JP4883704B2 - 緩衝器 - Google Patents

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本発明は、緩衝器に関する。
従来の緩衝器にあっては、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を二つの圧力室に区画するピストンと、ピストンに一端が連結されるピストンロッドとを備えて構成されており、制振対象、たとえば、車両の車体と車軸との間に介装されて車体振動を抑制している(たとえば、特許文献1参照)。
特開2002−81481号公報(図1)
ここで、従来の緩衝器は、作動流体を鉱物性の油とするものが一般的であるが、油を作動流体とする場合、油中に含まれる気体の影響等もあって油は圧力が作用すると圧縮される性質を持ち、また、消泡性にも限界があって減衰力発生応答が遅れる傾向を持つ。
これを改善するには、作動流体に圧縮性が小さく、消泡性に優れるに水系流体を用いることが考えられるが、この水系流体を作動流体として用いる場合、減衰力発生の応答性が向上するものの、その反面、水系流体が潤滑性に乏しいため、シール部材とピストンロッドとの間が潤滑されず、緩衝器の伸縮が妨げられるという問題が生じることになる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、作動流体に水系流体を選択することができる緩衝器を提供することである。
上記目的と達成するために、本発明の課題解決手段における緩衝器は、シリンダと、シリンダ内に挿入されて二つの圧力室を区画するピストンと、ピストンに連結されるピストンロッドと、ピストンロッドに対して摺動自在とされるとともに軸方向に並べられてピストンロッドの外周をシールする第一シールと第二シールと、第一シールと第二シールとの間に設けられてピストンロッドの外周に臨む潤滑油室とを備え、作動流体を水系流体とし、潤滑油室に潤滑油を貯留した緩衝器において、第一シールは、圧力室と潤滑油室との間に配置される仕切部材の内周に設けられ、仕切部材は、圧力室と潤滑油室とを連通する開口と、当該開口による圧力室と潤滑油室との連通を遮断する弾性隔壁を備えてなることを特徴とする。
本発明の緩衝器によれば、第一シールと第二シールによって潤滑油室が密封状態とされるともに、ピストンロッドの外周に臨む潤滑油室内に潤滑油が貯留され、この潤滑油によってピストンロッドの外周に潤滑油の膜が形成されて、第一シールおよび第二シールとピストンロッド3の外周の摺動部が潤滑される。
このように、第一シールおよび第二シールの間に形成されてピストンロッドの外周に臨む潤滑油室に貯留された潤滑油で、第一シールおよび第二シールとピストンロッドの摺動部を潤滑することができ摺動抵抗を低減できるので、作動流体に潤滑性に乏しい水系流体を用いても、緩衝器の円滑な伸縮が実現されることになる。
また、上記したように第一シールおよび第二シールとピストンロッドの摺動部が確実に潤滑されるから、第一シールおよび第二シールの磨耗を低減でき、緩衝器の密封性も向上することになる。
そして、この緩衝器によれば、油に比較して圧縮性が小さく、消泡性に優れる水系流体を作動流体として用いることができるので、減衰力発生応答性が向上するとともに、エアレーションの発生をも抑制することが可能となる。
さらに、潤滑油室は、第一シールと第二シールによって密封状態に維持されているので、潤滑油のシリンダ側への流出が抑制され、長期間にわたって、第一シールおよび第二シールとピストンロッドの外周の摺動部を潤滑して緩衝器の円滑な伸縮を保証でき、緩衝器の実用性および信頼性が向上する。
また、弾性隔壁および開口を介して、一方室から仕切られる潤滑油室内の圧力と一方室の圧力とが均衡するようになっている。すなわち、潤滑油室と一方室内の圧力が均衡するので、第一シールが一方的に一方室内側の圧力によって圧迫されてピストンロッドの外周に圧着せしめられてしまうことがなく、第一シールが過剰な緊迫力でピストンロッドの外周に摺接して当該部位の摺動抵抗を高めてしまうことが無くなる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。
図1は、参考例に係わる緩衝器の縦断面図である。
図2は、請求項1の発明の一実施の形態における緩衝器の一部拡大縦断面図である。
図3は、他の参考例における緩衝器の一部拡大縦断面図である。
図4は、他の参考例における単筒型に構成された緩衝器の縦断面図である。
図5は、他の参考例における単筒型に構成された緩衝器の一部拡大縦断面図である。
図1に示すように、一参考例における緩衝器D1は、シリンダ1と、シリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内に圧力室たる一方室R1および他方室R2を区画するピストン2と、ピストン2に連結されるピストンロッド3と、シリンダ1を覆う外筒4と、ピストンロッド3に摺動自在とされるとともに軸方向に並べられてピストンロッド3の外周をシールする第一シール5bと第二シール6bと、第一シール5bと第二シール6bとの間に設けられてピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室Jとを備えて構成され、この緩衝器D1の場合、シリンダ1と外筒4との間の環状隙間をリザーバRとした複筒型緩衝器として構成されている。
また、この緩衝器D1の場合、一方室R1および他方室R2内に充填される作動流体は水系流体たるグリコール水溶液(以下、「作動水」という)とされている。
以下、各部材について詳細に説明すると、ピストン2は、上述のように、グリコール水溶液が充填されているシリンダ1内を2つの圧力室R1,R2に区画し、さらには、上記一方室R1から他方室R2へと向かう作動水の流れのみを許容するポート2aと、他方室R2から一方室R1へ向かう作動水の流れのみを許容するポート2bとを備えて構成されている。そして、ピストン2の図1中上方にはポート2bの出口端を開閉するリーフバルブ7が積層されるとともに、ピストン2の図1中下方にはポート2aの出口端を開閉するリーフバルブ8が積層され、これらリーフバルブ7,8はピストン2とともにピストンロッド3の先端3aにピストンナット9で固定される。
また、シリンダ1の下端は、ボトム部材10で閉塞されており、このボトム部材10には、他方室R2からリザーバRへ向かう作動水の流れのみを許容するポート10aと、リザーバRから他方室R2へ向かう作動水の流れのみを許容するポート10bとを備えて構成されている。そして、ボトム部材10の図1中上方にはポート10bの出口端を開閉するチェックバルブ11が積層されるとともに、ボトム部材10の図1中下方にはポート10aの出口端を開閉するリーフバルブ12が積層され、これらチェックバルブ11およびリーフバルブ12はボトム部材10を貫通するボルト13とナット14によってボトム部材10に固定されている。なお、このボトム部材10は、外筒4の下端に固定されるキャップCとシリンダ1との間で挟持されて、シリンダ1および外筒4に一体化されている。
そして、この緩衝器D1にあっては、ピストン2がシリンダ1に対して図1中上方向に移動して緩衝器D1が伸長すると、ポート2aを介して一方室R1内から他方室R2内へ移動する作動水の流れにリーフバルブ8で抵抗を与えて伸側減衰力を発生する。この伸長行程時には、シリンダ1内からピストンロッド3が退出する体積分の作動水が不足するので、ポート10bを介してリザーバRから他方室R2内に当該不足分の作動水が供給される。
他方、ピストン2がシリンダ1に対して図1中下方向に移動して緩衝器D1が収縮すると、作動水は、ポート2bを介して他方室R2内から一方室R1内へ移動するとともに、シリンダ1内へ侵入するピストンロッド3の体積分の作動水がポート10aを介してリザーバRへ流出する。そして、緩衝器D1は、圧縮行程時には上述した作動水の流れにリーフバルブ7およびリーフバルブ12で抵抗を与えて圧側減衰力を発生する。
なお、上述したところでは、ポート2a,2b,10a,10bをそれぞれ一方通行のポートとしているが双方通行のポートとしてもよく、また、伸側および圧側の減衰力を発生するためのバルブは、所定の圧力損失を生じさせるものであればよいので、上述のリーフバルブ7,8,12以外にも、オリフィスやポペット弁とされてもよい。
そして、この緩衝器D1の場合、作動流体として水系流体を採用しており、水系流体は油に比較して圧縮性が小さいので、油に比較して減衰力発生の応答性を向上させることができる。なお、水系流体は、水単体の他、本実施の形態のように、水にグリコール類等の添加剤を加えた水溶液をも含む概念であり、また、緩衝器D1が金属材料で構成される場合には、水に防錆剤を添加したものを使用するようにしてもよい。
さらに、この実施の形態の場合、上述のように、水系流体にグリコール水溶液を用いているので、凝固点を水単体よりも低下させることができるので、寒冷地においても緩衝器としての機能を維持発揮することができる
戻って、ピストン2は、上記したようにピストンロッド3に連結されており、このピストンロッド3は、シリンダ1の図1中上端側に嵌合される環状の軸受部材15の内周に保持されるベアリング16内に挿通されてシリンダ1外へ突出させてある。
そして、軸受部材15は、環状に形成されて、外周が外筒4に嵌合してリザーバRの上端を閉塞する軸受本体15aと、軸受本体15aの図1中下端から垂下されてシリンダ1の図1中上端となる開口端に嵌合する嵌合部15bとを備えて構成され、内周にはベアリング16が装着されている。
さらに、この軸受部材15の図1中上方にはピストンロッド3に対して緩衝器D1内側に設けられる内部側シール部材5が積層されており、この内部側シール部材5は、環板状の仕切部材たるインサートメタル5aと、該インサートメタル5aの内周に保持されてピストンロッド3の外周に摺接する第一シール5bと、該インサートメタル5aの外周側と外筒4との間をシールする外周シール5cとを備えて構成されて、容器たる外筒4とピストンロッド3との間をシールしている。
なお、この内部側シール部材5のインサートメタル5aの下端には、第一シール5bの外周に連なる環状のチェックシール5dが設けられており、このチェックシール5dは、軸受部材15の内周側に形成される段部15cに着座している。そして、一方室R1からベアリング16とピストンロッド3との間を通過して軸受部材15より図1中上方の内部側シール部材5と軸受部材15との間の空隙A内へ流入した作動水の当該空隙A内への貯留によって、空隙A内のチェックシール5dより内周側の圧力がリザーバR内の圧力より大きくなるとチェックシール5dが段部15cから離座して、軸受部材15に設けた通孔15dを介して上記空隙AとリザーバRとを連通して、当該空隙A内の作動水をリザーバRへ還流し、当該空隙A内の蓄圧を防止している。なお、一方室R1から空隙A内へ流入する作動水は、ベアリング16とピストンロッド3との間の狭い隙間を通過するので、緩衝器D1の伸長時の一方室R1の上昇する圧力が直接的に空隙A内に伝播することが防止されている。
さらに、この内部側シール部材5の図1中上方には、環状のスペーサ17を介してピストンロッド3に対して緩衝器D1外側に配置される外部側シール部材6が積層されており、この外部側シール部材6は、環板状のインサートメタル6aと、該インサートメタル6aの内周に保持されてピストンロッド3の外周に摺接する第二シール6bと、該インサートメタル6aの外周側と外筒4との間をシールする外周シール6cとを備えて構成されて、容器たる外筒4とピストンロッド3との間をシールしている。なお、緩衝器D1の外方に臨む第二シール6bの図1中上方側には、シリンダ1および外筒4内に塵や埃等の侵入を防止するダストリップ6dが設けられているが、外部側シール部材6よりシリンダ1側に設けられて緩衝器D1外に臨むことのない内部側シール部材5の第一シール5bにはダストリップは不要なので設けられていない。
そして、外部側シール部材6は、外筒4の上端加締めによって軸受部材15、内部側シール部材5およびスペーサ17とともに、外筒4とシリンダ1とで挟持されて、シリンダ1および外筒4に一体化されている。
すなわち、圧力室たる一方室R1および他方室R2を備えたシリンダ1が外筒4内に収容されるとともに、内部側シール部材5および外部側シール部材6は、ピストンロッド3に対して軸方向に並べられて配置され、外筒4とピストンロッド3との間をシールしており、特に、第一シール5bおよび第二シール6bは、ピストンロッド3の外周に摺接してピストンロッド3の外周をシールしている。
さらに、内部側シール部材5と外部側シール部材6との間に介装された環状のスペーサ17によって、内部側シール部材5と外部側シール部材6との間には、ピストンロッド3の外周に臨む空間が設けられ、当該空間で潤滑油室Jを形成しており、これによって第一シール5bと第二シール6bとの間に潤滑油室Jが配置されることになる。
なお、スペーサ17の内周径は、ピストンロッド3の外周との間に潤滑油室Jを形成できる程度にピストンロッド外周径より大径とされ、また、その外周径は、スペーサ17が半径方向に位置ずれしてピストンロッド3の外周と干渉しないよう、シリンダ1に嵌合して位置決めできるようシリンダ1内周に嵌めこみ可能な径とされている。
このスペーサ17は、内部側シール部材5あるいは外部側シール部材6と一体成形されてもよいし、また、内部側シール部材5および外部側シール部材6をシリンダ1の内周に嵌着されるスナップリング等によって軸方向となる図1中上下方向に位置決め可能であって、内部側シール部材5と外部側シール部材6との間に潤滑油室Jを確保可能であれば、スペーサ17を省略することも可能である。さらに、内部側シール部材5におけるインサートメタル5aおよび外部側シール部材6のインサートメタル6aおよびスペーサ17を一体とする構造をもつ部材を採用して、当該部材の内周に第一シール5bおよび第二シール6bを保持させるとともに、第一シール5bと第二シール6bとの間に設けられる空間で潤滑油室を設けるようにすることも可能である。
そして、上述のように、潤滑油室Jは、第一シール5bと第二シール6bに挟まれて密封状態とされ、このピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室J内に潤滑油Oが貯留され、この潤滑油Oによってピストンロッド3の外周に潤滑油Oの膜が形成されて、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3の外周の摺動部が潤滑される。
このように、本実施の形態の緩衝器D1にあっては、第一シール5bと第二シール6bの間に形成されてピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室Jに貯留された潤滑油Oで、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3の摺動部を潤滑することができ摺動抵抗を低減できるので、作動流体に潤滑性に乏しい水系流体を用いても、緩衝器D1の円滑な伸縮が実現されることになる。また、上記したように第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3の摺動部が確実に潤滑されるから、第一シール5bおよび第二シール6bの磨耗を低減でき、緩衝器D1の密封性も向上することになる。
そして、この緩衝器D1によれば、油に比較して圧縮性が小さく、消泡性に優れる水系流体を作動流体として用いることができるので、減衰力発生応答性が向上するとともに、エアレーションの発生をも抑制することが可能となる。
さらに、潤滑油室Jは、第一シール5bと第二シール6bによって密封状態に維持されているので、潤滑油Oのシリンダ1側への流出が抑制され、長期間にわたって、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3の外周の摺動部を潤滑して緩衝器D1の円滑な伸縮を保証でき、緩衝器D1の実用性および信頼性が向上する。
そして、この緩衝器D1にあっては、伸縮動作を継続的に行っても上記した摺動部が潤滑されて、継続的に円滑な伸縮動作が保証されるから、伸縮動作を頻繁に、かつ、継続的に強いられる箇所、具体的には、自動車の車体と車軸との間に介装される車両用緩衝器として最適となる。
つづいて、各請求項の発明に対応する実施の形態における緩衝器D2について説明する。この緩衝器D2が上記図1の参考例に係わる緩衝器D1と異なるのは、図2に示すように、圧力室たる一方室R1と潤滑油室Jとの間に配置される内部側シール部材5における仕切部材たるインサートメタル5aに、圧力室たる一方室R1と潤滑油室Jとを連通する開口18と、当該開口18による一方室R1と潤滑油室Jとの連通を遮断する弾性隔壁19を設けている点である。
なお、以下の説明においては、一実施の形態と異なる構成について詳細に説明することとして、一実施の形態における緩衝器D1と同様の部材については、同様の符号を付するのみとして、その詳しい説明を省略することとする。
以下、上記した異なる構成について詳細に説明すると、内部側シール部材5における仕切部材たるインサートメタル5aは、これを図2中上下に貫通する開口18と、この開口18を閉塞する弾性隔壁19とを備えている。
そして、この開口18は、空隙A内であってチェックシール5dよりリザーバR側に通じており、弾性隔壁19はチェックシール5dが閉弁する状態ではリザーバR内の圧力を受け、チェックシール5dが離座すると、空隙Aを通じて一方室R1内の圧力が作用するようになっている。なお、チェックシール5dは、空隙A内のチェックシール5dより内周側が蓄圧されて第一シール5bをピストンロッド3側へ圧着させないように、空隙A内のチェックシール5dより内周側の圧力がリザーバR内の圧力を上回ると開弁するようになっているので、基本的には、弾性隔壁19および開口18を介して、内部側シール部材5で一方室R1から仕切られる潤滑油室J内の圧力と空隙A内のチェックシール5dより内周側の圧力とが均衡するようになっている。
すなわち、第一シール5bの上下側に配置される潤滑油室Jと一方室R1内の圧力が作用する空隙Aとの圧力が均衡するので、第一シール5bが一方的に一方室R1内側の圧力によって図2中上方内周側へ圧迫されてピストンロッド3の外周に圧着せしめられてしまうことがなく、第一シール5bが過剰な緊迫力でピストンロッド3の外周に摺接して当該部位の摺動抵抗を高めてしまうことが無くなる。
なお、一実施の形態の緩衝器D2にあっては、開口18を空隙A内であってチェックシール5dよりリザーバR側に通じさせているが、空隙A内であってチェックシール5dより内周側、すなわち、一方室R1側に通じさせてもよい。
また、内部側シール部材5の上下に作用する潤滑油室J内の圧力と、圧力室たる一方室R1側の圧力とを均衡させることによって、第一シール5bの緊迫力を過剰としないようにすればよいので、軸受部材15が内部側シール部材5よりも図2中上方に配置されるような場合には、インサートメタル5aに直接的に一方室R1に面するように開口と弾性隔壁とを設けるようにしてもよい。
ちなみに、インサートメタル5aに第一シール5b、外周シール5cおよびチェックシール5dを形成する工程において、たとえば、第一シール5b、外周シール5cおよびチェックシール5dを形作る型内にインサートメタル5aを挿入しておき、各シール5b,5c,5dの樹脂材料を加熱して当該型内に投入し加圧して各シール5b,5c,5dを成型するようにしておけば、樹脂材料が膜となって開口18を閉塞するよう付着するため、当該膜で弾性隔壁19を形成することができる。したがって、各シール5b,5c,5dと同じ樹脂材料を持って弾性隔壁19を形成する場合には、上記加工方法を採用することで、別途、弾性隔壁19を設ける加工を施す手間が省けることになる。
次に、つづいて、他の参考例における緩衝器D3について説明する。この緩衝器D3が一実施の形態の緩衝器D1と異なるのは、図3に示すように、内部側シール部材5と外部側シール部材6との間にスペーサ17の代わりにピストンロッド3を軸支するベアリング22を内周に保持した軸受部材20を設け、軸受部材15の代わりにシリンダ1の開口端に嵌合する環状部材21を設けている点である。
軸受部材20は、環状に形成されて、外周が外筒4に嵌合して内部側シール部材5と外部側シール部材6との間で挟持され、第一シール5bと第二シール6bと間に形成される潤滑油室J1内に収容されている。
詳しくは、軸受部材20は、図3中上下に貫通する通孔20aを備えるとともに、内周にピストンロッド3を摺動自在に軸支するベアリング22を保持している。なお、潤滑油室J1は、軸受部材20によって図3中上方側の空間と下方側の空間とに区画されるが通孔20aを介して上記各空間が連通されるようになっており、当該潤滑油室J1内には潤滑油Oが充填されている。
また、環状部材21は、環状とされて、ピストンロッド3の挿通を許容し、外周が外筒4に嵌合してリザーバRの上端を閉塞する環状部材本体21aと、環状部材本体21aの図1中下端から垂下されてシリンダ1の図3中上端となる開口端に嵌合する嵌合部21bとを備えて構成され、内周には筒状の減圧リング23が装着されている。
この減圧リング23は、ピストンロッド3との間に環状隙間を介して臨んでおり、当該環状隙間を通過して、環状部材21と内部側シール部材5との間に形成される空隙B内に流入する作動水の流れに抵抗を与えて、緩衝器D3の伸縮時における当該空隙B内の急激な圧力変化を抑制している。
そして、この環状部材21にあっても内周側にチェックシール5dが離着座する段部21cと、リザーバRへ通じる通孔21dとを備えており、空隙B内であってチェックシール5dより内周側の蓄圧が防止されている。
このように構成された緩衝器D3にあっては、ピストンロッド3とピストンロッド3を軸支するベアリング22との間の摺動部が潤滑油室J1内に配置されて、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3との間の摺動部のみならず、軸受部材20におけるピストンロッド3との間の摺動部も潤滑することが可能となって、摺動抵抗を低減できるので、作動流体に潤滑性に乏しい水系流体を用いても、参考例に係わる緩衝器D1にも増してより一層円滑な伸縮が実現されることになる。
また、この参考例の緩衝器D3にあっては、上記参考例の緩衝器D1と同様に、第一シール5bと第二シール6bの間に形成されてピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室J1に貯留された潤滑油Oで、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3の摺動部を潤滑することができ摺動抵抗を低減できるので、上記参考例の緩衝器D1と同様の作用効果を奏することが可能となる。
なお、環状部材21は、内部側シール部材5の第一シール5bに直接的に伸長時に高圧となる一方室R1内の圧力を作用させることを防止して、第一シール5bの緊迫力が過剰とならないようにするために、設けられているものであり、この環状部材21の存在によって摺動抵抗のより一層の低減が可能となるが、第一シール5bおよび第二シール6bとピストンロッド3との摺動部の潤滑という観点からはこれを省略することも可能である。
また、この参考例においても、内部側シール部材5における仕切部材たるインサートメタル5aに、図2に示すような、開口18および弾性隔壁19を設けることにより、第一シール5bとピストンロッド3の外周の摺動抵抗を高めてしまう不具合を解消することができる。
以上、説明してきたところでは、参考例及び本発明の実施の形態に係わる複筒型緩衝器に具現化した例を用いているが、単筒型の緩衝器D4に具現化させる場合には、たとえば、図4に示すように、シリンダ31の開口端に嵌合されるピストンロッド32を軸支する軸受部材33の内周に第一シール34を設け、軸受部材33の図4中上方に第二シール35aを内周側に保持したシール部材35を積層し、当該第一シール34と第二シール35aとの間の空隙をもって潤滑油室J2を形成するようにしてもよい。
なお、単筒型の緩衝器D4にあっては、シリンダ31と、シリンダ31内に圧力室たる一方室R3と他方室R4とを区画するピストン36と、ピストン36に連結されるピストンロッド32と、シリンダ31内に摺動自在に挿入されて気室Gを区画するフリーピストン37とを備えて構成されている。また、この参考例の場合、ピストンロッド32を軸支する軸受部材33が、第一シール34を内周側に保持しており、圧力室たる一方室R3と潤滑油室J2との間に配置される仕切部材としても機能している。
そして、ピストン36は、上記一方室R3から他方室R4へと向かう作動水の流れのみを許容するポート36aと、他方室R4から一方室R3へ向かう作動水の流れのみを許容するポート36bとを備えて構成され、ピストン36の図4中上方にはポート36bの出口端を開閉するリーフバルブ38が積層されるとともに、ピストン36の図4中下方にはポート36aの出口端を開閉するリーフバルブ39が積層され、これらリーフバルブ38,39はピストン36とともにピストンロッド32の先端32aにピストンナット40で固定される。
この単筒型の緩衝器D4にあっては、ピストン36がシリンダ31に対して図4中上下方向に移動して緩衝器D4が伸縮すると、上記ポート36a,36bで通過する液体の流れにリーフバルブ38,39で抵抗を与えて緩衝器D3に減衰力を発生させることができるようになっており、シリンダ31で過不足となるシリンダ31に進退するピストンロッド32の体積は気室Gの容積変化によって吸収されるようになっている。このように、本発明は、緩衝器の形式が複筒型であっても単筒型であっても具現化することが出来るのである。
そして、この緩衝器D4にあっても、上記参考例や一実施の形態に係わる緩衝器と同様に、第一シール34と第二シール35aによって潤滑油室J2が密封状態とされるともに、ピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室J2内に潤滑油Oが貯留され、この潤滑油Oによってピストンロッド3の外周に潤滑油Oの膜が形成されて、第一シール34および第二シール35aとピストンロッド3の外周の摺動部が潤滑される。
したがって、この参考例の緩衝器D4にあっては、上記図1の参考例に係わる緩衝器D1と同様に、第一シール34と第二シール35aの間に形成されてピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室J2に貯留された潤滑油Oで、第一シール34および第二シール35aとピストンロッド3の摺動部を潤滑することができ摺動抵抗を低減できるので、作動流体に潤滑性に乏しい水系流体を用いても、緩衝器D4の円滑な伸縮が実現されるほか、一実施の形態の緩衝器D1と同様の作用効果を奏することが可能となる。
また、図5に示すように、第一シール34の配置を軸受部材33の内周に保持されてピストンロッド32を摺動自在に軸支するベアリング41より圧力室側となる一方室R3側に配置して、潤滑油室J3内にベアリング41が収容されるようになっている。すなわち、図4の緩衝器D4にあってはベアリング41がシール34より一方室R3側に配置されているが、この参考例の緩衝器D5にあっては、ベアリング41と第一シール34の配置が上下反対となっている。
すなわち、潤滑油室J3内の潤滑油Oは、ピストンロッド3の外周に油膜を形成して、ベアリング41の内周とピストンロッド3との間に生じる隙間に入り込んでピストンロッド3とベアリング41との間の摺動部を潤滑する。
したがって、この参考例の緩衝器にあっては、ピストンロッド3とピストンロッド3を軸支するベアリング41との間の摺動部が潤滑油室J3内に配置されて、第一シール34および第二シール35aとピストンロッド3との間の摺動部のみならず、ベアリング41とピストンロッド3との間の摺動部も潤滑することが可能となって、摺動抵抗を低減できるので、作動流体に潤滑性に乏しい水系流体を用いても、参考例に係わる緩衝器D1,D4にも増してより一層円滑な伸縮が実現されることになる。
また、この参考例の緩衝器D5にあっては、参考例の緩衝器D1と同様に、第一シール34と第二シール35aの間に形成されてピストンロッド3の外周に臨む潤滑油室J3に貯留された潤滑油Oで、第一シール34および第二シール35aとピストンロッド3の摺動部を潤滑することができ摺動抵抗を低減できるので、参考例の緩衝器D1と同様の作用効果を奏することが可能となる。
なお、この単筒型の緩衝器D4,D5にあっても、軸受部材33に潤滑油室J2と一方室R3とを連通する開口を設け、当該開口を弾性隔壁で遮断する構成を採用すれば、第一シール34の上下の圧力を均衡させることができ、第一シール34の緊迫力が過剰となってしまうことが防止されるとともに、単筒型緩衝器の場合、上記した軸受部材15や環状部材21の設置がなく第一シール34に作用する圧力を減圧させる作用を望めないため、このように、第一シール34の上下の圧力を均衡させることで、作動水の潤滑油室J3内への侵入を効果的に防止することも可能となる。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一参考例に係わる緩衝器の縦断面図である。 各請求項の発明に対応する一実施の形態に係わる緩衝器の一部拡大縦断面図である。 他の参考例における緩衝器の一部拡大縦断面図である。 の参考例における単筒型に構成された緩衝器の縦断面図である。 の参考例における単筒型に構成された緩衝器の一部拡大縦断面図である。
1,31 シリンダ
2,36 ピストン
2a,2b,36a,36b ピストンにおけるポート
3,32 ピストンロッド
3a,32a ピストンロッドの先端
4 外筒
5 内部側シール部材
5a 仕切部材たるインサートメタル
5b 第一シール
5c,6c 外周シール
5d チェックシール
6 外部側シール部材
6a インサートメタル
6b,35a 第二シール
6d ダストリップ
7,8,12,38,39 リーフバルブ
9,40 ピストンナット
10 ボトム部材
10a,10b ボトム部材におけるポート
11 チェックバルブ
13 ボルト
14 ナット
15,20,33 軸受部材
16,22,41 ベアリング
15a 軸受部材における軸受本体
15b 軸受部材における嵌合部
15c 軸受部材における段部
15d,20a 軸受部材における通孔
17 スペーサ
18 開口
19 弾性隔壁
21 環状部材
21a 環状部材における環状部材本体
21b 環状部材における嵌合部
21c 環状部材における段部
21d 環状部材における通孔
23 減圧リング
34 シール
35 シール部材
37 フリーピストン
A,B 空隙
C キャップ
D1,D2,D3,D4,D5 緩衝器
G ガス室
J,J1,J2 潤滑油室
R リザーバ
R1,R3 圧力室たる一方室
R2,R4 圧力室たる他方室

Claims (2)

  1. シリンダと、シリンダ内に挿入されて二つの圧力室を区画するピストンと、ピストンに連結されるピストンロッドと、ピストンロッドに対して摺動自在とされるとともに軸方向に並べられてピストンロッドの外周をシールする第一シールと第二シールと、第一シールと第二シールとの間に設けられてピストンロッドの外周に臨む潤滑油室とを備え、作動流体を水系流体とし、潤滑油室に潤滑油を貯留した緩衝器において、第一シールは、圧力室と潤滑油室との間に配置される仕切部材の内周に設けられ、仕切部材は、圧力室と潤滑油室とを連通する開口と、当該開口による圧力室と潤滑油室との連通を遮断する弾性隔壁を備えてなることを特徴とする緩衝器。
  2. 第一シールと第二シールとの間にピストンロッドを軸支する筒状のベアリングを配置し、当該ベアリングとピストンロッドとの摺動部が潤滑油室内の潤滑油によって潤滑されることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
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