JP4351918B2 - 空圧式起伏ゲート - Google Patents
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Description
この場合、3枚のゴム引布は、各々の縁端の折返し定着部によって所定の位置から引抜かれないよう確保されているので、若干のクリープが発生しても、その影響を軽微なものに止めることができる。またこの構造では、主押え板、アンカーボルト、ならびにナットが表面に露出しているので、随時主押え板の増し締が可能であり、維持管理が容易である。
加えて、1列のアンカーボルトにねじ込むナットによって押え付ける1枚の主押え板の採用は構造が簡単で経済性に優れると同時に、空圧式起伏ゲートの固定部分において構造的に要求される河床落差を小さくすることが可能となり、河川等の全体計画において採用しやすいゲートとなった。
さらに、アンカーボルトのナットは常に河床表面に露出しているから、随時増締作業によってクリープ現象に対処することが容易となり、維持管理にも優れた空圧式起伏ゲートを提供することができる。
図1、図2、図3、図4、図5ならびに図6は、この発明の空圧式起伏ゲートの1実施例を示すものであり、図1は空圧式起伏ゲートの背面図、図2は断面図でともに起立状態を示し、図3は断面図で倒伏状態を示し、図4は扉体の説明図であり、図5は空気袋の説明図であり、図6はゴム引布の縁端の折返し定着部の断面の説明図である。また、図7はこの発明の空圧式起伏ゲートの他の実施例に係る断面図で起立状態を示し、図8は断面図で倒伏状態を示し、図9は空気袋の説明図である。
すなわち、繋留板7と空気袋4の上方のゴム引布16は、主押え板3とアンカーボルト2によって所定の位置から引抜かれないようになる。
この場合も繋留板7の下流の縁21の縁端には、樹脂製のロッド26によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した縁端の折返し定着部27があり、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
また倒伏時には、鋼板製の扉体22の頭部の曲げ加工部36が支持台37に支持されて、コンクリートの上面1、コンクリートの上面28、ならびに鋼板製の扉体22の下流面によって必要な空間を確保するから、空気袋4や引留帯31は鋼板製の扉体22に押し潰されることがない。
また下端23は起立、倒伏の運動に際して空気袋4の上を滑らかに移動するよう半円形に加工し、下端23に添って繋留板7の下流の縁21を固定するボルト25をねじ込む雌ねじ38が1列に並んでいる。
またその上方には、引留帯31を固定するボルト32をねじ込む雌ねじ39がある。
そして主押え板3で押えるべき開いた辺以外の3辺では、ゴム引布が連続して折れ曲り閉じている。また、開いた辺では、相対する2枚のゴム引布の縁5,6の端部に、樹脂製のロッド10,17によって補強繊維の折曲半径が過小とならないよう保護した補強繊維の折返し定着部11,18がある。さらに、この折返し定着部11,18に平行してアンカーボルト2が貫通するための孔40が2枚のゴム引布の縁5,6を貫いている。また空気袋4の下側のゴム引布の中央付近には、口金41が取付けられる。
この状態を下流から見たのが図1であり、空気袋4が扉体22の背面側にあってほぼ全幅において扉体22を支えている。
この折返し定着部は押え板とボルトによって強く押えられるので、定着用補強繊維部52の定着効果は信頼性のあるものとなる。
図7および図8において、断面が長方形の水路の底のコンクリートの上面1の上流側の溝状部分65において、水路を横断して並べて設置したアンカーボルト2が、主押え板60の下流側の縁端の下方への突起61によって3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋62の開いた辺の縁5,6ならびにゴム引布製の繋留板7の上流の縁8の3枚を一緒に水路底のコンクリートの上面1に押し付けることによって、空気袋62の開いた辺を密閉すると同時に、空気袋62と繋留板7を水路底に固定する。
また繋留板7の上流の縁8の端には、樹脂製のロッド13によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し定着部14があり、主押え板60の下流側の縁端の下方への突起61の上流側の根元部の凹部63によって上にも横にも移動しないよう確保されるので、繋留板7が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
同時に空気袋61の開いた辺の上方のゴム引布16の縁6の端には、樹脂製のロッド17によって補強繊維の折曲半径が過小とならないように保護した補強繊維の折返し定着部18があり、繋留板7の上流側の縁8の折返し定着部14の上流側19に掛かって、ゴム引布16が作用する張力によって所定の位置から引抜かれないようにする。
すなわち、繋留板7と空気袋62の上方のゴム引布16は主押え板60とアンカーボルト2によって所定の位置から引抜かれないようになる。
1)アンカーボルト2の位置を空気袋62の開いた辺のゴム引布の縁端の折り返し定着部より上流側に移すことにより図9に示すごとく空気袋62にはアンカーボルト2が貫通する孔が不要となり、漏気の発生する危険性が少なくなるよう改善されたこと、
2)ならびに主押え板60は主押え板3と比較して著しく幅を拡げ、その上流側の縁端にはコンクリートの溝状部分の底にまで達する突起64を設けると同時に、その下流側の縁端には適当な大きさの下方への突起61を設けることにより繋留板7と空気袋62の開いた辺のゴム引布の計3枚のゴム引布を一緒に水路底のコンクリートの上面1に押し付けるようにしたこと、
の2項目である。
この実施例では、アンカーボルト2とナット20による主押え板60の安定性が優れているので、有効高が3mを越える大形ゲートにおいても採用することができる。
従来この種の空圧式起伏ゲートは経済性に優れたゲートとして利用されてきたのであるが、ゴム引布の柔軟性とクリープ現象のために長期間確実に空気袋と定着ゴムを固定することが不充分であった。しかし、この発明の空圧式起伏ゲートでは小形のゲートから有効高が3mを超える大形のゲートまで、確実なゴム引布の固定方式が1群のアンカーボルトと主押え板により可能となったので、確実性、安全性の高い維持管理の容易な空圧式起伏ゲートを安価に提供できるようになった。
2 アンカーボルト
3 主押え板
4 空気袋
5 縁
6 縁
7 繋留板
8 上流の縁
9 ゴム引布
10 ロッド
11 折り返し定着部
12 角
13 ロッド
14 折り返し定着部
15 凹部
16 ゴム引布
17 ロッド
18 折り返し定着部
19 上流側
20 ナット
21 下流の縁
22 鋼板製の扉体
23 下端
24 押え板
25 ボルト
26 ロッド
27 折り返し定着部
28 コンクリートの上面
29 アンカーボルト
30 押え板
31 引留帯
32 ボルト
33 押え板
34 ロッド
35 折り返し定着部
36 曲げ加工部
37 支持台
38 雌ねじ
39 雌ねじ
40 孔
41 口金
42 空気管
43 排気用開閉弁
44 排気用流量調節弁
45 排気放出部
46 給気用開閉弁
47 給気用流量調節弁
48 空気圧縮機
49 外層ゴム
50 補強繊維
51 ロッド
52 定着用補強繊維部
60 主押え板
61 突起
62 空気袋
63 凹部
64 突起
65 溝状部分
Claims (2)
- 断面が長方形の水路の底を横断して並べて設置した鉛直のアンカーボルトに、3辺が閉じ1辺が開いた平らな長方形に製作したゴム引布製の空気袋の開いた辺に添う位置にアンカーボルトの配列に合わせてボルト孔を開けて、空気袋をアンカーボルトに組付けつつ、水路底のコンクリートの上面に設置する。
その上に同じくアンカーボルトの配列に合わせて開けたボルト孔を有するゴム引布製の繋留板を置き、さらにその上に、同じくアンカーボルトの配列に合わせて開けたボルト孔を有する主押え板を置き、この主押え板を上からアンカーボルトにねじ込むナットによって強く押え付けることにより、空気袋の開いた辺を密閉しつつ、空気袋と繋留板ならびに主押え板を水路底のコンクリートの上面に固定する。
この繋留板の下流側の縁を、堰幅より少し小さい幅方向の寸法と起立時に必要な起立高を確保するために必要な長さを有する鋼板製の扉体の上流側の下端に添う位置にボルトと繋留板の押え板によって強固に固定することにより、扉体を水路底に起伏自在に繋留すると同時にコンクリートの上面と扉体の間の漏水を防止する。
加えて、水路底の空気袋より下流の適当な位置のコンクリートに設置したアンカーボルトと引留帯の押え板とで一端を固定した、十分な強度を有するゴム引布製の引留帯の他端を扉体の下流面の空気袋が接触するより上側の適当な位置にボルトと引留帯の押え板とで固定することにより、扉体が所定の姿勢まで起立したときにはこの引留帯に作用する張力によって扉体が停止するようにする。
このように構成した上で、陸上の空気操作装置から空気袋に空気管を接続し、空気袋の内部に空気操作装置から圧縮空気を送入すれば空気袋が膨張して扉体を起立させ、逆に空気袋から圧力を有する空気を排出すれば空気袋が平らに収縮して扉体が倒伏するようにした空圧式起伏ゲートにおいて、
空気袋の開いた辺の2枚のゴム引布の縁端と繋留板の上流と下流の縁端には、樹脂製のロッドに補強繊維を巻き掛けて補強繊維の折曲半径が過小とならないよう保護して折り返した後に適当な長さ、補強繊維に添える定着用補強繊維部を設け、全体を外層ゴムで被覆した縁端のゴム引布の折返し定着部を設ける。
この時、繋留板の上流の縁端の折返し定着部が主押え板の上流側下隅の凹部によって上にも横にも移動しないよう確保されると同時に、空気袋の開いた辺の上のゴム引布の縁端の折返し定着部が繋留板の上流の縁端の折返し定着部の上流側に支持されるようにして両者一緒に主押え板の上流側下隅の凹部によって所定の位置から引抜かれないようにする。
加えて、空気袋の開いた辺の下のゴム引布の縁端の折返し定着部がコンクリートの上面の溝状部分の下流側の角に掛かって所定の位置から引抜かれないようにし、さらに、繋留板の下流の縁端の折返し定着部が繋留板の押え板の下流側の角に掛かって所定の位置から引抜かれないようにしたことを特徴とする空圧式起伏ゲート。 - 請求項1の空圧式起伏ゲートにおいて、空気漏れの原因となるのを回避するためゴム引布製の空気袋の開いた辺に添う位置にはアンカーボルトが貫通する孔を設けず、主押え板の幅を水流方向に拡げて、主押え板に設けるアンカーボルトが貫通する孔を空気袋の開いた辺のゴム引布の縁端の折返し定着部より上流側とすると同時に、かつその上流ならびに下流の縁端に下方に向けての適当な高さの突起を設けることにより、下流側の突起は、繋留板と空気袋の計3枚のゴム引布を水路底のコンクリートに強く押え付けると同時に、その上流側の根元部の凹部によって、繋留板の上流の縁端の折返し部を上にも横にも移動しないよう確保し、また上流側の突起はアンカーボルトの上流側において水路底のコンクリートによって直接支持されて、下流側の突起による押し付けを効果あるようにしたことを特徴とする空圧式起伏ゲート。
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