JP5106321B2 - 単筒型液圧緩衝器 - Google Patents

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本発明は、単筒型液圧緩衝器の改良に関する。
従来の単筒型液圧緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を液室と気体室とに区画するフリーピストンと、シリンダ内に摺動自在に挿入され液室を二つの作動室に区画するピストンと、ピストンに一端が連結されるロッドとを備えて構成され、制振対象の振動を抑制している(たとえば、特許文献1参照)。
また、この単筒型液圧緩衝器にあっては、ピストンがシリンダに対して軸方向に移動する緩衝器の伸縮行程にあっては、ロッドがシリンダ内に出入りする際のシリンダ内容積変化を気体室の容積を拡大あるいは減少させることによって補償している。
この単筒型液圧緩衝器は、伸長する行程では、ピストンが気体室に面していない作動室を圧縮し、反対の作動室の容積を拡大させるので、液体が圧縮側の作動室から拡大側の作動室へ流れ、この液体の流れに抵抗を与えて圧縮側の作動室の圧力上昇を促し、圧縮側の作動室と拡大側の作動室の圧力に差を生じせしめ、当該差圧をピストンに作用させることによって伸長を妨げる減衰力を発揮する。これに対して、単筒型液圧緩衝器は、圧縮される行程では、ピストンが気体室に面している作動室を圧縮し、反対の作動室の容積を拡大させるので、液体が圧縮側の作動室から拡大側の作動室へ流れ、この液体の流れに抵抗を与えて圧縮側の作動室と拡大側の作動室の圧力に差を生じせしめ、当該差圧をピストンに作用させることによって圧縮を妨げる減衰力を発揮する。
すなわち、単筒型液圧緩衝器は、伸長行程時には、気体室に面していない作動室を圧縮するので、ロッド周りのオイルシールの耐久が許容する範囲において、圧縮側の作動室の圧力を幾らでも増大させることができるが、反対に、圧縮行程時では、気体室に面している作動室を圧縮するので、圧縮側の作動室の圧力は気体室の圧力以上にならず、圧縮行程時の減衰力が頭打ちとなる傾向にある。
そのため、単筒型液圧緩衝器は、気体室内に加圧されたガスを封入して、シリンダ内の液体を常時加圧状態に維持して、圧縮行程時の減衰力を高める工夫を施している。
しかしながら、気体室の圧力を大きくすると、今度は、単筒型液圧緩衝器のシリンダ内の液室内圧力が高くなり、ロッド周りをシールするオイルシールにもこの圧力が作用してオイルシールのロッドを締付ける緊迫力が大きくなって、ロッドの摺動抵抗が過大となって単筒型液圧緩衝器の円滑な伸縮が妨げられて、特に、車両用途で使用する場合、車両搭乗者にゴツゴツ感を知覚させ車両における乗り心地を阻害してしまいかねない。
そこで、気体室内にフリーピストンを液室側へ附勢するとともに圧縮が進行するとバネ定数が大きくなる弾性体を収容して、気体室の圧力を高圧にすることなく圧縮行程時の減衰力を高めるようにした単筒型液圧緩衝器が開発されている(たとえば、特許文献2参照)。
これとは別に、液圧緩衝器を収容するフロントフォーク内の気体室を分断する絞り通路付きの隔壁を設け、圧縮行程時に圧縮速度に応じて気体室のバネ定数を高めて、フロントフォーク全体としての反力を高めるものもある(たとえば、特許文献3参照)。
特開平08−159199号公報(図1) 特開2007−132359号公報(図1および図2) 特開平07−174179号公報(図1)
しかしながら、上記した特開2007−132359号公報に開示された単筒型液圧緩衝器にあっては、弾性体はフリーピストンのシリンダに対する位置に依存した附勢力しか発揮できないので、ピストン速度(シリンダに対するピストンの速度)とは無関係に液室を加圧するので、フリーピストンの位置によっては減衰力が過剰となったり不足したりする可能性がある。
また、上記した特開平07−174179号公報に開示された技術では、バネ力が変化するのみで、単筒型の液圧緩衝器の減衰力についての問題を解決することはできない。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、圧縮行程時にあってもピストン速度に応じて必要十分な減衰力を発揮することができる単筒型液圧緩衝器を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内を液室と気体室とに区画するフリーピストンと、シリンダ内に摺動自在に挿入されて液室を二つの作動室に区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるロッドとを備えた単筒型液圧緩衝器において、フリーピストンに連結されて気体室内に収容されると共に気体室をフリーピストン側室と反フリーピストン側室に区画する区画部材を備え、当該区画部材にフリーピストン側室と反フリーピストン側室とを連通する通路を設け、当該通路の途中に気体の流れに抵抗を与える弁要素を設けたことを特徴とする。
本発明の単筒型液圧緩衝器によれば、圧縮行程においてフリーピストンの下降速度に比例するピストン速度が速くなればなるほど、気体室に臨む作動室に気体室が作用させる圧力が大きくなって、作動室の圧力上昇上限がピストン速度が速くなればなるほど大きくなって作動室の圧力上昇が促される。
つまり、この単筒型液圧緩衝器にあっては、圧縮行程において、気体室の見掛け上の容積をピストン速度に応じて、気体室に臨む作動室に作用させる圧力を大きくするので、単筒型液圧緩衝器が発生する減衰力はピストン速度が速くなるに従って大きくなる。
このように、単筒型液圧緩衝器にあっては、従来の単筒型液圧緩衝器とは異なり、圧縮行程においてピストン速度に依存して減衰力を発生するので、フリーピストンの位置によっては減衰力が過剰となったり不足したりするという不具合も無く、特に、車両の車体の振動を抑制するのに適した減衰力を発揮でき、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、上述のように、ピストン速度が速くなればなるほど、気体室に臨む作動室に気体室が作用させる圧力が大きくなるので、圧側の減衰の発生応答性が向上する。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における単筒型液圧緩衝器の縦断面図である。図2は、一実施の形態における単筒型液圧緩衝器の一部縦断面図である。
図1および図2に示すように、一実施の形態における単筒型液圧緩衝器Dは、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されシリンダ1内を液室Lと気体室Gとに区画するフリーピストン2と、シリンダ1内に摺動自在に挿入され液室Lを二つの作動室R1,R2に区画するピストン3と、ピストン3に一端が連結されるロッド4と、気体室Gをフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6に区画する区画部材7とを備えて構成されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、ピストン3は、上述のように、シリンダ1内に2つの作動室R1,R2を画成しており、この作動室R1,R2内には、たとえば、作動油等の液体が充填されている。また、作動室R2の図中下方には上記フリーピストン2により気体室Gが区画されている。なお、シリンダ1の図1中下端は、ロアキャップ11によって閉塞され、気体室Gは気密に保たれている。
そして、ピストン3の一端にはロッド4が連結されており、このロッド4は、シリンダ1内に移動自在に挿入され、シリンダ1の上端に設けられてシリンダ1内を封止する環状のヘッド部材8によって軸支されている。なお、ロッド4の外周は、ヘッド部材8に設けたシール部材9によってシールされ、シリンダ1内が密閉状態に維持されている。
また、ピストン3には、上記作動室R1と作動室R2とを連通する減衰通路10が設けられており、該減衰通路10は、減衰力発生要素10aを備えてこれを通過する液体の流れに抵抗を与えるようになっており、単筒型液圧緩衝器Dの伸縮時に作動室R1から作動室R2へ、あるいは、作動室R2から作動室R1へ移動する液体の流れに抵抗を与えてこれら作動室R1,R2の圧力に差を生じさせるようになっている。
すなわち、この単筒型液圧緩衝器Dは、伸縮する際、作動室R1内と作動室R2内の液体が上記した減衰通路10を介して行き来し、上記減衰力発生要素10aによって生じる圧力損失に見合った減衰力を発生するようになっている。
なお、減衰力発生要素10aは、液体が通過する際にこの液体の流れに抵抗を与え、所定の圧力損失を生じさせるものであればよく、具体的にはたとえば、オリフィスやリーフバルブといった減衰バルブを採用することができる。
また、気体室Gは、単筒型液圧緩衝器Dが伸縮する際にフリーピストン2がシリンダ1に対し図中上下に移動して、その容積を膨縮することで、ロッド4がシリンダ1内へ出入りすることによる液室Lの容積変化を補償している。
このフリーピストン2は、図1および図2に示すように、有頂筒状とされて、頂部2aの外周にシリンダ1の内面に摺接して気体室G内の気体が液室Lへの漏洩を阻止するシールリング12が装着されるとともに、筒部2bの外周にはシリンダ1の内面に摺接してフリーピストン2のガタつきを防止して軸方向となる図2中上下方向への円滑な移動を実現する筒状のガイド13が装着されている。
また、この実施の形態の場合、区画部材7は、フリーピストン2の開口部となる筒部2bの下端内周に螺着されてフリーピストン2の開口部を蓋してフリーピストン2内にフリーピストン側室5を区画しており、気体室G内であってフリーピストン2外が反フリーピストン側室6とされている。
詳しくは、区画部材7は、有底筒状とされて、筒部7aをフリーピストン2の筒部2bの内周に螺合することでフリーピストン2に固定される。また、筒部7aの外周には、鍔7bが設けられており、この鍔7bとフリーピストン2の筒部2bの外周に設けた鍔2cとでガイド13が挟持されるようになっている。さらに、区画部材7の底部7cには、螺子孔7dと、螺子孔7dの周りに配置される複数の一方通行通路7eとが設けられている。なお、区画部材7とフリーピストン2との連結に際しては、螺子結合によらず溶接等の他の結合方法を採用するようにしてもよい。
そして、螺子孔7dには、中空な螺子部材14が装着されており、螺子部材14は、螺子孔7dに螺合する軸部14aと、軸部14aより大径な頭部14bとを備えている。
この螺子部材14の軸部14aの外周には、環板状の弁体15が装着されており、弁体15は、その内周が頭部14bと区画部材7の底部7cとで挟持されて固定され、外周の撓みが許容されて一方通行通路7eを開閉するようになっている。また、螺子部材14の頭部14bの内周には、筒状であって内周にオリフィス17を備えたプラグ16が螺着されている。
したがって、この実施の形態の場合、フリーピストン側室5と反フリーピストン側室6とは、螺子部材14内およびプラグ16内を介して連通されている。また、フリーピストン側室5の圧力が反フリーピストン側室6の圧力を上回ると弁体15が撓んで一方通行通路7eが開放され、反対に、反フリーピストン側室6の圧力がフリーピストン側室5の圧力を上回ると弁体15が区画部材7の底部7cに押付けられて一方通行通路7eが閉塞されるようになっている。
つまり、単筒型液圧緩衝器Dが圧縮されてフリーピストン2が図1中下方へ移動し、反フリーピストン側室6の容積が減少する場合、弁体15が一方通行通路7eを閉塞するため、気体は反フリーピストン側室6からフリーピストン側室5へオリフィス17を介して移動することになり、反フリーピストン側室6の圧力を上昇させる。また、フリーピストン2の下降速度が速くなればなるほど、気体がオリフィス17を通過する際の抵抗が大きくなり、反フリーピストン側室6の圧力が大きく上昇することになる。つまり、フリーピストン2が下降する場合には、フリーピストン2の下降速度が速くなるに従って、あたかも気体室Gの容積が反フリーピストン側室6の容積に近くになるが如くに振舞って、ストローク量が同じでもフリーピストン2の下降速度が速くなるにつれて気体室Gの液室Lに作用させる圧力が大きくなるのである。
反対に、単筒型液圧緩衝器Dが伸長してフリーピストン2が図1中上方へ移動し、反フリーピストン側室6の容積が拡大される場合、反フリーピストン側室6が減圧されるので弁体15が撓んで一方通行通路7eを開放する。そのため、気体はオリフィス17を迂回して一方通行通路7eを優先的に通過するようになり、フリーピストン側室5と反フリーピストン側室6の圧力に差が生じることが抑制され、この場合は、気体室G全体の容積が拡大することに伴って気体室Gが減圧されることになり、区画部材7を設けていない通常の気体室と同様の圧力を液室Lに作用させることになり、フリーピストン2の上方への移動も妨げられることもない。
すなわち、この実施の形態の場合、当該区画部材7に設けられるフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6とを連通する通路は、螺子部材14およびプラグ16によって形成され、当該通路の途中に設けられる気体の流れに抵抗を与える弁要素は、オリフィス17ということになる。なお、弁要素は、オリフィス17以外の弁とされてもよいが、オリフィス17を用いることで弁要素を小型にすることができるメリットがある。さらに、この実施の形態の場合、オリフィス17が区画部材7に着脱可能なプラグ16に設けられているので、異なる径のオリフィス17を備えたプラグ16の交換によって気体室Gの液室Lに作用させる圧力のフリーピストン2の速度に対する特性を簡単に変更することができる。
また、区画部材7に設けられる一方通行通路7eは、この場合、弁体15を設けることによってフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6のうち単筒型液圧緩衝器Dの伸長時に容積が変化しない一方から単筒型液圧緩衝器Dの伸長時に容積が拡大する他方へ向かう気体の流れのみを許容するという機能を実現している。
なお、この実施の形態の場合、フリーピストン2に区画部材7を設けるようにしているが、シリンダ1あるいはロアキャップ11に気体室Gをフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6に区画する区画部材を設けるようにしてもよい。この場合、フリーピストン2が上下に移動すると、フリーピストン側室5の容積が拡大あるいは減少するようになるが、一方通行通路が単筒型液圧緩衝器Dの伸長時に容積が変化しない反フリーピストン側室6から容積が拡大するフリーピストン側室5へ向かう気体の流れのみを許容するようにしておけば、フリーピストン2の下降に対しては、フリーピストン2の下降速度が速くなるにつれて気体室Gの液室Lに作用させる圧力を大きくし、フリーピストン2の上昇に対しては、区画部材7を設けていない通常の気体室と同様の圧力を液室Lに作用させることになり、上記した処と変わらない作動を呈することになる。なお、この場合、フリーピストン側室5がフリーピストン2の図1下面に臨むようにすれば足りるので、区画部材は気体室Gを上下に分割することのみをもってしてフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6を画成しなくともよい。
つづいて、このように構成された単筒型液圧緩衝器Dの動作について説明する。まず、単筒型液圧緩衝器Dが伸長する場合、ロッド4がシリンダ1から退出するため、フリーピストン2が図1中上方へ移動する。この場合、一方通行通路7eによってフリーピストン側室5と反フリーピストン側室6とが連通され気体は殆ど抵抗無く容積変化のないフリーピストン側室5から反フリーピストン側室6へ移動するので、気体室Gの全体の容積が拡大することに伴って圧力が減少することになる。
そして、図1中上方に配置される作動室R1がピストン3によって圧縮せしめられて作動室R1の圧力が上昇し、作動室R1から作動室R2へ減衰通路10を介して液体が移動することになり、作動室R1と作動室R2の圧力に差が生じて、作動室R1と作動室R2の差圧がピストン3を下方へ押すように作用して減衰力が発生する。すなわち、単筒型液圧緩衝器Dは、従来の単筒型液圧緩衝器と同様、伸長時には、作動室R1を増圧させることによって減衰力を発揮する。
他方、単筒型液圧緩衝器Dが圧縮される場合、ロッド4がシリンダ1へ侵入するため、フリーピストン2が図1中下方へ移動する。この場合、一方通行通路7eは弁体15によって閉じられ、気体は、圧縮される反フリーピストン側室6から容積変化のないフリーピストン側室5へオリフィス17を介して移動し、フリーピストン2の下降速度に応じて反フリーピストン側室6の圧力を上昇させることになる。
すなわち、単筒型液圧緩衝器Dが圧縮されると、フリーピストン2の下降速度に比例するピストン速度が速くなればなるほど、気体室Gが下方に配置されて気体室Gに臨む作動室R2に作用させる圧力が大きくなる。すると、作動室R2の圧力上昇上限は、ピストン速度が速くなればなるほど大きくなり、作動室R2の圧力上昇が促される。
つまり、この単筒型液圧緩衝器Dにあっては、圧縮行程において、ピストン速度に応じて作動室R2に作用させる圧力を大きくするので、単筒型液圧緩衝器Dが発生する減衰力はピストン速度が速くなるに従って大きくなる。
また、この単筒型液圧緩衝器Dにあっては、上述のように、従来の単筒型液圧緩衝器とは異なり、圧縮行程においてピストン速度に依存して減衰力を発生するので、フリーピストンの位置によっては減衰力が過剰となったり不足したりするという不具合も無く、特に、車両の車体の振動を抑制するのに適した減衰力を発揮でき、車両における乗り心地を向上することができる。
さらに、上述のように、ピストン速度が速くなればなるほど、気体室Gが下方に配置されて気体室Gに臨む作動室R2に作用させる圧力が大きくなるので、圧側の減衰力の発生応答性が向上する。
加えて、減衰力発生応答性の向上に際して気体室G内のもともとの圧力を高くする必要が無く、シール部材9に過大な圧力を作用させることが無いので、ロッド4とシール部材9との間で生じる摩擦力が過剰とならずにすみ、単筒型液圧緩衝器Dの円滑な伸縮が保証されることになる。
なお、上記した実施の形態における単筒型液圧緩衝器Dにあっては、一方通行通路を設けて単筒型液圧緩衝器Dの伸長時にはフリーピストン2の移動が妨げられることがないので、作動室R2が負圧となってバキュームやエアレーションを発生することが防止されているが、区画部材7に設けられる通路によるフリーピストン側室R1と反フリーピストン側室6との連通によって作動室R2の負圧の発生を回避できれば一方通行通路の設置を省略することも可能である。ただし、その場合、一方通行通路を設ける場合に比較して、通路による気体の流れに与える抵抗を小さく設定しなければならないことになるので、単筒型液圧緩衝器Dの圧側の減衰力の上限も低くなる。換言すれば、一方通行通路を設けることで単筒型液圧緩衝器Dの圧側の減衰力を大きくできるメリットが有るのである。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における単筒型液圧緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態における単筒型液圧緩衝器の一部縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 フリーピストン
2a フリーピストンにおける頂部
2b フリーピストンにおける筒部
2c
3 ピストン
4 ロッド
5 フリーピストン側室
6 反フリーピストン側室
7 区画部材
7a 区画部材における筒部
7b 区画部材における鍔
7c 区画部材における底部
7d 区画部材における螺子孔
7e 区画部材における一方通行通路
8 ヘッド部材
9 シール部材
10 減衰通路
10a 減衰力発生要素
11 ロアキャップ
12 シールリング
13 ガイド
14 螺子部材
14a 螺子部材における軸部
14b 螺子部材における頭部
15 弁体
16 プラグ
17 オリフィス
D 単筒型液圧緩衝器
G 気体室
L 液室
R1,R2 作動室

Claims (4)

  1. シリンダと、シリンダ内を液室と気体室とに区画するフリーピストンと、シリンダ内に摺動自在に挿入されて液室を二つの作動室に区画するピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるロッドとを備えた単筒型液圧緩衝器において、フリーピストンに連結されて気体室内に収容されると共に気体室をフリーピストン側室と反フリーピストン側室に区画する区画部材を備え、当該区画部材にフリーピストン側室と反フリーピストン側室とを連通する通路を設け、当該通路の途中に気体の流れに抵抗を与える弁要素を設けたことを特徴とする単筒型液圧緩衝器。
  2. 区画部材にフリーピストン側室と反フリーピストン側室のうち伸長時に容積が変化しない一方から伸長時に容積が拡大する他方へ向かう気体の流れのみを許容する一方通行通路を設けたことを特徴とする請求項1に記載の単筒型液圧緩衝器。
  3. 区画部材は、有底筒状に形成され、底部にはフリーピストン側室と反フリーピストン側室とを連通すると共に弁体で開閉される一方通行通路が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の単筒型液圧緩衝器。
  4. フリーピストンが有底筒状とされ、区画部材は、フリーピストンの開口部を蓋してフリーピストン内にフリーピストン側室を区画することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の単筒型液圧緩衝器。
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