JP2008196618A - 緩衝器 - Google Patents

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Akihisa Ota
晶久 太田
Yasuhiro Shibano
靖博 柴野
Takashi Teraoka
崇志 寺岡
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Abstract

【課題】常に必要十分な減衰力を発揮して車両における乗り心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
【解決手段】内部に液室Lと気室Gとを備えた容器1と、容器1内に挿入されて液室Lを二つの圧力室R1,R2に区画するピストン3と、ピストン3に連結されるロッド4とを備えた緩衝器D1において、気室Gを二つの部屋g1,g2に区画する区画部材5を設け、弁要素6を介して上記各部屋g1,g2を連通させたことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、緩衝器の改良に関する。
従来の緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を液室と気室とに区画するフリーピストンと、シリンダ内に摺動自在に挿入され液室を二つの圧力室に区画するピストンと、ピストンに一端が連結されるロッドとを備えて構成され、車両の車体と車軸との間に介装されて車体の振動を抑制している(たとえば、特許文献1参照)。
また、このような緩衝器にあっては、ピストンがシリンダに対して軸方向に移動する緩衝器の伸縮行程において、ロッドがシリンダ内に侵入あるいはロッドがシリンダ内から退出する体積がシリンダ内で過不足となるため、この過不足となる体積を上記気室が膨縮することによって補償している。
特に、このような緩衝器が単筒型の緩衝器である場合には、車体の振動を抑制するために大きな減衰力を発揮しなければならないので、上記気室は、上記ロッド体積分の液体を補償するだけでなく、シリンダ内の液体を常時加圧状態に維持する必要があるため、該気室内に加圧されたガスが封入される。
特開平08−159199号公報(図1)
しかしながら、上記した従来の緩衝器にあっては、緩衝器の伸縮に伴うフリーピストンの上下方向の変位量は然程大きいものではないので、フリーピストンの上下変位に伴う気室内の容積変化も大きくないため、気室の圧力変動も小さい。
そのため、緩衝器の圧縮行程時においてピストン速度が速くなると、ピストンで区画された二つの圧力室の間で生じる圧力損失が大きくなり、伸長側の圧力室が負圧になると、フリーピストンがピストンと平行移動するようになって、圧縮側の圧力室内の容積が変化せずに伸長側の圧力室の容積のみが膨張してしまう不具合がある。
このような状況となると、図7中実線で示すような減衰特性となって、圧縮側の減衰力が上記したピストン速度を境にそれ以上大きくならず、図7中破線で示すような減衰特性を実現できず、車体の振動を抑制するために求められる減衰力を発生できなくなってしまう。
さらに、伸長側の圧力室内の圧力が外気圧より低くなって、ロッドとシリンダとの間の封止しているシール部材とロッドとの間からシリンダ内に外気が吸引されてしまい、エアレーションや断熱圧縮等の原因になってしまう場合がある。
上述のような不具合を解消するためには、気室内の圧力を予め高く設定しておくことが考えられるが、このようにすると、シリンダ内の液室内圧力が必要以上に高くなってしまう。また、通常、シール部材は、圧力の増大に伴って緊迫力も増大する構造であるため、当該シール部材が必要以上に液室内圧力を受けてロッドの外周への緊迫力も大きくなり、シール部材とロッドとの摩擦力が大きくなってロッドの円滑な移動を妨げ、車両搭乗者にゴツゴツ感を知覚させ車両における乗り心地を阻害してしまい、さらには、シール部材の寿命を短くしてしまうという新たな不具合が招来されることになる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、常に必要十分な減衰力を発揮しながら車両における乗り心地を向上することができる緩衝器を提供することである。
上記目的と達成するために、本発明の課題解決手段における緩衝器は、内部に液室と気室とを備えた容器と、容器内に挿入されて液室を二つの圧力室に区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドとを備えるとともに、気室を二つの部屋に区画する区画部材を設け、弁要素を介して上記各部屋を連通させたことを特徴とする。
本発明によれば、ピストン速度が低い場合には、気室内圧力は低く保たれて液室内は不必要に大きく加圧されることがなく、従来緩衝器と同等の減衰力の発生を実現できるとともに、ピストン速度が高い場合には、気室内の圧力が高められるので液室内が大きく加圧されることになり、圧縮側の減衰力が頭打ちになってしまうことが防止され、車両の車体における振動を充分に抑制して車両における乗り心地を向上することができる。
また、ピストン速度が低い場合には液室に面する部屋内の圧力を低く保ち、ピストン速度が高い場合には上記部屋内の圧力を上昇させることができるため、気室内に封入する気体の圧力を特に高圧に設定しておく必要が無くなり、液室内を不必要に加圧してしまう事態が回避され、これにより、シール部材におけるロッドの外周への緊迫力を過大に設定する必要がなくなり、ロッドの円滑な移動が確保されて、車両搭乗者にゴツゴツした感覚を抱かせることなく、このピストン速度領域における乗り心地を向上することが可能となる。さらに、シール部材の寿命を短くしてしまったりといった不具合も招来させることがない。
したがって、この緩衝器によれば、伸縮時のピストン速度によらず常に必要十分な減衰力を発揮することができ、車両における乗り心地を向上することができる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態の緩衝器の減衰特性を示す図である。図3は、他の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図4は、別の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。図5は、他の実施の形態の一変形例における緩衝器の縦断面図である。図6は、さらに他の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。
図1に示すように、一実施の形態における緩衝器D1は、容器として機能するシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を液室Lと気室Gとに区画するフリーピストン2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入され液室Lを二つの圧力室R1,R2に区画するピストン3と、ピストン3に一端が連結されるロッド4と、上記気室Gを二つの部屋g1,g2に区画する区画部材5と、上記各部屋g1,g2を連通する弁要素としてのオリフィス6とを備えており、この場合、単筒型緩衝器として構成されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、ピストン3は、上述のように、作動油等の液体が充填されているシリンダ1内の液室Lを2つの圧力室R1,R2に区画し、さらには、上記圧力室R1と圧力室R2とを連通するとともに減衰弁を備えたポート3a,3bを有している。そして、ピストン3がシリンダ1に対して図1中上下方向に移動して緩衝器D1が伸縮すると、上記ポート3a,3bで通過する液体の流れに抵抗を与えて緩衝器D1に減衰力を発生させることができるようになっている。すなわち、この緩衝器D1は、伸縮する際、圧力室R1内と圧力室R2内の液体が上記したポート3a,3bを介して交流し、上記減衰弁によって生じる圧力損失に見合った減衰力を発生するようになっている。
なお、ポート3a,3bに設けられる減衰弁は、当該ポート3a,3bを液体が通過する際に液体の流れに抵抗を与え、所定の圧力損失を生じさせるものであればよく、具体的にはたとえば、オリフィスやリーフバルブといった減衰バルブを採用することができる。
また、ピストン3の一端にはロッド4が連結されており、このロッド4は、容器としてのシリンダ1の上端に嵌合される環状のヘッド部材7の内側に挿通されてシリンダ1外へ突出させてあり、このロッド4の上端とシリンダ1の下端に設けられる図示しない取付ブラケットを介して緩衝器D1を車両における車体と車軸との間に介装することができるようになっている。
なお、シリンダ1は、上記ヘッド部材7に積層されるとともにシリンダ1上端加締めによって固定される環板状のインサートメタル8aと該インサートメタル8aの内周に保持されてロッド4の外周に摺接するリップ8bとを備えたシール部材8によって封止されて、液体のシリンダ1外への漏洩が阻止されている。
さらに、気室Gは、上記の如く緩衝器D1が伸縮する際にフリーピストン2がシリンダ1に対し図1中上下に移動し、その容積を膨縮することで、シリンダ1内で過不足となるシリンダ1内に侵入もしくはシリンダ1内から退出するロッド4の体積を補償する。
そして、シリンダ1内のフリーピストン2の挿入位置より図1中下方側には区画部材5が固定されており、この区画部材5は、上記気室Gを二つの部屋g1,g2に区画している。
また、区画部材5には、上記各部屋g1,g2を連通する通路5aが設けられるとともに、この通路5aの途中に弁要素としてオリフィス6が設けられている。したがって、上記各部屋g1,g2内に封入される気体は、上記オリフィス6を備えた通路5aを介して部屋g1,g2を行き来することができるようになっている。なお、気室G内に封入される気体の圧力は、従来の単筒型緩衝器の気室内圧力よりも低く設定されている。
つづいて、上記のように構成された緩衝器D1の作用について説明する。基本的には、緩衝器D1は、従来緩衝器同様に、伸縮する際、圧力室R1内と圧力室R2内の液体が上記したポート3a,3bを介して交流し、上記減衰弁によって生じる圧力損失に見合った減衰力を発生するようになっており、また、当該伸縮の際にシリンダ1内で過不足となるロッド侵入体積あるいはロッド退出体積が上記した気室Gの容積変化によって補償されることになる。
なお、気室Gの液室Lに面しない部屋g2は区画部材5によってシリンダ1の最下端に区画されており、この部屋g2は容積が変化しないため、気室Gの全体の容積変化は、液室Lに面する部屋g1の容積が変化することによって賄われることになる。
ここで、緩衝器D1が低速度で伸縮する、すなわち、ピストン3の上下方向へ移動する際のピストン速度が低い場合、フリーピストン2の移動速度も低くなり、気室Gの容積変化の速度も低いものとなるので、部屋g1の容積変化速度も当然に低くなる。
そして、緩衝器D1が圧縮する場合には、部屋g1の容積が減少するために部屋g1の一部の気体がオリフィス6を介して部屋g2へ移動するが、部屋g1の容積変化速度が低いため、その気体の流れに対してオリフィス6による抵抗が小さくなり、然程の抵抗無く上記気体の移動が行われることになって、気室Gは、その全体の容積が変化するのと略同様に振舞うことになり、圧力変動も小さくなる。反対に、緩衝器D1が伸長する場合には、部屋g1の容積が増大して動作が逆となるだけであり、やはり、この場合にも、気室Gは、その全体の容積が変化するのと略同様に振舞うことになり、圧力変動も小さくなる。
つづいて、緩衝器D1が高速度で伸縮する、すなわち、ピストン3の上下方向へ移動する際のピストン速度が高い場合、フリーピストン2の移動速度も高くなり、気室Gの容積変化の速度も高いものとなるので、部屋g1の容積変化速度も当然に高くなる。
そして、緩衝器D1が圧縮する場合には、部屋g1の容積が減少するために部屋g1の一部の気体がオリフィス6を介して部屋g2へ移動するが、オリフィス6が充分に抵抗を与える程度に気体の流れが速くなるため、部屋g1から部屋g2へ気体が移動するには大きな抵抗を伴うことになって、部屋g1内の圧力が大きく上昇することになる。つまり、緩衝器D1の圧縮行程時のピストン速度が高速である場合には、オリフィス6の作用によって部屋g1から部屋g2へ気体が移動しがたくなるので、気室Gは、あたかも、液室Lに面する部屋g1のみを備えていて、部屋g1の容積変化によって体積補償を行うが如くに振舞うようになる。
したがって、緩衝器D1のピストン速度が低い場合には、気室Gは、部屋g1,g2の全部の容積を有効とするように振舞うため、フリーピストン2の変位量に対する実質の容積変化は小さくなって、気室G内の圧力変動も小さくなる。他方、緩衝器D1のピストン速度が高い場合には、気室Gは、部屋g1のみの容積を有効とするように振舞うため、フリーピストン2の変位量に対する実質の容積変化は大きくなって、気室G内の圧力変動も大きくなる。すなわち、この緩衝器D1にあっては、ピストン速度の上昇に伴って、気室G内の圧力変動も大きくなることになる。
すると、緩衝器D1は、圧縮行程時において、ピストン速度が低い場合には、気室G内の圧力は低く保たれて液室L内は不必要に大きく加圧されることがなく、図2に示したように、従来緩衝器と同等の減衰力の発生を実現できる。
逆に、緩衝器D1は、圧縮行程時において、ピストン速度が高い場合には、気室G内の圧力が高められるので液室L内が大きく加圧されることになり、減衰特性は、図2に示した如くとなって圧縮側の減衰力が頭打ちになってしまうことが防止され、車両の車体における振動を充分に抑制して車両における乗り心地を向上することができる。
そして、ピストン速度が低い場合には液室Lに面する部屋g1内の圧力を低く保ち、ピストン速度が高い場合には上記部屋g1内の圧力を上昇させることができるため、気室G内に封入する気体の圧力を特に高圧に設定しておく必要が無くなり、液室L内を不必要に加圧してしまう事態が回避され、これにより、シール部材8のリップ8bにおけるロッド4の外周への緊迫力を過大に設定する必要がなくなり、ロッド4の円滑な移動が確保されて、車両搭乗者にゴツゴツした感覚を抱かせることなく、このピストン速度領域における乗り心地を向上することが可能となる。さらに、シール部材8の寿命を短くしてしまったりといった不具合も招来させることがない。
したがって、この緩衝器D1によれば、伸縮時のピストン速度によらず常に必要十分な減衰力を発揮することができ、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、圧縮行程時におけるピストン速度が高い場合に、部屋g1内の圧力を上昇させることができるため、伸長側となる圧力室R1が負圧になるのを防止して、フリーピストン2がピストン3と平行移動するような事態が回避されるので、伸長側の圧力室R1内の圧力が外気圧より低くなって、ロッド4とヘッド部材7との間の封止しているシール部材8のリップ8bとロッド4との間からシリンダ1内に外気が吸引されることが回避され、エアレーションや断熱圧縮等の心配がない。
また、この場合、緩衝器D1が単筒型緩衝器として構成される場合には、気室G内に封入する気体の圧力を特に高圧に設定しておく必要が無いため、緩衝器D1の基本長を短くすることが可能となる。なぜなら、気室G内の圧力を高圧に設定する場合には、気室Gの容積変化が激しいと液室L内が異常に加圧されてしまうため、緩衝器のピストン変位に対する気室Gの容積変化を小さくしておかなくてはならないから、気室Gの容積を大きく確保することが要求され、シリンダ内径が同じ場合、気室Gの容積を大きくするためには気室Gの上下方向となる軸方向長さを長くしておかねばならない。したがって、気室G内の圧力を高圧に設定すると、必然的に気室Gの軸方向長さが長くなり、緩衝器のストローク長の確保という要求も相まって緩衝器の基本長が長くなってしまうのである。
また、緩衝器D1の基本長を短くすることが可能となるので、緩衝器D1の車両への搭載性も向上することになり、緩衝器D1の実用性が向上するのである。
さらに、本実施の形態の場合、弁要素が区画部材5に設けられているので、別途各部屋g1,g2を連通する通路を設けずにすみ、緩衝器D1がコンパクトとなる。
なお、気室G内に封入される気体の圧力は、緩衝器D1の伸縮時に各圧力室R1,R2内の圧力が過度に低くなりすぎてキャビテーションを発生させてしまうことがないように設定されればよい。換言すれば、本発明の緩衝器D1にあっては、この条件を満たすような圧力まで気室G内の圧力を低くすることができるのである。
つづいて、他の実施の形態における緩衝器D2について説明する。この緩衝器D2が一実施の形態の緩衝器D1と異なるのは、図3に示すように、弁要素10に並列する通路11を設けて部屋g1,g2を連通し、当該通路11の途中に液室Lに面しない部屋g2から液室Lに面する部屋g1への気体の流れのみを許容する逆止弁12を設けた点である。
なお、以下の説明では、一実施の形態と異なる構成について詳細に説明することとして、一実施の形態における緩衝器D1と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
この他の実施の形態における緩衝器D2にあっては、図3に示すように、気室Gを区画部材9によって部屋g1,g2に区画しており、この区画部材9は、弁要素10を備えた通路13と、逆止弁12を備えた通路11とを備えている。なお、弁要素10は、この場合、固定絞りと固定絞りに並列して部屋g1内の圧力をパイロット圧として開弁する減衰弁とで構成されており、弁要素はこのように構成されてもよい。
すなわち、この緩衝器D2の場合、部屋g1の容積が拡大される緩衝器D2の伸長行程時には、気体は部屋g2から抵抗無く部屋g1へ流れ込むことができるようになっている。
したがって、緩衝器D2にあっては、上述の一実施の形態における緩衝器D1と同様の作用効果を奏することに加えて、伸長行程時には、ピストン速度の如何によらず、液室L内が気室Gによって大きく加圧されることが無くなり、車両が路面の凹部を通過する場合ように緩衝器D2が高速で伸長されるような事態となっても、シール部材8におけるリップ部8bにおけるロッド4の外周への緊迫力を下げることができ、車両搭乗者にゴツゴツした感覚を抱かせることなく、緩衝器D2の伸長行程時における乗り心地を向上することが可能である。
さらに、別の実施の形態における緩衝器D3について説明する。この緩衝器D3が一実施の形態の緩衝器D1と異なるのは、図4に示すように、シリンダ1の外方にシリンダ1を覆う外筒14を設けて、この外筒14とシリンダ1との間に気室Gを設けている。なお、この場合、緩衝器D3を構成する容器は、上記シリンダ1および外筒14ということになる。
また、区画部材15は、外筒14とシリンダ1との間に固定されて設けられており、区画部材15は気室Gを部屋g1,g2に区画するとともに、弁要素としてのオリフィス16で部屋g1,g2を連通するようにしてある。
さらに、この実施の形態の場合、気室Gと液室Lとをフリーピストンで仕切らない代わりに、緩衝器D3の伸縮によっても、液室Lの外筒14とシリンダ1との間の液面Oが、シリンダ1内と外筒14とシリンダ1との間の隙間とを連通する孔1aまで下がることが無いように配慮されている。
このようにして構成された緩衝器D3にあっても、その作動は一実施の形態の緩衝器D1と同様であるので、一実施の形態における緩衝器D1と同様の作用効果を奏することができる。なお、図5に示すように、シリンダ1の圧力室R2に連通されるタンク17をシリンダ1の外方に設けて、このタンク17内に液室Lの液面Oを境にして気室Gを設けて緩衝器D1と同様の区画部材5で気室Gを各部屋g1,g2に区画するようにしてもよいことは当然である。
最後に、さらに別の実施の形態における緩衝器D4について説明する。この緩衝器D4は、図6に示すように、容器として機能するシリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を液室Lと気室Gとに区画するフリーピストン2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入され液室Lを二つの圧力室R1,R2に区画するピストン3と、ピストン3に一端が連結されるロッド4と、上記気室Gを二つの部屋g1,g2に区画する区画部材20と、上記各部屋g1,g2を連通する弁要素と、防音部材22,30とを備えて構成されている。
そして、この区画部材20と弁要素は、いわゆる複筒型緩衝器の圧側減衰力を発生するベースバルブ部と同様の構成となっている。詳しくは、区画部材20は、部屋g1,g2を連通する通路たるポート20a,20bを備えた環状のディスクであって、シリンダ1の内周に設けた環状溝1bに嵌合するスナップリング23と、シリンダ1内に挿入される内筒24によって挟持されることで、シリンダ1内に固定されている。なお、ポート20aの外周には環状弁座20cが形成されて、この環状弁座20cには、図示はしないが、オリフィスとして機能する切欠が設けられている。
また、この区画部材20の図6中上面には、ポート20bの開口端を開閉するチェックバルブ25が積層されるとともに、図6中下面には環状弁座20cに着座してポート20aの開口端を開閉する弁要素として機能するリーフバルブ21が積層され、これらチェックバルブ25およびリーフバルブ21は、区画部材20の中央に挿通されるガイドロッド26とガイドロッド26に螺着されるナット27によって挟持されて、区画部材20に固定されている。なお、チェックバルブ25には、ポート20aの上端開口部を閉塞しないように通孔25aが設けられている。
また、防音部材22は、リーフバルブ21に間座28を介して積層されて当該リーフバルブ21に対向するプレート部22aと、プレート部22aの外周からリーフバルブ21側に突出する筒部22bとを備えて構成され、また、チェックバルブ25にも間座29を介して防音部材22と同様にプレート部30aと筒部30bとを備えて構成される防音部材30が積層されている。そして、これら防音部材22,30によって、チェックバルブ25およびリーフバルブ21の背圧側に空間S1,S2が隔成されることになる。
さて、このように構成された緩衝器D4にあっては、他の実施の形態の緩衝器D2と同様に、部屋g1の容積が拡大される緩衝器D4の伸長行程時には、チェックバルブ25がポート20bを開放するため、気体はポート20bと抵抗無く通過して部屋g2から部屋g1へ流れ込むことができるようになっている。反対に、部屋g1の容積が減少される緩衝器D4の圧縮行程時の場合、ピストン速度が低速の場合には、気体は環状弁座20cに設けたオリフィスとして機能する切欠を然程抵抗無く通過して部屋g1から部屋g2へ移動することができるとともに、ピストン速度が高速の場合には、リーフバルブ21がポート20aを開放して気体のポート20aの通過に抵抗を与えるので部屋g1内の圧力を高めることができる。したがって、緩衝器D4にあっては、上述の他の実施の形態における緩衝器D2と同様の作用効果を奏するのである。
そして、この緩衝器D4の場合、ベースバルブ部と同様の構造を採用しているので、既存の緩衝器のベースバルブ部の部品をそのまま適用するだけで、本発明の緩衝器D4を製造することができ、当該緩衝器D4を製造するために特別設備や製造ラインを要しない点で有利である。
さらに、この緩衝器D4のように、弁要素は、オリフィス以外にも、リーフバルブの利用が可能であり、さらには、図示はしないが、ポペット弁や他の形式の弁の採用も可能である。
また、この緩衝器D4では、緩衝器D4が圧縮作動した場合、部屋g1の容積が減少して気体が部屋g2へ移動する際に、気体は図6中下方に位置するリーフバルブ21の外周端を撓ませて、環状弁座20cから離座させ空間S1に流入し、空間S1を介して部屋g1から部屋g2へ流入することになる。
ここで、気体は、ポート20aから部屋g2へ直接流入するのではなく、リーフバルブ21と防音部材22によって区画される空間S1を一旦介して部屋g2に流入することになるので、空間S1に流入するときに一旦減圧されてから部屋g2内に流入することになる。
すると、気体のポート20aから部屋g2へ直接流入する時の急激な圧力変化に比較して、気体のポート20aから空間S1に流入する時の圧力変化、および、空間S1から部屋g2に流入するときの圧力変化は、ともに緩やかとなるので、気体が部屋g2内に噴出するときの噴出し音等の発生を抑制することができ、これによって緩衝器D4の圧縮行程時の静粛性の向上を図ることができる。
反対に、緩衝器D4が伸長する場合にも、同様に防音部材30が作用して、部屋g1の容積が増大に伴う気体の部屋g2から部屋g1への移動の際に、気体は、ポート20bから部屋g1へ直接流入するのではなく、チェックバルブ25と防音部材30によって区画される空間S2を一旦介して部屋g1に流入することになるので、空間S2に流入するときに一旦減圧されてから部屋g1内に流入することになる。
すると、圧縮行程時と同様に、気体のポート20bから部屋g1へ直接流入する時の急激な圧力変化に比較して、気体のポート20bから空間S2に流入する時の圧力変化、および、空間S2から部屋g1に流入するときの圧力変化は、ともに緩やかとなるので、気体が部屋g1内に噴出するときの噴出し音等の発生を抑制することができ、これによって緩衝器D4の伸長行程時の静粛性の向上を図ることができる。
さらに、上述したように、上記気体の噴き出し音等の発生の抑制が、防音部材22,30を設けるのみで達成されることから、大幅なコスト増加を招来せず、構造が複雑とならず、緩衝器D4の製造工程に大きな変更をもたらさない。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態の緩衝器の減衰特性を示す図である。 他の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 別の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 他の実施の形態の一変形例における緩衝器の縦断面図である。 さらに他の実施の形態における緩衝器の縦断面図である。 従来の車両用単筒型液圧緩衝器の減衰特性を示す図である。
符号の説明
1 容器としてのシリンダ
1b 環状溝
2 フリーピストン
3 ピストン
3a,3b,20a,20b ポート
4 ロッド
5,9,15,20 区画部材
6,16 弁要素としてのオリフィス
7 ヘッド部材
8 シール部材
8a インサートメタル
8b リップ
5a,11,13 通路
10 弁要素
12 逆止弁
14 外筒
1a 孔
17 タンク
20 区画部材
20c 環状弁座
21 弁要素としてのリーフバルブ
22,30 防音部材
22a,30a プレート部
22b,30b 筒部
23 スナップリング
24 内筒
25 チェックバルブ
26 ガイドロッド
27 ナット
28,29 間座
D1,D2,D3,D4 緩衝器
G 気室
g1,g2 部屋
L 液室
O 液面
R1,R2 圧力室
S1,S2 空間

Claims (6)

  1. 内部に液室と気室とを備えた容器と、容器内に挿入されて液室を二つの圧力室に区画するピストンと、ピストンに連結されるロッドとを備えた緩衝器において、気室を二つの部屋に区画する区画部材を設け、弁要素を介して上記各部屋を連通させたことを特徴とする緩衝器。
  2. 弁要素に並列する通路を設け、当該通路の途中に液室に面しない部屋から液室に面する部屋への気体の流れのみを許容する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
  3. 弁要素および通路が区画部材に設けられることを特徴とする請求項2に記載の緩衝器。
  4. 区画部材は、部屋を連通するポートを備え、弁要素は区画部材に積層されてポートを開閉するリーフバルブであることを特徴とする請求項1から3に記載の緩衝器。
  5. リーフバルブに対向するプレート部と、プレート部外周からリーフバルブ側に突出する筒部とを備えた防音部材を設けたことを特徴とする請求項4に記載の緩衝器。
  6. 容器がシリンダであって、シリンダ内に摺動自在に挿入されるフリーピストンでシリンダ内を液室と気室とに区画することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の緩衝器。
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