助光源61が、放電ランプ20における一方の封止部23Aの端面24Aに対向するよう配設されてなる構成の放電ランプ装置が開示されている。
図9において、67は、補助光源61の外部電極として機能すると共に、当該補助光源61を、放電ランプ20における一方の封止部23Aから突出する外部リード棒28Aに固定するための保持部材としても機能する金属製のホルダである。
この放電ランプ装置においては、放電ランプの放電容器および補助光源の補助放電容器が共にガラス製であることに伴ってその表面には凹凸が存在すること、また、放電ランプの封止部および補助光源の補助放電容器が共にその外観形状が円柱状であることから、放電ランプの封止部と補助光源とが接触している部分が極めて小さく、そのため、補助光源において発生した紫外線の大部分が、補助光源の補助放電容器と放電ランプにおける一方の封止部との間に空気の層が介在している領域を通過することとなり、その過程において補助放電容器の外面および放電容器の外面において反射が生じることに起因して紫外線を高い効率で放電ランプの放電容器の内部に導光することができない。
この放電ランプ70において、補助放電空間75は、発光部72の近傍に配設、具体的には封止部73の内部における、一端に電極76の基端部が接続され、他端に外部リード棒78が接続された金属箔77が位置されてなる領域の中央部に配設されている。
このような構成の放電ランプ70においては、補助放電空間75が封止部73の内部の発光部72の近傍に位置されていることによって、当該放電ランプ70の点灯中に補助放電空間75の雰囲気温度が過剰に高温とされ、補助放電空間75が紫外線を発生させるために必要とされる温度よりも遥かに高くなるため、補助放電空間75内の構成部材より不純ガスが放出されることに起因して、当該補助放電空間75における再始動性の低下および発光強度の低下が生じ、その結果、放電ランプ70に良好な再始動性が得られなくなる、という問題がある。
前記補助光源は、前記補助放電容器が円筒状であって、前記放電ランプの封止部の端面に配設されており、
前記放電ランプの封止部の径方向外方に位置する前記補助放電容器の一端側に前記外部電極が配置され、当該補助放電容器の他端側において、当該補助放電容器が当該放電ランプの封止部の端面に接合されてなる接合部が形成されており、
前記補助光源の補助放電容器を構成する材料が、前記一方の封止部を構成する材料に境界なく連続していることを特徴とする。
しかも、補助光源が発光部と離間して位置するため、点灯状態の放電ランプによって補助光源における補助放電容器の内部の雰囲気温度が過剰に高温とされることがない。そのため、補助光源の補助放電容器の内部の雰囲気温度が過剰に高温となること起因して、当該補助光源に始動性の低下および発光強度の低下が生じることがないことから、放電ランプに良好な再始動性が得られる。
従って、本発明の放電ランプ装置によれば、補助光源の補助放電容器の内部において発生される光を高い効率で放電ランプの放電容器の内部に導光することができ、また、補助光源における補助放電容器の内部の雰囲気温度が過剰に高温とされることが抑制されるため、高い始動性と共に高い再始動性が得られる。
図1は、本発明の放電ランプ装置の構成の一例を示す説明用断面図であり、図2は、図1のA−A断面における要部を示す説明用断面図であり、図3は、図1の放電ランプ装置を構成する補助光源の構成の一例を示す説明用断面図である。
第1の実施の形態に係る放電ランプ装置(以下、「第1の放電ランプ装置」ともいう。)10は、両端に封止部23A,23Bを有する放電容器21を備えた放電ランプ20と、当該放電ランプ20に配設された反射鏡40と、当該反射鏡40の背後において、放電ランプ20の放電容器21における一方(図1における右方)の封止部(以下、「一方封止部」ともいう。)23Aに配設された補助光源30とを具備しており、補助光源30からの紫外線(好ましくは波長184.9nmおよび/または波長253.7nmの光を含む紫外線)が放電ランプ20における一方封止部23Aを透過して当該放電ランプ20の放電容器21の内部に導光される構成を有するものである。
この図の例においては、放電ランプ20の放電容器21の外面には、その一端が他方(図1における左方)の外部リード棒28Bに電気的に接続されたトリガワイヤ29が配設けられており、当該トリガワイヤ29は、封止部23A,23Bの発光部22の近傍において巻回されると共に、他方の封止部23Bおよび発光部22の外面に沿って放電容器21の管軸方向に伸びるように配置されている。また、一方の外部リード棒28Aには、接続部材17Aを介して給電線19Aが電気的に接続されており、他方の外部リード棒28Bには、接続部材17Bを介して給電線19Bが電気的に接続されている。
また、希ガスとしては、例えばアルゴンガスが用いられ、その封入圧は、静圧で例えば13kPaである。
また、ハロゲンガスは、発光部22内においてハロゲンサイクルを形成すると共に、これにより、電極26A,26Bを構成する電極物質が発光部22の内面に付着することを抑制するためのものであり、例えば沃素、臭素、塩素などが用いられ、その封入量は、例えば1×10-6〜1×10-2μmol/mm3 である。
図の例においては、反射鏡40の光反射部41には、給電線19Bを挿通させるための貫通孔43が形成されている。
この図の例において、補助光源30は、1つの外部電極34を有するものであり、当該外部電極34は、補助放電容器31の外面における一端側(図1における上端側)に配設されている。また、外部電極34には、給電線19Cが電気的に接続されている。
この図の例において、外部電極34は、金属製ワイヤが補助放電容器31の外面に密着するようにコイル状に巻回されてなる構成のものである。
この図の例においては、補助光源30は、補助放電容器31の周面において一方封止部23Aの端面24Aに接合されており、これにより、補助放電容器31の管軸が放電ランプ20の放電容器21の管軸方向に垂直な方向に伸びるように配置されている。
補助放電容器31における接合部形成領域が、非接合部形成領域よりも小さいことにより、点灯状態において加熱される放電ランプ20の発光部22の熱が接合部15を介して補助放電容器31に伝導されることが抑制され、その上、発光部22から伝導された熱を十分に放熱することができるため、補助放電容器31の内部の雰囲気温度が発光部22からの伝熱によって高温とされることを抑制することができる。
図の例においては、補助光源30は、一方外部リード棒28Aに当接して配置されている。
外部電極34と一方外部リード棒28Aとの離間距離は、例えば3〜5kVの高圧電圧が印加される場合には、3〜5mmとされる。
この図の例において、補助光源30は、補助放電容器31の他端側(図1における下端側)に接合部形成領域が形成され、よって当該他端側において一方外部リード棒28Aに当接し、外部電極34が設けられている一端側が放電ランプ20における一方封止部23Aの径方向外方に位置するように配設されている。
ここに、内部トリガ32は、補助放電容器31の内部において、補助放電空間の電界を歪ませることによって局所的に高電界を発生させ、これにより、比較的小さな電圧の印加によって放電を発生させることができるようにする作用を有するものである。すなわち、内部トリガ32を設けることにより、補助光源30に放電発生容易性が得られることとなる。
内部トリガ32が金属棒よりなるものである場合には、補助光源30における放電開始が容易になる、という利点がある。
また、内部トリガ32を構成する金属棒は、その外径が0.1〜1.5mmであることが好ましい。
図の例においては、金属棒よりなる内部トリガ32は、補助光源30の補助放電容器31の管軸方向における外部電極34と外部リード棒28Aとの離間距離よりも大きな全長を有しており、補助放電容器31の内面に沿って当該補助放電容器31の管軸方向に伸び、その一端部が外部電極34と交差し、他端部が補助放電容器31の管壁を介して外部リード棒28Aと交差するように、当該内面上に配設されている。
ここに、ゲッタ部材33は、補助光源30が放電を繰り返すことに伴って補助放電容器31の内表面から発生する、例えば水素ガスなどの不純ガスを吸着し、これにより、不純ガスが存在することに起因して補助光源30の絶縁破壊電圧値が大きくなることを抑制する作用を有するものである。すなわち、ゲッタ部材33を設けることにより、補助光源30に放電発生容易性が得られることとなる。
ゲッタ部材33の具体例としては、例えばSAES社製の「STHGS/WIRE/NI/0.6−300(Code SE1014)(ゲッター[St101−505」)」を用いることができる。
この紫外線反射膜35は、補助放電容器31の外面上において、放電ランプ20における一方封止部23Aに向かって紫外線を出射させるための紫外線出射領域が形成されることとなる接合部形成領域以外の領域全域に形成されていることが好ましい。
ここに、紫外線反射膜35が補助放電容器31の外面における接合部形成領域以外の領域全域に形成されてなる場合、あるいは紫外線反射膜35が外部電極34を配置すべき領域に形成されてなる場合においては、外部電極34は、紫外線反射膜35上に形成されることとなる。
この図の例において、紫外線反射膜35は、補助放電容器31の外面における接合部形成領域以外の領域全域に形成されており、この紫外線反射膜35上に外部電極34が形成されている。
紫外線反射膜35が電気絶縁性を有するものであることにより、外部電極と34と一方外部リード棒28Aとが短絡することを防止することができる。
また、紫外線反射膜35の材質は、補助放電容器31の材質よりも大きな熱伝導率を有するものであることが好ましい。
紫外線反射膜35の材質が大きな熱伝導率を有するものであることにより、点灯状態において加熱される放電ランプ20の発光部22から補助光源30に伝導される熱を十分に放熱させることができる。
紫外線反射膜35を構成する多層膜としては、例えばシリカ層とチタニア層とにより構成されるもの、シリカ層と酸化ハフニウム層とにより構成されるもの、酸化ハフニウム層とフッ化マグネシウム層とにより構成されるものなどが挙げられる。
しかも、補助光源30が一方封止部23Aの端面24Aに配設されており、発光部22と離間して位置するため、点灯状態の放電ランプ20によって補助光源30の補助放電容器31の内部の雰囲気温度が過剰に高温とされることがない。そのため、補助光源30の補助放電容器31の内部の雰囲気温度が過剰に高温となることに起因して、当該補助光源30の絶縁破壊電圧が高くなって始動性が低下すること、および発光強度が低下することがないことから、放電ランプ20に良好な再始動性が得られる。
従って、第1の放電ランプ装置10によれば、補助光源30の補助放電容器31の内部において発生される紫外線を高い効率で放電ランプ20の放電容器21の内部に導光することができ、また、補助光源30における補助放電容器31の内部の雰囲気温度が過剰の高温とされることが抑制されるため、高い始動性と共に高い再始動性が得られる。
図4は、本発明の放電ランプ装置の構成の他の例を示す説明用断面図であり、図5は、図4の放電ランプ装置を構成する補助光源の構成の一例を示す説明用断面図である。
第2の実施の形態に係る放電ランプ装置(以下、「第2の放電ランプ装置」ともいう。)50は、補助光源37の補助放電容器31が、放電ランプ20における一方封止部23Aに導光体51を介して接合されて配設されることにより、補助放電容器31を構成する材料が、一方封止部23Aを構成する材料に境界なく連続している状態とされていること以外は第1の放電ランプ10と同様の構成を有するものである。
この図の例において、補助光源37は、2つの外部電極34,34を有するものであり、これらの2つの外部電極34,34は、各々、補助放電容器31の外面における一端側および他端側に互いに離間した状態で配設されている。この補助光源37は、2つの外部電極34,34が設けられていること以外は第1の放電ランプ装置10を構成する補助光源30と同様の構成を有するものであり、補助放電容器31の内部には、金属棒よりなる内部トリガ32およびゲッタ部材33が設けられている。また補助放電容器31の外面上には、接合部形成領域以外の領域(非接合部形成領域)に紫外線反射膜35が設けられており、この紫外線反射膜35上には2つの外部電極34,34が配置されている。
図4において、19Dは、接続部材17Bを介して他方外部リード棒28Bに電気的に接続されると共に、補助放電容器31における他端側に位置する外部電極34に電気的に接続されている給電線である。
この導光体51の寸法は、外径が、例えば0.5〜3.0mmであり、全長が5〜100mmである。
この図の例において、補助光源37は、補助放電容器31の管軸が放電ランプ20の放電容器21の管軸方向に平行な方向に伸びるように配設されている。
また、導光体51が小径で長尺なものであることから、補助光源37が発光部22と大きく離間した状態とされており、また、放電容器21および補助放電容器31の各々における導光体51が接合されている接合部形成領域が、非接合部形成領域よりも小さいことにより、点灯状態において加熱される放電ランプ20の発光部22の熱が導光体51を介して補助放電容器31に伝導されることが抑制され、その上、発光部22から伝導された熱を十分に放熱することができるため、補助放電容器31の内部の雰囲気温度が発光部22からの伝熱によって過剰に高温とされることを抑制することができる。従って、極めて高い再始動性を得ることができる。
図6は、本発明の放電ランプ装置の構成の更に他の例を示す説明用断面図であり、図7は、図6のB−B断面における要部を示す説明用断面図である。
第3の実施の形態に係る放電ランプ装置(以下、「第3の放電ランプ装置」ともいう。)55は、補助光源30の補助放電容器31が、放電ランプ20における一方封止部23Aの周面25Aに接合されて配設されることにより、補助放電容器31を構成する材料が、一方封止部23Aを構成する材料に境界なく連続している状態とされていること以外は第1の放電ランプ10と同様の構成を有するものである。
この図の例において、補助光源30は、補助放電容器31の他端側(図6における下端部)の周面において、反射鏡40の背後に位置されている一方封止部23Aの周面25Aに接合されており、外部電極34が設けられている一端側が放電ランプ20における一方封止部23Aの径方向外方に位置するように配設されている。
例えば、放電ランプ装置は、両端に封止部を有する放電容器を備えた放電ランプと、放電用媒質が封入された補助光源用放電容器の外部に少なくとも1つの外部電極を有する補助光源とを具備し、当該補助光源の補助放電容器を構成する材料が、当該放電ランプにおける一方の封止部を構成する材料に境界なく連続している状態とされなる構成を有するものであれば、その他の構成がいかなるものであってもよい。
15 接合部
17A,17B 接続部材
18 接着剤
19A,19B,19C,19D 給電線
20 放電ランプ
21 放電容器
22 発光部
23A,23B 封止部
24A 端面
25A 周面
26A,26B 電極
27A,27B 金属箔
28A,28B 外部リード棒
29 トリガワイヤ
30 補助光源
31 補助放電容器
32 内部トリガ
33 ゲッタ部材
34 外部電極
35 紫外線反射膜
37 補助光源
40 反射鏡
41 光反射部
41A 開口
42 筒状頸部
43 貫通孔
50 第2の放電ランプ装置
51 導光体
55 第3の放電ランプ装置
61 補助光源
62 補助放電容器
63 窓部材
64 ベース
65A,65B,65C 給電線
67 ホルダ
70 放電ランプ
71 放電容器
72 発光部
73 封止部
75 補助放電空間
76 電極
77 金属箔
78 外部リード棒
Claims (5)
- 両端に封止部を有する放電容器を備えた放電ランプと、放電用媒質が封入された補助放電容器の外面に少なくとも1つの外部電極を有する補助光源とを備え、補助光源からの光が放電ランプにおける一方の封止部を透過して当該放電ランプの放電容器の内部に導光される構成の放電ランプ装置において、
前記補助光源は、前記補助放電容器が円筒状であって、前記放電ランプの封止部の端面に配設されており、
前記放電ランプの封止部の径方向外方に位置する前記補助放電容器の一端側に前記外部電極が配置され、当該補助放電容器の他端側において、当該補助放電容器が当該放電ランプの封止部の端面に接合されてなる接合部が形成されており、
前記補助光源の補助放電容器を構成する材料が、前記一方の封止部を構成する材料に境界なく連続していることを特徴とする放電ランプ装置。 - 前記放電ランプには反射鏡が配設されており、前記補助光源が当該反射鏡の背後に位置することを特徴とする請求項1に記載の放電ランプ装置。
- 前記補助光源は、補助放電容器内に金属棒よりなる内部トリガが設けられており、前記放電ランプの一方の封止部から突出するよう設けられている外部リード棒に近接して配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の放電ランプ装置。
- 前記補助光源は、補助放電容器内にゲッタ部材が設けられているものであることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の放電ランプ装置。
- 前記補助光源は、補助放電容器の外面に紫外線反射膜が設けられているものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の放電ランプ装置。
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