JP2020016287A - シリンダ装置 - Google Patents

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Toshihiro Inuzuka
俊宏 犬塚
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ウルバン アンタ カルロス
幸司 南野
Koji Minamino
幸司 南野
篤 前田
Atsushi Maeda
篤 前田
パトワ アカァシュ
Patwa Aakash
パトワ アカァシュ
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Abstract

【課題】 ピストンロッドの伸び切り、伸び切りからの縮み動作するときの抵抗力を制御することにより、良好な乗り心地を得る。【解決手段】 内筒6内の弾性部材12は、ピストンロッド9の伸び行程で下側がピストンロッド9に設けられたストッパ13に押圧されることにより、ピストンロッド9に伸び行程と逆向きの付勢力を付与する。弾性部材12の下側には、上側が弾性部材12に嵌合された嵌合部15と、下側がストッパ13と当接する当接部16とを有するクッション部材14が設けられている。このクッション部材14は、当接部16の外周側が内筒6の内面に摺動可能に接触することにより、ロッド側室Cをロッドガイド側室C1とピストン側室C2とに区画している。この上で、クッション部材14には、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2とを常時連通する連通路17が設けられている。【選択図】 図2

Description

本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるシリンダ装置に関する。
一般に、4輪自動車等の車両には、各車輪(車軸側)と車体との間にそれぞれ油圧緩衝器としてのシリンダ装置が設けられ、シリンダに対してピストンロッドが伸縮することにより、車両の振動を緩衝するようにしている(例えば、特許文献1参照)。この種の従来技術によるシリンダ装置には、ピストンロッドが大きく伸長したときに、作動油の流れを制限することにより、ピストンロッドの伸び切り限界を超えないように構成した油圧式のストッパ機構が設けられている。
米国特許第8418820号明細書
ところで、従来技術のストッパ機構は、ピストンロッドの外周側に位置するリバウンドスプリングとリング状部材との間にフリーピストンを配置し、このフリーピストンに連通路を設けている。これにより、ピストンロッドが大きく伸びたときには、リング状部材によりフリーピストンの連通路を閉塞する構成としている。
しかし、前述した構成では、リング状部材がフリーピストンの連通路を閉塞したときに作動油の流れが絶たれるから、ピストンロッドの伸びに対する抵抗力が急激に立ち上がってしまう。また、ピストンロッドが伸び切り状態から縮むときには、リング状部材がフリーピストンから離れるまで作動油の流れを制限した状態を維持することになる。フリーピストンは、リング状部材との当接位置が定まらない。これらのことから、従来技術によるシリンダ装置は、ピストンロッドの伸縮動作するときに発生する抵抗力によって減衰力が安定せず、乗り心地が悪くなるという問題がある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、ピストンロッドの伸び切り、伸び切りからの縮み動作するときの抵抗力を制御することにより良好な乗り心地を得ることができるようにしたシリンダ装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明によるシリンダ装置は、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を一側室と他側室とに区画するピストンと、前記ピストンに連結されるピストンロッドと、前記シリンダの一端側に設けられて前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、一側が前記ロッドガイドまたは前記シリンダに取付けられ、前記ピストンロッドの伸び行程で他側が前記ピストンロッドに設けられたストッパに押圧されることにより、前記ピストンロッドに前記伸び行程と逆向きの付勢力を付与する弾性部材と、を備え、前記弾性部材の他側には、一側が前記弾性部材に嵌合された嵌合部と、他側が前記ストッパと当接する当接部とを有するクッション部材が設けられ、前記クッション部材は、前記当接部の外周側が前記シリンダの内面に摺動可能に接触することにより、前記一側室をロッドガイド側室とピストン側室とに区画しており、前記クッション部材には、前記ロッドガイド側室と前記ピストン側室とを常時連通する連通路が設けられていることを特徴としている。
本発明によれば、ピストンロッドの伸び切り、伸び切りからの縮み動作するときの抵抗力を制御することができ、良好な乗り心地を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態によるシリンダ装置としての油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図1の外筒、内筒、ピストンロッド、弾性部材、ストッパ、クッション部材および連通路を拡大して示す縦断面図である。 クッション部材にストッパが当接してピストンロッドの伸び動作を抑制している状態を図2と同様位置から見た縦断面図である。 クッション部材を単体で拡大して示す縦断面図である。 クッション部材を単体で拡大して示す平面図である。 クッション部材を単体で拡大して示す底面図である。 本発明の第2の実施の形態によるクッション部材を、外筒、内筒、ピストンロッド、弾性部材、ストッパ、連通路と一緒に図2と同様位置から見た縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係るシリンダ装置を、油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げ、添付図面図に従って詳細に説明する。なお、各図面では、各種通路の形状、作動油の流れが明瞭になるように、各種通路を実際のものよりも大きく記載している。
図1ないし図6は、本発明の第1の実施の形態を示している。図1において、シリンダ装置としての油圧緩衝器1は、その外殻をなす筒状の外筒2と、後述の内筒6、ピストン8、ピストンロッド9、ロッドガイド11、弾性部材12、ストッパ13、クッション部材14および連通路17とを含んで、複筒式の緩衝器として構成されている。
油圧緩衝器1の外筒2は、その一端(図1中の上端)側が開口端となり、他端側としての下端側がボトムキャップ3によって閉塞された閉塞端となっている。外筒2の開口端(上端)側には、径方向内側に屈曲したかしめ部2Aが設けられ、該かしめ部2Aは、外筒2の開口端側を閉塞する蓋体4を抜止め状態で保持している。
環状円板からなる蓋体4は、外筒2の開口端(上端)側を閉塞するため、後述のロッドガイド11に当接した状態で、その外周側が外筒2のかしめ部2Aにより固定されている。蓋体4の内周側には、弾性材料からなるロッドシール5が取付けられ、該ロッドシール5は、後述のピストンロッド9と蓋体4との間をシールしている。
シリンダとしての内筒6は、外筒2内に同軸をなして設けられ、該内筒6の他端(下端)側は、ボトムキャップ3側にボトムバルブ7を介して嵌合状態で固定されている。内筒6の一端(上端)側の内周には、ロッドガイド11が嵌合して取付けられている。内筒6内には、作動流体としての作動油(油液)が封入されている。作動流体としては、油液に限らず、例えば添加剤を混在させた水等を用いることもできる。ここで、内筒6の内周の上端部位には、後述する弾性部材12の上端側(一側)が嵌合状態で取付けられている。
内筒6と外筒2との間には、環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前述した作動油と共にガスが封入されている。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。リザーバ室A内のガスは、ピストンロッド9の縮小時(縮み行程時)に当該ピストンロッド9の進入体積分を補償すべく圧縮される。
ピストン8は、内筒6内に摺動可能に嵌装されている。このピストン8は、内筒6(シリンダ)内をボトム側室Bとロッド側室Cとの2室に区画している。また、ピストン8には、ボトム側室Bとロッド側室Cとを連通可能な油路8A,8Bが形成されている。さらに、ピストン8の上端面には、ピストンロッド9の縮小によってピストン8が下向きに摺動変位するときに、油路8Aを流通する作動油に抵抗を与えて所定の減衰力を発生する縮小側のディスクバルブ8Cが配設されている。一方、ピストン8の下端面には、ピストンロッド9の伸長によってピストン8が上向きに摺動変位するときに、油路8Bを流通する作動油に抵抗を与えて所定の減衰力を発生する伸長側のディスクバルブ8Dが配設されている。
ピストンロッド9は、その他端(下端)側がピストン8に連結されている。即ち、ピストンロッド9は、下端側が内筒6内に挿入され、ナット10等によってピストン8の軸中心位置に取付けられている。また、ピストンロッド9の上端側は、ロッドガイド11、蓋体4等を介して外部へと伸縮可能に突出している。ピストンロッド9には、ピストン8の取付位置から予め定められた寸法だけ離間した位置に、後述のストッパ13が外嵌状態で固定されている。
ロッドガイド11は、内筒6(シリンダ)の一端側となる上端側に設けられ、ピストンロッド9を挿通させて閉塞する閉塞部材を構成している。ロッドガイド11は、段付円筒状に形成され、外筒2の上端側および内筒6の上端側に挿嵌して固定されている。これにより、ロッドガイド11は、内筒6の上側部分を外筒2の軸中心に位置決めすると共に、内周側でピストンロッド9を挿通させて軸方向へと摺動可能に案内(ガイド)するものである。また、ロッドガイド11は、蓋体4と一緒に外筒2のかしめ部2Aによりかしめ固定されている。
ロッドガイド11は、上側に位置して外筒2の内周側に挿嵌される大径部11Aと、該大径部11Aの下側に位置して内筒6の内周側に挿嵌される小径部11Bとにより段付円筒状に形成されている。小径部11Bの内周側には、内筒6内に挿通されたピストンロッド9を軸方向に摺動可能にガイドする円筒状のガイド部材11Cが設けられている。
弾性部材12は、リバウンドスプリングとして形成されるもので、内筒6内でピストンロッド9の外周側に設けられている。また、弾性部材12は、ロッド側室C、即ち、クッション部材14とロッドガイド11との間に配置されている。さらに、弾性部材12は、上,下方向に伸長、縮小する圧縮コイルばねからなり、上端部が内筒6の内周の上端部位に例えば圧入状態で嵌合して取付けられている。なお、弾性部材12は、上端部をロッドガイド11の小径部11Bに対して外嵌して取付ける構成としてもよい。
一方、弾性部材12の他側となる下端部には、クッション部材14の嵌合部15が一体的に嵌合されている。この弾性部材12は、ピストンロッド9の伸び行程で、下端側がクッション部材14を介してピストンロッド9に設けられた後述のストッパ13に押圧されることにより、ピストンロッド9に伸び行程と逆向きの付勢力を付与する。即ち、弾性部材12は、クッション部材14が弾性部材12を縮ませようとする押圧力に抗する方向に付勢力を付与するものである。リバウンドスプリングをなす弾性部材12は、ピストンロッド9の伸びを抑えることにより、例えば車両がコーナリングするときの車体のロールを抑えることができる。
ストッパ13は、ピストン8と弾性部材12(クッション部材14)との間に位置してピストンロッド9の外周側に設けられている。ストッパ13は、ピストンロッド9に対して軸方向に固定されており、該ピストンロッド9と一体的に移動することができる。そして、ストッパ13は、ピストンロッド9の伸び行程で、該ピストンロッド9が大きく伸びたときに、クッション部材14を介して弾性部材12の下端側を圧縮方向(上方向)に押圧するものである。
図2に示すように、ストッパ13は、ピストンロッド9の外周側に一体的に取付けられた筒部13Aと、筒部13Aの弾性部材12側(上端側)を拡径して設けられた鍔部13Bとから段付き筒状に形成されている。鍔部13Bは、クッション部材14を形成する当接部16の下端面16Cに当接するもので、当接部16の内周側に形成される連通路17の環状通路17Aよりも大きな外径寸法を有している。この場合、鍔部13Bの外径寸法は、内筒6の内径寸法よりも十分に小さな寸法に設定されている。これにより、鍔部13Bと内筒6との間では、十分な量の作動油をストッパ13を越えて流通させることができる。
ここで、図3に示すように、ストッパ13は、ピストンロッド9が大きく伸びたときに、鍔部13Bの上端面13B1を当接部16の下端面16Cに当接させる。これにより、鍔部13Bは、後述の連通路17を構成する環状通路17Aを閉塞するから、ピストンロッド9の伸び動作を抑制することができる。一方で、ストッパ13の鍔部13Bは、上端面13B1によって切欠部16Dを下側から覆うことにより、切欠部16Dを後述の絞り通路17Bに変化させることができる。
次に、本実施の形態の特徴部分となるクッション部材14、連通路17を含む構成について説明する。
クッション部材14は、ピストンロッド9の外周側に位置して弾性部材12の下側に設けられている。クッション部材14は、ロッド側室Cをロッドガイド側室C1とピストン側室C2とに区画している。クッション部材14は、前述したストッパ13と後述する連通路17と協働することにより、ピストンロッド9が大きく伸びたときに、所定寸法を超えて伸びないように伸び動作を抑制すると共に、この伸び動作を抑制するときの衝撃を和らげる機能(クッション機能)を有している。
図4に示すように、クッション部材14は、一側となる上側が嵌合部15となって弾性部材12の下端部の内側に嵌合されている。また、クッション部材14は、他側となる下側がストッパ13の鍔部13Bと当接する円環状の当接部16となっている。クッション部材14は、耐油性、耐摩耗性および弾性を有する樹脂材料によって形成されている。
図5に示すように、クッション部材14の嵌合部15は、薄肉な円筒体を周方向に等間隔な3箇所で大きく軸方向に切欠くことにより、ピストンロッド9の外周面に対面する3枚の湾曲板15Aとして形成されている。さらに、各湾曲板15Aの上部には、弾性部材12の下端部に内側から係合する係合凸部15Bが設けられている。なお、嵌合部は、2枚または4枚以上の湾曲板によって形成することもできる。
当接部16の外径寸法は、内筒6の内周面に対して摺動が可能な程度の隙間をもった寸法、即ち、内筒6の内径寸法よりも僅かに小さな寸法に設定されている。一方、嵌合部15および当接部16の内径寸法は、ピストンロッド9の外径寸法よりも十分に大きな寸法、具体的には、ピストンロッド9との間で作動油の流通が可能な環状の通路(後述の環状通路17A)を形成できる寸法に設定されている。この上で、当接部16の内周側には、作動油をより多く流通できるように、3枚の湾曲板15Aを避けるように、周方向の3箇所を軸方向に凹陥して油通溝16Aが形成されている。これにより、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間では、各湾曲板15A間の隙間と各油通溝16Aとにより作動油を円滑に流通させることができる。
また、クッション部材14は、当接部16の外周側となる外周面16Bが内筒6の内面に摺動可能に接触することにより、ロッド側室Cをロッドガイド側室C1とピストン側室C2とに区画している。そして、クッション部材14には、ロッド側室Cをロッドガイド側室C1とを常時連通する後述の連通路17が設けられている。
さらに、図4、図6に示すように、クッション部材14の当接部16には、その下端面16Cを径方向に切欠くことによって後述する連通路17の一部をなす切欠部16Dが設けられている。この切欠部16Dは、当接部16の下端面16Cにストッパ13の鍔部13Bの上端面13B1が当接した状態で、絞り通路17B(図3参照)を構成することができる。
連通路17は、クッション部材14に設けられ、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2とを常時連通するものである。連通路17は、クッション部材14の当接部16とピストンロッド9との間に形成された環状通路17Aと、当接部16の切欠部16Dとを含んで構成されている。環状通路17Aは、ピストンロッド9の外周面とクッション部材14を形成する嵌合部15および当接部16との間に形成された通路である。この環状通路17Aは、各油通溝16Aによって十分な流路面積を有している。従って、図2に示すように、当接部16にストッパ13が当接していない状態では、環状通路17Aを通じてロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間で作動油を自由に流通させることができる。
一方、図3に示すように、ピストンロッド9が大きく伸びて、当接部16の下端面16Cにストッパ13の鍔部13Bの上端面13B1が当接したときには、環状通路17Aがストッパ13によって閉塞されるから、ピストンロッド9が所定寸法を超えて伸びないように伸び動作を抑制することができる。しかも、当接部16の下端面16Cにストッパ13の鍔部13Bの上端面13B1が当接した状態では、切欠部16Dが小さな通路面積の絞り通路17Bとなる。これにより、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間では、ピストンロッド9の伸び動作を抑制している状態でも、絞り通路17Bを通じて少量の作動油が流通する。従って、絞り通路17Bは、ピストンロッド9の伸び動作を抑制するときの衝撃を和らげることができる。また、ピストンロッド9が縮むときにも、円滑に動作させることができる。
本実施の形態による油圧緩衝器1は、上述の如く構成されている。そして、油圧緩衝器1は、ピストンロッド9の上端側を自動車の車体側に取付け、外筒2の下端側を車軸(いずれも図示せず)側に取付ける。これにより、自動車の走行時に振動が発生した場合には、ピストンロッド9が内筒6、外筒2から軸方向に縮小、伸長するときに、ピストン8のディスクバルブ8C,8D等によって縮小側、伸長側の減衰力が発生され、車両の上,下振動を減衰するように緩衝することができる。
ここで、油圧緩衝器1は、ピストンロッド9の伸び切りの抑制および伸び切りから縮み動作への切換え動作の制御が難しく、安定した抵抗力が得られず、乗り心地が悪くなる原因となっている。しかし、本実施の形態では、ピストンロッド9の伸び切り、伸び切りからの縮み動作するときの抵抗力を安定的に制御することができる。
即ち、本実施の形態による油圧緩衝器1において、ピストンロッド9が縮んだ場合の抵抗力の制御と、ピストンロッド9が伸び切り位置に向けて伸びる場合の抵抗力の制御と、伸び切り位置から縮み動作に切換わる場合の抵抗力の制御とについて、図8ないし図11を参照して説明する。
まず、図2は、ピストンロッド9の伸び切りとは関係なく、通常のピストンロッド9の縮み行程および伸び行程の状態を示している。この場合には、クッション部材14の当接部16にストッパ13の鍔部13Bが当接していないから、連通路17の環状通路17Aを通じてロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間で作動油を自由に流通させることができる。従って、ピストンロッド9の伸び切りとは関係のない通常時の縮み行程および伸び行程では、油圧緩衝器1は、ピストン8のディスクバルブ8C,8Dおよびボトムバルブ7によって安定した減衰力を発生することができ、乗り心地を良好にすることができる。
図3は、ピストンロッド9が伸び切り位置に向けて大きく伸長したときの伸び行程を示している。この伸び行程では、ピストンロッド9が上側に向け矢示a方向に移動し、クッション部材14の当接部16の下端面16Cにストッパ13の鍔部13Bの上端面13B1が当接したときには、連通路17の環状通路17Aがストッパ13によって閉塞される。これにより、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間で作動油の流れを制限して減衰力を高めることにより、ピストンロッド9の伸び動作を抑制することができる。この場合、クッション部材14は、弾性部材12に取付けられることで、ストッパ13との当接位置が定まっている。従って、ピストンロッド9が大きく伸長したときに、伸び行程を抑制するタイミングを一定にすることができる。
さらに、連通路17の環状通路17Aをストッパ13によって閉塞した状態では、当接部16の下端面16Cにストッパ13の鍔部13Bの上端面13B1が当接することにより、切欠部16Dが絞り通路17Bに変化する。従って、連通路17の環状通路17Aをストッパ13によって閉塞した状態でも、図3中に矢示D、矢示Eで示すように、環状通路17A、絞り通路17Bを通じて少量の作動油を流通させることができる。これにより、ピストンロッド9の伸び動作を抑制するときの急激な減衰力の上昇を抑えることができ、このときの衝撃を和らげることができる。
一方、ピストンロッド9の伸び切り位置から縮み動作に切換わった場合には、ピストンロッド9が矢示b方向に移動する。このときには、ピストンロッド9の伸び切り時に縮められていた弾性部材12が伸びるから、ストッパ13はクッション部材14に当接したままの状態となる。しかし、前述したように、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間では、連通路17の絞り通路17B、環状通路17Aを通じて少量の作動油を流通(矢示D、矢示Eと逆方向)することができる。これにより、ピストンロッド9の伸び切り位置から縮み動作に円滑に切換えることができる。
かくして、本実施の形態によれば、シリンダを構成する内筒6内には、上側が内筒6の上端側に取付けられて弾性部材12が設けられている。この弾性部材12は、ピストンロッド9の伸び行程で下側がピストンロッド9に設けられたストッパ13に押圧されることにより、ピストンロッド9に伸び行程と逆向きの付勢力を付与する。また、弾性部材12の下側には、上側が弾性部材12に嵌合された嵌合部15と、下側がストッパ13と当接する当接部16とを有するクッション部材14が設けられている。このクッション部材14は、当接部16の外周側が内筒6の内面に摺動可能に接触することにより、ロッド側室Cをロッドガイド側室C1とピストン側室C2とに区画している。この上で、クッション部材14には、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2とを常時連通する連通路17が設けられている。
従って、ピストンロッド9の伸び行程で、クッション部材14の当接部16にストッパ13が当接した場合でも、連通路17を通じてロッドガイド側室C1とピストン側室C2とを常時連通することができる。これにより、ピストンロッド9の伸び動作を抑制するときの急激な減衰力の上昇を抑えて衝撃を和らげることができる。また、クッション部材14を弾性部材12に取付けたことにより、ストッパ13との当接位置を一定にすることができる。この結果、ピストンロッド9が伸びるときの抵抗力を安定させることができ、良好な乗り心地を得ることができる。
クッション部材14は、例えば、耐油性、耐摩耗性および弾性を有する樹脂材料によって形成されている。これにより、クッション部材14は、作動油や摺動による劣化を抑えつつ、軽量で安価に製造することができる。また、樹脂材料の弾性を利用することにより、嵌合部15を弾性部材12に簡単に、かつ確実に嵌合することができる。
クッション部材14の当接部16には、連通路17の一部をなし、当接部16を径方向に切欠くことにより切欠部16Dが設けられている。この切欠部16Dは、当接部16にストッパ13が当接した状態で絞り通路17Bを構成するものである。これにより、切欠部16Dを利用して絞り通路17Bを簡単に設けることができる。
次に、図7は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、クッション部材は、該クッション部材の外周側に設けられるシールリングを含むことにある。また、クッション部材には、該クッション部材の外周側に、シールリングおよび該シールリングが嵌合される溝が設けられることにある。なお、第2の実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図7において、第2の実施の形態によるクッション部材21は、第1の実施の形態によるクッション部材14と同様に、各湾曲板22A、係合凸部22Bを備えた嵌合部22と、油通溝23A、外周面23B、下端面23C、切欠部23Dを備えた当接部23とによって構成されている。しかし、第2の実施の形態によるクッション部材21は、当接部23の外周面23Bに全周に亘って溝23Eが形成されている点で、第1の実施の形態によるクッション部材14と相違している。この溝23Eは、断面四角形状の凹溝として形成されている。
シールリング24は、クッション部材21の外周側に、該クッション部材21の一部として設けられている。シールリング24は、例えばOリングからなり、当接部23の外周面23Bに設けられた溝23E内に配置されている。これにより、シールリング24は、クッション部材21と内筒6との間を摺動可能にシールすることができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、クッション部材21には、該クッション部材21の外周側に溝23Eを設け、この溝23Eにシールリング24を設ける構成としている。これにより、クッション部材21と内筒6との隙間を通じて作動油が流通するのを防止することができる。この結果、ロッドガイド側室C1とピストン側室C2との間を連通路17だけで作動油を流通させることができるから、ピストンロッド9の伸び切り、伸び切りからの縮み動作するときの抵抗力を正確に制御することができる。
なお、第1の実施の形態では、外筒2と内筒6とを含んだ複筒式の緩衝器を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、単一のシリンダ内にピストンが摺動可能に挿嵌された単筒式の緩衝器にも適用することができる。この構成は、第2の実施の形態にも同様に適用することができるものである。
また、各実施の形態では、4輪自動車の各車輪側に取付ける油圧緩衝器1をシリンダ装置の代表例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば2輪車に用いる油圧緩衝器であってもよく、車以外の種々の機械、建築物等に用いるシリンダ装置に用いてもよいものである。
以上説明した実施形態に基づくシリンダ装置として、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。
シリンダ装置の第1の態様としては、作動流体が封入されたシリンダと、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を一側室と他側室とに区画するピストンと、前記ピストンに連結されるピストンロッドと、前記シリンダの一端側に設けられて前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、一側が前記ロッドガイドまたは前記シリンダに取付けられ、前記ピストンロッドの伸び行程で他側が前記ピストンロッドに設けられたストッパに押圧されることにより、前記ピストンロッドに前記伸び行程と逆向きの付勢力を付与する弾性部材と、を備え、前記弾性部材の他側には、一側が前記弾性部材に嵌合された嵌合部と、他側が前記ストッパと当接する当接部とを有するクッション部材が設けられ、前記クッション部材は、前記当接部の外周側が前記シリンダの内面に摺動可能に接触することにより、前記一側室をロッドガイド側室とピストン側室とに区画しており、前記クッション部材には、前記ロッドガイド側室と前記ピストン側室とを常時連通する連通路が設けられていることを特徴としている。
シリンダ装置の第2の態様としては、第1の態様において、前記クッション部材は、該クッション部材の外周側に設けられるシールリングを含むことを特徴としている。
シリンダ装置の第3の態様としては、第1または第2の態様において、前記クッション部材は、樹脂材料によって形成されていることを特徴としている。
シリンダ装置の第4の態様としては、第1,第2または第3の態様において、前記クッション部材の前記当接部には、前記連通路の一部をなし、前記当接部を径方向に切欠くことにより切欠部が設けられ、前記切欠部は、前記当接部に前記ストッパが当接した状態で絞り通路を構成することを特徴としている。
シリンダ装置の第5の態様としては、第2の態様において、前記クッション部材には、該クッション部材の外周側に、前記シールリングおよび該シールリングが嵌合される溝が設けられることを特徴としている。
1 油圧緩衝器(シリンダ装置)
6 内筒(シリンダ)
8 ピストン
9 ピストンロッド
11 ロッドガイド
12 弾性部材
13 ストッパ
14,21 クッション部材
15,22 嵌合部
16,23 当接部
16D,23D 切欠部
17 連通路
23E 溝
24 シールリング
B ボトム側室(他側室)
C ロッド側室(一側室)
C1 ロッドガイド側室
C2 ピストン側室

Claims (5)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    前記シリンダ内に摺動可能に嵌装され、該シリンダ内を一側室と他側室とに区画するピストンと、
    前記ピストンに連結されるピストンロッドと、
    前記シリンダの一端側に設けられて前記ピストンロッドを挿通させて摺動可能に案内するロッドガイドと、
    一側が前記ロッドガイドまたは前記シリンダに取付けられ、前記ピストンロッドの伸び行程で他側が前記ピストンロッドに設けられたストッパに押圧されることにより、前記ピストンロッドに前記伸び行程と逆向きの付勢力を付与する弾性部材と、
    を備え、
    前記弾性部材の他側には、一側が前記弾性部材に嵌合された嵌合部と、他側が前記ストッパと当接する当接部とを有するクッション部材が設けられ、
    前記クッション部材は、前記当接部の外周側が前記シリンダの内面に摺動可能に接触することにより、前記一側室をロッドガイド側室とピストン側室とに区画しており、
    前記クッション部材には、前記ロッドガイド側室と前記ピストン側室とを常時連通する連通路が設けられていることを特徴とするシリンダ装置。
  2. 前記クッション部材は、該クッション部材の外周側に設けられるシールリングを含むことを特徴とする請求項1に記載のシリンダ装置。
  3. 前記クッション部材は、樹脂材料によって形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のシリンダ装置。
  4. 前記クッション部材の前記当接部には、前記連通路の一部をなし、前記当接部を径方向に切欠くことにより切欠部が設けられ、
    前記切欠部は、前記当接部に前記ストッパが当接した状態で絞り通路を構成することを特徴とする請求項1,2または3に記載のシリンダ装置。
  5. 前記クッション部材には、該クッション部材の外周側に、前記シールリングおよび該シールリングが嵌合される溝が設けられることを特徴とする請求項2に記載のシリンダ装置。
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