JP5370650B2 - 制振ダンパ及び構造物 - Google Patents
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Description
該シリンダ内に挿入され、外周にピストンリングが設けられ、前記シリンダ内をシリンダ上室とシリンダ下室に画成するピストンと、
該ピストンに連結されて前記シリンダの上端側から外部に突出するピストンロッドと、
前記シリンダの上端部に設けられて前記ピストンロッドとの間をシールするシール手段と、
前記ピストンに設けられ、前記ピストンロッドの伸び側よりも縮み側のストロークに対して大きな減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、
建物の構造材の間に前記シリンダの上端側を上側に向けて直立又は傾斜させて取付けられる制振ダンパであって、
前記シリンダ上室には前記油液と接触する状態で空気が封入され、
前記シリンダ下室は、前記ピストンに設けられたピストン油路のみにより前記シリンダ上室のみと連通し、
前記シール手段にグリスを供給するグリス溜めと、
前記ピストンの前記シリンダ下室側には、前記減衰力発生機構として、外周部が前記ピストンの前記ピストン油路の開口部の外周に設けられた環状のシート部と当接して、前記ピストンロッドの縮み側のストロークに対して内周側がピストン側に撓み減衰力を発生するディスクバルブと、
該ディスクバルブの外周部に設けられたオリフィス通路と、
前記ディスクバルブの前記ピストンの反対側に設けられ、前記ディスクバルブの内周側が着座するシート部を有し、前記ピストンロッドの伸び側のストロークに対して前記ディスクバルブと共にピストンから離間するように移動することで前記ディスクバルブを逆止弁として機能させる環状のリテーナと、
該リテーナの内周側をシールするシールリングと、
前記リテーナを前記ピストン方向に付勢するばねと、
を有することを特徴とする。
図1に示すように、本実施形態に係る制振ダンパ1は、シリンダ2の上部からピストンロッド3が突出した正立型の単筒式液圧緩衝器である。この単筒式液圧緩衝器は、取付長がおおよそ350mm(ロッドを最大に延ばした状態で500mm)、太さは直径40mm程度の寸法である。有底円筒状のシリンダ2内には、ピストン4が摺動可能に挿入され、ピストン4によってシリンダ2内がシリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの2室に仕切られている。ピストン4には、ピストンロッド3の一端部がナット5によって連結され、ピストンロッド3の他端側は、シリンダ上室2Aを通り、シリンダ2の開口部に取付けられたロッドガイド6及びオイルシール7を貫通して外部に突出している。シリンダ2内には、一定量の油液及びガスが互いに接触した状態で封入され、シリンダ上室2Aの上部がガス室2Cとなっている。なお、ガスとしては、不活性の窒素等を使用してもよいが、利便性の観点から空気(大気)が望ましい。また、ガスの圧力は、長期間使用されるものであるので、組立時に大気圧で封入する(組立時のピストン位置により組立後の圧力は異なるが、大気圧前後となる)ことが望ましい。また、油液は、本実施形態にあっては、鉱油系のオイルで粘性が10から15mm2/sを用いている。
また、ピストンリング18の内周にも極力漏れを防ぐため、Oリング18Aが設けられている。なお、リテーナ11とリテーナガイド8との間隔を小さくできれば、Oリング19を省略することも可能である。しかし、望ましくは、摺動部であって、シリンダ上室2Aとシリンダ下室2Bとの間をシールする部分には、クリアランスでシールするのではなく、すべてシールリングを設けたほうがよい。
図4及び図5に示すように、制振ダンパ1は、木造住宅等の建物の構造材である縦材31(木造軸組みでは柱)と横材32(木造軸組みでは上梁、下梁)とで構成された枠体33に装着される。制振ダンパ1は、略直交する縦材31と横材32との結合部の付近に、縦材31及び横材32に対して、略45°の角度で傾斜させ、ピストンロッド3が上側となり、シリンダ2が下側となるように取付けられる。制振ダンパ1の縦材31及び横材32との結合は、縦材31及び横材32にネジ止め等の公知の取付手段によって取付けられたブラケット34に取付部29、30をピン35によって回動可能に軸着することによって行なう。
なお、ツーバイフォーの場合は、縦材31は、間柱(スタッド)であってもよい。
なお、本発明が提供されて好適な構造物は、木造や軽量鉄骨を用いた3階建て以下の低層住宅である。
地震等による建物の揺れによって枠体33が歪むと、縦材31と横材32との間に結合された制振ダンパ1のピストンロッド3がストロークする。このとき、ピストンロッド3の伸び側のストローク(伸び行程)に対しては、ディスクバルブ14が逆止弁として、ピストン油路9のシリンダ上室2A側からシリンダ下室2B側への油液の流れを許容する。したがって、制振ダンパ1は、ピストンロッド3の伸び側のストロークに対しては、殆ど減衰力を発生しない。
本実施形態にあっては、0.025m/sで5000N以上、0.05m/sで10000N以上であり、0.15m/sという高速領域では、20000N以下という理想的な減衰力特性を得ている。
これに対し、伸び側の減衰力は、全てのピストン速度領域(0.15m/s以下)で、略100N以下である。これは、0.1m/sで50倍以上の減衰力の差があり、実質的に伸び側では減衰力は出ていない。
このように、自動車等のダンパと、大きさ等は差が無いが、使用ピストン速度が0.2m/s以下であり、発生減衰力が10000前後と、自動車用ダンパ極めて似ている外見であるものの特性は全く異なり、また、殆どストロークしない環境に長時間放置されるものであり、自動車用等のダンパとは、使用環境も全く異なる。
よって、まず、微低速でも減衰力を発生させるために、シリンダ下室2Bは、ガスやアキュムレータと接続されない油液のみの部屋とすることで、縮み側のストロークにおいては、ピストンの移動によりシリンダ下室2Bの容積が小さくなる分の油液全てがピストン部に流れる構造とすることで、微低速から減衰力を高くすることが可能となる。
また、ピストンの下室側に設けるバルブは、ピストンから平行に移動可能なディスクバルブとし、コイルバネで押圧する構造とすることで、より減衰力を低くすることができる。
Claims (8)
- 油液が封入されたシリンダと、
該シリンダ内に挿入され、外周にピストンリングが設けられ、前記シリンダ内をシリンダ上室とシリンダ下室に画成するピストンと、
該ピストンに連結されて前記シリンダの上端側から外部に突出するピストンロッドと、
前記シリンダの上端部に設けられて前記ピストンロッドとの間をシールするシール手段と、
前記ピストンに設けられ、前記ピストンロッドの伸び側よりも縮み側のストロークに対して大きな減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、
建物の構造材の間に前記シリンダの上端側を上側に向けて直立又は傾斜させて取付けられる制振ダンパであって、
前記シリンダ上室には前記油液と接触する状態で空気が封入され、
前記シリンダ下室は、前記ピストンに設けられたピストン油路のみにより前記シリンダ上室のみと連通し、
前記シール手段にグリスを供給するグリス溜めと、
前記ピストンの前記シリンダ下室側には、前記減衰力発生機構として、外周部が前記ピストンの前記ピストン油路の開口部の外周に設けられた環状のシート部と当接して、前記ピストンロッドの縮み側のストロークに対して内周側がピストン側に撓み減衰力を発生するディスクバルブと、
該ディスクバルブの外周部に設けられたオリフィス通路と、
前記ディスクバルブの前記ピストンの反対側に設けられ、前記ディスクバルブの内周側が着座するシート部を有し、前記ピストンロッドの伸び側のストロークに対して前記ディスクバルブと共にピストンから離間するように移動することで前記ディスクバルブを逆止弁として機能させる環状のリテーナと、
該リテーナの内周側をシールするシールリングと、
前記リテーナを前記ピストン方向に付勢するばねと、
を有することを特徴とする制振ダンパ。 - 前記減衰力発生機構は、前記ピストンロッドの縮み側のストロークに対してピストン速度0.05m/sで5000N以上の減衰力を発生し、伸び側のストロークに対してピス
トン速度0.1m/sで500N以下の減衰力を発生することを特徴とする請求項1に記載の制振ダンパ。 - 前記減衰力発生機構は、縮み側のストロークに対してピストン速度0.15m/sで30000N以下の減衰力を発生することを特徴とする請求項2に記載の制振ダンパ。
- 前記シリンダ上室内の空気は、組み立て時に大気圧で封入されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の制振ダンパ。
- 木材の縦材と木材の横材とからなり、前記縦材と前記横材との接合部に傾斜させて制振ダンパを設けた構造物において、
前記制振ダンパは、
油液が封入されたシリンダと、
該シリンダ内に挿入され、外周にピストンリングが設けられ、前記シリンダ内をシリンダ上室とシリンダ下室に画成するピストンと、
該ピストンに連結されて前記シリンダの上端側から外部に突出するピストンロッドと、
前記シリンダの上端部に設けられて前記ピストンロッドとの間をシールするシール手段と、
前記ピストンに設けられ、前記ピストンロッドの伸び側よりも縮み側のストロークに対して大きな減衰力を発生させる減衰力発生機構とを備え、
前記シリンダ上室には前記油液と接触する状態で空気が封入され、
前記シリンダ下室は、前記ピストンに設けられたピストン油路のみにより前記シリンダ上室のみと連通し、
前記シール手段にグリスを供給するグリス溜めと、
前記ピストンの前記シリンダ下室側には、前記減衰力発生機構として、外周部が前記ピストンの前記ピストン油路の開口部の外周に設けられた環状のシート部と当接して、前記ピストンロッドの縮み側のストロークに対して内周側がピストン側に撓み減衰力を発生するディスクバルブと、
該ディスクバルブの外周部に設けられたオリフィス通路と、
前記ディスクバルブの前記ピストンの反対側に設けられ、前記ディスクバルブの内周側が着座するシート部を有し、前記ピストンロッドの伸び側のストロークに対して前記ディスクバルブと共にピストンから離間するように移動することで前記ディスクバルブを逆止弁として機能させる環状のリテーナと、
該リテーナの内周側をシールするシールリングと、
前記リテーナを前記ピストン方向に付勢するばねと、
を有することを特徴とする構造物。 - 前記減衰力発生機構は、前記ピストンロッドの縮み側のストロークに対してピストン速度0.05m/sで5000N以上の減衰力を発生し、伸び側のストロークに対してピストン速度0.1m/sで500N以下の減衰力を発生することを特徴とする請求項5に記載の構造物。
- 前記減衰力発生機構は、縮み側のストロークに対してピストン速度0.15m/sで30000N以下の減衰力を発生することを特徴とする請求項6に記載の構造物。
- 前記シリンダ上室内の空気は、前記制振ダンパの組み立て時に大気圧で封入されることを特徴とする請求項5乃至7のいずれかに記載の構造物。
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JP2009050747A JP5370650B2 (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 制振ダンパ及び構造物 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2009050747A JP5370650B2 (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 制振ダンパ及び構造物 |
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JP2009050747A Active JP5370650B2 (ja) | 2009-03-04 | 2009-03-04 | 制振ダンパ及び構造物 |
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