JP4147855B2 - 起伏ゲート - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、水路の底部に設けた回転軸によって自在に起立または倒伏を行うことにより、水路の流水を堰上げまたは放流する目的で使用される起伏ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、起伏ゲートとしては、水圧力を受ける鋼板(止水板)に対し充分に強固な横桁や縦桁を配置した鋼製扉体の頭部にワイヤロープやチェーンを取り付けて、これを陸上の巻上機で巻き取りまたは巻き戻して起立または倒伏の操作をする形式のものや、同様の鋼製扉体を油圧ジャッキで押し上げて起立させ、油圧ジャッキを縮めて倒伏させるものなどが種々開発され、使用されてきた。
【0003】
また近年は、内部の空気圧や外力(水圧力や流下物から受ける衝撃力等)に耐えるよう、布で補強されたゴムの筒を水路底に固定して、この内部に空気を圧入すればゴムの筒が膨らんで流水を堰上げ、逆に内部の圧力を有する空気を開閉弁を開いて放出することにより、ゴムの筒が自重と水圧力とによって扁平に潰れて堰上げてあった水が流出する、いわゆるゴム堰が開発されて広く利用されている。
【0004】
このように多種多様な起伏ゲートが開発され、使用されているが、それぞれに長所と短所とを有している現状に対し、技術上の問題点を解決し、同時に格段に安価に建設できる起伏ゲートを提供するために、出願人等は先に特願2001−116500において新しい起伏ゲートの技術を提案した。
【0005】
すなわちこの発明の起伏ゲートは、従来使用されてきた鋼製扉体による起伏ゲートの外力(水圧力や流下物から受ける衝撃力等)に対して強く、耐摩耗性があり、中間的起立姿勢でも安定しているという長所を生かしながら、空気袋によりゲートを幅方向に連続して支持するというゴム堰と同等の経済性を導入することに成功した非常に安価で、取扱が容易な起伏ゲートである。
【0006】
より詳しくは、
a)断面が長方形の水路の底を横断して1列に設置した鉛直のアンカーボルトと固定台兼用押え板とが平らな長方形に製作した3辺が閉じ1辺が開いたゴム引布製の空気袋の開いた辺を水路の底に押え付けることによって、開いた辺を密閉しつつ、水路の底に空気袋を固定する。
b)上記固定台兼用押え板の上面に十分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板の1辺をボルトと押え板によって強固に固定し、他の辺を堰幅より少し小さい幅方向の寸法と、起立時に必要な起立高を確保するために必要な長さを有する鋼板製の扉体の下部の上流面に、ボルトと押え板とにより強固に固定することによって、固定台兼用押え板に鋼板製の扉体を起伏自在に繋ぐと同時に両者間漏水を防止する。
【0007】
このように構成した起伏ゲートにおいては、ゴム引布製の空気袋が扉体の下流の根元に位置して、扉体をほぼ全幅において連続して支持するので、扉体には、横方向の補強桁は必要ではない。したがって、扉体の厚さを固定台兼用押え板の厚さ以下とすることが可能となる。
【0008】
さらにこの発明においては、鋼板製の扉体が固定台兼用押え板に対し柔軟でかつ十分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板によって繋留されることにより起伏する構造で、回転軸と軸受を必要としないから非常に簡単な構造の起伏ゲートを提供することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特願2001−116500の起伏ゲートにおいては、下部の水密を形成するゴム引布製の繋ぎ板は、固定台兼用押え板の上面と鋼板製の扉体の下部の上流面とにそれぞれボルトと押え板によって取り付けられるから、両者間の漏水は完全に防止することができるけれど、空気袋の両側部と側面戸当の間に生じやすい隙間から漏水する不具合が発生する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこでこの発明の起伏ゲートにおいては、下部の水密を形成するゴム引布製の繋ぎ板を固定台兼用押え板より上流方向へ伸ばして、基礎コンクリートに設置した止水金物の上面にもボルトと押え板によって取り付けることにした。
【0011】
すなわち、鋼板製の扉体を水路の底に起伏自在に繋留すると同時に下部の水密を形成するゴム引布製の繋ぎ板は、止水金物の上面と、固定台兼用押え板の上面と鋼板製の扉体の下部の上流面とにそれぞれボルトと押え板とによって取り付けられることによって、繋留と水密の効果を挙げるのである。
【0012】
このようにすれば、空気袋のアンカーボルトと固定台兼用押え板とによって水路の底に押え付けられた部分は、空気袋の固定と、開いて製作した辺を密閉する機能を具備すれば充分となり、水密とは無関係となる。
【0013】
当然、ゴム引布製の繋ぎ板の堰幅方向の寸法は両岸の側面戸当の間の寸法と精度良く一致し、ゴム引布製の繋ぎ板の端面は側面戸当の表面と良好な接触を保持することが可能となるから、下部の水密と側面の水密との連続性も良好となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の起伏ゲートの実施の形態を図面に基づき詳述する。
図1、図2、図3、図4ならびに図5はこの起伏ゲートの1実施例を示すものであり、図1は起伏ゲートの背面図、図2は起伏ゲートの断面図でともに起立状態を示し、図3は起伏ゲートの断面図で倒伏状態を示し、図4は扉体の説明図であり、図5は空気袋の説明図である。
【0015】
図1、図2ならびに図3において、断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1に水路を横断して1列に設置した鉛直のアンカーボルト2が固定台兼用押え板3によって、3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋4の開いた辺の縁5を水路の底のコンクリートの上面1に押え付けることによって、空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4を水路の底のコンクリートの上面1に固定する。
この空気袋4の開いた辺の縁5の端には、樹脂製のロッド6によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部7があり、固定台兼用押え板3の上流の角8ならびにコンクリートの上面1の上流の角9に掛かって、空気袋4の開いた辺の縁5が空気袋4に作用する張力によって引抜かれないように機能する。
【0016】
次に、固定台兼用押え板3に沿って上流側の基礎コンクリート10に設けた止水金物11の上面に十分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板12の1辺をボルト13と押え板14によって強固に固定し、固定台兼用押え板3の上面にもボルト15と押え板16によって強固に固定し、加えて下流側の他の辺を鋼板製の扉体17の下部の上流面に、ボルト18と押え板19とにより強固に固定することによって、鋼板製の扉体17を固定台兼用押え板3に起伏自在に繋ぐと同時に、基礎コンクリート10に設けた止水金物11と固定台兼用押え板3と扉体17の間の漏水を防止する。
この繋ぎ板12の端部には樹脂製のロッド20によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部21があり、押え板14の上流の角22ならびに押え板19の下流の角23に掛かって、作用する張力によって繋ぎ板12が所定の位置から引抜かれないように機能する。
加えて、水路の底の空気袋4より下流側の適当な位置のコンクリートの上面24に設置したアンカーボルト25と押え板26で一端をコンクリートの上面24に固定した十分な強度を有するゴム引布製の帯27の他端を扉体17の下流側の面の空気袋4の接触する位置より上の適当な位置にボルト28と押え板29で固定することにより、扉体17が所定位置まで起立したときには、この帯27に作用する張力により扉体17が停止するようにする。
この帯27においても、その端部には樹脂製のロッド30によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部31があり、押え板26の角32ならびに押え板29の角33に掛かって、作用する張力によって帯27が所定の位置から引抜かれないように機能する。
【0017】
次に扉体17の頭部の曲げ加工部34は、起立時には扉体17を越流する水を下流側に導くことにより、越流する水や一緒に流下する流木等が空気袋4や帯27等を打たないよう保護する。
また倒伏時には、扉体17の頭部の曲げ加工部34の先端が支持台35に支持されて、コンクリートの上面1、コンクリートの上面24、ならびに扉体17によって必要な空間を確保するから、空気袋4や帯27は扉体17に押し潰されることがない。
【0018】
図4に示すように、鋼板製の扉体17は、堰幅より少し小さい幅方向の寸法と、起立時に必要な起立高を確保するために必要な長さを有するものであって、この鋼板製の扉体17の頭部には曲げ加工部34が形成され、その下端に固定台兼用押え板3の厚さとほぼ等しい直径の丸棒鋼36を溶接して扉体17が起伏運動をするに際して、扉体17の下端が空気袋4の上面37を滑りやすくする。また鋼板製の扉体17の丸棒鋼36に沿う部分には、繋ぎ板12を固定するボルト18をねじ込む雌ねじ38が1列に並んでおり、その上方には、帯27を固定するボルト28に合わせたボルト孔39がある。
【0019】
図5に示すように、空気を排出したときには、平らな長方形となるよう製造された空気袋4の開いた辺の寸法は、ゲート幅より少し小さく、これと直角の方向には、膨張したときに扉体17を押し起すのに十分な寸法を有している。
そして固定台兼用押え板3で押えるべき開いた辺以外の3辺では、ゴム引布が連続して折れ曲り閉じている。また、開いた辺では、相対する2枚のゴム引布の縁5の端部に、樹脂製のロッド6によって補強繊維の折曲半径が過小とならないよう保護した補強繊維の折返し部7がある。さらに、この折返し部7に平行してアンカーボルト2が貫通するための孔40が2枚のゴム引布の縁5を貫いている。また空気袋4の下側のゴム引布の中央付近には、口金41が取付けられる。
【0020】
このように構成した上で、空気袋4の下部の口金41に接続した空気管42を水路のコンクリートに埋設するなどして陸上に導き、空気操作装置の排気用開閉弁43、排気用流量調節弁44、排気放出部45、給気用開閉弁46、給気用流量調節弁47、空気圧縮機48に、図1、図2および図3のように接続する。
【0021】
その上で空気圧縮機48から給気用流量調節弁47、給気用開閉弁46、空気管42、口金41を経由して空気袋4の内部に空気を圧入した結果、扉体17が起立した状態の断面図が図2であり、扉体17の頭部の曲げ加工部34が、越流する水を下流に導いて、空気袋4や帯27を打たないよう機能している。
この状態を下流から見たのが図1であり、空気袋4が扉体17の背面側にあってほぼ全幅において扉体17を支えている。
【0022】
他方、空気圧縮機48を停止し、給気用開閉弁46を閉じ、排気用開閉弁43を開いて、空気袋4の内部の圧力を有する空気を、排気用流量調節弁44によって制御しつつ、排気放出部45から大気中へ放出した結果、扉体17が完全に倒伏した状態の断面図が図3である。
この状態では、水路の底を土砂等が激しく流下することがあるので、固定台兼用押え板3に沿って直上流の基礎コンクリート10に設けた止水金物11は基礎コンクリート10の落差部の補強の機能をも有するようにする。
【0023】
図6、図7、図8および図9はこの発明に係る起伏ゲートの他の実施例を示すものであり、図6は起伏ゲートの断面図で起立状態を示し、図7は起伏ゲートの断面図で倒伏状態を示し、図8は扉体の説明図であり、図9は空気袋の説明図である。
【0024】
図6および図7において、断面が長方形の水路の底に、水路を横断して設置したアンカー金物61に設けた1列の鉛直の雌ねじ62にねじ込むボルト63が、固定台兼用押え板3の下流側の凸部64によって空気袋4の開いた辺の縁5を、アンカー金物61の下流側の凸部65に押え付けることによって、空気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4をアンカー金物61に固定する。
この空気袋4の開いた辺の縁5の端には、樹脂製のロッド6によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部7があり、固定台兼用押え板3の下流側の凸部64の上流側の角66とアンカー金物61の下流側の凸部65の上流側の角67に当たって、空気袋4の開いた辺の縁5が空気袋4に作用する張力によって引抜かれないように機能する。
【0025】
また、ボルト63によって固定台兼用押え板3を押え付けるときには、その上流側の凸部68がアンカー金物61の上流側の凸部69によって支持され、ボルト63をねじ込むほど、固定台兼用押え板3の下流側の凸部64はより強く空気袋4の開いた辺の縁5を押し付けるので、空気袋4の開いた辺の密閉と固定が確実なものとなる。
【0026】
次に、固定台兼用押え板3の直上流に設けたアンカー金物61の止水部70の上面に、十分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板12の1辺をボルト13と押え板14によって強固に固定し、固定台兼用押え板3の上面の凸部71にもボルト15と押え板16によって強固に固定し、加えて下流側の他の辺を鋼板製の扉体17の下部の上流面にボルト18と押え板19によって強固に固定することによって、鋼板製の扉体17を固定台兼用押え板3に起伏自在に繋ぐと同時にアンカー金物61の止水部70と固定台兼用押え板3と扉体17の間の漏水を防止する。
この繋ぎ板12の端部には樹脂製のロッド20によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部21があり、押え板14の上流の角22ならびに押え板19の角23に掛かって、作用する張力によって繋ぎ板12が所定の位置から引抜かれないように機能する。
加えて、水路の底の空気袋4より下流側の適当な位置のコンクリートの上面24に設置したアンカーボルト25と押え板26で一端をコンクリートの上面24に固定した十分な強度を有するゴム引布製の帯27の他端を扉体17の下流側の面の空気袋4の接触する位置より上の適当な位置にボルト28と押え板29で固定することにより、扉体17が所定位置まで起立したときには、この帯27に作用する張力により扉体17が停止するようにする。
この帯27においても、その端部には樹脂製のロッド30によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し部31があり、押え板26の角32ならびに押え板29の角33に掛かって、帯27に作用する張力によって所定の位置から引抜かれないように機能する。
【0027】
次に扉体17の頭部の曲げ加工部34は、起立時には扉体17を越流する水を下流側に導くことにより、越流する水や一緒に流下する流木等が空気袋4や帯27等を打たないよう保護する。
また倒伏時には、扉体17の頭部の曲げ加工部34の先端が支持台35に支持されて、コンクリートの上面1、コンクリートの上面24、ならびに扉体17によって必要な空間を確保するから、空気袋4や帯27は扉体17に押し潰されることがない。
【0028】
図8に示すように、鋼板製の扉体17は、堰幅より少し小さい幅方向の寸法と、起立時に必要な起立高を確保するために必要な長さを有するものであって、この鋼板製の扉体17の頭部には曲げ加工部34が形成され、その下端には固定台兼用押え板3の厚さとほぼ等しい直径の丸棒鋼36がある。この丸棒鋼36は扉体17が起伏運動をするに際して、扉体17の下端が空気袋4の上面37を滑りやすくする。また、鋼板製の扉体17の丸棒鋼36に沿う部分には、繋ぎ板12を固定するボルト18をねじ込む雌ねじ38が1列に並んでおり、その上方には、帯27を固定するボルト28に合わせたボルト孔39がある。
さらに扉体17の高さ方向の曲げ剛性を強化するために、細長い補強鋼板72を扉体17の上流面に直角の姿勢で水の流れに平行の方向に溶接で取り付けてある。また補強鋼板72の内、必要な個所にあるものでは、連結鋼板73を曲げ加工部34の上まで延伸し、曲げ加工部34の先端に突起させたスポイラ74と結合させる。スポイラ74は、扉体17を越流する水が曲げ加工部34から落下するときに発生することがある低周波騒音を防止する。
スポイラ74と補強鋼板72を連結鋼板73によって連結すると、起立時にも倒伏時にも流芥がスポイラ74に掛かって流下しないという事態を防止する効果がある。
【0029】
図9にこの実施例における空気袋4の説明図を示す。この実施例では固定台兼用押え板3を押え付けるボルト63が空気袋4を貫通しないから、開いた辺の縁5に孔を開ける必要がないので、密閉もより確実となり有利である。
【0030】
このように構成した上で、空気袋4の下部の口金41に接続した空気管42を水路のコンクリートに埋設するなどして陸上に導き、空気操作装置の排気用開閉弁43、排気用流量調節弁44、排気放出部45、給気用開閉弁46、給気用流量調節弁47、空気圧縮機48に、図6および図7のように接続する。
【0031】
その上で空気圧縮機48から給気用流量調節弁47、給気用開閉弁46、空気管42、口金41を経由して空気袋4の内部に空気を圧入した結果、扉体17が起立した状態の断面図が図6であり、扉体17の頭部の曲げ加工部34が、越流する水を下流に導いて、空気袋4や帯27を打たないよう機能している。
【0032】
他方、空気圧縮機48を停止し、給気用開閉弁46を閉じ、排気用開閉弁43を開いて、空気袋4の内部の圧力を有する空気を、排気用流量調節弁44によって制御しつつ、排気放出部45から大気中へ放出した結果、扉体17が完全に倒伏した状態の断面図が図7である。
【0033】
【発明の効果】
この発明の起伏ゲートによれば、固定台兼用押え板3が空気袋の密閉と固定をする押え板の機能、ならびに扉体を起伏自在に繋留しつつ下部水密ゴムの作用をする繋ぎ板の固定台の機能を兼ねることによって部品数の少ない、コンパクトな構造とすることができた。加えて繋ぎ板を固定台兼用押え板より上流方向に伸ばして基礎コンクリートに設置した止水金物の上面にボルトと押え板で取り付けることにより空気袋を水密に関係ない部品としたので、下部水密の確実性が著しく向上した。
また繋ぎ板は十分な強度と柔軟性を有するゴム引布製であり、鋼製の回転軸と軸受によって起伏機能を確保する場合と比較すると、非常に安価な回転中心が実現した。
【0034】
加えて、固定台兼用押え板の採用の効果として、起伏ゲートの上流と下流との間で必要な落差が小さくなり、コンクリート構造物が簡単で小さなものとなる経済効果もある。
さらに、この発明の起伏ゲートでは、鋼製の扉体が空気袋や帯を常に保護しているから、流下する土砂、転石、流木、流氷などに対し、鋼製起伏ゲートと同等の強度や耐久性が得られる。
【0035】
以上のように、この発明の起伏ゲートは非常に経済性に優れており、強度や耐久性も従来の鋼製起伏ゲートと同等である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の起伏ゲートの一実施例を示し、起伏ゲートが起立した状態の背面図である。
【図2】起伏ゲートが起立した状態の断面図である。
【図3】起伏ゲートが倒伏した状態の断面図である。
【図4】起伏ゲートの扉体の説明図である。
【図5】この発明の空気袋の概略図である。
【図6】この発明の起伏ゲートの他の実施例を示し、起伏ゲートが起立した状態の断面図である。
【図7】起伏ゲートが倒伏した状態の断面図である。
【図8】起伏ゲートの扉体の説明図である。
【図9】空気袋の概略図である。
【符号の説明】
1 コンクリートの上面
2 アンカーボルト
3 固定台兼用押え板
4 空気袋
5 開いた辺の縁
6 ロッド
7 折返し部
8,9 角
10 基礎コンクリート
11 止水金物
12 繋ぎ板
13 ボルト
14 押え板
15 ボルト
16 押え板
17 扉体
18 ボルト
19 押え板
20 ロッド
21 折返し部
22,23 角
24 コンクリートの上面
25 アンカーボルト
26 押え板
27 帯
28 ボルト
29 押え板
30 ロッド
31 折返し部
32,33 角
34 曲げ加工部
35 支持台
36 丸棒鋼
37 上面
38 雌ねじ
39 ボルト孔
40 孔
41 口金
42 空気管
43 排気用開閉弁
44 排気用流量調整弁
45 排気放出部
46 給気用開閉弁
47 給気用流量調整弁
48 空気圧縮機
61 アンカー金物
62 雌ねじ
63 ボルト
64,65 凸部
66,67 角
68 凸部
69 凸部
70 止水部
71 凸部
72 補強鋼板
73 連結鋼板
74 スポイラ
Claims (4)
- a)3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋の開いた辺を、断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置した鉛直のアンカーボルトと固定台兼用押え板により、前記開いた辺を密閉しつつ、水路の底に固定した空気袋と、
b)上記固定台兼用押え板の上面に十分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板の中間部をボルトと押え板によって強固に固定し、その下流側の縁を鋼板製の扉体の下部の上流面にボルトと押え板とにより強固に固定することによって、固定台兼用押え板に起伏自在に繋いだ、堰幅より少し小さい幅方向の寸法と、起立時に必要な起立高を確保するために必要な長さを有する鋼板製の扉体と、
c)上流側の縁を、固定台兼用押え板に沿って上流側の基礎コンクリートに設けた止水金物の上面にボルトと押え板によって固定することにより、基礎コンクリートの止水金物と固定台兼用押え板と扉体との間の漏水を防止するゴム引布製の繋ぎ板と、
d)扉体が起伏運動するときに扉体下端が空気袋の上面を滑りやすくするために、鋼板製の扉体の下端に溶接取付した固定台兼用押え板の厚さとほぼ等しい直径の丸棒鋼と、
e)一端を、水路底の空気袋より下流の適当な位置に設置したアンカーボルトと押え板で固定するとともに、他端を鋼板製の扉体の下流面の空気袋が接触するより上側の適当な位置にボルトと押え板で固定して、扉体が所定の姿勢まで起立したときには、その張力により扉体が停止するようにした十分なる強度を有するゴム引布製の帯とから構成され、
f)陸上の空気操作装置から空気袋に空気管を接続し、この空気袋の内に空気操作装置から圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張して扉体を起立させ、逆に空気袋から空気を排出すれば、空気袋が平らに潰れて扉体が倒伏するようにしたことを特徴とする起伏ゲート。 - 請求項1の起伏ゲートにおいて、水路の底を横断して並べて設置した鉛直のアンカーボルトの代りの、水路の底を横断して設置したアンカー金物に並べて設けた鉛直の雌ねじにねじ込むボルトと固定台兼用押え板とが、平らな長方形に製作した3辺が閉じ、1辺が開いたゴム引布製の空気袋の開いた辺を、アンカー金物に押え付けることによって、開いた辺を密閉しつつ、空気袋をアンカー金物に固定したことを特徴とする起伏ゲート。
- 請求項1または2の起伏ゲートにおいて、扉体の高さ方向の曲げ剛性を強化する目的で、扉体の上流側の面に、細長い鋼板を当該面に直角の姿勢で、水の流れに平行な方向に溶接により取り付けたことを特徴とする起伏ゲート。
- 請求項1ないし3のいずれかの起伏ゲートにおいて、ゲート幅の小さい(2〜3m程度)起伏ゲートを、扉体の回転中心の延長方向に並べて設置することにより、幅の大きい(10〜200m程度)水路の起伏ゲートとしたことを特徴とする起伏ゲート。
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