JP2006226177A - ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーを備える内燃機関 - Google Patents

ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーを備える内燃機関 Download PDF

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宏幸 田中
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Abstract

【課題】ブリーザ室の充分な容量の確保を容易にしたうえで、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーの、シリンダ軸線方向での小型化、およびシリンダヘッドの、径方向での小型化を図ると共に、ブリーザ室のレイアウトの自由度を高める。
【解決手段】内燃機関において、シリンダ1aに結合されるシリンダヘッド3aと共同して動弁装置30が収容される動弁室26を形成するシリンダヘッドカバー4aには、ローバイガスが導かれる空間であるブリーザ室60が設けられる。ブリーザ室60の一部は、シリンダ軸線方向A1から見て、シリンダヘッドカバー4aのシリンダヘッド3aとのシール面11の最外周11aよりも外側に張り出した位置にある。
【選択図】図2

Description

本発明は、動弁室を形成すると共にブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーを備える内燃機関に関する。
動弁室を形成するシリンダヘッドおよび該シリンダヘッドに結合されるシリンダヘッドカバーに、ブリーザ室が設けられる内燃機関は、例えば特許文献1,2に開示されている。特許文献1に開示されたV型エンジンでは、ブリーザ室は、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとによって形成されたカム室内に形成され、シリンダ軸線方向から見て、動弁室と重なる位置にある。また、特許文献2に開示された内燃機関では、ブリーザ室は、シリンダヘッドカバーと、該シリンダヘッドカバーに結合されるカバーとにより形成され、シリンダ軸線方向から見て、動弁室に隣接するブリーザ通路と重なる位置にある。
特開平5−86830号公報(図2) 特開2004−316633号公報
ところで、特許文献1の従来技術では、ブリーザ室のほぼ全体が、シリンダ軸線方向から見てカム室(動弁室に相当)と重なる位置にあるため、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーがシリンダ軸線方向で大型化する。また、特許文献2の従来技術のように、ブリーザ室が、シリンダ軸線方向から見て動弁室とほぼ重ならない位置に設けられることにより、特許文献1の従来技術に比べてブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーがシリンダ軸線方向で小型化されるものの、シリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーがシリンダ軸線を中心とする径方向で大型化して、シリンダヘッドまたはシリンダヘッドカバーの周囲での部品のレイアウトが制約され、またシリンダヘッドに設けられる構造(ブリーザ通路)によりシリンダヘッドカバーでのブリーザ室のレイアウトが制約を受ける。
一方、ブリーザ室での気液分離機能を向上させるためには、ブリーザ室の容量は可及的に大きいことが望ましいが、シリンダ軸線方向および径方向でのシリンダヘッドカバーまたはシリンダヘッドの小型化を図ろうとすると、ブリーザ室の容量が制約される。
そして、このような難点は、ブリーザ室がシリンダヘッドカバーのシリンダヘッドとのシール面の最外周よりも内側に位置することに起因するものである。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、請求項1〜5記載の発明は、ブリーザ室の充分な容量の確保を容易にしたうえで、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーの、シリンダ軸線方向での小型化、およびシリンダヘッドの、径方向での小型化を図ると共に、ブリーザ室のレイアウトの自由度を高めることを目的とする。そして、請求項2記載の発明は、さらに、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーの、シリンダ軸線方向および径方向での小型化を図ることを目的とし、請求項3,5記載の発明は、さらに、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向および径方向で小型化しながら、ブリーザ室の容量の増加を図ることを目的とし、請求項4記載の発明は、さらに、ブリーザ室の出口を形成する管状部の、シリンダヘッドカバーにおけるレイアウトのコンパクト化と、管状部に対する導管の接続および取外しの良好な作業性の確保とを図ることを目的とし、請求項6記載の発明は、さらに、スペース効率を高め、しかもブリーザ室の容積を増加させることを目的とする。
請求項1記載の発明は、シリンダに結合されるシリンダヘッドと共同して動弁装置が収容される動弁室を形成するシリンダヘッドカバーを備え、前記シリンダヘッドカバーに、ブローバイガスが導かれる空間であるブリーザ室が設けられる内燃機関において、前記ブリーザ室の少なくとも一部は、シリンダ軸線方向から見て、前記シリンダヘッドカバーの前記シリンダヘッドとのシール面の最外周よりも外側に張り出した位置にある内燃機関である。
これによれば、シリンダヘッドカバーに設けられるブリーザ室がシール面の最外周よりも外側(すなわち該最外周よりも径方向で外方)に張り出しているので、ブリーザ室のこの張出し空間によりブリーザ室の容量を増加させることが可能になり、前記従来技術に比べて、シリンダ軸線方向および径方向のうちの少なくともシリンダ軸線方向でのブリーザ室の突出量を減少させることができる。しかも、ブリーザ室の位置がシール面の位置により制約されないことから、シリンダヘッドの構造に関わらずブリーザ室をシール面の周方向に沿った位置に設けることができるので、シリンダ軸線方向で小型化されたシリンダヘッドカバーにおいても該シリンダヘッドカバーの付近に配置される部品との干渉を回避できるスペースを利用してブリーザ室を設けることができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記ブリーザ室は、シリンダ軸線方向での位置で前記動弁装置と重なる位置にあると共に、シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置にあるものである。
これによれば、シリンダ軸線方向での位置およびシリンダ軸線方向から見て、ブリーザ室が動弁装置と重なる位置に設けられるので、シリンダヘッドカバーにおけるシリンダ軸線方向および径方向でのブリーザ室の突出量が抑制される。
請求項3記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記シリンダヘッドカバーは、前記シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置に、前記動弁装置の形状に沿って前記シリンダ軸線方向で前記シール面に近づくように傾斜する傾斜部を有し、前記傾斜部を挟んで前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁室と前記ブリーザ室とが重なるものである。
これによれば、傾斜部を室壁として、シリンダ軸線方向での位置で動弁室に重なる位置に、しかもシリンダ軸線方向から見て動弁装置と重なる位置にブリーザ室を形成することができる。さらに、傾斜部はシール面に近づくようにシリンダ軸線方向で動弁装置の形状に沿って傾斜するので、傾斜部がシール面に近い分およびシリンダ軸線方向での傾斜部と動弁装置との間隔を小さくすることができる分、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向で大型化することなく、ブリーザ室の容量を増加させることができる。
請求項4記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記ブリーザ室の出口を形成する管状部が、前記ブリーザ室の室壁から外方に突出して設けられ、前記管状部は、前記最外周よりも外側に位置すると共に前記管状部に接続される導管の接続方向とは反対方向で前記最外周から突出せず、かつ前記シリンダ軸線方向から見てシリンダヘッドカバーと重ならないものである。
これによれば、ブリーザ室の室壁からの管状部の突出量が抑制される。しかも、管状部がシリンダ軸線方向から見てシリンダヘッドカバーと重ならないので、シリンダ軸線方向で管状部の付近に、管状部に対する導管の接続および取り外しのための作業用スペースを形成することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記シリンダヘッドカバーは、前記シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置であって前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁装置と重なる位置に、前記シリンダ軸線方向で前記シール面から最も離れた頂部よりも前記シール面に近い近接部を有し、前記近接部を挟んで前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁室と前記ブリーザ室とが重なるものである。
これによれば、近接部を室壁として、シリンダ軸線方向での位置で、およびシリンダ軸線方向から見て、動弁装置と重なる位置にブリーザ室を形成することができる。さらに、近接部がシール面に近い分、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向で大型化することなく、ブリーザ室の容量を増加することができる。
請求項6記載の発明は、請求項1記載の内燃機関において、前記シリンダヘッドには燃料噴射弁が設けられたスロットルボディが結合され、前記ブリーザ室の少なくとも一部は、前記シリンダヘッドカバーの頂部よりも前記シリンダ側で、前記シリンダヘッドの周壁および前記シリンダヘッドカバーの周壁と前記スロットルボディとで形成される空間に位置すると共に、前記スロットルボディに形成される吸気通路を挟んで前記燃料噴射弁と反対側に配置されたものである。
これによれば、前記空間を利用してブリーザ室が形成されるので、シリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの付近のスペースを有効に利用できる。しかも、ブリーザ室が吸気通路を挟んで燃料噴射弁と反対側に配置されることにより、燃焼噴射弁との干渉が回避されたうえで、ブリーザ室を形成するために前記空間を充分に活用できる。
請求項1記載の発明によれば、次の効果が奏される。すなわち、ブリーザ室の張出し空間によりブリーザ室の充分な容量を確保することが容易になるうえ、シリンダ軸線方向および径方向のうち少なくともシリンダ軸線方向でのブリーザ室の突出量を減少させて、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向および径方向のうちの少なくともシリンダ軸線方向で、およびシリンダヘッドを径方向でそれぞれ小型化することができる。しかも、ブリーザ室のレイアウトの自由度が大きくなって、シリンダ軸線方向で小型化されたシリンダヘッドカバー付近のスペースを効率よく使用することができるので、ブリーザ室のコンパクトなレイアウトが可能になる。
請求項2記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、シリンダヘッドカバーにおけるブリーザ室の突出量が抑制されるので、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーが、シリンダ軸線方向および径方向で小型化される。
請求項3記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、シリンダヘッドカバーにおいて、シリンダ軸線方向から見て動弁装置と重なる位置にあると共に動弁装置の形状に沿ってシリンダ軸線方向でシール面に近づく傾斜部を利用してブリーザ室を形成することができるので、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向および径方向で小型化しながら、ブリーザ室の容量を増加させることができる。
請求項4記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、管状部の突出量が抑制されるので、ブリーザ室の出口を形成する管状部の、シリンダヘッドカバーにおけるレイアウトがコンパクト化される。しかも、管状部の付近には、導管の接続および取外しのための作業用スペースが形成されるので、管状部に対する導管の接続および取外しの良好な作業性が確保される。
請求項5記載の発明によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、シリンダヘッドカバーにおいて、シリンダ軸線方向から見て、およびシリンダ軸線方向での位置で、動弁装置と重なる位置にあると共に、シリンダ軸線方向でシール面に近い近接部を利用してブリーザ室を形成することができるので、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向および径方向で小型化しながら、ブリーザ室の容量を増加させることができる。
請求項6記載によれば、引用された請求項記載の発明の効果に加えて、次の効果が奏される。すなわち、シリンダヘッドおよびシリンダヘッドカバーの付近のスペース効率が高められ、しかも前記空間を充分に活用することができるので、ブリーザ室の容量を増加させることができる。
以下、本発明の実施形態を図1〜図5を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明が適用された内燃機関Eは、クランク軸17の回転中心線L0が左右方向を指向する横置き配置で、変速ケース6に収容された駆動プーリ7および被動プーリ8に掛け渡されたVベルト9を有するVベルト式無段変速装置Mと共にパワーユニットを構成し、該パワーユニットは車両としての自動二輪車に搭載される。
なお、実施形態において、上下、前後および左右は、それぞれ、自動二輪車を基準にしたときの上下、前後および左右を意味するものとする。
内燃機関Eは、OHC型で水冷式のV型2気筒4ストローク内燃機関であり、V字状に配列される1対のシリンダ1a,1bと、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線方向A1,A2での一端部で結合されるクランクケース2と、各シリンダ1a,1bにシリンダ軸線方向A1,A2での他端部で結合される1対のシリンダヘッド3a,3bと、各シリンダヘッド3a,3bに結合される1対のシリンダヘッドカバー4a,4bとから構成される機関本体を備える。
Vバンクを構成する第1,第2バンクB1,B2において、第1バンクB1は、前方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1を有して大きく前傾したシリンダ1aを主体として、さらにシリンダヘッド3aおよびシリンダヘッドカバー4aを備え、第2バンクB2は、後方斜め上方に僅かに傾斜したシリンダ軸線L1を有して僅かに後傾したシリンダ1bを主体として、さらにシリンダヘッド3bおよびシリンダヘッドカバー4bを備える。
各バンクB1,B2を構成する部材および該部材に設けられる部材や装置などは、基本的に同じであるので、以下では、第1バンクB1を中心に説明し、両バンクB1,B2で異なる場合はその旨を説明する。
図2を併せて参照すると、シリンダヘッド3aは、後述するカムホルダ27に1対のボルト41,42(図4参照)によりシリンダヘッドカバー4aが締結された状態で、シリンダヘッドカバー4aのシール面11に、環状のシール部材12を挟んでシリンダ軸線方向A1で対向するシール面10を有する。シール部材12に接触する両シール面10,11は、シリンダ軸線方向A1から見て、シリンダ軸線L1を中心として周方向に延びると共にほぼ同一形状の環状の面である(図3参照)。シール面11には、シール部材12が装着される環状の装着溝13が形成される。
なお、明細書において、径方向および周方向とは、シリンダ1aのシリンダ軸線L1(第2バンクB1,B2についてはシリンダ1bのシリンダ軸線L1)を中心としたときの径方向および周方向である。
シリンダ1aに往復運動可能に嵌合するピストン15は、クランクケース2に回転可能に支持されて該クランクケース2により形成されるクランク室に収容されたクランク軸17(図1参照)にコンロッド16を介して連結される。ヘッドボルト18(図3(A),図4参照)によりクランクケース2にシリンダ1aと共に締結されるシリンダヘッド3aには、燃焼室19と、燃焼室19にそれぞれ開口する吸気ポート20および排気ポート21とが形成され、燃焼室19のほぼ中心に臨む点火栓22(図1参照)が装着される。さらに、シリンダヘッド3aには、吸気ポート20の1対の吸気口および排気ポート21の1対の排気口をそれぞれ開閉するいずれも機関弁としての1対の吸気弁23および1対の排気弁24が設けられる。
図2,図3(A),図4を参照すると、弁バネ25により閉弁方向に付勢される吸気弁23および排気弁24は、クランク軸17の回転に同期して回転するカム軸31を備える動弁装置30により駆動されて、それぞれ所定のタイミングで開閉する。シリンダヘッド3aとシリンダヘッドカバー4aとの共同により形成される動弁室26に収容される動弁装置30は、シリンダヘッド3aに回転可能に支持される1つのカム軸31と、カム軸31に設けられる動弁カムとしての吸気カム32および排気カム33によりそれぞれ駆動されるカムフォロアとしての吸気ロッカアーム34および排気ロッカアーム35と、カム軸31に平行にカムホルダ27に保持されて吸気ロッカアーム34および排気ロッカアーム35をそれぞれ揺動可能に支持する1対のロッカアーム軸36,37とを、その構成要素として備える。
回転中心線L0と平行な回転中心線L2を有するカム軸31は、動弁室26内にシリンダヘッド3aに一体成形されて設けられるカムホルダ27に1対の軸受38を介して支持され、無端伝動帯としてのチェーン39を備える動弁用伝動機構を介して伝達されるクランク軸17(図1参照)の動力により回転駆動される。チェーン39は、シリンダ1aおよびシリンダヘッド3aに跨って形成された空間からなる前記動弁用伝動機構の収容室としてのチェーン室40に収容される。チェーン室40は、シリンダ軸線方向A1での両端で前記クランク室および動弁室26にそれぞれ開口することから、前記クランク室と動弁室26とを互いに連通させる通路であり、前記クランク室内のブローバイガスを動弁室26に導くブリーザ通路を兼ねる。
図3,図4,図5(A)を参照すると、シリンダヘッドカバー4aは、動弁室26内に設けられる部材としてのカムホルダ27にねじ込まれる複数のボルト、この実施形態では1対のボルト41,42によりシリンダヘッド3aに結合される。各ボルト41,42は、シリンダヘッドカバー4aの後述する天井壁66に形成された取付座43,44にそれぞれ設けられた貫通孔45,46を貫通して動弁室26内でカムホルダ27にねじ込まれる。これらボルト41,42のうちのボルト41は、排気ロッカアーム軸37を貫通していて、排気ロッカアーム軸37が軸方向に移動することおよび回動することを規制する規制部材を兼ねる。これにより、排気ロッカアーム軸37の移動を規制する専用のボルトが別個に使用される場合に比べて、シリンダ軸線方向A1でのシリンダヘッドカバー4aの高さを低くすることができる。また、他のボルト42は、シリンダ軸線方向A1から見て、カム軸31と重なる位置に配置される(図2も参照)。それゆえ、各シール面10,11には、シリンダヘッド3aとシリンダヘッドカバー4aとを結合するボルトが配置されない。
各ボルト41,42の頭部41a,42aは、動弁室26の外部で取付座43,44に配置された円環状のシール部材47を介してシリンダヘッドカバー4aを押圧する大径部41a1,42a1と、大径部41a1,42a1よりも小径の小径部41a2,42a2とを有する。小径部41a2,42a2は、貫通孔45,46を貫通して動弁室26内でカムホルダ27の外面にシリンダ軸線方向A1で当接する。
なお、動弁装置30は、オイルポンプ(図示されず)から油路を経て供給されたオイルにより潤滑され、動弁室26内の各潤滑箇所を潤滑した後のオイルは、チェーン室40を流下して前記クランク室に戻る。
図1,図2を参照すると、内燃機関Eは、さらに吸気装置および排気装置を備える。両バンクB1,B2により形成されるバンク空間Sに配置される前記吸気装置は、エアクリーナ(図示されず)と、吸気の下流側で該エアクリーナに結合されると共にスロットル弁50が装着された1対のスロットルボディ51と、吸気の上流側で各スロットルボディ51に結合されると共に下流側でシリンダヘッド3aにおいて吸気ポート20の入口が開口する接続部3a1に結合されるインシュレータ52とを備え、スロットルボディ5はインシュレータ52を介してシリンダヘッド3aに結合される。
スロットルボディ51には、吸入された空気に燃料を供給する混合気形成手段としての燃料噴射弁53が設けられる。燃料噴射弁53から吸気ポート20を指向して噴射された燃料は、前記エアクリーナ、スロットルボディ51およびインシュレータ52により形成される通路と吸気ポート20とにより構成される吸気通路Kを通る吸入空気と混合して混合気を形成して燃焼室19に流入し、燃焼室19内で点火栓22により点火されて燃焼する。そして、燃焼室19内で発生する燃焼圧力により駆動されて往復運動するピストン15が、コンロッド16を介してクランク軸17を回転駆動する。
燃焼ガスを排気ガスとして外部に排出する前記排気装置は、各バンクB1,B2を挟んでバンク空間Sとは反対側でシリンダヘッド3aの接続部3a2(シリンダヘッド3bの接続部3b2)に結合される排気管(図示されず)を備え、該排気管を通じて排気ポート21を経た排気ガスが外部に排出される。
図1,図4を参照すると、シリンダヘッドカバー4aには、排気ガス中のHCやCOを酸化して排気ガスを浄化するために排気ガス中に空気を供給する2次空気供給装置55が設けられる(図1には、シリンダヘッドカバー4bに設けられる2次空気供給装置55も示される。)。前記エアクリーナからの空気を、シリンダヘッドカバー4aに設けられた空気通路57(図3(B),図5(A)も参照)およびシリンダヘッド3aに設けられて排気ポート21に開口する空気通路58(図3(A)も参照)に導く2次空気供給装置55は、排気ポート21の圧力に応動して開閉するリード弁56を備える。
図2を参照すると、内燃機関Eには、シリンダヘッドカバー4aに設けられるブリーザ室60を通じてブローバイガスを吸気通路Kに還流させるブローバイガス還元装置が備えられる。このブローバイガス還元装置により、前記クランク室内のブローバイガスは、チェーン室40(図4参照)を通じて動弁室26に流入した後にブリーザ室60に導かれ、混入しているオイルがブリーザ室60内で分離される。次いで、オイルが分離されたブローバイガスがブリーザ室60と吸気通路Kとを連通させるホース78(図5(A)参照)により形成される還流通路を通って、スロットルボディ51に設けられた導入口61からスロットル弁50よりも下流の吸気通路Kに流入した後、混合気と共に燃焼室19に吸入される。なお、ブリーザ室60は第2バンクB2のシリンダヘッドカバー4b(図1参照)には設けられていない。
図1,図2を参照すると、ブリーザ室60は、シリンダヘッドカバー4aに一体に設けられるブリーザケース62と、ブリーザケース62にボルト64により結合されるブリーザカバー63とにより形成される空間であり、これらブリーザケース62およびブリーザカバー63によりブリーザ室60の室壁が構成される。シール面11からシリンダ軸線方向A1で反シリンダ側に離れているブリーザ室60は、ブリーザケース62により形成される第1室60aと、ブリーザカバー63により形成される第2室60bとから構成される。
ここで、反シリンダ側とは、部材などの基準対象(前述の場合、シール面11が相当)に関して、シリンダ軸線方向A1での位置で、シリンダ1aが位置するシリンダ側との対比で使用され、該シリンダ側とは反対側を意味する。
併せて図3(B),図5(A)を参照すると、シリンダヘッド3aは動弁室26の室壁である周壁3a3を構成し、シリンダヘッドカバー4aは動弁室26の室壁である周壁65および天井壁66(図3も参照)を構成する。シリンダ側にシール面11を有する一方で反シリンダ側の連結部65aで天井壁66に連なる周壁65は、径方向で動弁室26を覆うと共に、シリンダ軸線方向A1に筒状に延び、かつ周方向に全周に渡って延びる環状の壁であり、シール面10を有する周壁3a3とシリンダ軸線方向A1で対向する。シリンダ軸線方向A1で動弁室26を覆う天井壁66は、シリンダ軸線方向A1から見てカム軸31と重なる位置で回転中心線L2に沿って延びる頂部66aと、頂部66aから周壁65に向かって延びる近接部としての1対の傾斜部66b,66cとを有する。頂部66aは、天井壁66においてシリンダ軸線方向A1でシール面11から最も離れた部分であり、傾斜部66b,66cは、シリンダ軸線方向A1で頂部66aよりもシール面11に近い部分であって、この実施形態では、頂部66aから周壁65に向かうにつれて、シリンダ軸線方向A1でシール面11に次第に近づく湾曲した形状(図2参照)を有する。それゆえ、傾斜部66bを挟んでシリンダ軸線方向A1での位置で動弁室26とブリーザ室60とは重なる。
両ロッカアーム34,35において、シリンダ軸線方向A1で天井壁66に対向する部分であると共に該天井壁66に近い頂面34a,35aは、弧状の断面を有する湾曲面となっており、両傾斜部66b,66cは、それぞれ両ロッカアーム34,35の頂面34a,35aにほぼ沿って湾曲する。そして、傾斜部66b,66cと頂面34a,35aとのシリンダ軸線方向A1での間隔は、両者が干渉しない範囲で可及的に小さく設定される。
図2,図3(B),図5を参照すると、シリンダヘッドカバー4aに一体成形されるブリーザケース62は、シリンダ軸線方向A1で、周壁65の上部である上周壁部65bにおけるシール面11よりも反シリンダ側の部分65b1と、シリンダ軸線方向A1から見て吸気ロッカアーム34と重なる傾斜部66bにおける部分66b1との間から、上方に向かって第1バンクB1のスロットルボディ51およびインシュレータ52に近づくように突出することで、シリンダ軸線方向A1から見て両シール面10,11から径方向外方に突出する。このため、図2に示されるように、ブリーザケース62は、スロットルボディ51に可及的に近づくようにバンク空間Sに庇状に張り出していることにより、ブリーザ室60の少なくとも一部が、シリンダヘッドカバー4aの頂部66aよりもシリンダ側で、シリンダヘッド3aの周壁3a3およびシリンダヘッドカバー4aの周壁65とスロットルボディ51とで形成される空間Saに位置すると共に、スロットルボディ51に形成される吸気通路Kを挟んで燃料噴射弁53と反対側に配置される。そして、ブリーザ室60の、シリンダ軸線方向A1でのシール面11寄りの室壁W1は、部分65b1から上方(または径方向外方)に突出するブリーザケース62の張出し壁62eと、上周壁部65bの連結部65aを含む部分65eと、傾斜部66bとにより構成される。
シール部材67(図2参照)との接触によりブリーザケース62とブリーザカバー63との結合部を気密に保つブリーザケース62のシール面70およびブリーザカバー63のシール面71は、シリンダ軸線L1に直交する平面である第1仮想面P1上にあり、動弁室26全体と、第1仮想面P1と同一平面上にある取付座44の頂面44a(図4も参照)を含めた場合の天井壁66全体と、シリンダヘッドカバー4a全体とは、第1仮想面P1に対してシリンダ側にある。そして、取付座44の頂面44aがシリンダヘッドカバー4aのシール面70と同一平面上にあることにより、両面70,44aを同時に加工することができるので、加工工数が削減される。また、シール面71には、環状のシール部材67が装着される装着溝68が形成される。
また、図2を参照すると、シリンダ軸線方向A1での位置で、第1室60a、傾斜部66b,66cおよび連結部65aは、両ロッカアーム34,35および動弁室26と重なる位置にあり、しかもシリンダ軸線L1に直交すると共にシール面11の平面部分が含まれる平面である第2仮想面P2と、該第2仮想面P2に対して反シリンダ側にある第1仮想面P1との間にある。なお、C1は、傾斜部66b,66cおよび連結部65aを含む第1室60aと、両ロッカアーム34,35との重なる範囲を示し、C2は、傾斜部66b,66cおよび連結部65aを含む第1室60aと、動弁室26との重なる範囲を示す。
図2,図3,図5を参照すると、ブリーザ室60は、シリンダ軸線方向A1から見て、シール面11の最外周11aを含んで最外周11aよりも内側(すなわち、最外周11aを含んで該最外周11aよりも径方向内方)に位置して、シール面11および動弁室26と重なる部分である重なり空間60c(図2,図5(A)においてC3の範囲が重なり空間60c)と、シール面11の最外周11aよりも外側(すなわち、最外周11aよりも径方向外方)に位置して、換言すれば最外周11aから張り出して位置して、シール面11および動弁室26と重ならない部分である張出し空間60d(図2,図5(A)においてC4の範囲が張出し空間60d)とに二分される。そして、この実施形態では、重なり空間60cは、シリンダ軸線方向A1から見て、シール面10の最外周10aを含んで最外周10aよりも内側に位置して、シール面10および動弁室26と重なる部分であり、ブリーザ室60の一部である張出し空間60dは、シール面10の最外周10aよりも外側に位置して、換言すれば最外周10aから張り出して位置して、シール面10および動弁室26と重ならない部分である。このため、シリンダ軸線方向A1から見て、各シール面70,71の一部は各シール面10,11に対して径方向外方にオフセットしており、この結果、シリンダ軸線方向A1から見て、両シール面10,11はブリーザ室60と重なる位置にある。
そして、重なり空間60cは、シリンダ軸線方向A1から見て、吸気弁23寄りの部分で吸気ロッカアーム34と重なる。また、重なり空間60cは、動弁室26の室壁である周壁65および傾斜壁66bにより構成されるために動弁室26の熱が伝達されやすい室壁により構成され、張出し壁62eおよびブリーザカバー63が外気に曝されていることにより外気に放熱しやすい室壁により形成される張出し空間60dに比べて温度が高い空間になる。そして、重なり空間60cによりブリーザ室60の下部空間が構成され、ブリーザ室60において重なり空間60cよりも低温の空間である張出し空間60dによりブリーザ室60の上部空間が構成される。
また、ブリーザ室60には、流入したブローバイガスが衝突する複数の板状の邪魔部材72,73が設けられて形成される迷路状の気液分離室60eと、気液分離室60eでブローバイガスから分離されたオイルが集合するオイル集合室60fとが形成される。ブリーザケース62およびブリーザカバー63にそれぞれ一体成形された邪魔部材72,73の全体の大部分は、重なり空間60cに比べて低温の空間である張出し空間60dに配置されて、気液分離室60eの大部分は張出し空間60dに形成される。また、オイル集合室60fは重なり空間60cに形成される。これにより、重なり空間60cでは、比較的高温であることから、オイルに混入しているブローバイガスの分離が促進され、張出し空間60dでは、比較的低温であることからブローバイガスに混入したオイルの分離が促進される。
そして、重なり空間60cには、シリンダヘッドカバー4aに形成されて動弁室26からのオイルが混入したブローバイガスが流入する入口74(図5(A)参照)が開口し、オイル集合室60fには、シリンダヘッドカバー4aに形成されてブローバイガスから分離されたオイルが動弁室26に流出するオイル戻り口75が開口する。一方、張出し空間60dには、気液分離室60eでオイルが分離されたブローバイガスがブリーザ室60から流出する出口76(図1も参照)が開口する。
出口76は、ブリーザカバー63に比べて剛性が高いブリーザケース62において、張出し空間60dを形成する室壁である張出し壁62kに一体に設けられた管状部材である管継手77により形成される。直管状の管継手77はブリーザケース62に圧入されたうえで、接着剤により気密にされた状態で固定される。ブリーザケース62から外部に突出して設けられる管継手77において、張出し壁62kから回転中心線L0(図1参照)の方向(この実施形態では左右方向でもある。)に延びて外部に突出している管状部としての突出部77aは、図3(B),図5(A)に示されるように、シリンダ軸線方向A1から見て最外周10a,11aよりも外側(または径方向で外方)に位置すると共に、管継手77に接続される導管であるホース78の接続方向とは反対方向A3(図5(A)参照)で、最外周10a,11aから突出せず(図5(A)には、反対方向A3での最外周10a,11aの位置が一点鎖線で示されている。)、しかも反対方向A3(または前記接続方向)と直交する方向の一方である張出し方向A4においてもブリーザ室60またはブリーザケース62およびブリーザカバー63から突出しないように、ブリーザ室60の室壁であるブリーザケース62に形成された凹部62mに設けられる。
さらに、突出部77aは、シリンダ軸線方向A1から見て、シリンダヘッドカバー4a、ブリーザケース62およびブリーザカバー63と重なることがない位置にある。それゆえ、突出部77aに対してシリンダ側および反シリンダ側には、突出部77aに対するホース78の接続おより取外しのための作業用のスペースが形成される。
次に、前述のように構成された実施形態の作用および効果について説明する。
シリンダヘッドカバー4aに設けられるブリーザ室60の一部である張出し空間60dは、シリンダ軸線方向A1から見て、シリンダヘッドカバー4aのシリンダヘッド3aとのシール面10の最外周11aよりも外側に張り出した位置にあることにより、ブリーザ室60がシール面11の最外周11aよりも外側(すなわち該最外周11aよりも径方向で外方)に張り出しているので、この張出し空間60dによりブリーザ室60の容量を増加させることが可能になり、前記従来技術に比べて、シリンダ軸線方向A1および径方向でのブリーザ室60の突出量を減少させることができるので、ブリーザ室60の張出し空間60dによりブリーザ室60の充分な容量を確保することが容易になるうえ、シリンダ軸線方向A1および径方向でのブリーザ室60の突出量を減少させて、ブリーザ室60が設けられたシリンダヘッドカバー4aをシリンダ軸線方向A1および径方向で、さらにシリンダヘッド3aを径方向でそれぞれ小型化することができる。しかも、ブリーザ室60の位置がシール面11の位置により制約されないことから、シリンダヘッド3aの構造に関わらずブリーザ室60をシール面11の周方向に沿った位置に設けることができるので、シリンダヘッドカバー4aの付近に配置される部品との干渉を回避できるスペースを利用してブリーザ室60を設けることができるので、ブリーザ室60のレイアウトの自由度が大きくなって、シリンダヘッドカバー4a付近のスペースを効率よく使用することができ、ブリーザ室60のコンパクトなレイアウトが可能になる。
シリンダヘッドカバー4aは、動弁室26内のカムホルダ27にねじ込まれるボルト41,42によりシリンダヘッド3aに結合されることにより、各シール面10,11には、シリンダヘッド3aとシリンダヘッドカバー4aとを結合するボルトが配置されないので、ボルト41,42の位置が、シール面10,11の最外周10a,11aから張り出すブリーザ室60の形成位置を制約することがないので、この点でも、ブリーザ室60のレイアウトの自由度が大きくなり、またシール面10,11にボルトが挿入されるボス部がない分、シリンダヘッド3aおよびシリンダヘッドカバー4aが径方向で小型化される。
ブリーザ室60は、シリンダ軸線方向A1での位置で動弁装置30の両ロッカアーム34,35と重なる位置にあると共に、シリンダ軸線方向A1から見て吸気ロッカアーム34と重なる位置にあることにより、シリンダヘッドカバー4aにおけるシリンダ軸線方向A1および径方向でのブリーザ室60の突出量が抑制されるので、ブリーザ室60が設けられたシリンダヘッドカバー4aが、シリンダ軸線方向A1および径方向で小型化される。
シリンダヘッドカバー4aは、シリンダ軸線方向A1から見て吸気ロッカアーム34と重なる位置に、かつシリンダ軸線方向A1での位置で吸気ロッカアーム34および動弁室26と重なる位置に、シリンダ軸線方向A1でシール面11から最も離れた頂部66aよりもシール面11に近いと共に吸気ロッカアーム34の頂面34aの形状に沿ってシール面11に近づくように傾斜する傾斜部66bを有し、傾斜部66bを挟んでシリンダ軸線方向A1での位置で動弁室26とブリーザ室60とが重なる。これにより、傾斜部66bを室壁として、シリンダ軸線方向A1での位置で吸気ロッカアーム34および動弁室26に重なる位置に、しかもシリンダ軸線方向A1から見て吸気ロッカアーム34と重なる位置に、ブリーザ室60を形成することができる。さらに、傾斜部66bは、シール面11に近づくようにシリンダ軸線方向A1で吸気ロッカアーム34の頂面34aの形状に沿って傾斜するので、傾斜部66bがシール面11に近い分およびシリンダ軸線方向A1での傾斜部66bと吸気ロッカアーム34との間隔を小さくすることができる分、ブリーザ室60が設けられたシリンダヘッドカバー4aをシリンダ軸線方向A1で大型化することなく、重なり空間60cの容量、ひいてはブリーザ室60の容量を増加することができる。この結果、傾斜部66bにより、ブリーザ室60が設けられたシリンダヘッドカバー4aをシリンダ軸線方向A1および径方向で小型化しながら、ブリーザ室60の容量を増加させることができる。
ブリーザ室60が、シリンダヘッドカバー4aの頂部66aよりもシリンダ側で、シリンダヘッド3aの周壁3a3およびシリンダヘッドカバー4aの周壁65とスロットルボディ51とで形成される空間Saに位置することにより、空間Saを利用してブリーザ室60が形成されるため、シリンダヘッド3aおよびシリンダヘッドカバー4aの付近のスペースを有効に利用できるので、シリンダヘッド3aおよびシリンダヘッドカバー4aの付近のスペース効率が高められる。しかも、ブリーザ室60がスロットルボディ51に形成される吸気通路Kを挟んで燃料噴射弁53と反対側に配置されることにより、燃焼噴射弁53との干渉が回避されたうえで、ブリーザ室60を形成するために空間Saを充分に活用できるので、ブリーザ室60の容量を増加させることができる。
ブリーザ室60の出口76を形成する管継手77の突出部77aが、ブリーザ室60の張出し壁62kから外方に突出して設けられ、該突出部77aは、最外周10a,11aよりも外側に位置すると共に突出部77aに接続されるホース78の接続方向とは反対方向A3で最外周10a,11aから突出せず、かつシリンダ軸線方向から見てシリンダヘッドカバー4aと重ならない凹部62mに設けられる。これにより、ブリーザ室60の室壁である張出し壁62kからの突出部77aの突出量が抑制されるので、ブリーザ室60の出口76を形成する管継手77の、シリンダヘッドカバー4aにおけるレイアウトがコンパクト化される。しかも、突出部77aがシリンダ軸線方向A1から見てシリンダヘッドカバー4aと重ならないので、シリンダ軸線方向A1で突出部77aの付近に、突出部77aに対するホース78の接続および取外しのための作業用スペースが形成されるので、管継手77へのホース78の接続および取外しの良好な作業性が確保される。
管継手77が取り付けられるブリーザケース62は、シリンダヘッドカバー4aと一体に設けられることから、ブリーザカバー63に比べて剛性が高い部分であるので、管継手77が強固にブリーザケース62に固定される。
以下、前述した実施形態の一部の構成を変更した実施形態について、変更した構成に関して説明する。
ブリーザ室60の全体が、シリンダヘッドカバー4aまたはシリンダヘッド3aのシール面10,11の最外周10a,11aから外側に張り出した位置にあってもよく、この場合にも、ブリーザ室が設けられたシリンダヘッドカバーをシリンダ軸線方向で、およびシリンダヘッドを径方向でそれぞれ小型化することができる。
前記近接部は、湾曲する形状、または傾斜する形状以外の形状であってもよく、例えば凹部であってもよい。
内燃機関は、各バンクが複数のシリンダを備えるV型内燃機関であってもよく、またV型以外の多気筒内燃機関または単気筒内燃機関であってもよい。複数のシリンダが直列に配列される場合、シリンダ軸線は、任意の1つのシリンダのシリンダ軸線を意味する。
本発明の実施形態を示し、本発明が適用された内燃機関により構成されるパワーユニットの右側面図である。 図1の内燃機関の要部断面図であり、ブリーザ室については図5のII−II線断面図である。 (A)は、シリンダヘッドカバーを外したときの図2のIIIA矢視図であり、(B)は、シリンダヘッドカバーにおける図2のIIIB−IIIB矢視図である。 シリンダヘッドにシリンダヘッドカバーが結合された状態での図3のIV−IV線断面図である。 (A)は、シリンダヘッドカバーにおける図2のVA矢視図であり、(B)は、ブリーザカバーにおける図2のVB−VB矢視図である。
符号の説明
1a,1b…シリンダ、3a,3b…シリンダヘッド、4a,4b…シリンダヘッドカバー、10,11…シール面、26…動弁室、30…動弁装置、34,35…ロッカアーム、60…ブリーザ室、62…ブリーザケース、63…ブリーザカバー、66b,66c…傾斜部、70,71…シール面、E…内燃機関、L1…シリンダ軸線、A1,A2…シリンダ軸線方向。

Claims (6)

  1. シリンダに結合されるシリンダヘッドと共同して動弁装置が収容される動弁室を形成するシリンダヘッドカバーを備え、前記シリンダヘッドカバーに、ブローバイガスが導かれる空間であるブリーザ室が設けられる内燃機関において、
    前記ブリーザ室の少なくとも一部は、シリンダ軸線方向から見て、前記シリンダヘッドカバーの前記シリンダヘッドとのシール面の最外周よりも外側に張り出した位置にあることを特徴とする内燃機関。
  2. 前記ブリーザ室は、前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁装置と重なる位置にあると共に、前記シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置にあることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  3. 前記シリンダヘッドカバーは、前記シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置に、前記動弁装置の形状に沿って前記シリンダ軸線方向で前記シール面に近づくように傾斜する傾斜部を有し、前記傾斜部を挟んで前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁室と前記ブリーザ室とが重なることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  4. 前記ブリーザ室の出口を形成する管状部が、前記ブリーザ室の室壁から外方に突出して設けられ、前記管状部は、前記最外周よりも外側に位置すると共に前記管状部に接続される導管の接続方向とは反対方向で前記最外周から突出せず、かつ前記シリンダ軸線方向から見てシリンダヘッドカバーと重ならないことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  5. 前記シリンダヘッドカバーは、前記シリンダ軸線方向から見て前記動弁装置と重なる位置であって前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁装置と重なる位置に、前記シリンダ軸線方向で前記シール面から最も離れた頂部よりも前記シール面に近い近接部を有し、前記近接部を挟んで前記シリンダ軸線方向での位置で前記動弁室と前記ブリーザ室とが重なることを特徴とする請求項1記載の内燃機関。
  6. 前記シリンダヘッドには燃料噴射弁が設けられたスロットルボディが結合され、前記ブリーザ室の少なくとも一部は、前記シリンダヘッドカバーの頂部よりも前記シリンダ側で、前記シリンダヘッドの周壁および前記シリンダヘッドカバーの周壁と前記スロットルボディとで形成される空間に位置すると共に、前記スロットルボディに形成される吸気通路を挟んで前記燃料噴射弁と反対側に配置されたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関。


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