JP4895974B2 - 複筒型緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、複筒型緩衝器の改良に関する。
この種、複筒型緩衝器としては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダの外周側に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒とを備えて構成されるものが知られている。
そして、複筒型緩衝器にあっては、伸長作動時にシリンダからピストンに連結されるロッドが退出するとき、作動油をリザーバからシリンダ内へ供給する必要があり、このリザーバからの作動油供給時において、リザーバ内の気体を巻き込んだ作動油がシリンダ内に供給されたり、シリンダ内が減圧されて作動油中に気泡が発生したりする場合がある。
シリンダ内に発生した気泡は、キャビテーションやエロージョンといった複筒型緩衝器にとって好ましくない現象を引起すため、速やかにリザーバへ排出されることが好ましいが、特に、水平横置きに設置される複筒型緩衝器では、作動油中の気泡がシリンダ内上方に溜まり排出され難くなるので、このような複筒型緩衝器の場合、シリンダの上部にシリンダ内とリザーバとを連通するオリフィスを設け、このオリフィスを介してシリンダ内に侵入した気泡を速やかにリザーバへ排出するようにしている。
また、上記したオリフィスは、シリンダ内上方に溜まる気泡をリザーバへ排出するために、シリンダ上部に設けられており、気泡を作動油とともにリザーバへ排出するのであるが、オリフィスを通過する作動油の流速が速いためシリンダ上部から直接リザーバ上方へ作動油を排出すると、オリフィスを通過する作動油流れによってリザーバ内の作動油の液面を波立たせて作動油中に気体を巻き込んでしまい、複筒型緩衝器の伸長時においてリザーバから気体混じりの作動油がシリンダ内へ供給されてしまう虞がある。
そのため、従来の複筒型緩衝器にあっては、シリンダに環状溝を形成し、オリフィスを環状溝に連通し、さらに、環状溝に環状溝幅より大径のC型リングを嵌着して、C型リングの割り部分をシリンダ下部に配置するようにしており、オリフィスを通過した作動油を、環状溝を介してシリンダ下部に配置されるC型リングの割り部分からリザーバの下方へ排出させるようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
さらに、他の従来の複筒型緩衝器では、シリンダにはオリフィスのみを設け、シリンダ端部を閉塞するロッドガイドの内周に環状溝と環状溝とリザーバの下方とを連通する連通孔と設け、ロッドガイド内にシリンダ端部を挿入してオリフィスと環状溝を対向させ、オリフィスを通過した作動油を、ロッドガイドに設けた環状溝を介して連通孔からリザーバの下方へ排出させるようにしている(たとえば、特許文献2参照)。
このように構成することで、オリフィスを通過した作動油は、リザーバの下方へ排出されることになり、リザーバ内の気体の巻き込みを防止できるとともに、作動油は高圧となるシリンダ内から環状溝を通過して徐々に減圧されてリザーバ内へ排出されることになるので、急減圧によるキャビテーションをも抑制することができる。
特開平11−63073号公報 特開平11−344068号公報
しかしながら、従来の複筒型緩衝器にあっては、環状溝に嵌合するのがC型リングであり、C型リングの寸法精度が良くないと環状溝が割り部分以外でリザーバに連通されてしまい気体巻き込み防止効果とキャビテーション抑制効果を十分に得られない虞があるので、C型リングに要求される寸法精度は非常に高く、加工コストが嵩んで経済的に不利となる。
また、他の従来の複筒型緩衝器にあっては、ロッドガイドでシリンダ端部を覆うようにして、ロッドガイドの内周に環状溝を設けており、内周加工は外周加工に比較してコスト高となるとともに、環状溝をシールする必要が生じ環状溝以外にもシールリングを装着するための環状の凹部を二つ設ける加工が必要となるとともに二つのシールリングを要するので、加工コストが嵩むとともに部品点数の増加によって、上記複筒型緩衝器にも増して経済的に不利になる虞がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、安価に気体巻き込みを防止しつつキャビテーションを抑制することのできる複筒型緩衝器を提供することである。
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段における複筒型緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダの外周側に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒とを備えて水平横置きに設定される複筒型緩衝器において、シリンダ端部に設けた小径部と、当該小径部に設けた環状溝と、シリンダの上部で環状溝とシリンダ内とを連通するエア抜き用のオリフィスと、シリンダ端部の小径部に嵌合されるとともに小径部端の段部とシリンダ端を閉塞する閉塞部材とで挟持されて環状溝を閉塞する筒体と、筒体の下部に設けられて環状溝をリザーバへ連通する通孔とを備えた。
本発明の複筒型緩衝器によれば、シリンダ端部に設けた小径部に筒体を嵌合して、シリンダの段部とシリンダ端を閉塞する閉塞部材とで筒体を挟持することで、小径部に形成されてオリフィスによってシリンダ内に連通される環状溝を通孔のみを介してリザーバへ連通させることができ、オリフィスを通過した液体を確実にリザーバの下方へ排出することができる。
したがって、本実施の形態の複筒型緩衝器によれば、オリフィスを通過した流速の速い液体がリザーバ内に排出された際に、リザーバ内の気体を巻き込むことが無く、また、オリフィスを通過後の液体は環状溝を徐々に減圧されつつ通過してリザーバへ排出されることになって、キャビテーションを抑制できるとともに、気泡を生じる際のスイッシュ音の発生をも抑制することができる。
そして、上記の気体巻き込みの防止とキャビテーションの抑制の実現に際して、シリンダ端部に環状溝を備えた小径部を形成して、当該小径部に筒体を嵌合し、シリンダの段部とシリンダ端を閉塞する閉塞部材たるロッドガイドとで筒体を挟持するだけでよく、筒体の寸法を高精度に管理することばかりかシール部材を設置も要せずに通孔のみを介して環状溝をリザーバに連通でき、加えて、コストが安い外周加工のみで上記構造を実現できるため、複筒型緩衝器が非常に安価となる。
すなわち、この複筒型緩衝器によれば、安価に気体巻き込みを防止しつつキャビテーションを抑制することができるのである。
また、環状溝を閉塞するのはシリンダとロッドガイドとで挟持される筒体であるので、環状溝内に高圧が作用して、仮に筒体が拡径するような事態となっても、筒体の両端は隙間無くシリンダとロッドガイドとの密着された状態を保って、環状溝が通孔以外を介してリザーバへ連通されてしまうような事態を確実に防止でき、気体巻き込みとキャビテーションを確実に阻止することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における複筒型緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態の複筒型緩衝器におけるシリンダおよび筒体の横断面図である。図3は、一実施の形態の複筒型緩衝器における筒体が装着されたシリンダ端部を下方から見た側面図である。
一実施の形態における複筒型緩衝器Dは、図1に示すように、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されるピストン2と、シリンダ1の外周側に配置されシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒3と、シリンダ1端部に設けた小径部1aと、当該小径部1aに設けた環状溝1bと、シリンダ1の上部で環状溝1bとシリンダ1内とを連通するエア抜き用のオリフィス4と、シリンダ1端部の小径部1aに嵌合されるとともに小径部端の段部1cとシリンダ1端を閉塞する閉塞部材たるロッドガイド5とで挟持されて環状溝1bを閉塞する筒体6と、筒体6の下部に設けられて環状溝1bをリザーバRへ連通する通孔6aと、を備えて構成されている。
そして、ピストン2は、シリンダ1内を作動油等の液体が充填される伸側室R1と圧側室R2とに区画し、同じくシリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド7の一端に連結されている。さらに、リザーバR内には、液体が気体Gとともに充填されている。
また、この複筒型緩衝器Dの場合、水平横置きのユニフロー型に設定されており、伸側室R1からリザーバRへ向かう液体の流れのみを許容する排出通路8と、リザーバRから圧側室R2へ向かう液体の流れのみを許容する供給通路9と、圧側室R2から伸側室R1へ向かう液体の流れのみを許容する圧側通路10とを備えている。
そして、この複筒型緩衝器Dにあっては、伸長行程時においては伸側室R1の圧縮に伴って排出通路8を介して液体を伸側室R1からリザーバRへ排出するとともに、拡大する圧側室R2には供給通路9を介してリザーバRから液体が供給され、反対に、収縮行程時には、排出通路8を介してシリンダ1内で過剰となるロッド侵入体積分の液体をシリンダ1内からリザーバRへ排出するとともに、圧側通路10を通じて拡大される伸側室R1へ圧縮される圧側室R2から液体が供給され、伸縮のどちらの行程においても、液体の流れが常に排出通路8を介してシリンダ1内からリザーバRへの一方通行となるようになっており、この一方通行の液体の流れに対して排出通路8の途中に設けた減衰バルブ11で抵抗を与えて伸縮両行程における減衰力を発生するようになっている。
以下、各部について詳細に説明すると、シリンダ1は筒状に形成され、その左端は、排出通路8を形成するロッドガイド5によって閉塞されるとともに、右端は、供給通路9が設けられるバルブディスク12によって閉塞されて、内部には液体が充填される。なお、液体は、作動油のほか、水、水溶液、電気粘性流体、磁気粘性流体等、緩衝器に適用可能なものを採用することが可能である。
さらに、シリンダ1内は、摺動自在に挿入されるピストン2によって伸側室R1と圧側室R2とに区画されており、ピストン2はロッド7の右端に連結され、当該ロッド7は、閉塞部材であるロッドガイド5に摺動自在に軸支されている。
また、シリンダ1の図1中左端は、図3に示すように、その外径が小径とされて小径部1aが形成されるとともに小径部1a端に段部1cが形成され、さらに、シリンダ1の下部には小径部1aに連なる凹部1dが設けられている。当該小径部1aの外周には全周に渡って環状溝1bが設けられ、さらに、この環状溝1bとシリンダ1内とを連通するオリフィス4が図2中上方に設けられ、詳しくは、オリフィス4は伸側室R1と環状溝1bとを連通している。
そして、上記シリンダ1の小径部1aの外周側には、筒体6が段部1cに当接して嵌合されており、この筒体6は、内周を小径部1aの外周に当接して環状溝1bを閉塞し、図1から3に示すように、筒体6の下部に設けた通孔6aを環状溝1bに対向させてある。
さらに、筒体6は、下部に凸部6bを備えており、小径部1aへ嵌合する際に、シリンダ1に設けた凹部1d内に上記凸部6bを挿入することで、シリンダ1に対して回り止めされた状態で小径部1aに装着されるようになっている。この回り止めによって、通孔6aを確実に下方に配置させることができるのである。
また、シリンダ1の外方にはシリンダ1を覆いシリンダ1との間にリザーバRを形成する外筒3が設けられており、外筒3の図1中左端には上記ロッドガイド5がボルト結合される環状のソケット13が溶接されて固定されるとともに右端はロアキャップ14が接合され、外筒3内は密封状態とされている。したがって、この複筒型緩衝器Dにあっては、シリンダ1内の伸側室R1を上記したオリフィス4、環状溝1bおよび通孔6aを介してリザーバRへ連通している。
つづいて、ピストン2は、伸側室R1と圧側室R2とを連通するポート10aを備えており、当該ポート10aは、ピストン2の左端に配置されるチェックバルブ10bによって開閉されるようになっている。このチェックバルブ10bは、バネ19によって附勢されており、圧側室R2から伸側室R1へ液体が移動する場合には、液体によって押されてバネ19が縮みピストン2から後退してポート10aを開放するが、逆に、伸側室R1から圧側室R2へ液体が移動しようとする流れに対してはポート10aを閉じたままとして当該流れを阻止する。すなわち、この実施の形態の場合、圧側通路10は、上記ポート10aおよびチェックバルブ10bとで構成されている。なお、圧側通路10はピストン2に設けられているが、ピストン2を迂回して圧側室R2から伸側室R1へ向かう流れを許容するようにしてもよい。
そして、ロッド7を軸支するロッドガイド5は、筒状であって、シリンダ1端部内に挿入される図1中右端の小径な挿入部5aと、図1中右端中央に設けた凹部5bと、凹部5bに連通される弁孔5cとを備えて構成され、外筒3の図1中左端に溶接固定されるソケット13にボルト結合される。
このようにロッドガイド5を外筒3に固定されたソケット13にボルト結合すると、シリンダ1の図1中左端に設けた小径部1aに嵌合される筒体6は、小径部1a端の段部1cと、ロッドガイド5の挿入部5a端の段部5dとによって挟持される格好となって、筒体6の図1中左端がロッドガイド5の段部5dに隙間無く密着するとともに図1中右端がシリンダ1の段部1cに隙間無く密着して、シール部材の設置を要せずに筒体6の図1中右端あるいは左端を介してのシリンダ1の小径部1aとリザーバRとの連通が阻止されるようになっている。
つまり、シリンダ1の小径部1aに設けた環状溝1bは、通孔6aを介してのみリザーバRに連通されることになり、環状溝1bを通過する液体が他所からリザーバRへ漏れることが無いようになっている。
戻って、ロッドガイド5における弁孔5cは、ソケット13の下部に結合されるとともにリザーバR内に収容されるパイプ15を通じてリザーバR内に連通されている。すなわち、この実施の形態の場合、凹部5b、弁孔5cおよびパイプ15とで排出通路8が形成されている。
なお、この実施の形態の場合、上記排出通路8を介して伸側室R1から排出される液体は、パイプ15を通じてリザーバRの右端側に排出されるようになっており、リザーバRの右端を仕切るロアキャップ14に液体の流れを直接あてることによってリザーバR内の気体巻き込みを抑制するようにしている。
さらに、ロッドガイド5の図1中左端内周には、ロッド7の外周に摺接してロッド7の外周をシールするOリング16およびシール部材17が設けられ、シリンダ1内が密封状態とされている。
また、上記弁孔5c内には、上述の減衰バルブ11が設けられており、この減衰バルブ11は、複筒型緩衝器Dの伸縮行程時に、弁孔5cを通過する液体の流れに抵抗を与えて複筒型緩衝器Dに減衰力を発揮させるものである。
つづいて、バルブディスク12は、シリンダ1の内径より大径の本体12aと、シリンダ1の図1中右端に嵌合する筒状凸部12bと、本体12aを左右に貫くポート12cと、本体12aのリザーバRに臨む部位から開口してポート12cに連通される連通路12dとを備えて構成されている。そして、バルブディスク12は、外筒3の下端に固定されるロアキャップ14の凹部14aに本体12aを嵌合するとともに、外筒3の図1中左端に設けたソケット13にロッドガイド5をボルト締結することで、シリンダ1およびロッドガイド5とともに外筒3に固定される。
そして、バルブディスク12における本体12aの図1中左端には、ポート12cを開閉するチェックバルブ18が配置されており、このチェックバルブ18によってポート12cが開閉されるようになっている。このチェックバルブ18は、バネ20によって附勢されており、リザーバRから圧側室R2へ液体が移動する場合には、液体によって押されてバネ20が縮みバルブディスク11の本体12aから後退してポート12cを開放するが、逆に、圧側室R2からリザーバRへ液体が移動しようとする流れに対してはポート12cを閉じたままとして当該流れを阻止する。すなわち、この実施の形態の場合、供給通路8は、上記ポート12cおよびチェックバルブ18とで構成されている。
つづいて、このように構成された複筒型緩衝器Dにあっては、伸長する場合、ピストン2がシリンダ1に対して図1中左方へ移動するので、伸側室R1の容積が減少するので減少容積見合いの液体が押し出され、当該液体は、弁孔5c内の減衰バルブ11を押し開いて、凹部5b、弁孔5cおよびパイプ15を介して伸側室R1からリザーバRへ排出されるとともに、上記したオリフィス4、環状溝1bおよび通孔6aを介しても伸側室R1からリザーバRへ排出されることになる。
また、ピストン2がシリンダ1に対して図1中左方へ移動によって容積が拡大される圧側室R2へは、供給通路9を介してリザーバRから拡大容積見合いの液体が供給される。
反対に、複筒型緩衝器Dが収縮する場合、ピストン2がシリンダ1に対して図1中右方へ移動するので、圧側室R2の容積が減少するので減少容積見合いの液体が押し出され、当該液体は、圧側通路10を介して圧側室R2から伸側室R1へ移動するとともに、ロッド7がシリンダ1内に侵入する体積分の液体がシリンダ1内で過剰となるため、この過剰分の液体が弁孔5c内の減衰バルブ11を押し開いて凹部5b、弁孔5cおよびパイプ15を介して伸側室R1からリザーバRへ排出されるとともに、上記したオリフィス4、環状溝1bおよび通孔6aを介しても伸側室R1からリザーバRへ排出されることになる。
そして、オリフィス4は、複筒型緩衝器Dの伸縮時において液体の流れに抵抗を与えることになるので減衰力発生要素として機能するとともに、伸縮作動を繰り返すことにより、シリンダ1内の液体中に気泡が出現するような事態が生じても、当該気泡をリザーバRへ排出することができ、エア抜き用の孔としても機能することになる。
このように、本実施の形態の複筒型緩衝器Dにあっては、シリンダ端部に設けた小径部1aに筒体6を嵌合して、シリンダ1の段部1cとシリンダ1端を閉塞する閉塞部材たるロッドガイド5とで筒体6を挟持することで、小径部1aに形成されてオリフィス4によってシリンダ1内に連通される環状溝1bを通孔6aのみを介してリザーバRへ連通させることができ、オリフィス4を通過した液体を確実にリザーバRの下方へ排出することができる。
したがって、本実施の形態の複筒型緩衝器Dによれば、オリフィス4を通過した流速の速い液体がリザーバR内に排出された際に、リザーバR内の気体を巻き込むことが無く、また、オリフィス4を通過後の液体は環状溝1bを徐々に減圧されつつ通過してリザーバRへ排出されることになって、キャビテーションを抑制できるとともに、気泡を生じる際のスイッシュ音の発生をも抑制することがきる。
そして、上記の気体巻き込みの防止とキャビテーションの抑制の実現に際して、シリンダ1に環状溝1bを備えた小径部1aを形成して、当該小径部1aに筒体6を嵌合し、シリンダ1の段部1cとシリンダ1端を閉塞する閉塞部材たるロッドガイド5とで筒体6を挟持するだけでよく、筒体6の寸法を高精度に管理することばかりかシール部材を設置も要せずに通孔6aのみを介して環状溝1bをリザーバRに連通でき、加えて、コストが安い外周加工のみで上記構造を実現できるため、複筒型緩衝器Dが非常に安価となる。
すなわち、この複筒型緩衝器Dによれば、安価に気体巻き込みを防止しつつキャビテーションを抑制することができるのである。
さらに、環状溝1bを閉塞するのはシリンダ1とロッドガイド5とで挟持される筒体6であるので、環状溝1b内に高圧が作用して、仮に筒体6が拡径するような事態となっても、筒体6の両端は隙間無くシリンダ1とロッドガイド5との密着された状態を保って、環状溝1bが通孔6a以外を介してリザーバRへ連通されてしまうような事態を確実に防止でき、気体巻き込みとキャビテーションを確実に阻止することができる。
また、シリンダ1における小径部1aと筒体6の嵌合長を確保して、作動油が筒体6と小径部1aとの間の嵌合隙間を通過する際の圧力損失を環状溝1bを通過する際の圧力損失より大きく設定するようにしておくことで、仮に、何らかの理由によって、筒体6の端部とシリンダ1あるいはロッドガイド5との間に隙間が生じてしまうような事態が発生したとしても、作動油を優先的に環状溝1bを流通させるように仕向けることができ、このような事態となっても、作動油が通孔6a以外を介してリザーバRへ連通されてしまうような事態を確実に防止できる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における複筒型緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態の複筒型緩衝器におけるシリンダおよび筒体の横断面図である。 一実施の形態の複筒型緩衝器における筒体が装着されたシリンダ端部を下方から見た側面図である。
符号の説明
1 シリンダ
1a シリンダにおける小径部
1b シリンダにおける環状溝
1c シリンダにおける段部
1d シリンダにおける凹部
2 ピストン
3 外筒
4 オリフィス
5 閉塞部材たるロッドガイド
5a ロッドガイドにおける挿入部
5b ロッドガイドにおける凹部
5c ロッドガイドにおける弁孔
5d ロッドガイドにおける段部
6 筒体
6a 通孔
6b 凸部
7 ロッド
8 排出通路
9 供給通路
10 圧側通路
10a,12c ポート
10b,18 チェックバルブ
11 減衰バルブ
12 バルブディスク
12a バルブディスクにおける本体
12b バルブディスクにおける筒状凸部
12d バルブディスクにおける連通路
13 ソケット
14 ロアキャップ
14a ロアキャップにおける凹部
15 パイプ
16 Oリング
17 シール部材
19,20 バネ
D 複筒型緩衝器
G 気室
R リザーバ
R1 伸側室
R2 圧側室

Claims (2)

  1. シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダの外周側に配置されシリンダとの間にリザーバを形成する外筒とを備えて水平横置きに設定される複筒型緩衝器において、シリンダ端部に設けた小径部と、当該小径部に設けた環状溝と、シリンダの上部で環状溝とシリンダ内とを連通するエア抜き用のオリフィスと、シリンダ端部の小径部に嵌合されるとともに小径部端の段部とシリンダ端を閉塞する閉塞部材とで挟持されて環状溝を閉塞する筒体と、筒体の下部に設けられて環状溝をリザーバへ連通する通孔とを備えたことを特徴とする複筒型緩衝器。
  2. 筒体はシリンダに対して回り止めされてなる請求項1に記載の複筒型緩衝器。
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