JP4886126B2 - 眼底カメラ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被検眼眼底を撮影する眼底カメラに属する。
【0002】
【従来技術】
眼底カメラにおいては、観察用の照明光源として主にハロゲンランプが使用されており、無散瞳撮影では赤外光透過フィルタが設けられている。また、撮影用の照明光源としては、ハロゲンランプとは別にキセノンランプをフラッシュ用として設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、キセノンランプを撮影用のフラッシュランプとして使用する場合、1回の撮影毎にキセノンランプ電源の充電が行われるため、次の撮影までに時間が掛かることとなる。このため連続撮影を行う場合には非常に使い勝手が悪いこととなる。また、ハロゲンランプ,キセノンランプの2つに電源を供給する必要があるため、電器系の構成が複雑になり易い。さらに、ランプを2つ使用することにより、光学系が複雑になるといった問題があった。
【0004】
本発明は、上記従来装置の欠点に鑑み、簡単な構成で観察及び撮影を行うことができ、さらには連続撮影においてもストレスなく行うことができる眼底カメラを提供することを技術課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とする。
(1) 観察用及び撮影用に兼用する照明光源であって撮影に必要な光量を定常的に発光する照明光源を有する照明光学系と、観察用の照明光により照明された眼底を観察する観察光学系と、撮影用の照明光により照明された眼底を撮影する撮影光学系と、を有する眼底カメラにおいて、
前記照明光学系の光路に挿脱自在に配置され照明光を観察用に整えるためのフィルタと、前記照明光学系の光路に配置され照明光の通過・遮断を行う第1シャッタと、前記照明光学系の光路への前記フィルタの挿脱と前記照明光学系の光路への前記第1シャッタの開閉とを個々に検知するための検知手段と、前記フィルタの光路への挿脱及び前記第1シャッタの開閉を駆動制御する制御手段であって,撮影時は前記照明光学系の光路を遮断するように前記第1シャッタを閉じた状態で前記フィルタを照明光路から外すための駆動制御を行った後、前記検知手段からの前記フィルタ離脱の旨の検知信号に基づいて照明光を閃光化するように前記第1シャッタの開閉を駆動制御する制御手段と、前記照明光学系の光路に挿脱可能に配置され前記第1シャッタとは異なる部材である第2シャッタと、を備え、
前記制御手段は前記検知手段からの前記フィルタまたは前記第1シャッタの開閉動作の異常検知に基づいて前記第2シャッタを前記照明光学系の光路に挿入する動作制御を行うことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は発明の実施形態である無散瞳タイプの眼底カメラの光学系概略図である。光学系は照明光学系1、撮影光学系2、観察光学系3、固視標呈示光学系30から大別構成される。
【0007】
<照明光学系> 10は連続光を照射することができるキセノンショートアークランプであり、観察用光源と撮影用光源を兼ねている。また、ランプ10は撮影に必要な光量を定常的に発光する。ランプ10から出射された光束は、コンデンサレンズ11、光路に挿脱自在に配置される赤外光透過の赤外フィルタ12を介して赤外光束とされた後、メカニカルシャッタ13を通過し、リング状の開口を有するリングスリット14を照明する。メカニカルシャッタ13は眼底の撮影時に使用され、1/1000秒程度で開閉することによりランプ10からの照明光をフラッシュ光(閃光)として使用させるものである。
【0008】
本実施形態ではメカニカルシャッタを用いて1/1000秒程度で開閉させているが、これに限るものではなく、フラッシュ光形成のために微少時間内(1/1000秒〜1/10秒程度)にて開閉を行えばよい。また、本実施の形態では可視域から赤外域まで昼光に類似した連続スペクトルを有するキセノンショートアークランプを使用しているが、これに限るものではなく、例えばハロゲンランプ等のように、可視光域から赤外光域までの波長を発するとともに連続光の照射が可能な光源であればよい。
【0009】
赤外フィルタ12の光路中への挿脱動作の検知は、センサ50によって行われる。また、メカニカルシャッタ13の開閉動作の検知はセンサ51によって行われる。センサ50,51のどちらかが異常を検知した場合には、安全シャッタ52が照明光学系の光路中に挿入され、照明光束が被検眼Eに入射するのを防ぐようになっている。
【0010】
リングスリット14からの光束は、リレーレンズ15a、ミラー16、中心部に小黒点を有する黒点板17、リレーレンズ15bを介して、穴開きミラー18の開口部近傍に中間像を形成し、撮影光学系2の光軸と同軸になるように穴開きミラー18の周辺面で反射される。穴開きミラー18で反射したリングスリット光束は、対物レンズ19により被検眼Eの瞳孔付近で一旦結像した後、拡散して被検眼眼底部を一様に照明する。
【0011】
<撮影光学系> 撮影光学系2は、対物レンズ19、撮影絞り20、光軸方向に移動可能なフォーカシングレンズ21、結像レンズ22、撮影用のカラーCCDカメラ23を備える。24は観察光学系用のリターンミラーで撮影時には破線で示した位置に退去する。眼底からの反射光束は、対物レンズ19により一旦眼底の中間像を結像した後、穴開きミラー18の開口部、撮影絞り20、フォーカシングレンズ21、結像レンズ22を介してCCDカメラ23に入射し、その撮像素子面上に眼底像を結像する。
【0012】
<観察光学系> 観察光学系3は、撮影光学系2の対物レンズ19から結像レンズ22までを共用し、撮影時以外は実線で示した位置にあるリターンミラー24で光路を変える。25はハーフミラーで反射の比率は透過より大きくされている。ハーフミラー25の反射方向光路にはリレーレンズ26、可視域から赤外域に感度を持つ観察用のCCDカメラ27が配置されている。リターンミラー24で反射された眼底からの赤外反射光束は、ハーフミラー25でさらに反射された後、リレーレンズ26を介してCCDカメラ27に入射し、その撮像素子面上に眼底像を結像する。CCDカメラ27の出力は白黒兼用のカラーモニタ40に接続されており、モニタ40の画面上に眼底像ELが映し出される。
【0013】
<固視標呈示光学系> 固視標呈示光学系30は、固視目標となる点光源31、リレーレンズ32を備え、ハーフミラー25を介してリターンミラー24から対物レンズ19までの観察光学系3の光路を共用する。点光源31はレバー33の操作により、被検眼眼底及びCCDカメラ27の撮像面と略共役な平面内で移動可能に構成されており、検者はレバー33を操作することで、被検眼の眼底(視線方向)を所望の撮影部位へ誘導できるようになっている。
【0014】
また、ハーフミラー25を挟んで観察光学系3が持つリレーレンズ26の反対方向には反射ミラー28が設けられている。この反射ミラー28はリレーレンズ26を介してCCDカメラ27の撮像面と略共役な位置で、且つリレーレンズ32を介して固視目標の点光源31と略共役な位置に設定されている。これにより、モニタ50上には観察眼底像ELに固視標像31´が合成されて表示される。
【0015】
図2は、制御系の要部を示すブロック図である。
60は眼底カメラ全体の制御を行う制御部である。CCDカメラ24,27からの信号は制御部60に入力され、モニタ40に画像情報として表示されるようになっている。また、制御部60にはランプ10、センサ50,51、撮影スイッチ61、モータ等からなる駆動装置62,63、撮影画像データを記憶する記憶部64等が接続される。撮影スイッチ61は眼底カメラの筐体外部に設けられ、これを使用することにより、眼底画像を撮影することが可能である。駆動装置62は赤外フィルタ12に接続され、制御部60からの信号に基づいて赤外フィルタ12を照明光学系の光路中に挿脱させる。また、駆動装置63は安全シャッタ52に接続され、制御部60からの信号に基づいて安全シャッタ52を照明光学系の光路中に挿脱させるようになっている。
【0016】
以上のような構成において、その動作を説明する。
被検眼眼底の観察時はランプ10の点灯により、赤外光で照明された被検眼像は観察光学系3のCCDカメラ27に結像し、その像が制御部60を経由してモニタ50に映し出されている。検者はモニタ50の表示を観察して、被検眼に対する眼底カメラ本体の位置調整を行う。また、フォーカシングレンズ21を移動してピント合わせを行う。固視目標の点光源31を点灯すると、被検者は点光源31を固視標として視認する。これにより被検眼の視線が誘導される。
【0017】
検者は、モニタ40の眼底像ELと固視標像31´を観察しながら、レバー33を操作して点光源31を任意の位置に移動し、所望部位が観察できるようにする。撮影位置が決定したら撮影スイッチ61を押して撮影を実行する。
【0018】
撮影スイッチ61が押されると、そのトリガ信号に基づいて制御部60はメカニカルシャッタ13の開口を一旦閉じ、その後駆動手段62を駆動させて照明光学系の光路上から赤外フィルタ12を外す。センサ50により、赤外フィルタ12が光路外に外れたことを検知すると、制御部60はリターンミラー24を跳ね上げるとともに、メカニカルシャッタ13を微少時間内(本実施の形態では1/1000秒間)に開閉させる。
【0019】
メカニカルシャッタ13が微少時間内に開閉されると、ランプ10からの光束はフラッシュ光として被検眼眼底に照射される。照射されたフラッシュ光は眼底にて反射され、その反射光は撮影光学系を経てCCDカメラ27に受光される。CCDカメラ27からの信号は制御部60経てモニタ40に送られ、眼底像として表示される。また同時に画像データはデータ記憶部64に送られ、記憶される。
【0020】
メカニカルシャッタ13の開閉が終了したことをセンサ51にて検知した制御部60は、赤外フィルタ12を再び光路内に挿入する。制御部60は赤外フィルタ12が光路内へ挿入されたのをセンサ50にて検知すると、リターンミラー24を下げるとともに、メカニカルシャッタ13を開放する。メカニカルシャッタ13が開放されると、赤外光の照明光束は再び被検眼Eを照明し、観察を行うことができるようになる。
【0021】
また、連続撮影を行う場合には、撮影スイッチ61を連続して押すだけでよい。制御部60は撮影スイッチ61が押された数だけメカニカルシャッタ13を開閉させ必要数のフラッシュ光を形成する。従来の装置と異なり、ランプ10は常に点灯したままでシャッタの開閉によりフラッシュ光を形成するため、電源への充電時間がかからずストレスなく撮影を行うことが可能となる。
【0022】
また、赤外フィルタ12の挿脱やメカニカルシャッタ13の開閉動作に異常が生じた場合、その動作異常はセンサ50,51によって検知され、制御部60に伝えられる。制御部60はセンサ50,51からの検知信号により異常を検知すると、駆動手段63を用いて安全シャッタ52を照明光学系の光路内に挿入し、ランプ10から照射される可視光の光束が被検眼Eに入射するのを防ぐ。
【0023】
本実施の形態では照明光を連続光としているが、これに限るものではなく、人が連続光として検知できる程度の点滅点灯であってもよい。たとえば30Hz以上の点滅点灯の照明光ならば違和感なく眼底の観察を行うことができる。
【0024】
以上、眼底カメラを無散瞳型として構成したが、散瞳剤を使用して可視光で観察する散瞳型として構成することもできる。その場合、赤外フィルタ12の代わりに、照明光を観察用に整えるように、ランプ10からの照明光量を減衰する減衰フィルタを設ける構成とすれば良い。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、照明用の光源と撮影用の光源とを共用したため、光学系や電気的な制御系が簡略できる。また、撮影時にはシャッタにて開閉動作ことにより照明光をフラッシュ光としているため、フラッシュ光の充電時間を必要とせず、ストレスなく連続撮影を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の無散瞳眼底カメラの光学系概略図である。
【図2】眼底カメラの制御系ブロック図である。
【符号の説明】
1 照明光学系
2 撮影光学系
3 観察光学系
10 キセノンショートアークランプ
12 赤外フィルタ
13 メカニカルシャッタ
50 センサ
51 センサ
52 安全シャッタ
60 制御部
61 撮影スイッチ

Claims (1)

  1. 観察用及び撮影用に兼用する照明光源であって撮影に必要な光量を定常的に発光する照明光源を有する照明光学系と、観察用の照明光により照明された眼底を観察する観察光学系と、撮影用の照明光により照明された眼底を撮影する撮影光学系と、を有する眼底カメラにおいて、
    前記照明光学系の光路に挿脱自在に配置され照明光を観察用に整えるためのフィルタと、前記照明光学系の光路に配置され照明光の通過・遮断を行う第1シャッタと、前記照明光学系の光路への前記フィルタの挿脱と前記照明光学系の光路への前記第1シャッタの開閉とを個々に検知するための検知手段と、前記フィルタの光路への挿脱及び前記第1シャッタの開閉を駆動制御する制御手段であって,撮影時は前記照明光学系の光路を遮断するように前記第1シャッタを閉じた状態で前記フィルタを照明光路から外すための駆動制御を行った後、前記検知手段からの前記フィルタ離脱の旨の検知信号に基づいて照明光を閃光化するように前記第1シャッタの開閉を駆動制御する制御手段と、前記照明光学系の光路に挿脱可能に配置され前記第1シャッタとは異なる部材である第2シャッタと、を備え、
    前記制御手段は前記検知手段からの前記フィルタまたは前記第1シャッタの開閉動作の異常検知に基づいて前記第2シャッタを前記照明光学系の光路に挿入する動作制御を行うことを特徴とする眼底カメラ。
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