JP4883800B2 - 空圧式起伏ゲート - Google Patents

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Description

この発明は、水路の底部に設けた回転中心によって扉体が自在に起立または倒伏を行なうことにより、水路の流水を堰上げ、または放流する目的で使用される起伏ゲートの一種であり、鋼板製の扉体の下流側根元部に枕状に位置する空気袋に陸上の空気操作装置から空気管を接続して圧縮空気を送入すれば、空気袋が膨張して扉体を起立させ、逆に空気袋から圧力を有する空気を排出すれば、空気袋が平らに収縮して扉体が倒伏するようにした空圧式起伏ゲートに関するものである。
このような空圧式起伏ゲートにあっては、扉体を空気袋が堰幅全体に位置して支持するので、扉体に作用する荷重と空気袋の内部の空気圧が一定の関係を持つことになり、同一のゲート幅であれば数個の空圧式起伏ゲートを一括して起伏操作することが可能となる。
そこで、ゲート幅の小さい(2〜5m程度)空圧式起伏ゲートを単位ゲートとして、扉体の起伏時の回転中心の延長方向に並べて設置して幅の広い(10〜200m)水路の起伏ゲートとし、全体を1本の空気管で空気操作装置に接続して一括操作することが多い。
このように、複数の単位ゲートを並べて設置した空圧式起伏ゲートにおいては、隣接する単位ゲートの扉体は、両方の扉体の側端部に重ねて押えボルトと押え板によって固定した帯状の中間水密ゴムによって、両扉体の間に生ずる隙間からの漏水を防止しつつ結合される。
この中間水密ゴムによる扉体群の結合は、単位ゲート群による空圧式起伏ゲートに全体として柔軟性を与えると同時に経済性に優れた起伏ゲートの提供を可能にする。
柔軟性の効果は倒伏した扉体の上に堆砂した状態での起立操作の時に扉体群が、堆砂の部分的な多少に対応して捩れて排砂を効果的に進行させる等が指摘できる。
経済性は、扉体や空気袋を製造や運搬、据付けに容易な大きさとすることによって得られるもので、ゲートの径間に一致させた部品を製造据付する場合に比較して格段に安価となる。
特開2006−225991号公報
このようにゲート幅の小さい単位ゲートの群を並べて構成した空圧式起伏ゲートは優れた特性を有するのであるが、洪水時に山崩れ等によって発生した流木等が扉体の下流側に滞留すると倒伏操作が著しく阻害されるという欠点がある。
もっとも、このような倒伏阻害が発生した場合でも、柔軟な中間水密ゴムで連結された扉体群は全体としての柔軟性があるので、倒伏阻害を直接受けた扉体以外は若干の倒伏は可能である。
しかし、堰体そのものが柔軟なゴム引布で構成されるゴム引布製起伏堰のような大きな洪水流下断面の確保が可能な空圧式起伏ゲートが提供されれば、河川の洪水時の安全性向上に非常に有効であるとして、新しい技術の開発が求められた。
そこで、この発明の空圧式起伏ゲートでは、一部の扉体が倒伏阻害を受けた場合には、単位ゲートの境界において隣接する扉体を結合している中間水密ゴムの部分を切離すことが検討された。
その結果、この発明の空圧式起伏ゲートにおいては、中間水密ゴムの幅の両側に設けた凸部を、扉体側端部に押え板と押えボルトによって形成した凹部に適度な圧縮を加えつつ収納し固定する構造として、倒伏阻害が発生した時には、中間水密ゴムに発生する大きな引張力によって中間水密ゴムの凸部が扉体側端部の凹部から引抜かれることにより、隣接する扉体の間の結合が開放される仕組みを採用した。
洪水時に起伏ゲートの扉体が流木等によって倒伏を阻害され、多量の流水が河川から溢れて近隣に水害を及ぼすという危険性が一般に指摘されている。
1径間を数個の単位ゲートに分割して製作し据付して、全体としての柔軟性に富む空圧式起伏ゲートにおいてもこの危険性は変わらないので、一部の単位ゲートに倒伏阻害が発生した時に、隣接する単位ゲートの扉体を倒伏させて洪水の流下する断面積を大きく確保することは技術上の重大な課題である。
数個の単位ゲートで構成される空圧式起伏ゲートにおいて、一部の扉体の倒伏が阻害された場合には、隣接する単位ゲートにおいては、倒伏操作が行なわれた結果、空気袋内部の空気圧は低下し、空気袋は扉体を支持しないので、両扉体を結合する中間水密ゴムには阻害を受けた扉体が隣接扉体を起立姿勢に保持するために必要な大きな引張力が作用することになる。
この時の中間水密ゴムに作用する引張力は起立姿勢、水位条件を定めて計算することが可能であるから、これに中間水密ゴムと扉体の結合を開放すべき安全率を加味すれば、中間水密ゴムの幅の両端の凸部が扉体側端部の凹部から引抜かれる時の中間水密ゴムの引張力を計算により求めることができる。
一方、中間水密ゴムの幅の両端の凸部が扉体側端部の凹部から引抜かれる時の引張力は、凸部や凹部の形状寸法やゴムの物性等によって多様となるけれど、実験によって具体的な値を求めることが可能である。
以上の結果、平常時には各単位ゲートの扉体を安定的に結合し全体として1径間のゲートとして機能することを可能とする。一方、万一洪水時等に倒伏阻害が発生した時には、扉体間の結合を開放することが可能な中間水密ゴムとその取付部分の詳細を決定することが技術的に可能となる。
その結果、一部の扉体が倒伏阻害を受けても、隣接の扉体等を倒伏させて、洪水の流下断面を大きく確保するという技術の目的が達成されるのである。
さらにこの方式の中間水密ゴムは、扉体の有効高の値の大小に応じてその断面形状を規格化することが可能であり、また取付のためのボルト孔の加工が必要でないので、規格品を予備品として保管していれば、倒伏阻害が発生して中間水密ゴムが扉体側端部から引抜かれた結果、損傷、流出した場合においても早期に修繕することができる。
また扉体側端部の押え板と押えボルトは中間水密ゴムが引抜かれても扉体側端部に固定されていて流失しないので修繕費が非常に安価である。
以下、この発明の空圧式起伏ゲートの実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1、図2、図3、図4、図5、並びに図6はこの空圧式起伏ゲートの1実施例を示すものであり、図1は空圧式起伏ゲートの正面図、図2は断面図でともに起立状態を示し、図3は断面図で倒伏状態を示し、図4は単位ゲート境界部の断面図で起立状態を示し、図5は図1並びに図4に示すA−A断面図で中間水密ゴムの正常な取付常態を示し、図6は隣接する扉体の間で開度に差が生じ中間水密ゴムが大きく歪んだ状態を示す説明図である。
図1、図2および図3において、断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1に、水路を横断して並べて設置したアンカーボルト2が主押え板3によって、3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋4の開いた辺の縁5,6並びにゴム引布製の繋留板7の上流の縁8の3枚を一緒に、水路底のコンクリートの上面1に押し付けることによって、空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4と繋留板7を水路底に固定する。
なお、断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置したアンカーボルトの代りの、水路の底を横断して設置したアンカー金物に並べて設けた雌ねじにねじ込むボルトと主押え板とが3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋の開いた辺を、ゴム引布製の扉体繋留板の上流側の縁を介して、水路の底に押し付けることによって、空気袋の開いた辺を密閉しつつ、水路の底に空気袋と扉体繋留板を固定することもできる。
この空気袋4の開いた辺の下方のゴム引布9の縁5の端には、樹脂製のロッド10によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部11があり、水路底のコンクリートの上面1の上流側にある溝状部分の下流側の角12に掛かって、ゴム引布9が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
また繋留板7の上流の縁8の端には、樹脂製のロッド13によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部14があり、主押え板3の上流側の下隅の凹部15によって上にも横にも移動しないよう確保されるので、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようになる。
同時に、空気袋4の開いた辺の上方のゴム引布16の縁6の端には、樹脂製のロッド17によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部18があり、繋留板7の上流側の縁8の端にある折返し定着部14の上流側19に掛かって、ゴム引布16が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
すなわち、繋留板7と空気袋4の上方のゴム引布16も、主押え板3とアンカーボルト2によって所定の位置から引抜かれないようになる。
このように構成した上で、アンカーボルト2にねじ込むナット20によって主押え板3を繋留板7、空気袋4の開いた辺のゴム引布9並びに16の3枚のゴム引布を水路底のコンクリートの上面1に対して強く押し付けることにより、空気袋4の開いた辺を密閉しつつ、空気袋4と繋留板7を水路底に固定する。
次に、繋留板7の下流側の縁21を鋼板製の扉体22の上流面の下端23に添う位置に押え板24とボルト25によって固定し、鋼板製の扉体22を繋留板7によって水路底のコンクリートの上面1に起伏自在に繋留する。
この場合も繋留板7の下流の縁21の縁端には、樹脂製のロッド26によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部27があり、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
このように構成すれば、鋼板製の扉体22の下端23は主押え板3の下流側の縁に添う位置において空気袋4の上に載った状態となるので、空気袋4が膨張すれば鋼板製の扉体22が起立し、逆に空気袋4が平らに収縮すれば鋼板製の扉体22が倒伏することになる。
さらに、水路の底の空気袋4より下流側の適当な位置のコンクリートの上面28に設置したアンカーボルト29と押え板30で一端をコンクリートの上面28に固定した十分な強度を有する引留帯31の他端を、鋼板製の扉体22の下流側の面の空気袋4の接触するより上の適当な位置にボルト32と押え板33で固定することにより、鋼板製の扉体22が所定の姿勢まで起立した時には、この引留帯31に作用する張力により停止するようにする。
この引留帯31においても、その端部には樹脂製のロッド34によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し定着部35があって、引留帯31が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
次に鋼板製の扉体22の頭部の曲げ加工部36は、起立時には越流する水を下流側に導くことにより、水や一緒に流下する流木等が空気袋4や引留帯31等を打たないよう保護する。
また倒伏時には、鋼板製の扉体22の頭部の曲げ加工部36が支持台37に支持されて、コンクリートの上面1、コンクリートの上面28、並びに鋼板製の扉体22の下流面によって必要な空間を確保するから、空気袋4や引留帯31は鋼板製の扉体22に押し潰されることがない。
このように構成した上で、空気袋4の下方の口金41に接続した空気管42を水路のコンクリートに埋設するなどして陸上に導き、空気操作装置の排気用開閉弁43、排気用流量調節弁44、排気放出部45、給気用開閉弁46、給気用流量調節弁47、空気圧縮機48に、図1、図2および図3のように接続する。
その上で空気圧縮機48から給気用流量調節弁47、給気用開閉弁46、空気管42、口金41を経由して空気袋4の内部に空気を圧入した結果、鋼板製の扉体22が起立した状態の断面図が図2であり、扉体22の頭部の曲げ加工部36が、越流する水を下流に導いて、空気袋4や帯31を直接打たないよう保護している。
この状態を上流側から見たのが図1である。
他方、空気圧縮機48を停止し、給気用開閉弁46を閉じ、排気用開閉弁43を開いて、空気袋4の内部の圧力を有する空気を、排気用流量調節弁44によって制御しつつ、排気放出部45から大気中へ放出した結果、扉体22が完全に倒伏した状態の断面図が図3である。
図4に空圧式起伏ゲートが起立した時の単位ゲートの境界部の断面図を示す。空気袋4は単位ゲートの幅の中央付近では図2のように膨張し扉体22を押起すのであるが、単位ゲートの側端付近では不完全な形にしか膨張できない。しかし扉体22は自身の剛性によって起立している。そして隣接する扉体22の境界において両扉体22の隙間を越えて設置された中間水密ゴム38が押え板39と押えボルト40によって両方の扉体22に固定され隙間からの漏水を防止しつつ、両方の扉体22を連結している。
この時の中間水密ゴム38の付近の断面の説明図が図5であり、図1並びに図4のA−A断面を示したものである。基本的には隣接する単位ゲートは同一の形状寸法に製作据付されているので、両単位ゲートの扉体22は同調して起立倒伏するから中間水密ゴム38に格別の外力が作用することはない。中間水密ゴム38は両単位ゲートの扉体22の隙間からの漏水を防止している。
この状況をゲート全体として上流から見たのが図1であり、扉体22は起立している。図1に示した空圧式起伏ゲートは3基の単位ゲートを並べて設置してある。起立した3個の扉体22の左端と右端は側面戸当52との隙間からの漏水を防止する側面水密ゴム49が押え板50と押えボルト51によって扉体22の側端に取付けられている。また起立した3個の扉体22の境界においては、隣接する扉体22と扉体22の間の隙間からの漏水を
防止する中間水密ゴム38が押え板39と押えボルト40によって扉体22の側端に取付けられている。
この中間水密ゴム38の扉体22の側端部における取付状況を断面A−Aにおいて示したものが図5並びに図6である。
図5では、隣接した扉体22の起伏の動きは同調しており扉体22の起立高はほぼ同一であるため中間水密ゴム38は曲がっておらず、中間水密ゴム38の幅の両端のくさび形の凸部53が扉体22の側端部の凹部54と押え板39の凹部55が形成するくさび状の凹部に特別の変形もなく格納されている。この状態では中間水密ゴム38には大きな引張力は発生せず、安定的に隣接する扉体22を結合し、相互の隙間からの漏水を防止する。
一方、図6の状態は、隣接した扉体22と扉体22に加わる荷重の差が大きく、扉体22の起立高に大きな差が発生している。その結果、隣接する扉体22の相互の位置にずれが生じ中間水密ゴム38は大きく曲がり大きな引張力が発生して伸びている。また中間水密ゴム38の幅の両端のくさび形の凸部53は、扉体22の側端部の凹部54と押え板39の凹部55が形成するくさび状の凹部の入口方向に引き出され、作用する引張力と凹部から受ける反力の釣合う位置で停止している。
一部の扉体22が倒伏阻害を受けた場合には、隣接する扉体22が受ける転倒モーメントの差が大きいため起立角の差が大きくなり、中間水密ゴム38に発生する引張力が、中間水密ゴム38の形状やゴムの物性によって定まる耐引抜力を超過して、中間水密ゴム38のくさび状の凸部53が扉体22の側端部の凹部54と押え板39の凹部55が形成するくさび状の凹部から引抜かれるために、隣接する扉体22と扉体22の結合が開放され、
倒伏阻害を受けていない扉体22の倒伏が実現する。
この中間水密ゴム38に発生する引張力は、起立角の差によってその値が定まるので、扉体の下端にて「0」であり、天端において最大値となる3角形分布の力である。
したがって、中間水密ゴム38の引抜が発生する条件は、
M=(P×L÷2)×(2×L÷3)=P×L2÷3
ここに M:隣接する扉体22,扉体22の境界に発生している転倒モーメントの差
P:選択した中間水密ゴム38の耐引抜力
L:扉体22の斜長
もっともP:耐引抜力には偏差があるから検討する条件が、
引抜が発生する条件を求めるか
引抜が発生しない条件を求めるか
によって、安全率を1以下とするか、1以上とするかの判断をする。
図7はこの空圧式起伏ゲートの他の実施例を示す断面図で起立状態を示している。
断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1に、水路を横断して並べて設置したアンカーボルト2が主押え板3によって、3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋4の開いた辺の縁5,6を水路底のコンクリートの上面1に押し付けることによって、空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4を水路底に固定する。
この空気袋4の開いた辺の下方のゴム引布9の縁5の端には、樹脂製のロッド10によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部11があり、水路底のコンクリートの上面1の上流側にある溝状部分の下流側の角12に掛かって、ゴム引布9が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
また、空気袋4の開いた辺の上方のゴム引布16の縁6の端には、樹脂製のロッド17によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部18があり、主押え板3の上流側の下端の凹部15に掛かって、ゴム引布16が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
このように構成した上で、アンカーボルト2にねじ込むナット20によって主押え板3を空気袋4の開いた辺のゴム引布9並びに16の2枚のゴム引布を水路底のコンクリートの上面1に対して強く押し付けることにより、空気袋4の開いた辺を密閉しつつ、空気袋4を水路底に固定する。
さらに、主押え板3の下流の縁から突出した軸受59が扉体22の下端部の軸受60と回転軸61によって扉体22が起伏自在であるように結合する。
加えて、下部水密ゴム62の上流側の縁63を押え板64とボルト65によって主押え板3の上面の上流側に固定し、また下部水密ゴム62の下流側の縁66を押え板67とボルト68によって扉体22の上流面の下端23に添う位置に固定して扉体22の下部からの漏水を防止する。
このように構成すれば、鋼板製の扉体22の下端23は主押え板3の下流側の縁に添う位置において空気袋4の上に載った状態となるので、空気袋4が膨張すれば鋼板製の扉体22が起立し、逆に空気袋4が平らに収縮すれば鋼板製の扉体22が倒伏することになる。
図7は空圧式起伏ゲートの起立した時の単位ゲートの境界部の断面図であり、空気袋4は不完全な形にしか膨張していない。しかし単位ゲートの中央付近では完全に膨張して鋼板製の扉体22を起立させる。
このことは図1から図6において示した実施例とまったく同様である。
図8には、図5より大きい耐引抜力を必要とする場合の中間水密ゴム38とその取付関係の実施例を示した。
この実施例では、中間水密ゴム38の幅の両端のくさび状凸部のひろがり角が大きく、中間水密ゴム38の厚も大きくなって大きな値の引抜力に耐えることができる。さらにゴムの硬度と強度を大きくしても耐引抜力を大きくすることができる。
図9には、小形のゲートで図5より小さい耐引抜力を必要とする場合の中間水密ゴム38とその取付関係の実施例を示した。
この実施例では、中間水密ゴム38の幅の両端の凸部56は円形で、通常時の扉体22と中間水密ゴム38の結合は容易であるけれど、耐引抜力を大きく設定するのは困難である。
図10には小形のゲートで図5より小さい耐引抜力を必要とする場合の施工性を重視した中間水密ゴム38とその取付関係の実施例を示した。この実施例では中間水密ゴム38の幅の両端の凸部57は長方形で端部に切欠き58を有しており、通常時の扉体22と中間水密ゴム38の結合は確実で容易であると同時に、引抜力を受けた時には凸部が変形して小さい引抜力で中間水密ゴム38が引抜かれる特徴がある。
この実施例は、扉体22と押え板39の凹部の施工性に優れている利点がある。
鋼製起伏ゲートでは、洪水時に扉体の下流側に流木や土石等が滞留して扉体の倒伏を阻害した結果、洪水が安全に流下できずに堤防を越えて市街地に流入して大きな被害が発生した記録がある。
このような事故は極く稀ではあっても、一度発生すると重大な社会問題となるから、可能性を少しでも排除して、安全性を完全なものに近づける技術が必要である。
その意味で、この発明の空圧式起伏ゲートによれば、万一、一部の扉体の倒伏が阻害された場合にも、他の扉体が倒伏して洪水の流下する可能性を従来になく効果的に拡大する技術が提供されることになった。
このことは、日本のように急流部の多い河川に多数の取水設備を設けている社会にとって有意義であり、利用の可能性は非常に大きいと思われる。
この発明の空圧式起伏ゲートの一実施例を示し、起伏ゲートが起立した状態の正面図(視点上流側)である。 空圧式起伏ゲートが起立した状態の断面図である。 空圧式起伏ゲートが倒伏した状態の断面図である。 空圧式起伏ゲートが起立した状態の単位ゲートの境界部の断面図である。 中間水密ゴムの正常な取付状態の説明図である。 隣接する扉体の間で開度に差が生じた結果、中間水密ゴムが大きく歪んだ状態の説明図である。 この発明の空圧式起伏ゲートの他の実施例を示し、起伏ゲートが起立した状態の断面図である。 大きい耐引抜力を設定するために、中間水密ゴムの厚と幅の両端のくさび状凸部を大きくした実施例の中間水密ゴムと取付関係の断面図である。 小さい耐引抜力を設定するために、幅の両端の凸部の断面を円形とした実施例の中間水密ゴムと取付関係の断面図である。 小さい耐引抜力を設定すると同時に扉体側端部と押え板に設ける凹部の施工性に配慮した実施例の中間水密ゴムと取付関係の断面図である。
1 コンクリートの上面
2 アンカーボルト
3 主押え板
4 空気袋
5 縁
6 縁
7 繋留板
8 上流の縁
9 ゴム引布
10 ロッド
11 折返し定着部
12 角
13 ロッド
14 折返し定着部
15 凹部
16 ゴム引布
17 ロッド
18 折返し定着部
19 上流側
20 ナット
21 下流の縁
22 鋼板製の扉体
23 下端
24 押え板
25 ボルト
26 ロッド
27 折返し定着部
28 コンクリートの上面
29 アンカーボルト
30 押え板
31 引留帯
32 ボルト
33 押え板
34 ロッド
35 折返し定着部
36 曲げ加工部
37 支持台
38 中間水密ゴム
39 押え板
40 押えボルト
41 口金
42 空気管
43 排気用開閉弁
44 排気用流量調節弁
45 排気放出部
46 給気用開閉弁
47 給気用流量調節弁
48 空気圧縮機
49 側面水密ゴム
50 押え板
51 押えボルト
52 側面戸当
53 くさび状の凸部
54 扉体の側端部の凹部
55 押え板の凹部
56 円形の凸部
57 長方形の凸部
58 切欠き
59 軸受
60 軸受
61 回転軸
62 下部水密ゴム
63 縁
64 押え板
65 ボルト
66 縁
67 押え板
68 ボルト

Claims (2)

  1. 断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置したアンカーボルトと主押え板とが、3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋の開いた辺の縁を、ゴム引布製の扉体繋留板の上流側の縁を介して、水路の底に押し付けることによって、空気袋の開いた辺を密閉しつつ、水路の底に空気袋と扉体繋留板を固定し、
    加えて扉体繋留板の下流側の縁に、鋼板製の扉体の上流面の下端部をボルトと押え板により取り付けることによって、鋼板製の扉体が水路の底に起伏自在に取り付けられると同時に、鋼板製扉体の下流側の根元部分に空気袋が位置し、鋼板製の扉体を枕状に支持するようにした上で、
    陸上の空気操作装置から空気袋に空気管を接続し、空気袋の内部に空気操作装置から圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張して鋼板製の扉体を起立させ、逆に空気袋から圧力を有する空気を排出すれば、空気袋が平らに収縮して扉体が倒伏するようにした2〜5mのゲート幅の小さい空圧式起伏ゲートを単位ゲートとして、扉体の起伏時の回転中心の延長方向に並べて設置することにより、10〜200mの幅の大きい水路の起伏ゲートとした空圧式起伏ゲートにおいて、
    隣接する扉体の間の隙間からの漏水を防止する中間水密ゴムの幅の両端に引抜きに対して適度の抵抗力を発生させるために設けた凸部を、扉体の側端部に扉体と押え板によって形成した固定用凹部に押えボルトによって適度の圧縮を加えつつ固定することにより、通常時には隣接する扉体を結合して扉体の隙間からの漏水を防止し、一部の扉体に倒伏阻害が発生した時には扉体に作用する倒伏モーメントの差によって中間水密ゴムに発生する大きな値の引張力が中間水密ゴムを固定用凹部から引抜くことによって扉体間の結合を開放して、倒伏阻害を受けていない単位ゲートの扉体の倒伏が可能となるようにしたことを特徴とする空圧式起伏ゲート。
  2. 請求項1の空圧式起伏ゲートにおいて、
    扉体を水路の底に起伏自在に取り付けるゴム引布製の扉体繋留板の代りに、主押え板の下流の縁から突出した軸受と扉体下端部の軸受とを回転軸で起伏自在に結合したことを特徴とする空圧式起伏ゲート。
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