JP4896891B2 - 車両シート用取り付け具 - Google Patents

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Description

本発明は、第1取り付け部材と、第1取り付け部材にギア接続される第2取り付け部材と、車両シート用取り付け具を主にロックする偏心ロック手段と、車両シート用取り付け具を調整するために第1取り付け部材に対して第2取り付け部材を相対的に回動させる走行偏心輪と、車両シート用取り付け具の調整運動の開始時にロック効果を相殺するために偏心ロック手段を制御するとともに調整運動時に走行偏心輪を駆動するドライバーとを備え、偏心ロック手段と走行偏心輪とが第1取り付け部材に取り付けられてロック及び/又は傾斜調整時に第2取り付け部材を支持する車両シート用取り付け具に関し、特に、自動車シート用取り付け具に関する。
この種の従来の車両シート用取り付け具は、DE3941215A1に記載されているように、車両シートの背もたれが、車両シート用取り付け具を介して車両シートのシート部材に対して傾斜調整自在な状態で取り付けられている。
この従来の車両シート用取り付け具では、一対の楔形セグメントからなる偏心ロック手段と鎌状心出しセグメントからなる走行偏心輪とが、第1取り付け部材のカラーに対して配置されている。
前述した偏心ロック手段は、車両シート用取り付け具をロックする機能を有しており、一方、走行偏心輪は、傾斜調整の操作時に取り付け部材の取り付けや駆動を行うようになっている。
材料の選択や構成部材の形状に起因して、傾斜調整の操作時に摩擦の増大が局部的に生じる結果、傾斜調整時に必要とされる操作力が増大してしまうという問題があった。
さらに、使用者が背もたれに及ぼす負荷方向とは反対方向に向けて傾斜調整を行う場合や、背もたれの荷重方向とは反対方向に向けて傾斜調整を行う場合には、使用者が背もたれに及ぼす負荷方向や背もたれの荷重方向に向けて傾斜調整を行う場合に比べて、この問題が顕著になっていた。
本発明の目的は、前述したような従来の車両シート用取り付け具を改善することであり、特に、前述した負荷方向とは反対方向に向けて傾斜調整を行う際に必要とされる操作力を軽減することである。
本発明の目的は、第1取り付け部材と、第1取り付け部材にギア接続される第2取り付け部材と、車両シート用取り付け具を主にロックする偏心ロック手段と、車両シート用取り付け具を調整するために第1取り付け部材に対して第2取り付け部材を相対的に回動させる走行偏心輪と、車両シート用取り付け具の調整運動の開始時にロック効果を相殺するために偏心ロック手段を制御するとともに調整運動時に走行偏心輪を駆動するドライバーとを備え、偏心ロック手段と走行偏心輪とが第1取り付け部材に取り付けられてロック及び/又は傾斜調整時に第2取り付け部材を支持し、走行偏心輪が、第1取り付け部材と第2取り付け部材との双方に対して転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュを介して取り付けられているとともに、走行偏心輪と転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュとの間、または、転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュと関連の取り付け部材との間の摩擦が、偏心ロック手段と取り付け部材の少なくともいずれかとの間の摩擦より小さくなるように設計されている車両シート用取り付け具により達成される。
有益な改良は、従属する請求項の要旨である。
本発明において用いられる走行偏心輪は、転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュを介して第1取り付け部材または第2取り付け部材に取り付けられているため、走行偏心輪と転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュとの間で生じる摩擦を軽減できるようになっており、あるいは、それ以外の関連部材と転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュとの間で生じる摩擦を軽減できるようになっており、このような摩擦は、車両シート用取り付け具をロックするために必要とされる偏心ロック手段と関連の取り付け部材との間で生じる摩擦よりも小さくなるように設計されている。
そして、摩擦の発生を低減することで、背もたれの傾斜調整の操作時に必要とされる操作力を軽減できるように設計されている。
偏心ロック手段は、車両シート用取り付け具のロックを行うとともに遊びの無い状態での背もたれの位置決めを行うように設計されている。
転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュが、走行偏心輪用の軸受部材として走行偏心輪の内周または外周に配置されている。
転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュは、関連部材に対して非回動状態で連結されているのが好ましく、例えば、関連部材に形成された開口やカラー内に押し込まれて、または、関連部材に形成された開口やカラーの周りに外嵌されているのが好ましい。
あるいは、転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュの一方または両方が、走行偏心輪に対して非回動状態で連結されていても良く、例えば、走行偏心輪内に押し込まれていても良く、または、走行偏心輪の周りに外嵌されていても良い。
また、走行偏心輪は、鎌状を呈していても良い。
また、走行偏心輪は、リング状を呈していても良く、すなわち、周方向に完全に閉じた形状を呈していても良い。
転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュと、関連の取り付け部材または鎌状の走行偏心輪との間で低摩擦状態での相対的運動が行われる場合には、鎌状の走行偏心輪の周方向部分のみに転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュを設けていれば良く、すなわち、これら軸受部材は、鎌状の転がり接触軸受セグメントまたは鎌状の滑り軸受セグメントとして成形しても何ら構わない。
偏心ロック手段と走行偏心輪は、別部材として成形しても良く、両方の機能を兼ね備えた一つの部材として成形しても良い。
ロックされた状態の車両シート用取り付け具においては、偏心ロック手段が、車両シート用取り付け具のロックや遊びの無い状態での背もたれの位置決めや各取り付け部材の取り付け等を行うように設計されている。
走行偏心輪が、各取り付け部材の取り付けを協働して行うようになっていても良い。
負荷方向とは反対方向に向けて傾斜調整を行う際には、走行偏心輪が、各取り付け部材の取り付け及び回動運動の駆動を行うようになっている。
なお、ここでいう負荷方向とは、使用者がシート構成部材に対して及ぼす負荷の方向のことであり、あるいは、シート構成部材に作用する重力の方向のことを意味している。
更に詳しくは、負荷方向に向けて傾斜調整を行う際には、走行偏心輪が、各取り付け部材の取り付けと回動運動の駆動を単独で行うようになっているが、諸条件に応じて、偏心ロック手段等が、各取り付け部材の取り付けと回動運動の駆動を補助するように設計しても良い。
一対の楔形セグメントからなる偏心ロック手段の制御は、ドライバーの駆動セグメントを介して一対の楔形セグメントを相互に接近させることでロック作用を相殺するようになっていても良く、このような一対の楔形セグメントの相互間の接近量には通常バラつきがあり、局部的な摩擦条件や構成部材の許容差に依存している。
走行偏心輪の駆動に関しては、駆動セグメントを介して行うことが可能であり、環状の走行偏心輪に形成された凹部内で行うようになっていても良い。
また、偏心ロック手段の制御は、ドライバーが、一対の楔形セグメントを相互に接近させるように押圧することで行っても良く、すなわち、一対の楔形セグメントの両方を移動させるように設計しても良く、または、一対の楔形セグメントの両方のうち一方だけを移動させるように設計しても良く、例えば、負荷方向に対して少量の負荷がかかった楔形セグメントだけを移動させるように設計しても良い。
ロックされた状態の初期位置(in the initial position)においては、環状ばねが、一対の楔形セグメントを相互に離間させるように付勢力を発揮するようになっているのが好ましい。
ドライバーは、環状ばねの両端部に形成された末端フィンガーのうち一方または両方に係合するようになっており、この末端フィンガーは、孔を介して楔形セグメントに係合するようになっているのが好ましい。
偏心ロック手段の制御は、ドライバーに回動自在な状態で連結された連結リンクの摺動部を介して行っても良い。
走行偏心輪をドライバーと偏心ロック手段との間に軸方向に配置した場合においても、環状ばねの両端部に形成された末端フィンガーは、走行偏心輪に形成されたスロットを介して楔形セグメントを支障なく貫通するようになっている。
回動式のドライバーが、各部材共通の回動軸に対して横方向への力を生じさせることなく、回動式の走行偏心輪に対して作用するようになっているため、ドライバーの駆動トルクが、同じ摩擦条件で走行偏心輪に対して伝動されるように設計されている。
そのため、局部的な摩擦の増大や傾斜調整時に必要とされる操作力の増大を回避できるようになっている。
したがって、実質的に摩擦を増大させることなく、部材の寸法公差に起因して必要とされる横方向の力に関する自由度を確保できるようになっている。
ドライバーと走行偏心輪との係合は、例えば、ドライバーと走行偏心輪との間の接点で生じるようになっており、この接点は、共通の回動軸から等距離で周方向に亘って分布している。
偏心ロック手段と走行偏心輪との制御の時間シーケンスを調整するために空運動を利用するスロットピンガイド(slot-pin-guide)を用いた場合、ドライバーや走行偏心輪に形成された一対のピンや一対の細長い孔が、これら部材の回動軸に対してそれぞれ対称的に配置されており、これらドライバー及び走行偏心輪や一対のピン及び一対の細長い孔は、如何なる関連性を有するようになっていても良い。
また、ドライバーと走行偏心輪とを相互に非回動状態で連結しても良く、例えば、遊びが無い状態でピンと孔とを嵌合しても良い。
さらに、ドライバーと走行偏心輪とを1つの部材として一体成形しても何ら構わない。
本発明の車両シート用取り付け具を用いて、例えば、背もたれの傾斜調整が行われるようになっている。
背もたれの可動範囲を調整することで、本発明の応用範囲は広がる。
本発明は、手動式で駆動するように構成されているのが好ましいが、モーター式で駆動するように構成されていても良い。
本発明は、手動またはモーターで駆動する他のギア付きの車両シート用取り付け具に適用しても良い。
本発明を図面に示された複数の実施例及び変形例に基づいて、以下に詳細に説明する。
本発明の第1実施例である自動車用の車両シート1は、シート部材3と、このシート部材3に対して手動で傾斜調整できる背もたれ4とから構成されている。
この背もたれ4の傾斜調整は、側面に設けられたハンドホイールと、車両シート1の両側面にそれぞれ取り付けられて背もたれ4を支持する一対の車両シート用取り付け具10、10の間に設けられた駆動シャフトとを介して行われるように構成されている。
一対の車両シート用取り付け具10、10は、ロック用及び傾斜調整用のギアによって第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが相互に接続されたギア付き取り付け具としてそれぞれ構成されている。
これらの第1取り付け部材11と第2取り付け部材12は、ほぼ平坦状に形成されているとともに鋼材からなっている。
第1取り付け部材11は、背もたれ4の構造物に接続されており、図面においては上側に示されている。
また、第1実施例では、第2取り付け部材12は、シート部材3に接続されており、図面においては下側に示されている。
なお、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との配置関係は、相互に交換可能であり、すなわち、軸受と相互に対する構成部材の動作は、車両シート用取り付け具10の相対的なシステムで概念的なものとして考えることができ、何ら制約を受けるものではない。
第2取り付け部材12に圧着されて外歯を有する歯付きホイール16と第1取り付け部材11に圧着されて内歯を有する歯付きリング17とが、相互に噛み合うことでギアを形成している。
歯付きホイール16の外歯の歯先円の直径は、歯付きリング17の内歯の歯先円の直径よりも少なくとも1歯高さだけ小さくなるように設定されている。
このような歯付きホイール16と歯付きリング17の歯数間の差によって、歯付きホイール16上での歯付きリング17の回動運動が可能となる。
第1取り付け部材11は、歯付きリング17の内歯と同心状で形成されたカラー19を歯付きホイール16に面する側に有しており、この歯付きリング17の中心は、以下に使用される円筒状座標系を規定している。
第1取り付け部材11に形成されたカラー19には、ドライバー(driver)21が、その中央に設けられたハブ22を介して遊嵌状態で取り付けられている。
ドライバー21は、例えば、プラスチックあるいは金属材料から成形されている。
ドライバー21の軸方向中央には、ハブ22に連通して駆動シャフトの外部キー付き形状に対応した形状の受け部23が設けられている。
ドライバー21は、ハブ22が形成された側面とは反対側の側面、すなわち、ドライバー21の前側面に大きな直径を有するカバーディスク(cover disk)を設置できるように設計されている。
ドライバー21は、クリップ止めされた保持リング24を介して第1取り付け部材11の前側面で軸方向に固定されている。
傾斜調整操作を阻害することなく軸方向の力を受けるように様々な取り付け部材を覆う保持プレート25、25が、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とに溶接されている。
図面においては、これら保持プレート25、25の内1つのみを示している。
ドライバー21と第1取り付け部材11との間には、鋼材、焼結材、または、それ以外の金属材料から成形された一対の楔形セグメント27、27が軸方向に配置されており、この一対の楔形セグメント27、27は、偏心ロック手段として構成されている。
この楔形セグメント27は、円弧状に湾曲した内周面を介して第1取り付け部材11に形成されたカラー19の外周面で支持されている。
また、楔形セグメント27は、内周面と同様に湾曲した円弧状の外周面を介して転がり接触軸受ブシュ(rolling-contact bearing bush)または滑り軸受ブシュ(plain bearing bush)としての第1滑り軸受ブシュ28の内側に取り付けられている。
この第1滑り軸受ブシュ28は、非回動状態で第2取り付け部材12内に押し込まれている。
第1滑り軸受ブシュ28と楔形セグメント27との間で生じる摩擦は、その楔形セグメント27と第1取り付け部材11に形成されたカラー19との間で生じる摩擦よりも著しく小さくなるように設計されている。
環状ばね30の両端部に設けられた角度付き端部フィンガーが、楔形セグメント27の孔29(あるいは、周方向に開いたジョー)を介して楔形セグメント27を周方向に押し離して、すなわち、一対の楔形セグメント27、27を相互に離間させるように付勢して車両シート用取り付け具10を初期位置(in the initial position)にロックするようになっている。
走行偏心輪31は、軸方向に楔形セグメント27に対して隣接した状態で配置されている。
走行偏心輪31は、例えば、プラスチックまたは金属材料から成形されている。
走行偏心輪31は、その円弧状に湾曲した外周面で第1滑り軸受ブシュ28を半径方向外側に圧迫するように設計されている。
走行偏心輪31は、その外周面と同様に円弧状に湾曲した内周面を介して他の転がり接触軸受ブシュあるいは滑り軸受ブシュとしての第2滑り軸受ブシュ33を半径方向内側に圧迫するようになっている。
この第2滑り軸受ブシュ33は、非回動状態で走行偏心輪31内に挿入されているとともに第1取り付け部材11に形成されたカラー19に対して小さな力で回動するように設計されている。
なお、第2滑り軸受ブシュ33は、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の周りに非回動状態で外嵌するとともに走行偏心輪31に対して回動するように設計しても何ら構わない。
第1滑り軸受ブシュ28と走行偏心輪31との間で生じる摩擦、及び、第2滑り軸受ブシュ33と第1取り付け部材11に形成されたカラー19との間で生じる摩擦が、楔形セグメント27と第1取り付け部材11に形成されたカラー19との間で生じる摩擦より著しく小さくなるように設計されている。
ロックされた状態の初期位置においては、偏心ロック手段としての一対の楔形セグメント27、27が、その偏心方向の延長線上において、第1取り付け部材11に圧着された歯付きリング17内に第2取り付け部材12に圧着された歯付きホイール16を押し込むように設計されている。
走行偏心輪31は、偏心ロック手段としての一対の楔形セグメント27、27が相互に隣接した状態になるように、一対の楔形セグメント27、27の偏心形態に整合した状態で配置されている。
この偏心ロック手段としての一対の楔形セグメント27、27は、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との間で取り付け、遊びが無い状態で背もたれ4の位置決めやロックを行うように設計されている。
なお、前述した第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との間の取り付けは、一対の楔形セグメント27、27と走行偏心輪31とが協働して行うように設計しても何ら構わない。
ドライバー21の駆動時には、一対の楔形セグメント27、27が環状ばね30の付勢力に反して相互に接近して、車両シート用取り付け具10のロックが解除されるようになっている。
走行偏心輪31は、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との間の取り付け、及び、回動運動の駆動を単独で行うように設計されている。
負荷方向における傾斜調整操作時には、種々の複雑な条件が生じることがあり、その場合、一対の楔形セグメント27、27の一方または双方が、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12との間の取り付けや駆動を行うようになっている。
偏心方向をずらして、揺動回動運動として示される歯付きリング17と歯付きホイール16との係合位置をずらすことで、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の外周におけるその回動時に、走行偏心輪31は第2取り付け部材12に沿って摺動するように設計されている。
前述したドライバー21、偏心ロック手段、及び走行偏心輪31の構成は、本発明の全ての実施例と全ての変形例において共通している。
これらと以下に説明する変形例の詳細な構成には多少の違いがある。
第1実施例においては、ハブ22を形成した側、すなわち、ドライバー21の後側面に形成された駆動セグメント35は、駆動ラグ36によってドライバー21の周方向の範囲を画定されている。
この駆動セグメント35は、一対の楔形セグメント27の幅の狭い端部の間で駆動ラグ36を介して遊びを有した状態で把持するようになっている。
鎌状に形成された走行偏心輪31は、ドライバー21と楔形セグメント27との間で軸方向に配置されている。
環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、走行偏心輪31と楔形セグメント27とを連結させることなく、走行偏心輪31に軸方向に貫設されて周方向に延在した形状を呈する一対のスロット37、37と楔形セグメント27に形成された孔29とを遊嵌状態で貫通している。
ドライバー21に面する側面、すなわち、走行偏心輪31の前側面に突出形成された一対のピン38、38は、相互に半径方向に対峙した状態を呈している。
一対のピン38、38は、ドライバー21の外周方向に形成された一対の細長い孔39、39にそれぞれ係合している。
そして、初期位置で、一対のピン38、38は、それぞれドライバー21に形成された一対の細長い孔39、39のほぼ中央にそれぞれ配置されている。
走行偏心輪31に形成された一対のピン38、38が、ドライバー21に形成された一対の細長い孔39、39の駆動セグメント35に近接した端部(すなわち、図1及び図3において下側に示す端部)をそれぞれ圧迫している場合においても、ドライバー21に形成された駆動ラグ36と走行偏心輪31との間には依然として隙間があるように設計されている。
駆動時のトルクは、ドライバー21に伝動された後に、ドライバー21に形成された一対の駆動ラグ36、36の一方が対応の楔形セグメント27を押圧することで偏心ロック手段の楔形セグメント27に伝動されるようになっている。
ドライバー21の更なる回動時には、ドライバー21に形成された細長い孔39の内壁が、走行偏心輪31に形成されたピン38に対して空移動した後、このピン38を押圧して走行偏心輪31を駆動するようになっている。
このような走行偏心輪31に形成されたピン38とドライバー21に形成された細長い孔39とによって構成されるトルク伝動手段が、半径方向に2箇所設けられているため、走行偏心輪31への当接及び駆動が、横方向への力を生じさせることなくドライバー21を介して行われて、すなわち、駆動時のトルクが、ドライバー21の中央に配置された回動軸に対して点対称で作用するようになっている。
走行偏心輪31は、第1滑り軸受ブシュ28の内周面、及び、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の外周面を(第2滑り軸受ブシュ33を介して)同程度の低摩擦状態で摺動するようになっている。
なお、横方向の力、すなわち、非対称に作用する瞬間的なトルクが、走行偏心輪31に対して回動軸の周りで(ドライバー21と走行偏心輪31との接点で)作用した場合には、この瞬間的なトルクに起因して第1滑り軸受ブシュ28の内周面と走行偏心輪31との間で生じる摩擦、及び、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の外周面と走行偏心輪31との間で生じる摩擦(第2滑り軸受ブシュ33を介して)が増大することがある。
以下に記載する変形例は、第1実施例と同様に横方向への力を生じさせることのない構成になっており、この変形例と第1実施例との差異は、楔形セグメント27の制御方法または取り付け方法である。
この楔形セグメント27の制御は、ドライバー21に形成された駆動セグメント35を必要とすることなく環状ばね30を利用することで行われるようになっている。
次に、第1実施例の第1変形例について、図4に基づいて説明する。
ここで、第1実施例の第1変形例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には「'」を加えた符号が付与される。
一対のリンク41'、41'が、相互に対称的な状態でドライバー21'と連結リンク43'とに連結されている。
連結リンク43'は、走行偏心輪31に回動自在な状態で取り付けられており、なお、この走行偏心輪31は、例えば、リング状に形成しても何ら構わない。
環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、連結リンク43'に設けられた一対の摺動部45'、45'、走行偏心輪31に形成された一対のスロット37、37、及び、一対の楔形セグメント27、27にそれぞれ形成された孔29、29を貫通している。
ドライバー21'の駆動時には、このドライバー21'が、リンク41'を介して連結リンク43'を回動させるようになっている。
そして、この摺動部45'の形状に起因して、環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーは、一対の楔形セグメント27、27を相互に接近させるように押圧して車両シート用取り付け具10のロックを解除するようになっている。
走行偏心輪31は、横方向への力を生じさせることなく、走行偏心輪31に形成された一対のピン38、38とドライバー21'に形成された細長い孔39とを介して回動するようになっている。
次に、第1実施例の第2変形例について、図5に基づいて説明する。
ここで、第1実施例の第2変形例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には「''」を加えた符号が付与される。
ドライバー21''と、走行偏心輪31に対して回動自在な状態で取り付けられた連結リンク43''とは、インボリュート噛み合い47''を介して摺動部45''に連結されている。
ドライバー21''の駆動時には、このドライバー21''が、インボリュート噛み合い47''を介して連結リンク43''を回動させるようになっている。
そして、摺動部45''の形状に起因して、環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーは、一対の楔形セグメント27、27を相互に接近させるように押圧して車両シート用取り付け具10のロックを解除するようになっている。
走行偏心輪31は、横方向への力を生じさせることなく回動するようになっている。
次に、第1実施例の第3変形例について、図6に基づいて説明する。
ここで、第1実施例の第3変形例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には「'''」を加えた符号が付与される。
使用者によって背もたれ4に対して及ぼされる負荷等に起因して、一対の楔形セグメント27、27のうち一方には軽い負荷がかかり、他方には重い負荷がかかるようになっている。
ドライバー21'''は、連結リンク43'''に回動自在な状態で取り付けられたリンク41'''に連結ポイント48'''で接続されている。
連結リンク43'''は、僅かに非対称で形成されており、軽い負荷がかかった楔形セグメント27側には摺動部45'''を備えているとともに、他方側では、環状ばね30の両端部に形成された2つの末端フィンガーのうち関連の末端フィンガー(図6において左側に示す環状ばね30の端部)を介して重い負荷がかかった楔形セグメント27に取り付けられている。
ドライバー21'''の駆動時には、このドライバー21'''が、インボリュート噛み合い47'''とリンク41'''とを介して連結リンク43'''を回動させるようになっている。
そして、摺動部45'''の形状に起因して、環状ばね30の両端部に形成された2つの末端フィンガーのうち関連の末端フィンガー(図6において右側に示す環状ばね30の端部)が、軽い負荷がかかった楔形セグメント27を半径方向に引っ張ることで重い負荷がかかった楔形セグメント27を押圧して車両シート用取り付け具10のロックを解除するようになっている。
走行偏心輪31は、横方向への力を生じさせることなく回動するようになっている。
次に、本発明の第2実施例である車両シート用取り付け具について、図7及び図8に基づいて説明する。
ここで、第2実施例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には第1実施例における100番台の符号を200番台の符号に読み替えるものとする。
ハブ222を形成した側、すなわち、ドライバー221の後側面に形成された駆動セグメント235は、駆動ラグ236によってドライバー221の周方向の範囲を画定されている。
駆動セグメント235は、一対の楔形セグメント227の幅の狭い端部の間で駆動ラグ236を介して一対の楔形セグメント227を遊びを有した状態で把持するようになっている。
楔形セグメント227は、第1取り付け部材11のカラー19の周りに直接的に、すなわち、第1実施例のように第2滑り軸受ブシュ33を介すことなく配置されており、一方、第1滑り軸受ブシュ28は、第2取り付け部材12内に押し込められている。
走行偏心輪231は、リング形状を呈しており、ドライバー221と楔形セグメント227との間で軸方向に配置されている。
環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、走行偏心輪231と楔形セグメント227とを連結させることなく、走行偏心輪231に軸方向に貫設されて周方向に延在した形状を呈する一対のスロット237、237と楔形セグメント227に形成された開口ジョー229とを遊嵌状態で貫通している。
ドライバー221に面する側面、すなわち、走行偏心輪231の前側面に軸方向に突出形成された一対のピン238、238は、相互に半径方向に対峙した状態を呈している。
一対のピン238、238は、ドライバー221の外周方向に形成された一対の細長い孔239、239にそれぞれ係合している。
ドライバー221と走行偏心輪231とは、非回動状態で相互に連結されており、すなわち、回り止め状態で相互に連結されている。
第2滑り軸受ブシュ233は、走行偏心輪231に軸方向に突出形成されてハブ形状を呈する突起231bの周りに押し付けられているとともに、第1取り付け部材11に形成されたカラー19内に配置されて、すなわち、カラー19に取り付けられている。
ドライバー221に形成されたハブ222は、走行偏心輪231に配置されており、すなわち、ドライバー221は、走行偏心輪231と第2滑り軸受ブシュ233とを介して第1取り付け部材11に取り付けられている。
駆動時におけるトルクは、ドライバー221に伝動された後に、ドライバー221に形成された駆動ラグ236が対応の楔形セグメント227を押圧することで偏心ロック手段としての楔形セグメント227に伝動されるようになっている。
そして、走行偏心輪231が、ドライバー221に対称的に形成された細長い孔239と走行偏心輪231に対称的に形成されたピン238とを介して、横方向への力を生じさせることなく駆動するようになっている。
そして、走行偏心輪231は、第1滑り軸受ブシュ28の内周面と第2滑り軸受ブシュ233の内周面とを同程度の低摩擦状態で摺動して、その結果、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが、相互に回動するように設計されている。
次に、本発明の第3実施例である車両シート用取り付け具について、図9及び図10に基づいて説明する。
ここで、第3実施例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には第1実施例における100番台の符号を300番台の符号に読み替えるものとする。
第3実施例に用いられるドライバー321は、走行偏心輪としての機能も併せて発揮するようになっており、すなわち、第1実施例及び第2実施例においては機能的に分離されていたドライバーと走行偏心輪とは、第3実施例においては一体のものとして成形されている。
ドライバーと走行偏心輪とは、相互に非回動状態で接続されており、その結果、走行偏心輪は、自動的にドライバーで駆動されるようになっている。
ハブ322を形成した側、すなわち、ドライバー321の後側面に形成された駆動セグメント335は、駆動ラグ336によってドライバー321の周方向の範囲を画定されている。
駆動セグメント335は、一対の楔形セグメント227の幅の狭い端部の間で駆動ラグ336を介して一対の楔形セグメント227を遊びを有した状態で把持するようになっている。
楔形セグメント227は、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の周りに直接的に、すなわち、第1実施例のように第2滑り軸受ブシュ33を介すことなく配置されており、一方、第1滑り軸受ブシュ28は、第2取り付け部材12内に押し込められている。
第2滑り軸受ブシュ233は、ドライバー321に形成されたハブ322の周りに押し付けられているとともに、第1取り付け部材11に形成されたカラー19の内側に配置されており、すなわち、カラー19の内側に取り付けられている。
環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、ドライバー321と楔形セグメント227とを連結させることなく、ドライバー321に軸方向に貫設されて周方向に延在した形状を呈する一対のスロット337、337と楔形セグメント227に形成された開口ジョー229とを遊嵌状態で貫通している。
なお、駆動セグメントを用いることなく、スロット337が環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガー用の摺動部としての機能を発揮するように成形するとともに、楔形セグメント227に孔を設けても何ら構わない。
駆動時におけるトルクは、ドライバー321に伝動された後に、ドライバー321に形成された駆動ラグ336が対応の楔形セグメント227を押圧することで偏心ロック手段としての楔形セグメント227に伝動されるようになっている。
ドライバー321が、他の実施例における走行偏心輪としての機能も併せて発揮するように一つの部材として成形されていることにより、横方向への力を生じさせることなく回動するようになっている。
そして、ドライバー321は、第1滑り軸受ブシュ28の内周面と第2滑り軸受ブシュ233の外周面とを同程度の低摩擦状態で摺動して、その結果、第1取り付け部材11と第2取り付け部材12とが、相互に回動するように設計されている。
次に、本発明の第4実施例である車両シート用取り付け具について、図11及び図12に基づいて説明する。
第4実施例においては、力の条件、特に、摩擦条件は、横方向の力が特別重要ではないように設定することができるようになっている。
その結果、ドライバーと走行偏心輪との連結が、シンプルな構造になるように設計されている。
ここで、第4実施例の説明においては、特に説明がない限り、第1実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には第1実施例における100番台の符号を400番台の符号に読み替えるものとする。
第4実施例においては、第1駆動セグメント135aと、この第1駆動セグメント135aに軸方向に取り付けられた第2駆動セグメント135bとが、ハブ22を形成した側、すなわち、ドライバー121の後側面に段差状に形成されている。
ドライバー121に形成された第1駆動セグメント135aは、第2駆動ラグ136bで周方向の範囲を画定されており、一方、この第2駆動セグメント135bは、第2駆動ラグ136bで周方向の範囲を画定されている。
第1駆動セグメント135aは、一対の楔形セグメント27の幅の狭い端部の間で遊びを有した状態で第1駆動ラグ136aで把持するようになっている。
第2駆動セグメント135bは、大きな遊びを有した状態で第2駆動ラグ136bで走行偏心輪131に形成された凹部131a内で把持するようになっている。
この走行偏心輪131は、リング形状を呈しており、楔形セグメント27と第1取り付け部材11との間で軸方向に配置されている。
環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーは、楔形セグメント27に形成された孔29に当接状態で係合するようになっている。
駆動時におけるトルクは、ドライバー121に伝動された後に、ドライバー121に形成された第1駆動ラグ136aが対応の楔形セグメント27を押圧することで偏心ロック手段としての楔形セグメント27に伝動されるようになっており、すなわち、車両シート用取り付け具10のロックが解除されるようになっている。
そして、ドライバー121の回動時には、ドライバー121に形成された第1駆動セグメント135aと楔形セグメント27との間でやや少量の空運動が生じるとともに、ドライバー121に形成された第2駆動セグメント135bと走行偏心輪131に形成された凹部131aとの間でやや多量の空移動が生じるようになっている。
このような空運動の後、走行偏心輪131は、停止する第2駆動ラグ136bに当接して、第2駆動セグメント135bによって駆動されるようになっている。
なお、本発明の第4実施例である車両シート用取り付け具10に用いられる第1滑り軸受ブシュ28、第2滑り軸受ブシュ33、ドライバー121、及び、走行偏心輪131等の機能は、前述した実施例におけるこれら部材の機能と同様であるため、その説明を省略する。
以下に記載する変形例においては、楔形セグメント27の制御方法が、第4実施例とは異なる。
この楔形セグメント27の制御は、第1駆動セグメント135aを用いることなく、第1実施例の変形例のように環状ばね30を用いることで行われるように設計されている。
次に、第4実施例の第1変形例について、図13に基づいて説明する。
ここで、第4実施例の第1変形例の説明においては、特に説明がない限り、第4実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には「'」を加えた符号が付与される。
そして、第1実施例の第1変形例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には第1実施例の第1変形例における符号に100を加えた符号が付与される。
一対のリンク41'、41'が、相互に対称的な状態でドライバー121'と連結リンク43'とに連結されている。
連結リンク43'は、回動自在な状態で支持リング151'に取り付けられており、この支持リング151'は、軸方向に突出した2対の駆動突起部153'、153'、153'、153'や環状ばね30とほぼ同じ直径を有している。
そして、この環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、連結リンク43'に形成された一対の摺動部45'、45'と楔形セグメント27に形成された孔29とを貫通している。
ドライバー121'の駆動時には、このドライバー121'は、リンク41'を介して連結リンク43'を回動させるとともに、一対の駆動突起部153'、 153'の間に配置された状態でドライバー121'に突出形成された一対の駆動アーム155'、 155'を介して支持リング151'を回動させるように設計されている。
連結リンク43'に形成された摺動部45'の形状に起因して、環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、一対の楔形セグメント27、27を相互に接近させるように押圧して車両シート用取り付け具10のロックを解除するようになっている。
そして、ドライバー121'に形成された第2駆動ラグ136bと走行偏心輪131に形成された凹部131aとの間で空運動が生じた後、ドライバー121'は、第2駆動セグメント135bを介して走行偏心輪131を駆動するようになっている。
次に、第4実施例の第2変形例について、図14に基づいて説明する。
ここで、第4実施例の第2変形例の説明においては、特に説明がない限り、第4実施例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には「''」を加えた符号が付与される。
そして、第1実施例の第2変形例と同じ構成部材には同じ符号が付与され、また、同様に作用する構成部材には第1実施例の第2変形例における符号に100を加えた符号が付与される。
連結リンク43''と、支持リング151'に回動自在な状態で取り付けられたドライバー121''とは、インボリュート噛み合い47''を介して摺動部45''に接続されている。
ドライバー121''の駆動時には、ドライバー121''は、インボリュート噛み合い47''を介して連結リンク43''を回動させるようになっている。
連結リンク43''に形成された摺動部45''の形状に起因して、環状ばね30の両端部に形成された末端フィンガーが、一対の楔形セグメント27、27を相互に接近させるように押圧して車両シート用取り付け具10のロックを解除するようになっている。
ドライバー121''は、駆動突起部153''間に配置された駆動アーム155''を介して支持リング151''を駆動させるとともに、第2駆動セグメント135bを介して走行偏心輪131を駆動させるように設計されている。
第1実施例を示す分解図。 車両シートの概略図。 第1実施例の部分斜視図。 第1実施例の第1変形例を示す部分図。 第1実施例の第2変形例を示す部分図。 第1実施例の第3変形例を示す部分図。 第2実施例を示す分解図。 第2実施例を示す軸方向断面図。 第3実施例を示す軸方向断面図。 第3実施例を示す分解図。 第4実施例を示す分解図。 第4実施例を示す軸方向断面図。 第4実施例の第1変形例を示す部分図。 第4実施例の第2変形例を示す部分図。
符号の説明
1 ・・・ 車両シート
3 ・・・ シート部材
4 ・・・ 背もたれ
10 ・・・ 車両シート用取り付け具
11 ・・・ 第1取り付け部材
12 ・・・ 第2取り付け部材
16 ・・・ 歯付きホイール
17 ・・・ 歯付きリング
19 ・・・ カラー
21、 21'、 21''、21'''・・・ ドライバー
121、121'、121''・・・ ドライバー
221、321 ・・・ ドライバー
22、222、322 ・・・ ハブ
23 ・・・ 受け部
24 ・・・ 保持リング
25 ・・・ 保持プレート
27、227 ・・・ 楔形セグメント
28 ・・・ 第1滑り軸受ブシュ
29 ・・・ 孔
30 ・・・ 環状ばね
31、131、231 ・・・ 走行偏心輪
33、233 ・・・ 第2滑り軸受ブシュ
35、235、335 ・・・ 駆動セグメント
36、236、336 ・・・ 駆動ラグ
37、237、337 ・・・ スロット
38、238 ・・・ ピン
39 ・・・ 細長い孔
41'、41''' ・・・ リンク
43'、43''、43''' ・・・ 連結リンク
45'、45''、45''' ・・・ 摺動部
47'' ・・・ インボリュート噛み合い
48''' ・・・ 連結ポイント
131a ・・・ 凹部
135a ・・・ 第1駆動セグメント
135b ・・・ 第2駆動セグメント
136a ・・・ 第1駆動ラグ
136b ・・・ 第2駆動ラグ
151'、151'' ・・・ 支持リング
153'、153'' ・・・ 駆動突起部
155'、155'' ・・・ 駆動アーム
229 ・・・ 開口ジョー
231b ・・・ 突起部
239 ・・・ 孔

Claims (8)

  1. 第1取り付け部材(11)と、該第1取り付け部材(11)にギア接続される第2取り付け部材(12)と、車両シート用取り付け具(10)を主にロックする偏心ロック手段と、前記車両シート用取り付け具(10)を調整するために第1取り付け部材(11)に対して第2取り付け部材(12)を相対的に回動させる走行偏心輪(31;131;231)と、前記車両シート用取り付け具(10)の調整運動の開始時にロック効果を相殺するために偏心ロック手段を制御するとともに調整運動時に走行偏心輪(31;131;231)を駆動するドライバー(21;21';21'';21''';121;121';121'';221;321)とを備え、前記偏心ロック手段と走行偏心輪(31;131;231)とが第1取り付け部材(11)に取り付けられてロック及び/又は傾斜調整時に第2取り付け部材(12)を支持する車両シート用取り付け具(10)において、
    前記走行偏心輪(31;131;231)が、前記第1取り付け部材(11)と第2取り付け部材(12)との双方に対して転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュ(28、33;233)を介して取り付けられているとともに、
    前記走行偏心輪(31;131)と転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュ(28、33;233)との間、または、転がり接触軸受ブシュまたは滑り軸受ブシュ(28、33;233)と対応の取り付け部材(11、12)との間の摩擦が、前記偏心ロック手段と取り付け部材(11、12)の少なくともいずれかとの間の摩擦より小さくなるように設計され、
    前記回動自在な走行偏心輪(31;131;231)が、前記第1滑り軸受ブシュ(28)を回動軸を中心とした半径方向外側に圧迫するとともに、前記第2滑り軸受ブシュ(33;233)を半径方向内側に圧迫するように設計され、
    前記第1滑り軸受ブシュ(28)と第2滑り軸受ブシュ(33;233)が、対応の取り付け部材(12、11)または走行偏心輪(31;131;231)に対して回り止め状態で接続され、
    前記走行偏心輪(31;131;231)が、環状または鎌状を呈し、
    前記ドライバー(21;21';21'';21''';121;121';121'';221;321)が、駆動セグメント(35;135a;235;335)または環状ばね(30)を介して一対の楔形セグメント(27;227)からなる偏心ロック手段を制御するとともに、前記楔形セグメント(27;227)にそれぞれ作用して楔形セグメント(27;227)を相互に接近させる、特に、相互に圧迫するように設計されていることを特徴とする車両シート用取り付け具(10)。
  2. 前記ドライバー(21;21';21'';21''';121;121';121'')が、前記一対の楔形セグメント(27)のいずれかに係合した環状ばね(30)の両端部に形成された末端フィンガーを動かす回動自在な連結リンク(43';43'';43''')に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の車両シート用取り付け具(10)。
  3. 前記ドライバー(21;21';21'';21''';121;121';121'')が、前記連結リンク(43';43'';43''')にリンク(41';41''')及び/又はインボリュート噛み合い(47'')及び/又は連結ポイント(48''')を介して連結されていることを特徴とする請求項2に記載の車両シート用取り付け具(10)。
  4. 前記連結リンク(43';43'';43''')が、前記走行偏心輪(31;131)、または、前記環状ばね(30)の両端部に形成された末端フィンガーのいずれかに取り付けられていることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両シート用取り付け具(10)。
  5. 前記走行偏心輪(31;131)が、前記ドライバー(21;21';21'';21''';121;121';121'')と偏心ロック手段との間に軸方向に配置されているとともに、前記楔形セグメント(27)を貫通する環状ばね(30)の末端フィンガーを走行偏心輪(31;131)に貫設されたスロット(37;237)を介して阻害することなく貫通させていることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具(10)。
  6. 前記ドライバー(321)が、走行偏心輪として構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具(10)。
  7. 前記走行偏心輪(31;131;231)が、前記第1取り付け部材(11)のカラー(19)の外周または内周に滑り軸受ブシュ(33;233)を介して取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一つに記載の車両シート用取り付け具(10)。
  8. シート部材(3)と背もたれ(4)とを備える車両シートにおいて、
    前記シート部材(3)に対する背もたれ(4)の傾斜調整を行うために請求項1乃至請求項7のいずれか一つに記載の1つの車両シート用取り付け具(10)を備えていることを特徴とする車両シート(1)。
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