JP4884279B2 - ブリーザ装置を備える内燃機関 - Google Patents
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Description
また、ブリーザ室が回転部材により形成される場合、ブローバイガスはカム軸よりも径方向外方に位置する該回転部材の径方向外方から径方向内方に向かってブリーザ室に流入することになるため、ブリーザ室へのブローバイガスの円滑な流入は困難になる。
さらに、ブリーザ室に流入したブローバイガスは前記回転部材に連れ回りして旋回流になることから、遠心分離による気液分離(すなわちオイルの分離)を促進するために、ブリーザ室内でブローバイガスが流通する距離をカム軸の軸方向に沿って大きくしようとすると、該回転部材が軸方向で大型化して、カム軸が設けられる機関本体部分(例えば、シリンダヘッド)が軸方向で大型化する。そして、ブリーザ室での気液分離機能を高めるために、複数のブリーザ室が、カム軸の外部で、かつカム軸の軸方向に並んで設けられると、前記機関本体部分が軸方向で一層大型化する。
請求項2記載の発明は、機関弁が設けられるシリンダヘッドと、前記機関弁を開閉駆動する動弁カムが設けられる共にクランク軸の動力により回転駆動されるカム軸を備える動弁装置と、クランク軸が収容されるクランク室に連通する導入空間を通じてブローバイガスが流入するブリーザ室が設けられるブリーザ装置とを備える内燃機関において、前記カム軸には、その軸方向に沿って貫通する中空部が設けられ、前記ブリーザ室は、前記中空部により構成される上流側ブリーザ室と、前記上流側ブリーザ室からのブローバイガスが流入する下流側ブリーザ室とから構成され、前記中空部は、前記カム軸の一方の軸端部で前記導入空間に開口し、前記カム軸の他方の軸端部で前記下流側ブリーザ室に開口し、前記中空部は、複数の孔部が、前記導入空間に開口する大径の孔部から、径が小さな孔部と、さらに径の小さな孔部へと前記軸方向に順次並んで構成され、前記径が異なり隣接する孔部の段差壁面によりブローバイガスが衝突するバッフル部が構成され、前記複数の孔部のうち少なくとも一つの孔部に開口していて前記ブリーザ室内のオイルを前記カム軸の外部に排出するオイル回収孔が前記カム軸に設けられるものである。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記カム軸には、前記上流側ブリーザ室と前記下流側ブリーザ室とを連通させる筒状部材が設けられ、前記筒状部材は前記上流側ブリーザ室内に配置される底壁を有し、前記底壁はブローバイガスが衝突する下流側バッフル部を構成するものである。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の内燃機関において、前記カム軸には、前記上流側ブリーザ室と前記下流側ブリーザ室とを連通させる開口および上流部分が前記カム軸の回転中心線からオフセットした位置に設けられ、前記筒状部材は前記開口に挿嵌されているものである。
請求項5記載の発明は、請求項2記載の内燃機関において、前記複数の孔部の内、最下流孔部は、回転中心線からオフセットした小径の上流部分と、回転中心線から前記上流部分のオフセット方向に沿いさらに大きくオフセットした前記上流部分よりも大径の下流部分とよりなり、前記下流部分に筒状部材が設けられ、前記筒状部材の底壁は前記上流部分に向って対向する底壁を有し、前記上流部分から前記下流部分に向うブローバイガスが衝突するものである。
請求項6記載の発明は、デコンプ弁を開弁して燃焼室内の圧縮圧力を解放するデコンプ素子を操作するデコンプ軸を含むデコンプ装置を備える請求項1から5のいずれか1項記載の内燃機関において、前記デコンプ軸は、前記他方の軸端部で前記下流側ブリーザ室に開口する収容孔に回転可能に収容されるものである。
そして、中空部により構成される上流側ブリーザ室はカム軸内で軸方向に延びているので、カム軸の軸長を利用することにより上流側ブリーザ室内でブローバイガスが流通する距離を大きくできて、遠心分離による気液分離機能が向上すること、および上流側ブリーザ室に連通する下流側ブリーザ室でも気液分離が行われることから、カム軸の回転を利用した気液分離が行われるブリーザ装置における気液分離機能が向上する。
そのうえ、上流側ブリーザ室は中空部により構成されること、および中空部はカム軸の他方の軸端部で下流側ブリーザ室に開口するので、下流側ブリーザ室にカム軸の他方の軸端部が臨んでいることから、上流側ブリーザ室および下流側ブリーザ室を配置するためには、カム軸の軸方向で下流側ブリーザ室の分だけのスペースがあればよいので、軸方向でカム軸に加えて2つのブリーザ室が配置されるスペースを必要とするブリーザ装置に比べて、カム軸が設けられる機関本体部分を軸方向で小型化することができる。
また、中空部がカム軸の一方の軸端部で導入空間に開口するので、上流側ブリーザ室はカム軸の一方の軸端部で導入空間に開口することから、カム軸の回転中に、導入空間のブローバイガスは、ブリーザ室にカム軸よりも径方向外方から流入する場合に比べて、上流側ブリーザ室に円滑に流入するので、ブリーザ装置のブリーザ機能を向上させることができる。
請求項1記載の事項によれば、ブリーザ室となる中空部は径が異なる複数の孔部で構成されることにより、軸方向で互いに隣接する孔部の間の段差壁面によりバッフル部を構成できるので、カム軸を貫通する中空部孔内に、簡単な構造でブローバイガスに混入しているオイルを分離するためのバッフル部を設けることができて、ブリーザ室の気液分離機能を向上させることができる。
請求項3記載の事項によれば、上流側ブリーザ室内のブローバイガスを下流側ブリーザ室に導く筒状部材を利用して、バッフル部を形成できるので、カム軸に設けられる上流側ブリーザ室での気液分離機能が一層向上するうえ、バッフル部を形成する専用の部材が不要になるので、部品点数の削減に寄与する。
請求項4記載の事項によれば、筒状部材は、該筒状部材が配置される上流側ブリーザ室において、カム軸の回転中心線から径方向にオフセットしているので、大きな遠心力を利用して、さらに気液分離を促進することができる。
請求項6記載の事項によれば、デコンプ軸が収容される収容孔は下流側ブリーザ室に開口するので、該収容孔には下流側ブリーザ室内に存在するオイルが侵入する。この結果、下流側ブリーザ室内でブローバイガスから分離されたオイルを利用してデコンプ軸の潤滑性を向上させることができる。
図1を参照すると、本発明が適用された内燃機関Eは、車両としての小型車両、例えば鞍乗り型4輪車または自動2輪車に搭載される。
内燃機関Eは、水冷式の単気筒4ストローク内燃機関であり、車両の車幅方向でもある左右方向に指向する回転中心線Leを有するクランク軸5が収容されるクランク室を形成するクランクケースと、1つのシリンダ1aを有すると共に前記クランクケースの上部に結合されるシリンダブロック1と、シリンダブロック1の上部に結合されるシリンダヘッド2と、シリンダヘッド2の上部に結合されるヘッドカバー3とから構成される機関本体を備える。それゆえ、前記クランクケース、シリンダブロック1、シリンダヘッド2およびヘッドカバー3は、それぞれ該機関本体を構成する機関本体部分である。
シリンダヘッド2には、シリンダ軸線方向でピストン4に対向する燃焼室6と、該燃焼室6に開口する1対の吸気口7aを有する吸気ポート7と、燃焼室6に開口する1対の排気口8aを有する排気ポート8と、1対の吸気口7aをそれぞれ開閉する1対の機関弁としての吸気弁11と、1対の排気口8aをそれぞれ開閉する1対の機関弁としての排気弁12と、燃焼室6に臨むと共に収容筒14内に収容される点火栓13とが設けられる。
シリンダヘッド2およびヘッドカバー3により形成される動弁室9内に配置される動弁装置20は、1つのシリンダ1aに対して、クランク軸5により回転駆動されて吸気弁11および排気弁12を開閉する1つのカム軸21と、カム軸21に設けられる動弁カムとしての吸気カム22,23および動弁カムとしての排気カム24,25によりそれぞれ駆動されるいずれもカムフォロアとしてのバルブリフタ26およびロッカアーム27と、吸気弁11および排気弁12を常時閉弁方向に付勢する弁バネ28とを備える。
ブリーザ室40,50は、カム軸21に設けられて前記クランク室からのブローバイガスがチェーン室30を通じて流入する上流側ブリーザ室40と、カムホルダ32により形成されてブリーザ室40からのブローバイガスが流入する下流側ブリーザ室50とから構成される。それゆえ、カム軸21およびカムホルダ32は、ブリーザ室40,50を形成するブリーザ室形成部材である。
ここで、上流および下流とは、ブリーザ装置におけるブローバイガスの流れに関するものである。
ここで、貫通孔41(すなわちブリーザ室40)または孔部42〜44の径は、貫通孔41または孔部42〜44の流路面積と等価である。
貫通孔41において最大の径を有すると共に回転中心線Lcを中心軸線とする円孔からなる最上流孔部42は、回転中心線Lcを中心軸線とする円孔からなる中間孔部43の径よりも大きな径を有する。貫通孔41において最小の径を有する最下流孔部44は、軸方向で中間孔部43寄りで中間孔部43の径よりも小さな径を有すると共に回転中心線Lcからオフセットした中心軸線を有する円孔からなる上流部分44aと、上流部分44aよりも大径で部材60が配置される拡大部である下流部分44bとを有する。そして、開口41bは、最下流孔部44およびブリーザ室50を連通させて、ブリーザ室40とブリーザ室50とを連通させる。
それゆえ、最上流孔部42および中間孔部43は、軸方向で互いに隣接する孔部の1つの組であり、この組において、最上流孔部42は上流側の大径孔部であり、中間孔部43は軸方向で該大径孔部に隣接する下流側の小径孔部である。また、中間孔部43および最下流孔部44は、軸方向で互いに隣接する孔部の別の組であり、この組において、中間孔部43は上流側の大径孔部であり、最下流孔部44は軸方向で該大径孔部に隣接する下流側の小径孔部である。
そして、中間孔部43の中心軸線と上流部分44aの中心軸線とは径方向にオフセットしており(図1,図3参照)、オイル回収孔72は、前記オフセット方向とは反対方向であって、段差壁面45bにおいてその段差が大きくなる部分の近傍に設けられる。
ここで、各オイル回収孔71,72は、その一部が段差壁面45a,45bに開口していてもよい。
部材60は、最下流孔部44に連通する複数の円形の流入口63が設けられた周壁61と、周壁61の上流端部に設けられる底壁62とを有し、周壁61の下流端部により形成される流出口64は、ブリーザ室50に開口し、ブリーザ室40の出口になる。孔が設けられていない無孔の底壁62は、ブローバイガスが衝突する下流側バッフル部48を構成する。そして、最下流孔部44内のブローバイガスは、流入口63から部材60により形成される連通路に流入した後、流出口64からブリーザ室50内に流出する。
また、各オイル回収孔71〜75は、回転中心線Lcに垂直に設けられて、貫通孔41とカム軸21の外部とを連通する。
そして、オイル回収孔71〜75は、下ホルダ32aに設けられてブリーザ室50内で分離されたオイルを動弁室9内に流出させるオイル回収孔(図示されず)と共に、ブリーザ室40,50の気液分離機能により分離されたオイルを、遠心力を利用してブリーザ室40,50の外部に噴出させる前記オイル回収通路を構成する。また、カム軸21における周方向でのオイル回収孔71〜75の位置は適宜選択され、例えばすべてのオイル回収孔71〜75が周方向で異なる位置を占めてもよい。
ここで、デコンプ位置とは、燃焼室6内の圧縮圧力を低減すべく、デコンプカム84が圧縮行程時に排気弁12を押圧して開弁する動作、すなわちデコンプ動作が行われる位置であり、デコンプ解除位置とは、デコンプカム84がデコンプ弁としての一方の排気弁12dを開弁しない、すなわちデコンプ動作が行われない位置である。
被支持部83aの外周面には円環状のオイル溝86が径方向でオイル回収孔75に対向して設けられる。ブリーザ室40で分離されたオイルは、オイル回収孔75から、収容孔89、次いでオイル溝86に流入して、支持部21dおよびデコンプ軸83の被支持部83aを潤滑する。さらに、ブリーザ室50内に存在するオイルの一部は、開口89aから収容孔89に侵入して、支持部21dおよびデコンプ軸83の被支持部83aを潤滑する。
う。また、機関回転速度が設定回転速度を越えるとき、デコンプカム84は、デコンプウエイト81の揺動により、ベース円部25aから径方向内方に後退したデコンプ解除位置を占めて、排気ロッカアーム27に接触することがなく、したがって排気弁12dを開弁しない。
ブリーザ装置のブリーザ室40,50は、中空部である貫通孔41により構成されるブリーザ室40と、ブリーザ室40からのブローバイガスが流入するブリーザ室50とから構成され、貫通孔41は、カム軸21の一方の軸端部21aでチェーン室30の上チェーン室30aに開口し、カム軸21の他方の軸端部21bでブリーザ室50に開口することにより、ブリーザ室40はカム軸21内に形成されるので、ブリーザ装置の部品点数が削減され、かつカム軸21を軽量化することができる。
そして、貫通孔41により構成されるブリーザ室40はカム軸21内で軸方向に延びているので、カム軸21の軸長を利用することによりブリーザ室40内でブローバイガスが流通する距離を大きくできて、遠心分離による気液分離機能が向上すること、およびブリーザ室40に連通するブリーザ室50でも気液分離が行われることから、カム軸21の回転を利用した気液分離が行われるブリーザ装置における気液分離機能が向上する。
そのうえ、ブリーザ室40は貫通孔41により構成されること、および貫通孔41はカム軸21の軸端部21bでブリーザ室50に開口するので、ブリーザ室50に軸端部21が臨んでいることから、ブリーザ室40およびブリーザ室50を配置するためには、カム軸21の軸方向でブリーザ室50の分だけのスペースがあればよいので、軸方向でカム軸21に加えて2つのブリーザ室が配置されるスペースを必要とするブリーザ装置に比べて、カム軸21が設けられる機関本体部分としてのシリンダヘッドを軸方向で小型化することができる。
また、貫通孔41の開口41aが軸端部21aでチェーン室30の上チェーン室30aに軸方向に向かって開口するので、ブリーザ室40は軸端部21aで上チェーン室30aに開口することから、カム軸21の回転中に、上チェーン室30aのブローバイガスは、ブリーザ室にカム軸21よりも径方向外方から流入する場合に比べて、ブリーザ室40に円滑に流入するので、ブリーザ装置のブリーザ機能を向上させることができる。
また、複数の孔部42〜44を上流から下流に向かって小径化することにより、ブローバイガスがブリーザ室40内に滞留することなくスムーズに排出される。
また、カム軸21には、複数の孔部42〜44のうちの最下流の孔部44およびブリーザ室50を連通させる開口41bが回転中心線Lcからオフセットした位置に設けられ、部材60は開口41bに挿嵌されて最下流孔部44内に配置されていることにより、部材60は、該部材60が配置される最下流孔部44において、回転中心線Lcから径方向にオフセットしているので、大きな遠心力を利用して、さらに気液分離を促進することができる。
そして、部材60は、回転中心線Lcからオフセットしている最下流孔部44の上流部分44aの前記中心軸線に対して、該中心軸線が回転中心線Lcに対してオフセットしている方向と同じ径方向にオフセットした位置に配置されるので、回転中心線Lcからのオフセット量が一層大きくなって、気液分離を一層促進することができる。
また、カム軸21に設けられてブリーザ室40からのオイルが流入する収容孔89に摺動可能に収容されることにより、カム軸21に設けられるデコンプ軸83に、同様にカム軸21に設けられるブリーザ室40で分離されたオイルがオイル回収孔75を通じて供給されるので、オイル回収孔75を設けるという簡単な構造で、ブリーザ室40で回収されたオイルを利用してデコンプ軸83の潤滑性を向上させることができる。
バッフル部は、例えば孔の径が軸方向に一定である場合などに、カム軸21とは別個の部材であって、カム軸に設けられる貫通孔の壁面から該貫通孔内に突出してカム軸21に取り付けられる部材であってもよい。
複数の中間孔部が設けられる場合、ブローバイガスの流れに沿って径が小さくなるように配列されることが、軸方向で互いに隣接する孔部の間での段差壁面によるバッフル部が増えて、気液分離機能が向上する点で好ましいが、一連の孔部の配列において、部分的に、互いに隣接する孔部において下流側の孔部の径が上流側の孔部の径よりも大きくなっていてもよい。
前記導入空間は、チェーン室30以外に前記クランク室に連通する空間または通路であってもよい。
カムホルダは、その全体がシリンダヘッドとは別個の部材により構成されて、シリンダヘッドにボルトなどの結合手段により取り付けられてもよい。
カム軸は、クランクケースまたはシリンダブロックに設けられて、吸気弁および排気弁がプッシュロッドなどの伝達棒により開閉されてもよい。
内燃機関は、複数のシリンダを有する多気筒内燃機関であってもよい。
E…内燃機関。
Claims (6)
- 機関弁(11,12)が設けられるシリンダヘッド(2)と、前記機関弁(11,12)を開閉駆動する動弁カム(22,23)が設けられる共にクランク軸の動力により回転駆動されるカム軸(21)を備える動弁装置(20)と、前記クランク軸が収容されるクランク室に連通する導入空間(30)を通じてブローバイガスが流入するブリーザ室(40,50)が設けられるブリーザ装置とを備える内燃機関(E)において、
前記カム軸(21)には、その軸方向に沿って貫通する中空部(41)が設けられ、前記ブリーザ室(40,50)は、前記中空部(41)により構成される上流側ブリーザ室(40)と、前記上流側ブリーザ室(40)からのブローバイガスが流入する下流側ブリーザ室(50)とから構成され、前記中空部(41)は、前記カム軸(21)の一方の軸端部(41a)で前記導入空間(30)に開口し、前記カム軸(21)の他方の軸端部(41b)で前記下流側ブリーザ室(50)に開口し、
前記中空部(41)は、異なる径を有する複数の孔部(42,43,44)が前記軸方向に並んで構成され、前記軸方向で互いに隣接する前記孔部(42,43,44)における上流側の大径孔部(42,43)と下流側の小径孔部(43,44)との段差壁面によりブローバイガスが衝突するバッフル部(46,47)が構成され、前記大径孔部(42,43)に開口していて前記ブリーザ室(40)内のオイルを前記カム軸(21)の外部に排出するオイル回収孔(71,72)が前記カム軸(21)に設けられることを特徴とする内燃機関。 - 機関弁(11,12)が設けられるシリンダヘッド(2)と、前記機関弁(11,12)を開閉駆動する動弁カム(22,23)が設けられる共にクランク軸の動力により回転駆動されるカム軸(21)を備える動弁装置(20)と、クランク軸が収容されるクランク室に連通する導入空間(30)を通じてブローバイガスが流入するブリーザ室(40,50)が設けられるブリーザ装置とを備える内燃機関(E)において、
前記カム軸(21)には、その軸方向に沿って貫通する中空部(41)が設けられ、前記ブリーザ室(40,50)は、前記中空部(41)により構成される上流側ブリーザ室(40)と、前記上流側ブリーザ室(40)からのブローバイガスが流入する下流側ブリーザ室(50)とから構成され、前記中空部(41)は、前記カム軸(21)の一方の軸端部(41a)で前記導入空間(30)に開口し、前記カム軸(21)の他方の軸端部(41b)で前記下流側ブリーザ室(50)に開口し、
前記中空部(41)は、複数の孔部(42〜44)が、前記導入空間(30)に開口する大径の孔部(42)から、径が小さな孔部(43)と、さらに径の小さな孔部(44)へと前記軸方向に順次並んで構成され、前記径が異なり隣接する孔部(42〜44)の段差壁面によりブローバイガスが衝突するバッフル部(46,47)が構成され、前記複数の孔部(42〜44)のうち少なくとも一つの孔部に開口していて前記ブリーザ室(40)内のオイルを前記カム軸(21)の外部に排出するオイル回収孔(71,72,75)が前記カム軸(21)に設けられることを特徴とする内燃機関。 - 請求項1記載の内燃機関において、前記カム軸(21)には、前記上流側ブリーザ室(40)と前記下流側ブリーザ室(50)とを連通させる筒状部材(60)が設けられ、前記筒状部材(60)は前記上流側ブリーザ室(40)内に配置される底壁(48)を有し、前記底壁(48)はブローバイガスが衝突する下流側バッフル部を構成することを特徴とする内燃機関。
- 請求項3記載の内燃機関において、前記カム軸(21)には、前記上流側ブリーザ室(40)と前記下流側ブリーザ室(50)とを連通させる開口および上流部分(44a)が前記カム軸(21)の回転中心線からオフセットした位置に設けられ、前記筒状部材(60)は前記開口(41b)に挿嵌されていることを特徴とする内燃機関。
- 請求項2記載の内燃機関において、前記複数の孔部(42〜44)の内、最下流孔部(44)は、回転中心線(Lc)からオフセットした小径の上流部分(44a)と、回転中心線(Lc)から前記上流部分(44a)のオフセット方向に沿いさらに大きくオフセットした前記上流部分(44a)よりも大径の下流部分(44b)とよりなり、前記下流部分(44b)に筒状部材(60)が設けられ、前記筒状部材(60)の底壁(48)は前記上流部分(44a)に向って対向する底壁(48)を有し、前記上流部分(44a)から前記下流部分(44b)に向うブローバイガスが衝突することを特徴とする内燃機関。
- デコンプ弁を開弁して燃焼室(6)内の圧縮圧力を解放するデコンプ素子を操作するデコンプ軸(83)を含むデコンプ装置(80)を備える請求項1から5のいずれか1項記載の内燃機関(E)において、前記デコンプ軸(83)は、前記他方の軸端部(41b)で前記下流側ブリーザ室(50)に開口する収容孔(89)に回転可能に収容されることを特徴とする内燃機関。
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