JP2002309555A - 防潮ゲート - Google Patents

防潮ゲート

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JP2002309555A JP2001116501A JP2001116501A JP2002309555A JP 2002309555 A JP2002309555 A JP 2002309555A JP 2001116501 A JP2001116501 A JP 2001116501A JP 2001116501 A JP2001116501 A JP 2001116501A JP 2002309555 A JP2002309555 A JP 2002309555A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は多種多様なゲートが開発され、使用
されているが、それぞれに長所と短所を有している現状
に対し、技術上の問題点を解決し、同時に格段に安価に
建設できる防潮ゲートを提供するものである。 【解決手段】この発明の防潮ゲートは、従来使用されて
きた鋼製扉体による防潮ゲートの外力(水圧力や流下物
から受ける衝撃力等)に対して強く、耐摩耗性があり、
中間的起立姿勢でも安定しているという長所を生かしな
がら、空気袋によりゲート幅方向に連続して外力の支持
をするというゴム堰と同等の経済性を導入することに成
功した非常に安価で、取扱いが容易な防潮ゲートであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、海辺にある地域
が高潮等に襲われて水没する災害を防止するために、海
岸等に設置する防潮ゲートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、海辺にある地域を高潮の災害から
保護する目的で建造されたのは堤防やコンクリートの壁
であった。ただ、道路のために堤防が作れない所には横
引きのゲートを準備しておき、必要なときに引き出して
使用したり、河川が流出する場所では樋門を設けて通常
引き上げておくローラーゲートやスライドゲートの扉体
を必要なときに降下させて開口部を閉じたりしているの
である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように高潮による
災害を防ぐためには、堤防やコンクリートの壁を建造す
るのが基本ではあるが、人が居住する場所に隣接した現
存の防潮堤の嵩上げが必要となった場合などでは困った
問題が発生することがある。それは、高くなった堤防の
ために日照が悪くなる、通風が妨げられて生活環境が悪
くなる、視界が狭くなる、景色が悪くなる等の理由で、
住む人達の賛成が得られない事態となることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこでこの発明は、この
ような場合に海岸に設置する防潮ゲートを提供しようと
するものである。すなわち、通常時は平らに倒伏して、
日照や通風を確保し、景観を保全しており、高潮の危険
に臨んでは起立して必要な高さとなり、海水が陸側に侵
入するのを防止するのである。加えて、扉体の陸側の頭
部に逆T字形の制御棒を吊り下げることにより、起立し
た扉体が高潮の水圧を受けたときには支柱として作用し
て倒伏を防止するよう構成して、防潮ゲートの災害防止
機能の確実性を向上させたものである。
【0005】しかしてこの発明の防潮ゲートは、 a)防潮堤の海側壁面の上端に突起した鉛直面に、防潮
堤の天端に平行に設置した1列の水平横向きのアンカー
ボルトと固定台兼用押え板とが、空気を排出したとき平
らな長方形に潰れる3辺が閉じ1辺が開いたゴム引布製
の空気袋の開いた辺を、上記鉛直面に押え付けることに
よって開いた辺を密閉しつつ、空気袋を防潮堤の海側上
端に固定する。 b)上記固定台兼用押え板の海側面に、十分な強度を有
するゴム引布製の繋ぎ板の1辺を、固定台兼用押え板の
上面より適当量だけ上に突き出た押え板とボルトによっ
て強固に固定し、他の辺を堰幅より少し小さい幅方向の
寸法と起立時に必要な起立高を確保するために必要な長
さを有する鋼板製の扉体の海側面の下部に押え板とボル
トにより強固に固定することによって、固定台兼用押え
板に鋼板製の扉体を起伏自在に繋ぐと同時に両者間の漏
水を防止する。 c)さらに、鋼板製の扉体の陸側面の頭部に、扉体の回
転中心に平行な軸によって、揺動自在に吊り下げられた
逆T字形の制御棒が、防潮堤の陸側壁面の上端で陸側へ
長く突出したガイド金物に開けた長円形のガイド溝に挿
入されていることにより、扉体が所定の姿勢まで起立し
たときには制御棒下端の横突出部がガイド金物の下面に
当って発生する張力によって扉体が停止し、また扉体に
高潮の水圧が作用したときには制御棒の下先端がガイド
金物の根元の下に位置する支持台に支えられるため扉体
がそれ以上倒伏することはなく、さらに扉体を倒伏させ
る場合には、ガイド金物と支持台の中間に設けた押出シ
リンダによって上記制御棒の下端を支持台より陸側に押
出すことにより制御棒が上記ガイド溝にしたがって降下
するようにする。このように構成した上で、陸上の空気
操作装置から空気袋に空気管を接続し、この空気袋の内
に空気操作装置から圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張
して扉体を起立させ、逆に空気袋から空気を排出すれ
ば、空気袋が平らに潰れて扉体が倒伏するようにしたこ
とを特徴とするものである。
【0006】この発明は上記防潮ゲートにおいて、防潮
堤の天端に平行に設置した1列の水平横向きのアンカー
ボルトの代りの、防潮堤の海側壁面の上端に設置したア
ンカー金物の突起した鉛直面において、防潮堤天端に平
行して設けた、1列の水平横向きの雌ねじにねじ込むボ
ルトと固定台兼用押え板とが、空気を排出したとき平ら
な長方形に潰れる3辺が閉じ1辺が開いたゴム引布製の
空気袋の開いた辺を、上記鉛直面に押え付けることによ
って、開いた辺を密閉しつつ、空気袋を防潮堤の海側上
端に固定したことをも特徴とするものである。
【0007】この発明はまた上記各防潮ゲートにおい
て、扉体の高さ方向の曲げ剛性を強化する目的で、扉体
の海側の面に、細長い鋼板を当該面に直角の姿勢で、扉
体の回転中心に直角の方向に溶接により取り付けたこと
をも特徴とするものである。
【0008】この発明は上記各防潮ゲートにおいて、ゲ
ート幅の小さい(2〜3m程度)防潮ゲートを、扉体の
回転中心の延長方向に並べて設置することにより、幅の
大きい(10〜300m程度)防潮ゲートとしたことを
も特徴とするものである。
【0009】この発明は、上記の防潮ゲートにおいて、
奇数基のゲート幅の小さい防潮ゲートを扉体の回転中心
の延長方向に並べて設置し、この内、偶数番目の防潮ゲ
ートにおいては、扉体が所定の姿勢まで起立したときに
扉体を停止させるための制御棒下端の横突出部を省略す
ると同時に、扉体の側端部の全長においてその陸側面か
ら隣接するゲートに向けて突起する鋼板を設けることに
より、奇数番目の防潮ゲートがその制御棒に作用する張
力によって所定の起立姿勢で停止したときに、当該突起
する鋼板が隣接する奇数番目の防潮ゲートの扉体の側端
部の陸側面に支持されて、両扉体の間の漏水を防止しつ
つ、偶数番目の防潮ゲートの扉体も所定の起立姿勢にて
停止するようにしたことをも特徴とするものである。
【0010】この発明は上記各防潮ゲートにおいて、空
気操作装置に充分大きな体積を有する空気タンクを含ま
せることにより、防潮ゲートを起立させるとき、空気タ
ンクに蓄えた圧縮空気を使用するようにしたことをも特
徴とするものである。
【0011】この発明は上記各防潮ゲートにおいて、鋼
板製の扉体の海側の面に、車両の走行や人の歩行に耐え
る路床を取り付けたことをも特徴とするものである。
【0012】以上のように、この発明では問題解決のた
めに、固定台兼用押え板を採用したことが重要である。
固定台兼用押え板は1個の部品が空気袋を押える機能、
扉体を繋ぎ止める繋ぎ板を固定する機能、ならびに扉体
を下から支持する機能を有するので、簡単な構造の防潮
ゲートを提供することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の防潮ゲートの実
施の形態について図面を用いて詳説する。図1、図2、
図3、図4、図5、図6ならびに図7はこの発明の防潮
ゲートの一実施例を示すものであり、図1は扉体が起立
した状態の防潮ゲートの背面図、図2は制御棒に張力が
作用する所定の姿勢まで扉体が起立したときの横断面
図、図3は扉体が起立した防潮ゲートに高潮が作用した
結果、支持台に支えられた制御棒が扉体を支持した状況
の防潮ゲートの横断面図、図4は押出シリンダによって
制御棒下端を支持台より陸側に押出し、扉体の倒伏操作
を開始しようとする防潮ゲートの横断面図、図5は扉体
が倒伏した状態の防潮ゲートの横断面図、図6は扉体、
制御棒ならびに制御棒の回転軸の組立状況の説明図、図
7は空気袋の形状の説明図である。
【0014】図2、図3、図4ならびに図5において、
防潮堤の海側壁面の上端に突起した鉛直面1に水平横向
きで防潮堤の天端に平行に1列に設置したアンカーボル
ト2は、固定台兼用押え板3によって空気袋4の開いた
辺の縁5を上記鉛直面1に押え付けることによって、空
気袋4の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋4を防潮
堤の海側上端に固定する。
【0015】この空気袋4の開いた辺の縁5の端部に
は、樹脂製のロッド6によって補強繊維の折曲半径が過
小とならないように保護した補強繊維の折返し部7があ
り、固定台兼用押え板3の下端の角8ならびに鉛直面1
の下端の角9にかかって、空気袋4の開いた辺の縁5が
空気袋4に作用する張力によって引き抜かれないように
する。
【0016】次に、固定台兼用押え板3の海側の面に十
分な強度を有するゴム引布製の繋ぎ板10の1辺を固定
台兼用押え板3の上面11より適当量だけ上方に突き出
た押え板12とボルト13によって強固に固定し、他の
辺を堰幅より少し小さい幅方向の寸法と起立時に必要な
起立高を確保するために必要な長さを有する鋼板製の扉
体14の海側面の下部に、押え板15とボルト16によ
り強固に固定することによって、固定台兼用押え板3に
鋼板製の扉体14を起伏自在に繋ぐと同時に両者間の漏
水を防止する。この繋ぎ板10の端部には樹脂製のロッ
ド17によって補強繊維の折曲半径が過小とならないよ
う保護した補強繊維の折返し部18があり、固定台兼用
押え板3の海側の下の角19ならびに押え板14の角2
0に掛かって、作用する張力によって繋ぎ板10が所定
の位置から引き抜かれないようにする。また扉体14の
下端に取り付けられた丸棒鋼21は固定台兼用押え板3
の上面11に支持されると同時に押え板12の上方向に
突き出た部分22によって繋ぎ板10を介して海側から
も支持されているから、扉体14は丸棒鋼21を回転の
支持点にして円滑な起伏運動を行なうことができる。
【0017】加えて、鋼板製の扉体14の頭部の陸側面
に設けた軸受23に支持される扉体の回転中心に平行な
軸24によって、逆T字形の制御棒25を揺動自在に吊
り下げると同時に、防潮堤の陸側壁面の上端で陸側へ長
く突出したガイド金物26に開けた長円形のガイド溝2
7に挿入し、さらに制御棒25の下端には横突出部28
を設ける。
【0018】図2に示すように、鋼板製の扉体14が所
定の起立姿勢まで起立したときには、自重によってほぼ
鉛直な姿勢となって吊り下げられた制御棒25の下端の
横突出部28がガイド金物26の根元部の下面29に当
るため、制御棒25に張力が発生して扉体14が停止す
る。そして、図3に示すように、起立した鋼板製の扉体
14に高潮が襲来し、水面30による水圧が作用する
と、扉体14は少量だけ倒伏側に動くことがある。しか
しこの場合には、制御棒25の横突出部28の下面が外
れ止め31に保護されつつ支持台32に支えられるの
で、制御棒25には圧縮力が作用し、扉体14の倒伏運
動を阻止することができる。
【0019】次に、起立した扉体14を倒伏させるため
には、図4に示すように、制御棒25の下端の横突出部
28を支持台32と外れ止め31より陸側に押出してや
るとよい。このため、ガイド金物26のガイド溝27に
中心を一致させた空気シリンダ33の頭部側に取付けた
空気管34は、開閉弁35、流量調整弁36を経由して
空気タンク37に接続し、同時に開閉弁38、流量調整
弁39を経由して空気放出部40に接続する。同時に、
空気シリンダ33の底部側に取付けした空気管41は、
開閉弁42、流量調整弁43を経由して空気タンク37
に接続し、同時に開閉弁44、流量調整弁45を経由し
て空気放出部46に接続する。加えて空気タンク37に
は逆止弁47を経由して空気圧縮機48を接続し、通常
空気タンク37内に圧縮空気を貯える。
【0020】今、開閉弁44と開閉弁35を閉じ、開閉
弁42と開閉弁38を開くと、空気タンク37内の圧縮
空気が流量調整弁43、開閉弁42、空気管41を経由
して空気シリンダ33の底部側に流入し、同時に空気シ
リンダ33の頭部側の空気が押されて空気管34、開閉
弁38、流量調整弁39を経由して空気放出部40から
大気中に放出されるので、ピストンの頭部49が制御棒
25の下端の横突出部28を支持台32と外れ止め31
より陸側に押し出すことができる。逆に、開閉弁38と
開閉弁42を閉じ、開閉弁35と開閉弁44を開くと、
空気タンク37内の圧縮空気が流量調整弁36、開閉弁
35、空気管34を経由して空気シリンダ33の頭部側
に流入し、同時に空気シリンダ33の底部側の空気が押
されて空気管41、開閉弁44、流量調整弁45を経由
して空気放出部46から大気中に放出されるので、ピス
トンの頭部49が支持台32より海側に格納される。こ
の状況は図2、図3ならびに図5に示してある。
【0021】このように構成した上で、空気袋4の下部
の口金50に連結した空気管51を防潮堤のコンクリー
トに埋設するなどして高所に導き、空気操作装置の開閉
弁52、流量調整弁53、開閉弁54、流量調整弁5
5、空気放出部56、ならびに空気タンク37に、図
1、図2、図3、図4および図5のように接続する。
【0022】その上で、開閉弁54を閉じ、開閉弁52
を開いて空気タンク37から、流量調整弁53、開閉弁
52、空気管51を経由して空気袋4の内部に圧縮空気
を送入した結果、空気袋4が膨張して扉体14が起立し
た状態の断面図が図2である。扉体14は所定姿勢まで
起立し、制御棒25に張力が作用して停止し、扉体14
の先端は所定の高さに達している。この状態を陸側から
見たのが図1であり、空気袋4が扉体14の陸側にあっ
て、ほぼ全幅において扉体14を支えている。
【0023】また、開閉弁52を閉じ、開閉弁54を開
いて、空気袋4の内部の圧力を有する空気を、空気管5
1、開閉弁54、流量調整弁55を経由して空気放出部
56から大気中に放出した結果、扉体14が完全に倒伏
した状態の断面図が図5である。扉体14の頭部の曲げ
加工部57が、ガイド金物26の先端の上面に支持され
た結果、防潮堤天端と扉体14との間に空間が確保され
るから、空気袋4が扉体14によって押し潰されること
はない。
【0024】図6に示すごとく、扉体14の下端の丸棒
鋼21に沿って繋ぎ板10を固定するボルト16に合わ
せた雌ねじ58があり、頭部の曲げ加工部57の軸受2
3に支持される軸24に揺動自在に吊り下げた制御棒2
5の下端には横突出部28が取付けられている。
【0025】図7に示すように、空気を排出したときに
は平らな長方形に潰れるよう製造された空気袋4はゲー
ト幅より少し小さな幅方向の寸法と、これに直角方向に
は膨張したときに扉体14を押し起すのに必要な長さを
有している。そして、固定台兼用押え板3で押えるべき
開いた辺以外の3辺ではゴム引布が連続して折返し閉じ
ている。また開いた辺の相対する2枚のゴム引布の端部
には、樹脂製のロッド6によって補強繊維の折曲半径が
過小とならないよう保護した補強繊維の折返し部7があ
る。
【0026】さらにこの折返し部7に平行してアンカー
ボルト2が貫通するための孔59が、2枚のゴム引布製
の板の縁5を貫いている。また空気袋4の下側のゴム引
布の中央付近には口金50が取付けられている。
【0027】図8、図9および図10は、この発明に係
る防潮ゲートの他の実施例を示すものであり、図8は独
立した状態の防潮ゲート群の背面図、図9は下端の横突
出部のない制御棒を有する偶数番目の防潮ゲートの断面
図で起立状態を示し、図10は隣接する防潮ゲートの扉
体の重なりの説明図である。図8は奇数基の防潮ゲート
で構成した防潮ゲート群の1例として3基の幅の小さい
防潮ゲートを並べて設置した場合を示し、防潮ゲート群
が起立した状態の背面図である。図8において奇数番目
の防潮ゲート(1番目と3番目)は、図1から図7に示
した防潮ゲートと同一であり、扉体101の陸側面の頭
部に揺動自在に吊り下げられた逆T字形の制御棒25
は、扉体101が所定の姿勢まで起立したときに張力が
発生して扉体を停止させる機能と高潮の水圧を受けた扉
体101を陸側で支持して倒伏しないようにする機能の
両方を保有している。
【0028】しかし、偶数番目の防潮ゲート(2番目)
の扉体102の頭部に揺動自在に吊り下げられた制御棒
103の下端には横突出部を有しないから、制御棒10
3は扉体102が所定の姿勢まで起立したときに張力が
発生して扉体を停止させる機能は保有せず、高潮の水圧
を受けた扉体102を陸側で支持して倒伏しないように
する機能のみを保有する。図9に偶数番目の防潮ゲート
が起立した状態の断面図を示す。この図9は奇数番目の
防潮ゲートが起立した状態の断面図である図2において
制御棒25の下端の横突出部28を削除したものであ
る。また、偶数番目の防潮ゲートの扉体102の側端部
の陸側面には、全長において奇数番目の防潮ゲートの扉
体101に向けて突起する鋼板104が設けられてい
る。いま、高所に設けた空気制御装置の開閉弁54を閉
じ、開閉弁52を開いて空気タンク37から流量調整弁
53、開閉弁52、空気管51を経由して空気袋4の内
部に圧縮空気を送入した結果、空気袋4が膨張して扉体
101と扉体102は一緒に起立運動を行なって所定の
姿勢まで起立した結果を陸側から見たのが図8である。
【0029】先ず、奇数番目の防潮ゲートの扉体101
が、制御棒25に発生した張力によって所定の起立姿勢
において停止する。次に、扉体101の側端部の陸側面
の支圧部105が、なお起立運動を継続しようとする偶
数番目の防潮ゲートの扉体102の側端部全長において
突起する鋼板104の支圧部106と重なって、両扉体
間の漏水を防止しつつ支持するので、扉体102も所定
の起立姿勢において停止する。この支圧部105と10
6の重なりの状況の説明図が図10である。この実施例
では、ゲート幅の小さい防潮ゲートを扉体の回転中心の
延長方向に多数並べて設置することにより幅の大きい防
潮ゲートとした場合、隣接する防潮ゲートの間の漏水を
防止するために、ゴム板で両防潮ゲートの扉体を連結す
るなど全部を一体に連結する方法ではなく、隣接する扉
体の側端部が相互に重なり合う方法により、各々を分離
しておくことが可能であることを示した。このように構
成すれば、防潮ゲート群の各防潮ゲートの扉体を単独に
人力あるいは仮設クレーンによって起立させることが可
能となり、空気袋の破損や空気タンクの圧力不足等の原
因で空気操作装置による防潮ゲートの起立が不可能とな
る非常事態においても、扉体を起立させて防潮ゲートの
機能を確保する応急処置が可能となる。
【0030】
【発明の効果】この発明の防潮ゲートでは、固定台兼用
押え板3が防潮堤の海側の壁面の天端にあり、(a)空
気袋の密閉と固定のための押え板の機能、(b)扉体を
起伏自在に繋留する機能と下部水密ゴムの機能の2つの
機能を有するゴム引布製の繋ぎ板を固定する機能、
(c)扉体を下から支持する機能、という重要な3機能
を達成する主要部品となっているので、部品数の少ない
非常に安価なゲートとすることができた。また十分な強
度と柔軟性を有するゴム引布製の繋ぎ板によって起伏自
在に繋留される鋼板製扉体では、回転軸や軸受が不要と
なるから非常に安価となる。また空気袋により幅方向に
ほぼ連続して支持される扉体は加工度の低い鋼板製扉体
となったので、これもゲートが非常に安価となる要因で
ある。
【0031】加えて、空気操作装置に十分大きな体積を
有する空気タンクを保有させ、通常必要な空気圧を保持
することにより、空気圧縮機が作動しなくても防潮ゲー
トを起立させることができる。したがって、 A)台風時など、停電していても防潮ゲートが起立す
る。 B)空気圧縮機の作動時間を長くすることが許容され、
駆動電動機が小型となって維持費が安価となる。 C)起立操作時間の短縮が可能である。 という利点を実現できた。また、この発明の防潮ゲート
では、扉体の起立と倒伏を制御する制御棒が、高潮の水
圧力を受けた扉体を陸側で支持するので、防災ゲートと
しての安全性においてさらに優れたものとなった。さら
に、ゲート幅の小さい防潮ゲートを扉体の回転軸の延長
方向に多数並べて設置することにより幅の大きい防潮ゲ
ートとした場合、隣接する防潮ゲートを相互に連結する
ことなく、扉体の側端部と隣接する扉体から突起する鋼
板の重なりによって相互の間の漏水を防止しつつ所定の
姿勢においてすべての扉体が停止する構造を採用するこ
とにより、各防潮ゲートの扉体を別々に人力あるいは仮
設クレーンによって起立させることが可能となるから、
万一空気袋の破損や空気タンクの圧力不足等の原因で空
気操作装置、すなわち圧縮空気による防潮ゲートの起立
操作が不可能となった場合においても防潮ゲートの機能
を確保することが可能で、安全性に優れた防潮ゲートで
ある。以上のように、この発明の防潮ゲートは、経済性
に優れ、防災ゲートとしての性能も優れているので、こ
れを提供することにより大きな社会的利益をもたらすこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の防潮ゲートの1実施例を示し、扉体
が起立した状態の防潮ゲートの概略背面図である。
【図2】扉体が起立した状態の防潮ゲートの概略断面図
である。
【図3】扉体が起立した防潮ゲートに高潮の水圧が作用
した結果、支持台に支えられた制御棒が扉体を支持した
状態の防潮ゲートの概略断面図である。
【図4】押出シリンダによって制御棒の下端を支持台よ
り陸側に押し出し、扉体の倒伏操作を開始しようとする
起立姿勢の防潮ゲートの概略断面図である。
【図5】防潮ゲートが倒伏した状態の概略断面図であ
る。
【図6】扉体、制御棒、ならびに制御棒の軸の組立状況
の説明図である。
【図7】空気袋の形状の概略説明図である。
【図8】この発明の防潮ゲートの他の実施例を示し、起
立した状態の防潮ゲート群の概略背面図である。
【図9】扉体が起立した状態の偶数番目の防潮ゲートの
概略断面図である。
【図10】隣接する防潮ゲートの扉体の重なりの概略説
明図である。
【符号の説明】
1 鉛直面 2 アンカーボルト 3 固定台兼用押え板 4 空気袋 5 縁 6 ロッド 7 折返し部 8,9 角 10 繋ぎ板 11 上面 12 押え板 13 ボルト 14 扉体 15 押え板 16 ボルト 17 ロッド 18 折返し部 19,20 角 21 丸棒鋼 22 突き出た部分 23 軸受 24 軸 25 制御棒 26 ガイド金物 27 ガイド溝 28 横突出部 29 下面 30 水面 31 外れ止め 32 支持台 33 空気シリンダ 34 空気管 35 開閉弁 36 流量調整弁 37 空気タンク 38 開閉弁 39 流量調整弁 40 空気放出部 41 空気管 42 開閉弁 43 流量調整弁 44 開閉弁 45 流量調整弁 46 空気放出部 47 逆止弁 48 空気圧縮機 49 頭部 50 口金 51 空気管 52 開閉弁 53 流量調整弁 54 開閉弁 55 流量調整弁 56 空気放出部 57 曲げ加工部 58 雌ねじ 59 孔 101,102 扉体 103 制御棒 104 突起する鋼板 105,106 支圧部
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Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)防潮堤の海側壁面の上端に突起した鉛
    直面に、防潮堤の天端に平行に設置した1列の水平横向
    きのアンカーボルトと固定台兼用押え板とが、空気を排
    出したとき平らな長方形に潰れる3辺が閉じ1辺が開い
    たゴム引布製の空気袋の開いた辺を、上記鉛直面に押え
    付けることによって開いた辺を密閉しつつ、空気袋を防
    潮堤の海側上端に固定する。 b)上記固定台兼用押え板の海側面に、十分な強度を有
    するゴム引布製の繋ぎ板の1辺を、固定台兼用押え板の
    上面より適当量だけ上に突き出た押え板とボルトによっ
    て強固に固定し、他の辺を堰幅より少し小さい幅方向の
    寸法と起立時に必要な起立高を確保するために必要な長
    さを有する鋼板製の扉体の海側面の下部に押え板とボル
    トにより強固に固定することによって、固定台兼用押え
    板に鋼板製の扉体を起伏自在に繋ぐと同時に両者間の漏
    水を防止する。 c)さらに、鋼板製の扉体の陸側面の頭部に、扉体の回
    転中心に平行な軸によって、揺動自在に吊り下げられた
    逆T字形の制御棒が、防潮堤の陸側壁面の上端で陸側へ
    長く突出したガイド金物に開けた長円形のガイド溝に挿
    入されていることにより、扉体が所定の姿勢まで起立し
    たときには制御棒下端の横突出部がガイド金物の下面に
    当って発生する張力によって扉体が停止し、また扉体に
    高潮の水圧が作用したときには制御棒の下先端がガイド
    金物の根元の下に位置する支持台に支えられるため扉体
    がそれ以上倒伏することはなく、さらに扉体を倒伏させ
    る場合には、ガイド金物と支持台の中間に設けた押出シ
    リンダによって上記制御棒の下端を支持台より陸側に押
    出すことにより制御棒が上記ガイド溝にしたがって降下
    するようにする。このように構成した上で、陸上の空気
    操作装置から空気袋に空気管を接続し、この空気袋の内
    に空気操作装置から圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張
    して扉体を起立させ、逆に空気袋から空気を排出すれ
    ば、空気袋が平らに潰れて扉体が倒伏するようにしたこ
    とを特徴とする防潮ゲート。
  2. 【請求項2】 請求項1の防潮ゲートにおいて、防潮堤
    の天端に平行に設置した1列の水平横向きのアンカーボ
    ルトの代りの、防潮堤の海側壁面の上端に設置したアン
    カー金物の突起した鉛直面において、防潮堤天端に平行
    して設けた、1列の水平横向きの、雌ねじにねじ込むボ
    ルトと固定台兼用押え板とが、空気を排出したとき平ら
    な長方形に潰れる3辺が閉じ1辺が開いたゴム引布製の
    空気袋の開いた辺を、上記鉛直面に押え付けることによ
    って、開いた辺を密閉しつつ、空気袋を防潮堤の海側上
    端に固定したことを特徴とする防潮ゲート。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の防潮ゲートにおい
    て、扉体の高さ方向の曲げ剛性を強化する目的で、扉体
    の海側の面に、細長い鋼板を当該面に直角の姿勢で、扉
    体の回転中心に直角の方向に溶接取付けしたことを特徴
    とする防潮ゲート。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかの防潮ゲー
    トにおいて、ゲート幅の小さい(2〜3m程度)防潮ゲ
    ートを、扉体の回転中心の延長方向に並べて設置するこ
    とにより、幅の大きい(10〜300m程度)防潮ゲー
    トとしたことを特徴とする防潮ゲート。
  5. 【請求項5】 請求項4の防潮ゲートにおいて、奇数基
    のゲート幅の小さい防潮ゲートを扉体の回転中心の延長
    方向に並べて設置し、この内、偶数番目の防潮ゲートに
    おいては、扉体が所定の姿勢まで起立したときに扉体を
    停止させるための制御棒下端の横突出部を省略すると同
    時に、扉体の側端部の全長においてその陸側面から隣接
    するゲートに向けて突起する鋼板を設けることにより、
    奇数番目の防潮ゲートがその制御棒に作用する張力によ
    って所定の起立姿勢で停止したときに、当該突起する鋼
    板が隣接する奇数番目の防潮ゲートの扉体の側端部の陸
    側面に重なり、両扉体の間の漏水を防止しつつ、偶数番
    目の防潮ゲートの扉体も所定の起立姿勢にて停止するよ
    うにしたことを特徴とする防潮ゲート。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかの防潮ゲー
    トにおいて、空気操作装置に充分大きな体積を有する空
    気タンクを含ませることにより、防潮ゲートを起立させ
    るとき、空気タンクに蓄えた圧縮空気を使用するように
    したことを特徴とする防潮ゲート。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかの防潮ゲー
    トにおいて、鋼板製の扉体の海側の面に、車両の走行や
    人の歩行に耐える路床を取り付けたことを特徴とする防
    潮ゲート。
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