JP6114499B2 - シール部材および緩衝器 - Google Patents

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本発明は、シール部材および緩衝器に関する。
従来、緩衝器にあっては、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されシリンダ内を二つの作動室に区画するピストンと、ピストンに一端が連結されるロッドとを備えて構成され、伸縮する際に作動室間を行き来する作動油の流れに抵抗を与えて作動室間に差圧を生じせしめて減衰力を発生し、制振対象の振動を抑制するようになっている(たとえば、特許文献1参照)。
また、この緩衝器にあっては、ロッドの外周に摺接するシール部材を備えており、このシール部材にてシリンダ内の作動油のロッド周りからの漏洩を防止して、シリンダ内を油密に保っている。
具体的には、シール部材は、環状の芯金と、芯金の内周側に一体化されるゴムで形成されるオイルリップを備えていて、単筒型緩衝器を例にとれば、ロッドを軸支するロッドガイドに積層されるとともに、シリンダの端部を加締めるか、シリンダの管端にキャップを螺着することでシリンダに固定されるが、オイルリップの内周径はロッドの外径よりも小径に設定され、上記したオイルリップの背面にはシリンダ内の圧力が作用するとともに、ガータースプリングで締め付けられているので、当該オイルリップは緊迫力をもってロッドの外周を締め付けている。そのため、シール部材は、ロッドの外周を密にシールすることができるのである。
このように、オイルリップは、ロッドの外周に密着しているので、ロッドがシリンダに対して軸方向へ移動すると、ロッドとの間で摩擦力が生じ、この摩擦力は、緩衝器が発生する減衰力の一部を担っている。
他方、緩衝器は、車両のサスペンションに組み込まれて使用される場合、ばね上部材の共振を防止することが要求されるが、ばね上部材の共振周波数は1Hz程度と低く緩衝器の伸縮速度が低速となるので、低速で伸縮する際に比較的大きな減衰力を発揮することが望まれる。そのため、車両用の緩衝器では、伸縮速度がある程度低くても減衰力を発揮できるように、オリフィスやチョークといった低速用のバルブを高速用のリーフバルブに並列することで減衰バルブを構成するようになっている。
しかしながら、オリフィスやチョークといったバルブを使用しても、緩衝器が極低速で伸縮する場合、油圧による減衰力では不足してしまうので、上記したオイルシールとロッドとの間に生じる摩擦力を利用して、不足分の減衰力を補うようにしている。
特開2005−240832号公報
ところが、オイルシールによる摩擦力の大きさは、シリンダ内の圧力に左右されるところがあり、摩擦力が大きすぎて却って車両における乗り心地を損なってしまう場合がある。
また、オイルシールは、摩擦力以外にも弾性を備えているので、ロッドが軸方向へ移動するとオイルリップが弾性変形してロッドの移動を妨げるばね力を発揮し、ばね力にはヒステリシスがあってロッドが反対方向へ移動するとこれを助成する力として働き、車両における乗り心地が悪化する。
これらの不都合を解消しようと、オイルシールの緊迫力を下げることで摩擦力を下げようとすると、今度は緊迫力不足となって、シール性能が劣化してしまう恐れがある。車両における乗り心地の向上とシール性能とはトレードオフの関係にあって、従来のシール部材や緩衝器では、両者の両立が難しかった。
そこで、本発明は、上記した問題を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、車両における乗り心地を損なうことなくシール性能を向上することができるシール部材および緩衝器を提供することである。
上記した課題を解決するために、本発明の課題解決手段は、シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、上記環状溝内に装着されて上記ロッドの外周に摺接する自己潤滑性を備えた合成樹脂リングとを備え、上記環状溝の底部に上記合成樹脂リングに密着する環状突起を設けたことを特徴とする。また、他の課題解決手段は、シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、上記環状溝内に装着されて上記ロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールする自己潤滑性を備えた合成樹脂リングとを備え、上記環状溝の底部と側壁のうち少なくとも一つ以上に環状突起を設け、上記環状突起が設けられた上記底部又は上記側壁では、上記環状突起のみが上記合成樹脂リングに密着することを特徴とする。また、他の課題解決手段は、シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、上記ロッドの外周に摺接する複数の摺接部とを備え、上記摺接部は、上記環状溝内に装着されて、内周に上記ロッドの外周に摺接してオイルリップとして機能するリップ部を有し、自己潤滑性を備えた合成樹脂リングと、上記合成樹脂リングの反シリンダ側に配置されるダストシールと、上記合成樹脂リングと上記ダストシールとの間に配置された一つ以上の摩擦部とを有し、上記合成樹脂リングは、上記摺接部の中で最もシリンダ側に配置されることを特徴とする。また、他の課題解決手段は、上記シール部材を備えた緩衝器である。
合成樹脂リングは、合成ゴムでオイルリップを形成していた従来の緩衝器に比較して、ロッドとの摩擦係数が低く、硬質である。そのため、シール部材とロッドとの間に生じる摩擦力が低く、合成樹脂リングが硬質であって摩擦力が低減されるので減衰力にヒステリシスがあるばね力が重畳しにくい。
また、合成樹脂リングは、ロッドの外周に緊迫力をもって摺接しているものの、ロッドとの間で発生する摩擦力は小さく、また、シリンダ内の圧力が変化しても硬質であるために圧力変動の影響を受けづらいので、安定した均一なシール性能を発揮することができる。
本発明のシール部材および緩衝器によれば、車両における乗り心地の向上とシール性能とを両立させることができ、車両における乗り心地を損なうことなくシール性能を向上することができる。
一実施の形態におけるシール部材および緩衝器の縦断面図である。 一実施の形態におけるシール部材の半裁拡大縦断面図である。 一実施の形態の一変形例におけるシール部材の半裁拡大縦断面図である。 一実施の形態の他の変形例におけるシール部材の半裁拡大縦断面図である。 他の実施の形態におけるシール部材の半裁拡大縦断面図である。 他の実施の形態の一変形例におけるシール部材の半裁拡大縦断面図である。
以下、図に基づいて本発明を説明する。一実施の形態におけるシール部材1は、図1に示すように、緩衝器Dに適用されており、緩衝器Dにおけるシリンダ2内に出入りするロッド3の外周に摺接してロッド3の外周をシールするようになっている。
以下、各部について詳細に説明する。まず、説明に先立ち、緩衝器Dの構造について説明する。緩衝器Dは、この場合、単筒型の緩衝器として構成されており、シリンダ2と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるとともにシリンダ2内に気室Gと液室Lとを区画するフリーピストン4と、シリンダ2内に摺動自在に挿入されるとともにシリンダ2内に設けた液室Lを二つの作動室R1,R2に区画するピストン5と、シリンダ2内に移動自在に挿入されて一端がピストン5に連結されるロッド3と、シリンダ2の開口端を閉塞すると共にロッド3を軸支するロッドガイド6と、ロッドガイド6に積層されるシール部材1と、ピストン5に設けられて作動室R1,R2同士を連通する通路7,8と、当該通路7,8の途中に設けた減衰バルブ9,10と、減衰バルブ9,10に並列されるコンスタントオリフィス11とを備えて構成されており、液室L内には作動油等の液体が充填されている。
緩衝器Dは、上記したように、単筒型緩衝器とされており、伸長する場合、ピストン5に設けた通路7を介して圧縮される図1中上方の作動室R1から拡大される図1中下方の作動室R2へ移動する液体の流れに減衰バルブ9およびコンスタントオリフィス11によって抵抗を与えることによって伸側の減衰力を発生し、反対に、収縮する場合、ピストン5に設けた通路8を介して圧縮される図1中下方の作動室R2から拡大される図1中上方の作動室R1へ移動する液体の流れに減衰バルブ10およびコンスタントオリフィス11によって抵抗を与えることによって圧側の減衰力を発生するようになっている。そして、特に、この場合、緩衝器Dが低速で伸縮する場合には、減衰バルブ9,10が閉じた状態となるように設定され、主としてコンスタントオリフィス11を液体が通過する際の抵抗によって緩衝器Dは減衰力を発揮するようになっている。また、この伸縮行程時において、シリンダ2内に侵入或いはシリンダ2から退出するロッド3の体積分の容積を気室Gが膨張或いは収縮することで補償するようになっている。
なお、シリンダ2内に充填される液体は、作動油のほか、水、水溶液、電気粘性流体、磁気粘性流体等、緩衝器に適用可能なものを採用することが可能であって、液体が電気粘性流体である場合には減衰バルブ9,10に代えて通路7,8に電界を作用させる減衰力発生手段を設ければよく、また、液体が磁気粘性流体である場合には減衰バルブ9,10に代えて通路7,8に磁界を作用させる減衰力発生手段を設ければよい。また、上記したところでは、作動流体を液体としているが、気体を用いることもでき、気体を用いる場合には、気体の体積変化でロッド3がシリンダ2内へ出入りする体積を補償することができるので、気室を設ける必要はない。また、上記した緩衝器Dは、一例であって、シリンダ2の外周にアウターチューブを設けて、シリンダ2とアウターチューブとの間の環状隙間にシリンダ2内に出入りするロッド3の体積補償を行うリザーバを設ける副筒型緩衝器とされてもよし、ロッド3がピストン5を貫通して、シリンダ2の両端から外部へ突出する両ロッド型の緩衝器とされてもよい。
ロッドガイド6は、環状に形成されており、図1中上端内周側に設けた凹部6aと、図1中上端外周に設けた切欠6bとを備えて構成され、シリンダ2の内周に嵌合されるスナップリング12によって図1中下方への移動が規制された状態でシリンダ2の図1中上端となる開口端に嵌合され、シリンダ2の開口端を閉塞している。
また、ロッドガイド6の内周には、筒状のベアリング13が装着されており、このスライドベアリング13内にロッド3が摺動自在に挿入され、スライドベアリング13はロッド3の図1中上下方向となる軸方向の移動をガイドしている。
つづいて、このロッドガイド6の図1中上方に積層されるシール部材1は、図1および図2に示すように、環状であって内周に環状溝22を備えた本体部19と、当該環状溝22内に装着されてロッド3の外周に摺接する自己潤滑性を備えた合成樹脂リング30とを備えている。
本体部19は、この場合、環状かつ平板形状とされる芯金20と、芯金20の内周側シリンダ側端である内周側の図1中下端に一体化された合成ゴムで形成される環状のゴム環21とを備えており、環状溝22は、ゴム環21の内周に形成されている。
また、本体部19は、芯金20の外周側シリンダ側端である外周側の図1中下端に一体化される合成ゴムで形成される環状の外周シール23と、芯金20の内周側反シリンダ端である内周側の図1中上端に一体化される合成ゴムで形成される環状のダストシール24とを備えている。
合成樹脂リング30は、自己潤滑性を備えて摩擦係数が小さく、耐摩耗性に優れる合成樹脂材料で形成されていて、上記環状溝20内に装着されている。また、合成樹脂リング30の内周に先端が先細りとなるリップ部30aを備え、当該リップ部30aは、内周がゴム環21の内周よりもロッド3側へ突出しており、当該リップ部30aをロッド3の外周に摺接させている。リップ部30aの内径はロッド3の外径よりも若干小径とされて締代(リップ部30aの内径とロッド3の外径との差)が設定されていて、適度な緊迫力をもってロッド3の外周を締め付けているが、自己潤滑性を備えているためロッド3の軸方向への移動を阻害することが無い。
なお、合成樹脂リング30の材料としては、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂、ポリアセタール、ポリフェニレンサルファイド、超高分子量ポリエチレン等といった自己潤滑性と耐摩耗性に優れる材料を使用することができる。
なお、環状溝22の底部22aには、図2に示すように、周方向に沿う環状突起25が設けられていて、この環状突起25が合成樹脂リング30の外周に当接して、ゴム環21と合成樹脂リング30との間がシールされている。また、ゴム環21の外周には、ガータースプリング26が装着されており、ゴム環21をロッド3側へ緊迫しており、環状突起25が合成樹脂リング30の外周に押圧されており、ガータースプリング26を設けることで、ゴム環21を縮径させて合成樹脂リング30へ向けて押圧でき、ゴム環21と合成樹脂リング30との間をより密にシールすることができる。上記したように、合成樹脂リング30自体がゴム環21より硬質であり、締代に応じてロッド3を締め付けて密にシールするから、ガータースプリング26を省略することも可能である。環状突起25についても、ゴム環21と合成樹脂リング30との間のシール性に問題が無ければ、廃止することもでき、また、環状突起25は、底部22aに設けるだけでなく、環状溝22の各側壁22b,22cの一方または両方にのみ、或いは、底部22aに加えて各側壁22b,22cの一方または両方に設けて合成樹脂リング30に密着させるようにしてもよい。
ダストシール24は、ロッド3の外周であって、合成樹脂リング30より反シリンダ側となる図1中上方側に摺接して、ロッド3がシリンダ2内へ侵入する作動を呈する際に、ロッド3の外周に付着した塵や埃、泥などいったダストを掻き落として、ダストのシリンダ2内への侵入を防止している。
このように構成されたシール部材1は、上記したロッドガイド6の図1中上端に積層されると、ゴム環21は、ロッドガイド6の凹部6a内に収容され、外周シール23は、シリンダ2とロッドガイド6とで圧縮された状態で切欠6b内に収容される。そして、シール部材1をロッドガイド6に積層した状態でシリンダ2の図1中上端を外周から加締め加工することで、シリンダ2の上端が内側へ折り曲げられてシール部材1が折り曲げ部分によって上方からロッドガイド6側へ向けて押さえつけられてシリンダ2に固定される。
そして、上記したように、合成樹脂リング30は、ロッド3の外周に摺接してロッド3の外周をシールし、外周シール23は、このように切欠6b内に収容されることで、シリンダ2とロッドガイド6との間をシールする。
このようにシール部材1およびシール部材1を適用した緩衝器Dは構成されるが、合成樹脂リング30は、合成ゴムでオイルリップを形成していた従来の緩衝器に比較して、ロッド3との摩擦係数が低く、硬質である。そのため、シール部材1とロッド3との間に生じる摩擦力が低く、合成樹脂リング30が硬質であって摩擦力が低減されるので減衰力にヒステリシスがあるばね力が重畳しにくい。すなわち、本発明のシール部材1および緩衝器Dにあっては、シール部材1がロッド3との間で過剰な摩擦力とばね力を発揮することが無いので、緩衝器Dの伸縮速度が低速であっても、緩衝器Dの減衰力が過剰となることがない。
また、合成樹脂リング30は、ロッド3の外周に緊迫力をもって摺接しているものの、ロッド3との間で発生する摩擦力は小さく、また、シリンダ2内の圧力が変化しても硬質であるために圧力変動の影響を受けづらいので、安定した均一なシール性能を発揮することができる。
よって、本発明のシール部材1および緩衝器Dによれば、車両における乗り心地の向上とシール性能とを両立させることができ、車両における乗り心地を損なうことなくシール性能を向上することができる。さらに、この実施の形態にあっては、合成樹脂リング30とゴム環21とが別部材として構成しており、合成樹脂リング30をゴム環21へ一体化するのに適している。
なお、合成樹脂リング30の外周に周方向に沿って突出する環状凸部30bを設け、この環状凸部30bを図3に示すようにゴム環21に設けた環状溝22の底部22aに周方向に沿って設けた環状凹部22d内に嵌合させることで、合成樹脂リング30の抜け止めを図るようにしてもよい。このように抜け止めをすることで、ロッド3の軸方向移動時にゴム環21から合成樹脂リング30が脱落してしまうことが防止される。環状凸部30bは、図示したところでは、合成樹脂リング30の外周中央に設けているが、シリンダ側寄り或いは反シリンダ側寄りに設けることもできる。
また、緩衝器Dが低速度で伸縮する際の減衰力が不足する場合には、図4に示すように、合成樹脂リング30よりも反シリンダ側、つまり、外部側である図4中上方側に、ロッド3の外周に摺接する摩擦部29を本体部19に設けることもできる。具体的には、摩擦部29は、芯金20に一体化される合成ゴム等で形成され、たとえば、ゴム環21或いはダストシール24に設けてもよいし、これらとは別個に芯金20の内周に設けてもよく、さらには、合成樹脂リング30の内周に設けてもよく、また、摩擦部29の形状はシール機能を発揮させたいのであれば周方向に円環状として設けて油膜の膜圧をコントロールしてもよく、シール機能を期待しないのであれば円環状に設ける必要はなく、たとえば、複数の突起を設けてこれらで摩擦部29を構成してもよい。
次に、他の実施の形態のシール部材40について説明する。このシール部材40は、図5に示すように、本体部41のゴム環43に設けられる環状溝44の反シリンダ側の側壁44aが芯金42のシリンダ内側面で形成され、合成樹脂リング50の反シリンダ側面50bを上記芯金42のシリンダ内側面に当接させている。
以下、この他の実施の形態におけるシール部材40について詳細に説明すると、本体部41は、芯金42と、芯金42の内周側に一体化されるゴム環43とで構成れている。そして、芯金42は、この場合、孔空き円盤状の基部46aと、当該基部46aの外周から立ち上がる筒状のソケット46bとを備えたシール保持環46と、シール保持環46の基部46aに積層されるとともにソケット46bの内周に嵌合される孔空き円盤状の環状部材としてのダストシール保持環47とを備えて構成されている。
シール保持環46の基部46aの内周から内周側シリンダ側端である内周側の図中下端には、合成ゴムで形成される環状のゴム環43が一体化され、基部46aの外周側シリンダ側端である外周側の図中下端には、合成ゴムで形成される環状の外周シール48が一体化されている。そして、ゴム環43の内径は、途中から図5中上端となる反シリンダ端まで大径とされて凹部43aが設けられている。
また、ダストシール保持環47の内周側反シリンダ端である内周側の図中上端には、合成ゴムで形成される環状のダストシール49が一体化されている。なお、この場合、環状部材はダストシール49を保持するダストシール保持環47とされているがダストシール47が不要であれば保持せずともよい。
そして、このように構成された、シール保持環46にダストシール保持環47を嵌合して一体化すると、ダストシール保持環47の内径がシール保持環46の内径よりも小径とされており、ダストシール保持環47のシリンダ内側面とゴム環43の凹部43aとで環状溝44が形成され、ダストシール保持環47の下端内周面で環状溝44の反シリンダ側の側壁44aが形成される。
この環状溝44に装着される合成樹脂リング50の内周には、内径がダストシール保持環47の内径およびゴム環43の凹部43aより図5中下方であるシリンダ側の内径よりも小径のリップ部50aが設けられており、合成樹脂リング50を環状溝44に装着するとリップ部50aが本体部41よりもロッド3側へ突出する。この突出したリップ部50aの内径は、ロッド3を緊迫力をもって摺接させることができるように締代を設けてあって、ロッド3の外周の外径よりも小径とされて、ロッド3の外周を密にシールすることができるようになっている。なお、合成樹脂リング50の材料は、合成樹脂リング30と同様とすればよい。
このように構成されたシール部材40は、上記した一実施の形態のシール部材1と同様に、シリンダ2に加締加工や図外のキャップによって固定される。そして、このようにシール部材40を構成しても、シール部材1と同様に、車両における乗り心地の向上とシール性能とを両立させることができ、車両における乗り心地を損なうことなくシール性能を向上することができる。
さらに、このシール部材40にあっては、合成樹脂リング50の反シリンダ側面50bが芯金42を構成するダストシール保持環47に当接するので、シリンダ2側から高圧が作用しても、シリンダ2に固定される芯金42によって、反シリンダ側への移動が規制されるので、シリンダ2内の内圧を高めることができるので、緩衝器Dの減衰力発生応答性を高めることができ、シール性能の劣化も摩耗も従来のシール部材に比して少ない。
また、芯金42が、ゴム環43を備えたシール保持環46と、シール保持環46の反シリンダ側に積層されるダストシール保持環47とを備え、当該ダストシール保持環とゴム環43の内周に設けた凹部43aとで環状溝44を形成し、当該環状溝44に合成樹脂リング50を装着させるので、合成樹脂リング50本体部41への組み込みが容易となる。なお、芯金42をシール部材1の芯金20と同様の構成として、ゴム環21で環状溝の底部とシリンダ側の側壁を形成し、芯金20で環状溝の反シリンダ側の側壁を形成して、合成樹脂リング50を装着することもでき、このようにしてもシリンダ2に固定される芯金20によって、合成樹脂リング50の反シリンダ側への移動が規制されるので、シリンダ2内の内圧を高めることができ、緩衝器Dの減衰力発生応答性を高めることができる。
無論、この他の実施の形態のシール部材40にあっても、シール部材1における環状突起25、環状凸部30b、環状凹部22d、さらには、摩擦部29と同様の構成を設けることも可能である。
また、合成樹脂リング50の外周に環状凸部50bを設ける場合、図6に示すように、環状凸部50bを合成樹脂リング50の反シリンダ側端の外周である図6中上端外周(芯金側端外周)に設けて、当該環状凸部50bの反シリンダ側端を含む合成樹脂リング50の反シリンダ側端を面一にし、環状溝44に環状凸部50bの挿入を可能とする環状凹部44cを設け、合成樹脂リング50の反シリンダ側端を芯金42で形成する環状溝44の反シリンダ側の側壁44aに当接させるようにすることもでき、このようにすることで、芯金42との当接面積が大きくなるので、環状凸部50bを設けることによる合成樹脂リング50の抜け止めを図ることができるだけでなく、芯金42によって合成樹脂リング50を安定支持することができ、合成樹脂リング50の傾ぎが防止されてより一層安定したシール性と摩擦力を発揮でき、より一層乗り心地を向上することができる。なお、この場合にあっても、芯金42に代えて芯金20の利用が可能であるとともに、環状突起25、摩擦部29と同様の構成を設けることも可能である。
以上で、本実施の形態のシール部材1,40および緩衝器Dについての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
1 シール部材
2 シリンダ
3 ロッド
19,41 本体部
20,42 芯金
21,43 ゴム環
22,44 環状溝
22a 環状溝の底部
22b,22c,44a 環状溝の側壁
22d 環状凹部
25 環状突起
26 ガータースプリング
29 摩擦部
30,50 合成樹脂リング
30b 環状凸部
46 シール保持環
47 環状部材としてのダストシール保持環

Claims (10)

  1. シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、
    上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、
    上記環状溝内に装着されて上記ロッドの外周に摺接する自己潤滑性を備えた合成樹脂リングとを備え、
    上記環状溝の底部に上記合成樹脂リングに密着する環状突起を設けた
    ことを特徴とするシール部材。
  2. シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、
    上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、
    上記環状溝内に装着されて上記ロッドの外周に摺接する自己潤滑性を備えた合成樹脂リングとを備え、
    上記環状溝の底部と側壁のうち少なくとも一つ以上に環状突起を設け、
    上記環状突起が設けられた上記底部又は上記側壁では、上記環状突起のみが上記合成樹脂リングに密着する
    ことを特徴とするシール部材。
  3. シリンダ内に出入りするロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールするシール部材であって、
    上記シール部材は、内周に環状溝が設けられるゴム環を備えた環状の本体部と、
    上記ロッドの外周に摺接する複数の摺接部とを備え、
    上記摺接部は、
    上記環状溝内に装着されて、内周に上記ロッドの外周に摺接してオイルリップとして機能するリップ部を有し、自己潤滑性を備えた合成樹脂リングと、
    上記合成樹脂リングの反シリンダ側に配置されるダストシールと、
    上記合成樹脂リングと上記ダストシールとの間に配置された一つ以上の摩擦部とを有し、
    上記合成樹脂リングは、上記摺接部の中で最もシリンダ側に配置される
    ことを特徴とするシール部材。
  4. 上記摺接部が、上記本体部に設けられる
    ことを特徴とする請求項3に記載のシール部材。
  5. 上記本体部は、上記ゴム環が一体化される環状の芯金を備え、
    上記芯金は、上記ゴム環を保持するシール保持環と、上記シール保持環に積層される環状部材とを備え、
    上記環状溝の反シリンダ側側壁が、上記環状部材のシリンダ内側面で形成されるとともに、上記合成樹脂リングの反シリンダ側面が当接し、
    上記合成樹脂リングのシリンダ側面が上記ゴム環に当接して、上記芯金と上記ゴム環により上記合成樹脂リングが挟持されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシール部材。
  6. 上記合成樹脂リングは、反シリンダ側端の外周に環状凸部を有し、上記反シリンダ側端が上記環状凸部を含めて面一であって、
    上記ゴム環は、上記環状溝の底部に上記環状凸部が挿入される環状凹部を有し、
    上記合成樹脂リングの反シリンダ側端は、上記芯金のシリンダ内側面に当接している
    ことを特徴とする請求項に記載のシール部材。
  7. 上記ゴム環は、上記環状溝の底部中央に環状凹部を有し、
    上記合成樹脂リングは、外周中央に上記環状凹部内に嵌合される環状凸部を有する
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれか一項に記載のシール部材。
  8. 上記ゴム環の外周に上記ゴム環を縮径させて上記合成樹脂リングへ向けて押圧するガータースプリングを設けた
    ことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のシール部材。
  9. 上記合成樹脂リングは、フッ素樹脂であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のシール部材。
  10. 上記シリンダと、上記シリンダ内に出入りする上記ロッドと、上記ロッドの外周に摺接して上記ロッドの外周をシールする請求項1からのいずれか一項に記載のシール部材とを備えた緩衝器。
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