JP2002303110A - エンジンのデコンプ装置 - Google Patents
エンジンのデコンプ装置Info
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Abstract
ったときに、このカム軸内に挿入するデコンプ装置の加
工精度を高め作動の精度および信頼性を高めたエンジン
のデコンプ装置を提供する。 【解決手段】 4サイクルエンジンのデコンプ装置にお
いて、デコンプシャフト5は、軸方向において複数のシ
ャフト片5a,5bに分断され、前記各シャフト片5
a,5bは、カム軸1の中空部12内に軸方向に連続し
て同軸に並設され、複数のアクチュエータ部13のう
ち、隣り合うアクチュエータ部13間にデコンプシャフ
ト5の分断部14を位置付け、カム軸1の中空部12内
に設けられた軸受部7,8,9によって前記各シャフト
片5a,5bの少なくとも両端部を軸支した。
Description
装置に関する。
めにデコンプ装置が用いられている。このデコンプ装置
は、エンジン始動時に、吸気または排気バルブを強制的
に開いてシリンダ内の圧縮力を低下させることによりク
ランキング力を弱めて始動性を高める。
ジンにおいて、中空のカム軸内に1本の連続したデコン
プシャフトを進退自在に挿入配置し、カム軸に略直交す
る方向に穿設されたピン孔にデコンプピンを進退自在に
挿入する。このデコンプピンをデコンプシャフトの外周
に設けたアクチュエータ部に当接させる。デコンプシャ
フトを進退させることにより、アクチュエータ部を動作
させてこれに当接しているデコンプピンをピン孔に対し
て没入・突出させるようにしている。
来のデコンプ装置を3気筒以上の多気筒エンジンに採用
しようとする場合、デコンプシャフトが長くなるととも
に、このデコンプシャフトが挿入されるカム軸が長くな
る。
びカム軸の中空孔部を精度よく加工することが困難にな
る。例えば、デコンプシャフトの両端部を支持してその
中間部にアクチュエータ部を切削加工するとき、シャフ
トが長いと中間部が撓みやすくなり加工精度が高められ
ない。また、カム軸の中空孔加工は、入口から奥に行く
ほど加工がしにくく、カム軸が長くなると加工がさらに
しにくくなる。このため、精度の高いデコンプ装置が得
にくくデコンプ装置の信頼性を高めることが難しかっ
た。
って、並列多気筒エンジンにおいてカム軸が長くなった
ときに、このカム軸内に挿入するデコンプ装置の加工精
度を高め作動の精度および信頼性を高めたエンジンのデ
コンプ装置の提供を目的とする。
め、本発明では、カム軸の中空部内にデコンプシャフト
を進退自在に挿入配置し、前記カム軸に対して交差する
方向に複数のピン孔を該カム軸に穿設し、前記各ピン孔
に進退自在にデコンプピンをそれぞれ挿入し、前記デコ
ンプシャフト外周の前記デコンプピンに対応する部位に
アクチュエータ部をそれぞれ形成し、前記アクチュエー
タ部に前記デコンプピンを当接させ、前記デコンプシャ
フトを進退または回動の少なくとも何れか一方の往復動
作を駆動手段によって行わせて前記デコンプピンを前記
ピン孔に対して突出・没入させるようにした4サイクル
エンジンのデコンプ装置において、前記デコンプシャフ
トは、軸方向において複数のシャフト片に分断され、前
記各シャフト片は、カム軸の中空部内に軸方向に連続し
て同軸に並設され、前記複数のアクチュエータ部のう
ち、隣り合うアクチュエータ部間にデコンプシャフトの
分断部を位置付け、前記カム軸の中空部内に設けられた
軸受部によって前記各シャフト片の少なくとも両端部が
軸支されたことを特徴とするエンジンのデコンプ装置を
提供する。
数のシャフト片に分断したので、各シャフト片の長さが
短くなり、各シャフト片を精度よく加工できる。
に個別に軸支され、中空孔内での軸支精度は、各シャフ
ト片ごとにそれぞれ個別に他のシャフト片とは無関係に
具備すればよい。したがって、カム軸の軸方向に短いス
パンで軸支精度を具備すれば足り、デコンプシャフト全
体として軸支精度が出しやすくなる。
め、カム軸中空孔内の各軸受部の内径と各シャフト片と
の間の隙間を可及的に少なくできるので、シャフト片の
がたつきをなくしてデコンプの作動精度や耐久性を向上
できる。
片のうち、1つのシャフト片を前記駆動手段により駆動
し、前記1つのシャフト片への駆動力は、その隣に順次
配設された他のシャフト片へと順次伝達されることを特
徴としている。
数のシャフト片に分断したにも拘らず、駆動構造が単純
化される。
ャフト片のうち、カム軸の軸方向の最も外側にある1つ
のシャフト片をカム軸の中空部から突出させ、該突出端
部を前記駆動手段により駆動し、前記複数のシャフト片
を、隣り合うシャフト片の端部同士を連動するように連
結したことを特徴としている。
動手段との連結構造が単純化される。また、駆動手段と
連結されたシャフト片だけでなく、他のシャフト片へ
も、駆動手段からの往復駆動力を一方の側から簡単な構
造で伝達することができる。
複数設け、前記カム軸の軸方向中心部に近い部位にある
軸受部をカム軸自体の中空部内壁で形成し、前記軸受部
より軸方向外側にある他の軸受部を、カム軸とは別個の
軸受部材を該カム軸の中空部内に嵌合させて構成したこ
とを特徴としている。
を、軸方向中心部より外側の方が孔径を大きく加工でき
るので、カム軸の中空部を切削加工により容易に精度よ
く形成できる。
の形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係
るデコンプ装置を示し、(A)はデコンプ非動作時、
(B)はデコンプ動作時を示す。この実施形態は、例え
ば吸気3バルブ・排気2バルブの5バルブ4サイクル並
列4気筒エンジンの排気カム軸に装着した例を示す。
気筒に対応して2個ずつ合計8個の排気カム2が形成さ
れる。各排気カム2に摺接して排気バルブ3のスプリン
グリテーナ4が配設される(図では1個だけ示す)。こ
の排気カム軸1の軸芯に沿った中空孔12内部にデコン
プシャフト5が挿入される。このデコンプシャフト5
は、それぞれ別個に作製された第1シャフト片5aと第
2シャフト片5bとをピン6で連結したものである。こ
のピン6による両シャフト片5a,5bの連結部14
は、排気カム軸1のほぼ中央部に位置する。
ら孔開け加工され、中央部の内径が小さく、その両外側
の内径が大きい。デコンプシャフト5のピン6による連
結部14は、この中央部の中空孔12の内壁自体で直接
支持される。したがって、この排気カム軸1の中空孔1
2の内壁自体が第1シャフト片5aおよび第2シャフト
片5bの各端部に対する軸受部7(斜線部)となる。第
1シャフト片5aの他端部(図の左端部)は排気カム軸
1の端部に圧入された軸受カラー8により支持される。
第2シャフト片5bの他端部(図の右端部)は排気カム
軸1の端部に圧入された軸受カラー9により支持され
る。
る2つの排気カムのうち一方の排気カム2の位置に、軸
芯に直交する方向にデコンプ孔10が形成され内部にデ
コンプピン11が嵌入する。デコンプピン11は常に排
気カム軸1の中空孔12内に突出するようにピン周囲の
コイルスプリング(不図示)により付勢されている。デ
コンプシャフト5には、各デコンプピン11に対応する
位置に、湾曲した断面形状の環状のカム溝15が形成さ
れる。このカム溝15がデコンプピン11を駆動するた
めのアクチュエータ部13を構成する。すなわち、アク
チュエータ部13は、デコンプシャフト5が軸方向に摺
動することにより、デコンプピン11を押上げ(カム溝
15がデコンプ孔10から外れたとき)および引込めて
(カム溝15がデコンプ孔10と一致したとき)、デコ
ンプピン11を排気カム軸1の外周面に突出・没入させ
る。(A)はデコンプピン11が没入した通常運転状態
を示し、(B)は駆動手段16によりデコンプシャフト
5を図の右方向にスライドさせてデコンプピン11を排
気カム軸1の外周面より突出させた状態を示す。
では第1シャフト片5aの外側端部(図の左端部))は
排気カム軸1の中空孔12から外部に突出する。この突
出した部分のデコンプシャフト5は、小径シャフト17
で構成される。この小径シャフト17と、排気カム軸1
の中空孔12内に保持される大径部分のデコンプシャフ
ト5との間にテーパ部18が形成される。このような小
径シャフト17およびテーパ部18を設けることによ
り、組立て時にデコンプシャフト5をカム軸1内に挿入
する際、小径シャフト17側から挿入すれば、中空孔1
2内に突出するデコンプピン11を小径シャフト17お
よびテーパ部18で順次コイルスプリングに抗して押し
広げながら円滑に挿入することができる。
7の端部に、デコンプシャフト5を往復摺動動作させる
ための駆動手段16が備わる。この駆動手段16は、小
径シャフト17の端部にネジ19で固定された平板状の
座金20と、この座金20を挟持するクランプ21と、
このクランプ21を回動させるワイヤおよびスプリング
等(図2〜図5参照)により構成される。座金20をネ
ジ19で固定する際、デコンプシャフト5の回転を防止
するため、デコンプシャフト5の反対側の端部にスパナ
等の工具を掛けて固定保持するための平行平面からなる
回り止め22が形成される。
る。並列4気筒に対応して4個の吸気管23および4個
の排気管24がシリンダヘッド25並べて設けられる。
吸気側には吸気カム軸27が装着され、各気筒に対し3
個ずつの吸気カム26が設けられる。排気側には前述の
ように、排気カム軸1が装着され、各気筒に対し2個ず
つの排気カム2が設けられている。排気カム軸1の中空
孔内に挿入したデコンプシャフト5の端部に、前述のよ
うに、駆動手段16が設けられる。駆動手段16は、ネ
ジ19によりシャフト端部に固定された座金20と、こ
の座金20を挟持するクランプ21を有し、クランプ2
1にワイヤ28が接続される。ワイヤ28は、例えば運
転席のハンドル近傍に設けたデコンプ駆動用のレバーに
連結され、始動時に操作される。あるいは、スタータモ
ータ駆動用のキー動作等に連動させて、始動時にスター
タモータが駆動されるとこれに連動して自動的にデコン
プ装置を作動させるように構成してもよい。
A部、B−B部およびC−C部の構成図である。デコン
プ装置の駆動手段16を構成するワイヤ28は、ブラケ
ット30に接続される。ブラケット30は軸部材31に
固定され、その軸芯31c廻りに回転可能である。軸部
材31にクランプ21が固定される。ワイヤ28が引か
れると、ブラケット30を介して軸部材31が回転し、
クランプ21を回転させて座金20を介してデコンプシ
ャフト5aをカム軸内に押込む。
作説明図である。エンジン始動後の通常運転時には、
(A)に示すように、排気カム軸1に装着したデコンプ
ピン11がデコンプシャフト5のアクチュエータ部14
の環状カム溝15と整合してデコンプピン11がカム溝
15内に入込んだ状態である。したがって、デコンプピ
ン11は、排気カム軸1の外周面から引込んだ状態とな
る。この状態はスプリング(不図示)により保持され
る。
図4、図5)が引かれ、クランプ21が軸部材31廻り
に回転して、(B)に示すように、デコンプシャフト5
を排気カム軸1の中空孔12内に押込む。これにより、
環状カム溝15がデコンプピン11の位置から外れてデ
コンプピン11が押上げられ、排気カム軸1の外周面に
突出する。
ト5を構成する第1シャフト片5aと第2シャフト片5
bとをピン6を用いて連結したが、キーやセレーション
あるいはフックその他適当な結合手段を用いてもよい。
また単に端部同士を突き合せて接触させるだけの構成と
して、デコンプ動作時に、駆動手段により第1シャフト
片5aおよび第2シャフト片5bをカム軸中空孔内に押
圧してもよい。この場合には復帰用のスプリングが必要
になる。
5を軸方向に往復動作させる構成に限らず、デコンプシ
ャフト5をその軸廻りに回転させることによりデコンプ
ピンを突出させるようにカムを形成してもよい。
ンプシャフトを複数のシャフト片に分断したので、各シ
ャフト片の長さが短くなり、各シャフト片を精度よく加
工できる。
に個別に軸支され、中空孔内での軸支精度は、各シャフ
ト片ごとにそれぞれ個別に他のシャフト片とは無関係に
具備すればよい。したがって、カム軸の軸方向に短いス
パンで軸支精度を具備すれば足り、デコンプシャフト全
体として軸支精度が出しやすくなる。
め、カム軸中空孔内の各軸受部の内径と各シャフト片と
の間の隙間を可及的に少なくできるので、シャフト片の
がたつきをなくしてデコンプの作動精度や耐久性を向上
できる。
リンダヘッドの平面図。
スプリングリテーナ、5:デコンプシャフト、5a:第
1シャフト片、5b:第2シャフト片、6:ピン、7:
軸受部、8,9:軸受けカラー、10:デコンプ孔、1
1:デコンプピン、12:中空孔、13:アクチュエー
タ部、14:連結部、15:カム溝、16:駆動手段、
17:小径シャフト、18:テーパ部、19:ネジ、2
0:座金、21:クランプ、22:回り止め、23:吸
気管、24:排気管、25:シリンダヘッド、26:吸
気カム、27:吸気カム軸、28:ワイヤ、29:スプ
リング、30:ブラケット、31:軸部材、31c:軸
芯。
Claims (4)
- 【請求項1】カム軸の中空部内にデコンプシャフトを進
退自在に挿入配置し、 前記カム軸に対して交差する方向に複数のピン孔を該カ
ム軸に穿設し、 前記各ピン孔に進退自在にデコンプピンをそれぞれ挿入
し、 前記デコンプシャフト外周の前記デコンプピンに対応す
る部位にアクチュエータ部をそれぞれ形成し、 前記アクチュエータ部に前記デコンプピンを当接させ、
前記デコンプシャフトを進退または回動の少なくとも何
れか一方の往復動作を駆動手段によって行わせて前記デ
コンプピンを前記ピン孔に対して突出・没入させるよう
にした4サイクルエンジンのデコンプ装置において、 前記デコンプシャフトは、軸方向において複数のシャフ
ト片に分断され、 前記各シャフト片は、カム軸の中空部内に軸方向に連続
して同軸に並設され、 前記複数のアクチュエータ部のうち、隣り合うアクチュ
エータ部間にデコンプシャフトの分断部を位置付け、 前記カム軸の中空部内に設けられた軸受部によって前記
各シャフト片の少なくとも両端部が軸支されたことを特
徴とするエンジンのデコンプ装置。 - 【請求項2】前記複数のシャフト片のうち、1つのシャ
フト片を前記駆動手段により駆動し、 前記1つのシャフト片への駆動力は、その隣に順次配設
された他のシャフト片へと順次伝達されることを特徴と
する請求項1に記載のエンジンのデコンプ装置。 - 【請求項3】前記複数のシャフト片のうち、カム軸の軸
方向の最も外側にある1つのシャフト片をカム軸の中空
部から突出させ、該突出端部を前記駆動手段により駆動
し、 前記複数のシャフト片を、隣り合うシャフト片の端部同
士を連動するように連結したことを特徴とする請求項1
に記載のエンジンのデコンプ装置。 - 【請求項4】前記軸受部を複数設け、 前記カム軸の軸方向中心部に近い部位にある軸受部をカ
ム軸自体の中空部内壁で形成し、 前記軸受部より軸方向外側にある他の軸受部を、カム軸
とは別個の軸受部材を該カム軸の中空部内に嵌合させて
構成したことを特徴とする請求項1、2または3に記載
のエンジンのデコンプ装置。
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