JP4972501B2 - 空圧緩衝器 - Google Patents

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Description

この発明は、車両等のサスペンションとして使用可能な空圧緩衝器の改良に関する。
従来、空圧緩衝器としては、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されたピストンと、シリンダにピストンを介して移動自在に挿通されるロッドとを備えて、いわゆる倒立型に形成されたものが知られている。
この空圧緩衝器は、作動流体を気体としている為、ピストンとシリンダの当接部位およびロッドとシリンダ下端に設けた封止部材との当接部位である摺動部の摺動性の確保が一番の課題であるため、従来の空圧緩衝器では、少量の油をシリンダ内に充填するとともに、ピストン部の通路でロッド側室とピストン側室とを連通する他、シリンダの外方に外筒を設けてシリンダと外筒との間の隙間を介してロッド側室とピストン側室とを連通しておき、シリンダ内の油を空圧緩衝器の伸縮運動によってポンプの要領でピストン側室とロッド側室とに循環させるようにしている(たとえば、特許文献1,2参照)。
つまり、従来の空圧緩衝器にあっては、上述のように油をロッド側室とピストン側室とに行き来させることで、ピストンとシリンダとの摺動部の潤滑と、シリンダ下端に設けた封止部材とロッドとの摺動部の潤滑を行って、摺動性の問題を解決して、伸縮作動の円滑を図っている。そして、特に、シリンダとピストンとの間の摺動部の潤滑を確実なものとするために、ピストンの上端外周部を面取りし、この面取り部分に油を貯めておくようにし、シリンダとピストンとの間に油の供給が断たれることが無いように配慮がなされている。
特開2004−132429号公報 特開2004−132428号公報
さて、上述のような空圧緩衝器では、摺動性の確保という問題を解決して作動流体に気体を用いることができる点で、有用な技術であるが、特に、従来の空圧緩衝器を車両のサスペンションに適用する場合、以下の問題があると指摘される可能性がある。
車両のサスペンションに組み込まれる緩衝器は、常に車体と車軸との間に垂直に取付けられるとは限らず、サスペンションの構造によっては、斜めに取付けられることもある。
このように斜めに取付けられる場合、従来の空圧緩衝器では、ピストンの上端面も傾斜状態となるので、ピストン側室内の油は、図3に示すように、下方へ貯まってそこに留まることになり、油をピストン外周の面取り部分の全体亘って貯めておくことが出来ない状態となる。
すると、可能なシリンダとピストンとの間の摺動部のうち、油が付着する一部については潤滑可能ではあるが、シリンダとピストンとの摺動部の全周に亘って潤滑を行うことが出来なくなる事態となり、従来の空圧緩衝器では、円滑な伸縮を保証し得なくなる虞がある。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、シリンダとピストンとの間の摺動部の全体を確実に潤滑可能な空圧緩衝器を提供することである。
本発明の課題解決手段は、シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、ピストンの上端からシリンダの内周に沿って立ち上がる環状壁と、シリンダの内周と環状壁の外周との間に隔成した環状隙間と、環状隙間内に収容した潤滑用の油とを備えた車両等の空圧緩衝器において、上記車両等に上記シリンダと上記ピストンロッドとが斜めに取り付けられた時でも上記隙間内に上記油の一部が残留できるように上記環状壁の上下方向長さを設定したことを特徴とするものである。
本発明の空圧緩衝器によれば、この空圧緩衝器が車両等に対して斜めに取り付けられても、シリンダと環状壁との間の環状の隙間に油の一部を貯めておくことができ、その結果、ピストンの外周を油浸させることができることから、確実に、シリンダとピストンとの間の摺動部の全体を潤滑することが可能であり、円滑な伸縮を保証することが可能となる。
そして、上記摺動部が確実に潤滑されるから、空圧緩衝器の円滑な伸縮作動が保証されて空圧緩衝器の信頼性が向上する。
また、ピストン3上端面全部を油浸させる必要が無く、従来の空圧緩衝器に比較して非常に少ない油量でピストンの外周の全周に亘って潤滑することができる。
さらに、環状壁の存在によって空圧緩衝器の摺動部を潤滑するのに必要な油の量が少量となるので、空圧緩衝器の重量を軽減し、製造コストを低減でき、環境負荷も低減することができ、緩衝器の作動流体を気体とすることのメリットを充分に享受することが可能となり、空圧緩衝器の実用性が向上することになる。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1は、一実施の形態における空圧緩衝器の概略縦断面図である。図2は、車両に取付けた状態における一実施の形態の空圧緩衝器の一部切欠断面図である。
一実施の形態における空圧緩衝器Aは、図1に示すように、シリンダ1と、内部にシリンダ1が収容される外筒2と、シリンダ1内をロッド側室R1とピストン側室R2とに区画するピストン3と、ピストン3に設けた環状壁3aと、ピストン3を介してシリンダ1内に移動自在に挿入されたロッド4と、ピストン3に設けられてロッド側室R1とピストン側室R2とを連通し通過する気体の流れに抵抗を与える通路5,6と、シリンダ1と外筒2との間の隙間で形成されて通路5,6を迂回してロッド側室R1とピストン側室R2とを連通するシリンダ外通路7とを備えて構成されている。
以下、詳細に説明すると、シリンダ1は、筒状に形成され、その上下端は、それぞれヘッド部材8とボトム部材9によって閉塞されて気体が充填されるとともに、シリンダ1の外方に配置されてシリンダ1を覆う有底筒状の外筒2内に収容されている。なお、シリンダ1内には、空圧緩衝器Aの摺動部位を潤滑するために少量の油が気体と共に充填されている。
そして、シリンダ1内は、摺動自在に挿入されるピストン3によってシリンダ1内はロッド側室R1とピストン側室R2とに区画されており、ピストン3の図1中上端には、ロッド4が連結されるとともに、ロッド側室R1とピストン側室R2とを連通する通路5,6が設けられ、これら通路5,6の途中には減衰力発生要素10,11が設けられている。
また、ピストン3には、ピストン3の上端からシリンダの内周に沿って立ち上がりシリンダ1に対して環状の隙間Gを介して対向する環状壁3aが設けられており、図2に示すように、上記隙間Gに油を貯めておくことができるようになっている。そして、この空圧緩衝器Aが車両のサスペンションに組み込まれて図示しない車体と車軸との間に鉛直となる線Vに対してシリンダ1の軸線Lが取付角度θだけ傾くように介装される場合、上記環状壁3aの図2中シリンダ1の軸方向となる上下方向の長さhを、環状壁3aの外径長さrに隙間Gの幅長さwを加算した値(r+w)で除した比は、鉛直に対してシリンダ1の軸線がなす取付角度θの正接の値tanθより大きく設定されるようになっている。つまり、tanθ≦h/(r+w)が成立するようになっている。
したがって、隙間G内に貯まった油の油面Oがピストン3の上端に対して角度θだけ傾いても、tanθ≦h/(r+w)が成立するので、少なくとも隙間Gに貯まった油の油面Oは、ピストン3の上端外周縁より上側に配置されるようになって、また、ピストン3の外周の全周が油に浸かった状態に維持することが可能となる。つまり、油が環状壁3aを乗り越えて環状壁3aの内側に入り込んで隙間Gに貯まった油の油面Oがピストン3の上端外周縁より下回ってしまうことが防止される。
さらに、上記通路5の途中には、ロッド側室R1からピストン側室R2へ向かう流れのみを許容する逆止弁12が設けられ、通路6の途中には、ピストン側室R2からロッド側室R1へ向かう流れのみを許容する逆止弁13が設けられている。したがって、通路5にあっては、空圧緩衝器Aが伸長する、すなわち、シリンダ1からロッド4が突出する作動を行うときのみに流体の通過を許容する一方通行の通路とされ、他方の通路6にあっても、空圧緩衝器Aが収縮する、すなわち、シリンダ1内にロッド4が進入する作動を行うときのみに流体が通過を許容する一方通行の通路をなしている。
そして、減衰力発生要素10,11は、図示したところでは、可変絞り弁とされており、空圧緩衝器Aの伸縮周波数や伸縮速度等に応じて、流体の流れに与える抵抗を変化させることができるようになっている。なお、減衰力発生要素10,11は、可変絞り弁ではなく固定絞り弁や、リーフバルブ等とされてもよい。なお、減衰力発生要素が気体の流れの方向に無関係に同じように抵抗を与える場合には、ピストン通路を一つの通路で形成して、その途中に一つの減衰力発生要素を設けるようにすればよく、この場合には、逆止弁12,13を設ける必要は無い。
つづいて、外筒2は、図1に示すように、有底筒状に形成され、この外筒2とシリンダ1との間の隙間でシリンダ外通路7が形成されて油が充填され、シリンダ外通路7内には油が充填さている。
転じて、ヘッド部材8は、環状に成型されてシリンダ1の図1中上端に嵌合しており、その内周側にはロッド4を軸支する軸受14を備えるとともに、上端側から開口する凹部15が設けられている。また、ヘッド部材8には外周と凹部15とを連通する流路16と、下端と凹部15とを連通する流路17とを備えており、流路16の外周側の開口端は上述シリンダ外通路7に対向させ、さらに、流路17の下端側の開口端はロッド側室R1に対向している。すなわち、シリンダ側通路7の一端は、上記流路16、凹部15および流路17を介してロッド側室R1に連通されている。
他方、シリンダ1の図1中下端を閉塞するボトム部材9は、円盤状に成型されてシリンダ1の図1中下端に嵌合しており、その上端と外周とを連通する流路18を備えて構成されている。この流路18の上端側の開口端はピストン側室R2に対向し、外周側の開口端はシリンダ外通路7に対向させてある。すなわち、シリンダ側通路7の他端は、上記流路18を介してピストン側室R2に連通されている。また、この流路18の途中には、ピストン側室R2からロッド側室R1へ向かう流れのみを許容する逆止弁19が設けられている。
そして、このように構成されたヘッド部材8、ボトム部材9によって両端が閉塞されたシリンダ1を外筒2内に挿入して収容し、上記ヘッド部材8の図1中上面にロッド4の外周に摺接する環状のシール21を保持する環状の封止部材20を積層し、外筒2の図中上端である開口端を加締め、これら封止部材20、ヘッド部材8、シリンダ1およびボトム部材9を外筒2内に収容固定して一体化してある。
上記した封止部材20における図1中、上下方向長さとなる軸方向長さは、上述のシール21の上下方向長さとなる軸方向長さより、短く設定されるととともに、シール21は、封止部材20の下端からシリンダ1の内方に向けて突出するように封止部材20によって保持されている。なお、上記したところでは、封止部材20はシール21を保持しているが、シール21を封止部材20に溶着して分離不能な状態としておくとしても差し支えない。
封止部材20から突出しているシール21の図1中下端は、ヘッド部材8の凹部15内に配置されており、この凹部15と封止部材20とで貯油室22が隔成され、この貯油室22内には油が充填されている。したがって、シリンダ外通路7は、上述の流路16によって貯油室22に接続され、これによってシリンダ外通路7は上記の貯油室22を介してロッド側室R1とピストン側室R2とを連通している。
さらに、シール21の内周側には、上述のように、シリンダ1から突出しヘッド部材8の軸受14内に摺動自在に挿入されるロッド4が挿入され、このシール21は所定の緊迫力でロッド4の外周に圧接されて、ロッド4の外周をシールしている。なお、封止部材20の外周側には、この封止部材20の外周と外筒2との間をシールする図示しないシールが設けられており、このシールと上記のシール21によってシリンダ1および外筒2が気密状態に維持されている。
そして、上述したところから明らかなように、ロッド4は、貯油室22を貫いており、この貯油室22は、ロッド4とシール21との摺動部23に臨むようになっている。
ここで、流路17の貯油室22側の開口端17aは、上記凹部15の側壁部15aから開口しており、この開口端17aは、少なくともシール21の図1中最下端より上方に位置するように設定されており、貯油室22内に充填される油の油面24が常にシール21の下端に接している状態に維持されている。
すなわち、シリンダ1内には作動気体が封入されるとともに、貯油室22内およびシリンダ外通路7内には油が充填されるが、本実施の形態の場合、ロッド4とシール21との間の潤滑を確実なものとするため、貯油室22内の油の油面24が、開口端17aの位置によってシール21の最下端より下方に下がることがないように配慮されるとともに、それ以上の余分な油はロッド側室R1へ排出されるようになっており、さらに、シリンダ外通路7内の油の油面25にあっても上記流路16の開口端16aより上方に位置するように設定されている。
また、ロッド側室R1およびピストン側室R2内にも少量の油が充填されるが、ロッド側室R1内に充填される油は、空圧緩衝器Aが伸縮動作を初めて行うときに、シリンダ1とピストン3と間の摺動部26を潤滑するためであり、ピストン側室R2内の油は、空圧緩衝器の収縮時にシリンダ外通路7内に気体に先んじて油を供給して貯油室22内の油面24の下降を防止するために充填される。
つづいて、上述のように構成された空圧緩衝器Aの作動について説明する。まず、空圧緩衝器Aが伸長作動する場合、ロッド側室R1が圧縮され、ピストン側室R2が膨張させられるので、ロッド側室R1内の気体は、通路5を介してピストン側室R2内に移動する。この移動時に、気体は減衰力発生要素10を通過するので、圧力損失が生じロッド側室R1とピストン側室R2の圧力差に見合った減衰力が発生する。
このとき、ロッド側室R1内の油は、油は気体より重たく、通路5の開口部に溜まった状態となることから、該油も気体とともにピストン側室R2内に移動する。
つづいて、空圧緩衝器Aが収縮作動する場合、ピストン側室R2が圧縮され、ロッド側室R1が膨張させられるので、ピストン側室R2内の気体は、通路6を介してロッド側室R1内に移動する。この移動時に、気体は減衰力発生要素11を通過するので、圧力損失が生じロッド側室R1とピストン側室R2の圧力差に見合った減衰力が発生する。
また、上記ピストン側室R2内の圧力上昇によって、ピストン側室R2内の気体は、逆止弁19を押し開き、流路18を介してシリンダ外通路7にも流入する。
このとき、ピストン側室R2内の油は、油は気体より重たく、流路18の開口部に溜まった状態となることから、該油も気体とともにシリンダ外通路7に移動する。
そして、シリンダ外通路7内および貯油室22は、ピストン側室R2と同様に加圧されることになるので、シリンダ外通路7内の油は、貯油室22内に流入し、さらに、貯油室22内の油の油面24が上昇することになる。
すると、この油面24の上昇と貯油室22内の圧力上昇とによって、貯油室22内の油は、流路17を通過してロッド側室R1内に気体とともに流入する。
なお、空圧緩衝器Aの収縮行程において、ピストン側室R2内に封入された気体がピストン3に設けた通路6を通過してロッド側室R1に流入することから明らかなように、流路18、シリンダ外通路7、流路16および流路17の少なくとも一つ以上は、気体および油の流れに減衰力発生要素11より大きな抵抗を与えるが、この抵抗はピストン側室R2から流路18、シリンダ外通路7、流路16および流路17を介してロッド側室R1へ至る間に弁を設けて与えるようにしてもよいし、ピストン側室R2から流路18、シリンダ外通路7、流路16および流路17を介してロッド側室R1へ至る間の管路抵抗で与えてもよく、具体的にはたとえば、逆止弁19をリーフバルブとしたり、流路18、流路16および流路17の流路面積を小さくしたり、シリンダ外通路7の環状の断面積を極小さくするようにしてもよい。
また、流路17の開口部17aの開口位置はシール21の最下端より上方に位置しているので、上記のごとく貯油室22から油がロッド側室R1内に移動しても、貯油室22内の油の油面24は、必ずシール21の最下端より上方に位置することになり、貯油室22内の油は、ロッド4とシール21との摺動部23およびロッド4と軸受14との間の摺動部の潤滑を維持しつづける。
したがって、空圧緩衝器Aが伸縮を繰り返しても、貯油室22内の油は、ロッド4とシール21との摺動部23およびロッド4と軸受14との間の摺動部の潤滑を維持しつづけることになり、正立型に形成された空圧緩衝器Aのロッド4の摺動部23を確実に潤滑することになる。
このように、ロッド4とシール21との摺動部23およびロッド4と軸受14との間の摺動部の潤滑が行われる一方、この空圧緩衝器Aにあっては、ピストン3の上端に環状壁3aが設けられているので、空圧緩衝器が斜めに取付けられても、図2に示すように、シリンダ1と環状壁3aとの間の環状の隙間Gに油を貯めることでピストン3の外周を油浸させることができることから、確実に、シリンダ1とピストン3との間の摺動部26の全体を潤滑することが可能であり、円滑な伸縮を保証することが可能となる。そして、上記したように摺動部26が確実に潤滑されるから、空圧緩衝器Aの円滑な伸縮作動が保証されて空圧緩衝器Aの信頼性が向上する。
また、ピストン3の上端面全部を油浸させる必要が無く、従来の空圧緩衝器に比較して非常に少ない油量でピストン3の外周の全周に亘って潤滑することができる。
さらに、環状壁3aの存在によって空圧緩衝器Aの摺動部26を潤滑するのに必要な油の量が少量となるので、空圧緩衝器Aの重量を軽減し、製造コストを低減でき、環境負荷も低減することができ、緩衝器の作動流体を気体とすることのメリットを充分に享受することが可能となり、空圧緩衝器Aの実用性が向上することになる。
またさらに、本実施の形態における空圧緩衝器Aにあっては、鉛直となる線Vに対してシリンダ1の軸線Lが取付角度θだけ傾くように介装されても、上記環状壁3aの図2中シリンダ1の軸方向となる上下方向の長さhを、環状壁3aの外径長さrに隙間Gの幅長さwを加算した値(r+w)で除した比は、鉛直に対してシリンダ1の軸線がなす取付角度θの正接の値tanθより大きく設定されるようになっていることから、当該取付角度θでは少なくとも隙間Gに貯まった油の油面Oは、ピストン3の上端外周縁より上側に配置されるようになるので確実に摺動部26を潤滑することができ、また、環状壁3a内にピストン3の外周の摺接部26の潤滑に寄与しない油が貯まってしまうような事態を抑制することができるので、空圧緩衝器A内に充填される油量をより一層少量とすることが可能となる。
また、本実施の形態における空圧緩衝器Aでは、ロッド4の摺動部に臨む貯油室22を設けて油面24を上記摺動部23の最下端より上方に位置させることで、上記摺動部23の確実な潤滑が可能となるので、構造が複雑となることが無く、大幅なコスト上昇を伴わずに空圧緩衝器を正立型とすることができる。
さらに、上記したようにロッド4の摺動部23が確実に潤滑されるから、この点でも、空圧緩衝器Aの円滑な伸縮作動が保証されて空圧緩衝器Aの信頼性が向上するとともに、シール21の耐磨耗性が向上することから空圧緩衝器Aの密封性も向上することになる。
なお、特に本発明の空圧緩衝器は車両のサスペンション用途に適するが、車両用緩衝器以外に本発明の空圧緩衝器の構成が具現化しても、その作用効果が失われることが無いことは当然である。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
一実施の形態における空圧緩衝器の概略縦断面図である。 車両に取付けた状態における一実施の形態の空圧緩衝器の一部切欠断面図である。 車両に取付けた状態における従来の空圧緩衝器の一部切欠断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 外筒
3 ピストン
3a 環状壁
4 ロッド
5,6 ピストン通路たる通路
7 シリンダ外通路
8 ヘッド部材
9 ボトム部材
10,11 減衰力発生要素
12,13,19 逆止弁
14 軸受
15 凹部
15a 凹部の側壁部
16,17,18 流路
16a,17a 流路の開口端
20 封止部材
21 シール
22 貯油室
23 ロッドとシールの摺動部
24,25 油面
26 シリンダとピストンの摺動部
A 空圧緩衝器
G 隙間
L シリンダの軸線
V 鉛直線

Claims (2)

  1. シリンダと、シリンダ内をロッド側室とピストン側室とに区画するピストンと、ピストンを介してシリンダ内に移動自在に挿入されたロッドと、ピストンの上端からシリンダの内周に沿って立ち上がる環状壁と、シリンダの内周と環状壁の外周との間に隔成した環状隙間と、環状隙間内に収容した潤滑用の油とを備えた車両等の空圧緩衝器において、上記車両等に上記シリンダと上記ピストンロッドとが斜めに取り付けられた時でも上記隙間内に上記油の一部が残留できるように上記環状壁の上下方向長さを設定したことを特徴とする空圧緩衝器。
  2. 環状壁の上下方向長さを環状壁の外径長さに隙間の幅長さを加算した値で除した比は、鉛直に対してシリンダの軸線がなす取付角度の正接の値より大きく設定されることを特徴とする請求項1に記載の空圧緩衝器。
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