JP2008045738A - ショックアブソーバ - Google Patents

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Abstract

【課題】ショックアブソーバを大型化することなく室と外部とを連通する連通路の流路抵抗を低減可能なショックアブソーバを提供する。
【解決手段】第1シリンダ1内がピストン4によって上下の室6、7に分けられ、ピストンから下方にピストンロッド5が延びている。第1シリンダ1の外周に第2シリンダ2が配置され、第1シリンダ1と第2シリンダ2との間の空間で下室と外部とを連通する下室側連通路36が形成される。第1シリンダ1上端部に連通すると共に軸を上下に向けて延びる第1筒体13を備え、その第1筒体13を通じて上室6に出入りする作動流体に対し減衰力を与える上室側減衰バルブ12を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、軸を上下にして配置されると共にシリンダ内の各室が外部に連通する車両用のショックアブソーバに関するものである。
減衰力を調整可能なショックアブソーバとしては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この装置では、ショックアブソーバに伸圧共用減衰バルブが一体に取り付けられている。ショックアブソーバは、ピストンの上室側に伸側チェックバルブを設けると共に、ベースバルブに圧側チェックバルブを設け、且つ下室に連通する連通孔を設けたシリンダとインナシェルとの間に連通室を設け、更にインナシェルとアウタシェル間にリザーバ室を設けて構成される。上記伸圧共用減衰バルブは、連通室に連通する一次圧室と二次圧室との間に弁体を配置し、また該弁体の上下には、一対のリーフバルブを配置し、弁体上にシート力を変更可能なポペット弁を配置している。
特開平5−180259号公報
しかし、上記従来技術では、シリンダ外部との連通路(連通孔)が一箇所のみのため、ピストンロッドを伸ばす方向の力を出すことは出来るが、縮める側に力を出すのには不向きである。その理由は、内圧を下げる必要があるが、負圧になると作動油内に溶解した気体が気泡となる、あるいは作動油自体が気化するため圧力が下がらなくなり、力が出しにくくなるためである。
また、室と外部を連通する通路をピストンロッド内に設定すると、流路抵抗が大きくなるか、シリンダ自体を大型化する必要がある。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、ショックアブソーバを大型化することなく室と外部とを連通する連通路の流路抵抗を低減可能なショックアブソーバを提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明のショックアブソーバは、内部が第1室と第2室の二つの室に区画された第1シリンダと、その外周に配置された第2シリンダとの間の空間に形成された第1連通路によって、第1室と外部とが連通される。また、上記第1シリンダにおける第2室側の端部に連通すると共に該第2室側の端部に対し第2室から離れる方向に延びる第1筒体を通じて第2室に出入りする作動流体に対し、減衰力を与える第2減衰手段を備える。上記第1筒体は、上記第2減衰手段を介して、上記第1シリンダにおける第2室側の端部に連通することを特徴とするショックアブソーバを提供する。
本発明によれば、ショックアブソーバをさほど大型化することなく、第2室と外部ととの間を連通する流路面積を大きく設定できて、流路抵抗を小さくすることが可能となる。
その結果、ピストンロッドを伸ばす方向の力にも、縮める方向にも効率よく力を出すことが可能となる。
次に、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態のショックアブソーバの断面図である。
(構成)
本実施形態のショックアブソーバS/Aでは、図1に示すように、軸を上下に向けた第1シリンダ1の外周に筒状の第2シリンダ2が同軸に配置され、その第2シリンダ2の外周に筒状の第3シリンダ3が同軸に配置されることで、3つのシリンダ1、2、3が3重の入れ子状に配置されている。
第1シリンダ1内は、ピストン4によって上下の室6、7に分けられている。本実施形態では、下室7が第1室を、上室6が第2室を構成する。符号8は、ピストン4の摺動抵抗を低減するための第1の滑りブッシュである。
上記ピストン4から、下方に向けてピストンロッド5が軸を上下に向けて延びている。そのピストンロッド5は、第1シリンダ1の下端部を閉塞する第1底蓋部材9を摺動可能に貫通して下方に突出している。ただし、上記第1底蓋部材9の円周方向の一箇所若しくは2箇所以上の位置で下室7を外部に連通するための開口が形成されている。なお、上記第1底蓋部材9に開口したピストンロッド5用の貫通孔の内径面には、ピストンロッド5との摺接する第2の滑りブッシュ10が設けられている。また、ピストンロッド5の下端部には、サスペンションやアクスルに連結させるためのブッシュ部材11が固定されている。
また、第1シリンダ1の上端部には、上室側減衰バルブ12を介して第1筒体13が接続されている。すなわち、第1シリンダ1の上端部を閉じる蓋部材として上室側減衰バルブ12が、当該第1シリンダ1の上端部に取り付けられて、その上室側減衰バルブ12の下側のポートが上室6に連通し、上側のポートが第1筒体13に連通している。第1筒体13は、第1シリンダ1と同軸に配置されて上方に延びている。
ここで、上記第1筒体13の下端部は、上室側減衰バルブ12内に挿入されている。その第1筒体13の下端部は、その中空部(内径面)が、下方(第2室6側)に向かうにつれて滑らかに内径が大きくなるように構成されることで、拡径部13cを形成している。
上記上室側減衰バルブ12は第2減衰手段を構成する。上記第1筒体13で第2連通路が構成されている。
更に、上記第1筒体13の外周に対し、第2筒体14が同軸に配置されている。その第2筒体14は、下端部に外向きフランジ14aが設けられていて、その下端部が、上記上室側減衰バルブ12の上部に対してスペーサ15を介して当接されている。ただし、そのスペーサ15は、円周方向に沿って所定間隔を開けて複数配置されることで、第1筒体13と第2筒体14との間の空間が、後述の第1シリンダ1と第2シリンダ2との間の空間に連通している。
また、上記第2筒体14における上側半分の外径面には、雄ねじが刻設されている。なお、第2筒体14の上端面の位置は、第1筒体13の上端面よりも低く設定されている。
また、上記第2シリンダ2の上端部は、内側に絞られることで内向きフランジ状の絞り部2aが形成され、その内向きフランジ状の絞り部2aは、内端面が上記第2筒体14の外径面に当接することで径方向の位置決めがなされる。また、上記絞り部2aは、その第2筒体14の外向きフランジ14a上面に上側から当接することで、当該外向きフランジ14a、スペーサ15、上室側減衰バルブ12を介して第1シリンダ1の上端面に支持されている。
そして、上記第2筒体14の内向きフランジ2aの上に上記絞り部2aを介して円筒状のブッシュ部材16が配置され、さらに第2筒体14の外径面に螺合したナット17によって、上側から上記ブッシュ部材16が下方に押圧されることで、上記第2シリンダ2の内向きフランジ2aは、スペーサ15、上室側減衰バルブ12を介して第1シリンダ1の上端部に固定されている。符号18は車体を示している。
また、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面との間には、図2に示すように、円周方向に沿って所定間隔毎にスペーサ20が配置されて、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面との間に上下を連通する連通空間が形成されている。この連通空間が、下室側連通路36の連通空間となる。なお、上記スペーサ20は、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面とが対向する全長に亘って設けられている必要はない。下室側連通路36は、上記第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面との間の空間、及び第1筒体13と第2筒体14との間の空間から構成されて、第1連通路を構成する。
第2シリンダ2の下端部は、上記第1シリンダ1の第1底蓋部材9の下端部に連結した第2底蓋部材21によって閉塞されている。そして、上記第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面とで構成される下室側連通路36の下部は、上記第1底蓋部材9に設けた開口によって下室7に連通している。
また、上記第2筒体14の上側にはプラグ部材22が螺合によって同軸に取り付けられている。上記プラグ部材22の上端部には、バルブ取付け用の空洞部が形成されていて、その空洞部に対し螺合によって下室側減衰バルブ23が取り付けられている。その下室側減衰バルブ23は、一方のポート(外部側のポート)がプラグ部材22に設けた側孔24を介して外部に連通し、他方のポートが、後述の第2連通路の上端開口に接続される。上記側孔24の開口が、下室側の外部への連結部を構成する。
符号25はエア抜き用の弁である。また、下室側減衰バルブ23は第1減衰手段を構成する。
また、プラグ部材22には、下側部分の軸中心部には、上記第1筒体13の上端開口に連通し、側方の開口する第1通路26が形成され、その第1通路26を介して第1筒体13内は、外部に連通している。上記第1連通路26の開口が、上室側の外部への連結部を構成する。
また、上記プラグ部材22には、第1筒体13の外径面と第2筒体14の内径面との間に形成された空間に連通して上方に延びる第2通路27が形成されていて、その第2通路27は、上記プラグ部材22の上部に取り付けられた下室側減衰バルブ23の他方のポートに連通している。
また、上記第2シリンダ2の外周に配置された第3シリンダ3の下端部には、螺合によって、第3底蓋部材28が取り付けられている。その第3底蓋部材28は、ピストンロッド5の下端部に対し同軸に固定されている。
また、第3シリンダ3における、上記ピストン4が下死点までストロークしても、第2シリンダ2と径方向で対向可能な部分の内径面の径は、それよりも下側の部分の内径面よりも径が若干大きく形成されることで、その上下の境界部に段差部3aが形成されている。その段差部3aよりも上側における、第3シリンダ3と第2シリンダ2との間には、円筒状の第3の滑りブッシュ30が介挿されている。この第3の滑りブッシュ30によって、第3シリンダ3は、第2シリンダ2に対し軸方向へ滑らかに相対移動可能となっている。
ここで、上記第3の滑りブッシュ30の一部にはスリットなどからなる開口31が形成され、その開口31内にグリースが収容されている。この開口31が潤滑剤溜まり31の一例を構成し、グリースが潤滑剤の一例を構成する。なお、この潤滑剤溜まり31は、第3の滑りブッシュ30に形成した開口に限定されず。第3の滑りブッシュ30の表面に形成した凹部などであってもよい。
また、第3シリンダ3の上端部にシール部材44が設けられ、そのシール部材44で第2シール部材2の外径面との間の空間をシールしている。
また、第3底蓋部材28には、外部との連通用の貫通孔34が開口している。この貫通孔34は連通孔を構成する。
また、上記第3シリンダ3の外周部には、環状の下側スプリング着座部39が固定され、上記ブッシュ部材16には、環状の上側スプリング着座部32が固定されている。そして、第3シリンダ3の外周に同軸にサスペンションスプリングを構成するコイルスプリング33が配置され、そのコイルスプリング33の下端部が上記下側スプリング着座部39に支持され、コイルスプリング33の上端部が上側スプリング着座部32に支持されている。
なお、上記上側スプリング着座部32が、車体18に取り付けられる。
また、符号35は、コイルスプリング33が第3シリンダ3に接触することを防止するための筒状の覆い部材である。
ここで、上記上室側減衰バルブ12及び下室側減衰バルブ23は、第1シリンダ1の連通する室から作動流体が流出する方向の流れに対しては、減衰力を発生しないかその減衰力が小さく設定され、逆に、第1シリンダ1の連通する室へ作動流体が流入する方向の流れに対しては、ショックアブソーバS/Aに要求される所定の減衰力を発生するように、各バルブ12、23の減衰力特性が設定されている。
例えば、上室側減衰バルブ12は、第2室を構成する上室6と第1筒体13内とを連通する二つの減衰用連通路12a、12bを有する。一方の減衰用連通路12aには、上室6側からの圧力によって閉じ且つ上室6への作動流体の流入で開く板状の第1弁板が設けられ、また、他方の減衰用連通路12bには、上室6から流出する流体によって開き、第1筒体13内から上室6への作動流体の圧力で閉じる板状の第2弁板が設けられている。そして、第1弁板のバネ力を弱く設定することで、第1筒体13内から上室6への流れに対してはさほど抗することなく第1弁体が開くように設定する。一方、第2弁体のバネ力を強く設定することで、上室6から第1筒体13内への流れに対する第2弁板の開口が小さくなって大きな減衰力を発揮するように設定する。
ここで、上記減衰用連通路12a、12bの断面積よりも、第1筒体13における流体が通過する上室側連通路37を構成する、中空部の断面積の方が広く設定されている。
同様に、下室側減衰バルブ23は、下室側連通路36と外部とを連通する二つの減衰用連通路を有する。一方の減衰用連通路には、下室側連通路36側からの圧によって閉じ、外部から下室側連通路36側への作動流体で開く板状の第1弁板が設けられ、また、他方の減衰用連通路には、下室側連通路36側からの圧によって開き、外部から下室側連通路36側への作動液で閉じる板状の第2弁板が設けられている。そして、第1弁板のバネを弱く設定することで、外部から下室側連通路36側への流れに対してさほど抗することなく第1弁体が開くように設定する。一方、第2弁体のバネを強く設定することで、下室側連通路36側から外部への流れに対しての第2弁板の開口が小さくなってショックアブソーバS/Aとして要求される大きな減衰力を発揮するように設定する。
(ショックアブソーバS/A間の接続例)
上記構成のショックアブソーバS/Aは、各輪のサスペンション毎に設けられている。本実施形態の各ショックアブソーバS/Aでは、第1シリンダ1から下方に突出したピストンロッド5の下端部が、サスペンションリンクであるロアアームに対し、ブッシュを介して取り付けられ、また、第1シリンダ1の上部が、上側スプリング着座部を介して車体18に取り付けられている。これによって、車輪の上下ストロークや車両のロールなどに応じて、各ショックアブソーバS/Aは伸縮して所定の減衰力を発揮し振動を早期に低減する。
また、各輪のショックアブソーバS/Aの室同士が図5のように、接続されている。すなわち、上記各減衰バルブを介して、車幅方向で対向する左右のショックアブソーバS/Aについては、上室6と下室7とがクロスするように配管4、5を介して接続される。また、前輪における、左輪側ショックアブソーバS/Aの上室6と右輪側ショックアブソーバS/Aの下室7とを連通する配管40が、後輪側における、左輪側ショックアブソーバS/Aの上室6と右輪側ショックアブソーバS/Aの下室7とを連通する配管40と連通している。また、前輪における、左輪側ショックアブソーバS/Aの下室7と右輪側ショックアブソーバS/Aの上室6とを連通する配管41が、後輪側における、左輪側ショックアブソーバS/Aの下室7と右輪側ショックアブソーバS/Aの上室6とを連通する配管41と連通している。
符号42はアキュムレータを示す。
(作用・効果)
まず、本実施形態のショックアブソーバS/Aの作用効果を説明する。
(伸長工程時)
伸長工程時は、ピストン4が押し下げられて、図3に示すように、下室7及び下室側連通路36の部分の圧力が上昇し、下室7及び下室側連通路36と外部との差圧によって、下室7及び下室側連通路36の作動流体の一部が下室側減衰バルブ23を通じて外部に排出され、そのときに減衰力が発生する。このとき、上室6側は、ピストン4が下がり作動流体を引き込むが、上室側減衰バルブ12は、上室6への流入方向に作動流体が流れるときは減衰力が出ないか小さい構造となっているため、上室側連通路37と上室6と間に圧力差はほとんど発生しない。
ここで、上室側減衰バルブ12が、作動流体を上室6に引き込む時にも所定以上の減衰力を出す構造の場合、上室6の圧力が上室側連通路37の圧力に対し低くなる。もともと上室側連通路37(シリンダの外部側)は、初期封入圧(大気圧若しくは大気圧+α相当の低圧)であるため、減衰力を上げようとすると上室6は容易に負圧となり、作動流体が油などの液体の場合には、上室6内の作動流体内に気泡及び気泡の破裂が発生、つまりキャビテーションが発生して、異音の発生や、部品の寿命劣化につながる。
これに対して、本実施形態では、上室6に作動流体が流入する際の減衰力が無いか小さい状態であるので、伸長工程において、上室6でキャビテーション発生を抑えることが出来る。また、伸長工程において、上室側減衰バルブ12での減衰力は無いか小さいが、下室7側に連通する下室側減衰バルブ23で、下室7から作動流体の流出時に減衰力が発生して、ショックアブソーバS/Aとして必要な減衰力を発生する。
ここで、下室7から作動流体が流出する際は、下室側減衰バルブ23よりも外部は、初期封入圧(大気圧若しくは大気圧+α相当の低圧)相当であって且つ、圧力変化は、上記上室6よりも小さいのでキャビテーションは発生しないか許容出来るくらいの小ささである。
また、上記上側連通路を構成する第1筒体13は、ピストンロッド5が貫通しない側である、第1シリンダ1の上端面に連通しているので、当該第1筒体13の内径を大きく設定可能である。このため、上室側連通路37の流路抵抗を小さく抑えることが出来る。例えば、ピストンロッド5を中空として上室側連通路37を形成すると、上室側連通路37の径がピストンロッド5の径に規制されて、余り大きくとることが出来ずに流路抵抗が大きくなるが、本実施形態ではこれを回避することが出来る。
したがって、伸長工程時は、図3に示すように、上室6側は、ピストン4が下がり作動流体を引き込む際に、上室側連通路37と上室6との間の圧力差をより小さくすることができる。その結果、上室6が負圧になりにくく、上室6内の作動流体内に気泡及び気泡の破裂が発生しない、つまりキャビテーションが発生せず、異音の発生や、部品の寿命劣化を回避することができる。
(圧縮行程時)
圧縮工程時は、ピストン4が押し上げられて、図4に示すように、上室6の圧力が上昇し、上室6と外部に連通する上室側連通路37との差圧によって、上室6の作動流体の一部が上室側減衰バルブ12を通じて上室側連通路37側に排出され、そのときに減衰力が発生する。このとき、下室7側は、ピストン4が上がり、下室側減衰バルブ23を通じて下室側連通路36及び下室7に作動流体が引き込まれるが、下室側減衰バルブ23は、下室側連通路36及び下室7に作動流体が流れるときは減衰力が出ないか小さい構造となっているため、外部と下室側連通路36及び下室7と間に圧力差はほとんど発生しない。
すなわち、下室7に作動流体が流入する際の減衰力が無いか小さい状態であるので、圧縮工程において、下室7及び下室側連通路36でのキャビテーション発生を抑えることが出来る。また、圧縮工程において、下室側減衰バルブ23での減衰力は無いか小さいが、上室6側に連通する下室側減衰バルブ23で、上室6から作動流体の流出時に減衰力が発生して、ショックアブソーバS/Aとして必要な減衰力を発生する。
ここで、上室6から作動流体が流出する際は、上室側減衰バルブ12よりも外部である上室側連通路37は、初期封入圧(大気圧若しくは大気圧+α相当の低圧)相当であって且つ、圧力変化は小さいのでキャビテーションは発生しないか許容出来るくらいの小ささである。
また、上記下室側連通路36を、第1シリンダ1と第2シリンダ2との間の空間に、また、それに続く通路を第1筒体13と第2筒体14との間に空間に形成することで、例えばピストンロッド5内に形成する場合に比べて流路断面を大きく設定することができ、その分、下室側連通路36の流路抵抗も小さく抑えることが出来る。
したがって、圧縮工程時は、図4に示すように、下室7側は、ピストン4が上がり作動流体を引き込む際に、下室側連通路36と下室7との間の圧力差をより小さくすることができる。その結果、下室7が負圧になりにくく、下室7内の作動流体内に気泡及び気泡の破裂が発生しない、つまりキャビテーションが発生せず、異音の発生や、部品の寿命劣化を回避することができる。
(その他)
また、上述のように、上室6及び下室7に連通する上室側連通路37及び下室側連通路36の流路断面を大きく設定できることで流路抵抗を抑えられることは、ピストン4がストロークする際のフリクション低減に繋がり、減衰力特性、特にピストン4のストローク速度が速いときの減衰力特性の悪化を抑えられる。
また、本実施形態では、ショックアブソーバS/Aの外径をさほど大きくすることなく、上室6及び下室7の外部との連結部をともに、上室6よりも上側の位置に配置することが出来る。特に、その外部との連結部に他のショックアブソーバS/Aと連通する配管40、41を接続する際に、車体取付け点よりも上側に上記外部との連結部を配置出来ることで、サスペンションストロークで揺動する他のサスペンション部品その他と干渉する領域から離すことができ、当該外部との連結部に配管40、41を連結する構造の設計自由度が増大する。なお、外部との連結部の向きは、周囲のレイアウト(配管40、41の曲げスペースなど)で決めればよい。
また、第2シリンダ2の上端部を絞って絞り部2aを内向きフランジ状態として、その絞り部2aを第1シリンダ1の上端部に上側から支持させ、ブッシュ部材16を介してナット17で締め付けることで取り付けているので、第1シリンダ1と第2シリンダ2のセンタリング(軸合わせ)や軸方向の位置決めのための部品が不要となり、小型化することが出来る。
また、本実施形態では、上室側減衰バルブ12を、第1シリンダ1の上蓋部材として第1シリンダ1に組み込むことで、上室側連通路37の上端部側に別体のバルブユニットを組み込む場合に比べて、ショックアブソーバS/Aの質量の低減を図ることが出来る。
また、上記実施形態では、サスペンションストローク、つまりピストン4及びピストンロッド5がストロークすることで、第3シリンダ3が、第2シリンダ2に対し軸方向へ相対移動することで、コイルスプリング33が伸縮して振動を吸収する。
このとき、第2シリンダ2と第3シリンダ3との間に第3の滑りブッシュ30を設けない場合、ショックアブソーバS/A全体に曲げモーメントMが加わったときに、第2シリンダ2と第3シリンダ3とが相対的に角度を持つため、第3シリンダ3の端部と第2シリンダ2との隙間が小さくなり、初期隙間が小さい場合には接触するおそれがある。この干渉を避けるために、上記第3の滑りブッシュ30のようなスペーサが無い場合には、第2シリンダ2と第3シリンダ3との初期隙間を大きく取る必要があるため、第3シリンダ3の外径を大きく設計する必要がある。これに対し、本実施形態では、第2シリンダ2と第3シリンダ3の間に第3の滑りブッシュ30を介挿することで、当該滑りブッシュがスペーサの役割をすることとなって、上記第2シリンダ2と第3シリンダ3との初期隙間をその分小さく設定することが出来る。
さらに、上記第2シリンダ2と第3シリンダ3の間に第3の滑りブッシュ30を介挿しない場合には、図1に示すようなショックアブソーバS/Aに曲げモーメントMが働くとき、その曲げモーメントMによる曲げ力は、ピストン4と第1シリンダ1と間の第1の滑りブッシュ8及びピストンロッド5と第1底蓋部材9との間の第2の滑りブッシュ10で受けることになる。これに対し、本実施形態のように上記第2シリンダ2と第3シリンダ3の間の第3の滑りブッシュ30を介挿した場合には、上記曲げ力の一部を、当該第2シリンダ2と第3シリンダ3の間に第3の滑りブッシュ30でも負担するため、各滑りブッシュ8、10の面圧を下げることが出来る。このことは、滑りブッシュ8、10の信頼性を向上させることに繋がると共に、曲げモーメントが作用している状態でのピストンストローク時の摺動抵抗を下げることにも寄与する。
また、上記第3の滑りブッシュ30に潤滑剤溜まり31を形成して潤滑剤としてグリースを収容することで、第3シリンダ3の相対移動に伴って、滑りブッシュの接触面にグリースが塗布されることになり、焼き付き、耐磨耗性の向上、フリクションの低減を図ることが出来る。また、上記のような潤滑剤溜まり31に潤滑用グリースを封入することができ、長期間でのグリース保持を可能とすることが出来るようになる。
また、第3シリンダ3の上端部と第2シリンダ2との間の空隙をシール部材44で覆うことで、上側から第2シリンダ2と第3シリンダ3の間の隙間に異物が入り込んで、第3シリンダ3内の下部空間に異物が溜まることを防いでいる。
また、第3シリンダ3に対して内向きの段差部3aを設けることで、第3の滑りブッシュ30の位置決めが容易かつ確実に行えるようになっている。また、第3の滑りブッシュ30の下方への抜け止めにもなっている。
また、第3シリンダ3の下端部を構成する第3底蓋部材28に空気抜き穴用の貫通孔34を設定することにより、ピストン4のストローク時に第3シリンダ3内の下部空洞部分の体積変化に対応した空気の排出・吸引を確保しつつ、下端部に貫通孔34を設けることで異物の進入をしにくい構造とした。すなわち、第3シリンダ3の最下端部に上記貫通孔を設けることで、いったん入ってしまった水等の異物が当該貫通孔から外に出る構造となっている。
次に、上記各輪毎に設けられたショックアブソーバS/Aの接続による効果について、説明する。
車両がバウンスする場合には、図5のように各ショックアブソーバS/Aに力が作用し、車両がピッチする場合には図6のように各ショックアブソーバS/Aに力が作用する。この前後の各左右輪のショックアブソーバS/Aが同相で働く場合には、左右のショックアブソーバS/Aの間で作動流体が行き来するだけなので、アキュムレータに作動流体が出入りせず、作動流体が流入側する側の室に反力が発生しない。
一方、車両がロール(横方向に傾く挙動)した場合には、図7に示すように、4輪全てのショックアブソーバS/Aから作動流体が押し出されるため、作動流体の逃げ場が無くなり、アキュムレータに作動流体が流れ込む。すると、作動流体が流出する側の室の内圧が上昇して、4輪全てのショックアブソーバS/Aにおいて、ピストン4がストロークしようとするのを妨げる力が増大することで、車両のロールが抑制される。
更に、車両がモーグル路などを走行して、前輪と後輪が逆方向にロールした場合には、図8に示すように、後輪から押し出された作動流体が前輪に引き込まれるため、アキュムレータの作動流体が流れ込まない。また、前輪から押し出された作動流体が後輪側に流れ込むため、システムの反力は発生しない。
ここで、上記実施形態では、ピストンロッド5が下方に延びる場合を例示しているがピストンロッド5が上方に延びる場合であっても良い。この場合には、上室6が第1室に、下室7が第2室となる。ただし、本発明は、ピストンロッド5が下方に延びる場合により有効に作用する。
また、第1筒体13の上室側連通路37の上室側端部は、中空部の断面積が上室6に向かって滑らかに拡大する拡径部13cを備える。この拡径部13cにより、第1筒体13と上室6との接続部において、急激な断面拡大によって作動油に乱流が発生することを回避できて、その結果、作動流体の流動抵抗を小さくすることができる。
また、上室側減衰バルブ12は、上室6と第1筒体13とを連通する減衰用連通路12a、12bを備え、第1筒体13の上室側連通路37の断面積は、減衰用連通路12a、12bの断面積に対して大きい。この構造により、作動流体は、断面積が大きい上室側連通路37を流れる過程で整流される。整流された作動流体が、上室側減衰バルブ12に設けた減衰用連通路12a、12bに導入されるため、減衰機能を安定して発揮することができる。
また、第1筒体13の上室側連通路37の軸方向長さは、上室側減衰バルブ12に設けた減衰用連通路12a、12bの軸方向長さに対して、長い。この構造により、第1筒体13の上室側連通路37内の作動流体の流れを、より確実に整流することができて、上室側減衰バルブ12の減衰機能を安定して発揮することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
(構成)
図9は、第2実施形態のショックアブソーバS/Aを示す断面図である。
第2実施形態では、ショックアブソーバS/Aとサスペンションスプリングが別体に構成される場合の例である。
その構成は、図9に示すように、軸を上下に向けた第1シリンダ1の外周に筒状の第2シリンダ2が同軸に配置されて、2つのシリンダ1、2が入れ子状に配置されている。
第1シリンダ1内は、ピストン4によって上下の室6、7に分けられている。本実施形態では、下室7が第1室を、上室6が第2室を構成する。符号8は、ピストン4の摺動抵抗を低減するための第1の滑りブッシュである。
上記ピストン4から下方に向けてピストンロッド5が軸を上下に向けて延びている。そのピストンロッド5は、第1シリンダ1の下端部を閉塞する第1底蓋部材9を摺動可能に貫通して下方に突出している。ただし、上記第1底蓋部材9の円周方向の一箇所若しくは2箇所以上の位置で下室7を外部に連通するための開口が形成されている。なお、上記第1底蓋部材9に開口したピストンロッド5用の貫通孔の内径面には、ピストンロッド5との摺接する第2の滑りブッシュ10が設けられている。また、ピストンロッド5の下端部には、サスペンションやアクスルに連結するためのブッシュ部材11が固定されている。
また、第1シリンダ1の上端部には、上室側減衰バルブ12を介して第1筒体13が接続されている。すなわち、第1シリンダ1の上端部を閉じる蓋部材として上室側減衰バルブ12が、当該第1シリンダ1の上端部に取り付けられ、その上室側減衰バルブ12の下側のポートが上室6に連通し、上側のポートが第1筒体13に連通している。第1筒体13は、第1シリンダ1と同軸に配置されて上方に延びている。
上記第1筒体13の下端部には外向きフランジ13aが設けられている。
また、上記第2シリンダ2の上部の内径は、第1シリンダ1の外径と等しいか若干の締代を有する径に設定され、その第2シリンダ2内に上記第1シリンダ1が挿入されることで、第2シリンダ2の上部に第1シリンダ1の上部が圧入されて、第1シリンダ1と第2シリンダ2とのセンタリング及び軸方向の位置決めが簡易に行われる。
ここで、上記上室側減衰バルブ12の一部は上記第2シリンダ2内面と摺接している。すなわち、第2シリンダ2の上蓋部材を兼ねる。
また、上記第1筒体13の下端部に形成された外向きフランジ3aの下面は上記第2シリンダ2の上端面に当接し、かつその外向きフランジ3aの下面から第2シリンダ2内に嵌め込まれる筒状の凸部13bを備える。
また、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面との間には、円周方向に沿って所定間隔毎にスペーサが配置されて、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面との間に上下を連通する連通空間が形成されている。この連通空間が、下室側連通路36の連通空間となる。なお、上記スペーサは、第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面とが対向する全長に亘って設けられている必要はない。
第2シリンダ2の下端部は、上記第1シリンダ1の第1底蓋部材9の下方に配置された第2底蓋部材21によって閉塞されている。そして、上記第1シリンダ1の外径面と第2シリンダ2の内径面とで構成される下室側連通路36の下部は、上記第1底蓋部材9に設けた開口によって下室7に連通している。
ここで、上記第2シリンダ2は、軸方向に沿って並ぶ3つの筒体2b、2c、2dから構成されていて、一番上側の部分が、上記第1シリンダ1を圧入する上部筒体2bであり、その上部筒体2bの下端部に筒状の中間筒体2cが接続されている、中間筒体2cの途中部には内径面に連通して横方向に張り出す環状の突出部2eが形成され、その突出部2eに下室側減衰バルブ23が取り付けられている。その中間筒体2cの下端部に下部筒体2dが接続され、その下部筒体2dの下端部に上述の第2底蓋部材21が取り付けられている。
なお、ピストンロッド5の下端部には円板部材50が同軸に固定されていて、その円板部材50と上記下部筒体2dとの間を覆うようにして蛇腹部材52が配置されることで、異物がピストンロッド5に付着することを防止している。符号51は、エア抜き用の弁である。
また、上記上室側減衰バルブ12及び下室側減衰バルブ23は、連通する室から作動流体が流出する方向の流れに対しては、減衰力を発生しないかその減衰力が小さく設定され、逆に、連通する室へ作動流体が流入する方向の流れに対しては、ショックアブソーバS/Aに要求される減衰力を発生するように、各バルブの減衰力特性が設定されている。
(ショックアブソーバS/A間の接続例)
各輪に設けられた各ショックアブソーバS/A間の接続は、上記第1実施形態と同様である。
(作用効果)
まず、本実施形態のショックアブソーバS/Aの作用効果を説明する。
(伸長工程時)
伸長工程時は、ピストン4が押し下げられて、図10に示すように、下室7及び下室側連通路36の部分の圧力が上昇し、下室7及び下室側連通路36と外部との差圧によって、下室7及び下室側連通路36の作動流体の一部が下室側減衰バルブ23を通じて外部に排出され、そのときに減衰力が発生する。このとき、上室6側は、ピストン4が下がり作動流体を引き込むが、上室側減衰バルブ12は、上室6への流入方向に作動流体が流れるときは減衰力が出ないか小さい構造となっているため、上室側連通路37と上室6と間に圧力差はほとんど発生しない。
また、上記上側連通路を構成する第1筒体13は、ピストンロッド5が貫通しない側の、第1シリンダ1の上端面に設けられているので、当該第1筒体13の内径を大きく設定可能である。このため、上室側連通路37の流路抵抗を小さく抑えることが出来る。
したがって、伸長工程時は、図3に示すように、上室6側は、ピストン4が下がり作動流体を引き込む際に、上室側連通路37と上室6との間の圧力差をより小さくすることができる。その結果、上室6が負圧になりにくく、上室6内の作動流体内に気泡及び気泡の破裂が発生しない、つまりキャビテーションが発生せず、異音の発生や、部品の寿命劣化を回避することができる。
例えば、ピストンロッド5を中空として上室側連通路37を形成すると、上室側連通路37の径がピストンロッド5の径に規制されて、余り大きくとることが出来ずに流路抵抗が大きくなるが、本実施形態ではこれを回避することが出来る。
(圧縮行程時)
圧縮工程時は、ピストン4が押し上げられて、図11に示すように、上室6の圧力が上昇し、上室6と外部に連通する上室側連通路37との差圧によって、上室6の作動流体の一部が下室側減衰バルブ23を通じて上室側連通路37側に排出され、そのときに減衰力が発生する。このとき、下室7側は、ピストン4が上がり、下室側減衰バルブ23を通じて下室側連通路36及び下室7に作動流体が引き込まれるが、上室側減衰バルブ12は、下室側連通路36及び下室7に作動流体が流れるときは減衰力が出ないか小さい構造となっているため、外部と下室側連通路36及び下室7と間に圧力差はほとんど発生しない。
また、上記下室側連通路36を、第1シリンダ1と第2シリンダ2との間の空間に、また、それに続く通路を第1筒体13と第2筒体14との間に空間に形成することで、例えばピストンロッド5内に形成する場合に比べて断面を大きく設定することができ、その分、下室側連通路36の流路抵抗も小さく抑えることが出来る。
したがって、圧縮工程時は、図4に示すように、下室7側は、ピストン4が上がり作動流体を引き込む際に、下室側連通路36と下室7との間の圧力差をより小さくすることができる。その結果、下室7が負圧になりにくく、下室7内の作動流体内に気泡及び気泡の破裂が発生しない、つまりキャビテーションが発生せず、異音の発生や、部品の寿命劣化を回避することができる。
また、第2シリンダ2の途中に下室側減衰バルブ23を配置することで、下室側連通路36長を短くすることが出来る。
(その他)
また、上述のように、上室6及び下室7に連通する上室側連通路37及び下室側連通路36の流路断面を大きく設定できることで流路抵抗を抑えられることは、ピストン4がストロークする際のフリクション低減に繋がり、減衰力特性、特にピストン4のストローク速度が速いときの減衰力特性の悪化を抑えられる。
また、本実施形態では、ショックアブソーバS/Aの外径をさほど大きくすることなく、上室6の外部との連結部を共に、上室6よりも上側の位置に配置することが出来る。特に、その外部との連結部に他のショックアブソーバS/Aと連通する配管を接続する際に、車体取付け点よりも上側に上記上室6側の外部への連結部を配置出来ることで、サスペンションストロークで揺動する他のサスペンションの部品との干渉を考慮せずに、当該外部との連結部に配管を連結することが可能となる。なお、外部との連結部の向きは、周囲のレイアウト(配管の曲げスペースなど)で決めればよい。また、上室6側の連結部と下室7側の連結部の上下方向に大きな間隔を取れるので、上室6側の連結部に接続される配管と下室7側の連結部に接続される配管の干渉を避けることが出来る。
また、第2シリンダ2の上部に第1シリンダ1の上部を圧入することで、第1シリンダ1と第2シリンダ2のセンタリング(軸合わせ)や軸方向の位置決めのための部品が不要となる。
また、本実施形態では、上室側減衰バルブ12を第1シリンダ1の上蓋部材として第1シリンダ1に組み込むことで、上室側連通路37の上端部側に別体のバルブユニットを組み込む場合に比べて、ショックアブソーバS/Aの質量の低減を図ることが出来る。
また、第1筒体13の上室側連通路37の上室側端部は、断面積が上室6に向かって拡大する拡径部を備える。この拡径部により。第1筒体13と上室6との接続部において、作動油に乱流が発生することを回避できて、その結果、作動流体の流動抵抗を小さくすることができる。
また、上室側減衰バルブ12は、上室6と第1筒体13とを連通する減衰用連通路12a、12bを備え、第1筒体13の上室側連通路37の断面積は、減衰用連通路12a、12bの断面積に対して大きい。この構造により、作動流体は、断面積が大きい上室側連通路37を流れる過程で整流される。整流された作動流体が、上室側減衰バルブ12に設けた減衰用連通路12a、12bに導入されるため、減衰機能を安定して発揮することができる。
また、第1筒体13の上室側連通路37の軸方向長さは、上室側減衰バルブ12に設けた減衰用連通路12a、12bの軸方向長さに対して、長い。この構造により、第1筒体13の上室側連通路37内の作動流体の流れを、より確実に整流することができて、上室側減衰バルブ12の減衰機能を安定して発揮することができる。
その他の構成や作用効果は上記第1実施形態と同様である。
ここで、上記全実施形態において、ショックアブソーバS/Aの配置が縦置きの場合を例示しているが、横置きの場合でも適用可能である。
本発明に基づく第1実施形態に係るショックアブソーバを示す断面図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る第1シリンダと第2シリンダとの間のスペーサの配置を示す模式図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る伸長工程の流れを示す図である。 本発明に基づく第1実施形態に係る圧縮工程の流れを示す図である。 各輪のショックアブソーバの接続例及びバウンスのときの状態を示す図である。 ピッチのときの状態を示す図である。 ロールのときの状態を示す図である。 モーグル路走行時の状態を示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係るショックアブソーバを示す断面図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る伸長工程の流れを示す図である。 本発明に基づく第2実施形態に係る圧縮工程の流れを示す図である。
符号の説明
S/A ショックアブソーバ
1 第1シリンダ
2 第2シリンダ
2a 絞り部
3 第3シリンダ
3a 段差部
4 ピストン
5 ピストンロッド
6 上室
7 下室
9 第1底蓋部材
12 上室側減衰バルブ
12a、12b 減衰用連通路
13 第1筒体
13c 拡大部
14 第2筒体
18 車体
21 第2底蓋部材
23 上室側減衰バルブ
28 第3底蓋部材
30 第3の滑りブッシュ
31 潤滑剤溜まり
32 上側スプリング着座部
33 コイルスプリング
34 貫通孔
36 下室側連通路
37 上室側連通路
39 下側スプリング着座部
40、41 配管

Claims (9)

  1. 第1シリンダと、第1シリンダ内を第1室と第2室の二つの室に分けるピストンと、ピストンに連結して第1室側に延びるピストンロッドと、第1シリンダの外周に配置された第2シリンダと、上記第1シリンダと第2シリンダとの間の空間で形成されて第1室と外部とを連通する第1連通路と、
    上記第1シリンダにおける第2室側の端部に連通し該第2室から離れる方向に延びる第1筒体と、その第1筒体を通じて第2室に出入りする作動流体に対し減衰力を与える第2減衰手段と、を備え、上記第1筒体は、上記第2減衰手段を介して上記第2室に連通することを特徴とするショックアブソーバ。
  2. 上記第2減衰手段は、第1シリンダの第2室側端部を閉塞する蓋部材を備えることを特徴とする請求項1に記載したショックアブソーバ。
  3. 上記第2減衰手段の少なくとも一部は、上記第2室内に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載したショックアブソーバ。
  4. 上記第2減衰手段は、上記第2室と上記第1筒体とを連通する減衰用連通路を備え、上記第1筒体内の中空部の断面積は、上記減衰用連通路の断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載したショックアブソーバ。
  5. 上記第1筒部の軸方向長さは、上記減衰用通路の軸方向長さよりも長いことを特徴とする請求項4に記載したショックアブソーバ。
  6. 上記第1筒部の第2室側端部の内径面は、上記第2室に向かって断面積が拡大する拡径部となっていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載したショックアブソーバ。
  7. 上記第1連通路を介して第1室に出入りする作動流体に減衰力を与える第1減衰手段を備えることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載したショックアブソーバ。
  8. 上記第1筒体の外周に第2筒体が配置されて、上記第1連通路は、上記第1筒体と第2筒体の間の空間を介して外部に連通することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載したショックアブソーバ。
  9. 上記第2シリンダの外周に配置され当該第2シリンダに対し軸方向に相対移動可能となっていると共に上記ピストンロッドに連結する第3シリンダと、その第3シリンダの外周側に軸を上下に向けて配置されて一端部が第1若しくは第2シリンダに連結し、他端部が第3シリンダに連結したコイルスプリングと、を備えることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載したショックアブソーバ。
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