JP4587225B2 - 空圧式起伏ゲート - Google Patents

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Description

この発明は、水路の底に設けた回転中心によって、扉体が自在に起立または倒伏することにより、水路の流水を堰上げまたは放流する目的で使用される起伏ゲートの一種であり、鋼製の扉体の下流側の根元部に位置する枕状の空気袋に、陸上の空気操作装置から空気管を接続して圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張して扉体を起立させ、逆に空気袋から圧力を有する空気を排出すれば、空気袋が平らに収縮して扉体が倒伏するようにした空圧式起伏ゲートの1形式に関するものである。
すなわちこの発明は、種々の形式が提案され実用化されている空圧式起伏ゲートの内で、ゴム引布製の繋留板の上流側の縁をアンカーボルトと押え板とによって水路の底に固定する一方、下流側の縁をボルトと押え板とによって扉体の上流面の下端部に固定することによって、扉体を起伏自在に水路の底に繋留した上で、扉体の下流側根元部に枕状の空気袋を設置して、空気袋の膨張によって扉体が起立し、空気袋が平らに収縮することによって扉体が倒伏するようにした形式の空圧式起伏ゲートに関するものである。
空圧式起伏ゲートでは、扉体の下流側根元部に位置して枕状に扉体を支持する空気袋が扉体の幅全体に分散して水圧荷重を支持するので、扉体は集中的な荷重を受けることがない。したがって扉体には、上流面の水圧力に対抗する枕状空気袋の支圧力と下端の繋留板による引張力が加えられて縦方向の曲げモーメントが作用することになる。
このため扉体は、小形の場合は適当な寸法の鋼板で機能が確保される。また大形の場合は、帯状の鋼板を鋼板の上流面に直角の姿勢で、倒伏時の水流方向に溶接取付した縦リブによって曲げ剛性を強化した簡単な構造の縦リブ付鋼板を使用することができる。
このように空圧式起伏ゲートは、水路底の軸受と扉体の軸受とを回転軸によって結合して、扉体を起伏自在とした、鋼製起伏ゲートと比較して、扉体、戸当ともに加工度が低く据付作業も容易であり、経済的に優れているので、近年その利用が多くなっている。
さらに、空圧式起伏ゲートで構造上要求される起伏ゲートの上・下流の河床落差が、油圧式鋼製起伏ゲートと比較して小さな値であるため、現実に河川や用水路に設置を計画するとき、上流、下流の護岸の大規模な変更が不必要で優れた経済性を発揮する。
特にありません。
しかしこの形式の空圧式起伏ゲートが必要とする、起伏ゲートの上流、下流の河床落差は、ゴム引布製起伏堰と比較して大きな河床落差となり、勾配の緩やかな河川や用水路に設置を検討する時の障害となっていた。
この問題の主な要因は、扉体下端の縦リブ終端付近が強度上厚い鋼板であることを要求されることに加え、扉体を繋留するゴム引布製の繋留板とその押え板、押えボルトが、扉体の上流面の下端部に取付けられるので、扉体が倒伏した時に、扉体下端の鋼板の余分な厚さ並びに繋留板等の厚さが構造上必要な河床落差として加算されるためであり、その値は100mm〜300mmに達する。
この不具合に関しては、先ず第一にゴム引布製の繋留板を扉体の下流面の下端部に取付けて解決することが試みられたが、扉体倒伏時に扉体下端部と繋留板との隙間に土砂や流芥が入り込むため、扉体の起伏操作の障害となるばかりでなく、繋留板が損傷するという新たな不具合があり、具体化しなかった。
そこでこの発明の空圧式起伏ゲートにおいては、この問題を解決するために、扉体の止水板の高さの途中の適当な位置において、扉体下端に平行な止水板の上流面の折曲線を設け、折曲線より下方では、折曲線より上方の止水板の上流面と同一の平面を上流面とする鋼板を導流板として取り付けることにより、扉体の折曲線より上方の止水板と導流板の上流面がほぼ一枚の鋼板であるようにして、扉体が倒伏したときに、この上流面が下流方向への緩やかな排水勾配となる姿勢にすれば、折曲線より下方の止水板の下流面は下流側ほど(折曲線に近くなるほど)高くなることを利用して、下端の鋼板の余分な厚さや繋留板とその押え板の厚を空気袋や引留帯を格納する空間として活用するようにした。
すなわち、扉体の上流面の下端部に取付けたゴム引布製の繋留板の直上部の止水板の上流面において、繋留板の厚とその押え板の厚との合計厚に相当する幅を有する細長い鋼板を、止水板の上流面に直角の姿勢で、扉体下端に平行な方向として扉体の堰幅いっぱいに溶接取付して横リブとし、次に止水板の上流面の横リブより上方の適当位置に定めた扉体の下端に平行な折曲線と横リブの突端とを結ぶ平面を上流面とする鋼板を導流板として横リブと止水板に溶接取付けすると同時に、導流板の上流面を折曲線より上方に延長するとき、折曲線より上方の止水板の上流面と一致するようにする。
このようにすれば、導流板の上流面と折曲線より上方の止水板の上流面が一枚の鋼板のような状況であるから、扉体が倒伏してこの上流面が下流方向に緩やかな排水勾配を有する姿勢となった時には、折曲線における折曲角の効果により折曲線より下方の止水板の下流面は、上流から下流に行くにしたがって(扉体下端から折曲線方向に行くにしたがって)高さを増すので、コンクリートの床面との間に空気袋や引留帯を格納するために必要な空間が容易に確保できるのである。
このようにすれば、倒伏した扉体の上流面を流下する水が繋留板固定位置より下流の段落によって乱れることがなく、緩やかに流れて水音を小さくする効果がある。
また、止水板の下端付近の鋼板の厚を大きくする強度上の必要や、繋留板とその押え板を止水板の下端の上流面に取付する構造上の必要のためにゲート部分の河床落差が大きくなる特性を軽減する効果があり、勾配の緩やかな河川や用水路に設置する場合に下部工の工事費用を軽減する効果が得られた。
以下、この発明に係る空圧式起伏ゲートの実施の形態を、図面に基いて詳細に説明する。
図1、図2、図3ならびに図4はこの発明の空圧式起伏ゲートの1実施例を示すものであり、図1は空圧式起伏ゲートの背面図、図2は断面図でともに起立状態を示し、図3は断面図で倒伏状態を示し、図4は扉体の説明図である。
図1、図2および図3において、断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1に、水路を横断して並べたアンカーボルト2が主押え板3によって、3辺が閉じ、1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋4の開いた辺の縁5,6ならびにゴム引布製の繋留板7の上流の縁8の3枚を一緒に、水路底のコンクリートの上面1に押し付けることによって空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4と繋留板7を水路底に固定する。
なお、断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置したアンカーボルトの代りの、水路の底を横断して設置したアンカー金物に並べて設置した雌ねじにねじ込むボルトと主押え板とによって、ゴム引布製の繋留板の上流側の縁を水路底のコンクリートの上面に固定することもできる。
この空気袋4の開いた辺の下方のゴム引布の縁5の端部には、樹脂製のロッド9によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部10があり、水路底のコンクリートの上面1の上流側にある溝状部分の下流側の角11に掛かって、縁5が作用する張力によって所定位置から引抜かれないようにする。
また繋留板7の上流の縁8の端には、樹脂製のロッド12によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部13があり、主押え板3の上流の縁の角14に掛かって、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
同時に空気袋4の開いた辺の上方のゴム引布の縁6の端には、樹脂製のロッド15によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部16があり、繋留板7の上流の縁8の端にある折返し定着部13の上流端17に掛かって、縁6が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
すなわち、繋留板7の上流の縁8と、空気袋4の上方の縁6は主押え板3とアンカーボルト2によって所定の位置から引抜かれないようになる。
このように構成した上でアンカーボルト2にねじ込むナット18によって主押え板3を、繋留板7と空気袋4の開いた辺の2枚のゴム引布の計3枚のゴム引布に強く押し付ければ、空気袋4の開いた辺が密閉されると同時に、空気袋4と繋留板7が水路底のコンクリートの上面1に固定される。
次に、繋留板7の下流側の縁19を、鋼板製の扉体の下部の厚鋼板20の下端の半円形断面部21に添う位置において、下部の厚鋼板20の上流面に押え板22とボルト23によって固定し、鋼板製の扉体を繋留板7によって水路底のコンクリートの上面1に起伏自在に繋留する。
この場合も繋留板7の下流の縁19の縁端には、樹脂製のロッド24によって補強繊維の折曲げ半径が過小にならないよう保護した縁端の折返し定着部25があり、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
このように構成すれば、鋼板製の扉体の下部の厚鋼板20の下端の半円形断面部21が、主押え板3の下流側の縁に添う位置において、空気袋4の上に載った状態となるので、空気袋4が膨張すれば下部の厚鋼板20の下流面を押して扉体全体を起立させ、逆に空気袋4が平らに収縮すれば扉体が倒伏することになる。
すなわち、空気袋4は鋼製の扉体の下流側の根元部において枕状に設置されているのである。
図2ならびに図3に示す如く、扉体の下部の厚鋼板20の上流面の下端部に取付けたゴム引布製の繋留板7の下流の縁19の折返し定着部25の直上部において、繋留板7の下流の縁19の厚と押え板22の厚の合計厚にほぼ相当する幅を有する細長い鋼板を扉体の下部の厚鋼板20の上流面に直角の姿勢で、扉体の下端の半円形断面部21に平行な方向に扉体の堰幅いっぱいに溶接取付して横リブ26とする。
一方、横リブ26の取付部より上方においては、扉体の下部の厚鋼板20の上流面を斜めに削って上端の厚を上方の止水板27の厚と同等として溶接接合する。
この止水板27の下流面が下部の厚鋼板20の下流面の延長上にあるようにして、空気袋4との接触面がほぼ平面状であるようにすると同時に、適当な位置で下端の半円形断面部21に平行な折曲線29において止水板27を折曲げた後に扉体の起立高が確保可能な高さまで延長して下流面の上端に横桁28を取付ける。
加えて、下部の厚鋼板20の上流面の横リブ26より上方の部分と止水板27の上流面には、適当な幅と厚とを有する細長い鋼板を上流面に直角な姿勢で、倒伏時に水の流れる方向で溶接取付して縦リブ31として止水板27の縦方向の曲げ剛性を補強し、さらに横リブ26の突端から止水板27の折曲線29に向って導流板30を設けて横リブ26と止水板27に溶接する。
この時止水板27の折曲線29より上方の部分の上流面は導流板30の上流面とほぼ同一平面上にあるようにしてある。
さらに図3に示すように、扉体が倒伏姿勢となり横桁28が倒伏時支持台41に支持された時には、導流板30と止水板27の折曲線29より上方の上流面が下流方向に緩やかな排水勾配を有するようにした。
このように構成した上で、空気袋4の下部の口金42に接続した空気管43を水路のコンクリートに埋設するなどして陸上に導き、空気操作装置の排気用開閉弁44、排気用流量調整弁45、排気放出部46、給気用開閉弁47、給気用流量調整弁48、空気圧縮機49に図1、図2ならびに図3のように接続する。
その上で、空気圧縮機49から給気用流量調整弁48、給気用開閉弁47、空気管43、口金42を経由して空気袋4の内部に空気を圧入した結果、空気袋4が膨張して扉体の下流面を押し起して、扉体が起立した状態の断面図が図2であり、扉体上端の横桁28が越流する水を下流に導いて、空気袋4や引留帯32を打たないよう保護している。
この状態を下流から見たのが図1であり、空気袋4が扉体の下流側根元部において枕状に位置して、扉体をほぼ全幅において支持する一方、左右対称位置に取付けた引留帯32が扉体が起立し過ぎないよう引留めている。
他方、空気圧縮機49を停止し、給気用開閉弁47を閉じ、排気用開閉弁44を開いて、空気袋4の内部の圧力を有する空気を排気用流量調整弁45によって制御しつつ、排気放出部46から大気中へ放出した結果、扉体が倒伏した状態の断面図が図3である。
このとき、導流板30の上流面と折曲線29より上方の止水板27の上流面とはほぼ同一平面上にある。
この平面は、扉体上端の横桁28が倒伏時支持台41に支持された時には、緩やかな排水勾配となるので流芥や土砂等が流下する水とともに下流側に安全に排除される。
また下部の厚鋼板20と止水板27の下流面が下端の半円形断面部21と上端の横桁28に支持されてコンクリート床との間に空間を確保するので、空気袋4と引留帯32並びにその固定部品は倒伏した扉体に押し潰されることなく納まることができる。
図4は扉体の説明図である。
扉体の下部の厚鋼板20も止水板の一部であるが、接触するゴム引布製の繋留板7や空気袋4が下端で折曲げられる時の曲げ半径をある程度大きくしてゴム引布内部の2次応力が危険な値とならないようにするために板厚を大きくしたものである。
この下部の厚鋼板20の下端の半円形断面部21に平行で下端に近い位置の線上には繋留板7の上流側の縁19を固定するためのボルト23をねじ込む雌ねじ50が並んでおり、その上方には横リブ26が溶接取付けされている。
横リブ26より上方では、下部の厚鋼板20は上方に向って厚を減少し、下端の半円形断面部21に平行な溶接線53において止水板27と溶接取付けされる。
この時、溶接線53と折曲線29の間の止水板27の下流面は下部の厚鋼板20の下流面と同一平面であるようにして、空気袋4との接触面に乱れのないようにする。
さらに止水板27は、溶接線53より上方の上流面の折曲線29において適当な角度の折曲げを受けた後に、扉体に必要な起立高が確保可能な長さ延長したところで上端とし、下流面に横桁28を取付けされる。
また、下部の厚鋼板20の上流面の横リブ26より上方の部分と止水板27の上流面では、適当な間隔に縦リブ31を溶接取付けして扉体の縦方向の曲げ強度を補強している。
その上で、横リブ26の突端から止水板27の上流面の折曲線29に到る平面を上流面とする導流板30を横リブ26の突端と止水板27の折曲線29の近くに溶接している。
また止水板27の折曲線29より上方の左右対称位置においては、引留帯32を固定するボルト37のボルト孔52がある。
図5、図6および図7はこの発明に係る空圧式起伏ゲートの他の実施例を示すものであり、図5は空圧式起伏ゲートの断面図で起立状態を示し、図6は断面図で倒伏状態を示し、図7は扉体の説明図である。
図5および図6において、断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1に水路を横断して並べたアンカーボルト2が主押え板3によって3辺が閉じ、1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋4の開いた辺の縁5,6ならびにゴム引布製の繋留板7の上流の縁8の3枚を一緒に、水路底のコンクリートの上面1に押し付けることによって空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4と繋留板7を水路底に固定する。
この空気袋4の開いた辺の下方のゴム引布の縁5の端には、樹脂製のロッド9によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部10があり、水路底のコンクリートの上面1の上流側にある溝状部分の下流側の角11に掛かって、縁5が作用する張力によって所定位置から引抜かれないようにする。
また繋留板7の上流の縁8の端には、樹脂製のロッド12によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部13があり、主押え板3の上流の縁の角14に掛かって、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
同時に空気袋4の開いた辺の上方のゴム引布の縁6の端部には、樹脂製のロッド15によって補強繊維の折曲げ半径が過小とならないよう保護した縁端の折返し定着部16があり、繋留板7の上流の縁8の端にある折返し定着部13の上流端17に掛かって、縁6が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
すなわち、繋留板7の上流の縁8と、空気袋4の上方の縁6は主押え板3とアンカーボルト2によって所定の位置から引抜かれないようになる。
このように構成した上でアンカーボルト2にねじ込むナット18によって主押え板3を、繋留板7と空気袋4の開いた辺の2枚のゴム引布の計3枚のゴム引布に強く押し付ければ、空気袋4の開いた辺が密閉されると同時に、空気袋4と繋留板7が水路底のコンクリートの上面1に固定される。
次に、繋留板7の下流側の縁19を、鋼板製の扉体の厚鋼板による下止水板60の下端の半円形断面部61に添う位置において、下止水板60の上流面に押え板22とボルト23によって固定し、鋼板製の扉体を繋留板7によって水路底のコンクリートの上面1に起伏自在に繋留する。
この場合も繋留板7の下流の縁19の縁端には、樹脂製のロッド24によって補強繊維の折曲げ半径が過小にならないよう保護した縁端の折返し定着部25があり、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
このように構成すれば、鋼板製の扉体の下止水板60の下端の半円形断面部61が、主押え板3の下流側の縁に添う位置において、空気袋4の上に載った状態となるので、空気袋4が膨張すれば下止水板60の下流面を押して扉体を起立させ、逆に空気袋4が平らに収縮すれば扉体が倒伏することになる。
すなわち、空気袋4は鋼板製の扉体の下流側の根元部において枕状に設置されているのである。
図5ならびに図6に示す如く、扉体の下止水板60の上流面の下端部に取付けたゴム引布製の繋留板7の下流の縁19の折返し定着部25の直上部において、繋留板7の下流の縁19の厚と押え板22の厚の合計厚にほぼ相当する幅を有する細長い鋼板を、下止水板60の上流面に直角の姿勢で、扉体の下端の半円形断面部61に平行な方向に扉体の堰幅いっぱいに溶接取付して横リブ62とする。
この横リブ62の上方の下止水板60の上流面の適当位置の、扉体下端の半円形断面部61に平行な上流面の折曲線63より上方において、下止水板60の上流面が適当な角度だけ折れ曲るように削加工し、下止水板60の上端では上止水板64と同じ板厚となるようにしてこの位置を溶接線65と定めて下止水板60と上止水板64とを溶接接合する。
この時、上止水板64の上流面が下止水板60の上流面の折曲線63より上方の削加工した上流面を延長した平面であるようにして、扉体の起立高が確保可能な高さまで上止水板64を延長した上で、その下流面の上端に横桁66を取付ける。
加えて、横リブ62の突端と下止水板60の上流面に設けた折曲線63とを結ぶ平面を上流面とする鋼板を、横リブ62の突端と下止水板60の上流面に溶接取付けして導流板67とする。この時、導流板67の上流面と、下止水板60の上流面の折曲線63より上方の削加工した上流面ならびに上止水板64の上流面の3つの上流面が同一平面であるようにする。
さらに図6に示すように、扉体が倒伏姿勢となり横桁66が倒伏時支持台41に支持された時には、導流板67と下止水板60の折曲線63より上方の削加工部分ならびに上止水板64の上流面が下流方向に緩やかな排水勾配を有するようにする。
その結果、下止水板60の下流面と上止水板64の下流面は溶接線65において、折曲線63における下止水板60の上流面の折曲り角と同一角度で折曲るから、上端を横桁66に支持された上止水板64と下止水板60の下流面はコンクリート床面との間に空間を確保することになり、空気袋4と引留帯32ならびにその部品類は、倒伏した扉体に押し潰されることなく、この確保された空間に格納されるのである。
図7は扉体の説明図である。
扉体の下止水板60は、接触するゴム引布製の繋留板7や空気袋4のゴム引布が、下端の半円形断面部61によって折曲げられる時の曲げ半径をある程度大きくして、ゴム引布内部の曲げによる2次応力が危険な値とならなくするために板厚を大きくして半円形断面部61の半円形の半径を大きくするためと同時に、空気袋4に支持されて起立した時に発生する曲げモーメントによる曲げ応力度を許容値以下とするために厚い鋼板を使用している。
これに対し、上止水板64は、作用する曲げモーメントが小さいので比較的厚さの薄い鋼板としている。
下止水板60の下端の半円形断面部61に平行で下端に近い位置の線上には繋留板7の上流側の縁19を固定するためのボルト23をねじ込む雌ねじ68が並んでおり、その上方には横リブ62が溶接取付けされている。
さらに横リブ62の先端から下止水板60の上方の上流面に設けた折曲線63にかけては導流板67が溶接取付けされ、その上方の削加工された上流面の先端の溶接線65において上止水板64と溶接接合される。
この時、導流板67の上流面、下止水板60の削加工された上流面、ならびに上止水板64の上流面は同一平面上にあるようにする。これは、折曲線63の位置と折曲り角を適当に選択することにより可能となる。
扉体の両側には、側面水密ゴムを取り付けるためのボルトをねじ込む雌ねじ69が縦1列に並んでおり、また溶接線の上方には引留帯32を扉体に固定するボルト37のボルト孔70がある。
図5、図6ならびに図7に示した実施例では扉体には縦リブが存在せず、扉体に作用する水圧力を空気袋4と繋留板7で支持した時に扉体に作用する曲げモーメントに対し、下止水板60と上止水板64の板厚による断面係数で対抗するので、扉体は比較的重量が大きくなるけれど、構造が簡単で加工工数が少なく、小形の起伏ゲートに適用すれば経済的に優れたものとなる。
この発明の空圧式起伏ゲートでは、ゲートの上流と下流の河床の落差を大きくすることが困難な緩やかな勾配の河川や用水路において、許容される河床落差を最大限に利用して、扉体が空気袋や引留帯を下流側根元部の空間に収容して保護するので、空圧式起伏ゲートの応用範囲を大きく広げることが可能である。
この発明の空圧式起伏ゲートの一実施例を示し、空圧式起伏ゲートが起立した状態の背面図である。 空圧式起伏ゲートが起立した状態の断面図である。 空圧式起伏ゲートが倒伏した状態の断面図である。 扉体の説明図である。 この発明の空圧式起伏ゲートの他の実施例を示し、起伏ゲートが起立した状態の断面図である。 空圧式起伏ゲートが倒伏した状態の断面図である。 扉体の説明図である。
1 コンクリートの上面
2 アンカーボルト
3 主押え板
4 空気袋
5 縁
6 縁
7 繋留板
8 縁
9 ロッド
10 折返し定着部
11 角
12 ロッド
13 折返し定着部
14 角
15 ロッド
16 折返し定着部
17 上流端
18 ナット
19 縁
20 下部の厚鋼板
21 半円形断面部
22 押え板
23 ボルト
24 ロッド
25 折返し定着部
26 横リブ
27 止水板
28 横桁
29 折曲線
30 導流板
31 縦リブ
32 引留帯
33 アンカーボルト
34 押え板
35 ロッド
36 折返し定着部
37 ボルト
38 押え板
39 ロッド
40 折返し定着部
41 倒伏時支持台
42 口金
43 空気管
44 排気用開閉弁
45 排気用流量調整弁
46 排気放出部
47 給気用開閉弁
48 給気用流量調整弁
49 空気圧縮機
50 雌ねじ
51 雌ねじ
52 ボルト孔
53 溶接線
60 下止水板
61 半円形断面部
62 横リブ
63 折曲線
64 上止水板
65 溶接線
66 横桁
67 導流板
68 雌ねじ
69 雌ねじ
70 ボルト孔

Claims (2)

  1. 断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置したアンカーボルトと主押え板とによって、ゴム引布製の帯状の繋留板の上流側の縁を水路底のコンクリートの上面に固定すると同時に、下流側の縁を鋼製の扉体の上流面の下端部にボルトと押え板によって固定することによって、扉体を水路の底に起伏自在に繋留すると同時に、コンクリートと扉体下部の間の漏水を防止し、
    加えて、鋼製の扉体の下流側の根元部に設置した枕状の空気袋に、陸上の空気操作装置から空気管を接続して、圧縮空気を空気袋に送入すれば、空気袋が膨張して扉体を起立させ、逆に空気袋から圧力を有する空気を排出すれば空気袋が平らに収縮して扉体が倒伏するようにした空圧式起伏ゲートにおいて、
    扉体の上流面の下端部に取付けたゴム引布製の繋留板の下流側の縁の直上部の止水板の起立時における上流面において、
    繋留板の厚とその押え板の厚との合計厚に相当する幅を有する細長い鋼板を、止水板の上流面に直角の姿勢で扉体下端に平行な方向として扉体の堰幅いっぱいに溶接取付して横リブとなし、上流面の扉体下端に平行な折曲線と横リブの突端とを結ぶ平面を上流面とする鋼板を、導流板として横リブと止水板に溶接取付すると同時に、導流板の上流面の延長の平面が、止水板の起立時における上流面の折曲線より上方の止水板の上流面より下流側に位置しないよう折曲線における止水板の上流面の折曲角を選択し、
    このことにより、扉体が倒伏して、導流板の上流面と折曲線より上方の止水板の上流面が、下流方向に緩やかな排水勾配となった時には、折曲線における折曲角の効果により、止水板の起立時における上流面の折曲線より下方の止水板の下流面において、コンクリートの床面との間に空気袋や引留帯を格納するために必要な空間が容易に確保されるようにしたことを特徴とする空圧式起伏ゲート。
  2. 請求項1の空圧式起伏ゲートにおいて、ゲート幅の小さい(6m以下)空圧式起伏ゲートを扉体の回転中心の延長方向に並べて設置することにより、幅の大きい水路の起伏ゲートとしたことを特徴とする空圧式起伏ゲート。
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