JP2003100256A - 高圧金属蒸気放電ランプおよび照明器具 - Google Patents

高圧金属蒸気放電ランプおよび照明器具

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JP2003100256A JP2001291841A JP2001291841A JP2003100256A JP 2003100256 A JP2003100256 A JP 2003100256A JP 2001291841 A JP2001291841 A JP 2001291841A JP 2001291841 A JP2001291841 A JP 2001291841A JP 2003100256 A JP2003100256 A JP 2003100256A
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孝仁 柏木
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Toshihiko Ishigami
敏彦 石神
Hiroyuki Ogata
博之 緒方
Satoru Iwazawa
哲 岩沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光管を囲繞して耐熱透光性の中空管を設け
るとともに始動補助に紫外線放射始動素子を用いた高圧
放電ランプにおいて、始動時に紫外線を照射することに
よって始動が容易で、かつ、確実に点灯ができる高圧金
属蒸気放電ランプおよび照明器具を提供することを課題
としている。 【解決手段】 発光管バルブ40内に少なくとも一対の
電極5a,5bを設けるとともに放電媒体を封入した発
光管4と、この発光管4を囲繞して配設された円筒状の
中空管6と、この発光管4および中空管6の各端部を支
持した一対のサポート部材7a,7bと、一方のサポー
ト部材7a側の仮想延長線内に設けられ、紫外線放射を
する始動素子81を含む始動回路構成部材と、上記電極
5a,5bおよび始動回路構成部材に電気的に接続した
給電部材74,75と、上記発光管4、中空管6および
始動回路構成部材を支持する一対のサポート部材7a,
7bを収容し気密封塞された外管バルブ1とを備えてい
る高圧金属蒸気放電ランプLおよびこの放電ランプLを
装着した照明器具9である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外管バルブ内に発
光管およびこの発光管を囲繞した透光性の中空管をサポ
ート部材に支持させるとともに、このサポート部材に始
動用の紫外線放射始動素子を設けた高圧金属蒸気放電ラ
ンプおよびこの放電ランプを用いた照明器具に関する。
【0002】
【従来の技術】高圧金属蒸気放電ランプは、高効率、高
演色を得るため発光管を小形化して温度を高めるととも
にサポート部材などの酸化を防止するため、不活性ガス
や窒素ガスあるいは真空雰囲気とした外管バルブ内に発
光管を封装した二重管構造としてある。
【0003】このような高圧金属蒸気放電ランプにおい
て、たとえばメタルハライドランプは、発光管内にハロ
ゲン化物が封入されているため、ハロゲンによる電子吸
着作用により初期電子が不足して、始動特性がよくない
ということがある。
【0004】そこで、この対策として初期電子を増やす
ことが有効な手段として考えられ、たとえば特公昭60
−34223号公報などには、発光管の内部にプロメチ
ウムPm147やクリプトンKr85などの放射性物質を封
入して、始動時の電極間の電子放射を容易にする技術が
開示されている。
【0005】しかしながら、発光管内部に放射性物質を
封入することは、発光管の製造上、放射性物質に対する
取り扱いおよび保管に厳重な管理を必要とするため、近
年では、このような放射性物質に替わる始動補助の手段
が要望されている。
【0006】そこで、この始動補助の他の手段として、
特開平1−134848号公報、特開平1−13484
9号公報や特公平7−7662号公報などには始動時、
メタルハライドランプなどの発光管に紫外線を照射する
始動素子を備えたりあるいはグロースタータ(点灯管)
による高圧パルスや紫外線をを利用する高圧金属蒸気放
電ランプが開示されている。
【0007】この前者の紫外線照射による高圧金属蒸気
放電ランプは、放電ランプを点灯させる際に安定器から
供給される高いパルス電圧を発光管の一対の電極および
紫外線放射始動素子が有する内部導電部材と外部導電部
材とにそれぞれ印加し、紫外線放射始動素子のバルブ内
で放電させて紫外線を発生させ、この紫外線を発光管内
に向け照射することにより電極の表面から電子が放出さ
れ初期電子数が増加して発光管内における放電が生起し
易く、始動が行われるものである。
【0008】また、後者のグロースタータ(点灯管)
は、バルブ内にアルゴンガスや水銀などを封入して紫外
線放射始動素子とし、グロースタータのグロー放電によ
ってアルゴンガスや水銀から発生した紫外線を電極に向
け照射して初期電子数を増加させるとともに、蛍光ラン
プのグロースタータと同じ原理でバイメタルの開放時に
安定器から高圧パルスを発生させて、放電ランプの始動
を行わせるものである。
【0009】また、この高圧金属蒸気放電ランプは、名
前の通り点灯時の発光管内の圧力はランプ電力や大きさ
にも因るが100kPa〜500kPa程度になり、不
測の事態たとえば寿命末期には発光管バルブの劣化や点
灯回路の不具合に起因する異常電流などによって内圧が
上昇したときなどに、その圧力に耐えきれず発光管バル
ブの破裂を招くことがある。
【0010】この発光管バルブが破裂した場合は、発光
管を形成するバルブのガラス片などが飛散して外管バル
ブに衝突し、この外管バルブをも破損してこれらのガラ
ス片などを器具外に飛散して、その破片が下方に居る人
を傷付けたり、下方に在る商品、製品や装置などに当た
り損傷させるなどのことがあった。
【0011】そこで、この対応手段として、この放電ラ
ンプを点灯させる照明器具において、器具の開口部に透
光性の強化ガラスや金網などからなる保護カバー部材を
設けておき、ランプが破裂した場合には保護カバー部材
でガラス片などを受けガラス片などが器具外に落下飛散
しないような防護処置が採られていた。
【0012】しかし、この器具の開口部に保護カバー部
材を設けることは、カバー部材が不所望な光反射、光吸
収や光遮蔽などを生じたり、経時とともにカバー部材が
汚れ可視光の透過率を下げて、器具の発光効率を低下さ
せる要因となっており、この汚れの清掃も高所にある照
明器具の場合は大変手間を要していた。
【0013】また、放電ランプ側の対応手段としては、
ガラスの破片が飛散落下しないよう、外管バルブの外表
面に透光性樹脂などの材料で防飛被膜を形成することが
行われている。
【0014】この防飛被膜の形成により、外管バルブが
破損してもそのガラス片は被膜により飛散が阻止できる
が、防飛被膜の許容耐熱温度が最も高いフッ素樹脂材料
で260℃程度であり、放電ランプの種類や出力などに
より適用に制限があった。
【0015】そこで、他の対応手段として、たとえば特
開平5−121047号公報、特開平6−295708
号公報や特開平11−288696号公報などに記載さ
れているように、発光管を囲繞して発光管バルブと同じ
材料などからなる耐熱透光性の中空管を介在させ、発光
管バルブが破損し飛散してもこの中空管に衝突させ、そ
の飛散エネルギーを弱めることによってガラス片などが
外管バルブに直接に飛来するのを阻止して衝撃を和ら
げ、外管バルブの破損を防ぐようにすることが知られて
いるとともに実際に多く採用されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上述したように発光管
を囲繞して耐熱透光性の中空管を設けるとともに、発光
管と紫外線放射始動素子とを併設し、始動時に安定器か
ら発生するパルス電圧を利用して、両者を作動させるよ
うにした高圧金属蒸気放電ランプは構成が簡単であると
ともに点灯回路装置も一つのもので済み経済性も高くな
るという利点を有する。
【0017】しかしながら、従来、この種放電ランプに
おいて、紫外線放射始動素子を含む始動回路部材は部材
間の接続の簡素化や熱的影響度などが優先されて、配設
位置やその方向性については考慮されていなかった。特
にグロースタータ(点灯管)の場合は、エージングのと
きに各バルブ内面のほぼ一定位置に飛来したエミッタが
被着して紫外線の透過を遮蔽していることがあった。
【0018】したがって、折角、紫外線放射始動素子を
設けても、印加するパルス電圧が低いと利用する発生エ
ネルギも小さく、紫外線放射始動素子からの紫外線の放
射量が少なくなって、発光管の始動を補助するに至らず
点灯が困難な状態になることがあった。
【0019】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
発光管を囲繞して耐熱透光性の中空管を設けるとともに
始動補助に紫外線放射始動素子を用いた高圧放電ランプ
において、始動が容易で、かつ、確実に点灯ができる高
圧金属蒸気放電ランプおよび照明器具を提供することを
課題としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
の高圧金属蒸気放電ランプは、耐熱透光性気密容器から
なる発光管バルブ内に少なくとも一対の電極を設けると
ともに放電媒体を封入した発光管と、この発光管を囲繞
して配設された耐熱透光性部材からなる円筒状の中空管
と、この発光管および中空管の両端部を支持した一対の
サポート部材と、一方のサポート部材側の仮想延長線内
に設けられ、少なくとも200nm〜460nmの波長
の紫外線放射をする始動素子を含む始動回路構成部材
と、上記電極および始動回路構成部材に電気的に接続し
た給電部材と、上記発光管、中空管および始動回路構成
部材を支持する一対のサポート部材を収容した、不活性
ガスまたは窒素ガスあるいは真空雰囲気にある外管バル
ブとを具備していることを特徴とする。
【0021】発光管の上下の主電極と並列的に接続した
始動補助回路は電極に給電されると同時に通電され、始
動器として接続した紫外線を発生するグロースタータ
(点灯管)などが蛍光ランプのグロースタータと同じ原
理でバイメタルの開放時に安定器から高圧パルスを発生
させるとともに、グロースタータ(点灯管)のグロー放
電によってアルゴンガスや水銀から発生した紫外線が発
光管を照射して初期電子数を増加して放電ランプの始動
を容易に行わせることができる。
【0022】そして、本発明では紫外線を発生するグロ
ースタータ(点灯管)などの紫外線放射始動素子の配設
位置を中空管の仮想延長線内に設けることにより、その
始動の確実性を高めることができた。
【0023】また、本発明では、発光管に近接するとと
もに囲繞して配設した中空管によって放熱が遮蔽される
ため、発光管バルブの温度が全体的に上昇し、最冷部を
なすバルブ内端部の電極の根元部をも昇温するので、バ
ルブ内に封入した発光金属を加熱して蒸気圧を高め発光
効率や演色性を高めることができる。
【0024】また、万一、発光管バルブが破損しガラス
片などが飛散しても、中空管がこれを阻止ないしは衝撃
を緩和して外管バルブに及ぼす応力を低減して、外管バ
ルブの破損を防止して安全上も大いに寄与できる。
【0025】本発明および以下の各発明において、特に
指定しない限り用語の定義および技術的意味はつぎによ
る。
【0026】本発明が適用できる高圧金属蒸気放電ラン
プは、たとえば、メタルハライドランプ、ショートアー
クメタルハライドランプや高圧水銀ランプなどで発光管
が外管バルブ内に封装された二重管などの多重管構造を
している。
【0027】気密容器の発光管バルブを形成する材料と
しては、石英ガラス、ホウケイ酸ガラスやアルミノシリ
ケートガラスなどの酸化ケイ素を主成分とする耐熱透光
性高シリカガラスあるいはアルミナ、イットリア、マグ
ネシア、ルビーやサファイアなどからなる透光性セラミ
ックを用いることにより、発光特性、耐熱性、耐蝕性や
電気絶縁性などを満足できる。
【0028】発光管バルブは円筒形、長円形、球形など
の単一形状や複合形状したものからなる。発光管バルブ
の端部に形成される封止部の形態はガラスの場合は圧潰
封止やシュリンク(焼き絞り)封止などが、また、セラ
ミックの場合はディスクやキャップによる封止を採用す
ることができる。また、発光管バルブの封止部内に封止
られる導入導体は金属箔に限らず、金属線であっても差
支えない。
【0029】また、発光管内に設けられる電極は、少な
くとも一対であって、補助電極の有無は問わない。ま
た、この発光管バルブ内に封入される放電媒体として
は、水銀、発光金属のハロゲン化物や希ガスなどが用途
や特性などに応じて適宜選択して用いられる。
【0030】また、透光性中空管は、上記発光管バルブ
と同様な耐熱透光性の材料を用いることができ、その形
状は円筒形状をなしている。この中空管の肉厚は、1.
0〜3.0mm程度の範囲のもので、中空管を二重管と
してもよい。
【0031】この中空管の強度を高める手段として、中
空管の外周に耐熱性のセラミックスなどの無機繊維から
なる線状やメッシュ状の補強体を巻装することにより対
応させることができる。また、中空管の表面に蛍光体
膜、光拡散膜、紫外線を反射や吸収する遮断膜などの被
膜あるいは光拡散用の凹凸面などを形成しても差支えな
い。
【0032】また、上記発光管およびこの発光管を囲繞
した中空管の両端部を支持する金属部材からなる一対の
サポート部材は、発光管内の電極への給電部材として使
われ電位がかかっていても、発光管バルブや電極と電気
的に隔離された電位がかからない構成であってもよい。
【0033】すなわち、ハロゲン化ナトリウムを封入し
たメタルハライドランプでは、点灯時にナトリウムイオ
ンが発光管の近傍に配設した導電性材料からなるサポー
ト部材などに引つけられる光電子作用が及ぶ可能性があ
る。
【0034】このため、通常、高シリカガラス(石英ガ
ラス)からなる発光管バルブは、石英ガラスを構成する
酸化ケイ素の格子間距離が発光管内のナトリウムイオン
よりも大きいため、正に帯電したナトリウムイオンは上
記発光管外表面の負の光電子による電位に引かれて発光
管バルブを通過して発光管外へ消失する。
【0035】このため、発光管内のナトリウム量が減少
するので、ランプの発光効率が低下するとともに発光管
内に過剰の遊離ハロゲンが増えるのでランプ電圧が上昇
し短寿命となっていた。
【0036】したがって、サポート部材への発光管の取
り付けは、電気絶縁材料からなる封止部が帯状のバンド
部材により挟持固定されている。また、中空管のサポー
ト部材への取り付けは、中空管の端面とほぼ同形のリン
グ状の金属板の複数箇所に起立片を設けた保持板を両端
部に当て起立片を起立させて中空管の端部を外側から抑
えたり内外面の両側から挟むようにするとともに一部の
起立片をサポート部材やバンド部材に溶接などの手段で
接続することにより固定したり、中空管の端部の相対し
た部分に軸方向に切込みを設け、この一対の切込みを発
光管を固定するバンド部材に装着するなどの手段で係止
するようにしてもよい。
【0037】また、紫外線放射源をなす始動素子は、グ
ロースタータ(点灯管)やエンハンサなどからなり、2
00nm〜460nmの波長の少な<とも一部を透過す
る石英ガラスやホウケイ酸ガラスなどの硬質ガラス、紫
外線透過性の軟質ガラスあるいはセラミックなどの紫外
線透過性のバルブが用いられ、バルブ内にはアルゴンガ
スまたはアルゴンガスと水銀などの放電媒体ならびに内
部導電部材が封装されていて、グロー放電の際に紫外線
を放出させる。
【0038】エンハンサの内部導電部材は、導電性およ
び耐熱性を備えたモリブデンやタングステンなどの金属
であってもあるいは内部の不純ガスを吸収するゲッタ機
能を兼ねるタンタルなどを用いることができる。また、
導電部材の形状および形態は、棒状、箔状やコイル状な
どを許容し、封止部を貫通した導入線と接続していても
あるいは導入線を有さず容器外部と誘電的に接続される
ものであってもよい。
【0039】また、外部導電部材は、鉄ーニッケル合
金、鉄ーニッケル−クロム合金、ニッケル、銅やニオブ
などの金属からなる線状や箔状のもので、紫外線放射源
のバルブの外周面に巻き付ける形で設置され、内部導電
部材と容量結合している。
【0040】また、外管バルブは、石英ガラスまたはホ
ウケイ酸ガラスやアルミノシリケートガラスなどの硬質
ガラスあるいはソーダーライムガラスなどの軟質ガラス
からなり、形状はA形、A形、AP形、B形、BT形や
ED形などに形成されている。
【0041】また、この外管の内部は、不活性ガスまた
は窒素ガス雰囲気あるいは真空雰囲気としてある。すな
わち、外管バルブ内に不活性ガスまたは窒素ガスを低圧
封入するか真空雰囲気とすることにより、点灯時に高温
となる発光管構成部材、サポート部材やステム構成部材
の酸化などを防止するとともにランプの再始動時間を短
縮したり、万一の外管バルブ破損時の破裂を防止でき
る。
【0042】さらに、放電ランプの点灯姿勢は水平、鉛
直はもちろん傾斜した姿勢であってもよい。
【0043】本発明の請求項2に記載の高圧金属蒸気放
電ランプは、紫外線放射する始動素子の少くとも一部が
中空管外面の仮想延長線内にあることを特徴とする。
【0044】中空管(=発光管)の中心軸と紫外線放射
始動素子の中心とが合致しているのが紫外線の照射が多
く最も好ましいが、円筒形状をなす中空管の外周面をサ
ポート部材側に延長した仮想線の内側に紫外線放射始動
素子の少なくとも一部が存在するよう配置すれば、所定
の紫外線が発光管に向かって放射され、上記請求項1に
記載と同様な作用を奏する。
【0045】本発明の請求項3に記載の高圧金属蒸気放
電ランプは、紫外線放射する始動素子がグロースタータ
またはエンハンサであることを特徴とする。
【0046】バルブの内部に水銀を封入したグロースタ
ータ(点灯管)またはエンハンサは、通電時に紫外線放
射をして始動素子として最適である。
【0047】本発明の請求項4に記載の高圧金属蒸気放
電ランプは、中空管が、少なくとも発光管バルブの内端
部を覆う長さを有していることを特徴とする。
【0048】中空管が長いほど発光管バルブ破裂の際の
ガラス片などの飛散を防ぐことができるが、最低でも発
光管の内端部間を覆っていればよい。また、バルブの最
冷部を形成する内端部が保温されることにより所定の作
用を奏する。
【0049】本発明の請求項5に記載の高圧金属蒸気放
電ランプは、放電媒体としてハロゲン化物が封入されて
いることを特徴とする。
【0050】電位のかからない別々のサポート部材で発
光管および中空管の両端部を支持させたことにより、付
近には電位のかかった導電体が存在しないので発光管内
に封入したハロゲン化ナトリウムなどが光電子作用によ
り抜け出すことを防止できる。
【0051】本発明の請求項6に記載の照明器具は、器
具本体と、この器具本体内に配設された上記請求項1な
いし5のいずれか一に記載の高圧金属蒸気放電ランプ
と、この高圧金属蒸気放電ランプに接続した点灯回路装
置とを具備していることを特徴とする。
【0052】上記請求項1ないし5に記載の発光効率の
低下やランプ電圧の上昇を来すことがない高圧金属蒸気
放電ランプを組み込んでいるので、発光特性の向上がは
かれるとともに、万一、発光管バルブが破損してもガラ
ス片を飛散させることがない安全性の高い照明器具を提
供できる。
【0053】この照明器具は、器具内に点灯回路装置を
備えていても、器具外に点灯回路装置を設けランプと接
続されているものであってもよい。
【0054】この照明器具は、店舗、ホール、地下街、
オフィスやスポーツ施設などの照明用として、高い発光
特性を呈することができる。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は本発明に係る高圧金属蒸気
放電ランプとして、メタルハライドランプの概略を示す
正面図である。
【0056】この図1に示すメタルハライドランプL
は、一端部にステム2を封止した外管バルブ1内の上下
方に配設した一対のサポート部材7a,7bに発光管4
およびこの発光管4を囲繞した透光性中空管6の端部を
支持させた構成となっている。
【0057】これら各部分を詳述すると、外管バルブ1
はホウケイ酸ガラスなどの透光性の硬質ガラスからな
り、中央部に膨出部11を有するとともに図示下部側の
閉塞されたトップ部12および上部側のネック部13に
小径部分を有するいわゆるBT形に形成されている。こ
のネック部13側にはステム2が封止られた封止部(図
示しない。)を有し、この封止部を覆ってE形の口金3
が取付けられている。
【0058】また、この外管バルブ1内に封装された発
光管4は、透光性気密容器を形成する直管(T)形の石
英ガラスからなる発光管バルブ40の両端部に圧潰封止
部4a,4bを有し、このバルブ40内には対向してタ
ングステンWやモリブデンMoからなる一対の主電極5
a,5bおよび一方の主電極5aの近傍に補助電極5s
が設けられている。
【0059】上記圧潰封止部4a,4b内にはリボン状
のモリブデンMoからなる金属箔41,…が気密に封止
られていて、この金属箔41,…の内寄りには上記電極
5a,5b,5sが、バルブ40の外寄りにはモリブデ
ンMo線などからなる外部導入線42,42および42
sがそれぞれ溶接やかしめ止めなどの手段で接続されて
いる。
【0060】また、発光管バルブ40内には、放電媒体
として所定量の水銀と金属ハロゲン化物およびアルゴン
ガスなどの不活性ガスが封入してある。この金属ハロゲ
ン化物としては、よう素Iや臭素Brなどのハロゲン
と、ナトリウムNa、スカンジウムSc、セシウムCs
やディスプロシウムDyなどの少なくとも一種の発光金
属とが封入され、発光効率、演色性や色温度などの特性
向上をはかっている。
【0061】また、透光性中空管6は、石英ガラスから
なる上下端部が開口した円筒形状をなし、内部の発光管
4と所定の間隔を隔てて配設されている。
【0062】なお、ネック部13側のサポート部材7a
は、上記ステム2のガラス管23に巻装したバンド部材
72に締結などの手段で固定したり、ステム2に植設し
た導入線21,22とは別の外部導入線を有しないサポ
ート線に固定して支持されていてもよい。
【0063】外管バルブ1内における上記発光管4およ
び中空管6の支持は、上記外管バルブ1のトップ部12
およびネック部13側に配設されるモリブデンMoやス
テンレスなどの線材7,…や板状体を略コ字形に成形し
たサポート部材7a,7bの開口部に封止部4a,4b
を位置させて、帯状の金属板からなるバンド部材71,
71で封止部4a,4bを挟み溶接などの手段で接続す
ることにより発光管4を固定している。
【0064】また、中空管6は、中空管6の端面とほぼ
同形のリング状に打ち抜き複数箇所に起立片61,…を
設けた保持板60を両端部に当て起立片61,…を起立
させて中空管6の端部を外側から抑えたり内外面の両側
から挟むようにするとともに一部の起立片61,…をサ
ポート部材7a,7bやバンド部材71,71に溶接な
どの手段で接続することにより固定している。
【0065】なお、このままでは発光管4および中空管
6の支持が完全ではなく、サポート部材7a,7bの側
面に金属製の羽根状の弾性(ばね)部材73,73を設
け、(この弾性(ばね)部材73,73はトップ部12
側のサポート部材7b側のみであってもよい。)この弾
性(ばね)部材73,73がバルブ1のトップ部12お
よびネック部13の内周面に弾性当接するとともに、発
光管4自体も主柱として作用して外管バルブ1の中心軸
上にあるよう支持されている。また、77,…は、サポ
ート線7や給電線74,75などの間を橋絡して補強す
る電気絶縁物からなるブリッジ部材である。
【0066】また、外管バルブ1内における電気的接続
は、図2に示す回路構成となっている。すなわち、ステ
ム2の一方の導入線21は給電線74、外部導入線42
を介し一方の主電極5aと接続し、ステム2の他方の導
入線22は発光管バルブ40と遠ざかるよう湾曲して離
した細線からなる給電線75、外部導入線42を介し他
方の主電極5bと接続している。また、発光管4の上下
の主電極5a,5bと並列的に始動補助回路が接続され
ている。
【0067】この始動補助回路は、始動用のグロースタ
ータ(点灯管)81、バイメタルを用いた熱応動スイッ
チ82、抵抗83を直列接続し、グロースタータ81と
熱応動スイッチ82との接続部から限流抵抗84を介し
補助電極5sに接続したものからなる。なお、図中、8
8は交流電源、89は安定器などで、これら部品で点灯
回路装置を構成している。また、点線内は放電ランプL
の外管バルブ1内に封装された部品である。
【0068】なお、上記グロースタータ(点灯管)81
が紫外線放射始動素子として作用し、その構成はたとえ
ば石英ガラスからなるバルブの一端部にリード線を気密
に封着した封止部が形成され、バルブ内にはリード線に
接続したバイメタルからなる放電電極が所定の間隔を隔
て対峙しているとともにアルゴンArが所定量封入され
ている。そして、グロースタータ81は通電時にバイメ
タルと放電電極間にグローが生起して、このグロースタ
ータ81のグロー放電によってアルゴンガスから発生す
る紫外線を放射する。
【0069】そして、本発明では紫外線の放射があるグ
ロースタータ81であればその配設方向は問わないが、
この実施の形態ではグロースタータ81が、発光管4の
中心軸とほぼ同軸上にあって、しかも紫外線放射始動素
子として紫外線透過が最も多いバルブの封止部側を発光
管4に指向して給電線74,75などに取り付けられて
いる。
【0070】すなわち、グロースタータ81は、放電電
極に形成されたエミッタ物質がエージング時に飛散し
て、バルブ内面の特定箇所たとえばこの場合はバルブの
トップ(頂)部側にエミッタ物質などが多く被着するこ
とにより不透明となっていて紫外線の放射が阻害される
ので、封止部側を発光管4に向けている。
【0071】また、この実施の形態では発光管4および
中空管6はサポート部材7a,7bに支持されている
が、それぞれが独立し何ら電気的に接続していない電位
のかからないサポート部材7a,7bであって、発光管
4内の主電極5a,5b,5sへの電気的接続はステム
2の導入線21,22から給電線74,75などの別の
給電部材により行われる。
【0072】そして、図1に示す高圧金属蒸気放電ラン
プLは、BT型の外管バルブ1内に発光管4を収容した
二重管構造のメタルハライドランプLとして、鉛直や水
平状態あるいは傾斜状態で点灯される。
【0073】このメタルハライドランプLをソケットに
装着して、電源88から安定器などを有する点灯回路装
置89を介し通電される。この点灯回路装置89に接続
された放電ランプLは、始動時、口金3の端子部(図示
しない。)に電気的に接続した導入線21,22と給電
線74,75を介し発光管4内にある主電極5aと主電
極5b、補助電極5sおよび給電線74,75に並列的
に接続したグロースタータ81の両端間に高圧パルスが
印加される。
【0074】この高圧パルスの印加によって、最も間隔
および抵抗が小さくインピーダンスの低いグロースター
タ81内のバイメタルからなる放電電極間で放電が生起
し、グロースタータ81のほぼ透明な封止部側から紫外
線が放射され発光管4の一方の端部の主電極5aと補助
電極5sに向け紫外線が照射される。
【0075】このグロースタータ81内のバイメタルが
放電による熱応動で放電電極と接触することにより放電
は止まり補助電極5sに電圧が印加され、上記紫外線照
射による作用も加わって近接している補助電極5sと主
電極5aとの間の放電が促進される。
【0076】すなわち、発光管4の放電空間内に存在す
る電極5a,5sに、電極構成金属の仕事関数以上のエ
ネルギをもつ紫外線が照射された場合、電極5a,5s
表面から電子が放出され、この初期電子数が増加して放
電が生起し易くなる。
【0077】そして、グロースタータ81内のバイメタ
ルが冷えてきて放電電極と離れた瞬間に、点灯回路装置
89の安定器に高圧パルスが発生して両主電極5a,5
bに印加されると放電が主電極5a,5b間に移行して
発光管4を短時間のうちに容易に始動するとともに、そ
の後は安定した点灯を持続させることができる。
【0078】なお、放電が両主電極5a,5b間へと移
行すれば発光管4の温度が上昇して熱応動スイッチ82
が開放され、グロースタータ81への電気的接続も遮断
されグロー放電が生起きしないとともに補助電極5sへ
の通電も停止する。
【0079】このように、本発明の高圧金属蒸気放電ラ
ンプLは、グロースタータ81からなる紫外線放射始動
素子を発光管4の電極5a,5sに向け配設したこと
で、始動時、発光管4内における初期電子数が増加され
る結果、放電の生起がし易くなるとともに確実となり、
ランプLの始動に要する時間の短縮がはかれる始動特性
の向上した放電ランプLを提供できる。
【0080】また、この高圧金属蒸気放電ランプLは、
発光管4や中空管6を支持するサポート部材7a,7b
が電気的に接続されていないので電位がかかっておら
ず、発光管4他端側の主電極5bへの給電は遠く離した
細線からなる給電線74で行われるので、点灯時に光電
子作用によって発光管バルブ40内からナトリウムイオ
ンなどが抜け出すことを防止でき、放電ランプLの発光
効率を低下したり、ランプ電圧を上昇させて短寿命に至
らせるなどのことがない。
【0081】さらに、万一、発光管バルブ40が破損し
ガラス片が飛散しても、発光管4を囲繞して中空管6を
設けたことにより、これを阻止ないしは衝撃を緩和して
外管バルブ1に及ぶ応力を低減できて、外管バルブ1の
破損を防止して安全上も大いに寄与できる。
【0082】さらに、このランプLは発光管4に近接す
るとともに囲繞して配設した中空管6によって発光管4
の放熱が遮蔽されるため、発光管バルブ40はさらに昇
温する。すなわち、この温度上昇は発光管バルブ40の
全体に及び最冷部を形成する内端部の電極5a,5bの
根元部をも昇温するので、バルブ40内に封入された発
光金属がよく蒸発して蒸気圧を高め発光効率や演色性な
どの特性を向上した高圧金属蒸気放電ランプを提供でき
る。
【0083】図3、図4および表1は上記高圧金属蒸気
放電ランプLにおいて、円筒形状をなす中空管6をサポ
ート部材7a側に延長した仮想線の外側表面側から紫外
線放射始動素子であるグロースタータ(点灯管)81を
徐々に離間していった場合の、始動に要する時間につい
て調べた説明図とグラフと表である。
【0084】試料のランプは、定格電力が700Wのメ
タルハライドランプで、外径が約150mm、長さが
(封止部からトップ部まで)約370mmのBT形をな
す外管バルブ1内に、外径が約29mm、全長が約13
0mm、放電空間部(端部間)長さが約88mm、電極
間距離が約65mmで、内部に放電媒体としてSc−N
a−I−Brからなるハロゲン化物を約42.8mg、
水銀を約90mg、アルゴンArを約2.0kPa封入
した発光管4と、この発光管4を囲繞して外径が約45
mm、内径が約41mm、全長が約98mmの円筒形状
をした石英ガラスからなる透光性の中空管6が収容され
一対のサポート部材7a,7bにより支持されている。
【0085】また、一方のサポート部材7a側に設けら
れたグロースタータ81は紫外線透過性の軟質ガラスか
らなる外径が約12mm、全長が約30mmのバルブ内
にバイメタル電極およびアルゴンArと水銀Hgとを封
入し、バルブ端部と発光管4の端部との離間距離は約7
0mm、グロースタータ81の端部と電極5aとの最短
距離は約100mmとし、発光管4軸とグロースタータ
81軸とが平行した状態で配置してある。
【0086】そして、図3は中空管6をサポート部材7
a側に延長した仮想線に対し配設したグロースタータ8
1の位置を示す説明図、図4は仮想線の外側表面側から
グロースタータ81を徐々に離していった場合の始動に
要する時間について調べたグラフで、横軸はグロースタ
ータ81の中空管6外側表面側からのはみ出し率S/D
(グロースタータ81のバルブの最外側表面から中空管
6外側表面までの離間距離Smm/グロースタータ81
のバルブ外径Dmmで、グロースタータ81の全体が中
空管6内にある場合、S/Dは100%未満)、縦軸は
ランプの始動(電源投入から発光管のアーク発生まで)
に要した時間(Sec)である。
【0087】この図4によれば、グロースタータ81の
中空管6外側表面側からのはみ出し率S/D×100%
が100%未満、すなわち、グロースタータ81の少な
くとも一部が中空管6と重複した位置にあれば、放電ラ
ンプLは30秒以内での始動が可能であった。
【0088】また、表1はグロースタータ81の配設位
置およびその向きを変えた場合の各10本の試料ランプ
の30秒以内での始動可能数を調べたものである。
【0089】表1中アルファベットはグロースタータ8
1の配設位置を示し、円筒形状をなす中空管6をサポー
ト部材7a側に延長した仮想線の外側表面内のほぼ中心
にあるものA位置(S/Dは0%)、外側表面(中空管
の肉厚)に一部がかかっているものB位置(S/Dは約
90%)、外側表面外のものC位置(S/Dは約120
%)について、かつ、グロースタータ81の紫外線放射
が最も高い封止部側を発光管4側と対向して配置したも
の、グロースタータ81封止部側を発光管4側として斜
行して配置したもの、グロースタータ81を発光管4に
対し水平状態で対向して配置したものについて調べた。
【表1】 表1から明らかなように、中空管6(=発光管4)の中
心付近にグロースタータ81を配置(A…S/Dが0
%)すると紫外線照射の作用が大きくランプの始動特性
が良好であった。また、中空管6(=発光管4)の中心
から離れるにしたがい(S/Dが大きくなるにしたが
い)始動特性が低下した。さらに、グロースタータ81
の向きは中空管6(=発光管4)と同軸の鉛直が最も良
く、傾斜状態から水平状態になるにしたがい始動特性が
低下する傾向にあった。
【0090】なお、本発明では、始動時に紫外線放射指
導素子81から発光管4に向けて多量の紫外線が照射さ
れるのが好ましく、できうれば両者間は空間であるのが
望ましい。また、付近に配設されたサポート部材7a,
7bや給電線74,75あるいは点灯回路構成部品など
が反射体として作用して、紫外線放射指導素子81から
の紫外線を発光管4に照射するため、紫外線放射指導素
子81は各サポート部材7a,7b、給電線74,75
や点灯回路構成部品などの間に配設されるのがより好ま
しい。
【0091】また、図5は本発明に係わる高圧金属蒸気
放電ランプLを装着したスポーツ施設照明用などの高天
井用の照明器具9の実施の形態の概略を示す縦断面図で
ある。
【0092】この図3において照明器具9は、天井面な
どへの取付部をなす基台91にソケット92が取着され
ているとともにこのソケット92を囲みガード93が設
けられている。そして、このガード93の下端には金属
板やほうろう製の円錐状をし内面に反射面が形成された
反射笠94が固定され、上記ソケット92に放電ランプ
Lの口金3が装着されることにより保持と電気的な接続
がなされる。
【0093】なお、この実施の形態では上記基台91、
ガード93および反射笠94などで器具本体を構成して
いる。また、ランプの点灯回路装置89および電源スイ
ッチ(図示しない。)は器具本体とは別の所に設けられ
ている。
【0094】このような照明器具9は、たとえばスポー
ツ施設の天井面に反射笠94の開口部側を下方に向けて
取付けられ、電源スイッチを入れることにより電源88
から点灯回路装置89、ソケットを介して放電ランプL
に通電される。
【0095】そして、この反射笠94内で口金3側を上
方(ベースアップ)にした垂直状態にあるランプLが点
灯されると、ランプLからの可視光は反射面で反射さ
れ、あるいは直接に開口部を透過して、被照射物である
コートやグランド面を照射して所定の照度が得られる。
【0096】したがって、上記高圧金属蒸気放電ランプ
Lを用いた本発明の実施の形態に係わる照明器具9は、
ランプLに対応して始動特性の向上がはかられるととも
に安全性が向上できるので、器具の開口部に強化ガラス
や金網などからなる飛散防止用の保護カバー部材などの
配設を省くことが可能な照明器具を提供できる。
【0097】なお、本発明は上記実施の形態に限るもの
ではない。たとえば中空管のサポート部材への取り付け
は、起立片を形成したリング状の金属板に限らず、中空
管の端部に軸方向に切込みを設け、この切込みを発光管
を固定するバンド部材に装着するなどの手段で行うよう
にしてもよい。
【0098】また、発光管および中空管を支持するサポ
ート部材は、上下分離した一対のサポート部材で光電子
作用を回避するため電位のかからない構成としたが、ハ
ロゲン化ナトリウムを封入しない発光管などにおいては
電極への給電部材として用いられてサポート部材に電位
がかかるものであってもよく、また、上下が導電部材な
どで一体的に接続されたサポート部材であってもよい。
【0099】また、本発明に係わる照明器具は、放電ラ
ンプを鉛直状態で点灯するものに限らず、水平や傾斜状
態で点灯する器具にももちろん適用できる。
【0100】
【発明の効果】請求項1および2の発明によれば、紫外
線放射始動素子の配設を中空管の仮想延長線内とするこ
とにより、紫外線が発光管を効率よく照射して放電ラン
プの始動を容易に、かつ、確実に行わせ始動に要する時
間を短縮できる高圧金属蒸気放電ランプを提供できる。
【0101】また、本発明では、万一、発光管バルブが
破損しガラス片などが飛散しても、発光管を囲繞して設
けた中空管がこれを阻止ないしは衝撃を緩和して外管バ
ルブに及ぼす応力を低減して、外管バルブの破損を防止
して安全上も大いに寄与できる。
【0102】さらに、中空管により放熱が遮蔽されるた
め、発光管バルブの温度が全体的に上昇し、最冷部をな
すバルブ内端部の電極の根元部をも昇温するので、バル
ブ内に封入した発光金属を加熱して蒸気圧を高め発光効
率や演色性などの発光特性の向上がはかれるなど種々の
利点を有する高圧金属蒸気放電ランプを提供できる。
【0103】請求項3の発明によれば、バルブの内部に
水銀を封入したグロースタータ(点灯管)またはエンハ
ンサを紫外線放射始動素子として用いることにより、有
効な紫外線放射を行わせることができる。
【0104】請求項4の発明によれば、中空管が長いほ
ど発光管バルブ破裂の際のガラス片などの飛散を防ぐこ
とができるが、最低でも発光管の内端部間を覆っていれ
ばよい。また、バルブの最冷部を形成する内端部が保温
されることにより発光特性の向上がはかれるなど所定の
効果を奏することができる。
【0105】請求項5の発明によれば、放電媒体として
ハロゲン化物が封入されている発光管を有する放電ラン
プに適用して、上記請求項1ないし4に記載したと同様
な効果を奏する高圧金属蒸気放電ランプを提供できる。
【0106】また、発光管と中空管を電位のかからない
サポート部材に支持させることにより、点灯時に光電子
作用によって発光管バルブ内からナトリウムイオンなど
が抜け出すことを防止でき、放電ランプが発光効率の低
下を来したり、ランプ電圧を上昇させて短寿命になるな
どのことを防止した高圧金属蒸気放電ランプを提供でき
る。
【0107】請求項6の発明によれば、上記請求項1な
いし5に記載の効果を有する高圧放電ランプを組み込ん
でいるので、発光特性の向上がはかれるとともに、万
一、発光管バルブが破損してもガラス片を飛散させるこ
とがない安全性の高い照明器具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る高圧金属蒸気放電ラ
ンプの概略を示す正面図である。
【図2】図1に示す高圧金属蒸気放電ランプの点灯回路
の回路図である。
【図3】図1に示す高圧金属蒸気放電ランプにおける、
中空管に対するグロースタータの配設位置を概略的に示
す説明図である。
【図4】中空管を延長した仮想線の外側表面側から、グ
ロースタータを徐々に離していった場合の始動に要する
時間について調べたグラフである。
【図5】本発明の実施の形態に係る高圧金属蒸気放電ラ
ンプを装着したスポーツ施設照明用などの高天井用の照
明器具の概略を示す正面図である。
【符号の説明】
L:高圧金属蒸気放電ランプ(メタルハライドランプ) 1:外管バルブ 4:発光管 40:発光管バルブ 4a,4b:封止部 5a,5b:電極(主電極) 6:透光性中空管 7a,7b:サポート部材 81:グロースタータ(紫外線放射始動素子) 9:照明器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高山 大輔 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 柏木 孝仁 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 橋本 誠 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 石神 敏彦 東京都品川区東品川四丁目3番1号 東芝 ライテック株式会社内 (72)発明者 緒方 博之 神奈川県横須賀市船越町一丁目201番地の 1 オスラム・メルコ・東芝ライティング 株式会社内 (72)発明者 岩沢 哲 神奈川県横須賀市船越町一丁目201番地の 1 オスラム・メルコ・東芝ライティング 株式会社内 Fターム(参考) 5C039 BA12 BB02 BB23 5C043 AA20 CC03 CD05 DD21 DD39 EA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱透光性気密容器からなる発光管バル
    ブ内に少なくとも一対の電極を設けるとともに放電媒体
    を封入した発光管と;この発光管を囲繞して配設された
    耐熱透光性部材からなる円筒状の中空管と;この発光管
    および中空管の両端部を支持した一対のサポート部材
    と;一方のサポート部材側の仮想延長線内に設けられ、
    少なくとも200nm〜460nmの波長の紫外線放射
    をする始動素子を含む始動回路構成部材と;上記電極お
    よび始動回路構成部材に電気的に接続した給電部材と;
    上記発光管、中空管および始動回路構成部材を支持する
    一対のサポート部材を収容した、不活性ガスまたは窒素
    ガスあるいは真空雰囲気にある外管バルブと;を具備し
    ていることを特徴とする高圧金属蒸気放電ランプ。
  2. 【請求項2】 紫外線放射する始動素子の少くとも一部
    が中空管外面の仮想延長線内にあることを特徴とする請
    求項1に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
  3. 【請求項3】 紫外線放射する始動素子がグロースター
    タまたはエンハンサであることを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
  4. 【請求項4】 中空管が、少なくとも発光管バルブの内
    端部を覆う長さを有していることを特徴とする請求項1
    ないし3のいずれか一に記載の高圧金属蒸気放電ラン
    プ。
  5. 【請求項5】 放電媒体としてハロゲン化物が封入され
    ていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一
    に記載の高圧金属蒸気放電ランプ。
  6. 【請求項6】 器具本体と;この器具本体内に配設され
    た上記請求項1ないし5のいずれか一に記載の高圧金属
    蒸気放電ランプと;この高圧金属蒸気放電ランプに接続
    した点灯回路装置と;を具備していることを特徴とする
    照明器具。
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