JP2015197141A - 緩衝器 - Google Patents

緩衝器 Download PDF

Info

Publication number
JP2015197141A
JP2015197141A JP2014074468A JP2014074468A JP2015197141A JP 2015197141 A JP2015197141 A JP 2015197141A JP 2014074468 A JP2014074468 A JP 2014074468A JP 2014074468 A JP2014074468 A JP 2014074468A JP 2015197141 A JP2015197141 A JP 2015197141A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chamber
reservoir chamber
piston
contraction
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014074468A
Other languages
English (en)
Inventor
大志 山貝
Daishi Yamagai
大志 山貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Astemo Ltd
Original Assignee
Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Automotive Systems Ltd filed Critical Hitachi Automotive Systems Ltd
Priority to JP2014074468A priority Critical patent/JP2015197141A/ja
Publication of JP2015197141A publication Critical patent/JP2015197141A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Fluid-Damping Devices (AREA)

Abstract

【課題】基本長が長くなるのを抑え、ピストンロッドの縮み切りを抑制できる緩衝器を提供する。【解決手段】緩衝器1の内筒2と外筒3との間には、油液と共にガスが封入されたリザーバ室Aが形成されている。リザーバ室Aには、該リザーバ室Aを伸側リザーバ室A1と縮側リザーバ室A2に画成するリザーバ室画成部材19が設けられている。縮側リザーバ室A2は、縮側室Cとの間で少なくとも縮側で減衰力を発生するボトムバルブ機構を介して接続されている。伸側リザーバ室A1は、伸側室Bと接続されている。伸側リザーバ室A1には、該伸側リザーバ室A1内を伸側室Bと接続する流体室A1a、ガス室A1bに画成するフリーピストン20が設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車等の振動を緩衝するのに好適に用いられる緩衝器に関する。
自動車等の車両には、相対的に移動する車輪側と車体側との間に緩衝器(ショックアブソーバ)が設けられ、走行時に発生する上,下方向の振動等を緩衝する構成としている。この緩衝器は、作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダの外側に配置され前記シリンダの外側との間にリザーバ室を形成する外筒と、前記シリンダ内に摺動可能に嵌装されたピストンと、該ピストンに連結されて前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドとを備えている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第3150747号明細書
ところで、上述した特許文献1では、ストッパガイドとベース部材の厚み分だけ緩衝器の基本長を長くしなければならないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、基本長が長くなるのを抑え、ピストンロッドの縮み切りを抑制できる緩衝器を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダの外側に配置され前記シリンダとの間にリザーバ室を形成する外筒と、前記シリンダ内に摺動可能に挿嵌され前記シリンダ内を伸側室と縮側室との2室に画成するピストンと、該ピストンに設けられ前記シリンダ内の2室を連通させる前記作動流体の流路と、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記流路に設けられ前記ピストンロッドの伸び及び縮み方向の作動流体の流れを許し、少なくとも伸側で減衰力を発生するピストンバルブ機構と、からなる緩衝器に適用される。
そして、本発明が作用する構成の特徴は、前記リザーバ室には、該リザーバ室を伸側リザーバ室と縮側リザーバ室に画成するリザーバ室画成部材が設けられ、前記縮側リザーバ室は、前記縮側室との間で少なくとも縮側で減衰力を発生するボトムバルブ機構を介して接続され、前記伸側リザーバ室は、前記伸側室と接続され、前記伸側リザーバ室には、該伸側リザーバ室内を前記伸側室と接続する流体室、ガス室に画成するフリーピストンが設けられていることにある。
本発明によれば、ピストンロッドの縮み切りを抑制することができると共に、作動ストロークを容易に確保することができる。
本発明の実施の形態による緩衝器を示す断面図である。 図1中のロッドガイド、リザーバ室画成部材、フリーピストン等を拡大して示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態による緩衝器を、車両用の油圧緩衝器に適用した場合を例に挙げ、図1及び図2に従って詳細に説明する。
図1において、油圧緩衝器1は、シリンダを構成する内筒2を有し、該内筒2の下端側は、後述のボトムバルブ10に嵌合して取付けられている。一方、内筒2の上端側は、後述のロッドガイド14に嵌合して取付けられている。内筒2内には作動流体としての油液が封入されている。作動流体としては油液、オイルに限らず、例えば添加剤を混在させた水等でもよい。なお、以下の説明では、内筒2、後述の外筒3またはピストンロッド6の軸方向一側を「上側」、「上面側」、または「上端側」と記載し、軸方向他側を「下側」、「下面側」、または「下端側」と記載するものとする。
内筒2の外側に配置された外筒3は、下端側が溶接手段等を用いて固着されたボトムキャップ4により閉塞され、上端側が径方向内側に向けて屈曲されたかしめ部3Aとなっている。かしめ部3Aと内筒2との間には、後述の環状板17がロッドガイド14を介して設けられている。さらに、ボトムキャップ4には、例えば車両の車輪側に取付けられる取付アイ(図示せず)が設けられている。
内筒2と外筒3との間には、環状のリザーバ室Aが形成され、このリザーバ室A内には、前記油液と共にガスが封入されている。このガスの圧縮、膨張により、後述のピストンロッド6が内筒2内に進入、進出したときの容積変化を補償している。このガスは、大気圧状態の空気であってもよく、また圧縮された窒素ガス等の気体を用いてもよい。
この場合、ピストンロッド6が縮み動作をする場合は、ガスが圧縮されて内圧が高まりピストンロッド6の縮み動作に対する反力(ガスばね)を発生させる。この反力は、リザーバ室A内の初期ガス容積を小さくすることで大きくすることができる。換言すると、ピストンロッド6が伸び切りしたときのガス容積を適正に調整することで、ピストンロッド6の縮み動作に対するガス反力を規定の大きさに設定することができる。また、リザーバ室Aは、後述のリザーバ室画成部材19により伸側リザーバ室A1と縮側リザーバ室A2とに画成されている。
ピストン5は、内筒2内に摺動可能に挿嵌されている。ピストン5は、内筒2内をロッド側(図1中の上側)に位置する伸側室Bとボトム側に位置する縮側室Cとの2室に画成している。ピストン5には、伸側室Bと縮側室Cとを連通させる油液の流路としての油路5A,5Bがそれぞれ複数個、周方向に離間して形成されている。
内筒2内を軸方向に延びるピストンロッド6は、下端側が内筒2内に挿入され、ピストン5に連結されている。また、ピストンロッド6の上端側は、後述のロッドガイド14を介して内筒2及び外筒3の外部に延出している。また、ピストンロッド6には、伸側室B内に位置してリバウンドストッパ7が固定されている。このリバウンドストッパ7は、ピストンロッド6の伸び切り時に、後述のロッドガイド14に弾性変形しつつ当接することにより、ピストンロッド6がこれ以上に伸長するのを抑制するものである。
ピストン5の下端面には、ピストンバルブ機構としての伸長側のディスクバルブ8が設けられている。この伸長側のディスクバルブ8は、各油路5Aに対応して設けられている。この場合、ディスクバルブ8は、ピストンロッド6が伸長するとき(即ち、ピストン5が上向きに摺動変位するとき)に、各油路5A内を伸側室Bから縮側室Cに向けて流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を伸側で発生するものである。
また、ピストン5の上端面には、ピストンバルブ機構としての縮小側のディスクバルブ9が設けられている。この縮小側のディスクバルブ9は、各油路5Bに対応して設けられている。この場合、ディスクバルブ9は、ピストンロッド6が縮小するとき(即ち、ピストン5が下向きに摺動変位するとき)に、各油路5B内を縮側室Cから伸側室Bに向けて流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を縮側で発生するものである。なお、縮小側については、ディスクバルブ9ではなく、実質的に減衰力を発生しない逆止弁を設けてもよい。
ボトムバルブ10は、内筒2の下端側に位置してボトムキャップ4と内筒2との間に設けられている。ボトムバルブ10は、ボトムキャップ4と内筒2との間でリザーバ室Aと縮側室Cとを画成するバルブボディ11と、バルブボディ11の下面側に設けられたボトムバルブ機構としての縮小側のディスクバルブ12と、バルブボディ11の上面側に設けられたボトムバルブ機構としての伸長側の逆止弁13とにより構成されている。また、バルブボディ11には、リザーバ室Aと縮側室Cとを連通可能とする油路11A,11Bがそれぞれ周方向に間隔をおいて形成されている。
縮小側のディスクバルブ12は、ピストンロッド6が縮小するとき(即ち、ピストン5が下向きに摺動変位するとき)に、各油路11A内を縮側室Cからリザーバ室A(縮側リザーバ室A2)に向けて流通する油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生するものである。
また、伸長側の逆止弁13は、ピストンロッド6が伸長するとき(即ち、ピストン5が上向きに摺動変位するとき)に開弁し、これ以外のときは閉弁する。この逆止弁13は、リザーバ室A(縮側リザーバ室A2)内の油液が縮側室Cに向けて各油路11B内を流通するのを許し、これとは逆向きに油液が流れるのを阻止するものである。この逆止弁13は、実質的に減衰力を発生しない。なお、伸長側については、逆止弁13ではなく、減衰力を発生させるディスクバルブを設けてもよい。
内筒2の上端側には、段付円筒状のロッドガイド14が設けられている。このロッドガイド14は、内筒2の上側部分を外筒3と同心円上に位置決めすると共に、その内周側でピストンロッド6を軸方向に摺動可能にガイドしている。具体的には、ロッドガイド14の外周側は、上段部14Aと中段部14Bと下段部14Cとにより3段状に形成されている。上段部14Aは、外筒3の内径寸法より若干小さく形成されている。この場合、外筒3とロッドガイド14との間は、隙間が形成され油液が流通可能となっている。中段部14Bには、後述のリザーバ室画成部材19の中間筒体19Aが嵌合している。また、下段部14Cには、内筒2が嵌合している。
一方、ロッドガイド14の内周側は、大径孔部14Dと小径孔部14Eとにより形成されている。大径孔部14Dとピストンロッド6と後述のシール部材16とで囲まれた空間は、油溜め室Dとなっている。換言すると、油溜め室Dは、ピストンロッド6の外周側に位置しロッドガイド14と後述のシール部材16とにより囲まれた環状の空間部として形成されている。そして、油溜め室Dは、伸側室B内の油液(または、油液中に混入したガス)がピストンロッド6と後述のブッシュ15との隙間を介して漏出したときに、この漏出油(ガスを含む)を溜めるものである。
小径孔部14Eには、ブッシュ15が設けられている。即ち、ロッドガイド14は、ブッシュ15を介してピストンロッド6を軸方向に摺動可能にガイドしている。ピストンロッド6とブッシュ15との間は極小な隙間が形成され、伸側室Bと油溜め室Dとの間で油液が流通可能となっている。この場合における油液の流体抵抗は、ディスクバルブ8及びディスクバルブ12の流体抵抗よりも大きくなっている。
また、ロッドガイド14には、該ロッドガイド14の上面から上段部14Aに向けて貫通する戻し通路14Fが周方向に離間して複数個設けられている。この戻し通路14Fは、油溜め室Dとリザーバ室A(縮側リザーバ室A2)とを連通(接続)している。そして、ロッドガイド14には、戻し通路14Fよりも径方向の内側に位置して、逃し通路14Gが周方向に離間して複数個設けられている。この逃し通路14Gは、油溜め室Dと後述の伸側リザーバ室A1(流体室A1a)に連通(接続)している。
ロッドガイド14と外筒3のかしめ部3Aとの間には、環状のシール部材16が設けられている。このシール部材16は、中心にピストンロッド6が挿通される孔が設けられた金属製の環状板17にゴム等の弾性材料を焼き付けたもので、内周がピストンロッド6の外周側に摺接することにより該ピストンロッド6との間をシールするものである。
シール部材16の内径側には、図2に示すように、環状板17から外部に突出した上側位置に上側リップ部16Aが設けられ、環状板17から外筒3内に侵入した下側位置に下側リップ部16Bが設けられている。そして、シール部材16は、上側リップ部16Aをリング状の押えばねによってピストンロッド6の外周側に締代をもって摺接させると共に、下側リップ部16Bを押えばねによってピストンロッド6の外周側に締代をもって摺接させることにより、ピストンロッド6との間を気液密にシールしている。
また、シール部材16の下面側には、ロッドガイド14と接触するように延びる逆止弁としてのリップシール16Cが形成されている。このリップシール16Cは、戻し通路14Fと逃し通路14Gとの間でロッドガイド14の上面に当接している。このリップシール16Cは、油溜め室D内の油液等がロッドガイド14の戻し通路14Fを介してリザーバ室A側に向け流通するのを許し、逆向きの流れを阻止するものである。
ロッドガイド14の大径孔部14Dには、摩擦部材18が設けられている。即ち、摩擦部材18は、油溜め室D内に配設されている。摩擦部材18は、環状に形成された金属製の保持部材18Aに、ゴム等の弾性体を焼き付けたもので、内周側をピストンロッド6の外周面に摺接させてピストンロッド6の伸縮に対して摩擦力により抵抗を与えている。
次に、本実施の形態によるリザーバ室画成部材19について説明する。
内筒2と外筒3との間には、例えば金属材料、硬質な樹脂材料等により円筒状に形成されたリザーバ室画成部材19が配設されている。リザーバ室画成部材19は、内筒2よりも大径で、外筒3よりも小径な中間筒体19Aと、該中間筒体19Aの下端側を閉塞する蓋体19Bとにより構成されている。中間筒体19Aは、上端側がロッドガイド14の中段部14Bに嵌合している。即ち、中間筒体19Aの上端側は、ロッドガイド14により施蓋されている。蓋体19Bは、内筒2の長さ方向(上,下方向)のほぼ中間位置に設けられ、内周側にシール部材が設けられている。そして、中間筒体19Aは、蓋体19Bの外周側に嵌合している。
リザーバ室画成部材19は、リザーバ室Aを伸側リザーバ室A1と縮側リザーバ室A2とに画成している。即ち、リザーバ室画成部材19は、中間筒体19Aと内筒2との間で内筒2の外周側を全周に亘って取囲むように延びた伸側リザーバ室A1を内部に形成している。一方、リザーバ室Aのうちリザーバ室画成部材19の中間筒体19Aと外筒3との間の環状空間と、蓋体19Bよりも下方に位置する環状空間とは、縮側リザーバ室A2となっている。
伸側リザーバ室A1は、その上端側でロッドガイド14に形成された逃し通路14G、油溜め室Dを介して伸側室Bと連通するように接続されている。一方、縮側リザーバ室A2は、下端側がボトムバルブ10のバルブボディ11に形成された油路11A,11Bを介して縮側室Cと接続され、上端側がロッドガイド14に形成された戻し通路14Fを介して油溜め室Dに接続されている。
縮側リザーバ室A2内には、ボトムバルブ10側が常に油液で充満され、ロッドガイド14側にはガスが封入されている。この場合、リザーバ室画成部材19により、縮側リザーバ室A2の容積を小さくして、ガスばねとしてのばね定数を大きくしている。これにより、ピストンロッド6がストロークの下限域に突入したとき(即ち、図1に示すようにピストンロッド6の下端側がボトムバルブ10に近接したとき)の減衰力を、通常のストローク領域の減衰力よりも大きくすることができるので、ピストンロッド6の縮み切りを抑制することができる。
伸側リザーバ室A1内には、該伸側リザーバ室A1内を摺動可能なフリーピストン20が設けられている。フリーピストン20は、例えばフッ素系樹脂(ポリテトラフルオロエチレン)等の樹脂材料、ゴム材料、金属材料により形成され、リザーバ室画成部材19の中間筒体19Aとの間でシール性及び摺動性を有している。伸側リザーバ室A1内のうち、ロッドガイド14とフリーピストン20との間は流体室A1aとなり、フリーピストン20と蓋体19Bとの間はガス室A1bとなっている。
流体室A1aは、ピストンロッド6の作動に伴う発熱で油液及びガスの体積が膨張したときに、伸側室Bから油溜め室D内に流入した油液の一部が逃し通路14Gを介して流入するのを許すものである。一方、ガス室A1b内には、空気または窒素等のガスが封入され、後述のコイルばね21が配設されている。この場合、流体室A1aに流入した油液の圧力により、フリーピストン20は、後述のコイルばね21を僅かに圧縮変形させて初期撓みを与えるように伸側リザーバ室A1内を蓋体19B側へと移動する。
ガス室A1bに設けられたコイルばね21は、内筒2の外周側で蓋体19Bとフリーピストン20との間に配設されている。コイルばね21は、流体室A1aに流入した油液、即ち熱膨張して増加したガス及び油液の圧力を、中間筒体19A内のフリーピストン20と共に吸収するものである。
本実施の形態による油圧緩衝器1は、上述の如き構成を有するもので、次に、その作動について説明する。
まず、油圧緩衝器1を自動車等の車両に実装するときには、例えば、ピストンロッド6の上端側が車両の車体側に取付けられ、ボトムキャップ4に設けられた取付アイ側が車輪側に取付けられる。
車両の走行時には、路面の凹凸等により、上,下方向の振動が発生すると、ピストンロッド6が外筒3から伸長、縮小するように変位し、ピストン5に設けられたディスクバルブ8,9やバルブボディ11に設けられたディスクバルブ12等により減衰力を発生することができ、車両の振動を緩衝することができる。
具体的には、ピストンロッド6が伸長するときには、伸側室B内の油液がピストン5の油路5Aを流通して縮側室Cへと流れる。この場合、ピストン5の下面側に設けられたディスクバルブ8により油路5Aを流れる油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生している。また、縮側リザーバ室A2内の油液は、ボトムバルブ10の油路11Bに設けられた逆止弁13を開弁して縮側室C内へと流れる。この場合、縮側リザーバ室A2内の液面F(油面)は、下側(ボトムバルブ10側)に向けて移動する。
一方、ピストンロッド6が縮小するときには、縮側室C内の油液がピストン5の油路5Bを流通して伸側室Bへと流れる。この場合、ピストン5の上面側に設けられたディスクバルブ9により油路5Bを流れる油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生している。また、ピストンロッド6が内筒2内に進入して増加した容積分の油液は、縮側室Cからボトムバルブ10の油路11Aを流通して縮側リザーバ室A2内へと流れる。この場合、バルブボディ11の下面側に設けられたディスクバルブ12により油路11Aを流れる油液に抵抗力を与えて所定の減衰力を発生している。
ピストンロッド6の縮み行程において、縮側リザーバ室A2内の液面F(油面)は、上側(ロッドガイド14側)に向けて移動する。このとき、縮側リザーバ室A2内のガスは、シール部材16のリップシール16Cが閉弁しているので、縮側リザーバ室A2内で圧縮されて内圧が高まり、ピストンロッド6の縮み動作に対するガス反力を発生させる。
ここで、例えば車両の乗車人数が多い場合(積載重量が大きい場合)には、その重量により油圧緩衝器1が縮んだ状態となり、この状態で走行するとピストンロッド6が底付き(縮み切り)しやすく乗り心地が悪いという問題がある。そこで、上述した従来技術では、内筒の下端側にベース部材を設け、ピストンロッドの下端側にベース部材に対応したストッパガイドを設けることにより、ピストンロッドのストローク下限域に突入したときに、通常のストローク領域よりも高い減衰力を発生させている。しかし、ピストンロッドの作動ストロークを確保するために、ストッパガイドとベース部材の厚み分だけ油圧緩衝器の基本長を長くしなければならないという問題がある。
また、ピストンロッド6の縮みに対する反力は、縮側リザーバ室A2内の初期ガス容積を小さくすることにより、ピストンロッド6のストローク下限域で通常のストローク領域よりも高い減衰力を発生させることができる。しかし、縮側リザーバ室A2内のガスが圧縮状態で、ピストンロッド6を上,下方向に移動すると、縮側リザーバ室A2内のガスは発熱しやすくなる。そして、この縮側リザーバ室A2内の発熱が、例えば内筒2を介して伸側室B内の油液に伝わると、ガスと共に油液の体積が膨張し、内筒2内の圧力が過度に高くなる。
この熱膨張による内筒2の圧力上昇は、ピストンロッド6とブッシュ15との間の隙間を介して油溜め室D内へと導かれ、油溜め室Dも圧力上昇する。この場合、油溜め室D内に位置するシール部材16のリップシール16Cは、縮側リザーバ室A2からロッドガイド14の戻し通路14Fを介して油溜め室D内へ流れたガスにより強い力で押圧されているので開弁することができない。その結果、油溜め室D内で圧力がシール部材16の耐圧強度以上に増加すると、シール部材16が破損、損傷する虞がある。
そこで、本実施の形態では、内筒2と外筒3との間に形成されたリザーバ室Aに、該リザーバ室Aを伸側リザーバ室A1と縮側リザーバ室A2とに画成するリザーバ室画成部材19を設け、伸側リザーバ室A1内をロッドガイド14の逃し通路14Gを介して油溜め室Dに連通(接続)させている。
リザーバ室画成部材19は、上端側がロッドガイド14に嵌合され、下端側が内筒2のほぼ中間部まで延びている。これにより、縮側リザーバ室A2の容積は小さくなり、ひいては縮側リザーバ室A2のガス容積を小さくすることができる。その結果、ピストンロッド6がストロークの下限域に突入したときに、通常のストローク領域よりもガスばねとしての働きを増強させることができるので、ピストンロッド6の縮み切りを抑制することができる。
そして、熱膨張したガスと油液による圧力上昇は、縮側リザーバ室A2内から内筒2内へと伝わり、さらにピストンロッド6とブッシュ15との間の隙間を介して油溜め室D内へと導かれる。この場合、油溜め室D内に位置するシール部材16のリップシール16Cは、縮側リザーバ室A2からロッドガイド14の戻し通路14Fを介して油溜め室D内へ流れたガスにより強い力で押圧されているので開弁することができない。このため、油溜め室D内の圧力上昇した油液は、ロッドガイド14の逃し通路14Gを流通して、リザーバ室画成部材19内の流体室A1aへと導かれる。
ここで、リザーバ室画成部材19内は、フリーピストン20により上側に位置する流体室A1aと、下側に位置するガス室A1bとに画成され、ガス室A1b内には、フリーピストン20を上側(ロッドガイド14側)に付勢するコイルばね21が設けられている。従って、流体室A1aに流れた油液がフリーピストン20を押圧してコイルばね21を圧縮することにより、熱膨張して増加したガス及び油液の圧力をコイルばね21により吸収し、油溜め室D及び内筒2内の圧力が過剰圧となるのを抑えることができる。これにより、シール部材16等に過剰圧が作用するのを抑制することができる。
その後、ピストンロッド6の縮み切り状態が解消され、リザーバ室Aの縮側リザーバ室A2内のガス及び油液の温度が徐々に低下してくると、ガス及び油液の熱膨張も低下する。このため、内筒2及び油溜め室D内の油液は、油度の低下に伴って圧力も低下する。これにより、熱膨張して増加したガス及び油液の圧力を吸収していたコイルばね21が伸長するので、リザーバ室画成部材19の伸側リザーバ室A1のうちフリーピストン20により画成された流体室A1a内の油液は、フリーピストン20に押圧されて逃し通路14Gを介して油溜め室Dに流通する。
かくして、本実施の形態によれば、リザーバ室Aには、該リザーバ室Aを伸側リザーバ室A1と縮側リザーバ室A2に画成するリザーバ室画成部材19が設けられ、伸側リザーバ室A1は、伸側室Bと接続され、伸側リザーバ室A1には、該伸側リザーバ室A1内を伸側室Bと接続する流体室A1a、ガス室A1bに画成するフリーピストン20が設けられている。
これにより、リザーバ室画成部材19により縮側リザーバ室A2の容積は小さくなり、ひいては縮側リザーバ室A2のガス容積を小さくすることができる。その結果、ピストンロッド6がストロークの下限域に突入したときに、ピストンロッド6の縮み切りを抑制することができる。また、リザーバ室A内にピストンロッド6の縮み切りを抑制するリザーバ室画成部材19を設けているので、基本長が長くなるのを抑制することができ、作動ストロークを容易に確保することができる。
さらに、ピストンロッド6の下限域での伸縮動作が繰返され、ガス及び油液が熱膨張することにより、油溜め室D内の圧力上昇した油液は、ロッドガイド14の逃し通路14Gを流通して、リザーバ室画成部材19内の流体室A1aへと導かれる。そして、熱膨張により増加したガス及び油液の圧力をリザーバ室画成部材19内のガス室A1b内に設けられたコイルばね21により吸収し、油溜め室D及び内筒2内の圧力が過剰圧となるのを抑えることができる。これにより、シール部材16等の耐久性と寿命を高めることができる。
なお、上述した実施の形態では、ガス室A1b内にコイルばね21を設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばコイルばねに代えてガス室内に圧縮したガスを充満させ、ガスばねとして作動させる構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、ピストンロッド6が縮み切り状態でリザーバ室A内の油面Fをリザーバ室画成部材19よりも下側に位置する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばリザーバ室内の油面は、リザーバ室画成部材の下面よりも高い位置に設定する構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、自動車等の車両に設ける油圧緩衝器1を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば振動源となる種々の機械、建築物等に用いる緩衝器にも適用することが可能である。
次に、前記実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明によれば、前記伸側リザーバ室と前記伸側室とは、前記ピストンバルブ機構及び前記ボトムバルブ機構よりも大きな流体抵抗を持って接続されている。これにより、ピストンロッドのストロークでは、ピストンの油路やバルブボディの油路に積極的に油液を流通させることができるので安定した減衰力を発生させることができる。
1 油圧緩衝器(緩衝器)
2 内筒(シリンダ)
3 外筒
5 ピストン
5A,5B 油路
6 ピストンロッド
8,9 ディスクバルブ(ピストンバルブ機構)
12 ディスクバルブ(ボトムバルブ機構)
19 リザーバ室画成部材
20 フリーピストン
A リザーバ室
A1 伸側リザーバ室
A1a 流体室
A1b ガス室
A2 縮側リザーバ室
B 伸側室
C 縮側室

Claims (2)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダの外側に配置され前記シリンダとの間にリザーバ室を形成する外筒と、前記シリンダ内に摺動可能に挿嵌され前記シリンダ内を伸側室と縮側室との2室に画成するピストンと、該ピストンに設けられ前記シリンダ内の2室を連通させる前記作動流体の流路と、前記ピストンに連結されて前記シリンダの外部へ延出されたピストンロッドと、前記流路に設けられ前記ピストンロッドの伸び及び縮み方向の作動流体の流れを許し、少なくとも伸側で減衰力を発生するピストンバルブ機構と、からなり、
    前記リザーバ室には、該リザーバ室を伸側リザーバ室と縮側リザーバ室に画成するリザーバ室画成部材が設けられ、
    前記縮側リザーバ室は、前記縮側室との間で少なくとも縮側で減衰力を発生するボトムバルブ機構を介して接続され、
    前記伸側リザーバ室は、前記伸側室と接続され、前記伸側リザーバ室には、該伸側リザーバ室内を前記伸側室と接続する流体室、ガス室に画成するフリーピストンが設けられたことを特徴とする緩衝器。
  2. 前記伸側リザーバ室と前記伸側室とは、前記ピストンバルブ機構及び前記ボトムバルブ機構よりも大きな流体抵抗を持って接続されていることを特徴とする請求項1に記載の緩衝器。
JP2014074468A 2014-03-31 2014-03-31 緩衝器 Pending JP2015197141A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014074468A JP2015197141A (ja) 2014-03-31 2014-03-31 緩衝器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014074468A JP2015197141A (ja) 2014-03-31 2014-03-31 緩衝器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015197141A true JP2015197141A (ja) 2015-11-09

Family

ID=54546964

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014074468A Pending JP2015197141A (ja) 2014-03-31 2014-03-31 緩衝器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015197141A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019060452A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ
JP2019203515A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ
JP2020041650A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6149148U (ja) * 1984-09-03 1986-04-02
JP2010071413A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6149148U (ja) * 1984-09-03 1986-04-02
JP2010071413A (ja) * 2008-09-19 2010-04-02 Kayaba Ind Co Ltd 緩衝器

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019060452A (ja) * 2017-09-28 2019-04-18 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ
JP2019203515A (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ
JP7089403B2 (ja) 2018-05-21 2022-06-22 Kyb株式会社 ダンパ
JP2020041650A (ja) * 2018-09-13 2020-03-19 カヤバ システム マシナリー株式会社 ダンパ
JP7116646B2 (ja) 2018-09-13 2022-08-10 Kyb株式会社 ダンパ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4890272B2 (ja) 気体式のショックアブソーバのロッドガイド及びシールシステム
JP5008667B2 (ja) 非対称吸込減衰弁
JP5972370B2 (ja) 低ノイズバルブアセンブリ
JP2015068428A (ja) シリンダ装置及びその製造方法
US20060219506A1 (en) Shock absorber including supplemental friction generating device
JP6374701B2 (ja) 緩衝器
JP2017506729A (ja) 周波数依存性の受動弁を有するショックアブソーバ
JP6277447B2 (ja) 油圧緩衝器
JP6577826B2 (ja) 緩衝器
US9874263B2 (en) Shock absorber
JP2015197141A (ja) 緩衝器
WO2019221098A1 (ja) シリンダ装置
JP2011214633A (ja) シリンダ装置
US20200088261A1 (en) Valve structure of shock absorber
JP5370650B2 (ja) 制振ダンパ及び構造物
JP5443227B2 (ja) 液圧緩衝器
JP2015227677A (ja) シリンダ装置
JP2009024726A (ja) 空圧緩衝器
JP7113143B2 (ja) シリンダ装置
JP5136780B2 (ja) 流体圧緩衝器
JP2007092926A (ja) ショックアブソーバ
KR20110047974A (ko) 완충기
JP6810603B2 (ja) シリンダ装置
JP2020016287A (ja) シリンダ装置
JP2015197142A (ja) シリンダ装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20161124

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170824

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170829

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20170829

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20180306